JPH05143960A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH05143960A
JPH05143960A JP3169367A JP16936791A JPH05143960A JP H05143960 A JPH05143960 A JP H05143960A JP 3169367 A JP3169367 A JP 3169367A JP 16936791 A JP16936791 A JP 16936791A JP H05143960 A JPH05143960 A JP H05143960A
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和広 岡本
Hitoshi Watanabe
仁 渡辺
Hikoyoshi Momoi
彦佳 桃井
Taro Sasaki
太郎 佐々木
Katsuko Watanabe
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁性粉末として用いられる強磁性金属粉末の
耐酸化性の向上を図り、磁気記録媒体の耐候性を改善す
る。 【構成】 非磁性支持体上に強磁性金属粉末と結合剤と
からなる磁性塗料を塗布、乾燥して磁性層を形成する。
この時、上記強磁性金属粉末として、そのBET比表面
積と比重の積Aが150〜350、より好ましくは15
0〜270、且つその針状比が5〜20であるものを使
用する。また、この強磁性金属粉末と結合剤の重量比が
5〜6.5となるように配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性粉末として強磁性
金属粉末を用いた塗布型の磁気記録媒体に関し、特に耐
候性に優れた磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、塗布型の磁気テープや磁気ディス
ク等の磁気記録媒体においては、高画質化等を図るため
に、より一層の高記録密度化が要求されている。この高
記録密度化に伴い、鉄又は鉄を主体とする金属磁性粉末
が広く用いられるようになり、その微細化が活発に進め
られている。このように微細化された金属磁性粉末を用
いることで、高記録密度化や高周波帯域における優れた
電磁変換特性が達成される。
【0003】ところが、鉄又は鉄を主体とする金属磁性
粉末は、本質的に錆易く、また酸化されやすい特性を有
しており、このような性質は磁性粉末の微細化が進めら
れるに従って、ますます強くなる傾向にある。このた
め、この金属磁性粉末を磁気記録媒体の磁性粉末として
用いる場合には、金属磁性粉末の保存中、或いは結合剤
や有機溶剤等との組合せによる塗料化の工程中、更には
ポリエステルフィルムなどの非磁性支持体上に塗布して
シート化した後、所定の雰囲気や温度、湿度等の条件下
での保管中に、主として酸素やある種のガス及び水分等
の影響による酸化が進行して、飽和磁化や保磁力等の磁
気特性が劣化するという問題が起こる。更に、このよう
な現象は、磁気記録媒体の残留磁束密度の低下をもたら
し、結果として出力特性が劣化してしまう。
【0004】この問題に対して、鉄に比べて優れた耐酸
化性を示すCo,Ni等の合金化やAl及び/又はSi
等の軽金属酸化物層を金属磁性粉末の表面に形成するこ
とにより、耐食性の向上を図る技術が検討されている。
或いは、最近では、低分子有機物を上記金属磁性粉末の
表面に吸着させる方法等についても研究が進められてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようにある種の金属元素の合金化や軽金属酸化物層を形
成する方法、或いは金属磁性粉末の表面を低分子有機物
で覆う方法では、金属磁性粉末の酸化を抑え磁気特性の
経時劣化を防ぐ上で必ずしも十分なものとは言い難い。
また、処理の方法によっては、表面処理すること自体が
磁気特性の劣化をもたらす場合や塗料化の際の分散性の
低下をきたす虞れがある。
【0006】そこで、本発明はこのような実情に鑑みて
提案されたものであって、磁性粉末として用いられる強
磁性金属粉末の耐酸化性の向上を図り、耐候性に優れた
磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述の目
的を達成せんものと鋭意研究の結果、強磁性金属粉末の
BET比表面積と比重の積の範囲を規定することによっ
て何ら表面処理を施さなくとも耐酸化性に優れた強磁性
金属粉末が実現され、この強磁性金属粉末を磁性粉末と
して用いることにより、磁気記録媒体の耐候性が向上す
ることを見出し、本発明を完成するに至ったものであ
る。
【0008】即ち、本発明は、非磁性支持体上に強磁性
金属粉末と結合剤とを主体とする磁性層が形成されてな
る磁気記録媒体において、上記強磁性金属粉末のBET
比表面積と比重の積が150以上、350以下であり、
