JPH0514871U - 歪・温度センサの異常検出装置 - Google Patents

歪・温度センサの異常検出装置

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JPH0514871U
JPH0514871U JP6056491U JP6056491U JPH0514871U JP H0514871 U JPH0514871 U JP H0514871U JP 6056491 U JP6056491 U JP 6056491U JP 6056491 U JP6056491 U JP 6056491U JP H0514871 U JPH0514871 U JP H0514871U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 歪および温度を同時に独立して検出できる歪
・温度センサにおいて、たとえ同時に複数の抵抗に異常
が発生したり、または印加電圧が正常に印加されていな
かったとしても、確実に異常検出する。 【構成】 第1のホイートストンブリッジ回路を構成す
る第1,第2の直列回路の各中点電圧Va,Vbの各直
流成分の差が許容値Vmax を越えた場合、および第2の
ホイートストンブリッジ回路の一方を構成する第3の直
列回路の中点電圧Vcの直流成分と第1,第2の直列回
路のうちのいずれか一方の直列回路の中点電圧の直流成
分との加算電圧値が各ホイートストンブリッジ回路に対
する印加電圧Eで定まる一定の許容範囲(E±ΔE)を
外れた場合に異常検出信号を出力する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は歪測定と温度測定とを一つのセンサで実行できる歪・温度センサに係 わり、特に歪,温度を検出する各抵抗に断線や短絡等の異常が発生した場合に正 確に異常発生を検出できる歪・温度センサの異常検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
印加された力を最も簡便に測定する手法の一つの手法として、外力が印加され 被測定体の表面に歪ゲージを貼付けて、外力印加に起因して発生する表面歪を歪 ゲージの抵抗変化でもって検出し、その抵抗変化を外力に換算するようにしてい る。
【0003】 しかし、被測定体表面に貼付けられた歪ゲージの抵抗値Rは被測定体表面の歪 εにほぼ比例して変化するとともに、周囲温度Tの変化によっても変化する。し たがって、歪の測定結果に温度変化の要因が混入しないように、4枚の歪ゲーシ を被測定体表面に貼付けて、これらでもってホイートストンブリッシ回路を構成 すようにしている。
【0004】 例えば、図5に示すように、4個の歪ゲージ1a,1b,1c,1dでもって ホイートストンブリッジ回路が構成されている。そして、電源端子2a,2bか ら直流電圧Eを印加すると、出力端子3a,3b間に歪εに比例する電圧Ve が 出力される。なお、歪εが発生していない状態においては各歪ゲージ1a〜1d の抵抗値は互いに等しく設定されている。
【0005】 そして、図6(a)に示すように、被測定体4に対して一方方向に張力が印加 される場合には、矢印方向に歪εが発生するので、例えば歪ゲージ1a,1cが 歪発生方向に向けて被測定体表面4aに貼付けられ、他の歪ゲージ1b,1dが 歪発生方向に対して直交方向に貼付けられる。
【0006】 また、図6(b)に示すように、被測定体4が片持梁の場合は、矢印方向に曲 げ応力が発生するので、例えば歪ゲージ1a,1cが片持梁の引張歪が発生する 表面に貼付けられており、圧縮歪が発生する裏面に他の歪ゲージ1b,1dが貼 付けられている。
