JPH05138768A - 他部材に密着接触する合成樹脂部材の密着促進構造 - Google Patents

他部材に密着接触する合成樹脂部材の密着促進構造

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JPH05138768A
JPH05138768A JP33430891A JP33430891A JPH05138768A JP H05138768 A JPH05138768 A JP H05138768A JP 33430891 A JP33430891 A JP 33430891A JP 33430891 A JP33430891 A JP 33430891A JP H05138768 A JPH05138768 A JP H05138768A
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synthetic resin
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JP33430891A
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Motoyasu Nakanishi
幹育 中西
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Suzuki Sogyo Co Ltd
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Suzuki Sogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、例えばいわゆるエンジニアリングプラスチッ
クと称される合成樹脂によって機械部品を構成した場合
において、部材相互の精密な密着を図ることが求められ
ている部材構成手法に関する。具体的には作動時に他の
部材と接触する合成樹脂製部材の接触部位近傍の内部を
中空状としてくり抜き部15を設け、これにより部材の
可撓性を高め、相互密着が図り得るようにしたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明は例えばいわゆるエンジニ
アリングプラスチックと称される合成樹脂によって機械
部品を構成した場合における部材相互の密着促進構造に
関するものである。
【0002】
【発明の背景】一般に金属素材によって構成されていた
機械装置や機械部品をいわゆるエンジニアリングプラス
チックと称される機械適性の優れた材料で構成すること
が行われている。しかしながら例えば部品等の表面精度
が極めて厳しく要求されているものにあっては、その要
求に応じきれず、従来は実施が困難なものと認識され、
積極的な開発への取り組みがされていなかった。
【0003】その一例として例えばスクロール流体機械
が存在するものであって、このものの場合には流体を作
動させるための主要部材である一組の渦巻状ラップが重
要な構成となっており、相互に接するラップ同士の接点
におけるシール状況がその性能の良否を決定している。
このため従来のスクロール流体機械は、金属を主体と
し、鍛造成形後、ラップの表面研磨が入念に行われて製
造されていた。しかしながらこの表面研磨作業は、ラッ
プ自体が複雑な渦巻状であるため、数値制御によるいわ
ゆるNCラッピングマシンによるとしても極めて手間の
かかる作業を必要としていた。
【0004】ところで先に述べたようにエンジニアリン
グプラスチックはコスト面、メンテナンス面で相応の優
位性があり、前述のようなスクロール流体機械について
もエンジニアリングプラスチックを用いることにより、
多くの改善点がもたらされるであろうことは予想できる
ものの、すでに述べたようにスクロール流体機械のラッ
プはその相互の密着が確実になされることが要求されて
いる一方、エンジニアリングプラスチックにあっては、
密着を必要とする場合に要求されるそれに必ずしも応え
きれないことが隘路となって実現が阻まれていた。
【0005】
【開発を試みた技術的事項】本発明者はこのような特に
密着が確実になされることが要求される機械部品にも、
いわゆるエンジニアリングプラスチックの利用の途をひ
らくべく、特にその密着促進手法の開発を試みたもので
ある。
【0006】
【発明の構成】
【目的達成の手段】即ち本出願に係る他部材に密着接触
する合成樹脂部材の密着促進構造の第一の発明は、作動
時に他の部材に接触する合成樹脂製部材において、前記
