JPH05144331A - 化合物超電導線材及びその製造方法 - Google Patents

化合物超電導線材及びその製造方法

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JPH05144331A
JPH05144331A JP3304489A JP30448991A JPH05144331A JP H05144331 A JPH05144331 A JP H05144331A JP 3304489 A JP3304489 A JP 3304489A JP 30448991 A JP30448991 A JP 30448991A JP H05144331 A JPH05144331 A JP H05144331A
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superconducting
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Yoshihide Wadayama
芳英 和田山
Takaaki Suzuki
孝明 鈴木
Katsuzo Aihara
勝蔵 相原
Naofumi Tada
直文 多田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高磁界中で高い臨界電流密度を有し、かつ優れ
た電磁気的安定性併せもつ超電導線材を提供する。 【構成】金属シース中に多数本内蔵されたフィラメント
状の超電導体を生成する非晶質あるいは過飽和固溶体の
中に化学量論組成の超電導体を常電導体と共に微細析出
させる。 【効果】電磁気的に安定で、高臨界電流密度を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化合物超電導線材及びそ
の製造方法に係り、特に核融合及び物性研究用の高磁界
超電導マグネット等に用いる高い臨界磁界と臨界電流密
度を有するNb3Al,Nb3(Al,Ge)あるいはN
3Sn,(Nb,Ti)3Sn等のA15型化合物超電
導線材ならびにNbN等のB1型超電導線材、PoMo6S8
等のシュブレル超電導体及びそれらの製造方法を提供す
るものである。
【0002】
【従来の技術】核融合及び物性研究用の高磁界超電導マ
グネットの製作には現在、主にNb3Sn及び(Nb,
Ti)3Sn極細多芯線材が用いられている。これら高
磁界用超電導線材には、高い臨界磁界と臨界電流密度を
有することが要求されるが、Nb3Sn 系においてはそ
の臨界磁界がたかだか約20Tであり、高磁界用として
充分ではない。Nb3Al系の超電導体はNb3Sn系と
同様のA15型化合物超電導体であるが、その臨界磁界
が30〜40Tと高いため次世代の高磁界用超電導線材
として注目されてきた。
【0003】しかしNb3Al 系化合物は組成幅をも
ち、高い臨界磁界を有する化学量論組成のNb:Al=
3:1は1900℃以上の高温域でのみ安定であり、温
度が低くなるとAl濃度が低下し臨界磁界特性も劣化す
る。しかも高温熱処理すると逆に超電導相の結晶粒が粗
大化しその臨界電流密度が劣化するという高温熱処理と
結晶粒微細化の相反条件があるために、その高特性を確
保した実用線材の製作が課題となっていた。
【0004】これまでは該化合物を構成するNbやAl
等の金属物質からなる複合体を作製して、減面加工し長
尺化した後、拡散熱処理する方法(以下、拡散反応法)
やNb3Al 系の溶湯あるいは融点付近の高温加熱体を
急冷することによってNbの結晶構造中にAlが過飽和
に固溶した非平衡相を作製した後、析出熱処理する方法
(以下、急冷析出法)によってNb3Al 系超電導化合
物を得る方法がとられていた。
【0005】例えば、拡散反応法に関してNb粉とAl
粉の混合粉末を金属パイプに充填し、減面加工した後、
拡散熱処理する方法(特開昭57−19909号)、NbとAl
の薄板を金属芯に巻き付けて、これを多数本金属パイプ
中に埋め込んで減面加工した後、拡散熱処理する方法
(ジェリーロール法,S.Ceresara,et al:Supercounduct
ing properties of Nb3Al formed at temperature lowe
r than1000℃,5th Int.Conf.Magnet.Tech.,P685(197
5))、あるいはNbパイプ中にAl−Mg等の合金芯を
挿入して減面加工した後、拡散熱処理する方法(特開平
2−51807 号)等がある。
【0006】また急冷析出法に関して、Nb−Al系の
溶湯を銅テープ上に連続塗布して急冷することによって
Nbの過飽和固溶体相の皮膜を形成した後、熱処理し超
電導結晶粒を析出させる方法(K.Togano,et al ,A15 Nb
3Al superconductorsprepared by transformation from
liquid quenched body-centered cubicphase,Appl.Phy
s.Lett.,41(2),15 July 1982,pp.199-201)、あるいはN
bとAlの混合粉末を金属シースに充填して減面加工し
た後、通電加熱法によって高温短時間加熱してNbの過
飽和固溶体相の皮膜を形成した後、熱処理する方法(C.
