JPH05135537A - 磁気記録デイスク - Google Patents
磁気記録デイスクInfo
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- JPH05135537A JPH05135537A JP29546691A JP29546691A JPH05135537A JP H05135537 A JPH05135537 A JP H05135537A JP 29546691 A JP29546691 A JP 29546691A JP 29546691 A JP29546691 A JP 29546691A JP H05135537 A JPH05135537 A JP H05135537A
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- magnetic
- liner
- magnetic recording
- recording disk
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 保存安定性が良好で、広範囲の環境条件下で
の走行耐久性が優れた、特に、高密度記録に最適な磁気
記録ディスクを提供することを目的としている。 【構成】 フレキシブル磁気ディスクを不織布よりなる
ライナーを内面に設けたディスクカートリッジ内に回転
可能に収納した磁気記録ディスクにおいて、該ライナー
が、ウォータージェット方式で製膜した後に、エンボス
熱融着加工を施して作られた不織布もしくはエンボス熱
融着加工を行った後に、水洗処理を施して作られた不織
布からなることを特徴とする磁気記録ディスク。
の走行耐久性が優れた、特に、高密度記録に最適な磁気
記録ディスクを提供することを目的としている。 【構成】 フレキシブル磁気ディスクを不織布よりなる
ライナーを内面に設けたディスクカートリッジ内に回転
可能に収納した磁気記録ディスクにおいて、該ライナー
が、ウォータージェット方式で製膜した後に、エンボス
熱融着加工を施して作られた不織布もしくはエンボス熱
融着加工を行った後に、水洗処理を施して作られた不織
布からなることを特徴とする磁気記録ディスク。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内面に不織布よりなる
ライナーを設けたディスクカートリッジケース(以下、
単にカートリッジケースと称する)に、フレキシブル磁
気ディスクを回転可能に収納した磁気記録ディスクに関
し、特に高温度高湿度下での走行耐久性、保存安定性に
優れた磁気記録ディスクに関する。
ライナーを設けたディスクカートリッジケース(以下、
単にカートリッジケースと称する)に、フレキシブル磁
気ディスクを回転可能に収納した磁気記録ディスクに関
し、特に高温度高湿度下での走行耐久性、保存安定性に
優れた磁気記録ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録ディスクは、磁気ヘッド挿入口
ならびに回転駆動用穴などを有するカートリッジケース
(ジャケット)、主として、そのカートリッジケース内
に回転可能に収納されたフレキシブル磁気ディスクと、
前記カートリッジケースの内面に設けられたライナー等
から構成されている。ライナーは、フレキシブル磁気デ
ィスクの磁性層面の清浄及び保護の目的からジャケット
やカートリッジの内壁に設けられる。
ならびに回転駆動用穴などを有するカートリッジケース
(ジャケット)、主として、そのカートリッジケース内
に回転可能に収納されたフレキシブル磁気ディスクと、
前記カートリッジケースの内面に設けられたライナー等
から構成されている。ライナーは、フレキシブル磁気デ
ィスクの磁性層面の清浄及び保護の目的からジャケット
やカートリッジの内壁に設けられる。
【0003】そして、ライナーは、セルロース、レーヨ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リアクリルエステル、ナイロン等の天然および合成繊維
単独、もしくはアクリル系繊維とポリエステル系繊維の
混紡繊維、またはアクリル系繊維とレーヨン繊維の混紡
繊維などよりなる不織布、もしくはそれらを積層した不
織布を、例えば、熱融着や接着剤によってカートリッジ
ケースの内面に固定している。また、ライナーの不織布
中には、その原料素材もしくは工程から、ポリオキシエ
チレン、グリコール脂肪酸エステル、アルキル硫酸エス
テルナトリウム、等の油剤と称する、分散剤、平滑剤、
帯電防止剤、が0.1 〜0.5 重量%の少量ではあるが含浸
されていることが多い。ライナーに使用される不織布の
作り方としては、繊維に熱と圧力を印加して製膜する熱
融着法、繊維中にラテックスなどの接着剤を混合し製膜
するラテックス法、繊維の水分散液を基板上で水分を除
去して製膜するウォータージェット法等がある。比較的
安価であること、繊維屑の発塵が少なくドロップ・アウ
トが生じにくいことなどの理由から、通常は、熱融着法
もしくはラテックス法により作られた不織布がライナー
として、使用されている。
ン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リアクリルエステル、ナイロン等の天然および合成繊維
単独、もしくはアクリル系繊維とポリエステル系繊維の
混紡繊維、またはアクリル系繊維とレーヨン繊維の混紡
