JPH05141545A - 比例流量制御バルブ - Google Patents

比例流量制御バルブ

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JPH05141545A
JPH05141545A JP30194391A JP30194391A JPH05141545A JP H05141545 A JPH05141545 A JP H05141545A JP 30194391 A JP30194391 A JP 30194391A JP 30194391 A JP30194391 A JP 30194391A JP H05141545 A JPH05141545 A JP H05141545A
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JP
Japan
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valve
iron core
movable iron
proportional flow
control valve
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Application number
JP30194391A
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English (en)
Inventor
Mamoru Sumita
守 住田
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子制御燃料噴射式エンジンへの吸入空気量
を調整する比例流量制御バルブにおいて、その流量特性
に異常現象が発生することがあるのを、本発明はこの異
常現象発生を抑止することを目的とする。 【構成】 可動鉄心の縮径部4cに可動に装着されたバ
ルブ14をバルブホルダ16の方へ前方に押圧している
スプリング15をバルブ14に圧入係合させた。 【効果】 スプリング15はバルブ14に圧入係合され
ているので揺らぎが抑制され、かくしてバルブ14の姿
勢が乱されず、流量特性は安定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、流体の流量をリニア
ソレノイドの如き駆動源の出力に対して比例的に制御す
るバルブ、例えばエンジンの吸入空気流量を制御する比
例流量制御バルブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、電子制御燃料噴射式エンジンに
おいて、吸気管のスロットル弁の近傍にバイパス通路を
設け、このバイパス通路の開閉によりエンジンの吸入空
気量を調整するようにしたものが知られている。このバ
イパス通路の開閉には、例えば比例流量制御バルブが使
用されている。この比例流量制御バルブの中にも、数種
類のタイプがあり、駆動源としてリニアソレノイドやス
テップモータなどがあり、バルブ構造としてはスプール
タイプやポペットタイプ、あるいはロータリタイプがあ
る。
【0003】ここでは、特にリニアソレノイドを駆動源
としたタイプのものについて説明をする。一般に、バル
ブ構造がスプールタイプあるいはロータリタイプである
ものについては、摺動部で空気通路面積を制御して流量
を制御することになるので、電源をオフにして通路面積
を閉塞する位置にバルブを移動させても摺動部のクリア
ランス部からの空気の漏れ流量は0にすることができな
い。クリアランスを小さくしていくと漏れ流量は低減で
きるが、使用中のオイルやカーボン等のデポジットの付
着や初期寸法のバラツキ等を考慮すると、円滑な摺動を
確保するには必然的に許容できる最小クリアランスが決
ってくる。従って、スプールタイプやロータリータイプ
に特有のストロークや回転角に対して流量を比例的に変
化させやすいというメリットよりも、電源をオフにして
いる時の漏れ流量を低減することが優先される場合に
は、これらのタイプのバルブは不都合であった。つま
