JP2003231015A - チップ並びにスローアウェイチップ及び回転切削工具 - Google Patents

チップ並びにスローアウェイチップ及び回転切削工具

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JP2003231015A
JP2003231015A JP2002035970A JP2002035970A JP2003231015A JP 2003231015 A JP2003231015 A JP 2003231015A JP 2002035970 A JP2002035970 A JP 2002035970A JP 2002035970 A JP2002035970 A JP 2002035970A JP 2003231015 A JP2003231015 A JP 2003231015A
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Shusuke Toyose
秀典 豊瀬
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切れ刃がダイヤモンドからなる、正面フライ
スカッターなどの回転切削工具で、その切れ刃のチッピ
ングを生じにくくし、工具の寿命延長を図る。 【解決手段】 ダイヤモンド7の切れ刃を備えたスロー
アウェイチップ1で、回転切削工具本体21aに取り付
けられた際に、切れ刃が外周切れ刃8と底切れ刃9をな
すもので、外周切れ刃8と底切れ刃9をなす切れ刃の稜
線部に連続するように面取りを施す。両切れ刃に面取り
があるので、その分、強度アップが図られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フライス、或いは
エンドミルなどの回転切削工具及び、その切れ刃を構成
するチップ、並びにスローアウェイチップに関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金などの非鉄金属を加工
するための回転切削工具は、切れ刃がダイヤモンドから
なるものが、その使用に好適である。ダイヤモンドは、
高硬度をもち、耐摩耗性や耐溶着性に優れ、高速切削が
できるためである。加えて、ダイヤモンドからなる切れ
刃は、面取りのないシャープエッジのため、切れ味もよ
く、仕上げ面粗度も容易に高く保持できるといったメリ
ットもある。
【0003】このような回転切削工具は、切れ刃をもつ
ダイヤモンドのチップ又は該ダイヤモンドを一体化して
なる複合体のチップを、回転切削工具本体に、スローア
ウェイチップ本体に固定されて取付けられたもの、或い
はスローアウェイチップ本体に固定されることなく直接
取り付けられたものがある。また、こうしたチップとし
てではなく、ダイヤモンドをスローアウェイチップ本体
又は回転切削工具本体における切れ刃をなす部位にコー
ティングすることで形成されたものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記いずれの回転切削
工具においても、その切れ刃をなすダイヤモンドは、上
記したメリットのある反面、耐衝撃性に劣る。このた
め、フライスによる回転切削のように断続切削となるも
のでは、例えば、平削りにおいては、その外周切れ刃に
チッピングが発生することがあった。
【0005】さらに、自動車部品のバルブボディのよう
な構造体のフライス加工のような、強断続切削となるも
のでは、外周切れ刃のみならず、底切れ刃にもチッピッ
ングが発生することがあった。平削りにおいて底切れ刃
は、外周切れ刃とは異なり、基本的に切削を受け持つと
ころではなく、切削面(仕上げ面)を擦り付ける、いわ
ばキサゲの作用をなすところであるが、こうした問題が
発生することがあった。このような底切れ刃のチッピッ
ングは、切削面の面粗度の低下を招き、それがスローア
ウェイチップであれば、その段階で寿命となるなど、切
削工具の寿命を縮めることになる。
【0006】本発明は、こうした問題点に鑑みてなされ
たもので、その目的は、切れ刃がダイヤモンドからな
る、正面フライスカッターなどの回転切削工具におい
て、その切れ刃のチッピングを生じにくくし、工具の寿
