JPH05142106A - 成分検査器具 - Google Patents

成分検査器具

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JPH05142106A
JPH05142106A JP4041987A JP4198792A JPH05142106A JP H05142106 A JPH05142106 A JP H05142106A JP 4041987 A JP4041987 A JP 4041987A JP 4198792 A JP4198792 A JP 4198792A JP H05142106 A JPH05142106 A JP H05142106A
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JP
Japan
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canula
tip
blood
positioning member
specific gravity
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Pending
Application number
JP4041987A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Katada
康之 片田
Hiromitsu Okabe
博光 岡部
Hiroshi Suzuki
宏 鈴木
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 比重針4(採取具)のカヌラー41を、規制
して横方向の位置決めをする規制部34と、前記規制部
34に位置決めされたカヌラー41をスライドさせて、
ハブ42を当接させ、カヌラー41の軸方向の位置決め
をする当接部35とを有し、試薬の上方にある滴下位置
にカヌラー41の先端411を、容易に位置決めできる
ようにした。 【効果】 検体の滴下時のカヌラーを位置機決めして、
カヌラーの揺れによる滴下位置のズレを防止し、検査作
業の効率化と、検出値の信頼性を向上させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、血液中のヘモ
グロビンを検出する際などに用いられる成分検査器具に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、輸血用の血液を採血する場合など
では、最初に供血者の血液を採取してその血液の比重を
測定し、その比重が一定の値以上である場合に採血を行
なっている。従来、血液の比重を測定する方法として
は、比重針によって採血した血液を、上記採血が可能な
血液の比重に調整された硫酸銅溶液中に滴下し、滴下さ
れた血液の浮沈みを目視確認して、採血の可否を判断し
ていた。
【0003】しかし、上記のように、血液の比重測定に
硫酸銅溶液を利用すると以下のような問題があった。つ
まり、硫酸銅溶液自体、人体に有害であり、使用後の処
理に手間が掛かる。また使用後は複数の採血者の血液が
入っており、不衛生であるとともに、使用中に硫酸銅溶
液の容器を倒してこぼしてしまう可能性があり、有害な
硫酸銅を散乱させてしまうといったトラブルが生じやす
い。
【0004】さらに、上記溶液中に漂っている血液の判
定が難しく、血液の比重測定が不正確となる。また、特
に重要な問題として、外気温の変化によって、測定結果
が大きく影響されることがある。
【0005】こうした問題があるにもかかわらず、献血
の可否判断の基準として、血液の比重測定が行なわれて
いたことは実用的かつ簡易な方法で、他に代わるべき方
法がなかったという背景がある。
【0006】ところで、献血の可否基準として、比重値
よりも、より、適当な指標は、血液中のヘモグロビン濃
度である。近年これを簡易に測定する方法として、ドラ
イケミストリー技術を応用した試験紙またはスライドが
普及してきている。
【0007】即ち、試験紙に上記比重針や注射器などか
ら血液を滴下し、例えば呈色した試験紙の反射吸光度を
測定してヘモグロビン濃度を測定する。このような測定
方法を用いる場合には、より正確な測定値を迅速に得る
ために、専用の読み取り装置が用いられる。ところが、
この読み取り装置から正確な測定値を得るためには、図
19(a)に示されているように、試験紙の予め指定さ
れた測定位置7に血液を正確に滴下しなければならな
い。この滴下位置が不正確であると、図19の(b)に
示すように、測定が不可能となったり、同じく図19
(c)、(d)に示されているように、クロマト効果に
よって変色した点着部8の端部付近や縁部を測定してし