且つ針状比が5以上、20以下であることを特徴とする
ものである。
【0009】磁気記録媒体の磁気特性の経時的劣化を防
止するとともに、耐候性を向上を達成するためには、用
いられる磁性粉末に対して、概念的に高密度の金属鉄核
の形成及びそれを取り巻く緻密で均一な酸化鉄層の形成
が不可欠とされる。そして、これらの条件を満足する強
磁性金属粉末を使用すれば、高耐候性を有する磁気記録
媒体を得ることができる。
【0010】上述のような概念を数値的に表現すると、
下記の(1) 式のようになる。
【0011】
【数1】
【0012】即ち、上記(1) 式中のBET比表面積は
〔m2 /g〕なる次元を有する値であり、一方比重は真
比重をもって表され〔g/cc〕なる次元を有する値で
あるから、これらの積によって与えられる基準値A〔m
2 /cc〕は、単位体積当たりの比表面積を表している
と言える。ここで、強磁性金属粉末の表面が平滑で一様
であれば、BET比表面積は小さく、比重は一般に大き
くなる。この場合、耐候性の向上に有効となる。逆に、
表面に凸凹や細孔を有し不均一な強磁性金属粉末では、
BET比表面積は大きく、比重は小さくなり、良好な効
果は期待できない。
【0013】仮に、BET比表面積と比重が反比例する
ものであれば、上記基準値Aは一定となるが、実際には
これらは反比例しておらず、ある限定された値をとる時
のみ、耐候性の向上が見られることが本発明者等の実験
結果から明らかにされた。
【0014】図1は、上記基準値Aの異なる強磁性金属
粉末を用い、これら強磁性金属粉末を湿度90%、温度
60℃の環境下で1週間放置した後の初期値に対する飽
和磁化σS の劣化率と上記基準値Aの関係を示すもので
ある。図1より明らかなように、強磁性金属粉末のBE
T比表面積と比重の積が150〜350m2 /ccであ
る時、飽和磁化σS の劣化率は非常に小さくなり、更に
150〜270m2 /ccの範囲では、飽和磁化σS
劣化率が一層低下する。従って、上記基準値Aの限定さ
れるべき範囲は、150≦A≦350(m2 /cc)と
され、より好ましくは150≦A≦120(m2 /c
c)とされる。基準値Aが上記範囲から外れると、十分
な耐候性が得られなくなる。
【0015】また、上述したように、上記基準値Aは単
位体積当たりの比表面積であり、別の表現を用いれば、
粒子の(表面積)/(体積)値を示すものである。従っ
て、この基準値Aは粒子の形状に強く依存し、例えばこ
の基準値Aの最小値は、粒子の形状が球状である時に実
現される。但し、従来から知られているように、強磁性
金属粉末の保磁力は、粒子の形状異方性に起因する。従
って、高保磁力を実現するためには、適切な針状比L/
Wを有することが必須条件であり、本発明においては5
≦L/W≦20の範囲であることが必要とされる。強磁
性金属粉末の針状比が上記範囲から外れると、良好な保
磁力を確保することができず、更に強磁性金属粉末の針
状比が20より大きい場合には、塗料化する際に分散性
が著しく低下してしまい、実用上採用できない。
【0016】以上のように、高耐候性を有し、且つ磁気
記録媒体としてふさわしい磁気特性を有する強磁性金属
粉末の条件として、磁気記録媒体基準値Aを限定すると
同時に、針状比の限定も必要となる。このような条件を
満足する強磁性金属粉末を磁性粉末として用いることに
より、耐候性に優れた磁気記録媒体が得られる。上記強
磁性金属粉末としては、Fe、Co、Ni等の強磁性金
属材料や、Fe−Co、Fe−Ni、Fe−Co−N
i、Co−Ni、Fe−Mn−Zn、Fe−Ni−Z
n、Fe−Co−Ni−Cr、Fe−Co−Ni−P、
Fe−Co−B、Fe−Co−Cr−B、Fe−Co−
V等のFe、Co、Niを主成分とする各種強磁性合金
材料からなる強磁性金属粉末が使用可能とされ、更にこ
れらの種々の特性を改善する目的でAl、Si、Ti、
Cr、Mn、Cu、Zn、Mg、P等の元素が添加され
たものであっても良い。
【0017】本発明においては、上記強磁性金属粉末を
結合剤や有機溶剤、各種添加剤等とともに混練して塗料
塗料を調製し、この磁性塗料を非磁性支持体上に塗布、
乾燥することにより磁性層が形成される。ところで、こ
のような磁気記録媒体は、例えばハードディスクのバッ
クアップ等に用いられる磁気テープ等としても好適であ
り、メタルテープを用いたR−DATカセットや8ミリ
ビデオカセットを用いたDDSやD−8等の所謂データ
ストレージ用メディア等としての使用が可能である。
【0018】そして、この種の磁気テープにおいては、
ギガバイト級の大容量化が要求されるとともに、特にデ
ータストレージ用メディア等については、過酷な状況で
の使用を要求されるために高い信頼性、長期保存安定性
が強く要求される。従って、耐錆性の改善や大容量化に
伴う電磁変換特性の向上は重要な課題である。
【0019】そこで、塗料塗料を調製する際に、上記強