命の延長を図ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに請求項1に記載の発明は、切れ刃をもつダイヤモン
ドのチップ又は該ダイヤモンドを一体化してなる複合体
のチップであって、回転切削工具本体に、スローアウェ
イチップ本体に固定されて取付けられた際に、或いはス
ローアウェイチップ本体に固定されることなく直接取り
付けられた際に、前記切れ刃が外周切れ刃と底切れ刃を
なすように形成されたチップにおいて、該外周切れ刃と
底切れ刃をなす切れ刃の稜線部に連続するように面取り
を施してなることを特徴とする。
【0008】本発明では、このように、ダイヤモンドが
切れ刃を構成するチップにおける外周切れ刃と底切れ刃
をなす両切れ刃の稜線部に、連続して面取りを施してな
ることから、両切れ刃の強度が高くなり、その分、両切
れ刃のチッピングを生じにくくすることができる。な
お、本明細書において、底切れ刃とは、正面フライス加
工における平削りで、切削面を擦り付けることとなる切
れ刃をいう。そして、外周切れ刃とは、正面フライス加
工における平削りで、実質的な切削をなす切れ刃をい
う。また、切れ刃の稜線部とは、すくい面と逃げ面(横
(外周側)逃げ面又は前逃げ面)とが交差して形成され
る交差線部分をいう。なお、ここに、ダイヤモンドは、
多結晶ダイヤモンド又は単結晶ダイヤモンドのいずれで
もよい。
【0009】請求項2に記載の発明は、前記面取りが傾
斜面取りであることを特徴とする請求項1記載のチップ
である。
【0010】請求項3に記載の発明は、前記面取りがR
面取りであることを特徴とする請求項1記載のチップで
ある。
【0011】請求項4に記載の発明は、前記底切れ刃の
稜線部の面取りのすくい面側から見た幅を、前記外周切
れ刃の稜線部の面取りのすくい面側から見た幅より小さ
くしてなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の
チップである。
【0012】請求項5に記載の発明は、前記底切れ刃の
稜線部の面取りのすくい面とのなす角度を、前記外周切
れ刃の稜線部の面取りのすくい面とのなす角度より小さ
くしてなることを特徴とする請求項2又は4記載のチッ
プである。
【0013】請求項6に記載の発明は、前記外周切れ刃
の稜線部の面取りの、すくい面側から見た幅を0.2m
m以下で、すくい面とのなす角度を5度〜30度の範囲
に存在させるとともに、前記底切れ刃の稜線部の面取り
を、すくい面側から見た幅を0.2mm以下で、すくい
面とのなす角度を5度〜30度の範囲に存在させたこと
を特徴とする請求項2、4又は5記載のチップである。
【0014】請求項7に記載の発明は、前記外周切れ刃
の稜線部の面取りの半径を、R0.1mm以下とし、前
記底切れ刃の稜線部の面取りの半径を、R0.1mm以
下としたことを特徴とする請求項3記載のチップであ
る。
【0015】請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の
いずれかに記載のチップを、スローアウェイチップ本体
に固定してなるスローアウェイチップである。
【0016】請求項9に記載の発明は、ダイヤモンドの
切れ刃を備えたスローアウェイチップであって、回転切
削工具本体に取り付けられた際に、前記切れ刃が外周切
れ刃と底切れ刃をなすように形成されたスローアウェイ
チップにおいて、該外周切れ刃と底切れ刃をなす切れ刃
の稜線部に連続するように面取りを施してなることを特
徴とするスローアウェイチップである。
【0017】請求項10に記載の発明は、前記面取りが
傾斜面取りであることを特徴とする請求項9記載のスロ
ーアウェイチップである。
【0018】請求項11に記載の発明は、前記面取りが
R面取りであることを特徴とする請求項9記載のスロー
アウェイチップである。
【0019】請求項12に記載の発明は、前記底切れ刃
の稜線部の面取りのすくい面側から見た幅を、前記外周
切れ刃の稜線部の面取りのすくい面側から見た幅より小
さくしてなることを特徴とする請求項9、10又は11
記載のスローアウェイチップである。
【0020】請求項13に記載の発明は、前記底切れ刃
の稜線部の面取りのすくい面とのなす角度を、前記外周