【0007】 このような構成の歪センサにおいて、電源端子2a,2間に直流電圧Eを印加 すると、歪εが発生していない場合には、各出力端子3a,3bの端子電圧(中 点電圧)は互いに等しいので、歪検出電圧Veは0Vである。そして、歪εが発 生すると歪ゲージ1a,1cの抵抗値が変化するので、歪検出電圧Veは歪εに 対応した値となる。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
このような歪センサにおいて、ホイートストンブリッジ回路を構成する各歪ゲ ージ1a〜1dに断線や短絡が発生したり、または各歪ゲージ1a〜1d相互間 を接続するリード線が断線すると、出力端子3a,3b間の出力電圧Veが極端 な値に変化するので、観測者は、その出力電圧Ve、またはこの出力電圧Ve か ら算出された歪量が異常値に変化したことを確認することによって、異常が発生 したことを検知できる。
【0009】 しかし、例えば2枚の歪ゲージが同時に破損した場合や、リード線の断線等に より直流電圧Eがホイートストンブリッジ回路に対して正しく印加されなかった 場合には、出力電圧Veは大きく変化することはないので、出力電圧Ve 変化が 歪ε変化に起因するものか、異常発生に起因するものかの区別が付かない場合が ある。その結果、異常発生に気付かずに歪測定をそのまま継続する懸念がある。
【0010】 また、歪測定用のホイートストンブリッジ回路の一部の歪ゲージを温度検出用 ゲージとして用いたり(特開平1−206113号公報)、歪測定用のホイート ストンブリッジ回路の外側に温度検出専用の温度検出用抵抗を接続する(特開昭 58−134394号公報)ことによって、歪のみならず周囲温度も同時に測定 可能とした歪・温度センサが提唱されている。
【0011】 しかし、これらの歪・温度センサにおいても、ホイートストンブリッジ回路を 構成する2個の抵抗が断線したり、短絡した場合には、出力信号Veに大きな変 化は発生しない。その結果、上述した歪測定専用の歪センサと同様な問題が生じ る。
【0012】 本考案はこのような事情に鑑みてなされたものであり、各ホイートストンブリ ッジ回路を構成する各直列回路の各中点電圧の相互関係を監視することによっい て、たとえ同時に複数の抵抗に異常が発生したとしても、確実にその異常発生を 検出でき、歪・温度センサの信頼性をさらに向上できる歪・温度センサの異常検 出装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解消するために本考案は、歪検出方向が歪発生方向に一致する第1 の抵抗と、歪検出方向が第1の抗抵と直交する第2,第3,第4,第5,第6の 抗抵と、第1,2の抵抗を直列接続してなる第1の直列回路と前記第3,4の抵 抗を直列接続してなる第2の直列回路とが並列接続され、各直列回路の中点相互 間から歪検出信号が出力される第1のホイートストンブリッジ回路と、第2の直 列回路と第5,6の抵抗を直列接続してなる第3の直列回路とが並列接続され、 各直列回路の中点相互間から温度検出信号が出力される第2のホイートストンブ リッジ回路とで構成され、かつ第1,第3,第6の各抗抵のゲージ率および温度 係数が第2,第4,第5の各抗抵のゲージ率および温度係数より大きく設定され た歪・温度センサの異常検出装置であって、 第1,第2の直列回路の各中点電圧の各直流成分の差が許容値を越えた場合、 および第3の直列回路の中点電圧の直流成分と第1,第2の直列回路のうちのい ずれか一方の直列回路の中点電圧の直流成分との加算電圧値が各ホイートストン ブリッジ回路に対する印加電圧で定まる一定の許容範囲を外れた場合に異常検出 信号を出力するデータ処理部を備えたものである。
【0014】
【作用】
先ず、異常検出装置が接続される歪・温度センサにおいて、歪εと温度Tとが それぞれ独立して検出できる理由を説明する。
