JPH0513824Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はトイレルームの空調装置（以下、エア
コンと略）や、温水洗浄便器などの操作を行うた
めのコントロール装置に関する。詳しくは、トイ
レルームの壁面に取り付けられるトイレ用コント
ロール装置に関する。

［従来の技術］ トイレルーム内の快適性を高めるために、個人
住宅にあつてもトイレにエアコンを設けることが
徐々に行われつつある。また、近年、人体臀部の
温水洗浄や、あるいは温水洗浄後の温風乾燥を行
うようにした温水洗浄便器が急速に普及してい
る。

従来、このエアコンのコントロール装置と温水
洗浄便器のコントロール装置はそれぞれ別体とさ
れ、エアコンと温水洗浄便器に付設されている。

［考案が解決しようとする課題］ トイレルームに設けられるエアコンは、主とし
て居住室用に開発されたものであり、そのためそ
のコントロール装置にも特別の防水対策が施され
ていない。また、エアコンのコントロール装置に
は電源のオン、オフの外に、温度設定スイツチ、
タイマスイツチ、風量調節スイツチなど多数のス
イツチが設けられており、防水対策を採りにくい
ものとなつている。このようなことから、通常の
エアコンをトイレルームに設けた場合、手洗い器
から跳ねた水や清掃水などが掛かつて故障を起こ
す恐れが大きかつた。

また、従来の温水洗浄便器にあつては、コント
ロール装置は便器の側後方に配置されるのが通常
であり、温水洗浄便器を作動させるに際しては便
器に着座した使用者が後方を振り返るようにしな
ければならず、姿勢が苦しくなり易いという不便
があつた。

［課題を解決するための手段］ 本考案のトイレ用コントロール装置は、少なく
ともエアコン及び温水洗浄便器の制御回路を内蔵
し、トイレルームの壁面に取り付けられるものに
関する。

本考案のトイレ用コントロール装置は、前面に
操作手段を有する薄箱状の主操作部と、前面に操
作手段を有する薄箱状であつて、かつ該前面が開
閉自在なカバーで被装されている補助操作部とを
有している。

この補助操作部は主操作部の下側に該主操作部
と一体的に設けられており、かつ該補助操作部の
カバーは主操作部の前面よりも後退するように設
けられている。

なお、本考案において主操作部とは頻繁に使用
される操作手段を有するものを示し、補助操作部
とは、例えばエアコンの温度設定スイツチの如く
使用頻度の低い操作手段を有するものを言う。

［作用］ 本考案のトイレ用コントロール装置によれば、
一台の該装置によつてエアコン及び温水洗浄便器
の双方の操作を行うことができる。

このコントロール装置は頻繁に使用される操作
手段のみを前面に露出する構成としており、防水
対策を採り易い。また、使用頻度の低い操作手段
はカバーによつて覆われており、水などが掛かり
にくい。特に、本考案では、この補助操作部を主
操作部の下側とし、かつカバーを主操作部の前面
よりも後退させたので、仮に主操作部に水が掛か
つて垂れ落ちても、この垂れ落ちた水はカバーの
前方を落下し、カバーに伝わることがない。

なお、使用頻度の低い補助操作部はカバーで覆
われているから、一度設定されたエアコン温度等
がいたずらなどにより変えられることが防止され
る。

［実施例］ 以下図面を参照して実施例について説明する。

第１図は本考案の実施例に係るトイレ用コント
ロール装置の正面図、第２図は補助操作部のカバ
ーを上げた状態における正面図、第３図はトイレ
用コントロール装置の右側面図、第４図、第５図
及び第６図はそれぞれ第１図の−線、−
線、−線に沿う断面図である。また、第７，
８，９図はそれぞれ第２図の−線、−
線、−線に沿う断面図である。

本実施例に係るトイレ用コントロール装置１０
は、箱薄状の主操作部１２と同じく薄箱状の補助
操作部１４とを備えており、該主操作部１２と補
助操作部１４は一体的に設けられ、かつ補助操作
部１４は主操作部１２の下側に配置されている。
符号１６は主操作部１２と補助操作部１４の後面
部を囲むケーシングであり、該ケーシング１６内
にはトイレルームに設けられるエアコンと温水洗
浄便器の制御回路が設けられている。