繊維などよりなる不織布、もしくはそれらを積層した不
織布を、例えば、熱融着や接着剤によってカートリッジ
ケースの内面に固定している。また、ライナーの不織布
中には、その原料素材もしくは工程から、ポリオキシエ
チレン、グリコール脂肪酸エステル、アルキル硫酸エス
テルナトリウム、等の油剤と称する、分散剤、平滑剤、
帯電防止剤、が0.1 〜0.5 重量%の少量ではあるが含浸
されていることが多い。ライナーに使用される不織布の
作り方としては、繊維に熱と圧力を印加して製膜する熱
融着法、繊維中にラテックスなどの接着剤を混合し製膜
するラテックス法、繊維の水分散液を基板上で水分を除
去して製膜するウォータージェット法等がある。比較的
安価であること、繊維屑の発塵が少なくドロップ・アウ
トが生じにくいことなどの理由から、通常は、熱融着法
もしくはラテックス法により作られた不織布がライナー
として、使用されている。
【0004】一般にフレキシブル磁気ディスクは、ポリ
エステルフィルム等の非磁性支持体上に強磁性粉末や結
合剤、分散剤、潤滑剤、研磨剤等を有機溶剤に分散混練
した磁性塗液を塗布したり、強磁性金属を真空蒸着等の
方法により直接被着することにより形成した磁性層を支
持体の片面または両面に持つ。さらに円盤状のこの様な
磁気記録媒体は、磁気ヘッド挿入口ならびに回転駆動用
穴などを有するカートリッジケースとその内部に磁気記
録媒体を支持するためのライナーから主に構成されてい
る。
エステルフィルム等の非磁性支持体上に強磁性粉末や結
合剤、分散剤、潤滑剤、研磨剤等を有機溶剤に分散混練
した磁性塗液を塗布したり、強磁性金属を真空蒸着等の
方法により直接被着することにより形成した磁性層を支
持体の片面または両面に持つ。さらに円盤状のこの様な
磁気記録媒体は、磁気ヘッド挿入口ならびに回転駆動用
穴などを有するカートリッジケースとその内部に磁気記
録媒体を支持するためのライナーから主に構成されてい
る。
【0005】ところで、磁気記録媒体の結合剤には、塩
化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、ポ
リウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース誘導
体、合成ゴム系樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート系
樹脂、アクリル系樹脂、等の合成樹脂が使用されてい
る。また上述の磁性層には分散剤、潤滑剤、帯電防止剤
等の各種添加剤が使用されている。これらは普通、各種
の有機化合物であり、たとえば脂肪酸およびその誘導体
(脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド等)、
脂肪族エーテル、脂肪族アルコール、脂肪族ケトンの
他、飽和・不飽和炭化水素基を有するものである。
化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、ポ
リウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース誘導
体、合成ゴム系樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート系
樹脂、アクリル系樹脂、等の合成樹脂が使用されてい
る。また上述の磁性層には分散剤、潤滑剤、帯電防止剤
等の各種添加剤が使用されている。これらは普通、各種
の有機化合物であり、たとえば脂肪酸およびその誘導体
(脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド等)、
脂肪族エーテル、脂肪族アルコール、脂肪族ケトンの
他、飽和・不飽和炭化水素基を有するものである。
【0006】パソコン、ワープロの各種OA機器の普及
にともない磁気記録ディスクの使用環境も広がっており
高湿度下で保存されたり、使用されることも多くなって
きた。ところが、高湿度の環境で使用した場合、磁気記
録ディスク内部に黴が発生し、ドロップアウトの原因に
なるという問題が生じた。なぜなら、これらの磁性層中
やライナー中に含まれる前記の結合剤や各種の添加剤、
含有物は黴の栄養源になり得るからである。これらの栄
養源は高温下に於いて、黴をメディア表面に発生させ、
ディスク表面に析出し、該ドロップアウトを引き起こす
ものと考えられる。
にともない磁気記録ディスクの使用環境も広がっており
高湿度下で保存されたり、使用されることも多くなって
きた。ところが、高湿度の環境で使用した場合、磁気記
録ディスク内部に黴が発生し、ドロップアウトの原因に
なるという問題が生じた。なぜなら、これらの磁性層中
やライナー中に含まれる前記の結合剤や各種の添加剤、
含有物は黴の栄養源になり得るからである。これらの栄
養源は高温下に於いて、黴をメディア表面に発生させ、
ディスク表面に析出し、該ドロップアウトを引き起こす
ものと考えられる。
【0007】このような磁気記録ディスクの黴の発生を
防止する対策として防黴剤を磁性層に含有させることが
特開昭61−214212号及び同平2−49217号
各公報に提案されているが、防黴剤を効果が期待される
程添加すると磁性層の耐久性が低下するという問題があ
った。このような磁気記録ディスクのカビの発生を防止
する対策として防カビ剤を磁性層に含有させることが特
開昭61−214212号及び同平2−49217号各