り、内燃機関のバイパス空気流量の制御では、アイドル
運転状態でバイパス空気を流す必要のない時には、バイ
パス通路からの漏れ流量を0にして機関回転数を下げて
燃料を節約するのが望ましい。
【0004】特に、小排気量の車両においては、アイド
ル運転そのものに必要な空気流量の絶対値が小さいた
め、スロットバルブの方からの漏れ流量だけでも機関の
アイドル回転が確保できる場合があり、そのような場合
には、上記のようなバイパス通路からの漏れ流量を0に
し、不必要に機関のアイドル回転数が上昇しないように
して燃料消費率を改善することが、車のグレードと燃料
消費率との関係からしても強く望まれるところである。
【0005】以上の理由により、漏れ流量の低減にはポ
ペットタイプのバルブを構成することが望ましいと考え
られる。なお、スプールタイプ、ロータリータイプ、ポ
ペットタイプの種類にかかわらず、この種の比例流量制
御バルブにおいては、摺動部の摩擦抵抗によるヒステリ
シスや、可動部によって伸縮の作用を受ける弾性体の弾
性反発力のヒステリシスを減少させるために、電磁コイ
ルへの通電をある一定の周波数で断続させ、そのON時
間とOFF時間の比率を変えて可動鉄心を微摺動させる
ようにするデューティ制御や、あるいは、一定の電流値
(DC分)に変動(AC分)をもたせて可動鉄心を微摺
動させるようにするディザ制御が一般に用いられてい
る。
【0006】従って、ポペットタイプの流量制御部構成
要素であるバルブとバルブシートとが、低開度の領域に
おいて離座および着座を繰り返すので、衝突による打音
が発生し、ひいては流量特性に異常現象を生じさせてし
まうことになっていた。また、このような打音や異常現
象を避けるためにバルブあるいはバルブシートの当接面
にゴム等の弾性体を設けることも考えられるが、その場
合、所期の目的を十分に達成するためには弾性体の硬度
をかなり小さくしてなじみやすいものとする必要があ
り、そうすると、バルブとバルブシートとの当接位置や
当接荷重にバラツキが生じ、その結果、開弁時期のバラ
ツキが大きくなるという問題が発生する。
【0007】このような問題を解消するために、特開昭
63−243582号公報に記載されているように、側
部にベローズが一体形成された硬質樹脂材料製の弁体
を、板バネによって保持された可動鉄心に遊嵌入すると
ともに、係止片により弁体の弁座側への変位を規制し、
さらに、弁体と可動鉄心との間に弾性体を配置して、こ
の弾性体により弁体を係止片側に所定の付勢力で押圧す
るように構成したポペットバルブが提案されている。し
かし、この例では、2種類以上のコイルスプリング、板
バネ、ベローズ等を組み合わせ、これと電磁コイルによ
る吸引力とのバランスで作動特性を決める必要があるの
で、特性の設定が繁雑であり、また、バラツキが出やす
くて調整が難しいという問題がある。特に、温度が変化
した際には、ベローズのバネ特性が変化するため、バネ
系全体としての合成バネ定数が変化して流量特性が安定
しないという問題がある。
【0008】また、この例では、弁体と保持板の間、保
持板とマグネットプレートの間、可動鉄心と固定鉄心の
間、といった各空間を各々導通させて圧力をバランスさ
せないと、ダンパー効果が生じてしまい、速い作動が得
られなくなる。そのため、導通空間が複数箇所必要とな
り、それだけ異物の侵入による導通空間の閉塞の可能性
が大きく、閉塞した場合には正常な流量特性が得られな
くなる。
【0009】そこで、本願出願人は、先に、このような
問題点を解消するために、特願平2−146989号、
特願平2−160622号他において、全閉時の漏れ流
量をほとんど0にすることができ、かつ、バルブのバル
ブシートに対する離座、着座時に打音を発生したり流量
特性の異常現象を発生したりすることがなくて、しか
も、調整が簡単で、常に正常な流量特性を得ることので
きる信頼性の高い比例流量制御バルブを提供することを
提案している。
【0010】本願出願人によるこれら先願に係る比例流
量制御バルブは、比例流量制御バルブ本体にバルブシー
トを設けるとともに、可動鉄心に摺動自在にバルブを嵌