補助操作部１４はカバー１８によつて覆われて
いる。本実施例では、カバー１８はその下端側が
補助操作部１４に枢着され、従つて、第３図の矢
印Ａで示す如く上端がトイレルーム室内側へ倒れ
込むように引き出すことができる構成となつてい
る。

主操作部１２の前面には、エアコンを手動運転
するためのスイツチ２０とエアコンが手動運転状
態にあることを示す表示ランプ２２が設けられ、
更にエアコンが冷房運転及び暖房運転のいずれの
運転を行なつているかを示す表示ランプ２４，２
６、並びにエアコンがプログラム運転状態にある
か否かを示す表示ランプ２８がエアコン操作手段
として設けられている。また、トイレルームの換
気装置を運転するためのスイツチ３０と換気装置
が作動状態にあるか否かを表示するためのランプ
３２が設けられている。

主操作部１２には、温水洗浄便器を操作するた
めのスイツチが設けられている。このスイツチと
しては、温水洗浄便器を停止させるためのストツ
プスイツチ３４、温水洗浄便器に設けられている
シヤワーノズルから温水を人体臀部に向けて吐出
させるためのシヤワースイツチ３６、同様に温水
にてチヤーム洗浄を行うためのチヤームスイツチ
３８、温水洗浄後に人体臀部に向けて温風を吹き
出すためのドライスイツチ４０、便器の便鉢内に
水を流して汚物を流し去るための水洗スイツチ４
２が設けられている。なお、主操作部１２の下面
側からは操作ボタン４４が突設されており、該操
作ボタン４４は左右方向にスライド自在とされて
いる。該操作ボタン４４は人体臀部に向けて噴出
される温水の吐出量を調節して洗浄強さを変える
ためのものである。

該操作ボタン４４と同様に、主操作部１２の下
面には足元ヒータの操作ボタン４６が設けられて
いる。該操作ボタン４６も左右方向にスライド自
在とされており、便器使用者の足元を暖めるため
のヒータも切り換えることができる構成となつて
いる。符号４８は時計であり、液晶表示器にて構
成されている。

次に、第２図を参照して補助操作部１４の構成
について説明する。この補助操作部１４には、操
作手段として、エアコンの操作を行うためのプロ
グラム運転スイツチ５０、エアコンの作動時間を
設定するための時刻設定スイツチ５２、トイレル
ームの室内温度を設定するための温度設定スイツ
チ５４が設けられている。プログラム運転スイツ
チ５０は、これを図の左側にスライドさせるとプ
ログラム運転が可能となり、この状態において時
刻設定スイツチ５２を操作することによりエアコ
ンのプログラムが設定される。プログラム運転ス
イツチ５０を図の右側にスライドさせると、プロ
グラム運転が中止される。

補助操作部１４には、操作手段としてさらに自
動換気スイツチ５６、除湿スイツチ５８、風量調
節スイツチ６０、電源スイツチ６２が設けられて
いる。自動換気スイツチ５６は、これをオンとす
るように操作しておくと、便器に使用者が着座す
るとトイレルーム内の換気が開始される。除湿ス
イツチ５８は、これをオンとすることによりエア
コンが除湿運転を行う。風量切替スイツチ６０は
エアコン吹き出し風の強弱を切り替るものであ
り、電源スイツチ６２はエアコン及び温水洗浄便
器の全ての電源のオン、オフを行うためのもので
ある。

補助操作部１４には温水洗浄便器の操作部とし
て、ドライ温度設定スイツチ６４、便座温度設定
スイツチ６６が設けられている。ドライ温度設定
スイツチ６４は、人体臀部に向けて吹き出される
温風の温度を切り替るためのものである。便座温
度調節スイツチ６６は、便器に設けられているヒ
ータ付の便座（暖房便座）の温度を調節するため
のものである。

補助操作部１４には、前記時計４８の時刻をセ
ツトするためのスイツチ６８，７０が設けられて
いる。スイツチ６８は時計４８の時をセツトし、
スイツチ７０は分をセツトするためのものであ
る。