まい、正確な測定値が得られないといった欠点がある。
【0008】上記のような欠点は、図18に示すよう
に、特に比重針4を用いて血液を滴下した場合に顕著に
現われる。即ち、図示するように、比重針4から採血し
た血液を滴下する際には、本体43の後端部を折り曲げ
て重ね合わせた折り曲げ部431を設け、該折り曲げ部
431を指で押し潰して血液をカヌラ41の先端から押
し出す。このとき、図示されているように、比重針本体
43のチューブが変形して外側に撓み、カヌラ41の先
端位置が振れるため、滴下位置が移動してしまい、前記
図19(b)〜(d)に示す状態となりやすい。
【0009】このような欠点は、シリンジについても同
様で、外筒に押し子を押し込んで血液(検体)を排出す
る操作を片手で行なうと、カヌラの先端が振れて、正確
な位置に血液を滴下することができない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、滴下
位置のブレを防止して、正確な成分検出を可能とする成
分検査器具を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(7)の本発明により達成される。
【0012】(1) ハブに支持されたカヌラを有する
採取具から滴下した検体の成分を、試薬の呈色反応によ
り検出する検査器具であって、上方から差し込んで、カ
ヌラの軸方向に対して横方向の位置を位置決めをする規
制部と、上記カヌラを規制した状態で、前記採取具のハ
ブの先端を突き合わせ、カヌラの軸方向の位置決めをす
る当接部とを有し、前記規制部と前記当接部とによっ
て、前記試薬の上方にある滴下位置に前記カヌラの先端
を位置決めすることを特徴とする成分検査器具。
【0013】(2) 大きさの異なるカヌラに合わせて
設けられた複数の前記規制部と前記当接部とを有し、前
記複数の規制部と当接部とを、前記滴下位置を中心とし
た円周上に配置し、前記大きさの異なるカヌラの先端が
同じ滴下位置に位置決めされる上記(1)に記載の成分
検査器具。
【0014】(3) 前記滴下位置として中心に形成さ
れた孔と、前記規制部と前記当接部とを有する位置決め
部材を有し、前記位置決め部材は前記滴下位置を中心と
して回動自在に取り付けてある上記(1)または(2)
に記載の成分検査器具。
【0015】(4) 上記位置決めされたカヌラは、先
端が下向きに傾斜している上記(1)〜(3)のいずれ
かに記載の成分検査器具。
【0016】(5) 前記規制部は、内径がハブの径よ
り細い筒状であって、前記当接部は、前記筒状の規制部
のカヌラ差し込み口である上記(1)〜(4)のいずれ
かに記載の成分検査器具。
【0017】(6) 前記規制部と当接部とによって位
置決めされた採血具のカヌラは、ほぼ垂直に規制されて
いる上記(1)または(5)に記載の成分検査器具。
【0018】(7)軸線上に前記カヌラの滴下位置があ
る軸と、該軸に揺動自在に支持され、前記カヌラの先端
を滴下位置に保持する保持部材と、該保持部材を任意の
揺動角度で支持するガイド部材とを有し、前記保持部材
は規制部と当接部とを有している上記(5)に記載の成
分検査器具。
【0019】(8)前記滴下位置として中心に形成され
た孔と、前記規制部および当接部を有する位置決め部材
を有し、前記位置決め部材は滴下位置を中心として回動
自在に取り付けてある上記(5)または(7)の成分検
査器具。
【0020】(9) 前記試薬が滴下された検体を受け
る滴下部と、検体が滴下された試薬を測定する測定部
と、前記滴下部から前記測定部へ試薬を移動せさる移動
手段を有する上記(1)〜(8)のいずれかに記載の成
分検査器具。
【0021】(10) 前記検体は血液であって、前記
検出される成分はヘモグロビンである上記(1)〜
(9)のいずれかに記載の成分検査器具。
【0022】(11) 前記採取具は比重針である上記
(1)〜(10)のいずれかに記載の成分検査器具。
【0023】
【作用】試薬に検体を滴下して、呈色反応により検体中
の成分を検出するに際し、検体をカヌラを有する採取具
から滴下する。このときはカヌラを、成分検査器具の規
制部に差し込んで横方向の位置決めをし、さらにカヌラ
を規制部内で軸方向にスライドさせて当接部にハブの先
端を当接することにより、軸方向の位置決めをする。こ
れにより、カヌラの先端は、滴下作業をする度毎に同じ
滴下位置に正確に位置決めさられる。また、カヌラを位
置決めする際には、カヌラを上から差し込んで、軸方向
へスライドさせればよいので、位置決め操作が簡単で、
例えば片手で持ったままでも、容易に位置決めができ
る。
【0024】
【具体的構成】以下、本発明の第1の構成例について、