公報に、ライナーの材質を改良することが特開昭62−
252582号、同62−281176号、同61−2
58075号、及び同63−157876号各公報に提
案されているが、高湿下におけるカビの防止には未だ不
十分であるばかりでなく、例えば、高密度記録を行うの
に用いる以下にのべる強磁性粉末を用いた場合の高湿度
下における走行耐久性についての対策は何等なされてい
ない。また、ライナーからの黴発生を防止する方法に関
する提案は、ほとんどなされていない。
防止する対策として防黴剤を磁性層に含有させることが
特開昭61−214212号及び同平2−49217号
各公報に提案されているが、防黴剤を効果が期待される
程添加すると磁性層の耐久性が低下するという問題があ
った。このような磁気記録ディスクのカビの発生を防止
する対策として防カビ剤を磁性層に含有させることが特
開昭61−214212号及び同平2−49217号各
公報に、ライナーの材質を改良することが特開昭62−
252582号、同62−281176号、同61−2
58075号、及び同63−157876号各公報に提
案されているが、高湿下におけるカビの防止には未だ不
十分であるばかりでなく、例えば、高密度記録を行うの
に用いる以下にのべる強磁性粉末を用いた場合の高湿度
下における走行耐久性についての対策は何等なされてい
ない。また、ライナーからの黴発生を防止する方法に関
する提案は、ほとんどなされていない。
【0008】磁気記録媒体の記録密度の向上に関して
は、記録容量が1Mから4M更に10M以上が求められ、
それに応えるために媒体に使用する強磁性金属粉末とし
て、Fe、Ni、Coを主体とする強磁性金属粉末やバリウム
フェライトに代表される板状六方晶フェライト粉末が検
討されている。
は、記録容量が1Mから4M更に10M以上が求められ、
それに応えるために媒体に使用する強磁性金属粉末とし
て、Fe、Ni、Coを主体とする強磁性金属粉末やバリウム
フェライトに代表される板状六方晶フェライト粉末が検
討されている。
【0009】強磁性金属粉末は、抗磁力及び飽和磁化な
どの磁気特性に優れている点、また板状六方晶フェライ
ト粉末はその粒子の板面に垂直な方向に磁化容易軸があ
るので磁性層の垂直磁化成分が利用し易い点から高記録
密度記録用媒体に適した強磁性粉末である。これらの条
件とあいまって双方共に粒子サイズが、強磁性金属粉末
にあっては、その比表面積で30m2/g以上、X軸回折法
による結晶子サイズで300A(オンク゛ストローム)以下、また板
状六方晶フェライト粉末にあっては比表面積で25m2/g
以上、板状比が2乃至6、粒子長が0.02乃至1.0 μm程
度の非常に小さいものを使用することにより、記録密度
を一層高めることができる。
どの磁気特性に優れている点、また板状六方晶フェライ
ト粉末はその粒子の板面に垂直な方向に磁化容易軸があ
るので磁性層の垂直磁化成分が利用し易い点から高記録
密度記録用媒体に適した強磁性粉末である。これらの条
件とあいまって双方共に粒子サイズが、強磁性金属粉末
にあっては、その比表面積で30m2/g以上、X軸回折法
による結晶子サイズで300A(オンク゛ストローム)以下、また板
状六方晶フェライト粉末にあっては比表面積で25m2/g
以上、板状比が2乃至6、粒子長が0.02乃至1.0 μm程
度の非常に小さいものを使用することにより、記録密度
を一層高めることができる。
【0010】従来は、磁性層面の清浄及び保護の目的か
らジャケットやカートリッジの内壁に固設されている不
織布よりなるライナーは、磁気記録ディスクをどんな条
件で使用しても磁性層を保護こそすれその表面に傷を付
けたり、またトルク上昇の原因になることはほとんどな
かった。
らジャケットやカートリッジの内壁に固設されている不
織布よりなるライナーは、磁気記録ディスクをどんな条
件で使用しても磁性層を保護こそすれその表面に傷を付
けたり、またトルク上昇の原因になることはほとんどな
かった。
【0011】ところが、磁気記録ディスクの記録密度を
高めるために前記のように粒子サイズが非常に小さい強
磁性金属粉末や板状六方晶フェライト粉末を使用する
と、磁気記録ディスクのジャケットやカートリッジとフ
レキシブル磁気ディスクとの間にあるライナーと摺接す
ることで磁性層に傷が付いたり、更に高湿度の環境で使
用した場合、トルクが上昇して円滑な走行ができなくな
ることがあった。磁気記録ディスクの耐久性を改良する
ために古くから実施されている磁性層中に研磨剤粒子や
脂肪酸エステルを含有させる程度では上記の問題に対し
て充分に対応できなかった。
高めるために前記のように粒子サイズが非常に小さい強
磁性金属粉末や板状六方晶フェライト粉末を使用する
と、磁気記録ディスクのジャケットやカートリッジとフ
レキシブル磁気ディスクとの間にあるライナーと摺接す
ることで磁性層に傷が付いたり、更に高湿度の環境で使
用した場合、トルクが上昇して円滑な走行ができなくな
ることがあった。磁気記録ディスクの耐久性を改良する
ために古くから実施されている磁性層中に研磨剤粒子や
脂肪酸エステルを含有させる程度では上記の問題に対し
て充分に対応できなかった。
【0012】また、前者のライナーによる磁性層の損傷
に対しては、例えば、特願平1−163395号、特願平1−
178547号、特願平1−198678号各明細書等に開示されて
いるように磁性層に用いる結合剤樹脂の改良による方
