JPH05138255A - ベンデイングロール装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】両側にフランジを形成した被加工板金の曲げ加
工の作業時間を大幅に短縮する。 【構成】複数のロール３，４，５間に被加工板金１４を
挟入して各ロール３，４，５の協働により被加工板金１
４を曲げ加工するベンディングロールにおいて、少なく
とも１つのロール３はその回転シャフト２７に互いに分
割された複数個のカラー２８間に所定の間隔を形成し
た。これにより、ロール３の回転シャフト２７にカラー
２８を予め側端曲げ形成された被加工板金１４の間隔に
対応可能に装着し、回転シャフト２７とロール３，４に
被加工板金１４を挟入するとともに複数のロール３，
４，５を駆動させて被加工板金１４を送り出しながら所
定の曲率半径を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はベンディングロール装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、予め長尺の板金の曲げ作業を行う
専用の曲げプレスであるプレスブレーキによって被加工
板金の長手方向の側端曲げをＬ字状に行い、次に、側端
曲げ形成した被加工板金をさらに円筒状あるいは円弧状
に形成する場合には、再びプレスブレーキによって少し
ずつ折り曲げることを何度も繰り返して行っていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、プレスブレ
ーキで端曲げ形成した被加工板金を円筒状あるいは円弧
状に形成する場合において、何度も繰り返して形成しな
ければならないことから手間がかかり、それにともなっ
て作業時間もかかるという問題があった。

【０００４】又、少しずつ折り曲げるため加工精度が低
く、厳密な曲率半径に形成することはできないという問
題があった。本発明の目的は、作業時間を短縮でき、か
つ、加工精度の高いベンディングロール装置を提供する
ことにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、複数のロール
間に被加工板金を挟入して各ロールの協働により被加工
板金を曲げ加工するベンディングロールにおいて、少な
くとも１つのロールはその回転シャフトに互いに分割さ
れた複数個のカラー間に所定の間隔を形成したことを要
旨とするものである。

【０００６】

【作用】このように構成された本発明は、ロールの回転
シャフトにカラーを予め側端曲げ形成された被加工板金
の間隔に対応可能に装着し、回転シャフトとロールに被
加工板金を挟入するとともに複数のロールを駆動させて
被加工板金を送り出しながら所定の曲率半径を形成す
る。

【０００７】

【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を図１〜５
に従って説明する。図１，２に示すように、ベンディン
グロール装置の基台１上にはフレーム２ａ，２ｂが離間
配設され、同フレーム２ａ，２ｂ間には複数のロールと
してのトップロール３、ボトムロール４、サイドロール
５が架設されている。基台１の右端側には前記ロール
３，４，５の駆動源となるメインモーターＭとギヤボッ
クスＧが載置され、同メインモーターＭの駆動力はメイ
ンモーターＭとギヤボックスＧの互いに向かい合う方向
に設けられた回転軸（図示せず）の先端に歯車（図示せ
ず）を嵌合固定して、その歯車を介してメインモーター
の駆動力を伝えるようになっている。そして、各ロール
３，４，５はギヤボックスＧと右端のフレーム２ａに架
設されたユニバーサルジョイントＵを介して駆動するよ
うになっている。

【０００８】フレーム２ａ，２ｂにはボトムロール４を
回転可能に支持する軸受部（図示せず）が設けられてい
る。ボトムロール４の長手方向の中央下部には基台１か
ら上方に延びる支持台６にローラー７が載置され、同ボ
トムロール４に当接して互いに反対方向に回転しながら
支持している。

【０００９】ボトムロール４の中心軸上方に位置するよ
うにフレーム２ａ，２ｂには長孔９が透設され、トップ
ロール３を回転可能に支持するブラケット８が上下移動
可能に配置されている。図８に示すように同長孔９の両
側には、ブラケット８の水平方向への移動を規制する離
脱防止板１０がボルト１１でフレーム２ａ，２ｂに螺合
固定されている。ブラケット８の上部にはスクリュー１
２が取着されている。フレーム２ａ，２ｂの前部斜面側
には正逆回転可能な上下駆動モーターＭ１が設けられ、
その出力軸はカップリング３３を介してスクリュウージ
ャッキ１３の入力側に連結されている。そして、上下駆
動モーターＭ１を駆動することにより同スクリュウージ
ャッキ１３を介してスクリュー１２，ブラケット８が上
下するとともに、トップロール３もそれに伴い上下動可
能となっている。前記スクリュウージャッキ１３にはス
クリュウー１２の移動量を検出するロータリーエンコー
ダー１５が設けられ、トップロール３の上下の移動量を
検出可能となっている。

