JPH05138842A - 描画性保護フイルムおよびその製造法 - Google Patents

描画性保護フイルムおよびその製造法

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JPH05138842A
JPH05138842A JP3309341A JP30934191A JPH05138842A JP H05138842 A JPH05138842 A JP H05138842A JP 3309341 A JP3309341 A JP 3309341A JP 30934191 A JP30934191 A JP 30934191A JP H05138842 A JPH05138842 A JP H05138842A
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Masayoshi Suyama
雅好 須山
Masanori Takeuchi
雅則 竹内
Yoichi Matsuura
洋一 松浦
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2995/00Properties of moulding materials, reinforcements, fillers, preformed parts or moulds
    • B29K2995/0037Other properties
    • B29K2995/0072Roughness, e.g. anti-slip

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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 HB程度の鉛筆で表面に文字あるいは図柄が
書け、欠点チエックができる程度の透明性を有し、かつ
加熱加工しても剥離力変化の小さい描画性表面保護フイ
ルムを得る。 【構成】 一方の表面にA層,他面にB層を有する全光
線透過率が70%以上の複合共押出し未延伸フイルムで
あって、A層は、特定のポリオレフィン樹脂と屈折率,
アスペクト比,平均粒子径が特定の無機粒子15〜50
重量%とからなり、ビッカ−ス硬度が1.4〜5.5,
表面粗度が0.4μ〜1.5μの層であり、B層は直鎖
低密度ポリエチレンと粘着付与剤とからなる、表面粗度
が0.03μ〜0.18μの粘着層とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属板,合成樹脂板な
どの板状物品表面に剥離自在に粘着できる表面保護フイ
ルムに関するものである。
【0002】さらに詳しくは、板状物品に貼り合わせた
表面保護フイルムの表面上に鉛筆で文字あるいは図柄が
書ける描画性を有する保護フイルムに関する。
【0003】
【従来の技術】従来、金属板,合成樹脂板,ガラス板な
どの板状物品においては、使用するまでの保管期間に物
品表面にゴミが付着したり、損傷による表面傷を防ぐた
め、あるいは、これらの板上物品を一定形状に切断した
後の曲げあるいは絞りなどの加工行程における損傷を防
ぐ目的で表面保護材が使用されている。
【0004】表面保護材としては、紙を基本とした保護
紙とフイルムを基本とした保護フイルムが知られてい
る。保護紙は、安価でかつその表面に文字や図柄が書け
る利点を有するが、一旦貼り合わせてしまうと内側の基
材が見えないために、基材との貼り合わせた後の欠点チ
ェックあるいは基材の種類確認が難しいという欠点があ
る。これに比べフイルムを基本とした保護フイルムは透
明性を有することから、基材と貼り合わせた後も内側の
基材が良く見えるという利点があるが、フイルム上に鉛
筆で文字や図柄が書けないために、一定の形状に切断す
る時には目安で切断しなければならない、また、サンプ
ルNOや名称を書くことができないという欠点を有して
いた。
【0005】一方、オレフィン系フイルムの描画性に関
する公知例としては特開昭53−31741等にみられ
るように、オレフィン系樹脂に少量のフィラ−を添加し
てから一軸方向あるいは二軸方向に延伸したものが知ら
れている。しかし、未延伸ポレオレフィンフイルムにお
いては良好な描画性,透明性を有する表面保護フイルム
は知られていない。このことは、未延伸オレフィン樹脂
の柔らかさおよびフィラ−添加による不透明化から考え
てこれらの目的を達成することは困難と考えられていた
ためである。また、加熱下で加工される描画性プロテク
トフイルムは、加工温度による粘着力変化が小さいこと
