JPH0515621B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、印刷機等においてウエブ（巻取紙）
を非接触に支持し、所定角度方向を変えて案内す
る非接触ウエブ支持ガイドに関するものである。

〔従来の技術〕

従来より使用されている、一般的な印刷機にお
いては、ウエブの両面に印刷を行うことが要求さ
れ、両面の印刷工程の間に印字を乾燥させる工程
を含まない。

ここで、ウエブ支持ガイドは印刷機の特定のロ
ーラに替わる空気式回転装置であり、それゆえウ
エブによごれが生じることを防ぐことができる。
代表的なものにおいては、このウエブ支持ガイド
はウエブの移動方向を変える（通常は90゜）ため
に使用され、この場合にはこのことを「エアター
ン」と言う。エアターン装置はウエブの移動方向
を反転させるため通常は一対で使用される。同様
な支持ガイド（「エアバー」として知られている）
がウエブの移動方向を変えずにウエブを支持し、
案内するために使用される。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来のウエブ支持ガイドにおいては、本発明の
非接触ウエブ支持ガイドが解決すべき２つの主要
な問題点がある。

第一には、たとえばウエブの張り具合が変化し
たり、支持面のウエブの入口部分と出口部分にお
ける空気の流出がこれらの部分における圧力の変
動を引き起こしたとしても、ウエブの下面と支持
面との間の空気圧は均一でなければならず、上記
両面間の空気の層変動が可能な限り低く維持され
なければならない。空気圧のいかなる不均一によ
つても、ウエブにふくらみが形成される傾向があ
るであろうし、これはウエブの不安定化をもたら
し、さらにウエブの破損を起こすこともありう
る。

第二には、非接触ウエブ支持ガイドの支持面が
ウエブに接触することを回避しながら、ウエブを
横方向に安定させ続けることが重要である。最新
の印刷機、特にそれらの乾燥ユニツトにおいて
は、ウエブの移動速度を速くして印刷速度を増大
させるための一定の要求として非接触に支持され
る、より長いウエブの走行が要求される。

従来の非接触ウエブ支持ガイドはこの点におい
て不適当である。また、これらは非常に騒音が大
きい。

上記した課題を解決するために、本発明は高速
においてウエブの安定な移動を保持でき、しかも
従来の装置より音の静かな非接触ウエブ支持ガイ
ドを提供することを目的としている。

〔課題を解決するための手段及び作用〕

本発明は、ウエブの支持面と加圧空気を供給す
るマニホールドとを有するウエブ支持のための非
接触ウエブ支持ガイドを提供するものである。支
持面には加圧空気が導かれる多数のくぼみが備え
られている。くぼみは支持面上に配列され、くぼ
み全ての断面領域は、支持面上のくぼみの間の領
域より広い、くぼみからの空気の流出は、支持面
に対して間隔をあけてウエブを支持する空気クツ
シヨンを形成する。支持面のウエブ入口部分と出
口部分には空気圧を増加させる手段が備えられ、
この手段は支持面の中央部分に向けて、支持面に
沿つて全体に加圧空気を導くように構成されてい
る。

好ましい実施例において、プレナム室（空気が
満たされている中実室）はマニホールドと支持面
との間に設けられている。この場合、それぞれの
くぼみにはプレナム室へ通じる空気流入孔を備え
てもよく、この流入孔はくぼみの中に加圧空気を
導く手段を構成する。

くぼみは支持面上におけるウエブの移動方向に
直交する方向に延びる複数の列に配列されるのが
効果的である。

好ましい実施例においては、ウエブ支持ガイド
には、ウエブ入口部分と出口部分における支持面
上の縦の両端のそれぞれに沿つて延びる細長いく
ぼみが備えられ、上記細長いくぼみのそれぞれに
プレナム室に通じる多数の流入孔が備えられ、上
記くぼみとそれらの流入孔は支持面の中心に向け
て角をなしており、上記細長いくぼみと、それら
の流入孔とはウエブ入口部分と出口部分において
空気圧を増加させる手段を構成している。

