JPH0513852B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は燃料補給パイプからの燃料流入が燃料
タンクの最高液面になるように設けているエアー
抜き作用のブリーザーチユーブに対して、燃料補
給毎に燃料タンクから逆流する燃料によりエアー
抜き機能を失つてしまうのを、次回の燃料補給の
時までに自動的に排除して前記機能を回復させる
ようにするブリーザーチユーブ装置に係るもので
ある。

（従来の技術） 第８，９図に示すように車両搭載用燃料タンク
ａには、車両ボデイの外部からの燃料補給が出来
るようにするため、斜め上方に突出する燃料補給
パイプｃを設けている。然るに該補給パイプｃは
燃料タンクａの内部頂面ｂより低い側部から突出
しているから、燃料補給時に燃料が燃料補給パイ
プｃの燃料タンクから突出する部分の上側端縁ｄ
まで流入するとタンク上部のエアーの逃げ場が無
くなり、燃料面を圧迫してして補給が出来なくな
る。かかる欠点を除くため内端を燃料タンクａ内
の前記上側端縁ｄより高い位置に開口し外端を燃
料補給パイプｃ内の上方部で開口すると共に、内
外両端の間に低く屈曲したエアー抜きのブリーザ
ーチユーブｅを設けている。しかしながら燃料液
面が該チユーブｅの内端開口に達すると燃料は逆
流して屈曲ｆの部分に第９図のように溜まり、次
回の燃料補給の時にエアー抜きの機能を果たさな
くなり、一回の燃料補給量が少なくなる欠点があ
る。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明は、従来のブリーザーチユーブの前項に
述べた欠点に鑑み、ブリーザーチユーブの逆流燃
料を、搭載車両の走行中の制動、振動等により容
積を可変とし、制動、振動が停まるともとの容積
に戻る可変容積器を燃料タンク中に設けてブリー
ザーチユーブの逆流燃料が溜まる容積部分に連通
させ、次回の燃料補給のときまでにブリーザーチ
ユーブのエアー抜き機能を回復させて、前項に述
べた欠点を除くことを課題とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明は前項に述べた課題に合致する目的をも
つものであつて、内端を燃料タンク内の高い位置
に開口し、外端を燃料補給パイプの上方部で開口
すると共に内外両端の間を低く屈曲して内部に燃
料タンクから逆流する燃料が溜まる容積を持つエ
アー抜き作用のブリーザーチユーブにおいて、搭
載車両の走行中における制動若しくは振動により
容積が変化するベローズ、ピストン付シリンダ等
であつて拡大時と縮小時の容積の差がブリーザー
チユーブの燃料が溜まる容積より大きくなるよう
にした容積可変器を前記ブリーザーチユーブの屈
曲の最も低い部分にパイプ部材を介して連結して
燃料タンク中に設けたことを特徴とするブリーザ
ーチユーブ装置に係るものである。

本発明の好適な数例の実施例を次に説明する。

（実施例） 第１，２図は本発明の第１実施例を示し、第３
〜５図は第１実施例の作用説明図である。

図中１は燃料タンク、３は燃料タンク１の内部
頂面２より低い位置で該タンク１の側面から斜め
上方に突出させた燃料補給パイプ、５は燃料補給
パイプ３の燃料タンク１からの突出部上縁４より
高い位置において内端を燃料タンク１内に開口す
ると共に外端を燃料補給パイプ３の内部上方で開
口し、両端の間を下方への屈曲６として屈曲６の
低い部分７を前記した突出部上縁４の下に通した
ブリーザーチユーブであつて、該屈曲６の全体が
燃料タンクから内端開口を通つて燃料が滞留する
容積を構成する。

１１は軸線を車両の走行方向と平行にし燃料タ
ンク１内に装着したベローズからなる可変容積器
であつて、走行方向前面に連結したパイプ部材１
２をブリーザーチユーブ５の屈曲６の最も低い部
分７に接続し、内部に第３図に示すようにばね１
３を内接させて取付け、車両の進行方向ｘの後側
にバランスウエイト１４を架着する。

本実施例において燃料タンク１に燃料を補給す
ると、第３図に示すように液面Ｗがブリーザーチ
ユーブ５の内端開口に達すると燃料は該開口より
ブリーザーチユーブ５内へ逆流入し、該チユーブ
５の外端より燃料補給パイプ３内へ流れ込んで、
燃料補給ガン（図示せず）のセンサを働かせ、燃
料の補給が停止して液面Ｗは最高になる。一方ブ
リーザーチユーブ５の屈曲６に逆流した逆流燃料
は、ブリーザーチユーブ５の屈曲６に充満し、さ
らにパイプ部材１２を通つてベローズからなる可
変容積器１１に充満する。

然るに燃料消費により液面Ｗが少し低くなつた
あとで走行車両を制御する毎に、ベローズからな
る可変容積器１１がバランスウエイト１４の慣性
により第４図のように容積を縮小し、それによつ
て内部の逆流燃料をパイプ部材１２に押し出すた
め、ブリーザーチユーブ５の屈曲６に溜まつた逆
流燃料が該チユーブ５の内端開口から燃料タンク
１内に落し出される。