が望まれてきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、表面
保護フイルムとしての機能を失うことなく上記欠点を解
消せしめた描画性を有する表面保護フイルムを提供せん
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明が解決しようとす
る問題点は次の「1」〜「5」の手段によって解決され
る。
【0008】「1」一方の表面にA層,他面にB層を有
し,全光線透過率が70%以上の未延伸の積層ポリオレ
フィンフィルムであって、該A層はオレフィン樹脂に無
機粒子を混合してなりビッカース硬度(H),表面粗度
(Ra)が 1.4≦H≦5.5 0.4μ≦Ra≦1.5μ であり、該B層は直鎖状低密度ポリエチレンと粘着付与
剤からなる、表面粗度(Ra)が 0.03μ≦Ra≦0.18μ の粘着層であることを特徴とする描画性保護フイルム。
【0009】「2」無機粒子のアスペクト比は5以下
で、屈折率(D),平均粒子径(R)が 1.48≦D≦1.70 2μ≦R≦10μ であり、かつ添加量が15〜50重量%であることを特
徴とする上記1に記載の描画性保護フイルム。
【0010】「3」A層に極性基を有するオレフィン系
樹脂を2〜15重量%混合してなる上記1または2記載
の描画性保護フイルム。
【0011】「4」A層にポリスチレン樹脂,ポリメチ
ルメタクリル樹脂を2〜15重量%混合してなる上記1
〜3のいずれかに記載の描画性保護フイルム。
【0012】「5」無機粒子を混合してなる樹脂(A
層)と粘着樹脂(B層)をそれぞれ溶融した後冷却ドラ
ム上に複合押出ししてキャストする上記1〜4のいずれ
かに記載の描画性保護フイルムを製造する方法であっ
て、該キャストはB層面がドラム側であることを特徴と
する描画性保護フイルムの製造方法である。
【0013】本発明においてA層に使用するオレフィン
系樹脂とは、中密度ポリエチレン,高密度ポリエチレ
ン,ポリ4メチルペンテン−1,ポリプロピレンの単
体、または低密度ポリエチレン,中密度ポリエチレン,
高密度ポリエチレン,ポリ4メチルペンテン−1,ポリ
プロピレン,ポリスチレン、ポリメチルメタクリル樹
脂,から選ばれる2種類以上の混合物である。また、こ
れらの樹脂に基本的な性質を損なわない範囲で共重合可
能なモノマ−を共重合しても、各種添加剤を配合しても
よい。
【0014】本発明のA層のビッカース硬度(H)は
1.4≦H≦5.5、好ましくは1.7≦H≦5.0で
ある。A層のビッカ−ス硬度が1.4未満であると、無
機粒子が配合されていても描画性が発現しない。また、
ビッカ−ス硬度が5.5を超えると、A層が硬くなり過
ぎるために合成樹脂板あるいは金属板などの基材との貼
り合せにおいてB層と基材との間で粘着性低下による浮
きが発生する。
【0015】A層に配合される無機粒子の添加量は15
〜50重量%、好ましくは20〜45重量%であるのが
よい。添加量が15重量%未満では描画性の発現が悪
く、50重量%を超えるとB層との複合製膜性が悪くな
る。
【0016】A層に配合される無機粒子のアスペクト比
は好ましくは5以下、より好ましくは3以下,屈折率
(D)は好ましくは1.48≦D≦1.70、より好ま
しくは1.50≦D≦1.65,平均粒子径(R)は好
ましくは2μ≦R≦10μ、より好ましくは2.0μ≦
R≦8μである。アスペクト比が5を超えた無機粒子を
添加しても描画性の発現が良くならず、屈折率が1.4
8より小さいか1.70を越えた無機粒子を添加すると
A層の透明性が悪化するため基材との貼り合せにおける
欠点チェックおよび貼り合せ後の欠点チェックが困難と
なる。また平均粒子径が2μより小さい無機粒子を添加
しても描画性の発現は良くならず、10μを越える無機
粒子を添加するとB層表面の表面粗度が大きくなり過ぎ
るために基材との貼合せで浮きを発生する。この現象は
A層の表面粗度の大きさがB層の表面粗度に影響を与え
ていることによるものと推定される。
【0017】本発明において、無機粒子を添加してなる
A層の表面粗度Raは0.4μ≦Ra≦1.5μ、好ま
しくは0.45μ≦Ra≦1.4μである。A層の表面
粗度が0.4μより小さいと描画性が発現しないし、
1.5μを超えるとB層の表面粗度が大きくなり過ぎ
る。また、B層の表面粗度Raは0.03μ≦Ra≦
0.18μ、好ましくは0.04≦Ra≦0.16であ
る。B層の表面粗度を0.03μより小さくすることは
事実上困難であるし、0.18μを超えると基材との貼
り合せにおいて浮きを発生する。
【0018】すなわち、表面保護フイルムに描画性を発
現させるためにはA層を硬くして、かつその表面粗度を
大きくすると有利であるが、A層を硬くし過ぎたり,A