細長いくぼみのそれぞれは幅が３／８インチ、
最大深さが３／８インチに形成され、流入孔は
３／16インチの直径で、１／４インチ間隔で配列
されることが効果的である。

好ましくは、それぞれのくぼみは円形であり、
直径１インチで深さ３／８インチであるのがよ
い。

ウエブ支持ガイドは、マニホールドから支持面
に通じる空気流れ通路において、プレナム室に備
えられ、空気を分配する調節部をさらに備えてい
る。

他の好ましい実施例においては、マニホールド
は支持面の縦の両端に配置された一対の管によつ
て構成され、それぞれの管は支持面の縦の端部近
傍に向けて加圧空気を導くことができる多数の孔
を備えている。この孔はくぼみの中に加圧空気を
導くための手段と、支持面のウエブ入口部分と出
口部分において空気圧を増加させる手段とを構成
する。

好ましくは、支持面は円弧状であり、約90゜の
角度をなしてウエブを移動させるよう支持し、案
内する寸法であるのがよい。

本発明は非接触ウエブ支持ガイド上を通過する
ウエブ部材の横方向の安定性を保持する方法をも
提供し、ウエブ支持ガイドはウエブの支持面と、
加圧空気を提供するマニホールドと、支持面上の
ウエブの移動方向においてウエブに波形やうねり
が生じるように、支持面のウエブ入口部分と出口
部分へ加圧空気を供給する動作を含むものであ
る。

好ましくは、加圧空気は支持面の縦の両端に備
えられた個々の細長いくぼみを介してウエブ入口
部分と出口部分とに供給され、細長いくぼみのそ
れぞれにはこの細長いくぼみに沿つてならぶ多数
の流入孔を介して加圧空気が供給されるのがよ
い。

〔実施例〕

本発明に従い構成された非接触ウエブ支持ガイ
ドの２つの態様のそれぞれを実施例として、添付
図面に基づいて説明する。

図面について説明すると、第１図及び第２図は
エアターン装置として知られている非接触ウエブ
支持ガイドを示している。エアターン装置は、管
状の空気供給マニホールド２１（以下、マニホー
ルドという）と、、ボデイ（胴体部）２３によつ
て支持される円弧状の支持面２２とを有してい
る。使用に際しては、エアターン装置はボデイ２
３の両端に備えられた１対のハンドル２３ａによ
り支持される。マニホールド２１に形成された切
抜き孔２４によりマニホールド２１から支持面２
２へ空気を流入させることができる。ボデイ２３
は、マニホールド２１と支持面２２との間のプレ
ナム室２３ｂの境界となる。支持面２２は長さが
約３フイート、直径が約６インチである。円弧状
の支持面２２は、その円弧面の広がりを、ウエブ
がその上を移動して、約90゜方向を変えるガイド
として十分な大きさとしている。空気を通過させ
る調節部２５が切抜き孔２４から支持面２２への
空気流れ径路内においてボデイ２３に取付けられ
ている。調節部２５は、１／２インチ径の多数の
円形孔２５ａを有する。この調節部２５はエアタ
ーン装置外周に沿つて均一な圧力の空気を供給す
るための補助的な機能を有する。

支持面２２には複数列の円形のくぼみ２２ａが
備えられ、円形のくぼみ２２ａは１インチの径
と、３／８インチの深さとを有する。くぼみ２２
ａは支持面２２の表面領域をほとんど埋めつく
し、全域に形成されている。即ち、全てのくぼみ
２２ａの断面領域はくぼみ２２ａの間に残された
支持面２２ａの表面領域より大きい。くぼみ２２
ａには流入孔２２ｂを通して空気が供給される。
流入孔２２ｂは１／８インチの直径を有する。支
持面２２の縦の端部近傍のそれぞれには、細長い
くぼみ２２′ａが備えられ、これら細長いくぼみ
２２′ａはそれぞれ、３／８インチの幅と最深部
が３／８インチの深さを有する。くぼみ２２′ａ
には直径３／16インチで１／４インチ間隔に配置
された流入孔２２′ｂを通して加圧空気が供給さ
れる。このエアターン装置の支持面２２の縦の両
端近傍の流入孔２２′ｂを備えたくぼみ２２′ａは
支持面の中心方向に向けて角をなしている。

