JPH0513681U - レーザ照射用トーチ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 広範囲を効率良くレーザ照射することができ
るレーザ照射用トーチを提供する。 【構成】 円筒状のトーチ本体１内にレーザ光３を伝送
する光ファイバ４の出射端５を取付け、トーチ本体１内
における出射端５より先端部１ａ側位置には、出射端５
から放射されたレーザ光３を集光する集光レンズ７，８
を出射端５に対し近接離間動可能に取付ける。集光レン
ズ７，８の先端部１ａ側には、集光レンズ７，８を通過
したレーザ光３を前記トーチ本体１の下側に形成した照
射口１６を通して外部に反射するオシレートミラー１７
を揺動自在に取付け、このオシレートミラー１７を駆動
装置１９により周期的に往復揺動し得るよう構成する。
更に、トーチ本体１内に照射口１６を通してレーザ光３
の照射位置２４を監視するＣＣＤカメラ（受像装置）２
５を配設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、レーザ照射用トーチに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来よりレーザは板材の穴あけ加工や切断等に用いられてきたが、最近では、 レーザ照射による金属のコーティング加工が考えられている。

【０００３】 即ち、前記レーザ照射による金属のコーティング加工は、被覆材料となる金属 粉末をバインダに混合させて金属素材表面に塗布し、然る後、レーザを照射して バインダを蒸発させながら同時に金属粉末を溶融して被覆層を形成するというも ので、任意の金属を被覆できると共に、加熱されるのが素材の表面だけなので素 材全体が変形したり変質したりすることがない等の利点がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来では、広範囲を効率良くレーザ照射することができる装置 がなかった為、斯かるコーティング加工を効率良く行うことができないという問 題があった。

【０００５】 本考案は、上述の実情に鑑みてなしたもので、広範囲を効率良くレーザ照射す ることができるレーザ照射用トーチを提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、レーザ光を伝送する光ファイバの出射端を内部に抱持するトーチ本 体と、該トーチ本体内に前記出射端に対し近接離間動可能に取付けられ且つ前記 出射端から放射されたレーザ光を集光する集光レンズと、前記トーチ本体内に揺 動自在に取付けられ且つ前記集光レンズを通過したレーザ光を前記トーチ本体の 所要位置に形成した照射口から外部に向けて反射するオシレートミラーと、該オ シレートミラーを周期的に往復揺動し得る駆動装置とを備えたことを特徴とする レーザ照射用トーチ、及び前記トーチ本体内に照射口を通してレーザ光の照射位 置を監視する受像装置を配設したことを特徴とするレーザ照射用トーチに係るも のである。

【０００７】

【作用】

従って本考案では、集光レンズを出射端に対し近接離間動させてレーザ光の集 光点位置を調整した後、トーチを所定の照射位置上方に配置し、次いで、トーチ を移動させながら、オシレートミラーを駆動装置により周期的に往復揺動させた 状態で光ファイバにレーザ光を供給すると、光ファイバの出射端からレーザ光が 放射され、該レーザ光は集光レンズにより集光されて前記周期的に往復揺動して いるオシレートミラーに反射され、照射口を通して外部の照射位置に照射される 。

【０００８】 このとき、前記照射口を通して照射されるレーザ光はオシレートミラーにより 振られながら照射されるので、広範囲を効率良くレーザ照射することが可能とな る。

【０００９】 更に、トーチ本体内に照射口を通してレーザ光の照射位置を監視する受像装置 を配設した場合には、レーザ光の照射位置の状態を前記受像装置により受像する ことが可能となり、加工状態を遠隔位置から監視することが可能となる。

【００１０】

【実施例】

以下本考案の実施例を図面を参照しつつ説明する。

【００１１】 図１〜図５は本考案のレーザ照射用トーチの一実施例を示すもので、１は円筒 状のトーチ本体、１ａはトーチ本体１の先端部、１ｂはトーチ本体１の基端部を 示し、前記トーチ本体１の内部には断面Ｌ字形のフレーム２（図４参照）が軸心 方向（図１における左右方向）に亘って延設されている。

