JPH0515637U - 母線温度監視装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 事前に母線接続部分での異常な温度上昇を予
測する。 【構成】 各母線の接続部分において発生した熱を、高
熱伝導性の絶縁支持部材13を介して温度センサ14により
検出する。 【効果】 温度センサ14の出力の変化を所定の特性曲線
データと比較することにより、近い将来に異常な温度上
昇が発生しそうか否かを予測することができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、低圧及び高圧の配電盤、制御盤等における母線接続部分での異常な 温度上昇の発生を監視する母線温度監視装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図３に従来の母線温度監視の一例を示す。図３において、各母線１及び２は接 続片３を介してボルト４及びワツシヤ５等（ナツトは周知により図示せず）によ り電気的及び機械的に接続されている。母線２はボルト６及びワツシヤ７（同様 にナツトは周知により図示せず）により絶縁支持部材８に固定されている。絶縁 支持部材８は、さらにボルト９及びワツシヤ10等（同様にナツトは周知により図 示せず）によりフレーム11に固定されている。接続片３には、母線接続部分での 温度上昇を検出する目的で、サーモラベル12が貼付されている。

【０００３】 一般に、母線１と接続片３との接触面及び／又は母線２と接続片３との接触面 の腐食により、又はボルト４の緩みにより、接触抵抗等が増大し、母線接続部分 での温度が上昇する場合がある。この場合、接続片３に貼付されたサーモラベル 12が変色する。このサーモラベル12の変色により、母線接続部分での異常な温度 上昇を検出することができる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来の母線温度監視方法では、サーモラベル12の変色により母線接続部分での 異常な温度上昇を検出しているため、母線接続部分での異常な温度上昇が発生し た後に事後的に確認するにとどまり、事前に母線接続部分での異常な温度上昇を 予測することはできないという問題点を有していた。

【０００５】 また、安全のために母線接続部分は安全カバー等の外被で覆われているため、 異常な温度上昇の発生を確認するためには、その都度安全カバーを取外さなけれ ばならず煩わしいという問題点を有していた。

【０００６】 この考案は以上のような問題点を解決するためになされたものであり、母線接 続部分での温度上昇を常時遠隔的に監視できる母線温度監視装置を提供すること を目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

請求項１に記載した考案に係る母線温度監視装置は、 各母線接続部近傍に設けられ、前記各母線をそれぞれ絶縁支持する高熱伝導性 の絶縁支持部材と、 前記絶縁支持部材に接触するように設けられ、前記絶縁支持部材の温度に対応 する所定の信号を出力する温度センサと、 前記温度センサに対して遠隔的に設けられ、前記温度センサの出力を受信し当 該出力が正常であるか否かを判別する監視手段と、 を具備している。 請求項２に記載した考案に係る母線温度監視装置は、さらに、 前記絶縁支持部材は各母線毎に分割され、かつ前記温度センサは分割された各 絶縁支持部材にそれぞれ設けられている。

【０００８】

【作用】

請求項１に記載した考案に係る母線温度監視装置において、各母線の接続部分 における接触面の腐食やボルトの緩み等に起因して接触抵抗等が増大した場合、 当該接触抵抗等の増大により発生した熱は高熱伝導性の絶縁支持部材（セラミツ クス製等）に伝わる。その結果、絶縁支持部材の温度は母線接続部分の温度とほ ぼ同一となる。サーミスタ等の温度センサは当該絶縁支持部材の温度に応じて所 定の信号を出力し、マイクロコンピュータ等の監視手段は温度センサの出力と所 定の参照値とを比較する、又は当該出力の変化と所定の特性曲線データと比較す る。その結果、母線接続部分において異常な温度上昇が発生したか否か、あるい は近い将来に異常な温度上昇が発生しそうか否かを判断する。

【０００９】 請求項２に記載した考案に係る母線温度監視装置においては、各母線毎に絶縁 支持部材を分割し、各絶縁支持部材毎に温度センサを設けているので、異常な温 度上昇が発生したあるいは発生しそうな場所を特定して検出する。

【００１０】

【実施例】

請求項１に記載した考案に係る母線温度監視装置を、その一実施例を示す図１ を用いて説明する。図１は、請求項１に記載した考案に係る母線温度監視装置の 構成を示す斜視図である。