部材は接触する部位近傍の内部を中空状としたくり抜き
部を具えていることを特徴として成るものである。
【0007】また本出願に係る他部材に密着接触する合
成樹脂部材の密着促進構造の第二の発明は、前記要件に
加え、前記くり抜き部にはゲル状物質が充填されている
ことを特徴として成るものである。これら発明により前
記目的を達成しようとするものである。
【0008】更にまた本出願に係る他部材に密着接触す
る合成樹脂部材の密着促進構造の第三の発明は、前記合
成樹脂部材はエンジニアリングプラスチックであること
を特徴として成るものである。
【0009】
【発明の作用】部材内部に中空状のくり抜き部が形成さ
れているときには、ラップの可撓性が高まり、延いては
寸法誤差の許容範囲が広くなって密閉状態を維持し得
る。またこのくり抜き部にゲル状物質を充填部材として
注入することによって運転中の振動の吸収作用もなされ
る。
【0010】
【実施例】以下本発明を図示の実施例に基づいて具体的
に説明するが、その説明にあたっては本発明をスクロー
ル流体機械に適用した場合を例示して説明する。符号1
は本発明を適用するスクロール流体機械であって、この
ものについて概説すると、まず外筐部材としてほぼ円筒
状のハウジング2を具える。このハウジング2内には主
要部材である固定スクロール10Aと旋回スクロール1
0Bとが設けられるものであって、一例としてハウジン
グ2のエンドプレートを直接利用して固定スクロール1
0Aを形成する。これら固定スクロール10Aと旋回ス
クロール10Bとが互いに噛み合って流体の処理空間を
幾つか形成するものであり、これらの空間を作動室3と
する。
【0011】そしてハウジング2の一部を成す固定スク
ロール10Aには吸入口4と吐出口5とが設けられる。
一方吸入口4及び吐出口5とが設けられた反対側からは
偏心駆動軸6がハウジング2の中心に設けられ、その先
端に旋回スクロール10Bを取り付け、その旋回運動を
行わせる。更に偏心駆動軸6の他端側はハウジング2か
ら外部側に突出し、ここに適宜直接駆動モータあるいは
図示の実施例のようにプーリ7を設けて回転が伝達され
るように構成される。尚、符号8は偏心駆動軸6によっ
て旋回する旋回スクロール10Bが回転(自転)しない
ように設けられた回転止めである。
【0012】尚これらの基本構成については従来のスク
ロール流体機械を踏襲するものであり、すでに公知のあ
るいは以後改良し得るスクロール流体機械の適宜の構成
が本発明に適用し得ることはいうまでもない。そして流
体を直接作動させるための固定スクロール10Aと旋回
スクロール10Bとはそれぞれほぼ相似した形状を有す
るものであり、固定スクロール10Aは鏡板11Aに対
し渦巻状のラップ12Aを具えるとともに、旋回スクロ
ール10Bの鏡板11Bと渦巻状のラップ12Bを具え
る。そして互いに相接する部材である鏡板11A、11
B及びラップ12A、12Bにおいて本発明の特徴的構
成である密着促進構造を適用するのである。
【0013】尚以下の説明において、固定スクロール1
0Aと旋回スクロール10Bとを区別して表示する必要
のない場合にはスクロール10と、また同様に鏡板11
A、11B、及びラップ12A、12Bについても鏡板
11、ラップ12として表示する。
【0014】次に密着促進構造を図4、5に示す実施例
に従って説明する。まず合成樹脂材料としては、ポリフ
ェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリスルホ
ン、ポリイミド、ポリトリアジン、ポリアセタール等を
主成分としたいわゆるエンジニアリングプラスチックを
用いる。そして密着促進構造はスクロール10における
ラップ12に対し、くり抜き部15を形成し、これによ
ってラップ12の可撓性を更に増加させるようにしたも
のである。このようにするときにはそれぞれ接し合う固
定スクロール10Aと旋回スクロール10Bとにおける
それぞれのラップ12A、12Bが互いに撓み合うこと
により、その密着性を向上させるのである。このとき図
?に示すようにくり抜き部15に対し、例えばゲル状物
質から成る充填材16を充填する場合には振動吸収等の
作用が期待できる点で好ましい。因みにこのゲル状物質
としては一例としてシリコーンゲルを挙げることができ
る。
【0015】ここでこのようなシリコーンゲルについて
詳しく説明すると、このものは次式[1]で示されるジ
