JPH0515775A - 脱臭剤およびその製造方法 - Google Patents

脱臭剤およびその製造方法

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JPH0515775A
JPH0515775A JP3194861A JP19486191A JPH0515775A JP H0515775 A JPH0515775 A JP H0515775A JP 3194861 A JP3194861 A JP 3194861A JP 19486191 A JP19486191 A JP 19486191A JP H0515775 A JPH0515775 A JP H0515775A
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Yoshiro Fujiwara
義郎 藤原
Shigeaki Sudou
茂韶 須藤
Eiji Yanagisawa
栄治 柳沢
Minoru Hida
実 飛田
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Dowa Mining Co Ltd
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  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 まず、重金属塩を含む金属鉱山湧水または排
水にカルシウム塩含有液を添加することによってpHを
調整し、中和澱物を生成させる。次いで、生成した中和
澱物を乾燥した後、粉末化するか、または粉末を外寸4
〜5mmφ×4〜5mmLの円柱状に成形して脱臭剤とす
る。 【効果】 上記脱臭剤をガス濃度測定装置のサンプル充
填カラム4にカラム容量として 200ccの割合で充填後、
図1に示すようにガスボンベ1と圧力調整器2、圧力調
整器2と流量計3、および流量計3とサンプル充填カラ
ム4をそれぞれ透明ビニールホース6で接続した後、ガ
スボンベ1から濃度が 10,100ppmの硫化水素を30hr-1
SV値で流し、該カラム4から排出される気体中の硫化
水素濃度が10ppm に達するまでに要する時間を測定する
と 106時間である。同じ条件で活性炭を用いたときの上
記時間は25時間である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硫化水素、アンモニ
ア、メルカプタン、アミン類など多種多様の悪臭物質を
効率良く除去することができる脱臭剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、悪臭を除去する方法としてマ
スキング法、酸化法、中和法および吸着法などが知られ
ている。しかしながら、これらの脱臭方法には以下のよ
うな問題点があった。
【0003】マスキング法は、香料などを用いて悪臭源
を隠蔽する方法であるため、根本的な脱臭法とは言えな
い。酸化法には白金系触媒を使う触媒酸化法やオゾンを
使うオゾン酸化法等があるが、有害物質発生による二次
公害の危険性や、高価な装置を使用しなければならない
という問題点がある。また、この酸化法の一種である熱
分解法も大型の装置を必要とし、設備コストが高いとい
う問題点がある。中和法には、薬液洗浄法や水洗法など
があるが、いずれの方法においても装置の大型化に伴う
設備コストの増大といった経済上の問題がある他、除去
対象物質が限定されてしまうという問題点がある。
【0004】吸着法はシリカゲルや活性炭で悪臭物質を
吸着除去する方法であって、中でも活性炭がコストや吸
着能力の点で上記各種方法と比較して有利であるため、
脱臭剤として幅広く用いられてきた。しかしながら、活
性炭による吸着法は、低分子量の塩基性ガスを対象とし
た場合に脱臭効果が小さく吸着容量が限られており、高
濃度ガスと接触すると発熱や発火の危険性があるという
問題点がある。
【0005】一方、重金属物質、特に鉄塩を用いた鉄系
脱臭剤として、特公平2−23188号公報に「第一鉄
塩及び第二鉄塩の群の中から選ばれる少なくとも一種の
鉄系物質と、没食子酸との混合物からなる脱臭剤」が開
示されている他、特開昭63−240866号公報に
「固体酸性を有する無機物質と2価の鉄化合物とを共存
させてなる脱臭剤」が開示されている。
【0006】しかしながら、上記従来の脱臭剤では、い
ずれによっても1万種以上とも言われる悪臭物質の低濃
度から高濃度までに対して総合的に対応することができ
なかった。そのため、数種類の脱臭剤を組み合わせて用
いることによって各種悪臭物質に対応しており、装置の
大型化および処理コストの増大が避けられなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述従来の
技術の問題点を解決し、単一品で各種悪臭物質に総合的
に対応することができる上、製造コストが安価であり、
かつ取扱いが容易な脱臭剤を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決するために鋭意研究した結果、金属鉱山湧水または
排水を安価なカルシウム塩で中和した際に生成する中和
澱物に、悪臭物質に対して極めて顕著な脱臭効果がある
ことを見い出し、本発明を提出することができた。
【0009】すなわち、本発明は、少なくとも重金属の
硫酸塩および塩基性塩を複合的に含有する金属鉱山湧水
にカルシウム塩を添加し、pHを調整することにより生
成する、鉄、銅、アルミニウム、亜鉛などの重金属の塩
類、およびカルシウム塩を含有する中和澱物からなるこ
とを特徴とする脱臭剤を提供するものである。
【0010】
【作用】本発明の脱臭剤は、次のような方法で作製する
ことができる。まず、金属鉱山湧水または排水にカルシ
ウム塩を添加することによってpHを調整し、中和澱物