挿し、このバルブを可動鉄心との間に設けた弾性体によ
りバルブシートに向かう方向に付勢し、かつ、弾性体に
よるバルブのバルブシートに向かう方向への移動を規制
するホルダを可動鉄心に固定して、これら可動鉄心とバ
ルブと弾性体とホルダとで構成されるバルブ組立体をリ
ターンスプリングで付勢して円筒部材により摺動支持せ
しめたものである。
【0011】図9は本願出願人による前記先願における
比例流量制御バルブの一例を示す縦断面図、図8はその
要部拡大図である。これら図において、1はソレノイド
装置であり、その内部中央には長手方向に固定鉄心2が
配設されている。また、ソレノイド装置1の内周に筒状
のケース3が装着され、上記固定鉄心2に対峙する位置
には可動鉄心4が配設され、その間にリターンスプリン
グ5が介在されている。
【0012】可動鉄心4は縮径部4cを有し、該縮径部
4cにはバルブ14が摺動自在に嵌挿されている。そし
て、前記バルブ14を先端側に付勢するように前記縮径
部4c外周にスプリング15が設けられ、また、前記縮
径部4cの先端には前記バルブの先端側への移動を規制
するホルダ16が固定されている。前記スプリング15
はバルブ14と可動鉄心4を相互に突っ張らせて、バル
ブ14をホルダ16に当接せしめている。このようにし
て、可動鉄心4とバルブ14とスプリング15とホルダ
16とでバルブ組立体18が構成せしめられている。
【0013】上記ケース3の内周面には絶縁材3aを介
して電磁コイル6が配設され、この電磁コイル6が巻装
されたボビン6aの内周面にはパイプ7が装着されて、
このパイプ7の内側に上記固定鉄心2および可動鉄心4
が対向して配設されている。そして、この固定鉄心2と
可動鉄心4の間の空間に、スプリングホルダ5aを介し
て上記リターンスプリング5が設けられ、可動鉄心4は
このリターンスプリング5により電磁コイル6の電磁吸
引力に抗する方向に付勢されている。すなわち、リター
ンスプリング5により、可動鉄心4には図9で左方向に
押圧する力が常時作用している。上記電磁コイル6に
は、外部に導出するリードワイヤ6bが接続されてい
る。
【0014】また、可動鉄心4の上記リターンスプリン
グ5とは反対の側には、スプリング8が配設されてい
る。このスプリング8は、可動鉄心4の縮径部4c先端
に固定された上記ホルダ16とスプリングホルダ9との
間に取り付けられ、該スプリングホルダ9は、比例流量
制御バルブ本体11に螺合された調整ねじ10の先端に
固定されている。
【0015】比例流量制御バルブ本体11には、ソレノ
イド装置1側の端部近傍に流体導入通路11aが設けら
れ、また先端(図9で左端)側には流体導出通路11c
が設けられている。ソレノイド装置1と比例流量制御バ
ルブ本体11とは、ソレノイド装置1の端部に嵌着され
たガイド部材19のリブ状ガイド部19aに比例流量制
御バルブ本体11が嵌着されることによって、ガタなく
相互に嵌合固定されている。また、このガイド部材19
には、可動鉄心4を摺動自在に支持する上記パイプ7の
一端が保持されている。そして、比例流量制御バルブ本
体11には、上記バルブ組立体18に対向する位置にバ
ルブシート13が嵌着され、これにより、流体導出通路
11cに連通する空室11bが流体導入通路11a側か
ら区画されている。
【0016】上記調整ねじ10は、比例流量制御バルブ
本体11の流体導出通路11cが設けられた上記先端側
から可動鉄心4側に向けて螺合されている。そして、こ
の調整ねじ10に固定されたスプリングホルダ9に保持
される上記スプリング8は、可動鉄心4を電磁吸引力の
働く方向と同じ方向に常時付勢している。
【0017】以上のように組み立てられたバルブ組立体
18は、上記スプリング8とリターンスプリング5の付
勢力を受けて、可動鉄心4をパイプ7とのクリアランス
によって生ずる倒れが許容された状態でバルブシート1
3に当接せしめられる。ここで、ホルダ16とスプリン
グホルダ9との間に取り付けられた上記スプリング8
は、その付勢力が調整ねじ10によって予め調整され、