H.Thieme 他,Nb3Al wire produced by powder metallug
urgy and rapid quenchingfrom high temperature. IEE
E Trans. on Mag.,Vol.25,No.2(1989)pp.1992−199
5)、等がある。またプラズマ加熱法を用いて基板上に
微細なA15相を直接生成させる方法(特開昭63−4030
号)等もある。
【0007】A15型超電導体の作製に非晶質粉末を用
いた報告例として、Cuを10at%以上含有させたA1
5型超電導体の原料粉末を機械的合金法によっていった
ん非晶質化させた後、熱処理によってCuマトリックス
中にA15型超電導体を生成させる方法(特開昭63−22
3101)がある。
【0008】NbN系のB1型超電導体は高い臨界磁界
と優れた耐ひずみ特性を有するが、これもA15化合物
超電導体と同様に硬くて脆いため、線材に直接加工でき
ない。これまでは、RFスパッタ法等による成膜法によ
ってテープ状線材が作製された報告(鈴木光政ほか、B
1型NbN及びA15型Nb3Ge のテープ材の高磁界
超電導特性,東北大学金属材料研究所 超電導材料開発
施設 昭和62年度年次報告)がある。
【0009】PoMo6S8 等のシュプレル超電導体はNb3
Al より高い約40T臨界磁界を有し、高磁界発生用
の線材として注目されてきたが、これもA15型超電導
体と同様に固くて脆いため、線材に直接加工できない。
これまでにPo,Mo及びMoの硫化物を混合して、線
材加工した後、固相反応によってPo6Mo8S シュプレル相
を生成させていた(久保ほか、Po6Mo8S ,線材の小コイ
ル評価,東北大学金蔵材料研究所 超電導材料開発施設
平成2年度年次報告)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記、拡散法で作製さ
れた線材は、減面加工によって短縮化されたNbとAl
の相互拡散距離に関係するが通常、反応温度が900〜
1200℃の範囲が臨界磁界と臨界電流密度をバランス
させる適正範囲であるため、金属シース内に内蔵された
超電導フィラメントの超電導結晶の組成は化学量論組成
からAl不足側へずれており、従ってその臨界磁界特性
も良好でない。即ち、低い磁界領域では高い臨界電流特
性を示すが、高い磁場ではその臨界電流密度が大きく低
下してしまう。また高温熱処理を施すと化合物の結晶粒
が粗大化して全磁場領域で臨界電流密度が低下する。
【0011】またNb3Al 超電導体の高磁界特性をさ
らに改善するためには、GeやSi等の第三元素を添加
してNb3(Al,Ge)やNb3(Al,Si)とすること
が有効であるが、拡散反応法で作製する場合には、Nb
やAlのどちらかにGeやSiを添加しても、その添加
量によるが添加元素がNbやAl中に完全に固溶せず、
部分的に偏析するため、加工性が悪く、従って拡散反応
で生成する超電導相の特性も良くない。
【0012】また上記、急冷析出法によって作製された
超電導線材は化学量論組成と結晶粒の微細化が同時にほ
ぼ達成されるため、Nb3Al 本来の高特性を確保でき
る。しかし、Nb−Al系の過飽和固溶体を溶湯急冷法
で作製する場合、急冷手法を伴うため原料となる過飽和
固溶体がテープ状である等、形状が限定される。また通
電加熱等によってNbとAlの拡散対を瞬間的に加熱
し、急冷する手法においては、通電によって加熱される
部位が線材長手方向に均一でない他、線材形状が多芯線
の場合にその断面形状が通電加熱による溶融によって保
持されにくい等の問題があり、超電導線材としての電磁
気的な安定性に優れた多数本の超電導フィラメント細線
が銅等の安定化材に内蔵された多芯線構造とすることが
困難であった。
【0013】さらに超電導化合物の結晶粒径を微細化さ
せてその臨界電流密度を高くする方法として、NbとA
l等の構成元素からなる非晶質体を作製し、Nb3Al
等を微細析出させる手法があるが、この非晶質体を得る
ためには、溶湯急冷法では冷却速度を105℃/s 以上
にする必要があり、従来の成膜法やメルト・スピニング
法等によって薄膜や薄片が得られただけで、実用線材に
応用するにはさらに改善が必要である。また超電導体の
構成元素粉末にCu粉末を10at%以上添加して機械
的合金法で非晶質化させた後、熱処理によって超電導体
を生成させる手法では、結晶質のCuマトリックスの中
に超電導体が生成する形態をとるため、超電導体の電気
的結合が十分でない上に、線材形状とした場合の超電導
電流の通電容量が非常に低いものとなってしまう。また
熱処理時にCuと超電導体が反応してその電気的特性が
一部劣化する問題があった。
【0014】またこれら超電導線材は高磁界中で高い臨
界電流密度を有することが、超電導マグネット製作上、
重要となるが、A15型超電導体の磁束ピン止め点は結
晶粒界であり、さらに高磁界中でのピン止め力を向上さ
せるには、超電導体内部にピン止め点となる常電導体を
さらに微細に分散させる必要があった。
【0015】本発明は、上記したような問題点を解決
し、高臨界温度と高臨界磁界を有する超電導線材を提供
することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するために超電導体の構成元素からなる非晶質体を金
属シースに充填して減面加工した後、熱処理することに
よって、非平衡な非晶質体から超電導体を微細に生成さ
せたことを特徴とする超電導線材及びその製造方法を提
供するものである。また非晶質体の組成は生成させる超
電導体の化学量論組成でその結晶粒が100nm以下と
なるような熱処理条件に留めることが望ましい。本発明
を特に高磁界を発生させる超電導マグネットを製作する
のに必要な線材に適用させる場合には、超電導体の種類
をNb3Sn,(Nb,Ti)3SnあるいはNb3Al,
Nb3(Al,Ge)等のA15型超電導体とすること
が好適である。即ち、A3B の組成で表される上記A1
5型超電導体の組成はA:Nb,V等のVa族、B:A
l,Ge,Ga,Si等のIIIb,IVb 族から選ばれる
元素であり、元素A及びBは各々、単一の元素から構成
されるのではなく、これらの元素の複合体でも良い。ま
た超電導体の種類をNbN等のB1型超電導体やPbMo6S
3 等のシェプレル型超電導体とすることも望ましい。
【0017】また常電導体を超電導体内部に微細分散さ
せることは常電導体が磁束ピン止め点となるため、超電
導体の臨界電流密度向上に有効である。ただし、常電導
体の分散量が多いと超電導体の有効断面積が低下するた
め、その分散量は1〜9Vol%が望ましい。またこの
常電導体が超電導体の前駆体となる非晶質体あるいは過
飽和固溶体から超電導体共に微細析出することが望まし
い。なお常電導体は寸法が約50nmで、分散間隔が1
00nm以下であることが臨界電流密度の向上に好適で
ある。分散させる常電導体は超電導体を構成する元素か
らなる、単一元素の析出物あるいはこれらからなる合金
または化合物でも良い。あるいは超電導体を構成する元
素と平衡状態では固溶しない他の元素を、機械的合金化
手法によって超電導体を構成する元素と共に非晶質化あ
るいは過飽和固溶体化させた前駆体を用いて線材化し、
平衡熱処理によって、超電導体と共に添加した他の元素
を超電導体中に微細析出させることも有効である。また
超電導体内部に分散させる常電導体を酸化物粒子とし、
超電導体を生成させる前駆体を金属シースに充填する工
程に先立って、この前駆体に酸化物粒子を混合させるこ
とも有効である。
【0018】なお超電導体を生成させる非晶質化あるい
は過飽和固溶体化させた超電導体を構成する元素からな
る前駆体を作製する方法として、該元素の粉末を機械的
合金化手法及びこれらからなる溶湯あるいは融点付近の
高温域から急冷する手法を適用することが好適である。
機械的合金化手法で作製した前駆体粉末の表面酸化を除
去する方法として水素気流中で熱処理した後、真空中で
脱水素処理することもできる。ただしこれら前処理のた
めの熱処理は該前駆体中に超電導体が生成しないような
比較的低い温度範囲が望ましい。
【0019】これら超電導体を生成させる前駆体を長尺
線材化するための金属シース材としては、電気的・熱的
伝導性に優れた銅及び銅合金あるいはアルミニウム等を
用いることが好適である。なお前駆体より超電導体を生
成させる熱処理において該前駆体とこれら金属シースと
の界面に反応が生じ、超電導線材の特性を劣化させる恐
れがある場合には該前駆体とこれら金属シースとの間に
NbやTa等の加工性に富み、かつ高融点な金属を中間
層として設けることも有効である。
【0020】また、非結晶体や過飽和固溶体等の非平衡
体を金属シースに充填して線材加工した複合多芯線を熱
処理する方法として、通常の真空あるいは不活性ガス中
の熱処理の他に、線材内部の緻密化と焼結性の向上を図
るために熱間等方加工熱処理を用いることも有効であ
る。
【0021】
【作用】以下にその詳細を説明する。本発明で得られる
超電導体は非晶質体や過飽和固溶体等の非平衡体から成
る前駆体から生成したものであるためその結晶粒が非常
に微細であり、かつ前駆体の組成を超電導体の化学量論
組成に制御することによって、得られる超電導体は高い
臨界磁界と臨界電流密度を有するようになる。非晶質体
とは、特定な結晶格子を組まない非晶質相や、A3Bの
組成式で表わされる元素からなる化合物のA元素の結晶
格子中にB元素が過飽和に固溶した過飽和固溶体等を示
し、A3Bの溶湯を急冷することによって得られるよう
な自由エネルギーの高い相を示す。
【0022】なおこれら前駆体から超電導体を生成させ
るための熱処理は、その組成が化学量論組成の付近で、
かつ結晶粒が微細であるような条件に留める必要があ
る。即ち、熱処理温度が高い、あるいは時間が長すぎる
と、生成した化学量論組成を有する超電導体がさらに安
定な組成比が異なる相へと変化すると共に、その結晶粒
が粗大化してしまうからである。また超電導体を生成さ
せるための熱処理は前駆体が完全に超電導相となるまで
実施するのではなく、前駆体が超電導体へと結晶化する
中間相が一部含まれた状態で留めても良い。これによ
り、非常に微細な結晶粒からなる超電導体が得られる。
ただしその結晶化が不十分では超電導特性が良くなく、
特に臨界電流性能が高くできないため、前駆体が超電導
体へと結晶化する中間相の割合は、体積占有率で約0.
