JPH05164074A - 2シリンダ形ロータリ圧縮機 - Google Patents

2シリンダ形ロータリ圧縮機

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JPH05164074A
JPH05164074A JP32790191A JP32790191A JPH05164074A JP H05164074 A JPH05164074 A JP H05164074A JP 32790191 A JP32790191 A JP 32790191A JP 32790191 A JP32790191 A JP 32790191A JP H05164074 A JPH05164074 A JP H05164074A
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JP
Japan
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crankshaft
cylinder
rotary compressor
electric motor
eccentric
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Application number
JP32790191A
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English (en)
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Kazuhisa Ichimoto
和久 市本
Kazuhiro Endo
和広 遠藤
Akihiko Ishiyama
明彦 石山
Minoru Ooki
年 大木
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、クランク軸の偏心部と潤滑
油の案内溝部に関する加工費を低減し、軸受部にかかる
荷重も低減する2シリンダ形ロータリ圧縮機を提供する
ことにある。 【構成】 密閉容器1内に電動機部と2個のポンプ部か
らなる圧縮機構部とを備えた2シリンダ形ロータリ圧縮
機において、クランク軸3の2個の偏心部3a,3bを
同方向に偏心させて形成し、2個のベーン15a,15
bを互いに180°ずらして装着したことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば冷蔵庫や空気調
和機用の冷凍サイクルに使用される2シリンダ形ロータ
リ圧縮機に係り、特に、低コストで製造できる信頼性の
高い構造の2シリンダ形ロータリ圧縮機に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、1シリンダ形のロータリ圧縮機が
冷蔵庫や空気調和機等に広く用いられてきたが、該1シ
リンダ形ロータリ圧縮機は冷媒ガスを圧縮するときのト
ルク変動が大きいために、大きな振動,騒音を発生して
いた。しかし、近年になって冷蔵庫や空気調和機等に対
する低振動,低騒音化の要求が高まってきたため、その
ニーズに応えるものとして2シリンダ形のロータリ圧縮
機の開発が進められてきた。2シリンダ形ロータリ圧縮
機としては、例えば、特開昭63−21383号公報記
載のものが知られている。該2シリンダ形ロータリ圧縮
機の構造を図9を参照して説明する。
【0003】図9は、従来の2シリンダ形ロータリ圧縮
機の縦断面図である。図9に示す2シリンダ形ロータリ
圧縮機は、密閉容器1A内に電動機部と圧縮機構部とが
収納されている。電動機部は、密閉容器1Aに焼嵌め等
で固定されたステータ2と、クランク軸3に固定された
ロータ4とで構成されている。圧縮機構部は、密閉容器
1Aに溶接等で固定されたポンプ保持板5に2組のロー
タリ圧縮機装置(以下ポンプ部という)が設置されてい
る。そのうち、第1のポンプ部は、クランク軸3を支持
する主軸受6A、第1シリンダ7A、仕切板8A、クラ
ンク軸3の偏心部3aに嵌入されたローラ14a、ロー
ラ14aの回転に追従して往復動するベーン(図示せ
ず)とで構成され、第2のポンプ部は、前記仕切板8
A、第2シリンダ9A、クランク軸3を支持する副軸受
10A、クランク軸3の偏心部3bに嵌入されたローラ
14b、ローラ14bの回転に追従して往復動するベー
ン(図示せず)とで構成されている。
【0004】前記の主軸受6A、第1シリンダ7A、そ
切板8A、第2シリンダ9A、副軸受10Aは、取付ボ
