JPH05153908A - 醗酵製品製造方法および醗酵装置 - Google Patents

醗酵製品製造方法および醗酵装置

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JPH05153908A
JPH05153908A JP31906191A JP31906191A JPH05153908A JP H05153908 A JPH05153908 A JP H05153908A JP 31906191 A JP31906191 A JP 31906191A JP 31906191 A JP31906191 A JP 31906191A JP H05153908 A JPH05153908 A JP H05153908A
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幹雄 神崎
Motokazu Kikuchi
基和 菊地
Shinji Watanabe
晋次 渡辺
Norikuni Yanagihara
憲邦 柳原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発酵乳等の醗酵製品の冷却をゲルの剪断を伴
うことなく、かつテクスチャーを維持しつつ効果的に行
うこと。 【構成】 互いに離れて配置された一対のチャンバ3
0,40と、前記各チャンバ間を連通させる複数の醗酵
原料収容管20の内部とによって形成される醗酵原料収
容室と、前記醗酵原料収容室に醗酵原料を供給する醗酵
原料供給手段50と、前記一対のチャンバのうちの一方
のチャンバ40に接続されて前記一方のチャンバと連通
状態または遮断状態に選択的に保持される製品排出管路
60および前記一対のチャンバのうちの他方のチャンバ
30に加圧気体を供給する加圧気体供給装置70から構
成された製品排出装置と、前記複数の醗酵原料収容管2
0の周囲に熱媒を供給する熱媒供給装置10とから構成
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、醗酵製品製造方法およ
び醗酵装置に関し、特に醗酵乳の製造に有用な醗酵製品
製造方法及び醗酵装置に関する。本発明は、少なくとも
乳原料及びスターターよりなる醗酵乳製造用原料を醗酵
させて、ある程度以上の粘度を有するヨーグルト等の醗
酵乳製品を製造する際等に有効に適用できる。
【0002】
【従来の技術】醗酵乳を工業的に製造する方法として、
従来は(1)醗酵乳製造用原料を熱媒ジャケット付き、
攪拌機付きの大型プロセスタンクに入れ、バッチ式で加
温醗酵せしめ、醗酵終了時には冷却水を熱媒ジャケット
に通して冷却し、製品を適当な容器に充填する方法、ま
たは、(2)醗酵乳製造用原料を小容器に分注して恒温
器に格納し、加温醗酵せしめ、醗酵終了時に容器ごと冷
却してそのまま製品とする方法等が行われてきた。
【0003】苺等の果肉入りヨーグルトまたはソース入
りヨーグルトを製造するには、上記(1)の大型プロセ
スタンクを用いて製造したヨーグルトをさらに果肉等の
混合タンクに導入し、果肉等と混合攪拌し、製品を適当
な容器に充填する方法が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記
(1)の熱媒ジャケット付き、攪拌機付きの大型プロセ
スタンクを用いて製造する場合、醗酵終了時の冷却に際
し、均一な冷却をするためにタンク内に配設した攪拌パ
ドルを回転させるが、攪拌パドルの回転によって醗酵乳
のゲルが剪断され、粘度が低下して所望のテクスチャー
の製品とならないことがあった。
【0005】ヨーグルト製品の中には積極的に攪拌を行
い、ゲルを破壊したヨーグルト(stirred yoghurt)も
あるが、粘度の高い醗酵乳を製造するのには上記の攪拌
機付きの大型プロセスタンクの使用は不利であった。ま
た冷却が、プロセスタンク外側の熱媒ジャケットからの
みであるため、粘度を低下させずに冷却を行うには時間
がかかり過ぎ、醗酵が過剰となって製品に好ましくない
影響を与えるおそれもあった。
【0006】冷却を効果的に行い、かつ醗酵乳に与える
剪断を可及的に少なくするために、攪拌パドルに冷却水
を通し、攪拌パドルの回転数を少なくして弱い攪拌を行
う装置も知られているが、設備費がかかり過ぎる上にで
き上がり製品の粘度の制御が困難であるという問題点が
あった。攪拌パドルの回転によって低下する醗酵乳の粘
度を増粘剤またはゲル化剤の添加によって補う方法もあ
るが、この方法には添加物の味が製品に影響を与え、風
味を損なうという欠点があった。
【0007】本発明者等は上記の課題を解決するための
新たな醗酵装置及び醗酵方法を研究した結果、多管式の
醗酵装置を用いることによって剪断を伴う攪拌操作を用
いることなく、加温冷却が効果的に行い得ること、すな
わち大量の処理にも抱らず静置醗酵、静置冷却を行い得
ること、また加圧気体を使用することによって上記多管