オルガノポリシロキサン(以下A成分という): RR1 2SiO−(R2 2SiO)n SiR1 2R・・・[1] [ただし、Rはアルケニル基であり、R1 は脂肪族不飽
和結合を有しない一価の炭化水素基であり、R2 は一価
の脂肪族炭化水素基(R2 のうち少なくとも50モル%
はメチル基であり、アルケニル基を有する場合にはその
含有率は10モル%以下である)であり、nはこの成分
の25℃における粘度が100〜100000cSt にな
るような数である]と、25℃における粘度5000cS
t 以下であり、1分子中に少なくとも2個のSi原子に直
接結合した水素原子を有するシリコーンゲルの原液たる
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B成分)とか
らなり、且つこのB成分中のSi原子に直接結合してい
る水素原子の合計量に対するA成分中に含まれるアルケ
ニル基の合計量の比(モル比)が0.1〜0.2になる
ように調整された混合物を硬化させることにより得られ
る付加反応型シリコーンコポリマーであって、JIS K(K-
2207-1980 50g 荷重)で測定した針入度が5〜250の
硬化物である。
【0016】このシリコーンゲルについてさらに詳しく
説明すると、上記A成分は直鎖状の分子構造を有し、分
子の両末端にあるアルケニル基RがB成分中のSi原子に
直接結合した水素原子と付加して架橋構造を形成するこ
とができる化合物である。この分子末端に存在するアル
ケニル基は、低級アルケニル基であることが好ましく、
反応性を考慮するとビニル基が特に好ましい。
【0017】また分子末端に存在するR1 は、脂肪族不
飽和結合を有しない一価の炭化水素基であり、このよう
な基の具体例としてはメチル基、プロピル基及びヘキシ
ル基等のようなアルキル基、フェニル基並びにフロロア
ルキル基を挙げることができる。
【0018】上記[1]式においてR2 は一価の脂肪族
炭化水素であり、このような基の具体的な例としては、
メチル基、プロピル基及びヘキシル基等のようなアルキ
ル基並びにビニル基のような低級アルケニル基を挙げる
ことができる。ただしR2 のうち少なくとも50モル%
はメチル基であり、R2 がアルケニル基である場合に
は、アルケニル基は10モル%以下の量であることが好
ましい。アルケニル基の量が10モル%を越えると架橋
密度が高くなり過ぎて高粘度になりやすい。またnは、
このA成分の25℃における粘度が通常は100〜10
0000cSt 、好ましくは200〜20000cSt の範
囲内になるように設定される。
【0019】上記のB成分は、A成分の架橋剤でありSi
原子に直接結合した水素原子がA成分中のアルケニル基
と付加してA成分を硬化させる。B成分は上記のような
作用を有していればよく、B成分としては直鎖状、分岐
した鎖状、環状あるいは網目状などの種々の分子構造の
ものが使用できる。
【0020】また、B成分中のSi原子には水素原子の
他、有機基が結合しており、この有機基は通常メチル基
のような低級アルキル基である。さらに、B成分の25
℃における粘度は通常は5000cSt 以下、好ましくは
500cSt 以下である。このようなB成分の例として
は、分子両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された
オルガノハイドロジェンポリシロキサン、ジオルガノシ
ロキサンとオルガノハイドロジェンシロキサンとの共重
合体、テトラオルガノテトラハイドロジェンシクロテト
ラシロキサン、HR1 2SiO 1/2単位とSiO 4/2単位とか
らなる共重合シロキサン、及びHR1 2SiO 1/2単位とR
1 3SiO 1/2単位とSiO 4/2単位とからなる共重合体ポリ
シロキサンを挙げることができる。ただし上記式におい
てはR1 は前記と同じ意味である。
【0021】そして上記のB成分中のSiに直接結合して
いる水素原子の合計モル量に対するA成分中のアルケニ
ル基の合計モル量との比率が通常は0.1〜2.0、好
ましくは0.1〜1.0の範囲内になるようにA成分と
B成分とを混合して硬化させることにより製造される。
【0022】この場合の硬化反応は、通常は触媒を用い
て行われる。ここで使用される触媒としては、白金系触
媒が好適であり、この例としては微粉砕元素状白金、塩
化白金酸、酸化白金、白金とオレフィンとの錯塩、白金
アルコラート及び塩化白金酸とビニルシロキ酸との錯塩
を挙げることができる。このような錯塩はA成分とB成
分との合計重量に対して通常は0.1ppm ( 白金換算