5〜10 %が望ましい。 また超電導体中に常電導相
を微細分散させることによって、常電導相が磁束ピン止
め点となり高磁界中における臨界電流密度がさらに高く
なる。
【0023】特にNb−Al系において非晶質体の組成
をNb−30at%AlからNb−50at%Alとすることによっ
て、超電導体を生成させる熱処理において過剰なAl組
成が起因となってNb2Al 等の常電導析出物が微細析
出するため、この析出物を磁束ピン止め点として利用す
るのは特に有効である。
【0024】なおこれら発明がもたらす超電導体の高磁
界特性改善効果はNb3Al 系にとどまらず、Nb3
n 系等のA15型超電導化合物やNbN等のB1型超
電導体,PoMo6S8 等のシェブレル型超電導体、さらにN
bTi等の合金系の超電導体への適用も可能である。
【0025】また本発明において非平衡相から成る超電
導体の前駆体を合成する方法に機械的合金化法を適用す
るとNbとAl等の金属元素を溶解法を用いずに合金化
できるため、その組成制御が容易である。即ち溶解法で
はNbとAlの融点が大きく異なるため、高温加熱時に
Alが蒸発し、合金組成が仕込み組成と一致しない。し
かし本発明では密閉容器内で溶融を経ないで原料粉末合
金化できるため、合金組成が仕込み組成と一致する。
【0026】なお機械的に合金化したNb−Al系粉末
は非常に活性な状態であり表面酸化が懸念される場合に
は、該粉末を水素雰囲気中で熱処理した後、再び真空雰
囲気中で脱水素化熱処理することにより、表面酸化を除
去できる。
【0027】なお本発明で得られる超電導結晶粒は析出
によって生成しているため、非晶質あるいは過飽和固溶
体の前駆体から超電導相が直接生成しており、拡散反応
によって得られる超電導フィラメントのようにNbとA
lの複合体界面にNbSn3 やNb2Al 等の組成比の
異なる化合物の生成を経ることがなく、そのような化合
物も存在しない。したがって超電導フィラメント部の組
成はその半径方向に均一であり、フィラメントの全域に
おいて優れた超電導特性を有することができる。なお本
作用はNbとNb−Sn合金を拡散反応させるNb3
n 系超電導線材等においても同様である。
【0028】本発明による超電導線材は高い磁場中で優
れた臨界電流特性を有するため、この線材をコイル状に
巻線した超電導マグネットを、該超電導マグネットを励
磁させる電源や液体ヘリウム容器であるクライオスタッ
トとともに用いることによって、高い磁界を発生できる
超電導マグネット装置を製作できる。また、この超電導
マグネットの内部空間に高周波空洞と導波管等を設ける
ことによって対象物件に電磁波を照射する電磁発射ユニ
ットを有する核磁気共鳴装置を製作することもできる。
【0029】
【実施例】以下に本発明の実施例をあげ詳細に説明す
る。
【0030】実施例1 粒径40μmのNb粉末と粒径20μmのAl粉末を原
子比がNb:Al=3:1となるように秤量(Nb〜1
4.88g,Al〜1.44g)し、メノウ製のボールミ
ル容器にメノウ製のボールと共に高純度Arガス中で封
入した。ボールミル容器の内容積は250ccで、ボー
ル重量は163g、ボールと原料粉末の重量はボール:
粉末=10:1とした。このボールミル容器を遊星型ボ
ールミルに設置して、ポットの回転数が約400rpm
の条件下で、55時間にわたって混合・粉砕した。その
後、高純度Arガス雰囲気のグローブボックス中で、混
合・粉砕されたNbとAlの粉末を取り出した。得られ
た粉末の結晶相をX線回折によって同定したところ、N
bの回折線のみが測定され、25at%のAlが過飽和
に固溶した非平衡なNbであることが確認された。
【0031】得られた粉末を外径7mm,内径5mm,
長さ300mmのNbパイプに充填して両端を封じた。
粉末充填は高純度Arガス雰囲気のグローブボックス中
で作業した。このNbパイプの外側にさらにCuパイプ
を被せて静水圧押出し加工した後、減面加工して細線化
した。細線化された線材を7本束ねて再び銅パイプに挿
入し減面加工した。得られた線材を石英管内にアルゴン
封入し、900℃で5時間の熱処理をした。線材内部の
充填物の結晶相を微小部X線回折で同定したところ、非
平衡な過飽和固溶体にNb3Al 超電導化合物が析出し
たことが確認された。析出した化合物の平均粒径は約5
0nmで、フィラメント径は約100μmであった。こ
の超電導線材の臨界電流密度は315A/mm2(温
度:4.2K,磁場:20T)で高磁場中で良好な特性が得
られた。
【0032】なお、粉末を最初に充填するシース材を銅