添付図面に基づき詳述する。図示する構成例では、血液
のヘモグロビン濃度を測定する場合を例に採って説明す
る。図1は、血液のヘモグロビン濃度を測定する成分検
査器具1の第1の構成例を示す全体斜視図である。成分
検査器具1は、本体2と、該本体2の上面に回動自在に
取り付けられた位置決め部材3Aとから構成される。本
体2は、ハウジング20内に試験紙21と、図7にて後
述する、前記血液が点着した試験紙21の反射吸光度を
測定する測定部22と、測定した値を表示する表示部2
3とから構成されている。
【0025】位置決め部材3Aは、円板状に形成された
基板30Aと、その底面に形成された円筒状の基部31
Aを有している。ここで、図2は、位置決め部材3Aの
全体平面図、図3は位置決め部材3Aの全体正面図、図
4は、図2におけるIV−IV線断面側面図である。
【0026】前記基部31Aは、本体2に回動自在に嵌
合し、前記基板30Aの上側面は本体2の外側面と連続
するように構成され、本体2と外観上一体として認識さ
れる。本体2と接触する基部31Aの周面や、基板30
Aの下側には、位置決め部材3Aの回動を容易とするた
めに、潤滑剤を塗布したりコーティングまたは表面研磨
処理することが好ましい。
【0027】基板30Aの中心には孔32Aが形成され
ており、該孔32Aを中心とした円周状に凸部33Aが
連続して形成され、該凸部33Aには2つの規制部34
Aが設けられている。この規制部34Aは、孔32Aを
中心とした放射方向に形成された溝部341Aと、該溝
部341Aの上部開放端辺に傾斜して設けられたガイド
面342Aとから構成されている。この溝部341Aの
幅は、カヌラの径サイズに合わせて設定されており、図
示される構成例では2つの径に合わせて設けられてい
る。このように溝部341Aの幅をカヌラ41の径に合
わせて形成することにより、溝部341Aに差し込まれ
たカヌラ41は、カヌラの軸方向に対して横方向及び下
方向の位置決めが確実になされる。具体的には、溝部3
41Aの内側面によって横方向の位置が、底部によって
下方向の位置が決められる。
【0028】規制されるカヌラの径としては、例えば
0.45mm(26ゲージ(G))、0.55mm(24
G)、0.70mm(22G)、0.80mm(21G)、
0.90mm(20G)、1.20mm(18G)、1.7
0mm(16G)などがあり、これらの各サイズのカヌラ
を規制すべく、カヌラのサイズの数と同じ数の溝部34
1Aの幅をサイズ毎に設けてもよい。
【0029】また、上記のように、溝幅がカヌラの径に
合わせて設定されているため、カヌラの差し込みを容易
にするべく、溝部341Aの上端部には外側に傾斜した
ガイド面342Aが形成されている。これにより、カヌ
ラ41を差し込む際、前記ガイド面342Aに沿ってカ
ヌラ41が溝部341Aに案内され、例えば、片手で持
った比重針4でも容易にセットすることができる。
【0030】一方、前記規制部34Aの外側には、前記
凸部33Aの外周面に凹状の当接部35Aが形成されて
いる。当接部35Aは、前記規制部34Aの端部が臨ん
でいる当接面351Aと、内側面352Aとから構成さ
れている。そして、前記当接面351Aには、前記規制
部34A内に収容され規制されたカヌラ41のハブ42
の先端を当接させる。ハブ42を当接面351Aに当接
させることによって、カヌラ41の軸方向の位置が決定
し、カヌラ41の先端の位置は、前記孔32Aの中心に
位置する。前記当接部35Aは凹状となっているので、
内側面352Aがハブ42の側面に接触して支持するた
め、比重針4の横方向の振れが抑制され、カヌラ41の
先端411が横方向に振れることなく、適正な滴下位置
に確保される。
【0031】上記凸部33Aの内側には、前記規制部3
4Aと孔32Aとの間に、補助ガイド36Aが円弧状に
形成されている。補助ガイド36Aは前記規制部34A
で規制されたカヌラ41の先端側を下側から当接して支
持する。前記規制部34Aに規制され、前記補助ガイド
36Aに支えられたカヌラ41は、図4に示されている
ように、水平に対して、角度θにて下向きに傾斜して支
持される。このようにカヌラ41を傾斜させて支持する
ことによって、カヌラの先端411に形成された血液の
滴が、カヌラ41を伝ってハブ42方向に逆戻りするこ
とがなくなり、先端411で滴下位置を確実に確保する
ことができる。傾斜角度θは2°程度以上、より好まし
くは5°程度以上であるとよい。
【0032】このような、補助ガイド36Aには、図5
に示されるように、載せられたカヌラ41を係止する係
止部361Aを形成してもよい。図示されている係止部
361Aは、規制部34Aと同様にカヌラの径に合わせ
た溝状に形成されているが、この他横断面形状がV字型