式発酵装置内に生成した粘度の高い醗酵乳を円滑に移動
輸送し得ることを見いだした。
【0008】本発明は上記研究結果に鑑み、醗酵製品製
造過程において、醗酵製品の品質を損なうことなく、加
温、冷却を迅速に行えるようにすることを第1の課題と
する。また、本発明は醗酵乳等の粘度の高い発酵製品の
製造における加温、冷却をゲルの剪断を伴うことなくテ
クスチャーを維持しながら効果的に行い、かつ製造装置
からの醗酵製品の移動輸送をも円滑に行うことができる
ようにすることを第2の課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】次に、前記課題を解決す
るために案出した本発明の構成を説明するが、本発明の
構成要素には、後述の実施例の構成要素との対応を容易
にするため、実施例の構成要素の符号をカッコで囲んだ
ものを付記している。なお、本発明を後述の実施例の符
号と対応させて説明する理由は、本発明の理解を容易に
するためであり、本発明の範囲を実施例に限定するため
ではない。
【0010】前記課題を解決するために、本出願の第1
発明の醗酵製品製造方法は、熱媒ジャケット(10)の
内側に配置されるとともに隣接する端部どうしが互いに
連通する複数の醗酵原料収容管(20)の内部に、醗酵
製品製造用の醗酵原料を導入し、前記各醗酵原料収容管
(20)内部の醗酵原料を醗酵させ、所定の醗酵状態に
達した時点で前記熱媒ジャケット(10)内側に冷熱媒
を導入することにより醗酵原料収容管(20)内部の醗
酵製品を冷却して醗酵を停止させることを特徴とする。
【0011】また、本出願の第2発明の醗酵製品製造方
法は、熱媒ジャケット(10)の内側に配置されるとと
もに隣接する端部どうしが互いに連通する複数の醗酵原
料収容管(20)の内部に、少なくとも乳原料及びスタ
ーターよりなる醗酵乳製造用原料を導入し、前記各醗酵
原料収容管(20)内部の醗酵乳製造用原料を加温して
醗酵させ、所定の醗酵状態に達した時点で前記熱媒ジャ
ケット(10)内側に冷熱媒を導入することにより醗酵
原料収容管(20)内部の醗酵乳製品を冷却して醗酵を
停止させ、次に前記醗酵原料収容管(20)の一端側に
加圧気体を送り、醗酵原料収容管(20)内部の醗酵乳
製品を醗酵原料収容管(20)の他端側から排出するこ
とを特徴とする。
【0012】本出願の第2発明の醗酵製品製造方法にお
いて用いる醗酵乳製造用原料は、少なくとも乳原料及び
スターターを含む混合物であり、公知の原料、公知の微
生物、公知の組成のものを使用することができる。前記
複数の醗酵原料収容管(20)はその軸線を上下方向に
向けて配置することができる。その場合、醗酵乳製造用
原料の導入は、醗酵原料収容管(20)の下端側および
上端側のいずれからも行うことができるが、どちらかと
いえば下端側から導入し、その導入量は醗酵原料収容管
(20)の上端までとするのが良い。そのためには前記
醗酵原料収容管(20)の上端付近にレベルセンサ(8
1)を配設することが好ましい。また、前述のように醗
酵原料収容管(20)を上下方向に配置した場合には、
前記醗酵原料収容管(20)の上端側に加圧気体を送
り、醗酵原料収容管(20)内部の醗酵乳製品を醗酵原
料収容管(20)の下端側から排出する方法を採用する
ことができる。
【0013】前記醗酵原料収容管(20)内に導入され
た所定量の醗酵乳製造用原料を醗酵させる方法として
は、加温していない所定量の醗酵乳製造用原料が醗酵原
料収容管(20)に導入された後で、前記熱媒ジャケッ
ト(10)内側に温熱媒を導入することにより、前記各
醗酵原料収容管(20)内部の醗酵乳製造用原料を加温
する方法を採用することができるが、醗酵乳製造用原料
を別に設備した公知の熱交換器によってあらかじめ適温
まで加温してから醗酵原料収容管(20)内に導入する
方法を採用することも可能である。醗酵の状態を監視す
るために、醗酵原料収容管(20)内またはそこに連通
する空間にpH計(83)、酸度測定装置等、醗酵乳製
造管理に通常使用される測定機器を使用することができ
る。
【0014】また、本出願の第3発明の醗酵装置は、少
なくとも、次の(a)、(b)、(c)及び(d)によ
って構成されたことを特徴とする。 (a) 互いに離れて配置された一対のチャンバ(3
0,40)と、前記各チャンバ(30,40)間を連通
させる複数の醗酵原料収容管(20)の内部とによって
形成される醗酵原料収容室、(b) 前記醗酵原料収容
室に醗酵原料を供給する醗酵原料供給手段(50)、
(c) 前記一対のチャンバ(30,40)のうちの一
方のチャンバ(40)に接続されて前記一方のチャンバ
(40)と連通状態または遮断状態に選択的に保持され
る製品排出管路(60)および前記一対のチャンバ(3
0,40)のうちの他方のチャンバ(30)に加圧気体
を供給する加圧気体供給装置(70)から構成された製
品排出手段、(d) 前記複数の醗酵原料収容管(2
0)の周囲に熱媒を供給する熱媒供給装置(10)。