切れ刃の稜線部の面取りのすくい面とのなす角度より小
さくしてなることを特徴とする請求項10又は12記載
のスローアウェイチップである。
【0021】請求項14に記載の発明は、前記外周切れ
刃の稜線部の面取りの、すくい面側から見た幅を0.2
mm以下で、すくい面とのなす角度を5度〜30度の範
囲に存在させるとともに、前記底切れ刃の稜線部の面取
りを、すくい面側から見た幅を0.2mm以下で、すく
い面とのなす角度を5度〜30度の範囲に存在させたこ
とを特徴とする請求項10、12又は13記載のスロー
アウェイチップである。
【0022】請求項15に記載の発明は、前記外周切れ
刃の稜線部の面取りの半径を、R0.1mm以下とし、
前記底切れ刃の稜線部の面取りの半径を、R0.1mm
以下としたことを特徴とする請求項11記載のスローア
ウェイチップである。
【0023】請求項16に記載の発明は、請求項8〜1
5のいずれかに記載のスローアウェイチップを、回転切
削工具本体に固定してなることを特徴とする回転切削工
具である。
【0024】請求項17に記載の発明は、ダイヤモンド
の切れ刃を回転切削工具本体に備えた回転切削工具であ
って、前記切れ刃が外周切れ刃と底切れ刃をなすように
形成された回転切削工具において、該外周切れ刃と底切
れ刃をなす切れ刃の稜線部に連続するように面取りを施
してなることを特徴とする回転切削工具である。
【0025】請求項18に記載の発明は、前記面取りが
傾斜面取りであることを特徴とする請求項17記載の回
転切削工具である。
【0026】請求項19に記載の発明は、前記面取りが
R面取りであることを特徴とする請求項17記載の回転
切削工具である。
【0027】請求項20に記載の発明は、前記底切れ刃
の稜線部の面取りのすくい面側から見た幅を、前記外周
切れ刃の稜線部の面取りのすくい面側から見た幅より小
さくしてなることを特徴とする請求項17、18又は1
9記載の回転切削工具である。
【0028】請求項21に記載の発明は、前記底切れ刃
の稜線部の面取りのすくい面とのなす角度を、前記外周
切れ刃の稜線部の面取りのすくい面とのなす角度より小
さくしてなることを特徴とする請求項18又は20記載
の回転切削工具である。
【0029】請求項22に記載の発明は、前記外周切れ
刃の稜線部の面取りの、すくい面側から見た幅を0.2
mm以下で、すくい面とのなす角度を5度〜30度の範
囲に存在させるとともに、前記底切れ刃の稜線部の面取
りを、すくい面側から見た幅を0.2mm以下で、すく
い面とのなす角度を5度〜30度の範囲に存在させたこ
とを特徴とする請求項18、20又は21記載の回転切
削工具である。
【0030】請求項23に記載の発明は、前記外周切れ
刃の稜線部の面取りの半径を、R0.1mm以下とし、
前記底切れ刃の稜線部の面取りの半径を、R0.1mm
以下としたことを特徴とする請求項19記載の回転切削
工具である。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1〜図4
に基づいて詳細に説明する。図1は、チップ4及び、こ
れが固定されるスローアウェイチップ本体1aの斜視
図。図2は図1のチップ4について、外周切れ刃8の稜
線に垂直な平面で切断した、外周切れ刃8の面取り8a
を説明する拡大断面図。図3はチップ4の底切れ刃9の
稜線に垂直な平面で切断した、底切れ刃9の面取り9a
を説明する拡大断面図。図4はチップ4が固定されてな
るスローアウェイチップ1をすくい面2a側から見た
図。図5はスローアウェイチップ1を取付けた回転切削
工具(フライスカッター)21の取付け部分の斜視図で
ある。以下、詳述するが、本実施の形態では、切れ刃
8、9をなすダイヤモンド7は、これを超硬合金からな
る基材6に一体化してなる複合体のチップ4としてい
る。そして、このチップ4をスローアウェイチップ本体
1aにロウ付けにより固定してスローアウェイチップ1
とし、これを回転切削工具本体21aに取付けたものと
して具体化したものである。
【0032】図中1aは、スローアウェイチップ本体で
あって、超硬合金又はセラミックなどの焼結体からな
り、一定厚さの略正方形板状をなしている。そして、す
くい面2aにおける1コーナーであって、横逃げ面2b
