JPH05135568A - 磁気記憶装置 - Google Patents

磁気記憶装置

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Publication number
JPH05135568A
JPH05135568A JP3295478A JP29547891A JPH05135568A JP H05135568 A JPH05135568 A JP H05135568A JP 3295478 A JP3295478 A JP 3295478A JP 29547891 A JP29547891 A JP 29547891A JP H05135568 A JPH05135568 A JP H05135568A
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JP
Japan
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magnetic
bloch line
film
magnetic film
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Application number
JP3295478A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoji Maruyama
洋治 丸山
Kazuhisa Fujimoto
和久 藤本
Akira Imura
亮 井村
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Publication of JPH05135568A publication Critical patent/JPH05135568A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的はブロッホラインを情報担体とす
るメモリ装置の記憶密度を高密度化した場合に生じる読
み出し不良を改善する新規読み出し方式を開示すること
で、Gb/平方cmの記憶密度を有するメモリ装置を実
現することにある。 【構成】局部的な面内磁界印加手段4とそれによって生
じる磁性膜からの垂直磁界変化を検出する手段3を合わ
せ持ち、該検出信号により、情報の読み出しを行なっ
た。 【効果】本発明に依れば、ブロッホラインの存在をバブ
ルの存在に変換することなく読み出しが実現するため、
微小磁区幅の磁性体膜において生じた変換不良の問題を
防ぐことができる。このため微小磁区幅の磁性体膜をメ
モリ媒体に適用できる。これにより、数10Gb級の記
憶密度を有するメモリ装置を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記憶技術を応用した
メモリ装置係り、特に大容量の情報を記憶するのに適し
た磁気記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の情報社会の進歩によって情報機器
が扱う情報量は大幅に増加している。このため、計算機
等に接続される外部記憶装置の容量もそれにつれて大き
くなってきている。現在の記憶装置の主流は大型計算機
の場合、磁気デイスク及び光デイスクである。小型計算
機の場合、100MB程度の磁気ディスクやフレキシブ
ルデイスクが使われている。また、超小型(手の平サイ
ズ)の計算機ではカード型メモリが使われている。
【0003】これらの外部記憶装置はそれぞれ記憶容量
の増加を図る目的で記憶密度の向上が図られている。し
かしながら、従来のこれらメモリ装置は記憶単体として
磁区や、光スポットないしは半導体素子を用いているた
め、近年において高密度化が限界に近づいている状況に
ある。即ち、磁区や、光スポットを小さくすると検出信
号が小さくなり、読み出しが難しくなる問題がある。ま
た、磁区の大きさは磁性膜の材料特性に依存し、安定な
微小磁区構造を得るのが困難になってきている。半導体
メモリについては、光を用いたリソグラフィ技術の限界