や矩形であってもよい。さらには、補助ガイド36A上
に一対の突起を設けて、該突起の間にカヌラ41を差し
込む構造としてもよい。このような係止部361Aを設
けると、前記規制部34Aと、係止部361Aの2箇所
でカヌラ41を位置決めするため、カヌラ41の先端は
確実に滴下位置に位置決めされる。
【0033】一方、孔32Aの周辺部および孔32Aの
内壁には、滴下した血液が付着しても、これを容易に拭
い取ることができるように、テフロンを被覆するなど、
撥水性を持たせてもよい。また、このような撥水性を付
与すると、例えば、滴下した血液が落下中に孔32Aの
内壁に接触しても、その内壁に付着することなく、その
まま試験紙へ落下させることができる。
【0034】既に説明したように、位置決め部材3A
は、本体2に対して回動自在に取り付けられているた
め、位置決め部材3Aを回動させることによって、本体
2に対してどのような方向からも比重針4をセットする
ことができ、作業性が向上する。さらに、取り外すこと
によって、位置決め部材3A自体の洗浄も容易となると
いった利点がある。また、この実施例では位置決め部材
3Aは円板状だが、回動自在であれば、他の形状であっ
てもよい。
【0035】なお、以上説明した位置決め部材3Aに、
前記規制部34Aをカヌラのサイズ毎に複数設けた場合
には、使用している規制部34A以外の規制部34Aを
誤って使用しないように、各規制部毎にカヌラのサイズ
を表示したり、あるいは一見して規制部の識別が可能と
なるように、各規制部を異なる色で着色してもよい。
【0036】さらには、図6に示されているように、C
リング形状に形成され、前記凸部33Aの上側に被せら
れるカバー37Aを設け、凸部33A上で該カバー37
Aを回動させて、前記カバー37Aの隙間371Aに位
置した規制部34Aのみを使用するようにしてもよい。
【0037】以上のように構成された位置決め部材3A
の下方には、図7に示されているように、試験紙21が
配置されている。本構成例における試験紙21は、ヘモ
グロビン濃度を検出する試験紙である。
【0038】このヘモグロビン濃度を検出する試験紙の
例を示すと、試験紙は滴下された血液を展開させる展開
層と、展開層の物理的強度を確保するための支持層とを
接着させて構成される。
【0039】展開層に用いる素材としては、繊維性又は
非繊維性の多孔質材料を用いることができるが、特に織
編物(特公昭61−61347に示された親水化織物な
ど)が望ましい。
【0040】又、支持体としてはプラスチックや金属の
フィルム、ナイロンやテトロンのメッシュ等を使用する
ことができる。
【0041】これら各層の接着については、熱ラミネー
トや接着剤を用いて行なうことができる。
【0042】また、展開層には、血液の展開を促進させ
るための界面活性剤や血液の凝固を防ぐ抗凝固剤やある
いは緩衝剤を含ませることができる。
【0043】ここではこれらの最適例として、展開層に
特公昭61−61347に開示の親水化織物を、支持体
にテトロンメッシュ100番手を用い、これらの間に熱
可溶性のポリエチレンフィルムを介挿してこれらを重ね
て加熱下でプレスし、平面状に一体化する。
【0044】これに10mMのホウ砂・リン酸緩衝液
(pH8.5)と0.1wt% の非イオン性界面活性剤とを
含む水溶液を染み込ませ、60℃の温度で1時間乾燥し
て試験紙を得る。上記プレス条件は、プレス圧力約10
0kg・f/cm2であって、加熱する時は上下から140℃の
熱を均一に平面状に加える。
【0045】以上のように構成された試験紙21は帯状
に形成され、図7に示されているように、ロール状に巻
き取られて本体2内に収容されている。そして、そのロ
ールから引き出された試験紙21は、上下から試験紙2
1を挟持して試験紙を繰り出す移動手段としての二対の
送りローラ24、25によって、滴下部26、測定部2
2の順に通過する。前記滴下部26は、位置決め部材3
Aの孔32A(滴下位置)の直下に位置しており、図7
に示されているように、位置決めされたカヌラ41の先
端411から滴下した血液は、試験紙21の幅方向にお
ける中央部に落下して点着する。
【0046】血液が点着した試験紙21は、そのまま送
りローラ24、25によって移動し、測定部22にて反
射吸光度が測定される。測定の方法は、血液が点着され
た試験紙21幅方向のほぼ中央部分に、発光部からの検
査光が当てられ、その反射光を測定して、呈色反応の程
度を調べる。試験紙の移動量は常に一定であり、具体的
には、滴下部26において血液が点着する位置から、測
定部22で検査光が当てられる位置までの距離Lが、一
回の検査において移動する量となる。
【0047】このような、移動手段によれば、血液が点