と前逃げ面2cとの交差部が直角三角状に一定深さで凹
設され、三角状の凹部(段部)3が形成されている。こ
の凹部3に、次記する構成の直角三角形板状のチップ4
が銀ロウでロウ付け(固定)され、図4、5に示したス
ローアウェイチップ1をなすように構成されている。な
お、スローアウェイチップ本体1aのすくい面2a側の
中央には、スローアウェイチップ1をクランプネジ部材
(取り付けねじ)にて、回転切削工具本体へ取付けるた
めの貫通孔(円形穴)5が設けられている。
【0033】一方、チップ4は、凹部(段部)3と略同
形、同大をなす直角三角形板状をなす超硬合金製の一定
厚さの基材6に、基材6と略同形、同大をなす一定厚さ
のダイヤモンド(層)7を積層した形の2層構造の複合
体(焼結体)をなしている。本形態のチップ4は、その
ダイヤモンド7における直角三角形の図示(図1、4)
縦辺が外周切れ刃8であり、図示横辺が底切れ刃9であ
る。以上の構成は従来と同じである。
【0034】ところが、このようなチップ4は、本形態
では図2に拡大図示したように、外周切れ刃8の稜線部
(横逃げ面7bとすくい面7aとのなす交差稜)に沿っ
て、一定幅、Wa、すくい面7aと角度αをなす面取り
(傾斜面取り)8aが付けられている。また、図3に拡
大図示したように、底切れ刃9の稜線部(前逃げ面7c
とすくい面7aとのなす交差稜)に沿っても、一定幅、
Wb、すくい面7aと角度βをなす面取り(傾斜面取
り)9aが付けられている。こうして、ダイヤモンド7
のなす両切れ刃8、9の稜線部の略全体に沿って連続し
て面取り8a、9aが付けられている。
【0035】このようなチップ4は、その基材6の直角
三角形板状の板表面(ダイヤモンドと反対面側)6a
が、スローアウェイチップ本体1aの凹設された段部3
の三角形状面に載置され、その間でロウ付けされてスロ
ーアウェイチップ1をなしている。なお、段部3の壁面
3aと基材6の厚み面との間もロウ付けされている。本
形態では、スローアウェイチップ本体1aに固定された
チップ4のダイヤモンド7のなす切れ刃8、9はネガテ
ィブタイプとされている。なお、このようなダイヤモン
ド7は、多結晶ダイヤモンド又は単結晶ダイヤモンドの
いずれであってもよい。
【0036】しかして、このような構成のスローアウェ
イチップ1は、ダイヤモンド7の切れ刃8、9を備えて
おり、図5に示したように、回転切削工具(カッター)
本体21aに取り付けられた際に、それらの切れ刃が外
周切れ刃8と底切れ刃9をなすように形成されている。
そして、その外周切れ刃8と底切れ刃9の稜線部に沿っ
て図2、3に示した面取り8a、9aが連続して付けら
れている。なお、このスローアウェイチップ1は、図5
に示したように、回転切削工具本体21aの切れ刃取付
け部20のそれぞれに例えばクランプネジ部材22で、
必要数取付けられて回転切削工具21となる。
【0037】本実施の形態の回転切削工具21によれ
ば、これが例えば平削り或いは溝加工に用いられる際に
は、両切れ刃8、9の稜線部に面取り8a、9aを付与
した分、強度アップが図られる。したがって、切れ刃の
チッピングが生じにくくなり、工具の寿命延長が図られ
る。
【0038】前記形態においては、底切れ刃9の稜線部
の面取り9aのすくい面7a側から見た幅Wbは、外周
切れ刃8の稜線部の面取り8aのすくい面7a側から見
た幅Waより小さくしてもよい。というのは次の理由か
らである。底切れ刃9は、本来的に外周切れ刃8で切削
した切削面を擦り付け、切削した面を滑らかに仕上げる
役割を担うところであり、外周切れ刃8ほどの強度は要
求されない。すなわち、底切れ刃9は、強度よりも、切
削面の仕上げ面粗度に大きく影響するため、切れ味を重
視すべきところである。したがって、被切削材を削り取
る役割を主に担う外周切れ刃8の稜線部には大きめの面
取りを施し、底切れ刃9の稜線部は小さめの面取りにす
るとよい。このようにすれば、仕上げ面粗度の低下を招
くことなく、チッピングの防止に効果的である。
【0039】同様の理由から、底切れ刃9の稜線部の面
取り9aのすくい面7aとのなす角度βは、外周切れ刃
8の稜線部の面取り8aのすくい面7aとのなす角度α
より小さくしてもよい。なお、前記形態では、面取り8