それにより、バルブ組立体18のバルブシート13側へ
の付勢力が調整される。なお、この時、バルブ14とバ
ルブシート13との当接荷重は、スプリング15による
バルブ14とホルダ16との当接荷重よりも小さくて、
全閉時にバルブ14とホルダ16との間に隙間が生じな
いような設定が行われる。
【0018】また、上記バルブシート13のシート面は
テーパ状(円錐)とされ、これに対するバルブ14の当
接面は球状とされている。ここで、上記テーパ状のシー
ト面と球状の当接面との当接円の直径は、例えば11m
mであって、可動鉄心4とパイプ7との摺動径と略一致
するように設定されている。なお、上記バルブシート1
3およびバルブ14は、例えば、ポリブチレンテレフタ
レート(PBT)で構成することが可能である。
【0019】上記可動鉄心4の軸芯部には、流体導出通
路11cに連通する上記空室11b側の圧力と可動鉄心
4と固定鉄心2との間に形成される空間の圧力とをバラ
ンスさせるために導通孔4bが設けられている。この導
通孔4bは、最大径が3mm以上となるようにされる。
【0020】このような構成の比例流量制御バルブにお
いて、電磁コイル6に通電すると、可動鉄心4がリター
ンスプリング5の押圧力に抗して固定鉄心2側に吸引さ
れ、バルブ組立体18が移動して開弁する。ここで、こ
の比例流量制御バルブを用い、デューティ制御やディザ
制御によって流量を制御する場合、これら制御に起因す
るバルブ組立体18の微小振動に伴う離座あるいは着座
時の衝突により発生する反発力は、バルブ14を付勢す
る上記スプリング15によって吸引される。その結果、
図6に示すように、デューティが零のときのシール性が
確保される。
【0021】また、この比例流量制御バルブでは、上記
のようにソレノイド装置1と比例流量制御バルブ本体1
1とがガイド部材19によってガタなく嵌合されている
ため、バルブ組立体18とバルブシート13との当接部
のズレは、可動鉄心4とパイプ7とのクリアランスによ
って生ずるバルブ組立体18の倒れだけとなり、しか
も、上記のようにバルブシート13のシート面がテーパ
状で、それに対するバルブ14の当接面が球状とされて
いるため、上記倒れがあっても、所定径の当接円で当接
することによってシール性が確保される。なお、可動鉄
心4とパイプ7との摺動クリアランスは0.02〜0.
2mmとされ、摺動長さLと摺動直径Dとの比L/Dは
1.5以上とされる。
【0022】更に、この比例流量制御バルブでは、上記
のようにバルブシート13とバルブ14との当接円径が
可動鉄心4とパイプ7との摺動径と略一致しているた
め、無通電時において吸気管内負圧が流体導出通路11
cに印加されても、導通孔4bを介しバルブ組立体18
に左右から加わる力はバランスし、安定した状態が維持
される。
【0023】ところで、上記構造によれば、バルブ14
とバルブシート13が衝突した時に、バルブに加わる反
発力をスプリング15が吸収しながらバルブ14が移動
する訳であるが、この場合、バルブ14と可動鉄心4の
縮径部4cとの摺動面における摩耗粉の発生や微小な異
物の侵入やバルブ14と可動鉄心4との相対的な倒れ等
によって、バルブ14が可動鉄心4の縮径部4c上をス
ムーズに摺動しなくなったのでは、つぎのような不都合
な現象が生ずる。すなわち、バルブ14と可動鉄心4が
突っ張った状態のまま摺動できなくなった場合には、バ
ルブ14とバルブシート13との衝突による反発力が吸
収できなくなって、打音や流量特性の異常が発生する。
また、スプリング15がある程度圧縮された状態で摺動
できなくなった場合は、駆動源をオフにしてもバルブ1
4が開弁したままとなってしまい、最悪の場合には機関
の過回転を招き、暴走につながる恐れが生ずる。そこ
で、この比例流量制御バルブでは、可動鉄心4の縮径部
4cとバルブ14の相互の摺動部の少なくとも一方にテ
フロン(商品名)等の低摩擦係数の樹脂のコーティング
を施すようにしている。このコーティングの膜厚は10
〜30μm程度とされる。なお、可動鉄心4のパイプ7
との摺動部にも同様のコーティングを施すとよく、その