使用に際しては、加圧空気がマニホールド２１
に供給される。この空気は調節部２５の円形孔２
５ａを通過し、流入孔２２ｂ，２２′ｂそしてく
ぼみ２２ａ，２２′ａを通つて支持面２２上に流
れる。くぼみ２２ａ，２２′ａから流れた空気は
支持面２２と、エアターン装置によつて支持さ
れ、案内されるウエブ（図示せず）との間に加圧
空気による空気クツシヨン（空気の緩衝層）を形
成する。加圧空気はインペラ（図示せず）によつ
てマニホールド２１に供給され、インペラはウエ
ブの張り具合に応じた制御情報を出力する通常の
コントローラ（図示せず）によつて制御される。
従つて、支持面２２の空気クツシヨンの圧力はウ
エブの張り具合により変化する。

このエアターン装置は上記した従来の２つの問
題を解決する。ここでは、円形のくぼみ２２ａを
設けたことによつて支持面２２上に均一で低圧の
空気クツシヨンを生じさせ、ウエブを横方向に安
定させ続ける。これは、おそらく支持面２２上に
静止圧力パターンを形成することによつて、この
圧力パターンがウエブの横方向の移動を措止する
ことで、ウエブを安定させる傾向があることによ
る。傾きを有して形成された流入孔２２′ｂと流
入孔２２′ａはウエブにうねり又は波形を形成さ
せるのでウエブの安定性はさらに増す。角をなす
よう形成されたくぼみ２２′ａと流入孔２２′ｂと
を支持面２２の縦の両端に設けたことにより、こ
れらウエブの入口部分と出口部分に空気圧を維持
することを確実にすることもでき、空気の流れを
支持面２２から斜め方向にそらすことにもなり、
このためウエブの入口部分と出口部分において支
持面からウエブを押し上げることになる。このエ
アターン装置は、ウエブの入口部分又は出口部分
において空気の噴出による周知のエアターン装置
に比べて比較的静かであるという利点もある。

本実施例のエアターン装置はウエブに高い張り
を持させることができる。さらに、角をなすくぼ
み２２′ａと傾斜した流入孔２２′ｂによつて縦方
向のうねりが形成され、ウエブの安定性が増大す
るので、円形のくぼみ２２ａに直接加圧空気を供
給しないことも可能であり、即ち、流入孔２２ｂ
をなくすこともできる。この場合、くぼみ２２ａ
には、くぼみ２２′ａとウエブの間を通つて、間
接的に加圧空気が供給される。

第３図は非接触ウエブ支持ガイドの第二実施例
を示し、この実施例では円形の小孔に加圧空気が
直接にではなく間接的に供給される。

ここで、第３図は１対の管状の空気供給管３１
と、この空気供給管３１に縦の両端が固定された
円弧状の支持面３２とを有するエアターン装置を
示す。管３１のそれぞれは外径３インチ、内径
2.5インチであり、支持面３２の縦の両端近傍に
ライン状に管に沿つて延びる多数の孔３６が備え
られている。孔３６は直径１／16インチで、１／
４インチ間隔で配置されてあり、管内部から支持
面３２の縦の端部近傍に向けて空気の流れを導く
よう配置されている。支持面３２は長さが約３フ
イートで、径が約６インチである。支持面３２に
は複数列の円形のくぼみ３２ａが備えられ、それ
ぞれのくぼみは１インチ径で３／８インチの深さ
である。くぼみ３２ａは第１図の実施例のくぼみ
２２ａと同様に配列されている。