量、以下同様 )以上、好ましくは0.5ppm 以上の量で
使用される。このような触媒の量の上限については特に
制限はないが、例えば触媒が液状である場合、あるいは
溶液として使用することができる場合には200ppm 以
下の量で十分である。
【0023】上記のようなA成分、B成分及び触媒を混
合し、室温に放置するか、あるいは加熱することにより
硬化して本発明で使用されるシリコーンゲルが生成す
る。このようにして得られたシリコーンゲルは、JIS K
(K-2207-1980 50g 荷重)で測定した針入度が通常5〜
250を有する。尚このようなシリコーンゲルの硬度
は、上記A成分とB成分とにより形成された架橋構造に
よって変動する。
【0024】またシリコーンゲルの硬化前の粘度及び硬
化後の針入度は両末端がメチル基であるシリコーンオイ
ルを、得られるシリコーンゲルに対して5〜75重量%
の範囲内の量であらかじめ添加することにより調整する
ことができる。このようにシリコーンゲルは上記のよう
にして調整することもできるし、また市販されているも
のを使用することもできる。
【0025】本発明で使用することができる市販品の例
としては、CF5027、TOUGH−3、TOUGH
−4、TOUGH−5、TOUGH−6、TOUGH−
7、(トーレ・ダウコーニングシリコーン社製)やX3
2−902/cat 1300(信越化学工業株式会社
製)、F250−121(日本ユニカ株式会社製)等を
挙げることができる。
【0026】尚、上記A成分、B成分及び触媒の他に、
チクソトロピー性付与剤、顔料、硬化遅延剤、難燃剤、
充填剤等をシリコーンゲルの特性を損なわない範囲内で
配合することもでき、また微小中空球体のフィラーを混
入してなるシリコーンゲルを用いてもよく、このような
材料としては日本フィライト株式会社製造のフィライト
(登録商標)や同社販売のエクスパンセル(登録商標)
等が例示できる。尚このような充填材16を設けたとき
には、その下面に閉塞板17を設けておくことが好まし
い。
【0027】尚、本発明の応用事例は当然ながら前述の
スクロール流体機械のみならず、密閉性を要求される。
ギヤポンプその他適宜の部材、部品に適用できる。また
くり抜き部の形状はその目的に応じ適宜の形状がとり得
ることはいうまでもない。
【0028】
【発明の効果】本発明は以上述べたように合成樹脂材料
において中空状のくり抜き部を設けることによって可撓
性を高め、これによって寸法誤差の許容範囲を大きくし
てきたから、相互に密着する部材間で結果的に高い密着
性が保たれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の密着促進構造を適用した合成樹脂部材
を有するスクロール流体機械を示す分解斜視図である。
【図2】同上骨格的横断面図である。
【図3】同上縦断側面図である。
【図4】ラップ内部にくり抜き部を設けた実施例を示す
骨格的縦断面図である。
【図5】同上くり抜き部に充填材を充填した実施例を示
す骨格的縦断面図である。
【符号の説明】
1 スクロール流体機械 2 ハウジング 3 作動室 4 吸入口 5 吐出口 6 偏心駆動軸 7 プーリ 8 回転止め 10 スクロール 10A 固定スクロール 10B 旋回スクロール 11 鏡板 11A 鏡板 11B 鏡板 12 ラップ 12A ラップ 12B ラップ 15 くり抜き部 16 充填材 17 閉塞板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作動時に他の部材に接触する合成樹脂製
    部材において、前記部材は接触する部位近傍の内部を中
    空状としたくり抜き部を具えていることを特徴とする他
    部材に密着接触する合成樹脂部材の密着促進構造。
  2. 【請求項2】 前記くり抜き部にはゲル状物質が充填さ
    れていることを特徴とする請求項1記載の他部材に密着
    接触する合成樹脂部材の密着促進構造。
  3. 【請求項3】 前記合成樹脂部材はエンジニアリングプ
    ラスチックであることを特徴とする請求項1または2記
    載の他部材に密着接触する合成樹脂部材の密着促進構
    造。
JP33430891A 1991-11-22 1991-11-22 他部材に密着接触する合成樹脂部材の密着促進構造 Pending JPH05138768A (ja)

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