場合には、例えば、対象物である可動鉄心4を回転させ
ながら、スプレーによってコーティングを行う方法を用
いることができる。このスプレーによってコーティング
する方法は、ドブ漬けによるコーティングに比べて、膜
厚を均等にでき、また、不必要な部分にコーティングを
しなくてすむなどの利点がある。また、可動鉄心4のバ
ルブ14との摺動部である縮径部4cと、パイプ7との
摺動部に同一のコーティングを施すようにすると、マス
キング処理をする必要もなく、その分工程改善につなが
る。
【0024】上記のように、バルブ14と可動鉄心4と
の摺動部に低摩擦係数のコーティングを施したことによ
り、これら摺動部の摩擦力が低減され、摩耗粉の発生が
防止できる。また、摩擦力が低減されることによって摺
動クリアランスを小さくすることが可能となるので、微
小な異物の侵入を未然に防ぎ、また、倒れ等による動作
不良を確実に防止できるようになる。
【0025】なお、上記ホルダ16は、可動鉄心4に対
し圧入によって固定することができ、また、その他、接
着やカシメによって固定することもできる。また、可動
鉄心4の縮径部4cの先端にさらに小径の部分を設けて
ホルダを固定するようにしてもよい。また、バルブ14
とバルブシート13との当接部は、バルブ14の方に多
段円錐状の当接面を設け、バルブシート13の方のシー
ト面を球状とするようにしてもよい。
【0026】以上のように図9の比例流量制御バルブに
よれば、可動鉄心とバルブと弾性体とホルダとでバルブ
組立体を構成し、これをリターンスプリングで付勢して
円筒部材により摺動支持せしめたことにより、全閉時の
漏れを無くしてシール性を確保することができ、また、
デューティ制御やディザ制御によって流量を制御する場
合に、これらの制御に起因する離座あるいは着座時の衝
突による反発力を吸収して打音や流量特性の異常現象を
無くすることができ、しかも、調整が簡単で、常に正常
な流量特性を維持することのできる信頼性の高い全閉機
能付比例流量制御バルブが得られる。また、可動鉄心と
バルブの相互の摺動部の少なくとも一方に低摩擦係数の
樹脂のコーティングを施すことにより、バルブと可動鉄
心との摺動部の摩擦力を低減させて摩耗粉の発生を防
ぎ、また、摺動クリアランスを小さくすることができる
ことから、微小な異物の侵入や倒れ等による動作不良を
防止し、全閉機能付比例流量制御バルブの信頼性を更に
向上させることができる。さらに、可動鉄心のバルブと
の摺動部および円筒部材との摺動部に同一のコーティン
グを施す場合には、コーティング時のマスキング処理が
不要となる分、工程改善が可能となる。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バルブ
14と可動鉄心4の間に設けた弾性体15がコイルスプ
リングの場合、バルブ14とバルブシート13が当接し
なくなる流量域においては弾性体の基本的機能(衝撃吸
収)はなくなり、バルブと可動鉄心を突っ張らせる機能
だけとなる。しかし、この時、空気の流れによる流体力
によって弾性体15であるコイルスプリングに揺らぎが
発生し、この影響でバルブあるいはバルブ組立体全体が
横振動して、図6に破線で示すように流量特性に異常現
象を生じることがあった。また吸引力と同じ方向に付勢
するスプリング8の揺らぎもその異常現象に加担してい
た。
【0028】また、バルブ14と可動鉄心4との間には
図4に示す通り摺動クリアランスがあるので、バルブ1
4がバルブシート13に衝突した後のバルブ14とホル
ダ16とが離れている期間に図5に示す如くバルブ14
が可動鉄心に対して傾いている状態が発生する可能性が
ある。つまり、リターンスプリング5やスプリング15
の倒れによって、可動鉄心4とバルブ14とは異る方向
に付勢される結果、バルブ14とホルダ16とが離れて
いる期間はこれらの間に図5に示すように倒れが生じる
のである。このような状態になった場合、再びホルダ1
6とバルブ14とが当接してそれらの当接面が面同士で
当接するまでには、ホルダ16のエッジ16Aがバルブ