磁性金属粉末と結合剤の重量比が5〜6.5となるよう
に配合されることが望ましい。強磁性金属粉末と結合剤
の重量比を上記範囲内に制御することにより、強磁性金
属粉末のまわりに存在する結合剤の量を良好に調節する
ことができ、耐候性,耐久性の向上が図られるととも
に、良好な走行性を確保することができる。
【0020】なお、上記結合剤や有機溶剤、各種添加剤
としては、通常の磁気記録媒体に用いられるものがいず
れも使用可能である。また、本発明においては、耐候性
の向上を更に強化する目的で、上記強磁性金属粉末に対
して、例えば鉄に比べて優れた耐酸化性を示すCo,N
i等の合金化やAl及び/又はSi等の軽金属酸化物表
面層の形成、或いは低分子有機物による表面処理等、従
来公知とされる技術を併用しても何ら不都合は生じな
い。この場合、シランカップリング剤により上記強磁性
金属粉末の表面を被覆する方法が好適である。
【0021】
【作用】BET比表面積と比重の積Aが150≦A≦3
50(m2 /cc)、より好ましくは150≦A≦12
0(m2 /cc)なる範囲にある強磁性金属粉末は、高
密度の金属鉄核を有し、更にそれを取り巻いて緻密で均
一な酸化鉄層が形成された状態にあり、何ら表面処理を
施さなくとも良好な耐酸化性を有する。
【0022】また、上記強磁性金属粉末の針状比L/W
を5≦L/W≦20の範囲とすることにより、良好な保
磁力が得られる。従って、上記強磁性金属粉末のBET
比表面積と比重の積Aを限定すると同時に、針状比を限
定すれば、高耐候性を有し、且つ磁気記録媒体としてふ
さわしい磁気特性を有する強磁性金属粉末が得られる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例により説明す
るが、本発明がこの実施例に限定されるものでないこと
は言うまでもない。実施例1 本実施例は、BET比表面積と比重の積が295m2
ccで、且つ針状比が12である強磁性金属粉末Aを磁
性粉末として用いた例である。なお、この強磁性金属粉
末Aの諸特性は、下記の表1に示す通りである。
【0024】
【表1】
【0025】先ず、上記強磁性金属粉末Aを湿度90
%、温度60℃の環境下で1週間放置した後、飽和磁化
σS を測定し、その劣化率を調べた。この結果、1週間
放置後の飽和磁化σS は99emu/gであり、飽和磁
化σS の劣化率は僅か19%に止まっており、良好な耐
候性を示すことが確認された。
【0026】この強磁性金属粉末Aを用いて、以下の組
成に従って磁性塗料を調製した。
【0027】 磁性塗料の組成 強磁性金属粉末A 100重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10重量部 ポリウレタン樹脂 10重量部 カーボン 3重量部 Al2 3 2重量部 メチルエチルケトン 100重量部 トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 50重量部 得られた磁性塗料を非磁性支持体上に塗布、乾燥して磁
性層とした、通常の手法により磁気テープを作製した。
【0028】実施例2 表1に示すようにBET比表面積と比重の積が244m
2 /ccで、且つ針状比が11である強磁性金属粉末B
を磁性粉末として用い、その他は上記実施例1と同様に
して磁気テープを作製した。なお、この強磁性金属粉末
Bについても、上述と同じ条件にて1週間放置後の飽和
磁化σS を調べたところ、1週間放置後の飽和磁化σS
は114emu/gであり、飽和磁化σS の劣化率は
7.3%と非常に小さく、極めて良好な耐候性を示すこ
とが確認された。また、この強磁性金属粉末Bの諸特性
を上記表1に併せて記した。
【0029】比較例1 表1に示すようにBET比表面積と比重の積が本発明で
規定された範囲よりも大きい強磁性金属粉末Cを用い、
その他は上記実施例1と同様にして磁気テープを作製し
た。なお、この強磁性金属粉末Cについても、上述と同
じ条件にて1週間放置後の飽和磁化σS を調べたとこ
ろ、1週間放置後の飽和磁化σS は69emu/gであ
り、飽和磁化σS の劣化率は37%と大きく、実用上好
ましくないことが明らかとなった。また、この強磁性金
属粉末Cの諸特性を上記表1に併せて記した。
【0030】以上のようにして得られた各磁気テープに
ついて、耐候性を評価するために、乾燥直後の残留磁束
密度Br、角形比Rs及び保磁力HC を測定した後、湿
度90%、温度60℃に保持した恒温恒湿槽中で1週間
保存し、再度同じ測定を行い、経時的変化を調べた。こ
れらの結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】表2に示すように、比較例1では1週間保
存後の残留磁束密度が初期値に比べて19%も低下し、
実用上問題のある結果となった。これに対して、実施例