から高価な電子線やX線を用いたリソグラフィ技術を用
いる必要が生じている。このため、従来のような安価な
外部記憶装置は作ることが出来なくなってきている。
【0004】この問題を解決する手段の一つとして特開
昭59−101092提案された。この技術は、従来の
磁気記憶装置で単一情報を記憶していた磁区に着目し、
その周囲に多くの情報を記憶するものである。磁区の周
囲には磁壁と呼ばれる磁化構造があり、その中にはさら
に小さなブロッホラインと呼ばれる磁化構造が存在す
る。このブロッホラインの存在に情報を記憶すると磁区
の存在に情報を書き込む場合に比べ記憶密度を約100
倍向上できる。
【0005】ブロッホラインはミクロな磁化構造である
ため、その検出は直接電気信号に変換し読み出すことは
出来ない。そこで、ブロッホラインの存在をバブル磁区
の存在に変換して読みだす方式が用いられる。この技術
により、ブロッホラインを情報担体に用いることが可能
になる。
【0006】また上記従来技術では情報担体であるブロ
ッホラインを駆動磁界により転送することでシリアル型
メモリを実現している。この技術により、デイスク等の
回転を必要としない全固体のメモリ装置が実現する。こ
のメモリは磁気記憶装置ながら半導体メモリと同様の小
型化が実現するため、将来カード型メモリに展開でき
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術によれ
ば、ブロッホラインの存在に情報を記憶することで、記
憶密度の高いメモリが実現できる。しかしながら、従来
技術のみでは、記憶密度を高めていくと読み出しが難し
くなる問題が明らかになった。以下にこれを述べる。従
来のブロッホラインメモリはブロッホラインの存在をバ
ブルの存在に変換した後にバブル検出器にてその存在を
検出し、電気的に読み出しを行なっていた。このバブル
変換には、上記特開昭59−101092号広報に記載
される方法を用いていた。図6を用いてこの方法を述べ
る。磁区1aは先端部にブロッホライン2a(特開昭5
9−101092号広報と同様矢印にて示す)が存在す
る(情報の“1”に対応)状態を示す。磁区1bにはブ
ロッホラインが存在していない(“0”に対応)状態を
示す。下部に示すように導体60に電流Irを通電する
とブロッホライン2aが存在する磁区1aのみが切断さ
れる。これにより、バブル磁区62が生じる(切断部に
はブロッホライン2cと2bが生じる)。バブル62を
検出器まで移動することで読み出しが実現する。磁区の
切断によって情報をバブルの存在に変換する原理は、ブ
ロッホラインが存在すると磁壁磁化が並行となるため、
磁区が切断しやすくなる性質から説明できる。これは磁
壁に作用する交換結合エネルギーに差が生じるためであ
る。この方式を用いる上で重要となる点は、磁区を切断
する総エネルギーに対して、交換結合エネルギの割合が
10%以上存在する必要がある点である。即ち、磁区を
切断するのに100mA必要な場合、情報の存在によっ
て切断電流が最低でも10mA変化する必要がある。こ
れを満足しない場合、外部磁界の変調や、素子動作温度
等の変化によって磁区切断電流値が変化するとともに変
換可能な電流値が変化するため読み出しが難しくなる。
【0008】ブロッホラインメモリの高密度化を進める
ためには、磁区幅の狭い材料を開発する必要がある。こ
れまでに開発した磁性膜における磁区幅は約0.35μ
mである。しかしながら、この膜での読みだしマージン
は約3%程度しか得られず、実用的(民生用への展開が
可能な)なメモリを開発出来なかった。
【0009】この問題は、微小磁区幅材料における飽和
磁化と交換結合定数の値に起因することが明らかになっ
た。即ち、微小磁区幅材料を得るためには磁区の安定性
を確保する意味で飽和磁化を高める必要がある。しかし
ながら、交換結合定数は磁壁幅を狭める目的で余り大き
くは出来ない。飽和磁化は磁区の静磁エネルギーに直接
影響を与えるため、磁区は切断しにくくなる。しかしな
がら、交換結合定数の値が余り大きくできないために情
