JPH05149985A - 高電磁遮蔽性能を有する電波測定設備・施設の構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】高出力電波に対する電子機器、システムの測定
をするに際し、高出力電波の外部への漏洩を防止する。 【構成】内部に電波を発射するアンテナ３０を有する電
波測定室２と、電波測定室２の全周を覆うように形成さ
れる電波吸収材５、６および電磁波遮蔽材７、８と、電
波測定室２の下部に設置される計測室９と、電波測定室
２の床部に形成される開口部とを備え、前記開口部を介
して被測定装置１７の搬出入および測定用装置の接続を
行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子機器から発生する
ノイズを測定するための高電磁遮蔽性能を有する電波測
定設備・施設の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、電子機器から発生するノイズを測
定するための電波測定室は、正規の測定施設であるオー
プンサイトに比較して、信頼性、再現性に欠けるとさ
れ、オープンサイトを補助する測定設備とされてきた。
しかし、近年、電波吸収体の小型化、高性能化により電
波測定室の性能が飛躍的に向上しており、オープンサイ
トと全く同等の性能がでている。一方、正式オープンサ
イトについては、日本はもとより米国においても、放送
施設や自動車ノイズ、工場、機械ノイズの大幅な増加に
より、都会およびその近郊では適当な建設場所が得られ
なくなっている。こうした条件から、米国においても電
波測定室が正式測定設備として認定されてきている。ま
た、最近は、違法無線などの高出力電波にふれても誤動
作しない電子機器、システムが要求され、その測定方式
の基準が検討され、将来その実験設備の必要性が高まる
ことが予想される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電波測定室においては、測定室の壁部に電磁遮蔽扉、空
調ダクトを設けなければならず、また、被測定装置が電
子計算機であれば給排水管を貫通させ、被測定装置が自
動車であれば給排気管を貫通させる等、種々の開口部を
測定室の壁部に設ける必要があるため、高出力電波の漏
洩を防止することには限界があるという問題を有してい
る。

【０００４】本発明は、上記問題を解決するものであっ
て、高出力電波に対する電子機器、システムの測定をす
るに際し、高出力電波の外部への漏洩を防止することが
できる高電磁遮蔽性能を有する電波測定設備・施設の構
造を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そのために本発明の高電
磁遮蔽性能を有する電波測定設備・施設の構造は、内部
に電波を発射するアンテナ３０を有する電波測定室２
と、電波測定室２の全周を覆うように形成される電波吸
収材５、６および電磁波遮蔽材７、８と、電波測定室２
の下部に設置される計測室９と、電波測定室２の床部に
形成される開口部とを備え、前記開口部を介して被測定
装置１７の搬出入および測定用装置の接続を行うことを
特徴とする。なお、上記構成に付加した番号は、理解を
容易にするために図面と対比させるためのもので、これ
により本発明の構成が何ら限定されるものではない。

【０００６】

【作用】本発明においては、電波測定室内でアンテナか
ら高出力電波が発射され、被測定装置が誤動作するかし
ないかの各種測定が行われと、この高出力電波は、電波
測定設備の側壁および天井部からは、直進方向に漏洩し
ようとするが、電波吸収材および電磁波遮蔽材により外
部への漏洩が防止される。一方、各種開口部が設けられ
る電波測定設備の床部からは、電磁波は一旦鉛直方向に
進んだ後、直角方向に曲折して壁部に進むため、電磁波
遮蔽性能が高くなり、各種開口部が壁部に設けられる場
合と比較して、壁部と同等の電磁遮蔽性能で電磁波を遮
蔽することができる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図１は本発明の高電磁遮蔽性能を有する電波測
定設備・施設の構造の１実施例を示す断面図である。

【０００８】本発明に係わる電波測定設備・施設１は、
電波測定室２の全周を覆うように形成される内壁３と外
壁４とを有する。内壁３は、フェライト等の電波吸収材
５と、電波吸収材５の内側に波形形状に設けられるウレ
タン等の電波吸収材６とからなり、外壁４には、鉄、ア
ルミ鋼板等からなる第１の電磁波遮蔽材７と第２の電磁
波遮蔽材８が設けられ、電磁波遮蔽材７、８は接地され
る。