14の当接面をすべらなくてはならないのであるが、エ
ッジ16Aの故に摺動抵抗が大きくなったり、ひっかか
りが発生して、正常に当接しなくなる可能性がある。ま
た、同様にホルダ16とバルブ14とが互いに当接する
までには、バルブ14のエッジ14Aが可動鉄心4の摺
動面上をすべらなくてはならないのであるが、エッジ1
4Aの故に摺動抵抗が大きくなったり、ひっかかりが発
生する可能性がある。このようなとき、図7に破線で示
すように流量特性に異常現象を生じるのである。
【0029】本発明はかかる比例流量制御バルブの流量
特性に異常現象が発生するのを防止し、比例流量制御バ
ルブの正常な動作を安定して行わせることを目的とす
る。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明は、電流を印加す
ることにより磁界を構成するよう巻装された電磁コイル
と、該電磁コイルが嵌挿される磁性体のケースと、該ケ
ースとともに磁気回路を構成する固定鉄心と、前記電磁
コイルによる電磁吸引力によって前記固定鉄心に向かう
方向に吸引されるよう円筒部材内に摺動可能に配設され
た可動鉄心と、該可動鉄心を前記電磁吸引力とは反対の
方向に付勢するリターンスプリングを備え、前記可動鉄
心の摺動により比例流量制御バルブ本体の流体導入通路
から入って流体導出通路へ流れる流体の流量を制御する
比例流量制御バルブであって、前記比例流量制御バルブ
本体にバルブシートを設けるとともに、前記可動鉄心に
摺動自在にバルブを嵌挿し、該バルブを前記可動鉄心と
の間に設けた弾性体により前記バルブシートに向かう方
向に付勢し、かつ、前記弾性体による前記バルブの前記
バルブシートに向かう方向への移動を規制するホルダを
前記可動鉄心に固定して、前記可動鉄心と前記バルブと
前記弾性体と前記ホルダとで、前記リターンスプリング
により付勢され前記円筒部材によって摺動支持されるバ
ルブ組立体を構成するようにした比例流量制御バルブに
おいて、前記バルブと前記可動鉄心との間にある前記弾
性体であるスプリングの少なくとも一端をそれが対接し
ている部分に、例えば圧入により、固定し、そして場合
によっては可動鉄心の先端に設けられたホルダと比例流
量制御バルブ本体に設けられた荷重調整ねじとの間に装
着されたスプリングの両端もそれが対接している部分に
それぞれ固定するということを特徴とする。
【0031】また、以上のような特徴を有してもよい
が、基本的には有していない前述の比例流量制御バルブ
において、バルブが可動鉄心に対して摺動する摺動面の
軸方向の両端縁のうちバルブ側の縁部分に丸みを、そし
て/または、ホルダがバルブに当接する当接面の半径方
向外端の縁部に丸みをつけることを特徴とする。
【0032】
【作用】このように、バルブに対接したスプリングや逆
の方向からホルダに対接したスプリングの端を単に対接
させるのではなく固着することにより、バルブを通る流
体によりこれらのスプリングが揺るがせられることに伴
ってバルブあるいはバルブ組立体が横振動するというこ
とがなくなり、本発明の比例流量制御バルブは安定した
流量特性を示す。
【0033】また、バルブの可動鉄心に対する摺動面の
端縁やホルダのバルブに当接する当接面の縁部に丸みを
つけることにより、可動鉄心に対してバルブが傾斜して
もひっかかることなく元の姿勢に戻り、本発明の比例流
量制御バルブは安定した流量特性を示す。
【0034】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。図1および図2に示す通り、バルブ14のコイ
ルスプリング嵌合部の外径とコイルスプリング15の内
径とを圧入公差に設定し、あるいは可動鉄心4のコイル
スプリング嵌合部の外径とコイルスプリング15の内径
とを圧入公差に設定する。また、ホルダ16およびスプ
リングホルダ9とスプリング8とを圧入公差に設定す
る。
【0035】このようにバルブ14とコイルスプリング
15、あるいは可動鉄心4とコイルスプリング15の少
なくとも一方を固定したので、空気の流れによる流体力
によって、コイルスプリング15に揺らぎが生じること
