JPH05163273A - 13cで標識されたアデニン誘導体の製造法 - Google Patents

13cで標識されたアデニン誘導体の製造法

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JPH05163273A
JPH05163273A JP33522791A JP33522791A JPH05163273A JP H05163273 A JPH05163273 A JP H05163273A JP 33522791 A JP33522791 A JP 33522791A JP 33522791 A JP33522791 A JP 33522791A JP H05163273 A JPH05163273 A JP H05163273A
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JP
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compound
formula
reaction
phthalimide
chloropurine
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JP33522791A
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Akinori Oda
晃規 小田
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】フタルイミド化合物とヒドラジンとの反応を低
沸点のメタノールを用いて行い、反応後これにエーテル
を加えて副生物を固体として析出させて濾別し、濾液に
次反応溶液であるC2 〜C5 の低級アルコールを予め加
えてからこれを濃縮してジアミン化合物の粗溶液を調製
し、これを用いて6−クロロプリンと反応させ、式 【化1】 で示されるアデニン誘導体を製造する。 【効果】13Cによって標識された、N6 −〔2−(N−
メトキシ−N−メチルアミノ)エチル〔1,2−
132 〕エチル〕アデニンを高収率で製造することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物生長調節剤として
有効なN6 −[2−(N−メトキシ−N−メチルアミ
ノ)エチル]アデニンの側鎖炭素が同位体によって標識
された化合物、すなわち、N6 −[2−(N−メトキシ
−N−メチルアミノ)[1,2−132 ]エチル]アデ
ニンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明に係る無標識のアデニン誘導体
は、サイトカイニン活性を示し、植物の細胞分裂促進、
側芽の生長促進、発芽促進、花芽形成と開花の促進、着
果促進、果実肥大、老化抑制および貯蔵器官における物
質蓄積促進等の植物生理作用の促進に有効な物質であ
り、植物生長調節剤として利用できる(特開平2−25
5682号)。
【0003】これら化合物の土壌中における変化、また
は植物体内における移動性または変換を調べるのに際
し、同位体によって標識された化合物の製造が望まれて
いる。しかし、標識された化合物の製造法はまだ知られ
ていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高価
な標識原料を用いて製造することから、高収率な標識さ
れたアデニン誘導体の製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の事
情に鑑み、標識されたアデニン誘導体の製造法を検討し
た。高価な標識原料を用いて製造するため、高収率な標
識されたアデニン誘導体の製造法について鋭意検討した
結果、N6窒素に結合するエチル部位の2つの炭素原子
をともに13Cにて標識した化合物を効率よく製造する方
法を見い出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、式
【化5】 で示されるフタルイミド化合物をヒドラジンを用いて脱
保護し、式
【化6】 で示されるジアミン化合物を得た後、該ジアミン化合物
の粗溶液を調製し、これと、6−クロロプリンを反応さ
せて、式
【化7】 で示されるアデニン誘導体を製造するに際し、フタルイ
ミド化合物とヒドラジンとの反応を低沸点のメタノ−ル
を用いて行い、反応後これにエ−テルを加えて副生成を
固体として析出させて濾別し、濾液に次反応溶媒である
2 〜C5 の低級アルコールを予め加えてからこれを濃
縮することによって、ジアミン化合物の粗溶液を調製
し、これを用いて6−クロロプリンと反応させることを
特徴とするアデニン誘導体の製造方法に関する。
【0007】以下にさらに詳しく本発明についてに記載
する。本発明に用いる標識された化5で示されるフタル
イミド化合物は以下のように製造することができる。す
なわち、式
【化8】 で示されるカリウムフタルイミドと、式
【化9】 で示される1,2−ブロモ[1,2−132 ]エタンを
反応せしめて、式
【化10】 で示されるN−(2−ブロモ[1,2−132 ]エチ