【0015】前記第3発明の(a)の構成要素である前
記複数の醗酵原料収容管(20)に類似した構成を有す
る装置として多管式熱交換器が既に知られているが、こ
れは単に被処理液体と熱媒との間で熱交換を行うに過ぎ
ないものであって、管内で反応または醗酵を行うもので
はなく、また、管内の被処理液体の通過は連続的であ
る。これに対して本発明の装置は醗酵装置であり、かつ
バッチ式である。醗酵装置であり、かつバッチ式である
ために本発明の装置においては、製造用原料をチャンバ
(30,40)を経由して管(醗酵原料収容管(2
0))内部に導入するための手段、及び生成した醗酵製
品を装置から外部に移動させるための手段を具備してい
る。
【0016】また、前記醗酵原料供給手段(50)は、
常法により殺菌または滅菌した乳原料及び常法により別
途調整したスターターの均一な混合物等の醗酵原料を、
前記醗酵原料収容室へ供給する機能を有するものであっ
て、公知の方法、たとえば各種ポンプ、または圧縮空気
を使用する方法等が適用できる。
【0017】原料の醗酵工程で前記一対の各チャンバ
(30,40)内の醗酵原料も醗酵するが、醗酵原料収
容管(20)の内部よりも加温、冷却の温度制御が困難
なので、前記各チャンバ(30,40)の容積は可及的
小さくすることが望ましい。前記一対の各チャンバ(3
0,40)にも熱媒ジャケット(10)を取り付け、熱
媒の導入排出によってチャンバ(30,40)内の醗酵
原料または生成した醗酵製品の温度を制御することは有
意義である。また前記各チャンバ(30,40)の材質
は取り扱う物が食品であることを考慮すると金属、特に
ステンレススチールが望ましい。
【0018】前記一対のチャンバ(30,40)のうち
の前記一方のチャンバ(40)すなわち製品排出管路
(60)が接続されたチャンバ(40)は、前記複数の
醗酵原料収容管(20)の内部で生成した醗酵製品を製
品排出管路(60)から排出するのに醗酵製品をまとめ
る機能を有するものである。また、前記一対のチャンバ
(30,40)のうち前記他方のチャンバ(30)は、
加圧気体供給装置(70)から供給される加圧気体を前
記複数の醗酵原料収容管(20)に分散供給する機能を
有するものである。加圧気体は複数の醗酵原料収容管
(20)の内部で生成した醗酵乳を前記一方のチャンバ
(40)へ押し出すために使用される。
【0019】前記複数の醗酵原料収容管(20)は醗酵
原料を醗酵させる醗酵原料収容室の主な構成要素であっ
て、縦方向に(管の軸方向を縦とするように)配設さ
れ、一端が前記一方のチャンバ(40)に、他端が前記
他方のチャンバ(30)にそれぞれ連通接続する構造で
ある。醗酵原料収容管(20)の断面形状は円形、楕円
形、方形、多角形など、任意の形状とすることができ
る。断面形状が円形の場合で且つ醗酵原料が醗酵乳製造
用原料である場合には、醗酵原料収容管(20)内径は
中心部への熱の伝導性、壁面との摩擦等を考慮すると2
5〜300mm程度が望ましい。また、醗酵原料収容管
(20)の内径はその縦軸に沿って一定である必要はな
く、例えば前記加圧気体が導入される他方のチャンバ
(30)から前記製品排出管路(60)が接続された一
方のチャンバ(40)の方向へ行くに従って徐々に拡大
させることも可能である。このような形状の醗酵原料収
容管(20)は水平に配置してもその内面の下側が傾斜
するので、醗酵原料収容管(20)内部の醗酵原料また
は醗酵製品は、重力の作用により、前記加圧気体が導入
される他方のチャンバ(30)側から前記製品排出管路
(60)が接続された一方のチャンバ(40)側へ流動
する力を受けることになる。
【0020】醗酵原料収容管(20)の長さ及び数は製
造量に従って任意に決定される。醗酵原料収容管(2
0)の配設の縦方向は一般的には実質的垂直の方向とす
るのが良いが、やや斜めであっても別に支障はない。ま
た、醗酵原料収容管(20)の縦方向を水平に配設する
ことも可能である。醗酵原料収容管(20)の材質は取
り扱う物品が食品であることを考慮すると金属特にステ
ンレススチールが望ましい。
【0021】前記複数の醗酵原料収容管(20)の周囲
に熱媒を供給する熱媒供給装置(10)は、醗酵原料収
容管(20)を加温、冷却するための熱媒を収容する機
能を有するものであって、公知の熱媒ジャケット(1
0)を利用することができる。
【0022】前述のように構成された本出願の第3発明
の醗酵装置において、必要に応じて醗酵原料収容室内部
に醗酵原料を導入する際の液位の監視のためのレベルセ
ンサ(81)、醗酵中の温度及び醗酵後の冷却の温度を
監視するための温度計(82)、醗酵状況を監視するた
めのpH計(83)、酸度測定装置、または原料の導
入、醗酵製品の排出等を管理し、指示するためのシステ
ムのコントローラ、生成した醗酵製品を醗酵装置から排
出した後の装置内を洗浄するための前記他方のチャンバ
(30)内に配設する自動洗浄手段、加圧気体を無菌に