【0015】 すなわち、この歪・温度センサ内には第1乃至第6の6個の抵抗が組込まれて いる。そして、第1,第2の抵抗を直列接続して第1の直列回路を構成している 。同様に、第3,第4の抵抗でもって第2の直列回路を構成し、第5,第6の抵 抗でもって第3の直列回路を構成している。次に第1,第2の直列回路を並列接 続して第1のホイートストンブリッジ回路を形成し、第2,第3の直列回路を並 列接続して第2のホイートストンブリッジ回路を形成している。すなわち、第2 の直列回路は第1,第2のホイートストンブリッジ回路で兼用されている。
【0016】 また、第1,第3,第6の各抗抵のゲージ率および温度係数が第2,第4,第 5の各抗抵のゲージ率および温度係数より大きく設定さている。
【0017】 したがって、歪・温度センサが貼付けられた被測定体表面に歪が発生すると、 第1の抵抗の抵抗値のみが大きく変化するので、第1のホイートストンブリッジ 回路の出力信号は歪に対応した値を有する歪検出信号となる。なお、第1の抵抗 の抵抗値は周囲温度にも大きく影響され、その影響は歪検出信号に含まれるが、 第3の抵抗も同じ条件で周囲温度の影響を受ける。その結果、歪検出信号に含ま れる第1の抵抗の温度変動分は第3の抵抗の温度変動分によって相殺される。し たがって、前記歪検出信号から温度変動成分が除去される。
【0018】 また、歪・温度センサの周囲温度が変化すると、第3,第6の抵抗の各抵抗値 が大きく変化するので、第2のホイートストンブリッジ回路の出力信号は温度に 対応した値を有する温度検出信号となる。なお、被測定体表面に歪が発生して、 たとえ第3の抵抗が第1の抵抗と同一の高いゲージ率を有していたとしても、歪 検出方向が歪発生方向と直交しているので、抵抗値の変化は小さい。その結果、 温度検出信号に歪成分が混入することはない。
【0019】 次に、異常検出が可能な理由を説明する。
【0020】 第1のホイートストンフブリッジ回路の一方を形成する第1の直列回路の中点 電圧Vaは、各ホイートストンブリッジ回路の印加電圧E,現在の歪ε,現在の 温度T,ブリッジバランスが取れている状態における基準温度Ts,第1の抵抗 (=第3の抵抗=第6の抵抗)の温度係数K,第2の抵抗(=第4の抵抗=第5 の抵抗)の温度係数k,第1(=第3の抵抗=第6の抵抗)の抵抗のゲージ率K を用いて(1) 式で示される。
【0021】 Va=E{0.5+(K−k)(T−Ts)+Gε} …(1) なお、第2の抵抗は歪発生方向と直交する方向に配設され、ゲージ率も第1の抵 抗のゲージ率Gに比較して非常に小さいので、歪に起因する抵抗変化はないと仮 定している。
【0022】 同様に、第2の直列回路の中点電圧Vbは(2) 式となる。
【0023】 Vb=E{0.5+(K−k)(T−Ts)} …(2) なお、第2の直列回路の第3の抵抗のゲージ率Gは大きいが、歪発生方向と直交 する方向に配設されているので、歪の項は無視できる。
【0024】 さらに、第3の直列回路においては、温度係数Kが大きい第6の抵抗は第1, 第2の直列回路に比較して中点を挟んで逆側に接続されているので、この直列回 路の中点電圧Vcは(3) 式となる。
【0025】 Vb=E{0.5−(K−k)(T−Ts)} …(3) なお、第6の抵抗のゲージ率Kは大きいが、歪発生方向と直交する方向に配設さ れているので、歪の項は無視できる。
【0026】 一般に、抵抗の歪εに対する抵抗の変化量[εG]は、温度変化ΔT(=T− Ts)に対する変化量KΔTに比較して桁違いに小さいので、(1) 式における第 3項は第2項に比較して無視できる値である。
【0027】 (K−k)(T−Ts)》Gε また、温度はゆっくりと変化するので、各中点電圧を直流成分をローパスフィ ルタ等で抽出することによって、温度変化に起因する電圧値のみを確実に検出で きる。
【0028】 よって、(1) 式は(4) 式に近似できる。
【0029】 Va=E{0.5+(K−k)(T−Ts)} …(4) したがって、(4) と(2) の関係、および(2) 式(= (4)式)から(3) 式を減算 することによって、次の(5)(6)の条件式が成立する。