層の表面粗度を大きくし過ぎたりすると、B層の表面粗
度が大きくなり過ぎるなどの欠点を生じるために保護フ
イルムとしての機能を失ってしまうことになる。
【0019】本発明のA層に添加される無機粒子として
は、炭酸カルシウム,水酸化マグネシウム,ドロマイ
ト,シリカ,クレ−等がある。これらの無機粒子は一定
の形状と一定の屈折率を有している。偏平でないこれら
の形状は描画性に有利に作用し、一定の屈折率は透明性
に有利に作用する。しかし、これらの無機粒子を用いて
も、延伸フイルムではボイド発生により不透明化してし
まう。これらの無機粒子を用いて未延伸フイルムとする
ことにより、描画性と透明性を有する表面保護フイルム
を得ることができるのである。
【0020】粘着層であるB層は直鎖状低密度ポリエチ
レンと粘着付与剤からなる。直鎖状低密度ポリエチレン
としては、粘着力付与効果および被着体表面汚染の点か
ら密度が0.905〜0.925(g/cm3 )の直鎖状低
密度ポリエチレンが,また、複合製膜性の点からMI
(メルトインディクス)2〜10の直鎖状低密度ポリエ
チレンが好ましい。
【0021】粘着付与剤としては、ロジン,変成ロジ
ン,テルペン系樹脂,シクロペンタジエン系樹脂,脂肪
族および芳香族系石油樹脂,クマロンインデン樹脂,ア
ルキルフェノ−ル樹脂,スチレン系樹脂などがある。
【0022】また、A層に混合されると望ましい極性基
を有するオレフィン系樹脂とは、エチレン・アクリル酸
共重合樹脂,エチレン・メタアクリル酸共重合樹脂,エ
チレン・アクリル酸メチル共重合樹脂,エチレン・アク
リル酸エチル共重合樹脂,エチレン・酢ビ共重合樹脂,
マレイン酸グラフトポリプロピレン樹脂等である。これ
ら極性基を有するオレフィン系樹脂の混合量は好ましく
は2〜25重量%、より好ましくは5〜20重量%であ
る。これらの樹脂を混合すると、A層上に鉛筆で書いた
文字がより読み易くなる効果がある。これは、A層表面
の光沢性がより低下するために起こる現象であると考え
られる。これらの樹脂の混合量が2重量%未満であると
その効果は小さく、25%を超えると描画性の発現ある
いは基材との貼合せにおける浮きが問題になる。さら
に、A層にはポリスチレン,ポリメチルメタクリレ−ト
樹脂が2〜15重量%、好ましくは5〜12重量%混合
されるのが良い。これらの硬い樹脂が表層部に適度に分
散すると、鉛筆での描画性が良好となる。しかし、混合
量が2%未満であるとその効果は小さく、15重量%を
超えると基材との貼り合せにおいて浮きを発生する。
【0023】本発明の複合フイルムの全光線透過率は7
0%以上、好ましくは75%以上である。複合フイルム
の全光線透過率が70%未満であると、基材との貼り合
せにおける欠点チェック、基材の欠点チェツクが困難と
なる。
【0024】本発明における複合共押出し法は、公知の
複合押出し方法が採用できる。また、複合押出しにおい
て、該フイルムはB層面キャストである。A面層キャス
トでは、キャストが不安定であると同時にB層の表面粗
度が大きくなりすぎる。複合共押出し方法にて描画性保
護フイルムを製造することは、溶剤を用いてコ−ティン
グする方法に比べて有機溶剤に関する心配もなく、かつ
より高速で生産できる。
【0025】また、A層/B層の2層フイルムにおける
ト−タル厚みおよび構成比は特に限定されるものではな
いが、ト−タル厚みは30μ〜100μの範囲が、構成
厚みはA/Bが4/1〜1/4の範囲が好ましい。
【0026】次ぎに本発明の描画性保護フイルムの製造
方法について説明するが、これに限定されるものではな
い。すなわち、B層である粘着層樹脂成分とA層樹脂成
分とを溶融共押出し装置にて別々の投入口より投入し、
ダイスあるいは短管で合流せしめて複合流体を形成して
押出す。口金から吐出された溶融フイルムのB層面がド
ラムに接するようにキャストし巻き取ることによりB層
とA層の2層複合未延伸フイルムを得ることができる。
【0027】本発明の描画性保護フイルムは合成樹脂板
あるいは金属板をはじめ種々の物品の保護フイルムとし
て、あるいはその美的外観を生かした保護フイルム用途
に広く使用することができる。
【0028】
【発明の効果】本発明の効果を以下に列挙する。
【0029】(1)本発明で得られたフイルムは、鉛筆
による描画性を有すると共に基材と貼り合せた後も基材
の欠点チェックができる。
【0030】(2)基材と貼り合せた後加熱加工して
も、粘着力の変化が小さいため、容易に剥離ができる。
【0031】(3)A層表面を凹凸化させているのでテ
カテカ感がなく、美的外観に優れる。
【0032】(4)共押出し法で製造するので、溶剤を