報の存在によって生じる交換エネルギーに差がなくな
る。このため、読み出しマージンが減少する。このよう
に、従来のブロッホラインーバブル変換を用いた読み出
し方式では微小磁区幅材料での読み出しが困難になるこ
とが明らかとなった。
【0010】本発明では、上記従来のブロッホラインを
情報担体とするメモリを高密度化した場合に生じる読み
出し不良を改善する新規読み出し方式を開示すること
で、Gb/平方cmの記憶密度を有するメモリを実現す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では上記目的を達
成するため、下記の手段を用いた。
【0012】即ち、磁性体膜中に生じる磁区の周囲に存
在する磁壁に着目し、この磁壁磁化の方向に情報の
“1”“0”を対応させ情報を記憶する磁気記憶装置に
おいて、局部的な面内磁界印加手段とそれによって生じ
る磁性膜からの垂直磁界変化を検出する手段を合わせ持
たせ、この検出信号により、情報の読み出しを行なっ
た。上記磁壁中に存在するブロッホラインの有無に対応
させて情報を記憶し、しかるべき位置にてブロッホライ
ンに交番面内磁界を印加することで誘導させる磁壁振動
を電磁誘導法により検出し情報の読みだしを行なった。
【0013】上記読み出しを実現するため、垂直磁界の
変化を検出する検出部を、磁性体膜上に設けた。
【0014】あるいは、上記読み出しを実現するため、
垂直磁界の変化を検出する検出部を磁性体膜の外に設
け、検出部に空間座標系の中で任意に位置決めできる機
能を持たせた。
【0015】これに伴って、上記書き込みのための局部
磁界を磁性膜外に設けた磁界発生回路によって発生させ
た。
【0016】この際、情報の書き込みは、上記磁性体膜
表面に局部的な面内磁界と垂直磁界の印加手段を設け、
これを用いて情報の“1”“0”に対応させブロッホラ
インを発生させた。
【0017】書き込みのための局部磁界は幅0.5μm
から100μmの範囲の導体に電流を流すことにより発
生させた。
【0018】また、上記磁性膜上にブロッホラインの安
定位置を周期的に設けた。
【0019】上記ブロッホラインの安定位置は上記磁性
膜表面にミクロな凹凸を設けて規定した。
【0020】あるいは、上記ブロッホラインの安定位置
は磁性膜の保磁力を10Oe以上に高めることで規定し
た。
【0021】上記磁性体膜をディスク型円盤とし、かつ
磁性体膜を円周方向に回転させることにより入出力動作
を実現した。
【0022】あるいは、上記磁性体膜を平板とし、読み
出し部と検出部の移動により入出力動作を実現した。
【0023】
【作用】上記手段を持ちいることにより、下記の作用が
生じるため本発明の目的が達成される。
【0024】即ち、磁性体膜中に生じる磁区の周囲に存
在する磁壁に着目し、この磁壁磁化の方向に情報の
“1”“0”を対応させることで従来技術であるブロッ
ホラインメモリと同様、情報を記憶することが出来る。
この磁気記憶装置において、局部的な面内磁界印加手段
とそれによって生じる磁性膜からの垂直磁界変化を検出
する手段を合わせ持たせることにより、検出信号が得ら
れる。検出信号から情報の“1”“0”を判別すること
で、読み出しが可能になる。読み出しの際に、ブロッホ
ラインの存在をバブル磁区の存在に変換しないため、従
来のブロッホラインメモリで問題となった読み出し不良
が起きない。
【0025】上記磁壁中に存在するブロッホラインの有
無に対応させて情報を記憶し、しかるべき位置にてブロ
ッホラインに交番面内磁界を印加することで磁壁中でブ
ロッホラインが交番磁界の方向に振動する。ブロッホラ
インの移動によって誘導させる磁壁振動により垂直磁界
変化が生じる。これを電磁誘導法あるいは磁気抵抗効果
等を用いて電気的な信号に変換した後、必要により増幅
することで情報(ブロッホラインの存在)を読み出せ
る。
【0026】上記読み出しを実現するため、垂直磁界の
変化を検出する検出部を、ブロッホラインが存在する磁
性体膜上にホトリソグラフィ技術等により形成すること
で効率的な検出が可能になる。
【0027】あるいは、垂直磁界の変化を検出する検出