【００１１】 図１において、各母線１及び２は接続片３を介してボルト４及びワツシヤ５等 （ナツトは周知により図示せず）により電気的及び機械的に接続されている。母 線２はボルト６及びワツシヤ７（同様にナツトは周知により図示せず）により絶 縁支持部材13に固定されている。絶縁支持部材13は、さらにボルト９及びワツシ ヤ10等（同様にナツトは周知により図示せず）によりフレーム11に固定されてい る。絶縁支持部材13は、例えばセラミツクス等の高熱伝導性を有する絶縁材料で 製作され、一つの絶縁支持部材13により複数（例えば三相）の母線２を一括して 支持している。フレーム11には、絶縁支持部材８に接触するように温度センサ14 が設けられている。温度センサ14は例えばサーミスタ等であり、絶縁支持部材13 の温度をそれに対応する所定の信号に変換して出力する。温度センサ14はリード 線16により母線１，２等とは離れた場所に設けられた制御装置50に接続されてい る。制御装置50はマイクロコンピュータ、メモリー等を具備し、温度センサ14か らの出力と所定の参照値とを比較し、又は当該出力の変化と所定の特性曲線デー タと比較する。

【００１２】 母線１と接続片３との接触面及び／又は母線２と接続片３との接触面の腐食に より、又はボルト４の緩みにより、接触抵抗等が増大し、母線接続部分で発熱し たとする。この熱は絶縁支持部材13に伝わる。ここで、絶縁支持部材13はセラミ ツクス等の高熱伝導性材料で製作されているため熱損失は少なく、その結果、絶 縁支持部材13の温度は母線接続部分の温度とほぼ同一であるとみなすことができ る。温度センサ14は当該絶縁支持部材13温度に応じて所定の信号をリード線16を 介して出力する。制御装置50は温度センサ14の出力と所定の参照値とを比較し、 又は当該出力の変化と所定の特性曲線データと比較し、母線接続部分において異 常な温度上昇が発生したか否か、あるいは近い将来に異常な温度上昇が発生しそ うか否かを判断する。

【００１３】 次に、請求項２に記載した考案に係る母線温度監視装置を、その一実施例を示 す図２を用いて説明する。図２は、請求項２に記載した考案に係る母線温度監視 装置の構成を示す斜視図である。なお、図１に示した実施例と同一の符号で示し た部材は同一であり、その説明を省略する。

【００１４】 図２に示す実施例において、各母線２を支持する絶縁支持部材17はそれぞれの 母線２に対応して分割されている。換言すれば、各母線２はそれぞれ小型の絶縁 支持部材17により支持されている。各絶縁支持部材17は図１に示す実施例と同様 に、例えばセラミツクス等の高熱伝導性を有する絶縁材料で製作されている。ま た、各絶縁支持部材17の近傍にはそれぞれ、温度センサ14が絶縁支持部材17と接 触するように設けられている。各温度センサ14はリード線16により母線１，２等 とは離れた場所に設けられた制御装置50に接続されている。制御装置50は、各温 度センサ14からの出力と所定の参照値とをそれぞれ比較し、又は当該出力の変化 と所定の特性曲線データとそれぞれ比較する。したがって、この実施例の場合、 異常な温度上昇が発生した母線接続部分、あるいは近い将来に異常な温度上昇が 発生しそうな母線接続部分を特定することができる。

【００１５】

【考案の効果】

以上のように、請求項１に記載した考案によれば、各母線の接続部分において 発生した熱を、高熱伝導性の絶縁支持部材13を介して温度センサ14により検出し ているので、母線部分の安全カバー等を取外すことなく、異常な温度上昇が発生 したか否かを知ることができる。さらに、温度センサ14の出力の変化を所定の特 性曲線データと比較することにより近い将来に異常な温度上昇が発生しそうか否 かを予測することができる。 また、請求項２に記載した考案によれば、各母線毎に絶縁支持部材17を分割し て設け、各絶縁支持部材17毎に温度センサ14を設けているので、異常な温度上昇 が発生したあるいは発生しそうな場所を特定することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】請求項１に記載した考案に係る母線温度監視装
置の構成を示す斜視図である。

【図２】請求項２に記載した考案に係る母線温度監視装
置の構成を示す斜視図である。

【図３】従来の母線温度監視方法を示す斜視図。

【符号の説明】

１ 母線 ２ 母線 ３ 接続片 11 フレーム 13 絶縁支持部材 14 温度センサ 17 絶縁支持部材 50 制御装置

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 各母線接続部近傍に設けられ、前記各母
   線をそれぞれ絶縁支持する高熱伝導性の絶縁支持部材
   と、 前記絶縁支持部材に接触するように設けられ、前記絶縁
   支持部材の温度に対応する所定の信号を出力する温度セ
   ンサと、 前記温度センサに対して遠隔的に設けられ、前記温度セ
   ンサの出力を受信し当該出力が正常であるか否かを判別
   する監視手段と、 を具備する母線温度監視装置。
2. 【請求項２】 前記絶縁支持部材は各母線毎に分割さ
   れ、かつ前記温度センサは分割された各絶縁支持部材に
   それぞれ設けられた請求項１記載の母線温度監視装置。