着した後の試験紙の移動は画一的で直線的となるが、上
記位置決め部材3によって、常に決められた測定位置に
血液の点着が正確になされるので、血液が点着された試
験紙の適正な測定位置を探すための機構や、そのための
特別な作業が不要となり、成分検査器具1のコンパクト
化や、検査作業の簡易化を図ることができる。
【0048】以上のように構成された、本発明の成分検
査器具1によれば、位置決め部材3によって、採取具か
らの試験紙への検体の滴下が正確かつ迅速にすることが
できるので、検査作業の効率化と、コンパクト化が可能
となる。
【0049】また、上記位置決め部材3は、カヌラ41
のみを規制するものであるため、比重針4に限らず、注
射器、マイクロシリンジ、点滴用針付チューブ等、カヌ
ラを有する器具であれば、全ての器具を使用することが
でき、汎用性がある。さらに、複数の位置決め部材3を
設け、各位置決め部材3に異なるサイズのカヌラや、異
なる器具に合わせた規制部や当接部を設ければ、位置決
め部材3を交換することによって、さらに多数のカヌラ
のサイズや多数種の器具を用いて成分検出が可能とな
る。なお、位置決め部材3Aにおける規制部34Aは、
その溝部341Aが短いために、カヌラ41のセットが
容易であるといった利点がある。
【0050】図8および図9に示されているのは、カヌ
ラを下側から差し込んで位置決めする規制部34Bを有
する位置決め部材3Bであって、第2の構成例としての
成分検査器具を構成するものである。基板30B上に
は、筐状に形成された凸部33Bが形成され、その正面
側壁には凸部33Bの上部へ向けて幅が漸減しているス
リットが設けられ、そのスリットの上端部はカヌラの径
と同程度の幅であって、カヌラ41の位置決めをする規
制部34Bとなっている。
【0051】さらに、前記規制部34Bの外側は、該規
制部34Bよりも幅広に形成され、前記カヌラ41を支
持するハブ42の先端が当接する当接部35Bが設けら
れている。当接部35Bは下方からハブ42を差し込ん
で収容するように、下側から開放した溝状であって、そ
の内側面352Bでハブ42の横方向の位置決めをする
とともに、上側面353Bにおいてハブ42の傾斜角度
を規定する。当接部35Bを構成する溝が前記規制部3
4Bを構成するスリット上端と接続する部分は段部とな
り、ハブ42の先端が当接する当接面351Bが形成さ
れている。この当接面351Bにハブ42の先端を当接
することによって、カヌラ41の先端411が所定の滴
下位置に位置決めされる。
【0052】以上のように構成された位置決め部材3B
に対しては、下側からカヌラ41を差し込んで、位置決
めする。つまり、比重針4の先端に接続されているハブ
42とカヌラ41を位置決め部材3Bのスリット内に挿
入し、下側からスリット内壁にカヌラ41を沿わせて上
方へ持ち上げ、カヌラ41を規制部34B内にセットす
る。そして、比重針4を先端方向にスライドさせて、ハ
ブ42の先端を当接部35Bの当接面351Bに当接さ
せる。カヌラ41とハブ42を規制部34Bと当接部3
5Bの上面に接触させることによって、カヌラ41の先
端411が下方に向く姿勢に位置決めされる。位置決め
部材3Bは、このように下向きにセットするように構成
されているため、カヌラ41をセットしやすいといった
作用がある。
【0053】上記のような位置決め部材3Bによって、
繰り返しセットされる比重針4のカヌラ41の先端41
1は、常に同じ位置にセットすることができる。また、
筐状に形成された凸部33Bには、前記セットされたカ
ヌラ41の先端411が視認できるように、一部または
全体を透明な材質で構成したり、一部に切欠を設けても
よい。
【0054】図10および図11に示されているのは、
カヌラを上側からほぼ垂直に差し込んで、位置決めする
規制部34Cを有する位置決め部材3Cであって、第3
の構成例としての成分検査器具を構成するものである。
基板30C上には、円錐台状に形成された凸部33Cが
設けられている。該凸部33Cの上底面は、傾斜面38
Cが中心に向けて形成されてロート状となっており、最
下位置にある中心部には所定の長さLを有する孔が形成
されて、規制部34Cを構成している。この規制部34
Cにカヌラ41が差し込まれ、位置決めされる。
【0055】該規制部34Cの上端部にあるカヌラ41
の差し込み口の縁部は、規制部34Cに差し込まれるカ
ヌラ41を支持するハブ42の先端が当接する当接部3
5Cとなっている。差し込まれたカヌラ41の先端41
1がブレないように支持するために、規制部34Cの長
さLは、差し込まれるカヌラ41の長さの30〜80%
程度、径Dは、前記カヌラ41の径の1.1〜2倍程度
であることが好ましい。あまりに長過ぎ、また径が小さ