補助操作部１４には、更に電話線の接続ジヤツ
ク７２と、電話線のホルダ７４が設けられてい
る。第９図に示す如く、該ホルダ７４は補助操作
部１４の前面からＬ字形に突設しており、一対の
ホルダ７４の間に電話線を保持する構成となつて
いる。第３図の符号１８ａは電話線の引出口を示
す。

第５図に示す如く、エアコン手動運転スイツチ
２０と換気スイツチ３０とは主操作部１２の前面
から突設されており、かつこの突出部は可撓性を
有する材質にて構成されており、該スイツチ２
０，３０を押し込むことにより突出部の背後に設
置されている接点（図示略）を開閉してエアコン
操作を行うことができる。

第６図に示す如く、水洗スイツチ４２は主操作
部１２の前面から若干凹んだ構成となつており、
この凹部は可撓性の材質にて構成され、該凹部を
押すことによりその背後に設置されている接点
（図示略）を開閉して水洗操作の切り替えを行う
ようになつている。なお、図示は省略するがスイ
ツチ３４，３６，３８，４０も該スイツチ４２と
同様の構成とされている。

第７図に示す如く、スイツチ６４はスライド片
６４ａを備えるものであり、該スライド片６４ａ
は補助操作部１４に設けられた凹溝６４ｂ内を摺
動自在とされている。図示は省略するが、前記ス
イツチ５０，５６〜６２，６６も同様の構成とさ
れている。

第８図に示す如く、時計セツトスイツチ６８は
補助操作部１４に設けられた開口６８ａ内に差し
込まれており、これを一回押すことにより一時間
時計の指示時刻を進めることができる。図示は省
略するが、時計セツトスイツチ７０も同様の構成
とされ、該スイツチ７０を一回押す毎に時計４８
の指示時刻を一分ずつ進ませることができる。

このように構成されたトイレ用コントロール装
置では、一台の該装置によりエアコン及び温水洗
浄便器の操作ができ、さらに本実施例によれば足
元ヒータの操作も行なうことができる。しかし
て、カバー１８の前面は主操作部１２の前面より
も後退しており、主操作部１２に掛かつた水はカ
バー１８に掛かることなく該カバー１８の前面を
落下する。従つて、カバー１８内に水が入り込む
ことが防止される。また、このカバー１８が補助
操作部１４を覆つているので、該補助操作部１４
内の各スイツチを操作して設定された条件がいた
ずら等により変更されることが防止される。ま
た、主操作部１２の前面には各スイツチが露出し
て設けられており、これらスイツチの操作を行い
易い。

上記実施例は本考案の一例であつて、スイツチ
の配列の他、設けるべきスイツチの種類等は図示
のものに限定されないことは明らかである。

［効果］ 以上の通り、本考案のトイレ用コントロール装
置は、防水特性に優れ、従つて耐久性に優れる。
また、本考案では、使用頻度の高い操作手段が露
出しており操作が容易であると共に、使用頻度の
低い操作手段がカバーで覆われているので、設定
された条件がいたずら等により変更されることが
防止される。

本考案によれば、エアコンと温水洗浄便器のコ
ントロール装置が一体とされているので、電気配
線の共通化や回路の共用が行え、コストダウンが
図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す正面図、第２図
は補助操作部の正面図、第３図は実施例装置の右
側面図、第４図ないし第９図の各図はそれぞれ要
部断面図である。 １０……トイレ用コントロール装置、１２……
主操作部、１４……補助操作部、１８……カバ
ー、２２……エアコン手動運転スイツチ、３２…
…換気スイツチ、３４……ストツプスイツチ、３
６……シヤワースイツチ、３８……チヤームスイ
ツチ、４０……ドライスイツチ、４２……水洗ス
イツチ、４８……時計。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 少なくとも空調装置及び温水洗浄便器の制御回
   路を内蔵し、トイレルームの壁面に取り付けられ
   るコントロール装置であつて、 前面に操作手段を有する薄箱状の主操作部と、 前面に操作手段を有する薄箱状であつて、かつ
   該前面が開閉自在なカバーで被装されている補助
   操作部と、 を備え、該補助操作部は主操作部の下側に該主操
   作部と一体的に設けられており、かつ該補助操作
   部のカバーは主操作部の前面よりも後退して設け
   られているトイレ用コントロール装置。