使用に際しては、管３１の中央部分に形成され
た入口（図示せず）から加圧空気が供給される。
この加圧空気は孔３６から流出し、支持面３２上
を通過するウエブ（図示せず）の背面に加圧空気
の空気クツシヨンを形成する。ウエブはそれ自身
も空気の流れを支持面３２上とくぼみ３２ａに導
くための手段となる。特に、くぼみ３２ａにおけ
る加圧空気は支持面３２上に均一化された低圧の
空気クツシヨンを形成し、このためウエブは横方
向に安定性を維持できる。この横方向の安定は、
孔３６を通しての空気の流れによる縦方向のうね
りによつてももたらされる。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明によればウエブは
均一且つ安定した空気クツシヨンにより支持され
るので、ウエブの高速で安定した移動が可能とな
る。また、ウエブは横方向にも安定である。さら
に、騒音が低くおさえられるという効果を有す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は非接触サポートガイドの第一実施例の
一部切欠きの側立面図、第２図は第１図の−
線に沿う断面図、第３図は非接触サポートガイド
の第二実施例の横断面図である。 ２１…マニホールド、２２…支持面、２２ａ…
くぼみ、２２′ａ…細長いくぼみ、２２ｂ…流入
孔、２２′ｂ……流入孔、２３…ボデイ、２３ａ
…ハンドル、２３ｂ…プレナム室、２４…切抜き
孔、２５…調節部、２５ａ…円形孔、３１…空気
供給管、３２…支持面、３２ａ…くぼみ、３６…
孔。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ウエブを支持するための支持面と、 上記支持面上に配置された多数のくぼみとを有
   し、 上記支持面の断面において、上記多数のくぼみ
   の合計の領域が上記多数のくぼみの間の支持面の
   領域より広く、 上記くぼみに加圧空気を供給し、上記支持面に
   対して間隔をあけてウエブを支持する空気クツシ
   ヨンを形成する空気供給マニホールドと、 上記空気クツシヨンの残余部分である、上記支
   持面のウエブ入口部分と出口部分とにおける空気
   クツシヨン部分の空気圧を増加させる手段とを有
   し、 この手段が上記支持面の中央部分に向けて、こ
   の支持面に沿つて、全体に加圧空気を導くよう構
   成されている非接触ウエブ支持ガイド。 ２ 上記空気供給マニホールドと上記支持面との
   間にプレナム室を配置し、上記くぼみのそれぞれ
   に上記プレナム室に通じる空気流入孔を備えた請
   求項１記載の非接触ウエブ支持ガイド。 ３ 上記空気供給マニホールドから上記支持面へ
   の空気流れ通路中にある上記プレナム室に空気を
   分配する調節部をさらに備えた請求項１記載の非
   接触ウエブ支持ガイド。 ４ 上記くぼみが、上記支持面上においてウエブ
   移動方向に直交する方向に延びる複数の列に配列
   されている請求項１乃至３のいずれかに記載の非
   接触ウエブ支持ガイド。 ５ 上記ウエブ入口部分と出口部分において空気
   圧を増加させる手段が、ウエブ入口部分と出口部
   分とにおける上記支持面の縦の両端のそれぞれに
   沿つて延びる細長いくぼみを備え、 上記細長いくぼみのそれぞれには、加圧空気を
   流入させるための多数の流入孔が備えられ、 上記細長いくぼみとそれらの流入孔は、上記支
   持面の中心に向けて角をなしている請求項１記載
   の非接触ウエブ支持ガイド。 ６ 上記空気供給マニホールドが、上記支持面の
   縦の両端に配置された一対の管によつて構成さ
   れ、 上記それぞれの管に備えられた上記支持面の縦
   の端部近傍に加圧空気を導くことができる多数の
   孔を有し、 上記多数の孔は上記くぼみの中に加圧空気を導
   き、上記支持面のウエブ入口部分と出口部分にお
   いて空気圧を増加させる請求項１記載の非接触ウ
   エブ支持ガイド。 ７ 上記支持面は円弧状であり、ウエブを約90゜
   の角度方向を変えて移動させるよう支持し、案内
   する寸法を有する請求項１乃至６のいずれかに記
   載の非接触ウエブ支持ガイド。