法、特願平1−309913号、特願平1−289316号、特願平
1−259466号各明細書などに開示されているように磁性
層の膜質を改良する方法等主として磁性層の膜質を機械
的に強固にする方向の手段が提案されておりある程度の
効果を得ることが出来た。更に、ライナーの機能を高め
るためにその材質を、例えば、特開平1−171176号公
報、特開昭61−208685号公報、特開平1−199371号公報
などに開示されているようにポリエステル系繊維とアク
リル系繊維、レーヨン繊維等との混紡の不織布にした
り、また特開昭61−120386号公報、特開昭61−120387号
公報等に開示されているようにライナー中に各種の潤滑
剤を含浸させる方法が提案されている。また、実開昭62
−29678 号公報、実開昭62−22774 号公報等に開示され
ているようにライナー面にエンボス(凹凸)を設ける方
法も提案されている。
に対しては、例えば、特願平1−163395号、特願平1−
178547号、特願平1−198678号各明細書等に開示されて
いるように磁性層に用いる結合剤樹脂の改良による方
法、特願平1−309913号、特願平1−289316号、特願平
1−259466号各明細書などに開示されているように磁性
層の膜質を改良する方法等主として磁性層の膜質を機械
的に強固にする方向の手段が提案されておりある程度の
効果を得ることが出来た。更に、ライナーの機能を高め
るためにその材質を、例えば、特開平1−171176号公
報、特開昭61−208685号公報、特開平1−199371号公報
などに開示されているようにポリエステル系繊維とアク
リル系繊維、レーヨン繊維等との混紡の不織布にした
り、また特開昭61−120386号公報、特開昭61−120387号
公報等に開示されているようにライナー中に各種の潤滑
剤を含浸させる方法が提案されている。また、実開昭62
−29678 号公報、実開昭62−22774 号公報等に開示され
ているようにライナー面にエンボス(凹凸)を設ける方
法も提案されている。
【0013】このようなライナー材は信頼性のためライ
ナー自身が発塵が少ないこととクリーニング性(集塵
性)の良いことが望まれている。また、走行耐久性にお
いては、磁気ディスクの磁性層表面に傷を付けないこと
及び高湿環境下においてカビを発生してトルクの上昇及
びドロップアウトの原因とならないことが望まれている
が、従来のライナー材では上記の特性について必ずしも
最良の特性を得ることができない状況である。
ナー自身が発塵が少ないこととクリーニング性(集塵
性)の良いことが望まれている。また、走行耐久性にお
いては、磁気ディスクの磁性層表面に傷を付けないこと
及び高湿環境下においてカビを発生してトルクの上昇及
びドロップアウトの原因とならないことが望まれている
が、従来のライナー材では上記の特性について必ずしも
最良の特性を得ることができない状況である。
【0014】即ち、従来技術の最大の問題点は、磁気記
録ディスクが特に、高温高湿下において、磁性層の走行
耐久性とドロップアウトを共に満足できる技術が確立さ
れてないことにある。特に、この問題は、磁気記録ディ
スクの高密度記録化に対応して、フレキシブル磁気ディ
スクの強磁性粉末を強磁性金属や六方晶系フェライトを
使用すると顕著になった。
録ディスクが特に、高温高湿下において、磁性層の走行
耐久性とドロップアウトを共に満足できる技術が確立さ
れてないことにある。特に、この問題は、磁気記録ディ
スクの高密度記録化に対応して、フレキシブル磁気ディ
スクの強磁性粉末を強磁性金属や六方晶系フェライトを
使用すると顕著になった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術に鑑みなされたものであり、保存安定性が良好で、広
範囲の環境条件下での走行耐久性が優れた、特に、高密
度記録に最適な磁気記録ディスクを提供することを目的
としている。
術に鑑みなされたものであり、保存安定性が良好で、広
範囲の環境条件下での走行耐久性が優れた、特に、高密
度記録に最適な磁気記録ディスクを提供することを目的
としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の前記目的は、非
磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤樹脂を主体とする磁
性層を設けてなるフレキシブル磁気ディスクを不織布よ
りなるライナーを内面に設けたディスクカートリッジ内
に回転可能に収納した磁気記録ディスクにおいて、該ラ
イナーが、ウォータージェット方式で製膜した後に、エ
ンボス熱融着加工を施して作られた不織布からなること
を特徴とする磁気記録ディスクもしくは非磁性支持体上
に強磁性粉末と結合剤樹脂を主体とする磁性層を設けて
なるフレキシブル磁気ディスクを不織布よりなるライナ
ーを内面に設けたディスクカートリッジ内に回転可能に
収納した磁気記録ディスクにおいて、該ライナーが、エ
ンボス熱融着加工を行った後に、水洗処理を施して作ら
れた不織布からなることを特徴とする磁気記録ディスク
により達成される。
磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤樹脂を主体とする磁
性層を設けてなるフレキシブル磁気ディスクを不織布よ
りなるライナーを内面に設けたディスクカートリッジ内
に回転可能に収納した磁気記録ディスクにおいて、該ラ