ル)フタルイミドを合成し、次にこのものを式
【化11】 で示されるN,O−ジメチルヒドロキシルアミと反応さ
せて、化5で示されるフタルイミド化合物、詳しくはN
−[2−(N−メトキシ−N−メチルアミノ)[1,2
132 ]エチル]フタルイミドを製造することができ
る。
【0008】化10で示されるN−(2−ブロモ[1,
2−132 ]エチル)フタルイミドの合成は無標識化合
物による文献(Org. Syn. col. Vol. 1 ,p 119, 1932,
John Wiley & Sons, Inc., New York)記載の方法によ
って行うことができるが、さらに同反応を各種有機溶媒
(例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミ
ド、イソプロパノ−ルなど)を用いて行うこともでき
る。化5で示されるN−[2−(N−メトキシ−N−メ
チル[1,2−132 ]エチル]フタルイミドの製造は
開示された方法(特開平2−255682号、特願平2
−307077号)によって収率よくこれを行うことが
できる。
【0009】次に、本発明の骨子となる、化5で示され
るフタルイミド化合物から化7で示されるアデニン化合
物への変換についてに記載するが、前述したように高価
な標識原料を用いて製造することから、高収率で製造す
ることが必要であった。特に、化6で示されるジアミン
化合物は低沸点のため、反応中、ないしはその精製中に
損失することが判明したため、この点を考慮してその改
良にあたり以下に示す方法を見い出した。化5で示され
るフタルイミド化合物をヒドラジンを用いて脱保護し、
化6で示されるジアミン化合物を得た後、該ジアミン化
合物の粗溶液を調製し、これと6−クロロプリンを反応
させて化7で示されるアデニン誘導体を製造するに際
し、フタルイミド化合物とヒドラジンとの反応を低沸点
のメタノ−ルを用いて行い、反応後これにエ−テルを加
えて副生成を固体として析出させて濾別し、濾液に次反
応溶媒であるC2 〜C5 の低級アルコールを予め加えて
からこれを濃縮してジアミン化合物の粗溶液を調製する
ことによって、改善された収率でジアミン化合物を得る
ことができる。
【0010】上記の粗溶液と6−クロロプリンとを塩基
存在下反応させることによって化7で示されるN6
[2−(N−メトキシ−N−メチルアミノ)[1,2−
132 ]エチル]アデニンを得る。共存させる塩基とし
てはトリエチアミン、エチルジイソプロピルアミン、
1,6−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどの
3級アミンを用いることができる。反応溶媒として用い
られるC2 〜C5 の低級アルコールとしては、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、イソブタノール、2−ブタノール、tert−ブ
タノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−
ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチ
ル−2−ブタノールなどがある。反応混合物から化7で
示されるアデニン化合物を回収する方法は以下のように
行われる。すなわち、反応混合物を水または重曹水と混
合した後、有機溶媒にて抽出し、乾燥後濃縮して粗生成
物が固体として得られる。この粗生成物は原料の6−ク
ロロプリン等を含むもので、HPLC分析(カラム;O
DS,溶媒;水/アセトニトリル=2/8、検出;26
8nm)によると90%前後程度の純度である。活性炭
による脱色後、シリカゲルカラムクロマトグラフィ−に
よって精製できる。
【0011】
【実施例】本発明を実施例によりさらに具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 N6 −[2−(N−メトキシ−N−メチルアミノ)
[1,2−132 ]エチル]アデニンの製造 1)N−(2−ブロモ[1,2−132 ]エチル)フタ
ルイミドの合成 0.800g(4.32m mol)のカリウムフタル
イミドを10mlのジメチルスルホキシドに溶かし、こ
れに2.00g(10.5m mol)の1,2−ジブ
ロモ[1,2−13C2]エタン(99%13C)を加え、
80℃に9時間加熱した。反応混合物を80mlの冷水
に注ぎエ−テル(20mlx3)で抽出した。有機層を
合わせ、これを1N NaOH水溶液、水、続いて食塩
水にて洗浄後、硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留
去し、得られる残さ白色固体をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィ−(展開剤;ヘキサン/クロロホルム=1/
2)で精製し、0.760g(対ジブロモエタン収率
28%)の標題化合物を白色固体として得た。融点 7
9〜78℃。
【0012】2)N−[2−(N−メトキシ−N−メチ
ルアミノ)[1,2−132 ]エチル]フタルイミドの
合成 0.760g(2.99m mol)のN−(2−ブロ