【００１０】フレーム２ａ，２ｂにおいてトップロール
３及びボトムロール４の中心軸に対して前方斜め下方４
５°には長孔１７が透設され、サイドロール５を回転可
能に支持するブラケット１６を上下移動可能に配置され
ている。図７に示すように同長孔１７の両側上方には、
ブラケット１６の水平方向への移動規制する離脱防止板
１８がボルト１９でフレーム２ａ，２ｂに螺合固定され
ている。ブラケット１６の下部にはスクリュウー２０が
取着され、長孔１７の下部には同スクリュー２０を回転
可能に支持するブラケット軸受部２１が設けられてい
る。長孔１７の中央部付近にはスクリュー２０に許容範
囲を越える圧縮力がかかって座屈するのを防止する支持
部材２２がフレーム２ａ，２ｂに取着されている。基台
１上の右端のフレーム２ａ付近には正逆回転可能なモー
ターＭ２が載置されている。モーターＭ２には左端のフ
レーム２ｂへ水平に延びるシャフト２３が連結され、フ
レーム２ａ，２ｂには同シャフト２３を回転可能に支持
する軸受部２４が設けられている。前記シャフト２３の
フレーム２ａ，２ｂ内にはウォームギヤ２５が嵌合固定
され、同ウォームギヤの斜め上部には前記スクリュー２
０がその中心軸心にて螺入されたウォームホイール２６
がウォームギヤ２５と噛合されている。従って、シャフ
ト２３が回転されるとウォームギヤ２５と噛合したウォ
ームホイール２６が回転され、そのウォームホイール２
６に螺入されたスクリュー２０が上下方向に螺出あるい
は螺入される。このことにより、ブラケット１６が傾斜
方向に上下動するとともに、サイドロール５もそれに伴
い傾斜方向に上下され、その上下動を調整することで被
加工板金１４を所定の曲率半径に形成可能となってい
る。

【００１１】図３〜５に示すように、トップロール３は
前記ブラッケト８に支持される円柱状の回転シャフト２
７と種々の厚みを有した複数個のカラー２８とから構成
されている。前記回転シャフト２７の径と同一内径にな
るように形成されるとともに、リング状に形成され、回
転シャフト２７に対して移動自在に装着されている。な
お、カラー２８は図６に示すように、回転シャフト２７
の外周面に対し軸心方向に沿って形成され、取付溝３０
に対しカラー２８のネジ孔３１を介して埋込みボルト３
２が係入して当接されることにより取着される。すなわ
ち、その先端を取付溝３０に圧着させることでカラー２
８が回転シャフト２７の軸心方向に移動不可能となって
いる。このカラー２８の幅は２０、３０、５０、１００
ｍｍに形成されており、図４に示すようにカラー２８を
組合せて任意の幅に変更することが可能となっている。
そして、図５に示すように被加工板金１４底面は、サイ
ドロール５に押圧されながら各ロール３，４，５の協働
により曲げ形成されるようになっている。

【００１２】次に、このように構成されたベンディング
ロール装置の作用を説明する。まず、予めプレスブレー
キにより被加工板金１４を断面略Ｕ字状に曲げ形成し、
さらに水平フランジ２９が突出するように形成してお
く。そして、回転シャフト２７に各幅のカラー２８を前
記水平フランジ２９を除く箇所に所定の厚みとなるよう
に組合わせる。所定の厚みに組合わせたところで、カラ
ー２８に埋込みボルト３２を螺合して回転シャフト２７
の軸心方向に対して移動不可能となるように装着する。
次に、被加工板金１４の板厚に合わせてトップロール３
を上下動させるべく、上下モーターＭ１を駆動する。す
るとそのスクリュウージャッキ１３が駆動されてブラケ
ット８が移動され、所定の板厚間隔になったところで止
めてトップロール３とボトムロール４に被加工板金１４
を挟入する。被加工板金１４を挟入した状態で、モータ
ーＭ２を駆動してシャフト２３を回転させると、ウォー
ムギヤ２５とウォームホイール２６を介してスクリュー
２０が上下動する。この結果、ブラケット１６が上下動
するとともに、サイドロール５が上下動するため被加工
板金１４の所定曲率半径を得るように所定の位置で調整
する。そして、メインモーターＭを駆動すると、ギヤボ
ックスＧとユニバーサルジョイントＵを介して各ロール
３，４，５が回転して、被加工板金１４を送出しながら
曲げ加工する。

【００１３】このように本実施例のベンディングロール
装置においては、プレスブレーキ等で端曲げ形成された
被加工板金１４を少しずつ曲げ形成するのではなく、各
ローラー３，４，５を回転させて被加工板金１４を送出
するだけで曲げ形成するので、作業時間が大幅に短縮す
ることができる。

【００１４】又、加工中において被加工板金１４はカラ
ー２８よって回転シャフト２７の軸心方向へ横ずれ防止
となっているので、非常に加工精度の高い曲げ加工をす
ることができる。

【００１５】なお、本発明は上記実施例に限定されるこ
とはなく、例えば、上記実施例では三つのロールで曲げ
加工を行ったが、傾斜方向に移動可能な別のサイドロー
ルを前記実施例のサイドロールの反対側に追加して、四
つのロールで曲げ加工を行ってもよい。

【００１６】

【発明の効果】以上詳述したように本発明のベンディン
グロール装置によれば、両側にフランジを形成した被加
工板金の曲げ加工の作業時間を大幅に短縮でき、加工精
度の高い曲げ加工をすることができるという優れた効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例におけるベンディングロール装置の正
面図である。

【図２】同じく側面図である。

【図３】同じく要部拡大図である。

【図４】同じく要部拡大図である。

【図５】同じくＡ−Ａ断面図である。

【図６】同じく要部断面図である。

【図７】同じく要部拡大図である。

【図８】同じく要部拡大図である。

【符号の説明】

３，４，５ロール、１４被加工板金、２７回転シャフ
ト、２８カラー

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のロール間に被加工板金を挟入して
   各ロールの協働により被加工板金を曲げ加工するベンデ
   ィングロールにおいて、 少なくとも１つのロールはその回転シャフトに互いに分
   割された複数個のカラー間に所定の間隔を形成したこと
   を特徴とするベンディングロール装置。
2. 【請求項２】 前記カラーは回転シャフトに対してその
   軸心方向に沿って移動自在に装着されることを特徴とす
   る請求項１に記載のベンディングロール装置。