第４図のベローズからなる可変容積器１１の縮
小は僅かずつであつて、屈曲６の逆流燃料を一気
に押し出すことはなく、前記制動の停止又は車両
の停止とともに可変容積器１１はばね１３等によ
り伸長して屈曲６中の逆流燃料を吸込み、終りに
は第３図の屈曲６の逆流燃料の全量又は大半を可
変容積器１１に排出し、第５図のとおりにエヤー
抜き機能を回復する。

第６図はベローズａからなる可変容積器１１ａ
をブリーチユーブ屈曲６ａの最も低い部分７に設
けた下向開口のパイプ部材１２ａに挿通して吊下
げた態様の実施例を示し、この場合はばね１３ａ
を使用し、バランスウエイト１４ａにより鎖線の
ように吊下げて伸長を生じさせ、搭載車両の走行
中の振動により、バランスウエイト１４を実線の
ようにはね上げさせて容積を縮小させる。収縮に
よる作用は第１実施例と均等であり、ブリーザー
チユーブ５の屈曲に溜まつた逆流燃料が、燃料タ
ンク及び可変容積器１１ａ中に排除されてエヤー
抜き機能を回復する。

第７図は第３実施例を示し、搭載車両の燃料タ
ンク中に、車両の進行方向ｘに軸線をほぼ平行に
したシリンダからなる可変容積器１１ｂを設け、
進行方向前側の前端に連結したパイプ部材１２ｂ
をブリーザーチユーブ５ｂの屈曲６ｂの最も低い
部分７ｂに連結し内部にばね１３ｂとピストン１
４ｂとを嵌める。

本実施例では、走行車両の制動によりピストン
１４ｂが矢線ｘの方向に移動し、制動が終了する
こと又は車両停止とともに図示の常駐位置に戻る
ものであつて、逆流燃料の排出及び屈曲６に溜ま
つた逆流燃料の受入れの作用は第１実施例と均等
である。

尚ここで説明するエアーには当然、燃料の蒸発
気体も含まれている。

本発明は何れの実施例の場合でも、可変容積器
１１，１１ａ，１１ｂが燃料タンク中で安定した
収縮動作を生じさせるため、例えば棚板等を設け
て安定に支持することが望ましい。

（作 用） 本発明は前記に説明したように燃料タンクから
ブリーザーチユーブに逆流し、可変容積器の内部
にも溜まる逆流燃料を走行車両の制動、振動によ
り、ベローズ、ピストン付シリンダ等からなる可
変容積器の慣性による容積増減作用により燃料タ
ンク中に排出し、又は可変容積器に排除して、ブ
リーザーチユーブのエヤー抜き機能を、次回のと
きまでに回復させる。

（効 果） 本発明は走行車両の制動、振動等によつて可変
容積器からブリーザーチユーブの屈曲に溜まる逆
流燃料を排出するエネルギーは小さくあるが、燃
料補給に時間的間隔があり、しかも最終的に可変
容積器中に吸い込めばよいので、該チユーブの燃
料タンク内のエヤー抜き機能が一回の燃料補給の
終期に失われ、それによつて燃料タンクの補給最
高液面を決定しても、可変容積器の前記の制動、
振動等による作動機能は失われることがなく、次
回の燃料補給のときまでにブリーザーチユーブの
本来の機能を自動的に回復できる効果をもつ。

【図面の簡単な説明】

第１，２図は本発明の第１実施例であつて、第
１図は燃料タンク１の一部切欠側面図、第２図は
可変容積器１１の斜視図、第３〜５図は第１実施
例の作動を示した縦断面図である。第６図は第２
実施例のブリーザーチユーブ５ａと可変容積器１
１ａの切断面図。第７図は第３実施例のブリーザ
ーチユーブ５ｂと可変容積器の切断面図である。
第８図は従来装置の燃料タンクａの一部切欠側面
図、第９図は同一部拡大縦断面図である。 １→燃料タンク、５→ブリーザーチユーブ、６
→屈曲、７→低い部分、１２，１２ａ，１２ｂ→
パイプ部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内端を燃料タンク内の高い位置に開口し、外
   端を燃料補給パイプの上方部で開口すると共に内
   外両端の間を低く屈曲して内部に燃料タンクから
   逆流する燃料が溜まる容積を持つエアー抜き作用
   のブリーザーチユーブにおいて、 搭載車両の走行中における制動若しくは振動に
   より容積が変化するベローズ、ピストン付シリン
   ダ等であつて拡大時と縮小時の容積の差がブリー
   ザーチユーブの燃料が溜まる容積より大きくなる
   ようにした容積可変器を前記ブリーザーチユーブ
   の屈曲の最も低い部分にパイプ部材を介して連結
   して燃料タンク中に設けたことを特徴とするブリ
   ーザーチユーブ装置。