【0030】 Va=Vb …(5) Vb+Vc=E …(6) よって、第1,第2,第3の直列回路の各中点電圧Va,Vb,Vcを測定し て常時(5)(6)式を満足していることを監視し、2つの条件式(5)(6)式のうちのい ずれか一方の条件式が満たされなければ、異常が発生したと見なすことが可能で ある。
【0031】 なお、実際には上述したように歪の項[Gε]の誤差が入り、かつリード線の 電圧降下分が存在するので、(7)(8)式に示すように、一定の許容値Vmax および 許容範囲(E±ΔE)を設けて、これらを外れた場合に異常検出信号を出力して いる。
【0032】 |Va−Vb|<Vmax …(7) E−ΔE<Vb+Vc<E+ΔE …(8) このように異常発生の条件を設定すれば、第1のホイートストンブリッジ回路 を構成する4個の抵抗のうち2個の抵抗が同時に異常発生した場合には、Va, Vbか同時に大きく変化して、(7) 式の条件を継続して満する場合が生じる。し かし、第3の中点電圧Vcが正常であれば、(8) 式の条件を維持できなくなる。 よって、異常検出信号が出力される。
【0033】 なお、各ホイートストンブリッジ回路を構成する1個の抵抗のみに異常が発生 した場合には、当然(7)(8)式の条件を維持できないので、即座に異常検出信号が 出力される。
【0034】
【実施例】
以下本考案の一実施例を図面を用いて説明する。
【0035】 図2は実施例の異常検出装置が適用される歪・温度センサ5を被測定体6の表 面6aに貼付けた状態を示す上面図である。被測定体6は矢印方向に引張り応力 が印加される。
【0036】 歪・温度センサ5において、矩形形状を有した絶縁薄膜基板7上に薄箔膜抵抗 で構成された第1〜第6の抵抗R1 〜R6 がCVD手法を用いて堆積されている 。第1の抵抗R1 のみが絶縁薄膜基板7の長尺方向、すなわち被測定体表面6a の歪発生方向に向かって形成されている。そして他の第2〜第6の抵抗R2 〜R 6 は第1の抵抗R1 と直交する方向に形成されている。各抵抗R1 〜R6 はその 長尺方向が歪検出方向である。
【0037】 前記6つの抵抗R1 〜R6 のうちの第1の抵抗R1 ,第3の抵抗R3 および第 6の抵抗R6 はアモルファスシリコン半導体薄膜である。このアモルファスシリ コン半導体薄膜で形成された第1,第3,第6の抵抗R1 ,R3 ,R6 のゲージ 率Gは20〜30の非常に高い値である。また、このアモルファスシリコン半導 体薄膜で形成された第1,第3,第6の抵抗R1 ,R3 ,R6 の温度−抵抗値特 性は、図3に示すように負特性であり、温度係数Kは−500 〜 −3000ppmの 非常に高い値である。
【0038】 これに対して、他の第2,第4,第5の抵抗R2 ,R4 ,R5 は、例えは、[ Ta2 N]等の金属を前述と同様に薄膜絶縁基板7に堆積して構成されている。 そして、この各薄膜抵抗R2 ,R4 ,R5 のゲージ率はほぼ0の値であり、温度 係数kは−100 ppm程度の値である。
【0039】 したがって、第1,第3,第6の抵抗R1 ,R3 ,R6 のゲージ率Gおよび温 度係数Kは、他の第2,第4,第5の各薄膜抵抗R2 ,R4 ,R5 のゲージ率お よび温度係数kに比較して桁違いに高い値である。
【0040】 そして、第1の抵抗R1 と第2の抵抗R2 とを直列接続した直列回路8aの中 点が出力端子9aに接続され、第3の抵抗R3 と第4の抵抗R4 とを直列接続し た直列回路8bの中点が出力端子9bに接続され、さらに、第5の抵抗R5 と第 6の抵抗R6 とを直列接続した直列回路8cの中点が出力端子9cに接続されて いる。
【0041】 また、各直列回路8a,8b,8cの一方端は共通に接地端子10aに接続さ れ、他方端は共通に電源端子10bに接続される。
