JPH0515911U - Ｘ線診断装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 Ｘ線治療器としても使用可能なＸ線診断装置
に関し、コンパクトで、通常のＸ線診断装置に後付け可
能なＸ線治療器を有するＸ線診断装置を提供することを
目的とする。 【構成】 回転側のコリメータ部２の絞り機構３とＸ線
チューブ１との間に、チャネル方向に沿って回転可能に
設けられた円筒４と、円筒４を回転駆動する駆動部とを
設け、円筒４の円筒面には、チャネル方向に沿って穿設
された第１の貫通スリット６と、円筒面上に螺旋状に穿
設された第２の貫通スリット７とを設けるように構成す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、回転側にＸ線チューブと、スライス方向の絞り機構を有するコリメ ータ部とを具備し、前記Ｘ線チューブからのＸ線を前記コリメータ部によって散 乱Ｘ線の除去及びスライス方向の絞りを行ったのち、固定側の被検体に曝射して 、前記被検体の全角度からの投影データを取得するＸ線診断装置に関し、更に詳 しくは、Ｘ線治療器としても使用可能なＸ線診断装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、Ｘ線診断装置とＸ線治療器とを兼用したＸ線診断装置は、例えば、特開 昭５８−９４８３５号公報に開示されているように、回転フレームに診断用のＸ 線源と治療用のＸ線源との２つのＸ線源を設け、患部の位置の特定を行った後、 その患部に、治療用のＸ線源からのＸ線を照射して、治療を行うものである。

【０００３】 このような構成により、治療部位の特定が極めて正確に行える上に、患者を移 動させることなく、治療を行えるという利点がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、このようなＸ線診断装置は、Ｘ線治療器の機構が大きく、又、通常の Ｘ線診断装置に後付けできるような構成とはなっていない。よって、Ｘ線診断専 用装置及びＸ線診断／治療兼用装置とは、構造部材等が異なり、生産性が悪いと いう問題点がある。

【０００５】 本考案は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、コンパクトで、 通常のＸ線診断装置に後付け可能なＸ線治療器を有するＸ線診断装置を提供する ことにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 上記課題を解決する本考案は、回転側にＸ線チューブと、スライス方向の絞り 機構を有するコリメータ部とを具備し、前記Ｘ線チューブからのＸ線を前記コリ メータ部によってスライス方向の絞りを行ったのち、固定側の被検体に曝射して 、前記被検体の全角度からの投影データを取得するＸ線診断装置において、回転 側の前記コリメータ部の絞り機構と前記Ｘ線チューブとの間に、チャネル方向に 沿って回転可能に設けられた円筒と、前記円筒を回転駆動する駆動部とを設け、 前記円筒の円筒面上には、チャネル方向に沿って穿設された第１の貫通スリット と、前記円筒面上に螺旋状に穿設された第２の貫通スリットとを設けたものであ る。

【０００７】

【作用】

本考案のＸ線診断装置において、Ｘ線診断装置として使用する場合には、先ず 、駆動部を用いて、第１の貫通スリットが絞り機構に対向するように円筒を移動 させる。次に、回転するＸ線チューブよりＸ線を照射すると、Ｘ線は円筒の第１ のスリットを通過し、絞り機構によってチャネル方向の絞りが行われ、固定側の 被検体に曝射され、被検体の全角度からの投影データが得られ、患部が特定され る。

【０００８】 次に、Ｘ線治療器として使用する場合には、駆動部は、Ｘ線チューブより出射 したＸ線が第２の貫通スリットを通過し、被検体の患部のみを曝射するように円 筒を回転駆動し、患部の治療を行う。

【０００９】

【実施例】

次に図面を用いて本考案の一実施例を説明する。図１は本考案の一実施例の要 部構成図、図２は図１における円筒を上方より見た時の図、図３は図１における 円筒の各断面を説明する図である。

