JPH0514049Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は流体圧機器に関し、一層詳細には、例
えば、空気圧機器を構成するフイルタ、ルブリケ
ータのようにケースをケースガードによつて囲
繞、保護しようとする場合、気密性を保持するた
めのシール用Ｏリングを簡易にケースに組み込む
ことを可能にした流体圧機器に関する。

従来から、空気圧機器を構成するフイルタ、ル
ブリケータではボデイにケースを組み込み、この
ケースの内部にフイルタエレメントあるいは潤滑
油を収容している。この場合、ケース内部のドレ
ン、潤滑油の量等を確認するためにケース自体を
透明体で形成しているが、この透明体からなるケ
ースは、例えば、合成樹脂等よつて所定の形状に
構成されているために、比較的弱く、当該ケース
を保護すべく金属製のケースガードが前記ケース
本体を囲繞している。

そこで、このような構成では、ケースから所定
圧の空気が外部に漏出することのないように、当
該ケースの周縁部に、一般的に、弾性部材からな
るシール用Ｏリングを組み込み、このシール用Ｏ
リングをボデイに形成された周溝の壁部に圧接し
て所期の目的を達成している。従つて、この種の
シール用Ｏリングをケースに嵌合しようとする
時、予め、ケースの終端部分近傍に周回する溝部
を画成しておかなければならない。すなわち、前
記溝部の画成のために、ケース終端部分近傍に二
条の所定間隔離間する膨出部分を形成するか、あ
るいは、ケース自体に所定の深さで溝部を周回刻
設しなければならない。特に、後者の場合、ケー
スの端縁部分はシール用Ｏリングの離脱を阻止す
るために所定の肉厚で周回形成する必要がある。

然しながら、このようにシール用Ｏリングを確
実に着座嵌合させるために、ケースの終端部に周
回する一条の溝部を形成することは型製作の際の
費用を高騰させ、しかも、ケースの材質の脆弱性
と相俟つて当該周縁部が容易に損壊する可能性が
ある。特に、前記周縁部に亀裂が生じたままでこ
のケースに所定圧の空気を導入すると、容易にケ
ース自体またはケースガードを損壊させると共に
操作者、周辺機器に思わぬ被害をもたらす。

本考案は前記の種々の不都合を克服するために
なされたものであつて、シール用Ｏリングを嵌合
するための溝部の画成をより簡易化して製造コス
トの低廉化を図ると共に、ケースの開口端部周縁
を保護して不慮の損壊事故を回避し、且つ耐用性
を一段と向上させた流体圧機器を提供することを
目的とする。

前記の目的を達成するために、本考案は周溝を
画成したボデイと、前記周溝にケースと一体的に
嵌合するケースガードとからなり、前記ボデイに
は前記周溝から内方へと突出する複数個の突縁を
設けるとともに、この突縁の一部に切欠部を形成
し、一方、ケースガードの開口する端部周縁には
前記ボデイの互いに隣接する突縁間に嵌入する突
縁を突出形成し且つこの突縁に前記切欠部に嵌合
する突起部を形成し、さらにケースは円筒状のガ
ラス製であり且つその端縁近傍に周回する段差部
を形成し、前記段差部に合成樹脂製のリングを嵌
着することにより前記段差部に周溝を画成し、前
記周溝にシール用Ｏリングを嵌挿することを特徴
とする。