【0042】 図1は図2で示した歪・温度センサ5の等価回路と異常検出装置12の概略構 成を示すブロック図である。
【0043】 歪・温度センサ5において、第1の直列回路8aと第2の直列回路8bとが並 列接続されて第1のホイートストンブリッジ回路11aが構成されている。さら に、第2の直列回路8bと第3の直列回路8cとが並列接続されて第2のホイー トストンブリッジ回路11bが構成されている。
【0044】 そして、各直列回路8a,8b,8cの各中点に接続された各出力端子9a, 9b,9cおよび接地端子10a,電源端子10bは一つのフラットケーブル1 3にまとめられて異常検出装置12へ接続される。
【0045】 異常検出装置12内において、接地端子10aと電源端子10bとの間に直流 電圧Eが印加されている。また、第1のホイートストンブリッジ回路11aから 入力された中点電圧Vb,Va間の差電圧が増幅器14aで増幅されて歪検出信 号aとして次のマルチプレクサ15へ入力される。さらに、第2のホイートスト ンブリッジ回路11bから入力された中点電圧Vc,Vb間の差電圧が増幅器1 4aで増幅されて温度検出信号bとしてマルチプレクサ15へ入力される。各直 列回路8a,8b,8cの各中点電圧Va,Vb,Vcは各増幅器14a,14 bへ入力されるとともに、直接マルチプレクサ15へ入力される。
【0046】 マルチプレクサ15は入力された歪検出信号a,温度検出信号bおよび各中点 電圧Va,Vb,Vcを一定のサンプリング周期でサンプリングして、時分割多 重信号としてA/D変換器16へ送出する。A/D変換器16は、入力された時 分割多重された各信号a,bおよび各電圧Va〜Vcをデジタルデータに変換し て、例えばマイクロコンピュータ等からなるデータ処理部17へ送出する。
【0047】 データ処理部17は、入力された時分割多重化信号に含まれる各デジタルの歪 検出信号a,温度検出信号bおよび各中点電圧Va,Vb,Vcを分離する。そ して、歪検出信号aから印加電圧E,ゲージ率G等を用いて歪εを算出して、入 出力ポート18を介して外部へ出力する。同様に、温度検出信号bから印加電圧 E,温度係数K等を用いて基準温度Tsからの変化量を求め、さらに現在の温度 Tを算出して、入出力ポート18を介して外部へ出力する。
【0048】 また、データ処理部17内には、デジタルフィルタが内蔵されており、入力さ れた各中点電圧Va,Vb,Vcに含まれる交流成分を除去して、直流成分のみ を抽出する。すなわち、被測定体6の周囲温度Tは急激に変化することはないの で、雑音が除去される。また、被測定体6が例えば軸受け等の繰り返し振動応力 が印加される場合には、第1のホイートストンブリッジ回路11aの第1の直列 回路8aの中点電圧Vaにおける前述した(1) 式で示した第2項[εG]が振動 に対応した周波数成分を有する交流成分となる。したがって、この交流成分をデ ジタルフィルタでもって除去することによって、(1) 式をより完全に(4) 式に近 似できる。
【0049】 デジタルフィルタでもって交流成分が除去されたデジタルの各中点電圧Va, Vb,Vcでもって、前述した(|Va−Vb|)および(Vb+Vc)を算出 する。そして、これらが前述した条件式(7)(8)を同時に満足するか否かを判定す る。
【0050】 |Va−Vb|<Vmax …(7) E−ΔE<Vb+Vc<E+ΔE …(8) そして、いずれか一方の条件式(7)(8)が満たされない場合は、入出力ポート1 8を介して異常検出信号cを外部へ出力する。
【0051】 なお、許容値Vmax および許容範囲(E±ΔE)は、第1,第3,第6の抵抗 R1 .R3 ,R6 における温度係数Kとゲージ率Gとの関係や、被測定体表面6 aに発生する歪εの大きさ等と、異常検出に関する誤判断の発生確率等を考慮し て最適値に設定される。