a、9aを傾斜面取りとしたが、これに代えて、図6、
図7に示したチップ4のように、R面取り8a、9aと
しても具体化できる。なお、図6、図7は、図2、図3
と面取りのみが相違するだけであるから、同一の部位に
は同一の符号を付すに止める。以下の実施の形態におい
ても、前記形態の内容と共通する点については、同一の
部位に同一の符号を付すに止め、適宜その説明を省略す
る。
【0040】正面フライスの中には、図8に示したよう
に、四角のスローアウェイチップ31をそのコーナーが
底切れ刃9をなすように、すくい面2a側から見たとき
外周切れ刃8が斜めになるように取付けられるものがあ
る。このものでは、すくい面2a側から見た四角の各辺
に挟まれるコーナーにチップ14が固定されている。こ
のため、このチップ14においては、各辺に挟まれるコ
ーナーの直線状のカット部が、回転切削工具41の回転
軸Jに垂直な直線の小さい底切れ刃(副切れ刃)9をな
し、四角の辺部が外周切れ刃8をなしている。したがっ
て、このものでは、チップ14における各切れ刃8、9
の稜線部に連続して、前記形態におけるのと同様の面取
りを施せばよい。このように、本発明では、底切れ刃9
及び外周切れ刃8は、チップのすくい面側からみた形状
によって定まることになる。
【0041】なお、図9に示した切削工具41のよう
に、チップ24が固定されたスローアウェイチップ61
が取付けられ、そのチップ24の外周切れ刃8と底切れ
刃9の間のコーナーがすくい面2a側から見て傾斜状に
カットされているものでは、傾斜状のカット部の切れ刃
10は主として切削を受け持つ事から外周切れ刃とな
る。
【0042】次ぎに、図1〜4に示した実施形態のもの
で、図10に示した被切削材12の上面全域を3.0m
mの深さで削る切削試験を繰返し実施し、工具寿命、加
工面粗度を確認した。試験結果は表1に示した通りであ
る。なお、切れ刃に0.1mm以上の深さのチッピング
が発生するまでの加工回数を工具寿命とした。また、表
1中の加工面粗度は、各試料とも上段が加工回数10回
終了時点における面粗度(Rz)であり、下段が加工回
数1000回終了時点における面粗度(Rz)である。
なお、外周切れ刃8と底切れ刃9の稜線部の面取りは傾
斜面取りとし、面取り幅Wa、Wbが外周切れ刃と底切
れ刃で同じ場合と、異なる場合とで実施した。ただし、
面取り角度αは25度一定とした。また、比較例として
面取りの無い、従来のダイヤモンドチップ付きのスロー
アウェイチップを装着した正面フライスで同じ切削試験
を実施した。
【0043】切削条件は以下のようである。工具径80
mmの正面フライスに上記図1〜4に示した実施形態の
スローアウェイチップ1を6個装着し、図10に示した
被切削材12を使って切削速度6000m/min、送
り0.2mm/tooth、切込深さ3.0mmの条件
で切削試験を行った。被切削材は、縦横、高さ寸法が夫
々140mm、70mm、Zmmのアルミニウム合金
(AC4A)製ブロックである。なお、被切削材12
は、切削時にスローアウェイチップ1に加わる衝撃を大
きくしてチッピングが起きやすい状態を作る目的で、被
切削材の上面に複数の溝13、13を一定間隔で平行に
設けた。
【0044】
【表1】
【0045】表1から、両切れ刃の稜線部に面取りを施
すことにより、従来の面取り無しの場合に比べて、工具
寿命がほば2倍に延びることが分かった。また、底切れ
刃の稜線部の面取りの幅を小さめに設定しても、工具寿
命にあまり影響がないことも実証された。
【0046】また表1より、底切れ刃の稜線部に面取り
を付けた場合でも、加工面粗度は実用上問題のない範囲
であった。そして、底切れ刃の稜線部の面取りの幅を小
さめに設定した場合の方が、加工面粗度が高かった。
【0047】上記試験結果における工具寿命と加工面粗
度とのバランス、及び面取り角度を変えて実施した他の
試験結果などを考慮すると、次のようにするのが特に好
ましい。すなわち、アルミニウムの切削には、外周切れ
刃の稜線部の面取り8aの、すくい面側から見た幅Wa
を0.07mm以下で、すくい面とのなす角度αを15
度〜25度の範囲に存在させるとともに、底切れ刃の稜
線部の面取り9aを、すくい面側から見た幅Wbを0.