【００１０】 先ず、図１を用いて本実施例のＸ線診断装置の要部構成を説明する。図におい て、１は回転側に設けられ、扇形のＸ線を放射するＸ線チューブである。このＸ 線チューブ１のＸ線出射側には、コリメータ部２が設けられている。

【００１１】 ここで、コリメータ部２の説明を行う。３は撮影条件によってＸ線のスライス （Ｓ）方向の幅を連続的に変える絞り機構である。又、絞り機構３とＸ線チュー ブ１との間には、チャネル方向（Ｃ）に沿って、円筒４が回転可能に設けられて いる。この円筒４はＸ線を通しにくい材質より製造され、駆動部５によって回転 駆動されるようになっている。

【００１２】 次に、円筒４の説明を図２及び図３を用いて行う。円筒４の円筒面には、チャ ネル方向に沿って穿設された第１の貫通スリット６と、円筒面状に螺旋状に穿設 された第２の貫通スリット７とが設けられている。

【００１３】 そして、螺旋状の第２の貫通スリット７は、Ｘ線チューブ１より出射された扇 形のＸ線のある一部のみを通過させ（図２においては、Ｔ部分）、通過したＸ線 が円筒４の回転に伴い、チャネル方向に移動するように形成されている。

【００１４】 又、第１のスリット６は、Ｘ線チューブ１より出射された扇形のＸ線を遮断す ることなく、通過させるような形状に設定されている。 次に、上記構成の作動を説明する。Ｘ線診断装置として使用する場合には、先 ず、駆動部５を用いて、円筒４の第１の貫通スリット６が絞り機構３に対向する ように円筒４を回転移動させる。次に、回転するＸ線チューブ１より扇形のＸ線 を照射すると、Ｘ線は円筒４の第１の貫通スリット６を通過し、絞り機構３によ って所望のチャネル方向の絞りが行われ、固定側の被検体に曝射されることによ り、被検体の全角度からの投影データが得られ、患部が特定される。

【００１５】 次に、Ｘ線治療器として使用する場合には、特定された患部の位置に応じて、 図示しない制御部が円筒４を回転駆動する駆動部５を制御し、第２の貫通スリッ ト６より出射するＸ線は患者の患部にだけに照射される。そして、このＸ線の照 射は、患部に照射される線量が所定量に達するまで行われる。

【００１６】 上記構成によれば、円筒４及び駆動部５はコンパクトであるので、通常のＸ線 診断装置に後付けで容易に組み付けることができる。又、Ｘ線診断専用装置及び Ｘ線診断／治療兼用装置との構造部材等を共通化することができ、生産性の向上 を図ることができる。

【００１７】

【考案の効果】

以上述べたように本考案によれば、コンパクトで、通常のＸ線診断装置に後付 け可能なＸ線治療器を有するＸ線診断装置を実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の要部構成図である。

【図２】図１における円筒を上方より見た時の図であ
る。

【図３】図１における円筒の各断面を説明する図であ
る。

【符号の説明】

１ Ｘ線チューブ ２ コリメータ部 ３ 絞り機構 ４ 円筒 ５ 駆動部 ６ 第１の貫通スリット ７ 第２の貫通スリット

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転側にＸ線チューブ（１）と、スライ
   ス方向の絞り機構（３）を有するコリメータ部（２）と
   を具備し、前記Ｘ線チューブ（１）からのＸ線を前記コ
   リメータ部（２）によってスライス方向の絞りを行った
   のち、固定側の被検体に曝射して、前記被検体の全角度
   からの投影データを取得するＸ線診断装置において、 回転側の前記コリメータ部（２）の絞り機構（３）と前
   記Ｘ線チューブ（１）との間に、 チャネル方向に沿って回転可能に設けられた円筒（４）
   と、 前記円筒（４）を回転駆動する駆動部とを設け、 前記円筒（４）の円筒面には、 チャネル方向に沿って穿設された第１の貫通スリット
   （６）と、 前記円筒面上に螺旋状に穿設された第２の貫通スリット
   （７）とを設けたことを特徴とするＸ線診断装置。