するための除菌装置、等を適切な位置に配設することに
より、本発明の醗酵装置の機能を一層高度にすることが
できる。
【0023】また、本出願の第4発明の醗酵装置は、前
記第3発明の醗酵装置において、前記互いに離れて配置
された一対のチャンバ(30,40)は、上下に離れて
配置された上部チャンバ(30)と下部チャンバ(4
0)とから構成され、前記製品排出管路(60)は下部
チャンバ(40)に接続され、前記加圧気体供給装置
(70)は加圧気体を前記上部チャンバ(30)に供給
するように構成されたことを特徴とする。
【0024】前記製品排出管路(60)が接続された下
部チャンバ(40)は、前記複数の醗酵原料収容管(2
0)の内部で生成した醗酵製品を製品排出管路(60)
から排出するのに醗酵製品をまとめる機能を有してい
る。前記上部チャンバ(30)は、加圧気体供給装置
(70)から供給される加圧気体を後述の複数の醗酵原
料収容管(20)に分散供給する機能を有している。
【0025】また、本出願の第5発明の醗酵装置は、前
記第3または第4発明の醗酵装置において、前記熱媒供
給装置(10)は、前記複数の醗酵原料収容管(20)
の周囲を囲むように配置された熱媒ジャケット本体と、
熱媒ジャケット本体内側に熱媒を供給する熱媒供給口
(15)と、熱媒ジャケット本体内側の熱媒を排出する
熱媒排出口(16)とを有する熱媒ジャケット(10)
から構成されたことを特徴とする。
【0026】前記熱媒ジャケット(10)は、醗酵原料
収容管(20)を加温、冷却するための熱媒を収容する
機能を有するものであって、前記複数の醗酵原料収容管
(20)の全てをまとめて囲むように配置するのが好ま
しいが、各醗酵原料収容管(20)を別々に、または所
定数づつ分けて囲む用に配置することもできる。
【0027】
【作用】次に、本発明の作用を説明する。前述の本出願
の第1発明の醗酵製品製造方法は、隣接する端部どうし
が互いに連通した複数の醗酵原料収容管(20)は、熱
媒ジャケット(10)の内側に配置されているので、前
記熱媒ジャケット(10)内側に温熱媒を導入すること
により、前記各醗酵原料収容管(20)の外側面は温熱
媒と接触する。前記醗酵原料収容管(20)内に導入さ
れた醗酵製品製造用の醗酵原料は、醗酵原料収容管(2
0)外側面から伝達される熱によって加温され、醗酵す
る。ところで、醗酵原料収容管(20)の長さおよび内
部の容積を一定とした場合、前述のように醗酵原料収容
管(20)を複数とすることにより、醗酵原料収容管
(20)が1本の場合に比べて醗酵原料収容管(20)
の外側面の面積を大きくすることができる。前記醗酵原
料収容管(20)の外側面の面積を大きくした場合、醗
酵原料収容管(20)の前記温熱媒との接触面積が大き
くなるので、醗酵原料収容管(20)内部の醗酵原料へ
の一定時間当たりの伝達熱量が多くなる。この場合、一
定量の醗酵原料を一定温度に加温する場合の時間が短縮
される。
【0028】次に、前記醗酵原料が醗酵して醗酵製品に
達した時点で前記熱媒ジャケット(10)内側に冷熱媒
を導入することにより醗酵原料収容管(20)の外側面
は冷熱媒と接触する。 前記醗酵原料収容管(20)内
に導入された醗酵製品製造用の醗酵原料は、醗酵原料収
容管(20)外側面から前記冷熱媒により熱を奪われて
冷却される。ところで、前述と同様の理由で、醗酵原料
収容管(20)を複数とすることにより、醗酵原料収容
管(20)が1本の場合に比べて醗酵原料収容管(2
0)内部の醗酵原料から前記冷熱媒への一定時間当たり
の伝達熱量が多くなる。すなわち、醗酵原料収容管(2
0)を複数とした場合、一定量の醗酵原料を一定温度冷
却する場合の時間が短縮される。すなわち、醗酵原料収
容管(20)を複数とすることにより、醗酵原料収容管
(20)内部の醗酵製品を短時間で、しかも静置状態で
冷却して醗酵を停止させることができる。したがって、
1回の製造による醗酵製品の製造量を増加させた場合で
も、本出願の第1発明によれば、醗酵原料収容管(2
0)の数を増加することにより、醗酵原料の加温、およ
び醗酵製品の冷却を短時間で、しかも静置状態で行うこ
とが可能である。
【0029】前述の本出願の第2発明の醗酵製品製造方
法は、前記第1発明で説明したのと同様の作用を奏す
る。すなわち、醗酵原料収容管(20)が1本の場合に
比べて複数とすることにより、全体の内容積の量を一定
とした場合に醗酵原料収容管(20)の外側面の面積を
大きくすることができる。前記醗酵原料収容管(20)
の外側面の面積を大きくした場合、醗酵原料収容管(2
0)の前記温熱媒との接触面積が大きくなるので、醗酵
原料収容管(20)内部の醗酵乳製造用原料への一定時
間当たりの伝達熱量が多くなる。この場合、一定量の醗
酵乳製造用原料を一定温度に加温する場合の時間が短縮
される。また、醗酵原料収容管(20)を複数とするこ
とにより、醗酵原料収容管(20)内部の醗酵乳製品を