イナーが、ウォータージェット方式で製膜した後に、エ
ンボス熱融着加工を施して作られた不織布からなること
を特徴とする磁気記録ディスクもしくは非磁性支持体上
に強磁性粉末と結合剤樹脂を主体とする磁性層を設けて
なるフレキシブル磁気ディスクを不織布よりなるライナ
ーを内面に設けたディスクカートリッジ内に回転可能に
収納した磁気記録ディスクにおいて、該ライナーが、エ
ンボス熱融着加工を行った後に、水洗処理を施して作ら
れた不織布からなることを特徴とする磁気記録ディスク
により達成される。
【0017】本発明は、磁気記録ディスクで使用するラ
イナーを上記の新規で特有な構成にすることにより、高
湿度下で使用したり、保存したりしても黴の発生がな
く、また、繰り返し走行しても磁性層の損傷も少なく、
発塵等によるドロップ・アウトの発生の恐れもなく、且
つトルクの上昇率が軽減された走行耐久性に優れたもの
にすることができた。
イナーを上記の新規で特有な構成にすることにより、高
湿度下で使用したり、保存したりしても黴の発生がな
く、また、繰り返し走行しても磁性層の損傷も少なく、
発塵等によるドロップ・アウトの発生の恐れもなく、且
つトルクの上昇率が軽減された走行耐久性に優れたもの
にすることができた。
【0018】即ち、本発明で使用するライナーは、ウォ
ータージェット方式により製膜された不織布であるかも
しくはエンボス加熱融着により繊維を製膜した後にその
製膜体を水洗処理しているので、その製造工程中で繊維
が水に晒されているためか、繊維に付着している油分が
水の中に洗い出されて、黴の栄養源となる油分が少なく
なっているので、高湿度下でも黴が発生する可能性が小
さく、また、エンボス熱融着加工しているので、繊維同
士が更に強固に結合されて、フレキシブル磁気ディスク
の走行中に繊維が脱落して繊維屑となる恐れが少なく、
また接触点を減少させるので磁性層面との摩擦係数も下
げることができるのである。
ータージェット方式により製膜された不織布であるかも
しくはエンボス加熱融着により繊維を製膜した後にその
製膜体を水洗処理しているので、その製造工程中で繊維
が水に晒されているためか、繊維に付着している油分が
水の中に洗い出されて、黴の栄養源となる油分が少なく
なっているので、高湿度下でも黴が発生する可能性が小
さく、また、エンボス熱融着加工しているので、繊維同
士が更に強固に結合されて、フレキシブル磁気ディスク
の走行中に繊維が脱落して繊維屑となる恐れが少なく、
また接触点を減少させるので磁性層面との摩擦係数も下
げることができるのである。
【0019】さらに、ライナーの不織布中に0.1乃至
10重量%と少量のラテックスを含有させることによ
り、上記のエンボス熱融着加工の効果は高まり、ライナ
ーの不織布繊維屑等による発塵が抑えられ、且つ磁性層
表面に対する集塵性が良くなる。本発明においては、ラ
イナーは接着剤として機能するものである。ライナー中
におけるラテックスの含有量は、通常のラテックス法に
よる不織布よりも非常に少ない量であるので、熱融着法
による不織布をライナーに使用したときに、保存もしく
は使用環境条件が高温度になるとラテックスが一部溶解
して磁性層面に付着してそれがドロップ・アウト等にな
るという、従来良くあった問題も生ずる心配がない。
10重量%と少量のラテックスを含有させることによ
り、上記のエンボス熱融着加工の効果は高まり、ライナ
ーの不織布繊維屑等による発塵が抑えられ、且つ磁性層
表面に対する集塵性が良くなる。本発明においては、ラ
イナーは接着剤として機能するものである。ライナー中
におけるラテックスの含有量は、通常のラテックス法に
よる不織布よりも非常に少ない量であるので、熱融着法
による不織布をライナーに使用したときに、保存もしく
は使用環境条件が高温度になるとラテックスが一部溶解
して磁性層面に付着してそれがドロップ・アウト等にな
るという、従来良くあった問題も生ずる心配がない。
【0020】実際に、従来のウオータージェット法で作
られたライナーは脱落繊維による発塵が多く、また他の
製法で作られたライナーよりゴミの集塵力も劣ってい
た。本発明では、この点に考慮してエンボス熱融着加工
することにより、また場合によっては、更にラテックス
を不織布中に含有させることにより、繊維間の接着を増
し、脱落したフリー繊維の数を減少させる方法で達成し
た。このことは他に、ライナーの寸法安定性の向上にも
効果があり、ライナーの加工性等のハンドリング性も向
上できた。
られたライナーは脱落繊維による発塵が多く、また他の
製法で作られたライナーよりゴミの集塵力も劣ってい
た。本発明では、この点に考慮してエンボス熱融着加工
することにより、また場合によっては、更にラテックス
を不織布中に含有させることにより、繊維間の接着を増
し、脱落したフリー繊維の数を減少させる方法で達成し
た。このことは他に、ライナーの寸法安定性の向上にも
効果があり、ライナーの加工性等のハンドリング性も向
上できた。
【0021】本発明のライナーに使用する不織布は、ま
ずウォータージェット方式により製膜された後に、エン
ボス熱融着加工をして作られたものである。前記ウォー
タージェット法としては、例えば、経営開発センター出
版、1988年12月31日発行「不織布製造技術と各
種応用展開の実際」等に記載されている通常の方法が使
用できるが、中でも、米国 Honey-Comb 社のウォータ
ーニードリング機やPerfojet社の装置を用いる方法が、
