JPH05156218A - 粘着テープ巻重体の製造方法、該方法により製造された粘着テープ巻重体及び該方法に用いる巻芯 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】収縮応力を緩和して、変形を減少させた粘着テ
ープ巻重体を提供する。 【構成】芯体に、薄膜状発熱層12及び厚膜層13とが設け
られた巻芯１に、粘着テープ２を巻回し薄膜状発熱層12
を発熱させて厚膜層13を溶融もしくは収縮させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、粘着テープ巻重体の製
造方法、該方法により製された粘着テープ巻重体及び該
方法に用いる巻芯に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、支持体の一面に粘着剤層を設けた
粘着テープは、包装用等に汎用されているが、紙芯への
巻回時の張力により竹の子状もしくはお椀状に変形する
のを防止する為、紙芯の外周に合成樹脂発泡体層を設け
たり、紙芯に空隙を設けることが行われている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、紙芯の
外周に合成樹脂発泡体層を設けたり、螺旋状に巻回して
製造する際に原紙間に隙間を設けて、紙芯に予め幅方向
の螺旋状の空隙を設けたものでは、粘着テープを紙芯に
巻回した直後に、へたり等により所謂落込が発生し易
く、その結果、一定幅に切断する際に、刃物ぶれによる
クラックが発生し易いという問題があった。又、積層さ
れた原紙の一層を上下の層と接着せず、粘着テープの巻
回後、該非接着層を抜き取って紙芯に空隙を設ける方法
では、紙芯の非接着層から内側を一旦抜取って非接着層
を取除き、残りの部分を元通り挿入するという煩瑣な手
作業が必要であった。

【０００４】本発明は、上記従来の問題点を解消し、収
縮応力を緩和して、変形を減少させた粘着テープ巻重体
の製造方法、該方法により製された粘着テープ巻重体及
び該方法に用いる巻芯を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、芯体に薄膜状
発熱層と厚膜層とが設けられた巻芯に、粘着テープを巻
回し、薄膜状発熱層を発熱させて厚膜層を溶融もしくは
収縮させることを特徴とする粘着テープ巻重体の製造方
法、該方法により、製された粘着テープ巻重体及び芯体
に薄膜状発熱層と厚膜層とが設けられた該方法に用いる
巻芯をその要旨とするものである。

【０００６】本発明に於ける薄膜状発熱層を形成する材
料としては、金属であれば高周波誘導加熱に使用出来る
が、厚みが薄くて済む導電性の優れたものが好ましく、
例えば、厚み20μｍ程度の銅箔が挙げられる。

【０００７】本発明に於ける厚膜層を形成する材料とし
ては、特に限定されず、例えば、厚み１〜２mm、発泡倍
率５〜10倍の低密度ポリエチレン発泡体等の合成樹脂発
泡体が挙げられる。

【０００８】本発明に於ける薄膜状発熱層と厚膜層との
積層順序は、特に限定されない。

【０００９】

【作用】本発明粘着テープ巻重体の製造方法は、芯体に
薄膜状発熱層と厚膜層とが設けられた巻芯に、粘着テー
プを巻回し、薄膜状発熱層に加熱させて厚膜層を溶融も
しくは収縮させてなるので、煩瑣な手作業を行うことな
く、厚膜層に厚み方向の空隙を設け、収縮応力を緩和し
て変形を防止した粘着テープ巻重体を製造出来る。

【００１０】本発明粘着テープ巻重体は、厚膜層に設け
られた厚み方向の空隙により、収縮応力を緩和して変形
を防止出来る。又、本発明巻芯は、芯体に薄膜状発熱層
と厚膜層とが設けられてなるので、外周に粘着テープを
巻回した後、薄膜状発熱層に加熱させて厚膜層を溶融も
しくは収縮させて厚み方向の空隙を設けることが出来
る。

【００１１】

【実施例】以下本発明の実施例を具体的に説明するが、
本発明は実施例に限定されるものではない。 （実施例）図２に示すように、厚み３mmの内側原紙と厚
み１mmの外側原紙との中間に、厚み20μｍの銅箔と厚み
１mm、発泡倍率５倍の低密度ポリエチレン発泡体を積層
してなる積層体を螺旋状に巻回して、内側紙管11と外側
紙管14との中間に、銅箔よりなる薄膜状発熱層12及び合
成樹脂発泡体よりなる厚膜層13を設けた巻芯１が形成さ
れる。

【００１２】該巻芯１の外周に、厚み40μｍの２軸延伸
ポリプロピレンよりなる支持体の一面に厚み20μｍの粘
着剤層を設けた幅0.95mm、長さ 100ｍの粘着テープ２を
巻回して、得られる粘着テープ巻重体を、コイル内径 1
50mm、コイル数 600巻／ｍ、長さ１ｍの高周波誘導加熱
装置内に挿入して 10kHz、15Ａの高周波電流を10秒間通
電し、薄膜状発熱層12を約 120℃に発熱させた。

【００１３】薄膜状発熱層12に加熱されて、厚膜層13
は、厚み約0.5mmに収縮して厚み方向の空隙を生じ、外
側紙管14は内方に変形した（図１）。得られた粘着テー
プ標本数 100個について、40℃で30日間熟成後、落込個
数及び擦れ幅１ｍｍ以上の変形個数を、目視により算定
した。 （比較例１）高周波誘導加熱を行わなかったこと以外は
実施例１と同様にして、粘着テープ巻重体を得、同様に
算定を行った。 （比較例２）厚膜層として、発泡倍率15倍の低密度ポリ
エチレン発泡体を用い、高周波誘導加熱を行わなかった
こと以外は実施例１と同様にして、粘着テープ巻重体を
得、同様に算定を行った。

【００１４】上記実施例及び比較例１、２の落込個数及
び擦れ幅１ｍｍ以上の変形個数の百分比を表１に纏めて
記載する。

【００１５】

【表１】

【００１６】上記の通り、比較例１は、緩衝性が低い
為、落込は発生しないが変形し易く、比較例２は、落込
が発生し変形も若干発生するのに比較して、実施例は、
落込は若干発生するが、変形の発生を大幅に減少せしめ
ることが出来た。

【００１７】

【発明の効果】本発明の粘着テープ巻重体の製造方法、
該方法により製された粘着テープ巻重体及び該方法に用
いる巻芯は、叙上の通り構成されているので、煩瑣な手
作業を行うことなく、収縮応力による落込の発生を抑え
て、変形を大幅に減少せしめることが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明粘着テープ巻重体の製造方法により製さ
れた粘着テープ巻重体の一例を示す側面図である。

【図２】本発明巻芯の一例を示す側面図である。

【符号の説明】

１ 巻芯 ２ 粘着テープ 11 紙管 12 薄膜状発熱層 13 厚膜層 14 紙管

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 芯体に薄膜状発熱層と厚膜層とが設けら
   れた巻芯に、粘着テープを巻回し、薄膜状発熱層を発熱
   させて厚膜層を溶融もしくは収縮させることを特徴とす
   る粘着テープ巻重体の製造方法。
2. 【請求項２】 請求項１の方法により、製された粘着テ
   ープ巻重体。
3. 【請求項３】 芯体に薄膜状発熱層と厚膜層とが設けら
   れた請求項１の方法に用いる巻芯。