短時間で、しかも静置状態で冷却して醗酵を停止させる
ことができる。したがって、1回の製造による醗酵乳製
品の製造量を増加させた場合でも、本出願の第2発明に
よれば、醗酵原料収容管(20)の数を増加することに
より、醗酵乳原料の加温、および醗酵乳製品の冷却を短
時間で行うことが可能である。
【0030】前記醗酵乳製品を冷却したのち、前記隣接
する端部どうしが互いに連通する複数の醗酵原料収容管
(20)の一端側に加圧気体を送ると、醗酵原料収容管
(20)内部の醗酵乳製品は、醗酵原料収容管(20)
の他端側から排出される。この排出方法によって発酵乳
製品の粘度の低下を最小にとどめることができる。
【0031】前述の本出願の第3発明の醗酵装置では、
醗酵原料収容室は、互いに離れて配置された一対のチャ
ンバ(30,40)と、前記各チャンバ(30,40)
間を連通させる複数の醗酵原料収容管(20)の内部と
によって形成されている。醗酵原料収容室内には醗酵原
料供給手段(50)により、発酵乳製造用原料等の醗酵
原料が供給される。
【0032】所定量の醗酵原料を醗酵原料収容室内に導
入した後、前記熱媒供給装置(10)により前記醗酵原
料収容管(20)の周囲に温熱媒を供給し、前記醗酵原
料収容管(20)内の醗酵原料を醗酵適温まで加温す
る。加温された醗酵原料収容管(20)内の醗酵原料は
静置状態で醗酵せしめられる。。
【0033】醗酵完了と判断された時点で前記熱媒供給
装置(10)により前記醗酵原料収容管(20)の周囲
に冷熱媒を供給し、醗酵原料収容管(20)内の醗酵製
品(発酵乳製品等)を静置状態で冷却する。醗酵製品を
所定温度まで静置冷却した後、前記一方のチャンバ(4
0)に配設された製品排出管路(60)を開放し、前記
他方のチャンバ(30)に前記加圧気体供給装置(7
0)から加圧気体をに導入する。そうすると、醗酵原料
収容管(20)内の醗酵製品は前記一方のチャンバ(4
0)から前記製品排出管路(60)を経由して外部へ排
出される。加圧気体を無菌フィルター等の除菌装置によ
って除菌しておくことは製品の雑菌汚染を防止するため
には極めて有効である。外部へ排出された醗酵製品は適
宜次の工程、例えば充填機または果肉混合機に送られ
る。
【0034】また、本出願の第4発明の醗酵装置は、前
記第3発明の醗酵装置において、前記互いに離れて配置
された一対のチャンバ(30,40)が、上下に離れて
配置された上部チャンバ(30)と下部チャンバ(4
0)とから構成され、前記製品排出管路(60)は下部
チャンバ(40)に接続され、前記加圧気体供給装置
(70)は加圧気体を前記上部チャンバ(30)に供給
するように構成されている。
【0035】この第4発明の醗酵装置は、醗酵製品を所
定温度まで静置冷却した後、下部チャンバ(40)に配
設された製品排出管路(60)を開放し(すなわち、一
方のチャンバである下部チャンバ(40)と連通状態に
保持し)、上部チャンバ(30)に配設された加圧気体
供給装置(70)から加圧気体を上部チャンバ(30)
に導入すると、醗酵原料収容室内の醗酵製品は下部チャ
ンバ(40)を経由して外部へ移動する。この第4発明
の醗酵装置は、前記一対のチャンバ(30,40)が上
下に配置されているため、前記醗酵原料収容室内の醗酵
製品を移動させる力として、加圧気体の押圧力以外に重
力も作用する。このため、醗酵原料収容室内の醗酵製品
の残留量を減少させるのに役立つ。
【0036】また、本出願の第5発明の醗酵装置は、前
記第3または第4発明の醗酵装置において、前記熱媒供
給装置(10)は、前記複数の醗酵原料収容管(20)
の周囲を囲むように配置された熱媒ジャケット本体と、
熱媒ジャケット本体内側に熱媒を供給する熱媒供給口
(15)と、熱媒ジャケット本体内側の熱媒を排出する
熱媒排出口(16)とを有する熱媒ジャケット(10)
から構成されている。
【0037】所定量の醗酵原料を醗酵原料収容管(2
0)内に導入した後、熱媒ジャケット(10)の熱媒供
給口(15)から温熱媒、一般的には温水、を熱媒ジャ
ケット(10)内に導入し、醗酵原料収容管(20)内
の醗酵原料を醗酵適温まで加温する。加温された醗酵原
料収容管(20)内の醗酵原料は静置状態で醗酵せしめ
られる。
【0038】醗酵完了と判断された時点で熱媒ジャケッ
ト(10)の熱媒供給口(15)から冷熱媒、一般的に
は冷水、を熱媒ジャケット(10)内に導入し、醗酵原
料収容管(20)内の醗酵乳を静置状態で冷却する。醗
酵乳を所定温度まで静置冷却した後、下部チャンバ(4
0)に配設された製品排出管路(60)を開放し、上部
チャンバ(30)に配設された加圧気体供給装置(7
0)から加圧気体を上部チャンバ(30)に導入し、管
内の醗酵乳を下部チャンバ(40)を経由して外部へ移
動せしめる。前述のように、複数の醗酵原料収容管(2
0)を熱媒ジャケット(10)で囲んだ場合、前記複数
の全ての醗酵原料収容管(20)を同時に加温または冷
却することが容易である。