特に、強度、柔軟性、ソフトな風合いとリントフリーと
いう点で、本発明の磁気記録ディスクにとっては望まし
い。
ずウォータージェット方式により製膜された後に、エン
ボス熱融着加工をして作られたものである。前記ウォー
タージェット法としては、例えば、経営開発センター出
版、1988年12月31日発行「不織布製造技術と各
種応用展開の実際」等に記載されている通常の方法が使
用できるが、中でも、米国 Honey-Comb 社のウォータ
ーニードリング機やPerfojet社の装置を用いる方法が、
特に、強度、柔軟性、ソフトな風合いとリントフリーと
いう点で、本発明の磁気記録ディスクにとっては望まし
い。
【0022】そのほか、ウォータージェット方式で製膜
する際に重要な点は、噴射流体の圧力、流速、噴射角度
等の条件を適切にコントロールし、特に、柔軟に仕上げ
ることであり、そのようにすることにより、本発明の磁
気記録ディスクは、ライナーと磁性層との摩擦力が低下
するので耐久性の点で優れたものとすることができる。
前記エンボス熱融着加工により、ライナー不織布の表面
に凹凸を形成する。ライナー表面に形成されるの凹凸に
より磁性層との接触面積が減少して高湿度下でのライナ
ーとの摩擦係数が低下するのでトルク上昇が抑えられか
つ磁性層も傷付きにくくなり、特に、フリーな繊維が減
少して繊維の脱落を抑えることができる。
する際に重要な点は、噴射流体の圧力、流速、噴射角度
等の条件を適切にコントロールし、特に、柔軟に仕上げ
ることであり、そのようにすることにより、本発明の磁
気記録ディスクは、ライナーと磁性層との摩擦力が低下
するので耐久性の点で優れたものとすることができる。
前記エンボス熱融着加工により、ライナー不織布の表面
に凹凸を形成する。ライナー表面に形成されるの凹凸に
より磁性層との接触面積が減少して高湿度下でのライナ
ーとの摩擦係数が低下するのでトルク上昇が抑えられか
つ磁性層も傷付きにくくなり、特に、フリーな繊維が減
少して繊維の脱落を抑えることができる。
【0023】このエンボス熱融着加工する方法には、い
くつかの方法がある。例えば、カレンダーロール方式で
は、ロール表面に凹凸を付けたエンボスロールとスムー
スロールを加熱してその間に不織布を通すことにより凹
凸を設けることができ、エンボス表面に付ける凹凸の形
状によりエンボスパターンを変えることができる。ま
た、他の方式として熱風を強制的に循環させる熱風方
式、熱による加熱融着を使用せず、高周波振動エネルギ
ーを繊維ポリマー内で熱エネルギーに変換して、融着さ
せる超音波方式等がある。
くつかの方法がある。例えば、カレンダーロール方式で
は、ロール表面に凹凸を付けたエンボスロールとスムー
スロールを加熱してその間に不織布を通すことにより凹
凸を設けることができ、エンボス表面に付ける凹凸の形
状によりエンボスパターンを変えることができる。ま
た、他の方式として熱風を強制的に循環させる熱風方
式、熱による加熱融着を使用せず、高周波振動エネルギ
ーを繊維ポリマー内で熱エネルギーに変換して、融着さ
せる超音波方式等がある。
【0024】中でも、本発明の磁気記録ディスクには、
熱ロールを用いて強制的に加圧加熱するカレンダー方式
が、エンボスロールとスムースロールとを使用して比較
的に簡単に、ライナーに凹凸を付けることができ繊維の
発塵性を抑えると同時に摩擦係数も低下させることがで
きるので、本発明の磁気記録ディスクにとっては最も好
ましい。カレンダーロールの適性温度は、繊維の種類に
よって相違するが、通常130乃至300℃であり、例
えば、ポリエステル繊維では200乃至290℃であ
る。また、加工速度は20乃至50m/分、加工圧力は
25乃至100kg/cmである。
熱ロールを用いて強制的に加圧加熱するカレンダー方式
が、エンボスロールとスムースロールとを使用して比較
的に簡単に、ライナーに凹凸を付けることができ繊維の
発塵性を抑えると同時に摩擦係数も低下させることがで
きるので、本発明の磁気記録ディスクにとっては最も好
ましい。カレンダーロールの適性温度は、繊維の種類に
よって相違するが、通常130乃至300℃であり、例
えば、ポリエステル繊維では200乃至290℃であ
る。また、加工速度は20乃至50m/分、加工圧力は
25乃至100kg/cmである。
【0025】本発明の磁気記録ディスクにおけるライナ
ー中に接着剤として機能するラテックスを含有させる場
合は、その含有量は、0.1乃至10重量%、好ましく
は0.5乃至5重量%、特に好ましくは1乃至3重量%
である。余り多くなると使用環境条件が高温度になると
ラテックスが融解し、磁性層に付着してドロップ・アウ
トの原因になることがあるの注意を要する。使用できる
ラテックスは、合成樹脂系では、ポリアクリル酸エステ
ル、アクリル・スチレン重合体、エポキシ等であり、ゴ
ム系ではポリブタジェン、ブタジェン・スチレン共重合
体(SBRラテックス)、ブタジェン・アクリルニトリ
ル共重合体(NBRラテックス)等が使用でき、中で
も、その強度、硬度、安定性から乳化重合法で製造され
るSBR系ラテックスまたはアクリル系のラテックスが
好ましい。
ー中に接着剤として機能するラテックスを含有させる場
合は、その含有量は、0.1乃至10重量%、好ましく
は0.5乃至5重量%、特に好ましくは1乃至3重量%
である。余り多くなると使用環境条件が高温度になると
ラテックスが融解し、磁性層に付着してドロップ・アウ