ルト11によってポンプ保持板5に固定されている。ク
ランク軸3の偏心部である3a,3bは、互いに回転方
向に180°の位相差を有して形成されており、また、
第1のポンプ部内と第2のポンプ部内に設けられたそれ
ぞれのベーンは、回転方向に同位相に装着されている。
そのため、クランク軸3が1回転する間に、それぞれの
ポンプ部で180°おきにガスを圧縮するので、ガス圧
縮に伴うトルクの変動が平滑化され圧縮機の振動が低減
される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の2シリ
ンダ形ロータリ圧縮機は、トルク変動の平滑化によって
圧縮機から発生する騒音,振動が低減できる効果がある
が、圧縮機の製造コストが増大するという問題があっ
た。1シリンダ形のロータリ圧縮機と比較して2シリン
ダ形ロータリ圧縮機で、特にコストを増大させる箇所は
クランク軸の加工費である。2シリンダ形の場合、主軸
受部と副軸受部との間に逆方向の偏心部を加工するため
のクランク軸の位置決めが困難であった。
【0006】さらに、主軸受部と副軸受部、および偏心
部においては、これらのすべり軸受面の全部に潤滑油を
供給するため、軸受面内に潤滑油の案内溝を設ける必要
があり、1シリンダ形の場合にはクランク軸側に形成し
ていた。これは、クランク軸側に形成する場合は、主軸
受,偏心部,副軸受部に一度の加工で案内溝を形成する
ことができ、加工費を低減できるためである。しかし、
従来の2シリンダ形のロータリ圧縮機では、軸側に案内
溝を設けることは困難であり、さらに、一度の加工で全
ての部分に案内溝を形成することなど不可能であった。
この理由を図7,図8を参照して説明する。
【0007】図7は、従来の2シリンダ形ロータリ圧縮
機における、1回転中にクランク軸の主軸部分にかかる
荷重をベクトルで示した説明図である。図中の一点鎖線
がクランク軸の偏心部方向を示す。すなわち、図7にお
ける、矢印に示す上方が第1の偏心方向、下方が第2の
偏心方向になり、回転方向は矢印に示す右回りで、反電
動機側からみた図である。同心円は荷重(kg)のスケ
ールを示す。この図7から、クランク軸の両側に荷重の
負荷領域が発生していることがわかる。これは、クラン
ク軸上の逆方向に2個の偏心部が設けられていることに
よるものである。一方、すべり軸受面内に形成する案内
溝は、負荷面での油膜の圧力発生を妨げないように負荷
がかからない領域に設ける必要があり、クランク軸側に
はこの領域がほとんどない。
【0008】図8は、図7と同様にして従来の2シリン
ダ形ロータリ圧縮機における1回転中の主軸の軸受側に
かかる荷重をベクトルで示した説明図である。図8の上
方が第1および第2のベーンが装着されている方向を示
す。図8から、軸受側には負荷のかからない領域が広範
囲に存在するのがわかる。こうした理由により、従来の
2シリンダ形ロータリ圧縮機では、軸受側に潤滑油の案
内溝が設けられており、1シリンダ形のように一度の加
工で全ての箇所に案内溝を形成することはできなかっ
た。
【0009】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、クランク軸の偏心部および潤
滑油の案内溝における加工費を大幅に低減し、低コスト
で製造しうる2シリンダ形ロータリ圧縮機を提供するこ
とを、その目的とするものである。また、本発明の他の
目的は、軸受部にかかる荷重を低減し、信頼性の高い2
シリンダ形ロータリ圧縮機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の2シリンダ形ロータリ圧縮機に係る第1の
発明の構成は、密閉容器内に、電動機部と、2個のポン
プ部からなる圧縮機構部とを備え、電動機の回転力をク
ランク軸によって圧縮機構部に伝達し、2個のポンプ部
で交互に冷媒ガスを圧縮する2シリンダ形ロータリ圧縮
機において、ポンプ部内で吸込側と吐出側とを仕切って
往復動するベーンが、前記2個のポンプ部間で回転方向
に180°の位相差を有して装着され、クランク軸の2
個の偏心部が同一方向に形成されたものである。また、
このとき、クランク軸の同一方向に設けられた2個の偏
心部における、偏心量および偏心部の直径も同一にする
ことにより、上記目的は、さらに効果的に達成される。
【0011】また、上記目的を達成するために、本発明
の2シリンダ形ロータリ圧縮機に係る第2の発明の構成
は、密閉容器内に、電動機部と、電動機に直結し2個の