【0039】次に試験例により本発明を説明する。 〔試験例1〕この試験は醗酵乳を製造するのに、本発明
の複数の醗酵原料収容管(20)を用いた醗酵装置(以
下、「多管式醗酵装置」ともいう)を用いた場合と、従
来使用されている熱媒ジャケット付き、攪拌機付きの大
型プロセスタンクを用いた場合との比較をするために行
った。
【0040】1.醗酵乳の製造方法、及び使用機器。 (1)本発明による多管式の醗酵装置使用 後述する実施例1の装置を使用し、後述の実施例3の条
件で醗酵乳を製造した。
【0041】(2)大型プロセスタンク使用 下記の攪拌パドル付きプロセスタンクを使用し、実施例
3で用いた醗酵乳原料と同じ組成の原料を使用し、下記
の製造方法、及び条件で醗酵乳を製造した。 (a)装置 ジャケツト付きの内径600mm、容量200kl攪拌パド
ル付きプロセスタンクを使用した。 (d)醗酵乳製造方法、及び条件 醗酵乳原料200kgをプロセスタンクに導入し、25rp
mで攪拌パドルを回転させつつ温度50°Cの温水を熱
媒ジャケットに導入し、原料の品温を37°Cに調整し
た。醗酵中は温度38°Cの温水を熱媒ジャケットに導
入して品温を37°Cに保持し、攪拌パドルは停止し
た。pHが4.5となった時点で醗酵を終了させ、温度
2°Cの冷水を熱媒ジャケットに導入し、品温10°C
となるまで25rpmで攪拌パドルを回転させて攪拌し
た。 2.粘度の測定方法 B型粘度計を使用し、NO.3のローター、測定温度10
°Cで測定した。
【0042】3.結果 この試験の結果は表1に示すとおりである。
【表1】 従来の攪拌パドル付き大型プロセスタンクを用いて製造
した場合に比較して本発明の多管式醗酵装置を用いて製
造した場合、醗酵終了後の所定温度までの冷却時間は短
く、且つ冷却中の醗酵乳のpH低下(過醗酵)が小さ
く、高粘度で、組織が極めて良好な醗酵乳を得られるこ
とが確認された。
【0043】これに対して攪拌機付き大型プロセスタン
クを用いて製造した場合は、冷却に時間を要するととも
に攪拌条件を激しくする必要を生じ、できあがりの発酵
乳の粘度が低い上に組織がやや粗いという結果となっ
た。この試験例によって本発明の多管式醗酵装置が、品
質の良い醗酵乳の製造に極めて有利であることが確認さ
れた。
【0044】〔試験例2〕断面が円形で内径がそれぞれ
50、100、150、200、250、300、35
0、及び400mm(高さはすべて500mm)の熱媒ジャ
ケット(10)付きで底の閉じた金属製円筒状管(醗酵
原料収容管(20))を用意し、各醗酵原料収容管(2
0)の内部に実施例3で用いた醗酵乳原料と同じ組成の
原料を入れ、熱媒ジャケット(10)に37°Cの温水
を導入し、原料の温度を37°Cに調整し、300分間
(pH4.5まで)醗酵させた。
【0045】その後、直ちに熱媒ジャケット(10)に
2°Cの冷水を導入し、生成した醗酵乳を冷却した。各
管の醗酵乳を取り出し、専門のパネル、男女各5名、計
10名による管能検査によって醗酵乳の風味を検査した
ところ、内径300mm以下の各管の風味はいずれも良好
であったが、内径が350mm、及び400mmのそれらは
若干風味の低下が認められた。なお生成した醗酵乳の粘
度(試験例1と同じ方法により測定)は各醗酵原料収容
管(20)の間に有意差はなかった。
【0046】
【実施例】次に実施例を示し、本発明を詳細に説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。 (実施例1)図1に縦横断面を示す多管式醗酵装置を試
作した。側面下部に熱媒供給口15、側面上部に熱媒排
出口16を有する、内径1200mm、高さ700mmの円
筒形熱媒ジャケット本体とを有する熱媒ジャケット(す
なわち、熱媒供給装置)10の上部及び下部に下記の醗
酵原料収容管20を貫通せしめる孔13、14を有する
上板11及び底板12を取り付けた。そして、断面が円
形で、内径100mm、高さ500mmのステンレススチー
ル製の醗酵原料収容管20を55本、上記上板、底板の
孔13、14に取り付けた。
【0047】熱媒ジャケット10の上部の上記上板11
の上にドーム状のふた(ふたの深さ100mmの半楕円形
ふた)31をフランジ32によって取り付けて上部チャ
ンバ30を形成させた。また熱媒ジャケット10の下部
の上記底板12の下にロート状のふた(ふたの深さ10
0mmのロート状のふた)41をフランジ42によって取
り付けて下部チャンバ40を形成させた。上記上板11
の上のドーム状のふた31の上部に加圧気体供給装置と
しての加圧気体供給管70を取り付け、また上記底板1
2の下のロート状のふた41の下部中央部に製品排出管
路60、原料供給管路51を取り付けた。原料供給管路
51から下部チャンバ40への連通及び下部チャンバ4
0から製品排出管路60への連通の切り替えのために、
切り替え弁61を設けた。
【0048】原料供給管路51の他端は醗酵乳製造用原
料供給手段(すなわち、醗酵原料供給手段)であるポン