1及び実施例2においては、磁気特性の劣化が非常に少
なく、特にBET比表面積と比重の積が244m2 /c
cである強磁性金属粉末を用いた実施例2では、残留磁
束密度の劣化率は僅か3%に止まっており、優れた耐候
性が得られることが判った。
【0033】次に、上述のような高耐候性を示す強磁性
金属粉末と結合剤との重量比P/Bを検討した。なお、
この重量比P/Bは、P/B=(強磁性金属粉末の重
量)/(結合剤の重量)とされる。実施例3 本実施例は、磁性粉末としてBET比表面積と比重の積
が244m2 /ccであるFe−Ni系金属粉末を用
い、このFe−Ni系金属粉末と結合剤の重量比が5と
なるように配合した例である。
【0034】先ず、以下の組成に従って磁性塗料を調製
した。
【0035】 磁性塗料の組成 Fe−Ni系金属粉末 100重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10重量部 ポリウレタン樹脂 10重量部 カーボンブラック 4重量部 研磨剤 4重量部 潤滑剤 2重量部 有機溶剤 240重量部 得られた磁性塗料を非磁性支持体上に塗布、乾燥して磁
性層とした、通常の手法により磁気テープを作製した。
【0036】実施例4 上記実施例3における磁性塗料の組成中、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体とポリウレタン樹脂の添加量をそれ
ぞれ9重量部ずつに変えて、上記強磁性金属粉末と結合
剤の重量比が5.5となるようにし、その他は実施例3
と同様にして磁気テープを作製した。
【0037】実施例5 上記実施例3における磁性塗料の組成中、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体とポリウレタン樹脂の添加量をそれ
ぞれ8.3重量部ずつに変えて、上記強磁性金属粉末と
結合剤の重量比が6となるようにし、その他は実施例3
と同様にして磁気テープを作製した。
【0038】実施例6 上記実施例3における磁性塗料の組成中、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体とポリウレタン樹脂の添加量をそれ
ぞれ7.7重量部ずつに変えて、上記強磁性金属粉末と
結合剤の重量比が6.5となるようにし、その他は実施
例3と同様にして磁気テープを作製した。
【0039】比較例2 上記実施例3における磁性塗料の組成中、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体とポリウレタン樹脂の添加量をそれ
ぞれ11.1重量部ずつに変えて、上記強磁性金属粉末
と結合剤の重量比が4.5となるようにし、その他は実
施例3と同様にして磁気テープを作製した。
【0040】比較例3 上記実施例3における磁性塗料の組成中、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体とポリウレタン樹脂の添加量をそれ
ぞれ7重量部ずつに変えて、上記強磁性金属粉末と結合
剤の重量比が7となるようにし、その他は実施例3と同
様にして磁気テープを作製した。
【0041】このようにして得られた各種磁気テープに
ついて、ガイドピンに対する摩擦、電磁変換特性、テー
プの傷付き及び湿度90%,温度65℃の環境下にて1
0日間保存した後の残留磁束Φ1 の初期値Φ2 に対する
減少率ΔΦを調べた。なお、ガイドピンに対する摩擦
は、スティックスリップの程度により表し、その程度に
応じて大、中、小で示した。電磁変換特性は、周波数
4.7MHzでの出力の値である。
【0042】また、残留磁束の減少率ΔΦは、下記の
(2) 式で与えられる。
【0043】
【数2】
【0044】この結果を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】表3に示すように、実施例3〜6において
は、残留磁束の減少率ΔΦが抑えられると同時に、ガイ
ドピンに対する摩擦やテープの傷付きが小さく、且つ良
好な電磁変換特性が得られていることが判った。このこ
とから、強磁性金属粉末と結合剤の重量比P/Bが5〜
6.5となるように調節することにより、良好な耐候性
を確保できるとともに、走行性や耐久性を著しく向上さ
せることができ、また優れた出力特性が得られる。これ
に対して、上記強磁性金属粉末と結合剤の重量比P/B
が小さいと、結合剤が過剰に存在するためにガイドピン
に対する摩擦が増大し、走行性が劣化してしまう。逆
に、上記強磁性金属粉末と結合剤の重量比P/Bが大き
すぎる場合には、結合剤の量が不足し、十分な耐久性を
確保することができない。
【0047】
【発明の効果】上述のように、本発明では、強磁性金属
粉末のBET比表面積と比重の積を制限することによっ
て表面が均一である状態を実現するとするとともに、こ
の強磁性金属粉末の針状比を規定しているので、良好な
