JPH0515884Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、ガスと空気を混合して点火、爆発
燃焼、排気、吸気のサイクルを繰返して脈動燃焼
するパルス燃焼器を加熱源としたガス調理器に関
する。

従来の技術 加熱された鉄板上で調理する焼き肉、焼きそ
ば、お好み焼き等のような調理に用いられる鉄板
でのガス調理器は、一般に鉄板をバーナ炎で加熱
する構造となつている。このため、バーナによる
燃焼排気の一部は鉄板を加熱するが、かなりの排
気が無駄に排出され、燃焼による排気熱が十分利
用されていない欠点があつた。

考案が解決しようとする問題点 これは、バーナが解放されているので、燃焼に
よる高温排気熱が四方に放散され、鉄板へはその
一部のみが接触し、他の排気熱は排気口へ逸散す
るためである。

そこで、この考案は、加熱源にパルス燃焼器を
用いることによつて燃焼による排気熱を鉄板に無
駄なく有効に伝熱して燃焼効率のよいガス調理器
を提供するのが目的である。

問題点を解決するための手段 この考案はかかる問題点を解決するために、熱
容量の大きい調理用鉄板１の内部あるいは下面
に、ガスと空気を混合して点火、爆発燃焼、排
気、吸気のサイクルを繰返して脈動燃焼するパル
ス燃焼器Ａの燃焼室２と連なる燃焼排気流路３を
燃焼排気が上記調理用鉄板１に直接接触し、しか
も全面をむらなく加熱しうる形状に屈曲形成した
技術的手段を採り上記目的を達成するにある。

作 用 この考案は上記構成としたので、加熱源たるパ
ルス燃焼器Ａの燃焼排気熱のすべては調理用鉄板
１に配設された燃焼排気流路３を通つて器外に排
出されるため、該燃焼排気熱は熱容量の大きい調
理用鉄板１に直接接触して鉄板１を加熱昇温した
後器外に排出されることになる。しかして、燃焼
排気流路３を流過する燃焼排気熱はその大部分が
鉄板１に吸熱され、その伝熱効率は飛躍的に向上
し、無駄に放出されることはない。

実施例 以下この考案によるガス調理器の実施例を図面
に基づき説明する。

第１図及び第２図の実施例において、１は調理
用鉄板で、熱容量の大きい部厚い鉄板で形成さ
れ、器体Ｂの上端に水平を保つて固定されてい
る。Ａはガスと空気を混合して点火、爆発燃焼、
排気、吸気のサイクルを自動的に繰返して脈動燃
焼するパルス燃焼器で、前記調理用鉄板１の下部
の器体Ｂ内に設けられている。このパルス燃焼器
Ａは調理用鉄板１に頂部を接触して設けた燃焼室
２と点火時のみ強制給気する給気用フアン４及び
燃焼排気の減圧を目的とするデカプラ（膨張タン
ク）５、燃焼音を減ずるための消音器６、排気管
７、ガス供給管８等の機能部品をもつて構成され
ている。なお、燃焼室２の壁面からの伝熱が得ら
れるように調理用鉄板１と燃焼室２を一体化する
のがよい。３は調理用鉄板１に設けた燃焼排気流
路で、その入口側は燃焼室２と連管９を介して連
通され、出口側はデカプラ５に連管１０を介して
連通されている。また、１１は調理用鉄板１の上
面以外の部分と燃焼室２の外周面とを被覆した断
熱材で、調理用鉄板１の上面以外への伝熱を防ぐ
ためのものである。１２はデカプラ５と消音器６
を接続した連通管である。