偏心部を有するクランク軸と、前記2個の偏心部に嵌入
された2個のローリングピストンと、前記クランク軸の
回転に伴い2個のローリングピストンが偏心回動する2
個のシリンダとを備え、前記電動機側から主軸受、第1
シリンダ、仕切板、第2シリンダ、副軸受の各要素を配
置してなる2シリンダ形ロータリ圧縮機において、前記
第1,第二シリンダ内で吸込側と吐出側とを仕切って往
復動するベーンが、前記2個のポンプ部間で回転方向に
180°の位相差を有して装着され、クランク軸の2個
の偏心部が同一方向に形成されるとともに、クランク軸
と主軸受の摺動部、クランク軸の2個の偏心部と2個の
ローリングピストンとの摺動部、クランク軸と副軸受と
の摺動部に対する案内溝を前記クランク軸側に設けたも
のである。
【0012】さらに、上記目的を達成するために、本発
明の2シリンダ形ロータリ圧縮機に係る第3の発明の構
成は、密閉容器内に、電動機部と、2個のポンプ部から
なる圧縮機構部とを備え、前記電動機部と前記圧縮機構
部とがクランク軸で直結され、前記圧縮機構部は2個の
シリンダとこれらシリンダを挾み込む主軸受および副軸
受とからなり、前記電動機部の回転力により前記シリン
ダで交互にガスを圧縮する2シリンダ形ロータリ圧縮機
において、前記クランク軸の表面に、主軸受部から副軸
受部まで潤滑油用の案内溝が連続して形成されているも
のである。
【0013】
【作用】上記各技術手段により、圧縮機の製造コストを
低減できる理由は以下のとおりである。クランク軸の加
工に関しては、クランク軸の主軸受部と副軸受部とに挾
まれた第1,第2の2個の偏心部が同一の方向に設けら
れるため、一度の位置決めで2個の偏心部を同時に切削
し、仕上げることが可能になり、クランク軸の加工費を
低減できる。また、このとき、2個の偏心部における偏
心量と各偏心部の直径を同じ寸法にしてあれば、同じ行
程で2個の偏心部を同時に加工できるため、加工費をさ
らに低減できる。
【0014】また、上記各技術手段で構成された2シリ
ンダ形ロータリ圧縮機においては、クランク軸の主軸と
主軸受にかかる荷重が図7,図8で示した従来の2シリ
ンダ形ロータリ圧縮機のと比べて大幅に変化する。この
ことを図4,図5,図6を参照して説明する。図4は、
本発明の2シリンダ形ロータリ圧縮機における、1回転
中にクランク軸の主軸部分にかかる荷重をベクトルで示
した説明図、図5は、本発明の2シリンダ形ロータリ圧
縮機における、1回転中に主軸受部分にかかる荷重をベ
クトルで示した説明図、図6は、本発明の2シリンダ形
ロータリ圧縮機における、1回転中にクランク軸の偏心
部分にかかる荷重をベクトルで示した説明図である。
【0015】図4は、上記各技術手段で構成された2シ
リンダ形ロータリ圧縮機のクランク軸の主軸部分にかか
る荷重をベクトルで示した図であり、図中の一点鎖線が
クランク軸の偏心部方向を示す。すなわち、図の上方が
第1および第2の偏心方向になり、回転方向は右回り
で、反電動機側からみた図である。先の図7,8と同様
に同心円は荷重(kg)のスケールを示す。図4によ
り、本発明の2シリンダ形ロータリ圧縮機では、同一の
方向に2個の偏心部が形成されているため、クランク軸
の一方向にのみ荷重がかかることがわかる。したがっ
て、クランク軸には負荷のかからない領域が広範囲に存
在するので、油膜の圧力発生を妨げずにクランク軸側に
案内溝を設けることが可能である。
【0016】一方、図5は、図4と同様にして、本発明
の2シリンダ形ロータリ圧縮機における1回転中の主軸
部の軸受側にかかる荷重をベクトルで示した図であり、
図の上方が第1のベーンで下方が第2のベーンが装着さ
れている方向を示す。本発明の2シリンダ形ロータリ圧
縮機では、主軸の軸受側には2方向に大きな荷重がかか
り、軸受側に案内溝を形成することは好ましくない。図
4,図5に示す荷重の特性は、主軸受部だけでなく副軸
受部でも同様の傾向になっている。
【0017】また、図6は、図4,図5と同様にして、
本発明の2シリンダロータリ圧縮機における1回転中の
クランク軸の偏心部にかかる荷重をベクトルで示した図
であり、図の上方が偏心方向で、回転方向は右回りで、
反電動機側から見た図である。図6により、クランク軸
の偏心部にかかる荷重も一方向にのみかかっているのが
分かる。したがって、本発明の2シリンダ形ロータリ圧
縮機におけるクランク軸には、図4,図6に示すように
主軸部から副軸部に至るまで無負荷の部分が存在する。
このため、クランク軸側に連続的に案内溝を加工するこ