【０００９】電波測定室２の下部には計測室９が設置さ
れ、計測室９内には、電磁遮蔽扉１０、モニタ１１、イ
ンターホーン１２、計測制御装置１３、アンテナ制御装
置１５、電話機１６が配設され、また、測定室２の床部
には、被測定装置１７（本実施例では自動車）を載置し
て回動可能にするためのターンテーブル１９が設けられ
る。このターンテーブル１９を介して給排接続管２０が
計測室９の外部に延びている。給排接続管２０は、被測
定装置１７が自動車であればエンジンの給排気を行わ
せ、被測定装置１７が水冷式電子計算機であれば給排水
を行わせるためのものである。

【００１０】また、電話機１６は弱電用フィルタ盤２１
を介して外部に接続され、計測制御装置１３は、強電用
フィルタ盤２２を介して電源装置２３に接続される。電
波測定室２の下部には、電波測定室２内に被測定装置１
７を搬入するためのリフト２５、増幅器２６を有するア
ンプ室２７および空調用ダクト２９が設置される。

【００１１】電波測定室２内には、測定用装置として電
波発射用アンテナ３０、インターホーン３１、テレビカ
メラ３２が設置され、フィルタ３５を介して増幅器２
６、計測制御装置１３、アンテナ制御装置１５に接続さ
れ、また、照明器３３、火災報知器３４が設置され、フ
ィルタ３５を介して弱電用フィルタ盤２１および強電用
フィルタ盤２２に接続される。フィルタ３５は、電磁波
遮蔽材７、８を貫通する箇所に設けられる。また、前記
ターンテーブル１９には、被測定装置１７との電気的接
続を行うためのコネクタパネル３６が設けられる。

【００１２】上記構成において、本発明の特徴とする点
は、電波測定室２の床部に被測定装置１７の搬出入を行
うためのリフト２５、空調用ダクト２９、各種測定用装
置の接続を行うためのフィルタ３５および給排接続管２
０を設けた点であり、これらを配設するための開口部を
電波測定室２の床部にを備え、前記開口部を介して被測
定装置１７の搬出入および測定用装置の接続を行うこと
を特徴としている。

【００１３】上記構成からなる本発明の作用について説
明する。被測定装置１７は、ターンテーブル１９上に載
置され、コネクタパネル３６を介して計測制御装置１３
に接続される。この状態でアンテナ３０から高出力電波
が発射され、被測定装置１７が誤動作するかしないかの
各種測定が行われる。この高出力電波は、電波測定設備
１の側壁および天井部からは、直進方向に漏洩しようと
するが、電波吸収材５、６、第１および第２の電磁波遮
蔽材７、８により外部への漏洩が防止される。また、各
種開口部が設けられる電波測定設備１の床部からは、電
磁波は一旦鉛直方向に進んだ後、直角方向に曲折して壁
部に進むため、電磁波遮蔽性能が高くなり、各種開口部
が壁部に設けられる場合と比較して、壁部と同等の電磁
遮蔽性能で電磁波を遮蔽することができる。

【００１４】

【発明の効果】以上の説明から明かなように本発明によ
れば、電波測定設備の床部に各種開口部を設けたため、
床部から漏洩しようとする電磁波は一旦鉛直方向に進ん
だ後、直角方向に曲折して壁部に進むため、電磁波遮蔽
性能が高くなり、各種開口部が壁部に設けられる場合と
比較して、壁部と同等の電磁遮蔽性能で電磁波を遮蔽す
ることができ、その結果、高出力電波に対する電子機
器、システムの測定をするに際し、横から搬入する場合
と比較して、より高度な遮蔽性能の施設が容易にでき、
高出力電波の外部への漏洩を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の高電磁遮蔽性能を有する電波測定設備
・施設の構造の１実施例を示す断面図

【符号の説明】

１…電波測定設備・施設、２…電波測定室、５、６…電
波吸収材 ７、８…電磁波遮蔽材、９…計測室、１３…計測制御装
置 １４…アンテナ制御装置、１７…被測定装置、３０…ア
ンテナ

フロントページの続き (72)発明者 望月茂利 東京都港区芝浦一丁目２番３号 清水建設 株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内部に電波を発射するアンテナを有する電
   波測定室と、電波測定室の全周を覆うように形成される
   電波吸収材および電磁波遮蔽材と、電波測定室の下部に
   設置される計測室と、電波測定室の床部に形成される開
   口部とを備え、前記開口部を介して被測定装置の搬出入
   および測定用装置の接続を行うことを特徴とする高電磁
   遮蔽性能を有する電波測定設備・施設の構造。