次に、本考案に係る流体圧機器について空気圧
機器用フイルタを例示し、添付の図面を参照しな
がら以下詳細に説明する。

第１図において参照符号１０は空気圧機器を構
成するフイルタを示し、このフイルタ１０は、基
本的には、ボデイ１２とケース部１４とから構成
される。ボデイ１２は、図から容易に諒解される
ように、入口ポート１６と出口ポート１８とを有
し、この入口ポート１６と出口ポート１８との間
は隔壁２０によつてその連通状態が遮断されてい
る。前記ボデイ１２の下方には広径な第１の周溝
２２とこの第１周溝２２に連通してそれよりも狭
径な第２の周溝２４とが画成される。この第２周
溝２４は通路２６を介して入口ポート１６と連通
する。前記第２周溝２４の内部には隔壁２０の先
端部とボデイ１２の中央部を利用してデイフレク
タ２８が固着される。デイフレクタ２８は水平な
フランジ３０から一旦垂下し、次いで外方へと湾
曲して立上り部３２を形成している。このデイフ
レクタ２８の内部からさらに下方に指向してフイ
ルタ３４が装着される。フイルタ３４は金属粉を
焼結したフイルタ本体３６とこのフイルタ本体３
６の下部に装着されて下方に若干湾曲して傾斜す
る面部を有するバツフル３８を有する。この場
合、ボデイ１２の内部に膨出形成された保持部４
２にロツド４０を螺入し、前記フイルタ本体３６
とデイフレクタ２８とを装着し、次いで、バツフ
ル３８を螺入し、前記フイルタ本体３６、デイフ
レクタ２８をしつかりとボデイに係着する。な
お、円筒状のフイルタ本体３６の内部には室４４
が画成され、この室４４は出口ポート１８と連通
状態にある。第１周溝２２の下部にボデイ１２側
から内方へと指向する複数個の突縁４６を突出形
成し、しかも、その中央部分には切欠部４８を画
成しておく。この場合、参照符号４７は互いに隣
接する突縁４６によつて画成される円弧状の溝部
を示す。

次に、ケース部１４について説明する。ケース
部１４は、第２図に示すように、合成樹脂体から
なるケース５０とこのケース５０を囲繞するプレ
ス絞り製ケースガード５２を含む。ケース５０の
上部端縁部はこれを切り欠くことにより段差部５
４を形成し、前記段差部５４の端部側に合成樹脂
製からなる環状のリング５６を装着する。従つ
て、第３図から容易に諒解されるように、リング
５６とケース５０の段差部５４を画成する壁部５
５との間に環状の凹部が画成され、本考案では、
この凹部にシール用Ｏリング５８が嵌装される。
すなわち、リング５６と前記壁部５０との間でシ
ール用Ｏリング５８を挟持することになる。しか
も、このシール用Ｏリング５８の外周面は前記ケ
ース５０よりも直結方向へと若干膨出させてお
く。なお、この場合、前記段差部５４を大きく形
成し、これに第１のリング５６ａと第２のリング
５６ｂとを嵌着し、夫々のリング５６ａ，５６ｂ
によつて画成される凹溝にシール用Ｏリング５８
を嵌合してもよい（第４図参照）。

ところで、ケース５０はその上端部分から下方
に指向して若干直径を狭くするように形成され、
従つて、ケースガード５２との間では間隙６０が
画成される。ケース５０は前記間隙６０が生ずる
部分から下方に指向して徐々にその肉厚を増加さ
せ底部で収束するよう構成されている。ケース５
０の底部には円状孔部６２が画成され、さらに、
このケース５０の中央部底部には周回する突部６
４が形成される。

ケースガード５２は、図に示す通り、前記ケー
ス５０の外側にこれを囲繞するように配設される
ものであつて、略ケース５０と同一の形状を採用
している。然しながら、この場合、ケース５０の
内部を視認するためにケースガード５２には等間
隔で長溝６６が複数個切り欠き形成され、さら
に、上部には所定間隔離間して外方へと突出する
突縁６８が形成される。前記突縁６８はボデイ１
２に形成されている互いに隣接する突縁４６，４
６の間の溝４７と対応る形状を有し、さらに、切
欠部４８に係合するように下方に指向した突部７
０を有する。ケースガード５２の下部は湾曲して
半径方向中心に指向して終端し、その中央部分に
は前記周回する突部６４を受容するための孔部７
２が画成される。この場合、突部６４を孔部７２
に嵌合してケース５０とケースガード５２とを一
体化する際、突部６４の外周縁部に形成された周
溝７１に前記孔部よりも広径のリング部材７３が
嵌合して両者を固定する。