部を磁性体膜の外に設けた場合、検出部に空間座標系の
中で任意に位置決めできる機能を持たせることで、磁性
膜の任意の位置に検出部を移動、接近できるため、ブロ
ッホラインを移動しなくとも磁性膜上に検出部を設けた
場合と同様の読み出しができる。
【0028】上記装置構成を取る場合、ブロッホライン
が移動しないため、固定された書き込み部による書き込
みは出来なくなる。そこで書き込みのための局部磁界を
磁性膜外に設けた磁界発生回路によって発生させた。具
体的には特開昭63−031089号広報記載の書き込
み方式を応用した。すなわち、磁性体膜表面に導体を設
け、そこに電流を流すことによって局部的な面内磁界と
垂直磁界が発生する。この磁界によって複数のブロッホ
ラインとブロッホポイントが注入される。ブロッホポイ
ントは不要なブロッホラインを消滅するため、所望のブ
ロッホラインのみが残留することになる。このブロッホ
ラインの存在に情報の“1”“0”を対応させることで
情報の記憶が実現する。上記書き込みのための導体を幅
0.5μmから100μmの範囲にすることで導体下に
局部的な磁界を発生できる。これにより、従来技術と同
様の書き込みが実現する。
【0029】また、上記装置構成を取る場合、情報を所
定の位置に保持する目的で上記磁性膜上にブロッホライ
ンの安定位置を周期的に設けた。ブロッホラインは各安
定位置下に安定に存在出来るため、ブロッホラインの存
在位置をアドレス情報に対応させて記憶することが出来
る。また、所定の力でブロッホラインを各安定位置に保
持することで、外部磁界の乱れからブロッホラインの存
在位置が狂う問題を解決できる。これにより、安定した
メモリ動作が実現する。
【0030】上記ブロッホラインの安定位置を規定する
ため、上記磁性膜表面にミクロな凹凸を設けた。ブロッ
ホラインは膜厚が薄い部分でエネルギーが小さくなるた
め、安定位置になる。このパターンを周期的に形成する
ことで情報(ブロッホライン)の安定位置をメモリ媒体
全面に規定できる。
【0031】また、上記ミクロな凹凸を形成する以外に
ブロッホラインの安定位置を設ける手段として、磁性膜
の保磁力を10Oe以上に高める手段が有る。ブロッホ
ラインは外部磁界により、移動する性質が有るが、この
手段により保磁力以下の外部磁界が印加されても情報を
保護できるようになる。
【0032】上記書き込みと読み出し部を磁性体膜の外
に設ける構成にした場合、磁性体膜をディスク型円盤と
しても従来の磁気デイスク同様メモリ動作が実現する。
すなわち、磁性膜を円周方向に回転させることにより必
要なアドレス位置に入出力機能部を移動出来る。これに
よりメモリ動作が実現する。
【0033】また、上記磁性体膜を平板とし静止させた
状態でも、検出部及び書き込み部を移動させることで入
出力動作が実現する。
【0034】
【実施例】本発明の実施例を図1を用いて述べる。図1
は本発明による磁気記憶装置の読み出し部を摸式的に示
している。磁性体膜中に生じる磁区1は固定パターン6
により配列されている。ブロッホライン2は対(20)
をなして一つの情報を表している。ブロッホライン対2
0はビットパターン5によって存在位置が保持されてい
る。図の向かって左側の磁区1の先端部には1本のブロ
ッホライン2が存在している場合を、右側の磁区先端部
には3本のブロッホライン(2と20)が存在している
場合を示している。特開昭59−101092号広報に
記載するように1本のブロッホラインが存在する状態は
情報の“0”に対応し、3本存在する場合を“1”に対
応させている。
【0035】磁区先端部に面内磁界発生器4a、4bを
設け交番電流を流すことで交番する面内磁界ΔHxを発
生させた。この面内磁界変調によりブロッホラインが左
右に振動する。この現象は公知例にも記載されるもの
で、磁壁の磁化が印加される面内磁界の方向に向くこと
でエネルギを下げようとする働きから生じる。ブロッホ
ラインの振動量は存在するブロッホラインの本数で異な
る。すなわち、本数の多い場合ほど振動量が小さくな
る。この現象は、ブロッホラインには磁気的な質量が存