を生成させる。上記湧水中には、FeSO4 、Fe
2 (SO4 3 、Al2 (SO4 3 、CuSO4 等の
硫酸塩や、Fe(OH)2 、Fe(OH)3 、Al(O
H)3 、Cu(OH)2等の塩基性の金属塩類が複合的
に含有されており、この排水中にカルシウム塩を添加し
て中和澱物を生成させることにより、生成した澱物中に
重金属が複合的に包含される。次いで、生成した中和澱
物を乾燥した後、粉末状にしたものをそのまま脱臭剤と
して使用することができ、あるいはpH調整時に添加す
るカルシウム塩をバインダーとしてペレット状に成形し
て使用することもできる。もちろん、上記排水に類似す
る重金属イオン含有溶液を人工的につくって同様に中和
することも可能である。
【0011】本発明の脱臭剤の各種悪臭物質に対する具
体的な作用機構は明白ではないが、硫化水素などの酸性
ガスに対しては塩基性金属塩が作用し、アンモニアなど
のアルカリ性ガスに対しては金属硫酸塩などが作用する
ものと考えられる。また、該脱臭剤中に存在する微量元
素は、上記の作用時に触媒的な役割を果たすものと考え
られる。また、中和澱物自体がポーラスな構造を有する
ため、この構造によって吸着効果が生じ、除去されるた
めに除かれる悪臭もあるものと考えられる。
【0012】また、本発明の脱臭剤は、充填カラムなど
に充填し、このカラムに悪臭物質を含んだガスを強制的
に送り込むことにより、効率良く脱臭処理を施すことが
できる。
【0013】以下、実施例により本発明をさらに詳細に
説明する。しかし本発明の範囲は以下の実施例により制
限されるものではない。
【0014】
【実施例1】まず、鉄、アルミニウム、銅などの重金属
の塩を含む金属鉱山排水にカルシウム塩含有液を添加す
ることによってpHを調整し、中和澱物を生成させた。
次いで、生成した中和澱物を乾燥した後、外寸4〜5mm
φ×4〜5mmLの円柱状に成形し、これを供試試料(脱
臭剤)とした。なお、これらの供試試料の成分について
は、表1にその分析値を示す。
【0015】
【表1】
【0016】次に、脱臭効果測定装置のサンプリング口
5を有するサンプル充填カラム4に、上記供試試料をカ
ラム容量(サンプル充填容量)として 200ccの割合で充
填し、図1に示すようにガスボンベ1と圧力調整器2、
圧力調整器2と流量計3、および流量計3とサンプル充
填カラム4をそれぞれ透明ビニールホース6で接続し
た。次いで、濃度が 10,100ppmの硫化水素を、ガスボン
ベ1から30hr-1のSV値(空間速度)で流し、カラム4
の上端部から排出される気体中の硫化水素濃度が10ppm
に達するまでに要する時間を測定した。ただしガス濃度
の測定はサンプリング口5に取り付けたガステック製検
知管により行った。また、比較のため、サンプル充填カ
ラム4に粒径4mmφの活性炭を充填し、上記と同様の試
験を行った。その結果、供試試料として活性炭を用いた
場合は約25時間であったのに対し、本発明品を用いた場
合には 106時間であり、従来の脱臭剤と比較して4倍も
の長時間脱臭効果が持続することが確認された。
【0017】
【実施例2】60hr-1のSV値でアンモニアを100ppm含有
するガスをボンベから流したこと以外は実施例1と同様
にして、カラム上端部から排出される気体中のアンモニ
ア濃度を測定した。その結果、上記ガスを流し始めてか
ら35時間経過しても、カラム上端部から排出された気体
中にアンモニアは検知されなかった。
【0018】
【実施例3】60hr-1のSV値でメチルメルカプタンを10
0ppm含有するガスをボンベから流したこと以外は実施例
1と同様にして、カラム上端部から排出される気体中の
メチルメルカプタン濃度を測定した。その結果、上記ガ
スを流し始めてから70時間経過しても、カラム上端部か
ら排出された気体中にメチルメルカプタンは検知されな
かった。
【0019】
【実施例4】60hr-1のSV値でトリメチルアミンを100p
pm含有するガスをボンベから流したこと以外は実施例1
と同様にして、カラム上端部から排出される気体中のト
リメチルアミン濃度を測定した。その結果、上記ガスを
流し始めてから37時間経過しても、カラム上端部から排
出された気体中にトリメチルアミンは検知されなかっ
た。
【0020】
【発明の効果】本発明の開発により、単一製品の使用で
各種悪臭物質を総合的に効率良く除去することができる
ようになった。また、本発明の脱臭剤は、製造コストが
安価であり、かつ取り扱いが容易であるため、極めて商
業的価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】脱臭剤を充填したカラムを有する脱臭効果測定
装置を示す配管図である。
【符号の説明】
1‥‥‥ガスボンベ 2‥‥‥圧力調整器 3‥‥‥流量計 4‥‥‥サンプル充填カラム 5‥‥‥サンプリング口 6‥‥‥透明ビニールホース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飛田 実 東京都千代田区丸の内1丁目8番2号 同 和鉱業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄、アルミニウム、銅、亜鉛の硫酸塩お
    よび塩基性塩からなる群より選ばれる重金属塩を少なく
    とも1種とカルシウム塩とを主成分として含む複合粉末
    またはその圧粉成形体からなることを特徴とする脱臭
    剤。
  2. 【請求項2】 重金属イオンを含む金属鉱山湧水または
    排水にカルシウム塩を添加してpH調節することにより
    重金属を含む中和澱物を生成させ、これを脱水、乾燥し
    て粉末化し、または得られた粉末をさらに圧粉成形体と
    することを特徴とする脱臭剤の製造方法。
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