過ぎると、カヌラを容易に抜き差しすることができなく
なり、また短過ぎたり、径が大き過ぎると、差し込まれ
ているカヌラの先端の位置が前後左右に揺れて、確実な
位置決め作用が得られない。例えば、22Gのカヌラの
場合には、長さLは18mm程度、径Dは1.0mm程度で
あるとよい。
【0056】なお、前記規制部34Cの差し込み口に、
ハブ42の先端を収容する段部を形成し、該段部を当接
部35Cとすることもできる。
【0057】上記のような位置決め部材3Cに比重針4
をセットする際には、カヌラ41を下方へ向け、規制部
34Cの上部開口部に向けて比重針4を降ろす。カヌラ
41の先端411は、規制部34C内に直接差し込まれ
なくても、接触した傾斜面38Cによって、規制部34
Cへ案内され、先端411が規制部34Cに差し込まれ
る。前記傾斜面38Cは、ロート状に形成されているた
め、位置決め部材3Cに対してどの方向からでも比重針
4を差し込むことができる。従って、位置決め部材3C
を、本体2に対して、回動自在に取りつけなくてもよ
い。
【0058】規制部34Cにカヌラ41の先端411が
入ったところで、比重針4を垂直に立てたまま、ハブ4
2の先端が当接部35Cに当たるまで、カヌラ41を規
制部34C内に挿入する。
【0059】上記のような位置決め部材3Cによって、
繰り返しセットされる比重針4のカヌラ41の先端41
1は、常に同じ位置にセットすることができる。また、
凸部33Cは、前記セットされたカヌラ41の先端41
1が視認できるように、一部または全体を透明な材質で
構成したり、一部を切欠としてもよい。
【0060】図12および図13に示されているのは、
カヌラを側方より差し込んで、ほぼ垂直に位置決めする
位置決め部材3Dであって、第4の構成例としての成分
検査器具を構成するものである。基板30D上には、円
錐台状に形成された凸部33Dが設けられている。この
凸部33Dの上底部には、扇形の切欠部331Dが形成
されており、該切欠部331Dは前記凸部33Dの側面
に及んで形成されている。前記切欠部331Dの扇の要
の位置は、前記上底部の中心部分に位置し、該中心部分
には縦方向に形成された溝部341Dからなる規制部3
4Dが設けられている。そして、該規制部34Dの上端
には、さらに広幅の溝が形成され、当接部35Dが設け
られている。そして、規制部34Dと当接部35Dの間
に位置する段部には、当接面351Dが形成されてい
る。
【0061】前記凸部33D内には、補助ガイド36D
が凸部33Dの内壁に一端が固定されて配置されてい
る。該補助ガイド36Dの他端には、上下方向に溝が形
成されて係止部361Dが設けられている。該係止部3
61Dは、前記規制部34Dで規制されたカヌラ41の
先端側を係止する。また前記係止部361Dは、前記規
制部34Dの鉛直下方に位置しており、この係止部36
1Dと規制部34Dとによって規制されたカヌラ41
は、ほぼ鉛直な姿勢を採るように構成されている。
【0062】なお、前記係止部361Dの両側は、V字
形に開放されており、側方からカヌラ41を容易に係止
部361Dへ導入できる形状となっている。これらの規
制部34Dや係止部361Dの下方には、カヌラ41の
先端411から滴下された血液が通過する孔32Dが形
成されている。
【0063】上記のような位置決め部材3Dに比重針4
をセットする際には、カヌラ41を下方へ向け、前記凸
部33Dの切欠部331Dの開口している側からカヌラ
41を規制部34D内へ差し込む。この際、カヌラ41
は、扇形の切欠部331Dの両辺にガイドされるため、
容易に規制部34Dへ差し込むことができる。
【0064】カヌラ41を規制部34Dへ差し込んだ
後、比重針4を降ろし、カヌラ41を前記係止部361
Dに係止させるとともに、ハブ42の先端を当接部35
Dの当接面351Dに当接させる。これにより、カヌラ
41の先端411は、所定位置に位置決めされ、繰り返
しセットされる比重針4のカヌラ41の先端411を、
常に同じ位置にセットすることができる。
【0065】図14および図15に示されているのは、
カヌラ41の差し込み角度を任意に変更することのでき
る位置決め部材3Eであって、第5の構成例としての成
分検査器具を構成するものである。基板30E上には、
半球型の殻体で構成されたガイド部材38Eが設けられ
ており、その中心には径方向にガイド部381Eが形成
されている。そして、そのガイド部381内には、比重
針4を差し込む保持部材39Eが配置されている。
【0066】保持部材39Eは、保持体390Eと、ア
ーム391Eとを有している。カヌラ41は、保持体3
90E上端の開口部392Eから差し込まれる。該開口
部392Eは、カヌラ41の差し込みが容易となるよう