がなくなる。従って、バルブ14あるいはバルブ組立体
の横振動がなくなり、図6の実線で示す如く安定した流
量特性が得られる。また、スプリング8とホルダ16お
よびスプリングホルダ9とのガタを圧入によって無くせ
ば、更に大きな効果が得られる。
【0036】また、図3に示す通り、バルブ14の可動
鉄心4に摺動する部分のうちホルダ16に近い側でバル
ブ14にR部分を設け、更に、ホルダ16のバルブ14
に対接する部分のうち半径方向の外側でホルダ16にR
部分を設ける。このようにして、可動鉄心4とバルブ1
4との摺動クリアランスで生じるバルブ14の最大倒れ
の時にも、図示の通り、上記の各々のR部分で相手方に
当接するようにする。
【0037】このように、従来存在していたバルブ14
のエッジ14Aおよびホルダ16のエッジ16Aを無く
してR部分としたので、リターンスプリング5やスプリ
ング15の倒れがあって、ホルダ16とバルブ14とが
離れてから再び当接するまでの期間に、バルブ14が可
動鉄心4やホルダ16に対して倒れていても、これらの
間の摺動や当接はひっかかりなく滑らかに行われること
になり、図7の実線に示す如く安定した流量特性が得ら
れる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、バルブ14と弾性体1
5、あるいは可動鉄心4と弾性体15の少なくとも一方
を固定したので、空気の流れによる流体力によって、弾
性体であるコイルスプリングに揺らぎが生じることがな
くなるので、バルブ14あるいはバルブ組立体18の横
振動がなくなり、安定した流量特性が得られる。また、
ホルダ16、スプリング8とスプリングホルダ9のガタ
を圧入によってなくせば、更に大きな効果が得られる。
また、リターンスプリング5やスプリング15の倒れが
あって、ホルダ16とバルブ14とが離れてから再び当
接するまでの期間に、バルブ14が可動鉄心4やホルダ
16に対して倒れていても、これらの摺動や当接はひっ
かかりなくスムーズに行われることになり、バルブの安
定した流量特性が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の比例流量制御バルブの要部を拡大して
示す断面図である。
【図2】本発明の比例流量制御バルブの種々な他の実施
例の要部を拡大して示す断面図である。
【図3】本発明の別の比例流量制御バルブの要部を拡大
して示す断面図である。
【図4】従来の比例流量制御バルブの要部を拡大して示
す断面図である。
【図5】図4の比例流量制御バルブの問題点を説明する
ための図である。
【図6】本発明の比例流量制御バルブの安定した流量特
性と従来の比例流量制御バルブの不安定な特性を比較す
るグラフである。
【図7】本発明の別の比例流量制御バルブの安定した流
量特性と従来の別の流量制御バルブの不安定な特性を比
較するグラフである。
【図8】従来の比例流量制御バルブの要部を拡大して示
す断面図である。
【図9】従来の比例流量制御バルブの全体を示す断面図
である。
【符号の説明】
2 固定鉄心 3 ケース 4 可動鉄心 5 リターンスプリング 6 電磁コイル 7 円筒部材 11 比例流量制御バルブ本体 11a 流体導入通路 11c 流体導出通路 13 バルブシート 14 バルブ 15 弾性体 16 ホルダ 18 バルブ組立体
【手続補正書】
【提出日】平成4年4月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】このような構成の比例流量制御バルブにお
いて、電磁コイル6に通電すると、可動鉄心4がリター
ンスプリング5の押圧力に抗して固定鉄心2側に吸引さ
れ、バルブ組立体18が移動して開弁する。ここで、こ
の比例流量制御バルブを用い、デューティ制御やディザ
制御によって流量を制御する場合、これら制御に起因す
るバルブ組立体18の微小振動に伴う離座あるいは着座
時の衝突により発生する反発力は、バルブ14を付勢す
る上記スプリング15によって吸される