使用する方法に比べ安全でかつ安価である。
【0033】
【特性の測定方法・評価基準】
(1)ビッカ−ス硬度 島津製作所(株)製の島津微小硬度計2型を使用してJ
IS規格B7734に準じて測定した。
【0034】(2)無機粒子の屈折率 屈折率の異なる液体を試験管に入れ、それに無機粒子を
加えて充分振とうし、透明になった液体の屈折率で示し
た。
【0035】(3)無機粒子のアスペクト比 走査型電子顕微鏡を用い、粒子10個の長径/短径の比
を求め、その平均値をアスペクト比とした。
【0036】(4)無機粒子の平均粒子径 堀場製作所製のCAPA5000を用いて遠心沈降法に
て測定した。
【0037】(5)表面粗度(Ra) JIS B0601に準じて0.25mmカットオフにて
Raを測定した。
【0038】(6)全光線透過率(Tt) ASTM−D−1003−52に準じて測定した。
【0039】(7)浮き A層/B層の2層からなるフイルムのB層面と樹脂板が
合うようにして、小型プレスロ−ルにて室温圧着(線
圧:2kg/20mm )した。得られた積層体のフイルムと樹
脂板の粘着性(浮き)を目視にて判定した。 ○ : 樹脂板とフイルムの間で浮きが生じていないも
の × : 樹脂板とフイルムの間で浮きが生じて白く見え
るもの
【0040】(8)描画性 樹脂板と貼り合せたフイルムの上面(A層)からHBの
鉛筆を用いてフリ−ハンドで文字を書き、目視により描
画性を評価した。 ◎ : A層表面に文字が書け、書いた文字が読みやす
いもの ○ : A層表面に文字が書けるもの × : A層表面に文字が書けないもの
【0041】(9)欠点チェック あらかじめ黄色のマジックで樹脂板上に直径1mm程度の
塗りつぶした円を書き、その面にフイルムを(7)と同
様に貼合せる。貼合せた板のフイルム面上から目視し欠
点チェックの可否を判定した。 ○ : 目視にてマジック跡が見えるもの × : 目視ではマジック跡が見えないもの
【0042】(10)加熱加工時における粘着力変化 室温(23℃)と70℃に加熱したそれぞれの樹脂板に
描画性保護フイルムを張り合せ、300mm/minの引っ張
りスピ−ドにて粘着力を測定する。室温(23℃)にお
ける粘着力をP1 、70℃における粘着力をP2 とし、
2 /P1 の値で判定した。 ○:(P2 /P1 )<5 … 加熱加工時における粘着
力変化が小さく、剥離制良好なもの。 △:5≦(P2 /P1 )≦10 … 加熱加工時におけ
る粘着力変化が中ぐらいで剥離可能なもの。 ×:(P2 /P1 )>10 … 加熱加工時における粘
着力変化が大きく、剥離が難しいもの。
【0043】
【実施例】次に本発明を実施例により説明する。
【0044】実施例1〜6,比較例1〜8 市販の低密度ポリエチレン(メルトインデックス:2g
/10min ),高密度ポリエチレン(メツトインデック
ス:6g/10min ),ポリプロピレン(メルトインデッ
クス:15g/10min ),ポリスチレン(メルトインデ
ックス:7.5g/10min )を粉砕機にて粉体化する。
これらの粉体樹脂に各種粒子径の炭酸カルシュウム,タ
ルク,マイカ,酸化チタン,クレ−を表1の割合で混合
して、2軸ペレタイザ−にてペレタイズを行いA層樹脂
組成物を得た。
【0045】これらの樹脂をTダイを有する複合押出し
機(40mmφ,30mmφ)の40mmφ側より供給する。
一方、30mmφ押出し機側より直鎖低密度ポリエチレン
(FZ202:住友化学(株))/アルコンP−100
(98/2)を供給する。押出し機設定温度200〜2
20℃とし、表面温度35℃の冷却ドラム上にB層が接
するようにしてキャスト、固化させて60μ(A層/B
層の厚み比=2/1)の2層複合未延伸フイルムを得
た。
【0046】得られた複合フイルムと1mm厚みのポリカ
−ボネ−ト樹脂板(以下PC板という)を室温にて小形
ロ−ルラミネ−タ(線圧:2Kg/20cm )を使用して貼り
合せて評価した。
【0047】表2にみられるように、実施例1〜6はP
C板との貼り合せにおいて浮き発生もなく、A層表面に
描画性を有し、かつPC板と貼合せた後もPC板の欠点
チェックが可能なフイルムであった。
【0048】これに比べ、低密度ポリエチレン(LDP
E)を使用した比較例1,無機粒子としてアスペクト比
の大きいタルク,マイカを使用した比較例3,4は描画
性が発現しなかった。また、ポリスチレン(PS)をA
層に使用した比較例2は、単層フイルムでは描画性を有
するがB層と複合製膜することができなかった。
【0049】無機粒子として酸化チタンを使用した比較
例5は、描画性に欠けるとともに欠点チェックができな
い不透明なものであった。
【0050】また、炭酸カルシュウムの平均粒子径を