次に、前記孔部６２を利用して外方へと突出す
るドレンコツク７４が装着される。ドレンコツク
７４は第１の円筒部７６と、ドレンコツク本体７
８と、このドレンコツク本体７８から下方に指向
する第２の円筒部８０とを有し、第１円筒部７６
の内部にはコイルスプリング８２によつて下方へ
と押圧される弁体８４を内装する。この弁体８４
の傾斜する先端部８６には一端部が外部に露呈
し、且つ他端側に傾斜部を形成したプツシユ部材
８８が係合する。プツシユ部材８８の他端側には
第２のコイルスプリング９０が係合し、常時、プ
ツシユ部材８８を外方へと押圧している。なお、
第２円筒部８０の内部には継手部材９２が配設さ
れる。

次いで、ケースガード５２にはロツク機構９４
が配設される。このロツク機構９４はストツパ部
材９６を含む。すなわち、ケースガード５２の一
部を切り欠き、これに傾斜部を介してストツパ部
材９６を係合するよう構成している。このストツ
パ部材９６はＳ字状に湾曲する弾性部材９８によ
つて、図において上方へと、常時、押圧され、前
記弾性部材９８はロツクボタン１００によつて弾
性的に撓曲する。なお、図中、参照符号１０２は
ケースガード５２の切欠部内を摺動してストツパ
部材９６をボデイ１２に押圧するための舌片１０
４を当該ロツクボタン１００と一体的に変位させ
るピン部材であり、また、参照符号１０５は、ケ
ース５０とドレンコツク７４とを固着するための
スナツプリングを示す。

前記のように構成されるボデイ１２とケース部
１４とは次のように一体化すればよい。すなわ
ち、先ず、ボデイ１２に対してケース部１４を装
着するに際しては、予め、ケース５０の周回する
突部６４をケースガード５２の孔部７２に嵌合す
る。このようにしてケースガード５２に対してケ
ース５０を固定した状態でドレンコツク７４をケ
ース５０の孔部６２内に装着し、スナツプリング
１０５を嵌合し、且つリング部材７３を周溝７１
に嵌合することによつてこれを一体化する。この
ようにケース５０を組み込んだケースガード５２
は、先ず、ケース５０のリング５６を第２周溝２
４の中に導入すると共に突縁６８を第１周溝２２
の溝４７内に嵌合する。その際、図から容易に諒
解されるように、ケース５０の先端周縁部はケー
スガード５２よりも上方に突出し、このため、前
記先端周縁部が他の機器に衝撃的に当接しないと
も限らない。この場合、合成樹脂製のリング５６
はその衝撃力を緩和し、従つて、ケース５０自体
を十分に保護できる。次に、リング５６が第２周
溝２４の上壁部に指向するようにこのケースガー
ド５２をケース５０と一体的に嵌入すると、シー
ル用Ｏリング５８は第２周溝２６を画成するボデ
イ１２の壁部に圧接し、気密性を確保するに至
る。なお、この場合、ロツク機構９４を構成する
ストツパ部材９６の一面が第１周溝２２を画成す
るボデイ１２の壁部に圧接する。その圧接にも拘
らず、前記ケースガード５２をケース５０と共に
一体的に円周方向へと周回させ、次いで、突縁６
８を突縁４６に係合させる。この結果、切欠部４
８に対して突部７０が嵌合し、これによつてボデ
イ１２とケース部１４とが相互の変位を阻止され
て両者は一体化するに至る。

このような組立構成において、入口ポート１６
から所定圧の空気が導入されると、この空気は通
路２６、第２周溝２４を介して第１周溝２２に至
る。この間、前記所定圧の空気はデイフレクタ２
８によつて特に湾曲する立上り部３２の作用下に
フイルタ本体３６の周囲を勢いよく回り込み、フ
イルタ本体３６の全周壁からその内部へと侵入す
る。この過程において、フイルタ本体３６は前記
空気の内部に含まれている塵埃等を除去し、これ
を余剰の水分、あるいは、油分と共に鍔部材３８
からケース５０の内部へと落下させる。フイルタ
本体３６によつて濾過された空気は室４４から出
口ポート１８を経て外部に導出されることはいう
までもない。この間、容易に諒解されるように、
ケース５０の内部には前記所定圧の空気によつて
相当の内圧が印加されるが、リング５０によつて
しつかりと保持されたシール用Ｏリング５８は前
記空気の外部への漏出を効果的に阻止する。