【0052】 このように構成された歪・温度センサ5の異常検出装置12の動作を説明する 。
【0053】 先ず、被測定体6に歪εが発生していなくて、かつ周囲温度Tが予め設定され た室温等の基準温度Ts(=20℃)の状態においては、各中点電圧Va〜Vc は共に等しくE/2となる。したがって、歪検出信号aおよび温度検出信号bの 信号値は0Vである。よって、データ処理部17から歪ε=0、および温度T= Tsが出力される。当然各条件式(7)(8)は同時に満足するので、異常検出信号c は出力されない。
【0054】 次に、被測定体6に歪εが発生し、かつ周囲温度Tが基準温度Tsから外れた 場合は、第1の抵抗R1 の抵抗値のみの歪εに対応して変化する。そして、温度 変化に対しては、全部の抵抗R1 〜R6 の抵抗値がそれぞれの温度係数K,kに 応じて変化する。その結果、各直列回路8a,8b,8cの各中点電圧Va,V b,Vcはそれぞれ前述した(1)(2)(3) 式となる。
【0055】 その結果、(Vb−Va)で示される歪検出信号aの値は(−0.5 EGε)と なり、データ処理部17から歪εが出力される。また、(Vc−Vb)で示され る温度検出信号bの値は{−E(K−k)(T−Ts)}となり、データ処理部 17から温度Tが出力される。
【0056】 この場合においても、直流成分のみを抽出した各中点電圧Va,Vb,Vcは 前述した各条件式(7)(8)を同時に満足するので、異常検出信号cは出力されない 。
【0057】 次に、この状態で、歪・温度センサ5を構成する6個の抵抗R1 〜R6 のうち の1個の抵抗が断線した場合を考える。この場合、3個の直列回路8a,8b, 8cの各中点電圧Va,Vb,Ccのうちの断線が発生した抵抗を含む直列回路 の中点電圧のみが大きく変化して0VまたはEVになる。例えば中点電圧Va, Vbのいずれかが大きく変化した場合には、条件式(7) が成立しなくなり、中点 電圧Vcのみが大きく変化した場合は、条件式(8) が成立しなくなる。その結果 、データ処理部17から異常検出信号cが出力される。
【0058】 また、例えば、第1のホイートストンブリッジ回路11aを構成する第1の抵 抗R1 と第3の抵抗R3 が同時に断線した場合には、各中点電圧Va,Vbは共 に0Vである。したがって、条件式(7) は成立状態を維持する。しかし、もう一 つの中点電圧Vcが正常値を維持していれば、他方の条件式(8) の成立状態が維 持できなく、不成立になる。その結果、データ処理部17から異常検出信号cが 出力される。
【0059】 さらに、リード線の断線等に起因して、電源端子10bと接地端子10a間に 印加されている直流の印加電圧Eが各ホイートストンブリッジ回路11a,11 bに正規に印加されない場合は、条件式(8) が成立しなくなるので、データ処理 部17から異常検出信号cが出力される。
【0060】 このように、たとえ複数の抵抗に断線,短絡等の異常が同時に発生したり、ま たは印加電圧Eが正常に印加されない事態が発生したとしても必ず異常検出信号 cが出力される。したがって、被測定体表面6aに貼付けられた歪・温度センサ 5から得られる歪検出信号aおよび温度検出信号bの信頼性を大幅に向上できる 。
【0061】 図4は本考案の他の実施例に係わる歪・温度センサの異常検出装置の概略構成 を示すブロック図である。図1に示す実施例と同一部分には同一符号が付してあ る。したがって、重複する部分の詳細説明を省略する。
【0062】 この実施例装置において、マルチプレクサ15には第2の直列回路8bの中点 電圧Vbと各増幅器14a,14bから出力された歪検出信号aおよび温度検出 信号bのみが入力されている。そして、各増幅器14a14bのゲインをそれぞ れα,βとし、歪検出信号aおよび温度検出信号bの増幅された信号レベル(電 圧値)をVe,Vtとすると、前述した条件式(7) は(9) 式のように変形できる 。