【００１２】 更に、前記トーチ本体１内には、図示しないレーザ発振装置に接続されてレー ザ光３を伝送し得る光ファイバ４の出射端５が前記基端部１ｂを貫通して導かれ ており、この出射端５は前記フレーム２側面の所要位置に取付けた出射端サポー ト６を介してトーチ本体１の軸心部に支持されている。

【００１３】 前記トーチ本体１内における出射端５より先端部１ａ側位置には、出射端５か ら放射されたレーザ光３を集光する集光レンズ７，８が前記出射端５に対し近接 離間動可能に取付けられている。

【００１４】 即ち、前記集光レンズ７，８は、枠体９に嵌合された円筒状の保持具１０によ って保持されており、前記枠体９は、前記フレーム２側面の所要位置に取付けた ガイド部材１１に対しトーチ本体１の軸心方向に摺動し得るよう係合せしめたス ライド板１２を介して支持されている。

【００１５】 又、前記スライド板１２のガイド部材１１に係合する側と反対側の下部にはラ ック１３が取付けられており、該ラック１３には開口部１４からドライバ等を挿 入して回動操作することのできるピニオン１５が噛合されている。

【００１６】 更に、前記集光レンズ７，８の先端部１ａ側には、集光レンズ７，８を通過し たレーザ光３を前記トーチ本体１の下側に形成した照射口１６を通して外部に反 射するオシレートミラー１７が揺動軸１８を中心として揺動自在に取付けられて おり、該オシレートミラー１７は、前記トーチ本体１内の先端部１ａ寄りに配設 した駆動装置１９により周期的に往復揺動し得るになっている。

【００１７】 即ち、前記揺動軸１８を介してオシレートミラー１７と一体に回転する従動輪 ２０と、前記駆動装置１９の出力軸２１に取付けた駆動輪２２とがベルト２３を 介してトルク伝達可能に接続されている。

【００１８】 又、前記トーチ本体１内の上側には、レーザ光３の照射位置２４を監視する為 のＣＣＤカメラ（受像装置）２５が前記フレーム２上面に取付具２６を介して取 付けられており、前記照射口１６及びフレーム２上面に形成した覗き窓２７を通 して反射ミラー２８に映るレーザ光３の照射位置２４の状態を受像し得るように なっている。

【００１９】 更に、トーチ本体１の基端部１ａには、該トーチ本体１内の下部に図示しない ボンベやコンプレッサ等から導いたパージガス２９を供給し得るパージガス供給 管３０と、前記トーチ本体１内の上部にＣＣＤカメラ２５を熱から保護する為の 冷却ガス３１を供給し得る冷却ガス供給管３２とを接続してある。

【００２０】 尚、図中３３はレーザ光３の照射位置２４を照す為のランプ、３４は該ランプ ３３や駆動装置１９へ給電する為のケーブル、３５はＣＣＤカメラ２５のケーブ ルを示す。

【００２１】 而して、開口部１４からドライバ等を挿入してピニオン１５を回動操作するこ とにより集光レンズ７，８を出射端５に対し近接離間動させてレーザ光３の集光 点位置を調整した後、トーチを所定の照射位置上方に配置する。

【００２２】 次いで、トーチをその軸心方向に対し直角な方向に移動させながら、オシレー トミラー１７を駆動装置１９により周期的に往復揺動し且つトーチ本体１内部に パージガス２９及び冷却ガス３１を供給した状態で光ファイバ４にレーザ光３を 供給すると、光ファイバ４の出射端５からレーザ光３が放射され、該レーザ光３ は集光レンズ７，８により集光されて前記周期的に往復揺動しているオシレート ミラー１７に反射され、照射口１６を通して外部の照射位置２４に照射される。

【００２３】 このとき、前記照射口１６を通して照射されるレーザ光３はオシレートミラー １７によりトーチの移動方向にジグザグ状に振られながら照射されるので、広範 囲を効率良くレーザ照射することが可能となる。