在し、ブロッホラインの数が多くなるほど質量が大きく
なることから説明できる。この現象により、図に示すよ
うにブロッホラインの振動に差が生じる。
【0036】ブロッホラインが振動すると磁壁は反作用
を受け法線方向に振動する。この現象は公知例に述べら
れている、ブロッホラインの転送原理と等しい現象から
生じる。この振動により、図に示すような磁壁振動が、
磁区端部で起こる。この時、ブロッホラインの振動量に
比例して磁壁振動量に差が生じる。磁壁が振動すること
によって磁区1からの垂直磁界成分から成る漏洩磁界に
差が生じる。この差を検出器3a及び3bを用いて検出
することで検出電流Ig1及びIg2が得られる。この
検出電流の差から磁区端部におけるブロッホライン数の
差を読みだす。この差に対応させることにより、情報を
読みだした。
【0037】本実施例では面内磁界発生器4a及び4b
をパーマロイ膜等の磁性膜から形成し、これに導体パタ
ーンを付け必要時に磁界が発生できるようにした。この
際導体が作る磁界を効率的にパーマロイ膜に導く目的
で、パーマロイ膜の上下層に導体を設けそれらを電気的
に接続することで平面的なコイルを構成した。
【0038】垂直磁界検出器3a、3bについても同様
にパーマロイ膜から平面コイルを構成にした。また、垂
直磁界を効率的に検出する目的で、磁区先端部に検出部
を設けた。以上の構成は磁性体膜上にホトリソグラフィ
法により形成した。これにより、従来技術と同様の全固
体メモリを実現した。
【0039】本発明に依ればブロッホラインを磁区先端
部まで移動させることで、その存在をバブルに変換する
ことなく読み出せる。このため、従来技術で問題となっ
たバブル変換時の動作マージン不良が生じない。このた
め、微小磁区幅材料を用いる高記憶密度メモリにおいて
も広い動作範囲で読み出しが可能となる。
【0040】また、本発明によれば、他に磁区先端部に
情報の“0”に対応し0本、“1”に対応し2本、ある
いは“0”に対応し0本、“1”に対応し1本存在させ
る各メモリ構成においても、上記実施例と同様に読みだ
しが可能であった。
【0041】次に図2を用いて第2の実施例を述べる。
先の例と同様、磁性体膜中に生じる磁区1は固定パター
ン6により配列されている。ブロッホライン対20は単
一の情報を表している。ブロッホライン対20はビット
パターン5によって存在位置が保持されている。磁区1
の先端部に3本のブロッホライン(2,20)が存在し
ている場合を示している。交番する面内磁界Hinは磁
区1の長手方向に設けた導体11を用いて発生させた。
先と同様薄膜コイルにて発生させても問題はなかった。
本実施例では垂直磁界の変化は図に示すヘヤピン状導体
10を用いて検出した。面内磁界Hinにより生じた磁
壁振動に付随した垂直磁界変化により導体10に電磁誘
導作用が働く。これにより電流Irが流れる。Irは垂
直磁界の強度に比例するため、磁壁の振動量、すなわ
ち、ブロッホラインの数に依って変化する。したがっ
て、このIrを必要により増幅することで磁区先端部に
存在するブロッホラインの数を読み出せる。これによ
り、情報の読み出しが実現する。本実施例では、薄膜コ
イルを用いた場合に比べ、検出信号が小さい問題が生じ
た。しかしながら、増幅回路を多段に設ける等の処置を
施すことで本発明に適用出来た。
【0042】また導体10に替わりパーマロイ膜からな
るパターンを磁区1先端部に設けると共に電流を流すこ
とで、垂直磁界変化に誘導された検出信号が得られた。
これは磁気抵抗効果として知られる。この場合導体10
を用いる場合に比べ検出信号が大きくなる反面、パーマ
ロイ膜パターンと磁区1との相互作用が問題となる。本
実施例では、パターン幅を1μm以下とし、磁区先端部
にのみ重なるようにパーマロイパターンを設けることで
問題を解決した。
【0043】次に図3を用いて第3の実施例を述べる。
本実施例では読み出し部30を磁性体膜50の外に設け
た点が異なる。読み出し部30は交番面内磁界発生部3
3と垂直磁界検出部34から少なくとも構成される。磁
性体膜50にあらかじめ磁区を存在させておき、磁区周