とが容易にできるので、各摺動部ごとに案内溝を加工す
るよりも加工費を低減することができる。
【0018】さらに、図4,図5に示すように本発明の
2シリンダ形ロータリ圧縮機の軸受部では、図7,図8
に示す従来の2シリンダ形ロータリ圧縮機の軸受部より
も、平均荷重が約30%も低減でき、軸受部の信頼性を
向上することができる。これは、第1のポンプ部と第2
のポンプ部における荷重の方向が逆方向になっており、
それぞれの荷重が互いに打ち消しあうためである。
【0019】
【実施例】次に、本発明の一実施例を図1ないし図3を
参照して説明する。図1は、本発明の一実施例に係る2
シリンダ形ロータリ圧縮機の縦断面図、図2は、図1に
示した部品の分解斜視図であり、(a)は第1シリン
ダ、(b)は仕切板、(c)は第2シリンダ、(d)は
副軸受の斜視図、図3は、図1に示した部品であるクラ
ンク軸の斜視図である。まず、図1により、本実施例に
おける2シリンダ形ロータリ圧縮機の構成を説明する。
図1において図8と同一符号のものは、従来技術と同等
部分を示している。図1に示す2シリンダ形ロータリ圧
縮機は、密閉容器1内に、電動機部と、この電動機にク
ランク軸で直結された2個のポンプ部からなる圧縮機構
部とが収納されている。
【0020】電動機部は、密閉容器1に焼嵌め等で固定
されたステータ2と、クランク軸3を嵌着したロータ4
とで構成されている。圧縮機構部は2個のロータリ圧縮
装置(以下ポンプ部という)を有しており、第1のポン
プ部は、クランク軸3を支持する主軸受6、第1シリン
ダ7、仕切板8によって構成され、第2のポンプ部は、
前記仕切板8、第2シリンダ9、クランク軸3を支持す
る副軸受10によって構成されている。そして、前記主
軸受6は、溶接等で密閉容器1に固着されている。
【0021】クランク軸3は、互いに同じ方向に偏心し
た偏心部3a,3bを有し、これらの偏心部3a,3b
に嵌入された2個のローリングピストンに係るローラ1
4a,14bが、クランク軸の回転にともなってそれぞ
れ第1シリンダ7,第2シリンダ9内を偏心回動するよ
うになっている。また、第1シリンダ7および第2シリ
ンダ9内には、各シリンダ内を吸込側と吐出側に区分す
るベーン15a,15bが、それぞれ回転方向に180
°の位相差を有して装着されている。これらのベーン1
5a,15bは、ローラ14a,14bの回転に追従し
て往復動するので、各ポンプ部内において冷媒ガスを交
互に圧縮する構造となっている。
【0022】ここで、圧縮機構部に用いる部品である第
1シリンダ7,仕切板8,第2シリンダ9,および副軸
受10を図2の(a),(b),(c),(d)に示
し、圧縮機構部の構成と組立方法について詳しく説明す
る。図2(a)に示す第1シリンダ7において、7a
は、冷媒ガス供給のための切欠き、7cは、2個の取付
け孔、7vは、ベーン(図示せず)を装着し往復動させ
る溝を示している。なお、符号を付さないが、仕切板
8,第2シリンダ9,副軸受10等とともに主軸受6に
締結するための孔も穿孔されている。
【0023】図2(b)に示す仕切板8において、8a
は、第1シリンダ7への冷媒ガス流路に係る連通孔であ
り、符号を付さないが、第1シリンダ7,第2シリンダ
9,副軸受10等とともに主軸受6に締結するための孔
も穿孔されている。図2の(c)に示す第2シリンダ9
において、9aは、第1シリンダ7への冷媒ガス流路に
係る連通孔であり、9bは、第2シリンダにおける冷媒
ガス供給のための切欠き、9cは、2個の取付け孔、9
vは、ベーン(図示せず)を装着し往復動させる溝を示
している。なお、符号を付さないが、第1シリンダ7,
仕切板8,副軸受10等とともに主軸受6に締結するた
めの孔も穿孔されている。
【0024】図2(d)に示す副軸受10において、1
0aは、第1シリンダ7への冷媒ガス流路に係る連通孔
であり、10bは、第2シリンダ9への冷媒ガス流路に
係る連通孔である。また、10dは、4個の取付け孔を
示している。圧縮機構部の組立に際しては、まず、図1
に示した主軸受6に、クランク軸3を挿入し、該クラン
ク軸3の偏心部3aにローラ14aを嵌入し、図2
(a)に示す第1シリンダ7の内壁とローラ14aの外
壁とが適正なクリアランスになるように調整した状態
で、第1シリンダ7を2個の取付け孔7cを用いて主軸
受6にボルト締めする。
【0025】次に、仕切板8,第2シリンダ9を順次重
ね合わせ、クランク軸3の2番目の偏心部3bに嵌入し
たローラ14bの外壁と前記第2シリンダ9の内壁との