とした場合には熱処理時に、充填物のNb−Alと銅が
反応して超電導体の性能が低下したため、その臨界電流
密度は153A/mm2 にとどまった。なお粉末を充填
するシース材をTaとした場合には、その加工性や熱処
理後の超電導特性に大きな変化はなく、Nbシースとほ
ぼ同様の結果が得られた。
【0033】実施例2 Nb粉とAl粉を原子比がNb:Al=3:1となるよ
うに秤量(Nb〜2.97g,Al〜0.29g)し、実
施例1と同様な方法で、ボールと原料粉末の重量をボー
ル:粉末=50:1と変化させて混合・粉砕した。本方
法で得られた粉末の結晶性をX線回折によって同定した
ところ、25at%のAlが過飽和に固溶した非平衡な
Nbの弱い回折線が一部測定された他は、非晶質に近い
結晶相であることが確認された。
【0034】得られた粉末を実施例1.と同様な方法で
線材加工した後、線材を石英管内にアルゴン封入し、9
00℃で5時間の熱処理した。線材内部の充填物の結晶
相を微小部X線回折で同定したところ、非晶質体に超電
導化合物が生成析出したことが確認された(図1)。析
出した化合物の平均粒径は約30nmであった。この超
電導線材の臨界電流密度は290A/mm2(温度:4.
2K,磁場:20T)で高磁場中で良好な特性が得られ
た。
【0035】また、減面加工された線材を異なる条件下
で熱処理し、超電導相の生成量やその臨界電流密度との
関係を調べた。その結果、処理時間を24hと一定にし
た場合には、処理温度が720℃では超電導相の体積割
合が70%程度で、臨界電流密度を120A/mm2
あるのに対し、750℃では同割合が90%になり臨界
電流密度も250A/mm2 と高くなった。なお超電導
相と非晶質体あるいは非晶質体が超電導体となる中間相
の体積割合は、線材内部に充填・加工された粉末の内部
組織を透過型電子顕微鏡で観察した評価した面積比から
推定した。
【0036】実施例3 粒径40μmのNb粉末と粒径20μmのAl粉末及び
粒径20μmのGe粉末を原子比がNb:Al:Ge=
3:0.75:0.25となるように秤量し、実施例1と
同様な方法で混合・粉砕した。ボールと原料粉末の重量
はボール:粉末=10:1とした。得られた粉末の結晶
相をX線回折によって同定したところ、Nbの回折線の
みが測定され、20at%のAl及び5at%のGeが
過飽和に固溶した非平衡なNbであることが確認され
た。
【0037】得られた粉末を実施例1と同様な方法で線
材加工した。この線材を石英管内にアルゴン封入し、9
50℃で1時間の熱処理した。
【0038】線材内部の充填物の結晶相を微小部X線回
折で同定したところ、非平衡な過飽和固溶体にNb3(A
l,Ge)超電導化合物が析出したことが確認された。
この超電導線材の臨界電流密度は345A/mm2(温
度:4.2K,磁場:20T)で高磁場中で良好な特性
が得られた。
【0039】また本実施例におけるボールと原料粉末の
重量はボール:粉末=50:1とした場合には非晶質粉
末が得られ、同様の線材加工と熱処理によって臨界電流
密度は333A/mm2(温度:4.2K,磁場:20
T)の特性が得られた。
【0040】実施例4 粒径40μmのNb粉末をメノウ製のボールミル容器に
メノウ製のボールと共に窒素雰囲気ガス中で封入した。
この時のボール重量は163g、ボールとNb粉末の重
量はボール:粉末=50:1とした。このボール・ミル
容器を遊星型ボール・ミルに設置して、ポットの回転数
が約400rpm回転の条件下で窒素ガスを充填しなが
ら30時間にわたって混合した。本方法で得られた粉末
の結晶相をX線回折によって同定したところ、非常に弱
いNbの結晶性ピ−クを含んだ非晶質であることが確認
された。なおこの粉末を組成分析したところ約50at
%の窒素を含有していた。得られた粉末を実施例1と同
様に線材加工した。この線材を約900℃で1時間の熱
処理をした。線材内部の充填物の結晶性を微小部X線で
同定したところ、NbNであることが確認された。この
超電導線材の臨界電流密度は200A/mm2(温度:
4.2K,磁場:20T)であった。
【0041】実施例5 粒径40μm程度のPb,Mo及びMo硫化物の粉末を
原子比がPb:Mo:S=1.1:6:7.8になるよう
に秤量し、実施例1と同様な方法で混合・粉砕した。ボ
ールと原料粉末の重量はボール:粉末=50:1とし
た。得られた粉末の結晶相をX線回折によって同定した
ところ、非晶質相であることが確認された。得られた粉
末卯を実施例1と同様な方法で線材加工した。この線材