モ[1,2−132 ]エチル)フタルイミドを4.5m
lのジメチルスルホキシドに溶かし、これに1.0g
(16mmol)のN,O−ジメチルヒドロキシルアミ
ンと0.90g(6.0mmol)のよう化ナトリウム
を加え、65℃に6時間加熱還流した。反応混合物を4
0mlの冷水にに注ぎ、これをエ−テル(20mlx
3)にて抽出した。有機層を合わせて、飽和チオ硫酸ナ
トリウム水溶液、続いて食塩水にて洗浄した。硫酸マグ
ネシウムにて乾燥後、溶媒を減圧下留去し、0.66g
(収率94%)の標題化合物を白色固体として得た。融
点 129〜131℃。
【0013】3)N6 −[2−(N−メトキシ−N−メ
チルアミノ)[1,2−132 ]エチル]アデニンの製
造 0.66g(2.8mmol)のN−[2−(N−メト
キシ−N−メチルアミノ)[1,2−132 ]エチル]
フタルイミドを20mlのメタノ−ルに溶かし、これに
168mgのヒドラジン1水和物を加えて、油浴上7時
間穏和に加熱還流した。室温にまで冷却後、反応混合物
を30mlのエ−テルに注ぎ、析出した結晶を濾別し
た。濾液に4mlのイソプロパノ−ルを加えてた後、こ
れをエバポレ−タ−にて約5mlにまで濃縮した。この
濃縮液に、303mg(1.96mmol)の6−クロ
ロプリンと253mg(1.96mmol)のエチルジ
イソプロピルアミンを10mlのイソプロパノ−ルに溶
かした溶液を加えた。この混合物を油浴上8時間加熱還
流した。反応混合物を10mlの飽和重曹水に注ぎ、ク
ロロホルム(15mlx6)で抽出した。有機層を合わ
せて硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、残さをシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィ−(展開剤;エタノ−ル/
クロロホルム=8/92)で精製し、328mg(収率
52%、HPLC純度 99.6%)の標題化合物を白
色結晶として得た。融点 171〜173℃。マススペ
クトル(CI);m/e225(M+ +1)(図2参
照)。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、13Cによって標識され
た、N6 −[2−(N−メトキシ−N−メチルアミノ)
[1,2−132 ]エチル]アデニンを高収率で製造す
ることができる。
【0015】
【図面の簡単な説明】
【図1】標識していないN6 −[2−(N−メトキシ−
N−メチルアミノ)エチル]アデニンのCIモ−ドのマ
ススペクトルを示す。
【図2】本発明の標識されたN6 −[2−(N−メトキ
シ−N−メチルアミノ)[1,2−132 ]エチル]ア
デニンのCIモ−ドのマススペクトルを示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 で示されるフタルイミド化合物をヒドラジンを用いて脱
    保護し、式 【化2】 で示されるジアミン化合物を得た後、該ジアミン化合物
    の粗溶液を調製し、これと、式 【化3】 で示される6−クロロプリンを反応させて、式 【化4】 で示されるアデニン誘導体を製造するに際し、フタルイ
    ミド化合物とヒドラジンとの反応を低沸点のメタノ−ル
    を用いて行い、反応後これにエーテルを加えて副生成を
    固体として析出させて濾別し、濾液に次反応溶媒である
    2 〜C5 の低級アルコールを予め加えてからこれを濃
    縮することによって、ジアミン化合物の粗溶液を調製
    し、これを用いて6−クロロプリンと反応させることを
    特徴とするアデニン誘導体の製造方法。
JP33522791A 1991-12-18 1991-12-18 13cで標識されたアデニン誘導体の製造法 Pending JPH05163273A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6030843A (en) * 1996-07-31 2000-02-29 The Regents Of The University Of California Site reactivity probes for the environment
CN116535407A (zh) * 2023-05-08 2023-08-04 河南省精细化工研究院有限公司 一种植物内源细胞分裂素烯腺嘌呤的制备工艺

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6030843A (en) * 1996-07-31 2000-02-29 The Regents Of The University Of California Site reactivity probes for the environment
CN116535407A (zh) * 2023-05-08 2023-08-04 河南省精细化工研究院有限公司 一种植物内源细胞分裂素烯腺嘌呤的制备工艺

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