JPH0516037U - エンドミル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複合切刃チップ５の取付け構成および切刃構
成を改善して切削性能の向上を図る。 【構成】 工具本体２の取付け溝４内には、長尺状の複
合切刃チップ５が取付けられている。この複合切刃チッ
プ５は、ダイヤモンド、立方晶窒化硼素などの超高圧焼
結体からなる切刃層部分５ａおよび超硬合金などからな
る台金部分５ｂによって構成される。複合切刃チップ５
が前記取付け溝４内に取付けられたときは、切刃層部分
５ａですくい面を構成する。すくい面および逃げ面の交
差による切削角αは、鋭角で、半径方向のすくい角が０
°〜正角に設定される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、複合切刃チップを備えたエンドミルに関し、特に、切削性能が向上 するようにしたものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のエンドミルとしては、例えば実公昭６１−４０４３４号にみら れるように、工具本体の取付け溝における先端部分に超高圧焼結体チップを備え るようにした回転工具が知られている。そして、この工具は、第１のすくい面お よび第２のすくい面によって刃先精度を改善しようとしたものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前述した公報では、複合切刃チップの取付け構造、切刃角度の 構成等については、特別の工夫がなされていないものである。したがって、切削 性能を向上させるためには、別の観点からの改善が必要である。

【０００４】 このようなことから、本考案では、複合切刃チップの取付け構成を改善して切 削性能が向上し得るようにしたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上述の点に鑑みなされたもので、工具本体の取付け溝内に取付けら れる長尺状の複合切刃チップは、そのすくい面側にダイヤモンド、立方晶窒化硼 素などの超高圧焼結体からなる切刃層部分が位置するとともに、その台金部分の 内方２側面が取付け溝の溝壁に接合されるものである。また、複合切刃チップに 形成されるすくい面および逃げ面の交差による切削角αは、鋭角に構成されると ともに、その半径方向のすくい角を０°〜正角になるようにしたものである。

【０００６】

【作用】 本考案のエンドミルは、長尺状の複合切刃チップが備えられていることから深 溝加工などに好適するものである。また、半径方向のすくい角構成および切削角 の構成から、取付け強度および切れ味がよく切削性能を向上し得るものである。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案エンドミルの一実施例について、図を参照しながら説明する。

【０００８】 図１および図２において、１は、工具本体２およびシャンク３からなる棒状を 呈するエンドミルであり、工具本体２の軸方向には、例えば１対の取付け溝４が 設けられ、この取付け溝４内には、長尺状をなす複合切刃チップ５が取付けられ るようになっている。この場合、前記複合切刃チップ５は、切刃層部分５ａおよ び台金部分５ｂからなるもので、切刃層部分５ａがダイヤモンド、立方晶窒化硼 素などの超高圧焼結体からなり、また、台金部分５ｂが超硬合金、高速度鋼など からなる。

【０００９】 しかして、前記複合切刃チップ５は、その内方にある２側面が取付け溝４の溝 壁に当接されるようにして、例えばろう付けされるものである。そして、この複 合切刃チップ５は、すくい面側に前記切刃層部分５ａが位置し、すくい面および 逃げ面の交差による切削角αが鋭角を構成するものである。

【００１０】 なお、前記取付け溝４は、径方向の中心線に対して芯下り状態で切欠されるた め、複合切刃チップ５に構成される半径方向のすくい角が正角になり、切れ味が 良好になる。したがって、例えば、低シリコン含有のＡｌなど軟質金属の加工に 好適する。

【００１１】 図３（ａ）〜（ｃ）は、図１に対する変形例を示したもので、図３（ａ）（ｂ ）は、取付け溝４の立上がり形状を変更したものである。また、図３（ｃ）は、 複合切刃チップ５について、すくい面および底面を平行関係とし、これに対する 取付け溝４の底面壁を傾斜させたものである。

【００１２】 さらに、図４は、取付け溝４の切欠き深さを短かくして、径方向の中心線に対 し、複合切刃チップ５が芯上り状態に位置させたものである。なお、図４に示さ れる構成は、半径方向のすくい角を０°になるように設定しているが、正角にで きることは勿論、前述した図３（ａ）〜（ｃ）における変更をそのまま利用でき るものである。図４に示されたエンドミル１は、複合切刃チップ５に対する工具 本体２のバックメタル量が大きいため、工具本体２の剛性が高くなるものである 。したがって、切削に適用したときは、加工面の品質が向上する。

【００１３】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように、長尺状をなす複合切刃チップ５の取付け構成 および切刃角度の構成を改善するようにしたものであるから、工具剛性が高くな るとともに、切れ味が良好となるものであるから、切削性能が向上するという利 点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案エンドミルの一実施例を示す拡大した端
面図である。

【図２】正面図である。

【図３】変形例を（ａ）〜（ｃ）でそれぞれ示す拡大し
た端面図である。

【図４】他の変形例を示す拡大した端面図である。

【符号の説明】

１ エンドミル ２ 工具本体 ３ シャンク ４ 取付け溝 ５ 複合切刃チップ ５ａ 切刃層部分 ５ｂ 台金部分

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 工具本体２の軸方向に形成された取付け
   溝４内には、長尺状の複合切刃チップ５が取付けられる
   ようにしたエンドミルにおいて、 前記複合切刃チップ５は、そのすくい面側にダイヤモン
   ド、立方晶窒化硼素などの超高圧焼結体からなる切刃層
   部分５ａが位置するとともに、その台金部分５ｂの内方
   ２側面が取付け溝の溝壁に接合するようになっており、
   また、複合切刃チップ５に形成されるすくい面および逃
   げ面の交差による切削角αが鋭角に構成されるととも
   に、その半径方向のすくい角が０°〜正角になるように
   したことを特徴とするエンドミル。