プ50(中村金属工業社製、AMX7000UT)の出
口に接続した。醗酵原料収容管20の上部内部にレベル
センサ81(オムロン社製、PS−31)を、醗酵原料
収容管20の内部上部に温度計82(林電工社製、R7
X−Pc100SA級)を、下部チャンバ40内にpH
計83(東亜電波工業社製、HDIC−4)をそれぞれ
配設した。
【0049】(実施例2)図2に横断面図を示す多管式
醗酵装置を試作した。側面下部に熱媒供給口15、側面
上部に熱媒排出口16を設けた、内径1200mm、高さ
700mmの円筒形熱媒ジャケット10の上部及び下部に
下記の管を貫通せしめる孔13、14を有する上板11
及び底板12を取り付け、断面が円形で、内径100m
m、高さ500mmのステンレススチール製の醗酵原料収
容管20を55本、上記上板11、底板12の孔13、
14に取り付けた。
【0050】熱媒ジャケット10の上部の上記上板11
の上にドーム状のふた(ふたの深さ100mmの半楕円形
ふた)31をフランジ32によつて取り付けて上部チャ
ンバ30を形成させた。また熱媒ジャケット10の下部
の上記底板12の下にロート状のふた(ふた深さ100
mmのロート状のふた)41をフランジ42によって取り
付けて下部チャンバ40を形成させた。上記上板11の
上のドーム状のふた31の上部に原料供給管路51及び
加圧気体供給管70を取り付け、また、上記上板の下の
ロート状のふた41の下部中央部に製品排出管路60を
取り付けた。
【0051】原料供給管路51にドーム状のふた31に
接して停止弁63を、また製品排出管路60には、ロー
ト状のふた41に接して停止弁62を設けた。原料供給
管路51の他端は醗酵乳製造原料供給手段であるポンプ
50の出口に接続した。醗酵原料収容管20の内部上部
にレベルセンサ81(実施例1で使用したものと同
じ)、及び温度計82(実施例1で使用したものと同
じ)を、また、下部チャンバ40内部にpH計82(実
施例1で使用したものと同じ)を、それぞれ配設した。
【0052】(実施例3)図1に示す装置を使用して次
のようにして醗酵乳を製造した。市販のラクトバシラス
・ブルガリカス(冷凍乾燥品、ハンゼン社製)を滅菌脱
脂乳を培地として3回継代培養し、滅菌脱脂乳に上記培
養物を3%接種し、37°Cで20時間培養し、ラクト
バシラス・ブルガリカスのマザースターターを調製し
た。
【0053】別に市販のストレプトコッカス・サーモフ
ィルス(冷凍乾燥品、ハンゼン社製)を滅菌脱脂乳を培
地として3回継代培養し、滅菌脱脂乳に上記培養物を3
%接種し、37°Cで20時間培養し、ストレプトコッ
カス・サーモフィルスのマザースターターを調製した。
無脂乳固形分10%に調整した殺菌還元脱脂乳10kg
に、上記のラクトバシラス・ブルガリカスのマザースタ
ーター0.1kg及びストレプトコッカス・サーモフィル
スのマザースターター0.1kgを添加混合し、37°C
で4時間30分を培養を行い、供生スターター10kgを
得た。生乳と脱脂粉乳で無脂乳固形分10%に調整した
乳原料200kgを90°Cで10分間加熱殺菌した後、
上記の共生スターター6kgを添加し、混合して醗酵乳製
造用原料を調整した。
【0054】切り替え弁61によって原料供給管路51
と下部チャンバ40とを連通させ、下記のようにして調
整した醗酵乳製造用原料をポンプ50を用い、原料供給
管路51を経由して下部チャンバ40に、さらに醗酵原
料収容管20の上部に達するまで導入し、熱媒ジャケッ
ト10の熱媒供給口15から38°Cの温水を熱媒ジャ
ケット10内に導入し、管内の醗酵乳製造用原料を37
°Cに加熱し、醗酵させた。300分経過し、下部チャ
ンバ40内部に配設したpH計のpHが4.5に達した
時点で熱媒ジャケット10の熱媒供給口15から2°C
の冷水を熱媒ジャケット10内に導入し、生成した管内
の醗酵乳の中心部温度を10°Cまで冷却して醗酵を停
止させた。
【0055】切り替え弁61によつて製品排出管路60
を開放し、無菌フィルターを通して除菌した0.2kg/c
m2の圧縮空気を加圧気体供給管70から上部チャンバ3
0に導入して醗酵原料収容管20の内部及び下部チャン
バ40内の醗酵乳を製品排出管路60を経由して外部へ
移動させた。上記中心部温度が10°Cに冷却されるま
での所要時間は100分であり、粘度は3500cp(測
定方法、条件は試験例1と同じ)であった。除菌した加
圧気体を用いることによって原料調製から製品の排出ま
で、雑菌汚染の機会をなくすことができた。
【0056】
【発明の効果】本発明によって奏せられる効果は次のと
おりである。 (1)大量の原料、製品を静置状態で加温、冷却するこ
とができ、粘度を低下させることなく醗酵乳を製造する
ことができる。 (2)短時間内に全体の冷却が終了するので、過醗酵を
起こすことなく醗酵乳を製造することができる。 (3)短時間内に全体の加温、冷却が終了するので、熱
エネルギーを無駄にすることなく醗酵乳を製造すること