囲の磁壁37に書き込まれたブロッホラインの存在38
を上記実施例と同じ原理から読み出すものである。読み
出し部30は磁性体膜面内を自由に移動することが出来
るようにした。このため、読み出し部を移動ステージに
取り付けた。
【0044】この構成を取ることに依り、ブロッホライ
ンを磁性体膜の中で移動する必要がなくなる。もちろん
ブロッホラインの移動と読み出し部の移動を共存させて
も良い。この場合、読み出し部の移動に負担が少なくな
るため、読み出し速度の向上が望める。
【0045】ブロッホラインをまったく移動させない場
合、書き込み部は従来のように磁性体膜上には設けられ
なくなる(固定された書き込み部から広い範囲にわたっ
て書き込みが出来ない)。そこで、図4に示す書き込み
部を用いた。図に示す書き込み部31は上記と同様、磁
性体膜の外に設けられている。この書き込み部の先端部
(磁性体膜面側から見た状態を示す)には磁性体膜に接
近するためのスライダー36と書き込み用導体35を少
なくとも設けた。導体35の幅は0.5μmから100
μmの範囲意図することで書き込み磁界を局部的に発生
することが出来た。これにより、磁壁37中にブロッホ
ラインの存在する領域38を書き込むことが出来た。ス
ライダー36は読み出し部を磁性体膜に接近させた場合
に、接触事故から導体等を保護する目的で設けた。
【0046】本実施例を用いることにより、磁性体膜上
に書き込み部や読み出し部を形成する必要がないため、
磁性材料を選択するだけで、高密度記録が実現する特長
が有る。
【0047】さらに、図5に示す従来の磁気デイスク型
メモリへの展開が可能になる。磁性体膜41は円盤状で
これをモータ40にて回転させる。読み出し部30と書
き込み部31には上記本発明の機能を持たせることによ
って、円盤の半径方向の移動と高さ方向の調整のみでメ
モリ動作が実現する。従来の磁気デイスクと異なる点
は、情報担体として磁壁磁化の方向、すなわちブロッホ
ラインの存在を用いる点である。既に述べたようにブロ
ッホラインは磁区に比べ1/10の大きさしかなく、こ
れに情報を記憶することによって、高密度記憶が実現す
る。従来のブロッホラインメモリでは磁性体膜上に形成
された機能部を用いてのみ、メモリ動作が可能であっ
た。本発明では新規読み出し方式と、新規書き込み機能
部構成を用いることで磁性体膜外にこれら機能部を設け
ることが可能になる。これにより、複雑な機能部を磁性
体膜上に作り込む必要が無くなる。このため、磁性体膜
を開発できれば、高記憶密度が実現することとなる。
【0048】このような外付けタイプの書き込み、読み
出し機能部を用いる場合、ブロッホラインの存在する位
置が移動しないことが望ましい。すなわち、移動によっ
て、アドレス情報が失われる危険が有るためである。こ
れを防ぐために、冗長記憶等のソフト的救済手段が有る
が、極端な対策は記憶密度を下げる危険が有る。そこで
本実施例では、磁性体膜上にブロッホラインの安定位置
を形成した。具体的には表面にミクロな凹凸を設けた。
ブロッホラインは膜厚が薄い部分でエネルギーが小さく
なるため、安定位置になる。このパターンを周期的に形
成することでブロッホラインの安定位置を磁性体膜(メ
モリ媒体)全面に形成した。
【0049】同様の効果は、磁性膜の保磁力を10Oe
以上に高めても実現した。磁性膜の保磁力を10Oe以
上に高めると保磁力以下の外部磁界が印加されてもブロ
ッホラインを書き込んだ位置に保持できた。
【0050】上記ブロッホラインの移動を制限する機能
を持たせることによって高記録密度を実現しつつ、従来
の磁気記憶装置と同様のメモリ機能を達成した。
【0051】
【発明の効果】本発明に依れば、ブロッホラインの存在
をバブルの存在に変換することなく読み出しが実現する
ため、微小磁区幅の磁性体膜において生じた変換不良の
問題を防ぐことができる。このため微小磁区幅の磁性体
膜をメモリ媒体に適用できる。これにより、数10Gb
級の記憶密度を有するメモリ装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による、磁区先端部における読み出し部