05mm以下で、すくい面とのなす角度βを15度〜2
5度の範囲に存在させるのが好ましい。なお、面取りを
R面取りとする場合、他の試験結果から、外周切れ刃の
稜線部の面取りの半径を、R0.05mm以下とし、底
切れ刃の稜線部の面取りの半径を、R0.05mm以下
とするのが好ましいことが判明した。
【0048】上記の形態では、切れ刃がネガティブタイ
プのものにおいて具体化したが、ポジティブタイプのも
のにおいても具体化できる。なお、こうしたスローアウ
ェイチップは、フライスに限らず、エンドミルなどの各
種の回転切削工具の本体に取付けられて使用される。
【0049】上記の形態では、チップ4を、基材6とダ
イヤモンド7との複合体として一体化したものを例示し
たが、本発明のスチップはこれに限定されない。例え
ば、図11に示したように、切れ刃をなすダイヤモンド
7のみからなるチップ34を、超硬合金、サーメット、
セラミックなどの焼結体からなるスローアウェイチップ
本体1aに固定したものでも具体化できる。また、図示
はしないが、チップは、ダイヤモンド単体又は複合体に
限らず、フライスカッターなどの回転切削工具本体に、
スローアウェイチップを介することなく直接、固定ない
し取付けたものにおいても具体化できる。
【0050】さらに、本発明をスローアウェイチップと
して具体化する場合には、図12に示したように、ダイ
ヤモンド7を、スローアウェイチップ本体1aにおいて
切れ刃8、9をなす部位にコーティングした場合でも具
体化できる。このようにダイヤモンドのコーティングで
本発明のスローアウェイチップを具体化する場合には、
スローアウェイチップ本体1aにおいて外周切れ刃と底
切れ刃に対応する稜線部に、ダイヤモンドのコーティン
グ後において、外周切れ刃と底切れ刃の面取り部位の表
面がダイヤモンドからなるように、スローアウェイチッ
プ本体1aに予め面取りMを形成しておくとよい。こう
しておけば、ダイヤモンドのコーティングと同時に、ダ
イヤモンドのなす外周切れ刃8と底切れ刃9に面取りが
形成されたものとなる。
【0051】なお、本発明をフライスなどの回転切削工
具として具体化する場合には、外周切れ刃と底切れ刃を
なすダイヤモンドを、スローアウェイチップ本体でな
く、回転切削工具本体において、切れ刃をなす部位に、
直接コーティングすることとしても具体化できる。
【0052】本発明は上記実施形態のものに限定される
ものではない。例えば、チップは使い捨てのスローアウ
ェイチップとして使用する場合の他、回転切削工具本体
に直接ロウ付して使用することもできる。また、ダイヤ
モンドはスローアウェイチップ本体又は回転切削工具本
体の切れ刃部位に、コーティングに代えて、焼結などに
より一体形成したものにおいても適用ないし具体化でき
る。
【0053】
【発明の効果】本発明は、ダイヤモンドからなる外周切
れ刃と底切れ刃の両切れ刃の稜線部に面取りを施しした
ため、チッピングが生じ難くなって、両切れ刃の寿命延
長が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】チップ及び、これが固定されるスローアウェイ
チップ本体の斜視図。
【図2】図1のチップの外周切れ刃の稜線に垂直な平面
で切断した、外周切れ刃の面取りを説明する拡大断面
図。
【図3】図1のチップの底切れ刃の稜線に垂直な平面で
切断した、底切れ刃の面取りを説明する拡大断面図。
【図4】チップが固定されてなるスローアウェイチップ
をすくい面側から見た図。
【図5】スローアウェイチップ1を取付けた回転切削工
具の取付け部分の斜視図。
【図6】別形態のチップの外周切れ刃の稜線に垂直な平
面で切断した、外周切れ刃の面取りを説明する拡大断面
図。
【図7】別形態のチップの底切れ刃の稜線に垂直な平面
で切断した、底切れ刃の面取りを説明する拡大断面図。
【図8】ほかの形態の切削工具の説明用断面図。