トの原因になることがあるの注意を要する。使用できる
ラテックスは、合成樹脂系では、ポリアクリル酸エステ
ル、アクリル・スチレン重合体、エポキシ等であり、ゴ
ム系ではポリブタジェン、ブタジェン・スチレン共重合
体(SBRラテックス)、ブタジェン・アクリルニトリ
ル共重合体(NBRラテックス)等が使用でき、中で
も、その強度、硬度、安定性から乳化重合法で製造され
るSBR系ラテックスまたはアクリル系のラテックスが
好ましい。
【0026】上記の範囲内の含有量とすることにより、
フレキシブル磁気ディスクの磁性層が走行中に傷つくの
が防止され、特に、高温度で使用しているうちに、余分
なラテックスが磁性層に転移することもなく、発塵性、
集塵性及び走行耐久性を向上させることができる。前記
ラテックスは、ウォータージェット時の水流に含有させ
る方法、バインダー液のスプレー液に含有させて後工程
でバインダー液へ不織布を浸漬させる等の方法で不織布
中に含有させることができる。
フレキシブル磁気ディスクの磁性層が走行中に傷つくの
が防止され、特に、高温度で使用しているうちに、余分
なラテックスが磁性層に転移することもなく、発塵性、
集塵性及び走行耐久性を向上させることができる。前記
ラテックスは、ウォータージェット時の水流に含有させ
る方法、バインダー液のスプレー液に含有させて後工程
でバインダー液へ不織布を浸漬させる等の方法で不織布
中に含有させることができる。
【0027】本発明の磁気記録ディスクにおける前記ラ
イナーとして使用される不織布には各種の材質のものが
使用できる。例えば、セルロース、レーヨン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリルエ
ステル、ナイロン等の天然および合成繊維単独、もしく
はアクリル系繊維とポリエステル系繊維、またはアクリ
ル系繊維とレーヨン繊維の混紡繊維などである。中で
も、前記したようにメディアに対する当りが柔らかく傷
を付けにくいということから、レーヨン繊維とポリエス
テル繊維との混紡繊維、もしくはレーヨン繊維からなる
不織布とポリエステル繊維からなる不織布とを交互に積
層し、フレキシブル磁気ディスクの磁性層と接する側は
レーヨン繊維からなる構成にすることが好ましい。レー
ヨン繊維から成る不織布のライナーは、磁性層に対する
当たりが軟らかく当たりが軟らかいので磁性層を損傷し
にくいという長所がある反面、非常に吸湿率が大きいた
めに高湿度下では膨張して、磁性層面に対する接触面積
が大きくなって、トルクを増大させるばかりかかえって
傷を付けるような事もあるので、本発明の磁気記録ディ
スクのライナーに使用する不織布としては、レーヨンを
単一で使用せずに吸湿率の低いポリエステル繊維との混
紡で使用することが好ましいのである。
イナーとして使用される不織布には各種の材質のものが
使用できる。例えば、セルロース、レーヨン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリルエ
ステル、ナイロン等の天然および合成繊維単独、もしく
はアクリル系繊維とポリエステル系繊維、またはアクリ
ル系繊維とレーヨン繊維の混紡繊維などである。中で
も、前記したようにメディアに対する当りが柔らかく傷
を付けにくいということから、レーヨン繊維とポリエス
テル繊維との混紡繊維、もしくはレーヨン繊維からなる
不織布とポリエステル繊維からなる不織布とを交互に積
層し、フレキシブル磁気ディスクの磁性層と接する側は
レーヨン繊維からなる構成にすることが好ましい。レー
ヨン繊維から成る不織布のライナーは、磁性層に対する
当たりが軟らかく当たりが軟らかいので磁性層を損傷し
にくいという長所がある反面、非常に吸湿率が大きいた
めに高湿度下では膨張して、磁性層面に対する接触面積
が大きくなって、トルクを増大させるばかりかかえって
傷を付けるような事もあるので、本発明の磁気記録ディ
スクのライナーに使用する不織布としては、レーヨンを
単一で使用せずに吸湿率の低いポリエステル繊維との混
紡で使用することが好ましいのである。
【0028】レーヨン繊維とポリエステル繊維との混合
重量比率は、30/70乃至95/5、望ましくは45/65乃至
90/10である。この混合比率の望ましい範囲は、磁性層
の組成によって多少相違する。レーヨン繊維とポリエス
テル繊維の混紡繊維の中に、アクリル繊維、ナイロン繊
維、ポリプロピレン繊維等を混紡しても良い。また、レ
ーヨン繊維から成る不織布とポリエステル繊維からなる
不織布とを交互に積層して、磁性層と接する側はレーヨ
ン繊維の不織布である構成のライナーとする事も好まし
い。上記のレーヨン繊維とポリエステル繊維とを組み合
わせた不織布のライナーを使用すると、磁性層の強磁性
粉末が強磁性金属粉末もしくは六方晶系フェライトであ
る高密度記録用の磁気記録ディスクである場合に、磁性
層が特に高温度高湿度下で損傷を受け易いので特に効果
的である。
重量比率は、30/70乃至95/5、望ましくは45/65乃至
90/10である。この混合比率の望ましい範囲は、磁性層
の組成によって多少相違する。レーヨン繊維とポリエス
テル繊維の混紡繊維の中に、アクリル繊維、ナイロン繊
維、ポリプロピレン繊維等を混紡しても良い。また、レ
ーヨン繊維から成る不織布とポリエステル繊維からなる
不織布とを交互に積層して、磁性層と接する側はレーヨ
ン繊維の不織布である構成のライナーとする事も好まし
い。上記のレーヨン繊維とポリエステル繊維とを組み合