間のクリアランスを適正に調整したのち、第2シリンダ
9の2個の取付け孔9cを用いてボルトにより主軸受
6,第1シリンダ7,仕切板8,第2シリンダ9を締結
して固定する。その後、副軸受10および副軸受カバー
16を重ね合わせたのち、4個の取付け孔10dを用い
て圧縮機構部全体、すなわち副軸受カバー16,副軸受
10,第2シリンダ9,仕切板8,第1シリンダ7,主
軸受6をクランク軸方向に締結して固定する。
【0026】なお、圧縮機構部が組立てられるときの第
1シリンダ7,仕切板8,第2シリンダ9,副軸受10
等の回転方向の位置は、各部品が図2の(a),
(b),(c),(d)で矢印の向きが一致するように
重ね合わされる。したがって、第1のポンプ部への冷媒
ガスは、副軸受10から第1シリンダ7まで、10a,
9a,8a,7aの通路によって供給され、第2のポン
プ部への冷媒ガスは、副軸受10から第2シリンダ9ま
で、10b,9bの通路で供給される。さらに、第1シ
リンダ7のベーン溝7vと第2シリンダ9のベーン溝9
vが、回転方向で180°対向する位置に形成されるこ
とになる。また、図3は、図1に用いたクランク軸3の
斜視図であるが、本発明のクランク軸の2個の偏心部3
a,3bは、回転方向で同一の方向に偏心して形成(図
3の下方が偏心方向)されている。
【0027】以上の構成により、電動機部で発生する駆
動力によってクランク軸3が回転すると、クランク軸の
2個の偏心部3a,3bが同位相で回転し、第1シリン
ダ7,第2シリンダ9内でローラ14a,14bも同位
相で偏心回動する。このとき、前記したように2個のシ
リンダ内に装着されたベーン15a,15bは、180
°の位相差を有して装着されているので2個のポンプ部
では、交互に冷媒ガスの圧縮が行なわれ、従来の2シリ
ンダ形ロータリ圧縮機と同様の働きをし、ガス圧縮にと
もなうトルクの変動が平滑化され圧縮機の振動が低減さ
れる。
【0028】ここで、本実施例のクランク軸3は、図3
の斜視図に示されるように、同方向に偏心している2個
の偏心部3a,3bにおいて、その偏心量を同じ大きさ
にすることにより、一度の位置決めで加工することがで
き、クランク軸の加工費を低減できる。また、このと
き、2個の偏心部3a,3bのピン径を同じ直径にすれ
ば、同じ行程で2個の偏心部を同時加工できるため、加
工費をさらに低減することができる。
【0029】一方、本実施例においては、冷凍機油は、
ベーンの往復動等を利用した給油ポンプによってクラン
ク軸の中心に設置された孔3d内に供給され、その後、
クランク軸の遠心力によって2個の給油孔3eを通過
し、案内溝3cを図3中の矢印に示すように移動し、摺
動部を潤滑する。このとき、図3に示すクランク軸3の
主軸受部,2個の偏心部,副軸受部において、ハッチン
グで示した領域は、図4,図6で示したように運転中に
大きな軸受荷重がかかる部分であるが、本実施例では、
案内溝3cが前記ハッチング部分を避けて設置されてい
るので、案内溝によって油膜の圧力発生が妨げられるこ
とはない。
【0030】この案内溝は、主軸受部から2個の偏心部
を経て副軸受部に至るまで連続しているので一度の加工
で形成することができる。したがって、各摺動部ごとに
案内溝を加工するよりも加工費を低減できる。また、本
発明の2シリンダ形ロータリ圧縮機の軸受部では、従来
の2シリンダ形ロータリ圧縮機の軸受部よりも、平均荷
重が約30%も低減でき、軸受部の信頼性を向上でき
る。なお、本実施例では、横形構造の2シリンダ形ロー
タリ圧縮機について説明したが、縦形構造であっても差
し支えないことは言うまでもない。
【0031】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、クランク軸の偏心部および潤滑油の案内溝におけ
る加工費を大幅に低減し、低コストで製造しうる2シリ
ンダ形ロータリ圧縮機を提供することができる。また、
軸受部にかかる荷重を低減し、信頼性の高い2シリンダ
形ロータリ圧縮機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る2シリンダ形ロータリ
圧縮機の縦断面図である。
【図2】図1に示した部品である第1シリンダ、仕切
板、第2シリンダ、副軸受の斜視図である。
【図3】図1に示した部品であるクランク軸の斜視図で
ある。
【図4】本発明の2シリンダ形ロータリ圧縮機におけ
る、1回転中にクランク軸の主軸部分にかかる荷重をベ
クトルで示した説明図である。
【図5】本発明の2シリンダ形ロータリ圧縮機におけ