一方、ケース５０の内部に貯留された塵埃、水
分、油分はケースガード５２に形成された長溝６
６から容易に視認され、所定の量になつた時、ド
レンコツク７４を構成するプツシユ部材８８が押
圧される。このプツシユ部材８８は傾斜面８８ａ
を有するために、先端部８６はこの傾斜面８８ａ
の押圧作用下にコイルスプリング８２の弾発力に
抗して上昇し、この結果、ケース５０の内部の水
分等は第１円筒部７６から第２円筒部８０を経て
継手部材９２に至る。継手部材９２から外部に導
出されることは勿論である。

そこで、ケース５０の壁部が塵埃等によつて汚
れ、あるいは、何等かの原因に起因してボデイ１
２からケース部１４を取り外す場合について、次
に説明する。

先ず、ロツクボタン１００を下方へと押圧動作
する。この結果、ストツパ部材９６と第１周溝２
２を画成する壁部との摩擦係合が開放される。こ
のようにした状態でケースガード５２をさらに上
方へと持ち上げ、この結果、切欠部４８から突部
７０を離脱させる。そこで、ケースガード５２を
円周方向へと回転させ、溝４７に対応するように
突縁６８を位置決めする。この状態で、この溝４
７を介して前記突縁６８を恰も引き抜くようにし
てケースガード５２をボデイ１２から離脱させれ
ばよい。

以上のように、ボデイによれば、流体圧機器用
のケースに合成樹脂製のリングを嵌着するだけ
で、シール用Ｏリングを簡易に取着可能な周溝が
画成出来る。しかも、このリングは脆性のある合
成樹脂製、または、ガスラ製からなるケース周縁
部を好適に衝撃から守るために、特に、ケース自
体を保護出来る効果が得られる。また、ケース成
形用の型費用も低廉で済むためにケース全体とし
ての製造費用のコストダウンが図れ、一方、耐用
性も一段と向上し且つ取り扱いも容易となる利点
が確保できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用する一実施例としてのフ
イルタの一部切欠分解斜視図、第２図は第１図に
示すケースとケースガードとの相互関係を示す分
解斜視図、第３図はケースとリングとの相関関係
を示す一部省略縦断面図、第４図はケースとリン
グの別の実施例を示す一部省略縦断面図である。 １０……フイルタ、１２……ボデイ、１４……
ケース部、１６……入口ポート、１８……出口ポ
ート、２０……隔壁、２２，２４……周溝、２８
……デイフレクタ、３４……フイルタ、４０……
ロツド、５０……ケース、５２……ケースガー
ド、５６……リング、５８……シール用Ｏリン
グ、６４……突部、６６……長溝、６８……突
縁、７０……突部、７２……孔部、７４……ドレ
ンコツク、９４……ロツク機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 周溝２２を画成したボデイ１２と、前記周溝２
   ２にケース５０と一体的に嵌合するケースガード
   ５２とからなり、前記ボデイ１２には前記周溝２
   ２から内方へと突出する複数個の突縁４６を設け
   るとともに、この突縁４６の一部に切欠部４８を
   形成し、一方、ケースガード５２の開口する端部
   周縁には前記ボデイ１２の互いに隣接する突縁４
   ６間に嵌入する突縁６８を突出形成し且つこの突
   縁６８に前記切欠部４８に嵌合する突起部７０を
   形成し、さらにケース５０は円筒状のガラス製で
   あり且つその端縁近傍に周回する段差部５４を形
   成し、前記段差部５４に合成樹脂製のリング５６
   を嵌着することにより前記段差部５４との間で周
   溝を画成し、前記周溝にシール用Ｏリング５８を
   嵌挿することを特徴とする流体圧機器。