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】また、以上のような特徴を有してもよい
が、基本的には有していない前述の比例流量制御バルブ
において、バルブが可動鉄心に対して摺動する摺動面の
軸方向の両端縁のうちホルダ側の縁部分に丸みを、そし
て/または、ホルダがバルブに当接する当接面の半径方
向外端の縁部に丸みをつけることを特徴とする。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電流を印加することにより磁界を構成す
    るよう巻装された電磁コイルと、該電磁コイルが嵌挿さ
    れる磁性体のケースと、該ケースとともに磁気回路を構
    成する固定鉄心と、前記電磁コイルによる電磁吸引力に
    よって前記固定鉄心に向かう方向に吸引されるよう円筒
    部材内に摺動可能に配設された可動鉄心と、該可動鉄心
    を前記電磁吸引力とは反対の方向に付勢するリターンス
    プリングを備え、前記可動鉄心の摺動により比例流量制
    御バルブ本体の流体導入通路から入って流体導出通路へ
    流れる流体の流量を制御する比例流量制御バルブであっ
    て、前記比例流量制御バルブ本体にバルブシートを設け
    るとともに、前記可動鉄心に摺動自在にバルブを嵌挿
    し、該バルブを前記可動鉄心との間に設けた弾性体によ
    り前記バルブシートに向かう方向に付勢し、かつ、前記
    弾性体による前記バルブの前記バルブシートに向かう方
    向への移動を規制するホルダを前記可動鉄心に固定し
    て、前記可動鉄心と前記バルブと前記弾性体と前記ホル
    ダとで、前記リターンスプリングにより付勢され前記円
    筒部材によって摺動支持されるバルブ組立体を構成する
    ようにした比例流量制御バルブにおいて、 前記バルブと前記弾性体、あるいは前記可動鉄心と前記
    弾性体の少なくとも一方を固着したことを特徴とする比
    例流量制御バルブ。
  2. 【請求項2】 前記リターンスプリングに対向するよう
    に作用するコイルスプリングを有し、このコイルスプリ
    ングの一端が前記ホルダに圧入されかつ他方が比例流量
    制御バルブ本体の荷重調整ねじに装着されたホルダに圧
    入されている請求項1記載の比例流量制御バルブ。
  3. 【請求項3】 電流を印加することにより磁界を構成す
    るよう巻装された電磁コイルと、該電磁コイルが嵌挿さ
    れる磁性体のケースと、該ケースとともに磁気回路を構
    成する固定鉄心と、前記電磁コイルによる電磁吸引力に
    よって前記固定鉄心に向かう方向に吸引されるよう円筒
    部材内に摺動可能に配設された可動鉄心と、該可動鉄心
    を前記電磁吸引力とは反対の方向に付勢するリターンス
    プリングを備え、前記可動鉄心の摺動により比例流量制
    御バルブ本体の流体導入通路から入って流体導出通路へ
    流れる流体の流量を制御する比例流量制御バルブであっ
    て、前記比例流量制御バルブ本体にバルブシートを設け
    るとともに、前記可動鉄心に摺動自在にバルブを嵌挿
    し、該バルブを前記可動鉄心との間に設けた弾性体によ
    り前記バルブシートに向かう方向に付勢し、かつ、前記
    弾性体による前記バルブの前記バルブシートに向かう方
    向への移動を規制するホルダを前記可動鉄心に固定し
    て、前記可動鉄心と前記バルブと前記弾性体と前記ホル
    ダとで、前記リターンスプリングにより付勢され前記円
    筒部材によって摺動支持されるバルブ組立体を構成する
    ようにした比例流量制御バルブにおいて、 バルブの前記可動鉄心に対する摺動面の軸方向両端縁の
    うちバルブ側の縁部に丸みを、そして/または、ホルダ
    の前記バルブに対する当接面の半径方向外端の縁部に丸
    みをつけたことを特徴とする比例流量制御バルブ。
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