磁気特性を有しつつ、且つ耐候性に優れた強磁性金属粉
末が得られる。
【0048】当然、磁性粉末の耐候性の向上は、この磁
性粉末を用いた磁気記録媒体の耐候性の向上に直接反映
されるので、上述のような強磁性金属粉末を用いれば、
高耐候性を有する有用な磁気記録媒体が得られる。ま
た、このような磁気記録媒体において、強磁性金属粉末
と結合剤の重量比を調節しているので、テープの摩擦が
抑えられ、良好な走行性を確保することができる。
【0049】従って、本発明によれば、寿命の長期化と
同時に、信頼性の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】強磁性金属粉末のBET比表面積と比重の積
と、この強磁性金属粉末を所定の環境下で1週間放置し
た後の飽和磁化σS の劣化率との関係を示す特性図であ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年4月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】図1は、上記基準値Aの異なる強磁性金属
粉末を用い、これら強磁性金属粉末を湿度90%、温度
60℃の環境下で1週間放置した後の初期値に対する飽
和磁化σの劣化率と上記基準値Aの関係を示すもので
ある。図1より明らかなように、強磁性金属粉末のBE
T比表面積と比重の積が150〜350m/ccであ
る時、飽和磁化σの劣化率は非常に小さくなり、更に
150〜270m/ccの範囲では、飽和磁化σ
劣化率が一層低下する。従って、上記基準値Aの限定さ
れるべき範囲は、150≦A≦350(m/cc)と
され、より好ましくは150≦A≦270(m/c
c)とされる。基準値Aが上記範囲から外れると、十分
な耐候性が得られなくなる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】本発明においては、上記強磁性金属粉末を
結合剤や有機溶剤、各種添加剤等とともに混練して磁性
塗料を調製し、この磁性塗料を非磁性支持体上に塗布、
乾燥することにより磁性層が形成される。ところで、こ
のような磁気記録媒体は、例えばハードディスクのバッ
クアップ等に用いられる磁気テープ等としても好適であ
り、メタルテープを用いたR−DATカセットや8ミリ
ヒデオカセットを用いたDDSやD−8等の所謂データ
ストレージ用メディア等としての使用が可能である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】そこで、磁性塗料を調製する際に、上記強
磁性金属粉末と結合剤の重量比が5〜6.5となるよう
に配合されることが望ましい。強磁性金属粉末と結合剤
の重量比を上記範囲内に制御することにより、強磁性金
属粉末のまわりに存在する結合剤の量を良好に調節する
ことができ、耐候性,耐久性の向上が図られるととも
に、良好な走行性を確保することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】BET比表面積と比重の積Aが150≦A
≦350(m/cc)、より好ましくは150≦A≦
270(m/cc)なる範囲にある強磁性金属粉末
は、高密度の金属鉄核を有し、更にそれを取り巻いて緻
密で均一な酸化鉄層が形成された状態にあり、何ら表面
処理を施さなくとも良好な耐酸化性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 太郎 東京都品川区北品川6丁目5番6号 ソニ ー・マグネ・プロダクツ株式会社内 (72)発明者 渡辺 勝子 東京都品川区北品川6丁目5番6号 ソニ ー・マグネ・プロダクツ株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性金属粉末と結合
    剤とを主体とする磁性層が形成されてなる磁気記録媒体
    において、 上記強磁性金属粉末のBET比表面積と比重の積が15
    0以上、350以下であり、且つ針状比が5以上、20
    以下であることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 強磁性金属粉末のBET比表面積と比重
    の積が150以上、270以下であることを特徴とする
    請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 強磁性金属粉末と結合剤の重量比が5〜
    6.5であることを特徴とする請求項1又は請求項2記
    載の磁気記録媒体。
JP16936791A 1991-06-14 1991-06-14 磁気記録媒体 Expired - Fee Related JP3226564B2 (ja)

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