【００２４】 更に、レーザ光３の照射位置２４の状態は、前記照射口１６及び覗き窓２７を 通して反射ミラー２８に反射され、ＣＣＤカメラ２５によって受像されるので、 加工状態を遠隔位置から監視することが可能となる。

【００２５】 尚、トーチ本体１内はパージガス２９により昇圧されているので、レーザ照射 によって飛散した被覆材料等が照射口１６からトーチ本体１内に侵入することが 防止される。又、ＣＣＤカメラ２５は冷却ガス３１により冷却されているので、 熱による損傷が防止される。

【００２６】 従って上記実施例によれば、広範囲を効率良くレーザ照射することができ、レ ーザ照射による金属のコーティング加工等を効率良く行うことができる。

【００２７】 又、レーザ光３をオシレートミラー１７によりトーチの移動方向にジグザグ状 に振らせながら照射するようにしているので、レーザ照射により金属のコーティ ング加工を行う場合に、均一な厚さのコーティング層を形成することができる。

【００２８】 更に、トーチを必要な場所に容易に持運ぶことができ且つレーザ光３を光ファ イバ４により伝送することができるので、作業性が極めて良好であると共に、小 口径管の内周面にレーザ照射する等といった狭い場所での作業にも使用すること ができる。

【００２９】 又、レーザ光３の照射位置２４の状態を照射口１６及び覗き窓２７を通して反 射ミラー２８に反射させ、ＣＣＤカメラ２５により受像することができるので、 加工状態を遠隔位置から監視することができる。

【００３０】 尚、本考案のレーザ照射用トーチは、上述の実施例にのみ限定されるものでは なく、本考案の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論 である。

【００３１】

【考案の効果】

本考案のレーザ照射用トーチによれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得 る。

【００３２】 （Ｉ）広範囲を効率良くレーザ照射することができ、レーザ照射による金属の コーティング加工等を効率良く行うことができる。

【００３３】 （ＩＩ）レーザ光をオシレートミラーにより振らせながら照射するようにして いるので、レーザ照射により金属のコーティング加工を行う場合に、均一な厚さ のコーティング層を形成することができる。

【００３４】 （ＩＩＩ）トーチを必要な場所に容易に持運ぶことができ且つレーザ光を光フ ァイバにより伝送することができるので、作業性が極めて良好であると共に、小 口径管の内周面にレーザ照射する等といった狭い場所での作業にも使用すること ができる。

【００３５】 （ＩＶ）トーチ本体内に照射口を通してレーザ光の照射位置を監視する受像装 置を配設した場合には、レーザ光の照射位置の状態を前記受像装置により受像す ることができるので、加工状態を遠隔位置から監視することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す断面図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ方向の矢視図である。

【図３】図２のＩＩＩ−ＩＩＩ方向の矢視図である。

【図４】図１のＩＶ−ＩＶ方向の矢視図である。

【図５】図１のＶ−Ｖ方向の矢視図である。

【符号の説明】

１ トーチ本体 ３ レーザ光 ４ 光ファイバ ５ 出射端 ７ 集光レンズ ８ 集光レンズ １６ 照射口 １７ オシレートミラー １９ 駆動装置 ２４ 照射位置 ２５ ＣＣＤカメラ（受像装置）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ２３Ｃ 26/00 Ｅ 7217−4Ｋ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 レーザ光を伝送する光ファイバの出射端
   を内部に抱持するトーチ本体と、該トーチ本体内に前記
   出射端に対し近接離間動可能に取付けられ且つ前記出射
   端から放射されたレーザ光を集光する集光レンズと、前
   記トーチ本体内に揺動自在に取付けられ且つ前記集光レ
   ンズを通過したレーザ光を前記トーチ本体の所要位置に
   形成した照射口から外部に向けて反射するオシレートミ
   ラーと、該オシレートミラーを周期的に往復揺動し得る
   駆動装置とを備えたことを特徴とするレーザ照射用トー
   チ。
2. 【請求項２】 トーチ本体内に照射口を通してレーザ光
   の照射位置を監視する受像装置を配設したことを特徴と
   する請求項１に記載のレーザ照射用トーチ。