に、ロート状のガイド393Eが形成されている。さら
に、保持部材39Eは、内側の下端部に設けられ、差し
込まれたカヌラ41を規制する細径の規制部34Eと、
該規制部34Eの上端に隣接して設けられ、ハブ42を
収納できる程度の径を有する当接部35Eとを有してい
る。そして、前記規制部34Eのカヌラ41差し込み口
には、段部が形成されて、当接面351Eが設けられて
いる。
【0067】保持体390Eの対向する外側面には、ア
ーム391Eが固着されており、該アーム391Eの下
端は、基板30Eの孔32Eの縁部対向位置に設けられ
た軸321Eに揺動自在に支持されている。アーム39
1Eによって、前記保持体390Eはガイド部381E
内で揺動し、任意の角度に傾斜させることができる。
【0068】前記保持体390E上端から比重針4の先
端を差し込むと、カヌラ41は、規制部34E内で規制
され、ハブ42の先端を前記当接面351Eに当接させ
ることによって、カヌラ41の先端411が常に所定の
位置に位置決めされる。この所定位置は、前記アーム3
91Eを支持する軸321Eの軸線上に位置している。
このような位置とすることによって、保持部材39Eを
揺動させても、常に同じ位置にカヌラ41の先端411
を位置決めすることのできる構造となる。
【0069】既述のように、位置決め部材3Eは本体2
E(図示せず)に対して回動自在に取り付けられている
から、孔32Eを中心として、360度の方向へ前記保
持部材39Eを向けることができ、且つその各々の向き
で、上記のように保持部材39Eの傾斜角を任意に設定
することができ、検査者の位置に合わせて成分検査器具
1の本体の向きを変更する必要がない。
【0070】なお、前記保持部材39Eの外側面におい
て、ガイド部381Eと接触する部分に凸状の係合部3
94Eを設け、ガイド部381Eの保持部材39Eに摺
接する対向面には、前記係合部394Eに係合する凹部
382Eを所定間隔で複数設けた構成としてもよい。こ
のような構成とすることで、保持部材39Eを傾斜位置
で維持されることが容易となる。また、これらの係合部
394Eや凹部382Eを設けずに、単にガイド部38
1Eと保持部材39Eとの摩擦抵抗によって、保持部材
39Eを保持する構造としてもよい。
【0071】また、ガイド材38Eは、前記セットされ
たカヌラ41の先端411が視認できるように、一部ま
たは全体を透明な材質で構成したり、一部を切欠として
もよい。
【0072】図16は第6の構成例を示す成分検査器具
1の部分平面図であり、図17は図16のXVI-XVI 線断
面側面図である。図示されている構成例は、比重針4を
用いる場合に特定して構成された成分検査器具である。
本体2のハウジング20に直接規制部51と当接部52
を形成したものである。この構成例では、規制部51は
ハウジング20に直接溝を形成して設けられており、カ
ヌラ41のほぼ全長に渡ってカヌラ41を規制してい
る。このため、カヌラの先端411の振れがなくなり、
該先端411は確実に滴下位置に位置決めされる。ま
た、ハブ42についても、同様にハウジング20に形成
された溝によって、確実に支持されるため滴下作業を安
定して行なうことができる。その他の構成は前記第1の
構成例と同様である。
【0073】以上説明した構成例は、血液を検体とし、
検出成分をヘモグロビンとした場合を例に採って説明し
たが、上記場合に限られるものではない。
【0074】
【実施例】以下比重針を用いて滴下した場合の滴下位置
の変動について、上記第1の構成例として説明した成分
検査器具を用い、位置決め部材を用いて滴下した場合
と、位置決め部材を除いて滴下した場合とを比較した。
【0075】 試験紙…上記構成例において記載した試験紙を用いた。 比重針…本体全長:190mm 同外径:4.50mm 同内径:3.24mm ハブ先端部外径:3.19mm カヌラ長さ:25mm 同 外径:0.70mm 試験紙から比重針のカヌラ先端までの距離:27mm 以上の条件のもと、一回1滴ずつ、100回滴下操作
し、試験紙に滴下された検体の点着状態を評価した。な
お検体としては人血を用いた。結果を表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】点着状態を示す評価A〜Dは下記のとおり
である(図19参照)。 A:点着範囲の中心に測定位置が位置している。 B:点着範囲外に測定位置が位置している。 C:点着範囲内に測定位置が位置しているが、端部の変
色部分に測定位置がある。 D:点着範囲の端部境界部分に測定位置がある。 上記の結果から明らかなように、本発明においては、確
実に点着部を適正な位置に形成することができ、かつ作