を石英管内にアルゴン封入し、950℃で1時間の熱処
理した。線材内部の充填物の結晶相を微小部X線回折で
同定したところ、非晶質体にPb:Mo68超電導化合
物が析出したことが確認された。この超電導線材の臨界
電流密度は350A/mm2 (温度:4.2K,磁場:
20T)で高磁場中で良好な特性が得られた。
【0042】実施例6 粒径40μmのNb粉末と粒径20μmのAl粉末を原
子比がNb:Al=3:2となるように秤量(Nb〜1
4.88g,Al〜2.88g)し、実施例1と同様な方
法で混合・粉砕した。ボールと原料粉末の重量はボー
ル:粉末=50:1とした。得られた粉末の結晶相をX
線回折によって同定したところ、非常に弱いNbの回折
線が一部測定された他は非晶質に近い結晶相であること
が確認された。
【0043】得られた粉末を実施例1と同様な方法で線
材加工した。この線材を石英管内にアルゴン封入し、9
50℃で5時間の熱処理をした。線材内部の充填物の結
晶相を微小部X線回折で同定したところ、非晶質体より
Nb3Al 超電導化合物と常電導体Nb2AL が析出し
たことが確認された。この超電導線材の臨界電流密度は
315A/mm2(温度:4.2K,磁場:20T)で高
磁場中で良好な特性が得られた。
【0044】実施例7 Nb粉とSn粉をその原子混合比が3:1となるように
秤量し実施例1と同様な方法で、混合・粉砕した。ボー
ルとNb粉末の重量はボール:粉末=50:1とした。
本方法で得られた粉末の結晶相をX線回折によって同定
したところ、非晶質に近い結晶相が得られたことが確認
された。
【0045】得られた粉末を実施例1と同様な方法で線
材加工した。この線材を石英管内にアルゴン封入し、9
00℃で5時間の熱処理した。線材内部の充填物の結晶
相を微小部X線回折で同定したところ、非晶質体に超電
導化合物が生成析出したことが確認された。析出した化
合物の平均粒径は約30nmであった。この超電導線材
の臨界電流密度は240A/mm2(温度:4.2K,磁
場:20T)で高磁場中で良好な特性が得られた。
【0046】実施例8 粒径40μmのNb粉末と粒径20μmのAl粉末を原
子比がNb:Al=3:1となるように秤量し、さらに
粒径1μm程度のSiO2 粉末をNbとAlの混合体の
3vol.%の割合で添加した粉末を、実施例1と同様
な方法で混合・粉砕した。ボールと原料粉末の重量はボ
ール:粉末=10:1とした。本方法で得られた粉末の
結晶相をX線回折によって同定したところ、25at%
のAlが過飽和に固溶した非平衡なNbと添加したSi
2の弱いピ−クが測定された。得られた粉末を実施例
1と同様な方法で線材加工した。この線材を石英管内に
アルゴン封入し、900℃で5時間の熱処理した。線材
内部の充填物の結晶相を微小部X線回折で同定したとこ
ろ、超電導体が生成析出し、添加したSiO2 粒子と共
存したことが確認された。析出した化合物の平均粒径は
約30nmであった。またSiO2 粉末は粒径が約40
nm程度にまで微細化され、超電導層の中に均一に分散
していた。この超電導線材の臨界電流密度は340A/
mm2(温度:4.2K,磁場:20T)であった。なお
臨界電流特性とSiO2添加量の関係を調べたところ、
添加量が増えるに従って特性は向上するが熱処理後のS
iO2 の体積比が10%を越えると特性が逆に低下する
傾向が見られた。なお臨界電流特性は同体積比が0%で
315A/mm2、5%で330A/mm2、10%で3
40A/mm2、15%で275A/mm2であった。
【0047】実施例9 実施例3と同様な方法で作製された熱処理前の線材をコ
イル状に巻線して、超電導マグネットを作製した(図
2)。作製工程を以下説明する。線材表面に石英繊維を
編組して絶縁を施した後、ステンレス製ボビンに巻き付
けた。コイル緒元は内径40mm,外形100mm,タ
ーン数4800である。作製されたコイルを950℃,
1hの熱処理した後、エポキシ樹脂を真空含浸させた。
このコイルを18Tの磁場が発生できる超電導マグネッ
ト内に配置し、液体ヘリウム中で励磁したところ、18
Tの磁場中で超電導状態を保持した状態で作製したコイ
ル内部に最大20Tの磁場が発生でき、優れた性能を有
することが確認された。
【0048】
【発明の効果】本発明により、超電導フィラメントが安
定化金属に多数本内蔵されて電磁気的に安定で、かつ超
電導部の組成が化学量論組成で高臨界磁界を有し、結晶
粒が微細で高臨界電流密度を併せもつ超電導線材を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による多芯構造超電導線材のフィラメン