【0063】 |Va−Vb|=(Ve/α)<Vmax …(9) 同様に前述した条件式(8) は(10)式のように変形できる。
【0064】 Vb+Vc=(Vt/β)+2Vbより、 E−ΔE<(Vt/β)+2Vb<E+ΔE …(10) すなわち、この実施例においては、新たな条件式(9)(10) 式を用いることによ って、データ処理部17に入力されるデータ数を中点電圧Vbと歪検出信号aと 温度検出信号bのみとでき、データ処理部17,マルチプレクサ15およびA/ D変換器16の処理負担を軽減できる。
【0065】
【考案の効果】
以上説明したように本考案の歪・温度センサの異常検出装置によれば、各ホイ ートストンブリッジ回路を構成する各直列回路の各中点電圧の相互関係が一定の 条件式を満足するか否かを監視している。したがって、たとえ同時に複数の抵抗 に異常が発生したとしても、確実にその異常発生を検出でき、歪・温度センサで 測定された歪および温度の信頼性をより一層向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係わる歪・温度センサの
異常検出装置の概略構成を示すブロッ図、
【図2】 同実施例装置が適用される歪・温度センサを
示す平面図、
【図3】 同歪・温度センサの各抵抗における温度−抵
抗特性図、
【図4】 本発明の他の実施例に係わる歪・温度センサ
の異常検出装置の概略構成を示すブロッ図、
【図5】 一般的な歪センサに組込まれたホイートスト
ンブリッジ回路図、
【図6】 同一般的な歪センサの被測定体に対する貼付
状態を示す模式図。
【符号の説明】
5…歪・温度センサ、6…被測定体、7…絶縁薄膜基
板、8a…第1の直列回路、8b…第2の直列回路、8
c…第3の直列回路、11a…第1のホイートストンブ
リッジ回路、11b…第2のホイートストンブリッジ回
路、12…異常検出装置、14a,14b…増幅器、1
5…マルチプレクサ、17…データ処理部、R1 〜R6
…第1〜第6の抵抗、Va,Vb,Vc…中点電圧。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歪検出方向が歪発生方向に一致する第1
    の抵抗 (R1)と、歪検出方向が前記第1の抗抵と直交す
    る第2,第3,第4,第5,第6(R2 〜R6)の抗抵
    と、前記第1,2の抵抗を直列接続してなる第1の直列
    回路(8a)と前記第3,4の抵抗を直列接続してなる第2
    の直列回路(8b)とが並列接続され、前記各直列回路の中
    点相互間から歪検出信号(a) が出力される第1のホイー
    トストンブリッジ回路(11a)と、前記第2の直列回路と
    前記第5,6の抵抗を直列接続してなる第3の直列回路
    (8c)とが並列接続され、前記各直列回路の中点相互間か
    ら温度検出信号(b) が出力される第2のホイートストン
    ブリッジ回路(11b)とで構成され、かつ前記第1,第
    3,第6の各抗抵のゲージ率および温度係数が前記第
    2,第4,第5の各抗抵のゲージ率および温度係数より
    大きく設定された歪・温度センサの異常検出装置であっ
    て、 前記第1,第2の直列回路の各中点電圧 (Va,Vb)
    の各直流成分の差が許容値を越えた場合、および前記第
    3の直列回路の中点電圧 (Vc) の直流成分と前記第
    1,第2の直列回路のうちのいずれか一方の直列回路の
    中点電圧の直流成分との加算電圧値が前記各ホイートス
    トンブリッジ回路に対する印加電圧で定まる一定の許容
    範囲を外れた場合に異常検出信号(c)を出力するデータ
    処理部(17)を備えた歪・温度センサの異常検出装置。
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