業時間も短縮されている。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の成分検査
器具によれば、カヌラの先端の滴下位置が、特定の位置
に正確に規制されるため、点着部が適正な位置に形成さ
れる。よって、測定値にバラツキが少なく、正確な検出
値を迅速に知ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】成分検査器具の全体斜視図である。
【図2】第1の構成例として示された位置決め部材の全
体平面図である。
【図3】図2に示された位置決め部材の全体正面図であ
る。
【図4】位置決め部材の、図2におけるIV−IV線断面側
面図である。
【図5】補助ガイドに係止部を形成した状態を示す、位
置決め部材の部分斜視図である。
【図6】カバーが取り付けられた位置決め部材を示す全
体斜視図である。
【図7】滴下位置に位置決めされたカヌラと、試験紙の
移動手段の構造を示す部分断面斜視図である。
【図8】カヌラを下側から差し込んで、位置決めする規
制部を有する位置決め部材の部分断面全体斜視図であ
る。
【図9】図8に示されている位置決め部材の部分断面側
面図である。
【図10】カヌラを上側からほぼ垂直に差し込んで、位
置決めする規制部を有する位置決め部材の全体平面図で
ある。
【図11】図10に示されている位置決め部材の部分断
面全体正面図である。
【図12】カヌラを側方から差し込んで、ほぼ垂直に位
置決めする位置決め部材の全体斜視図である。
【図13】図12に示されている位置決め部材の全体正
面図である。
【図14】カヌラの差し込み方向を任意に変更すること
のできる位置決め部材の一部切欠き全体斜視図である。
【図15】図14に示されている位置決め部材の断面全
体側面図である。
【図16】位置決め部材を設けない場合の、カヌラの位
置決め構造を示す成分検査器具の部分平面図である。
【図17】図16におけるXVI-XVI 線断面側面図であ
る。
【図18】比重針から血液を滴下させる場合の従来の使
用状態を示す全体図である。
【図19】試験紙に血液を滴下して点着した範囲と測定
位置との位置関係を4つに分割して表示した試験紙の部
分平面図である。
【符号の説明】
1 成分検査器具 2 本体 20 ハウジング 21 試験紙 22 測定部 23 表示部 24 送りローラ 25 送りローラ 26 滴下部 3 位置決め部材 30 基板 31 基部 32 孔 321 軸 33 凸部 331 切欠部 34 規制部 341 溝部 342 ガイド面 35 当接部 351 当接面 352 内側面 353 上側面 36 補助ガイド 361 係止部 37 カバー 371 隙間 38 ガイド部材 381 ガイド 382 凹部 39 保持部材 390 保持体 391 アーム 392 開口部 393 ガイド 394 係合部 4 比重針 41 カヌラ 411 先端 42 ハブ 43 本体 431 折り曲げ部 51 規制部 52 当接部 53 孔 7 測定位置 8 点着部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハブに支持されたカヌラを有する採取具
    から滴下した検体の成分を、試薬の呈色反応により検出
    する検査器具であって、 上記カヌラを差し込んで、該カヌラの軸方向に対して横
    方向の位置を位置決めする規制部と、 上記カヌラを規制した状態で、前記採取具のハブの先端
    を突き合わせ、カヌラの軸方向の位置決めをする当接部
    とを有し、 前記規制部と前記当接部とによって、前記試薬の上方に
    ある滴下位置に前記カヌラの先端を位置決めすることを
    特徴とする成分検査器具。
JP4041987A 1991-09-27 1992-01-30 成分検査器具 Pending JPH05142106A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3-277075 1991-09-27
JP27707591 1991-09-27

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05142106A true JPH05142106A (ja) 1993-06-08

Family

ID=17578430

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4041987A Pending JPH05142106A (ja) 1991-09-27 1992-01-30 成分検査器具

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