ができる。 (4)醗酵乳が生成したときのテクスチャーを損ねるこ
となく、醗酵乳を装置の外部へ移送輸送することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の醗酵装置(多管式醗酵装置)の実施
例1の縦断面図である。
【図2】 本発明の醗酵装置(多管式醗酵装置)の実施
例2の縦断面図である。
【符号の説明】
10…熱媒ジャケット10、20…醗酵原料収容管、3
0…他方のチャンバ(上部チャンバ)、40…一方のチ
ャンバ(下部チャンバ)、50…醗酵原料供給手段(醗
酵乳製造用原料供給手段、ポンプ)、60…製品排出管
路、70…加圧気体供給装置(加圧気体供給管)、
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年12月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】3.結果 この試験の結果は表1に示すとおりである。
【表1】 従来の攪拌パドル付き大型プロセスタンクを用いて製造
した場合に比較して本発明の多管式醗酵装置を用いて製
造した場合、醗酵終了後の所定温度までの冷却時間は短
く、且つ冷却中の醗酵乳のpH低下(過醗酵)が小さ
く、高粘度で、組織が極めて良好な醗酵乳を得られるこ
とが確認された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳原 憲邦 東京都東大和市南街1−37−19森永南街寮 322号

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱媒ジャケットの内側に配置されるとと
    もに隣接する端部どうしが互いに連通する複数の醗酵原
    料収容管の内部に、醗酵製品製造用の醗酵原料を導入
    し、前記各醗酵原料収容管内部の醗酵原料を醗酵させ、
    所定の醗酵状態に達した時点で前記熱媒ジャケット内側
    に冷熱媒を導入することにより醗酵原料収容管内部の醗
    酵製品を冷却して醗酵を停止させることを特徴とする醗
    酵製品製造方法。
  2. 【請求項2】 熱媒ジャケットの内側に配置されるとと
    もに隣接する端部どうしが互いに連通する複数の醗酵原
    料収容管の内部に、少なくとも乳原料及びスターターよ
    りなる醗酵乳製造用原料を導入し、前記各醗酵原料収容
    管内部の醗酵乳製造用原料を醗酵させ、所定の醗酵状態
    に達した時点で前記熱媒ジャケット内側に冷熱媒を導入
    することにより醗酵原料収容管内部の醗酵乳製品を冷却
    して醗酵を停止させ、次に前記醗酵原料収容管の一端側
    に加圧気体を送り、醗酵原料収容管内部の醗酵乳製品を
    醗酵原料収容管の他端側から排出することを特徴とする
    醗酵製品製造方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも、次の(a)、(b)、
    (c)及び(d)によって構成される醗酵装置、(a)
    互いに離れて配置された一対のチャンバと、前記各チ
    ャンバ間を連通させる複数の醗酵原料収容管の内部とに
    よって形成される醗酵原料収容室、(b) 前記醗酵原
    料収容室に醗酵原料を供給する醗酵原料供給手段、
    (c) 前記一対のチャンバのうちの一方のチャンバに
    接続されて前記一方のチャンバと連通状態または遮断状
    態に選択的に保持される製品排出管路および前記一対の
    チャンバのうちの他方のチャンバに加圧気体を供給する
    加圧気体供給装置から構成された製品排出手段、(d)
    前記複数の醗酵原料収容管の周囲に熱媒を供給する熱
    媒供給装置。
  4. 【請求項4】 前記互いに離れて配置された一対のチャ
    ンバは、上下に離れて配置された上部チャンバと下部チ
    ャンバとから構成され、前記製品排出管路は下部チャン
    バに接続され、前記加圧気体供給装置は加圧気体を前記
    上部チャンバに供給するように構成された請求項3記載
    の醗酵装置。
  5. 【請求項5】 前記熱媒供給装置は、前記複数の醗酵原
    料収容管の周囲を囲むように配置された熱媒ジャケット
    本体と、熱媒ジャケット本体内側に熱媒を供給する熱媒
    供給口と、熱媒ジャケット本体内側の熱媒を排出する熱
    媒排出口とを有する熱媒ジャケットから構成された請求
    項3または4記載の醗酵装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101252233B1 (ko) * 2010-11-23 2013-04-08 김태섭 치즈 제조장치 및 이를 이용한 치즈 제조방법

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