ト部における回折角と回折強度の関係図。
【図2】本発明による超電導線材を用いた超電導励磁装
置の概略図。
【符号の説明】
1…超電導コイル、2…クライオスタット、3…電源。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 多田 直文 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化合物超電導体を構成する少なくとも2種
    以上の元素からなる非平衡相の前駆体から生成した該超
    電導体とを含有し、これらを金属シース中に複数本内蔵
    したことを特徴とする化合物超電導線材。
  2. 【請求項2】化合物超電導体を構成する少なくとも2種
    以上の元素からなる該超電導体がフィラメント形状をと
    り、かつ超電導フィラメント部の組成がフィラメント全
    域にわたって均一であることを特徴とする化合物超電導
    線材。
  3. 【請求項3】化合物超電導体を構成する少なくとも2種
    以上の元素からなる該非晶質体を熱処理して結晶化した
    超電導体を、金属シース中に複数本内蔵したことを特徴
    とする化合物超電導線材。
  4. 【請求項4】化合物超電導体を構成する少なくとも2種
    以上の元素からなる該非晶質体を熱処理して生成した超
    電導体と、該非晶質体あるいは該非晶質体が超電導体へ
    と結晶化する中間相を体積率で0.5〜9 %の範囲で含
    有する超電導体を、金属シース中に複数本内蔵すること
    を特徴とする化合物超電導線材。
  5. 【請求項5】化合物超電導体を構成する少なくとも2種
    以上の元素からなる該固溶体を熱処理して析出した超電
    導体を、金属シース中に複数本内蔵したことを特徴とす
    る化合物超電導線材。
  6. 【請求項6】化合物超電導体を構成する少なくとも2種
    以上の元素からなる該固溶体を熱処理して析出した超電
    導体と、該固溶体あるいは該固溶体が超電導体へと変化
    する中間相を体積率で0.5〜9 %の範囲で含有する超
    電導体を、金属シース中に複数本内蔵したことを特徴と
    する化合物超電導線材。
  7. 【請求項7】化合物超電導体を構成する少なくとも2種
    以上の元素からなる該非晶質体あるいは該固溶体の前駆
    体を熱処理して生成した超電導体と、該熱処理の工程に
    おいて超電導体と反応してその電気的特性を劣化させな
    い常電導体を該超電導体内部に体積率で1〜9%の範囲
    で含有する超電導体を、金属シース中に複数本内蔵する
    ことを特徴とする化合物超電導線材。
  8. 【請求項8】請求項1〜7において、上記非晶質体ある
    いは固溶体より生成した超電導相の組成が、その結晶構
    造から算出される化学量論組成に近似しており、かつそ
    の結晶粒径が5〜100nmであることを特徴とする化
    合物超電導線材。
  9. 【請求項9】請求項1〜7において、前記超電導体がA
    xyなる式で表されるA15型化合物で、AはNb,V
    等のVa族から選ばれた少なくとも1種の金属、BはA
    l,Ge,Si,Ga等のIIIb及びIVb 族から選ばれ
    た少なくとも1種の金属であり、x,yは0.73≦x
    ≦0.78,0.22≦y≦0.27なる範囲にあること
    を特徴とする化合物超電導線材。
  10. 【請求項10】請求項1〜7において、前記超電導体が
    xyz なる式で表されるA15型化合物で、AはN
    b、BはAlで、CはGeあるいはSiから選ばれた少
    なくとも1種の金属であり、x,y,zは0.73≦x
    ≦0.78,0.15≦y≦0.22,0.3≦z≦0.10な
    る範囲にあることを特徴とする化合物超電導線材。
  11. 【請求項11】請求項1〜7において、前記超電導体が
    ABxyなる式で表されるB1型化合物で、AはNb等
    のVa族、BはNで、CはCであり、x,yは0.05
    ≦x≦0.5,0.5≦y≦0.95 なる範囲にあること
    を特徴とする化合物超電導線材。
  12. 【請求項12】請求項1〜7において、前記超電導体が
    xyz なる式で表されるシュブレル型化合物で、A
    はPd、BはMoで、CはSであり、x,y,zは0.