【図9】ほかの形態の切削工具の要部説明図。
【図10】切削試験用の被切削材を示す斜視図。
【図11】ほかの形態のチップ及びスローアウェイチッ
プの斜視図。
【図12】ほかの形態のスローアウェイチップの要部断
面図。
【符号の説明】
l スローアウェイチップ 1a スローアウェイチップ本体 4、24 チップ 6 基材 7 ダイヤモンド 8 外周切れ刃 9 底切れ刃 8a 外周切れ刃の面取り 9a 底切れ刃の面取り 21a 回転切削工具本体 21、41 回転切削工具

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切れ刃をもつダイヤモンドのチップ又は
    該ダイヤモンドを一体化してなる複合体のチップであっ
    て、 回転切削工具本体に、スローアウェイチップ本体に固定
    されて取付けられた際に、或いはスローアウェイチップ
    本体に固定されることなく直接取り付けられた際に、前
    記切れ刃が外周切れ刃と底切れ刃をなすように形成され
    たチップにおいて、 該外周切れ刃と底切れ刃をなす切れ刃の稜線部に連続す
    るように面取りを施してなることを特徴とするチップ。
  2. 【請求項2】 前記面取りが傾斜面取りであることを特
    徴とする請求項1記載のチップ。
  3. 【請求項3】 前記面取りがR面取りであることを特徴
    とする請求項1記載のチップ。
  4. 【請求項4】 前記底切れ刃の稜線部の面取りのすくい
    面側から見た幅を、前記外周切れ刃の稜線部の面取りの
    すくい面側から見た幅より小さくしてなることを特徴と
    する請求項1、2又は3記載のチップ。
  5. 【請求項5】 前記底切れ刃の稜線部の面取りのすくい
    面とのなす角度を、前記外周切れ刃の稜線部の面取りの
    すくい面とのなす角度より小さくしてなることを特徴と
    する請求項2又は4記載のチップ。
  6. 【請求項6】 前記外周切れ刃の稜線部の面取りの、す
    くい面側から見た幅を0.2mm以下で、すくい面との
    なす角度を5度〜30度の範囲に存在させるとともに、
    前記底切れ刃の稜線部の面取りを、すくい面側から見た
    幅を0.2mm以下で、すくい面とのなす角度を5度〜
    30度の範囲に存在させたことを特徴とする請求項2、
    4又は5記載のチップ。
  7. 【請求項7】 前記外周切れ刃の稜線部の面取りの半径
    を、R0.1mm以下とし、前記底切れ刃の稜線部の面
    取りの半径を、R0.1mm以下としたことを特徴とす
    る請求項3記載のチップ。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のチップ
    を、スローアウェイチップ本体に固定してなるスローア
    ウェイチップ。
  9. 【請求項9】 ダイヤモンドの切れ刃を備えたスローア
    ウェイチップであって、回転切削工具本体に取り付けら
    れた際に、前記切れ刃が外周切れ刃と底切れ刃をなすよ
    うに形成されたスローアウェイチップにおいて、 該外周切れ刃と底切れ刃をなす切れ刃の稜線部に連続す
    るように面取りを施してなることを特徴とするスローア
    ウェイチップ。
  10. 【請求項10】 前記面取りが傾斜面取りであることを
    特徴とする請求項9記載のスローアウェイチップ。
  11. 【請求項11】 前記面取りがR面取りであることを特
    徴とする請求項9記載のスローアウェイチップ。
  12. 【請求項12】 前記底切れ刃の稜線部の面取りのすく
    い面側から見た幅を、前記外周切れ刃の稜線部の面取り
    のすくい面側から見た幅より小さくしてなることを特徴
    とする請求項9、10又は11記載のスローアウェイチ
    ップ。
  13. 【請求項13】 前記底切れ刃の稜線部の面取りのすく