前記燃焼排気流路３の平面形状は、パルス燃焼
の背圧に影響を与えることなく、しかも、調理用
鉄板１の各部が均等に加熱昇温されるよう屈曲配
設するもので、この実施例では第２図に示したよ
うに、燃焼室２に連通する中心部の２つの入口側
連管９，９から手前へ平行に導き縁部を前部から
両側部及び後部へと導き、中間部分をジクザク状
に手前に導いてデカプラ５に通ずる出口側連管１
０，１０に接続して形成しているが、第３図に示
したものは、燃焼室２に連通する中心部の２つの
入口側連管９から背部両側のデカプラ５に通ずる
出口側連管１０，１０に至る間に大小のＵ字状屈
曲部を形成して導いており、また、第４図に示し
たものは燃焼室２に連通する中心部の２つの入口
側連管９，９から中央前後のデカプラ５に通ずる
出口側連管１０，１０に至る間に渦巻状屈曲部を
形成して導いている。しかし、上記実施例の形状
に限定されることはない。また、燃焼排気流路３
は第１図及び第２図の実施例のように調理用鉄板
１を鋳込み成型する際にくり抜き状に一体形成す
るほか、第５図の実施例のように、調理用鉄板１
の裏面に溝を形成した別体の尾管板１３を溶接等
により一体固着して燃焼排気流路３を形成する
か、第６図の実施例のように、調理用鉄板１を２
つ割り１ａ，１ｂとしてそれぞれの内面に半円形
状の溝を穿ち、該溝を合致させて重合しボルト等
により一体化して形成してもよい。いずれにして
も燃焼排気流路３は調理用鉄板１と直接接触させ
て形成することが肝要である。さらに、燃焼排気
流路３の断面形状は実施例の真円形又は半円形に
限定されず、例えば、角形でもよい。

上記構成において、パルス燃焼は、燃焼室２内
において点火、爆発燃焼、排気、吸気のサイクル
を繰返して脈動的に燃焼するものであるが、点火
時にのみ給気用フアン４を回転して強制給気する
とともに、点火プラグからスパークを飛ばして強
制着火するが、点火後は自己給気及び自己着火し
以後の燃焼を継続するものである。

そこで、燃焼室２内の燃焼排気は燃焼室２から
入口側連管９，９を介して燃焼排気流路３，３を
流過し、出口側連管１０，１０からデカプラ５内
に至り、デカプラ５から接続管１２を介して消音
器６を通つて排気管７から器外に放出される。し
かして、パルス燃焼によつて発生する燃焼排気熱
は、燃焼室２の壁面を加熱するとともに、その大
部分は調理用鉄板１に配設した燃焼排気流路３，
３を流過して調理用鉄板１を加熱昇温し、この間
に調理用鉄板１への吸熱により燃焼排気熱は低温
化されて、デカプラ５に至り、デカプラ５の大容
積部により減圧消音され、消音器６でさらに十分
消音された後、排気管７から器外へ放出される。
このように、調理用鉄板１への熱伝達は、燃焼排
気の全部が調理用鉄板１に直接接触するためその
熱効率は極めてよく、しかも、調理用鉄板１自身
の熱容量が大きいことと相まつて各部の温度むら
はなく一様な温度分布が得られる。なお、燃焼排
気流路３，３を第３図及び第４図の実施例のよう
に、Ｕ字状又は渦巻状となすと、燃焼排気の通過
抵抗が少なくなり実施上有益である。

考案の効果 この考案は、パルス燃焼器Ａの燃焼排気流路３
を熱容量の大きい調理用鉄板１に燃焼排気が直接
接触するように形成したことによつて、次のよう
な効果が得られる。

燃焼排気熱が調理用鉄板１に無駄なく有効に
伝熱するから、従来のものに比べ熱効率が飛躍
的に向上し、ガスの消費が著しく節減でき、ま
た、調理用鉄板１自身の熱容量が大きいことと
相まつて各部の温度むらはなく一様な温度分布
が得られる。

加熱源にパルス燃焼器Ａを用いたので、ガス
燃焼に必要な空気の給気が、点火時だけ強制給
気を必要とするが、点火後は自己給気するから
強制給排気用フアンモータの回転力等の動力を
省くことができ甚だ経済的である。

パルス燃焼器には消音器を必要とするが、燃
焼排気が部厚い調理用鉄板１に配設された燃焼
排気流路３内を通過するので、消音効果が得ら
れ、既設のデカプラ５及び消音器６による消音
と相まつてその燃焼騒音は殆んど消去される。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は正面
一部断面図、第２図は第１図のＸ−Ｘ線における
切断平面図、第３図及び第４図は燃焼排気流路の
配設形状を異にする切断平面図、第５図及び第６
図は他の実施例の正面一部断面図である。 １……調理用鉄板、Ａ……パルス燃焼器、２…
…燃焼室、３……燃焼排気流路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 熱容量の大きい調理用鉄板１の内部あるいは下
   面に、ガスと空気を混合して点火、爆発燃焼、排
   気、吸気のサイクルを自動的に繰返して脈動燃焼
   するパルス燃焼器Ａの燃焼室２と連なる燃焼排気
   流路３を燃焼排気が上記調理用鉄板１に直接接触
   し、しかも全面をむらなく加熱しうる形状に屈曲
   形成したことを特徴とするガス調理器。