    9 ≦x≦1.2,5.5≦y≦6.5,7.5≦z≦8.5
    なる範囲にあることを特徴とする化合物超電導線材。
  13. 【請求項13】請求項1〜7において、前記超電導体が
    xyなる式で表されるA2型化合物で、AはNb、B
    はTi,Zr,Hfから選ばれた少なくとも1種の金属
    であり、x,yは0.5≦x≦0.7,0.3≦y≦0.5
    なる範囲にあることを特徴とする化合物超電導線材。
  14. 【請求項14】請求項1〜7において、前記非晶質体の
    組成が該超電導体の化学量論組成と近似していることを
    特徴とする化合物超電導線材。
  15. 【請求項15】請求項7において、上記常電導体の寸法
    が約10〜50nmで、分散間隔が10〜100nmで
    あることを特徴とする化合物超電導線材。
  16. 【請求項16】請求項7において、前記超電導体と共存
    する常電導体が、該超電導体を構成する元素からなるこ
    とを特徴とする化合物超電導線材。
  17. 【請求項17】請求項7において、前記超電導体と共存
    する常電導体が、該超電導体を構成する元素と平衡状態
    で固溶しないことを特徴とする化合物超電導線材。
  18. 【請求項18】請求項7において、前記超電導体と共存
    する常電導体が、酸化物粒子であることを特徴とする化
    合物超電導線材。
  19. 【請求項19】請求項1〜7において、超電導フィラメ
    ントを内蔵する金属シースが銅及び銅合金であることを
    特徴とする化合物超電導線材。
  20. 【請求項20】請求項1〜7において、超電導フィラメ
    ントと金属シースの界面にNbあるいはTa等の該金属
    シースとは異なる他の金属からなる中間層を設けたこと
    を特徴とする化合物超電導線材。
  21. 【請求項21】化合物超電導体を構成する少なくとも2
    種以上の元素粉末を機械的合金化手法によって混合し非
    晶質化あるいは固溶体化させた粉末を金属シースに充填
    して減面加工して作製された細線を複数本金属シース中
    挿入して再び減面加工する工程を複数回繰り返すことに
    よって得られた複合多芯線を、最終工程で熱処理するこ
    とによってフィラメント状の該非平衡中に超電導層を生
    成させたことを特徴とする化合物超電導線材の製造方
    法。
  22. 【請求項22】化合物超電導体を構成する少なくとも2
    種以上の元素からなる合金溶湯から急冷することによっ
    て得られる非晶質体あるいは固溶体を金属シースに充填
    して減面加工して作製された細線を複数本金属シース中
    挿入して再び減面加工する工程を複数回繰り返すことに
    よって得られた複合多芯線を、最終工程で熱処理するこ
    とによってフィラメント状の該非平衡中に超電導層を生
    成させたことを特徴とする化合物超電導線材の製造方
    法。
  23. 【請求項23】化合物超電導体を構成する少なくとも2
    種以上の元素からなる非晶質体あるいは固溶体の前駆体
    から熱処理によって生成し、上記非晶質体あるいは固溶
    体に酸化物粒子を添加して混合した後、金属シースに充
    填して減面加工した後、熱処理することによって作製す
    ることを特徴とする化合物超電導線材の製造方法。
  24. 【請求項24】請求項21において、機械的合金化手法
    によって得られた粉末を金属シースに充填する工程に先
    立って水素気流中で250〜500℃の温度温度で熱処
    理した後、真空中で脱水素熱処理することを特徴とする
    化合物超電導線材の製造方法。
  25. 【請求項25】請求項21及び22において、上記非晶
    質体あるいは固溶体の粉末を金属シースに充填して減面
    加工した後に施す、熱処理条件が不活性ガス中であり、
    かつ温度は600〜1000℃の温度範囲であることを
    特徴とする化合物超電導線材の製造方法。
  26. 【請求項26】少なくとも2種類以上の元素から成る化
    合物超電導体が該超電導体の構成元素から成る非結晶質
    体あるいは固溶体から熱処理によって生成した状態でフ
    ィラメント状態を取り金属シースに他数本内蔵された超
    電導線材をコイル状に巻線した超電導マグネットと、該
    超電導マグネットを駆動させる電源と、該超電導マグネ
    ットを低温冷媒に浸積するためのクライオスタットとか
    ら構成されたことを特徴とする超電導励磁装置。
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