    い面とのなす角度を、前記外周切れ刃の稜線部の面取り
    のすくい面とのなす角度より小さくしてなることを特徴
    とする請求項10又は12記載のスローアウェイチッ
    プ。
  14. 【請求項14】 前記外周切れ刃の稜線部の面取りの、
    すくい面側から見た幅を0.2mm以下で、すくい面と
    のなす角度を5度〜30度の範囲に存在させるととも
    に、前記底切れ刃の稜線部の面取りを、すくい面側から
    見た幅を0.2mm以下で、すくい面とのなす角度を5
    度〜30度の範囲に存在させたことを特徴とする請求項
    10、12又は13記載のスローアウェイチップ。
  15. 【請求項15】 前記外周切れ刃の稜線部の面取りの半
    径を、R0.1mm以下とし、前記底切れ刃の稜線部の
    面取りの半径を、R0.1mm以下としたことを特徴と
    する請求項11記載のスローアウェイチップ。
  16. 【請求項16】 請求項8〜15のいずれかに記載のス
    ローアウェイチップを、回転切削工具本体に固定してな
    ることを特徴とする回転切削工具。
  17. 【請求項17】 ダイヤモンドの切れ刃を回転切削工具
    本体に備えた回転切削工具であって、前記切れ刃が外周
    切れ刃と底切れ刃をなすように形成された回転切削工具
    において、 該外周切れ刃と底切れ刃をなす切れ刃の稜線部に連続す
    るように面取りを施してなることを特徴とする回転切削
    工具。
  18. 【請求項18】 前記面取りが傾斜面取りであることを
    特徴とする請求項17記載の回転切削工具。
  19. 【請求項19】 前記面取りがR面取りであることを特
    徴とする請求項17記載の回転切削工具。
  20. 【請求項20】 前記底切れ刃の稜線部の面取りのすく
    い面側から見た幅を、前記外周切れ刃の稜線部の面取り
    のすくい面側から見た幅より小さくしてなることを特徴
    とする請求項17、18又は19記載の回転切削工具。
  21. 【請求項21】 前記底切れ刃の稜線部の面取りのすく
    い面とのなす角度を、前記外周切れ刃の稜線部の面取り
    のすくい面とのなす角度より小さくしてなることを特徴
    とする請求項18又は20記載の回転切削工具。
  22. 【請求項22】 前記外周切れ刃の稜線部の面取りの、
    すくい面側から見た幅を0.2mm以下で、すくい面と
    のなす角度を5度〜30度の範囲に存在させるととも
    に、前記底切れ刃の稜線部の面取りを、すくい面側から
    見た幅を0.2mm以下で、すくい面とのなす角度を5
    度〜30度の範囲に存在させたことを特徴とする請求項
    18、20又は21記載の回転切削工具。
  23. 【請求項23】 前記外周切れ刃の稜線部の面取りの半
    径を、R0.1mm以下とし、前記底切れ刃の稜線部の
    面取りの半径を、R0.1mm以下としたことを特徴と
    する請求項19記載の回転切削工具。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103867128A (zh) * 2012-12-17 2014-06-18 宜昌神达石油机械有限公司 可转位金刚石复合刀片装夹装置
JP2019005888A (ja) * 2017-06-23 2019-01-17 株式会社タンガロイ 切削工具
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WO2021192629A1 (ja) * 2020-03-23 2021-09-30 株式会社アライドマテリアル 回転切削工具

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