る、1回転中に主軸受にかかる荷重をベクトルで示した
説明図である。
【図6】本発明の2シリンダ形ロータリ圧縮機におけ
る、1回転中にクランク軸の偏心部分にかかる荷重をベ
クトルで示した説明図である。
【図7】従来の2シリンダ形ロータリ圧縮機における、
1回転中にクランク軸の主軸部分にかかる荷重をベクト
ルで示した説明図である。
【図8】従来の2シリンダ形ロータリ圧縮機における、
1回転中に主軸受にかかる荷重をベクトルで示した説明
図である。
【図9】従来の2シリンダ形ロータリ圧縮機の縦断面図
である。
【符号の説明】 1 密閉容器 2 ステータ 3 クランク軸 3a,3b 偏心部 3c 案内溝 4 ロータ 6 主軸受 7 第1シリンダ 8 仕切板 9 第2シリンダ 10 副軸受 14a,14b ローラ 15a,15b ベーン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大木 年 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所栃木工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器内に、電動機部と、2個のポン
    プ部からなる圧縮機構部とを備え、電動機の回転力をク
    ランク軸によって圧縮機構部に伝達し、2個のポンプ部
    で交互に冷媒ガスを圧縮する2シリンダ形ロータリ圧縮
    機において、 ポンプ部内で吸込側と吐出側とを仕切って往復動するベ
    ーンが、前記2個のポンプ部間で回転方向に180°の
    位相差を有して装着され、クランク軸の2個の偏心部が
    同一方向に形成されたことを特徴とする2シリンダ形ロ
    ータリ圧縮機。
  2. 【請求項2】 クランク軸の2個の偏心部が同一方向に
    形成され、かつ、前記2個の偏心部の偏心量および該偏
    心部の直径が同一であることを特徴とする請求項1記載
    の2シリンダ形ロータリ圧縮機。
  3. 【請求項3】 密閉容器内に、電動機部と、電動機に直
    結し2個の偏心部を有するクランク軸と、前記2個の偏
    心部に嵌入された2個のローリングピストンと、前記ク
    ランク軸の回転に伴い2個のローリングピストンが偏心
    回動する2個のシリンダとを備え、前記電動機側から主
    軸受、第1シリンダ、仕切板、第2シリンダ、副軸受の
    各要素を配置してなる2シリンダ形ロータリ圧縮機にお
    いて、 前記第1,第2シリンダ内で吸込側と吐出側とを仕切っ
    て往復動するベーンが、前記2個のポンプ部間で回転方
    向に180°の位相差を有して装着され、クランク軸の
    2個の偏心部が同一方向に形成されるとともに、 クランク軸と主軸受との摺動部、クランク軸の2個の偏
    心部と2個のローリングピストンとの摺動部、およびク
    ランク軸と副軸受との摺動部に対する案内溝を前記クラ
    ンク軸側に設けたことを特徴とする2シリンダ形ロータ
    リ圧縮機。
  4. 【請求項4】 密閉容器内に、電動機部と、2個のポン
    プ部からなる圧縮機構部とを備え、前記電動機部と前記
    圧縮機構部とがクランク軸で直結され、前記圧縮機構部
    は2個のシリンダとこれらシリンダを挾み込む主軸受お
    よび副軸受とからなり、前記電動機部の回転力により前
    記シリンダで交互にガスを圧縮する2シリンダ形ロータ
    リ圧縮機において、 前記クランク軸の表面に、主軸受部から副軸受部まで潤
    滑油用の案内溝が連続して形成されていることを特徴と
    する2シリンダ形ロータリ圧縮機。
JP32790191A 1991-12-12 1991-12-12 2シリンダ形ロータリ圧縮機 Pending JPH05164074A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6524086B2 (en) * 1999-08-05 2003-02-25 Sanyo Electric Co., Ltd. Multi-cylinder rotary compressor
JP2011026992A (ja) * 2009-07-23 2011-02-10 Mitsubishi Electric Corp ロータリ圧縮機、その製造方法、及びその製造装置

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