の概念図
【図2】本発明による第2の実施例を示す読み出し部の
概念図
【図3】読み出し部を磁性体膜の外に設けた実施例の平
面図
【図4】読み出し部を磁性体膜の外に設けた例の概念図
【図5】本発名をデイスク型メモリに適用した例の概念
【図6】従来技術の概念図
【符号の説明】
1…磁区、2…ブロッホライン、3…垂直磁界検出器、
4…面内磁界発生器、5…ビットパターン、6…磁区固
定パターン、20…ブロッホライン対、10…導体、1
1…面内磁界発生用導体、30…読み出し部、31…書
き込み部、33…面内磁界発生部、34…垂直磁界検出
部、35…書き込み導体、36…スライダー、37…磁
壁、38…ブロッホライン存在領域、50…磁性体膜、
41…デイスク型磁性体膜、40…モータ、1a…磁
区、1b…磁区、2a…ブロッホライン、60…磁区切
断用導体、62…バブル。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性体膜中に生じる磁区周囲の磁壁を用
    い、該磁壁磁化の方向に情報の“1”“0”を対応させ
    記憶する磁気記憶装置において、局部的な面内磁界印加
    手段と、面内磁化印加によって生じる磁性膜からの垂直
    磁界変化を検出する手段を有し、該手段による検出信号
    により情報の読み出しを行なう事を特徴とする磁気記憶
    装置。
  2. 【請求項2】上記磁性体膜膜中に存在する磁区周囲の磁
    壁中に生じるブロッホラインを情報担体とし、所定の書
    き込み機能を有する磁気記憶装置において、該ブロッホ
    ラインに交番面内磁界を印加し、これにより誘導させる
    磁壁振動を電磁誘導法ないしは、磁気抵抗効果によって
    検出することで情報の読み出しを行うことを特徴とする
    請求項1記載の磁気記憶装置。
  3. 【請求項3】上記ブロッホラインを移動する機能を設け
    ると共に検出部が磁性体膜上に形成してあることを特徴
    とする請求項1または2記載の磁気記憶装置。
  4. 【請求項4】上記検出部を磁性体膜の外に設け、該検出
    部に空間座標系の中で任意に位置決めできる機能を持た
    せたことを特徴とする請求項1または2記載の磁気記憶
    装置。
  5. 【請求項5】上記情報の書き込み部を磁性体膜の外に設
    け、書き込み部に空間座標系の中で任意に位置決めでき
    る機能を持たせたことを特徴とする請求項1、2または
    4記載の磁気記憶装置。
  6. 【請求項6】上記書き込み部に幅0.5μmから100
    μmの範囲の導体を設け、該導体を上記磁性体膜に接近
    させた後、電流を流すことにより発生する局部磁界によ
    り磁壁中にブロッホラインを書き込むことを特徴とする
    請求項5記載の磁気記憶装置。
  7. 【請求項7】上記磁性体膜上にブロッホラインの安定位
    置を周期的に設けたことを特徴とする請求項1、2、
    4、または5記載の磁気記憶装置。
  8. 【請求項8】上記磁性体膜表面にミクロな凹凸を設けて
    ブロッホラインの安定位置を規定したことを特徴とする
    請求項7記載の磁気記憶装置。
  9. 【請求項9】上記磁性体膜の保磁力を10Oe以上にす
    ることでブロッホラインの安定位置を規定したことを特
    徴とする請求項7記載の磁気記憶装置。
  10. 【請求項10】上記磁性体膜がディスク型円盤であり、
    該磁性体膜を円周方向に回転させることにより入出力動
    作を実現する事を特徴とする請求項1、2、4、5、
    7、8、または9記載の磁気記憶装置。
  11. 【請求項11】上記磁性体膜が平板であり、書き込み部
    および検出部の移動により入出力動作を実現する事を特
    徴とする請求項1、2、4、5、7、8、または9記載
    の磁気記憶装置。
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