1.8μとした比較例6および炭酸カルシュウムの添加
量を10重量%とした比較例8は描画性が発現しなかっ
たし、平均粒子径11μの炭酸カルシュウムを使用した
比較例7は描画性を有するが、PC板との貼り合せにお
いて浮きが発生した。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】実施例7,比較例9 実施例1で使用したペレタイズ原料を複合押出し機の4
0mmφ側より供給し、30mmφ側より直鎖低密度ポリエ
チレン(FZ202:住友化学(株))/エスコレッツ
5320(エクソン化学(株))=97/4を供給して
2層複合製膜を行った。フイルムのキャスト面(冷却ド
ラムに接する面)を表3に示した条件で行い、80μ厚
み(A層/B層=1/2)の複合未延伸フイルムを得
た。得られたフイルムを1mm厚みのPMMA板(ポリメ
チルメタアクリル板)と実施例1〜6と同様に貼り合せ
て評価した。
【0054】実施例7は複合製膜性も良好で、樹脂板と
の貼り合せで浮きの発生もなく、描画性を有しかつ欠点
チェックのできる保護フイルムであった。これに比べ、
A層を冷却ドラムと接するようにキャストした比較例9
は製膜が不安定であるとともに、樹脂板との貼合せにお
いても浮きを発生した。
【0055】
【表3】
【0056】実施例8〜9,比較例10〜11 実施例1で使用したペレタイズ原料を複合押出し機の4
0mmφ側より供給し、30mmφ側より直鎖低密度ポリエ
チレン(FZ202:住友化学(株)),エチレン・酢
酸ビニル共重合樹脂(三井ポリケミカル(株):エバフ
レックスP0803),エスコレッツ5320(エクソ
ン化学(株))を表4の割合で混合したペレタイズ品を
供給して、実施例1と同様に2層複合未延伸フイルムを
得た。
【0057】得られた複合フイルムと1mm厚みのPC板
を室温および70℃(PC板を十分保温)にて小形ロ−
ルラミネ−タ(線圧:2Kg/20cm)を使用して貼り合せ
て評価した。
【0058】実施例8,9はP2 /P1 値が小さく、高
温にて貼り合せしても容易に剥離できる良好な保護フイ
ルムであった。しかし、比較例10〜11はP2 /P1
値が大きいため大きな剥離力を必要とし、剥離の難しい
フイルムであった。
【0059】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松浦 洋一 大阪府高槻市桜町1番5号 東レ合成フイ ルム株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の表面にA層,他面にB層を有し,
    全光線透過率が70%以上の未延伸の積層ポリオレフィ
    ンフイルムであって、該A層はオレフィン樹脂に無機粒
    子を混合してなりビッカ−ス硬度(H),表面粗度(R
    a)が 1.4≦H≦5.5 0.4μ≦Ra≦1.5μ であり、該B層は直鎖状低密度ポリエチレンと粘着付与
    剤からなり、表面粗度(Ra)が 0.03μ≦Ra≦0.18μ の粘着層であることを特徴とする描画性保護フイルム。
  2. 【請求項2】 無機粒子のアスペクト比は5以下で、屈
    折率(D),平均粒子径(R)が 1.48≦D≦1.70 2μ≦R≦10μ であり、かつ添加量が15〜50重量%であることを特
    徴とする請求項1に記載の描画性保護フイルム。
  3. 【請求項3】 A層に極性基を有するオレフィン系樹脂
    を2〜25重量%混合してなる請求項1または2記載の
    描画性保護フイルム。
  4. 【請求項4】 A層にポリスチレン樹脂および/または
    ポリメチルメタクリル樹脂を2〜15重量%混合してな
    る請求項1〜3のいずれかに記載の描画性保護フイル
    ム。
  5. 【請求項5】 無機粒子を混合してなる樹脂(A層)と
    直鎖状低密度ポリエチレンと粘着付与剤からなる粘着樹
    脂(B層)をそれぞれ溶融した後、冷却ドラム上に複合
    押出ししてキャストする請求項1〜4のいずれかに記載
    の描画性保護フイルムを製造する方法であって、該キャ
    ストはB層面をドラム面側とすることを特徴とする描画
    性保護フイルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1161027A (ja) * 1997-08-11 1999-03-05 Nippon Paint Co Ltd アクリル・ポリエチレン系樹脂塗料組成物及び塗装物

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