わせた不織布のライナーを使用すると、磁性層の強磁性
粉末が強磁性金属粉末もしくは六方晶系フェライトであ
る高密度記録用の磁気記録ディスクである場合に、磁性
層が特に高温度高湿度下で損傷を受け易いので特に効果
的である。
【0029】本発明で使用する前記レーヨン繊維として
は、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、アセ
テートレーヨン等が用いられ、レーヨン繊維(ステーブ
ル)の引っ張り強さとしては約2.0 乃至 4.0g/D、伸
び率約12乃至28%、伸張弾性率(3%伸張時)は約50乃
至85%、初期ヤング率は 400乃至 950kg/mm2 、比重は
1.50乃至1.52であることが望ましい。
は、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、アセ
テートレーヨン等が用いられ、レーヨン繊維(ステーブ
ル)の引っ張り強さとしては約2.0 乃至 4.0g/D、伸
び率約12乃至28%、伸張弾性率(3%伸張時)は約50乃
至85%、初期ヤング率は 400乃至 950kg/mm2 、比重は
1.50乃至1.52であることが望ましい。
【0030】本発明で用いるポリエステル繊維として
は、テレフタル酸又はテレフタル酸ジメチルとエチレン
グリコールとの重縮合に依って得られるポリエチレンテ
レフタレート繊維が望ましい。ポリエステル繊維(ステ
ーブル)の引っ張り強さは約4.5 乃至 6.8g/D、伸び
率は約20乃至50%、伸張弾性率(3%伸張時)は約90乃
至99%、初期ヤング率は 310乃至 870kg/mm2 、比重は
1.37乃至1.39であることが望ましい。以上の不織布を単
一層として、また積層して、熱融着や接着剤によってカ
ートリッジケースの内面に固定してライナーとする。
は、テレフタル酸又はテレフタル酸ジメチルとエチレン
グリコールとの重縮合に依って得られるポリエチレンテ
レフタレート繊維が望ましい。ポリエステル繊維(ステ
ーブル)の引っ張り強さは約4.5 乃至 6.8g/D、伸び
率は約20乃至50%、伸張弾性率(3%伸張時)は約90乃
至99%、初期ヤング率は 310乃至 870kg/mm2 、比重は
1.37乃至1.39であることが望ましい。以上の不織布を単
一層として、また積層して、熱融着や接着剤によってカ
ートリッジケースの内面に固定してライナーとする。
【0031】本発明の磁気記録ディスクにおけるライナ
ーの厚さとしては、 100乃至 400μmが好ましく、更に
好ましくは 120乃至300μmである。ここで言うライナ
ーの厚さは、JIS−L−1085に規定されている圧縮弾
性試験機で荷重6g/cm2 、20g/cm2 、面積5cm2 で
幅方向5点測定した平均値である。ライナーの厚さが薄
くなるとライナーとしての集塵力が充分でなくなった
り、加工切断時にスリット不良や、カット不良が発生
し、また厚すぎるとカートリッジ内の内部空間を狭くし
て、トルク上昇や耐久性の低下を招くので好ましくな
い。
ーの厚さとしては、 100乃至 400μmが好ましく、更に
好ましくは 120乃至300μmである。ここで言うライナ
ーの厚さは、JIS−L−1085に規定されている圧縮弾
性試験機で荷重6g/cm2 、20g/cm2 、面積5cm2 で
幅方向5点測定した平均値である。ライナーの厚さが薄
くなるとライナーとしての集塵力が充分でなくなった
り、加工切断時にスリット不良や、カット不良が発生
し、また厚すぎるとカートリッジ内の内部空間を狭くし
て、トルク上昇や耐久性の低下を招くので好ましくな
い。
【0032】本発明で用いるディスクカートリッジの材
質としては、8インチ及び5.25インチフレキシブル磁気
ディスク用には主として塩化ビニル系樹脂、JIS−X
−6223、6224に規定される 3.5インチフレキシブル磁気
ディスク用には ABS樹脂、ポリスチレン樹脂などが使用
される。
質としては、8インチ及び5.25インチフレキシブル磁気
ディスク用には主として塩化ビニル系樹脂、JIS−X
−6223、6224に規定される 3.5インチフレキシブル磁気
ディスク用には ABS樹脂、ポリスチレン樹脂などが使用
される。
【0033】本発明の磁気記録ディスクの磁性層には、
γ−Fe2O3 、Fe3O4 、FeOx(x=1.33−1.5 )、CrO2、
Co含有γ−Fe2O3 、Co含有FeOx(x=1.33−1.5 )、強
磁性金属粉末もしくは板状六方晶フェライト粉末等が使
用できる。特に、高密度記録用の媒体に適した、粒子サ
イズの小さい強磁性金属粉末、バリウムフェライト等の
六方晶系フェライトを強磁性粉末とする場合、本発明の
磁気記録ディスクはその利点が有効に生かされる。即
ち、強磁性粉末が上記の粒子サイズの小さい強磁性金属
粉末、バリウムフェライトである場合、特に高湿度での
使用の際、磁性層がライナーで損傷され易いが本発明の
磁気記録ディスクではその問題が軽減されている。強磁
性粉末が強磁性金属粉末の場合、その粒子サイズは、望
ましくは比表面積は30乃至60m2/gであってX線回折法
から求められる結晶子サイズが 100乃至 300オンク゛ストローム
である。比表面積が余り小さいと高密度記録に充分に対
応できなくなり、又余り大きくても分散が充分に行えず
に平滑な面の磁性層が形成できずこれ又高密度記録に対
応できなくなるので好ましくない。一方、板状六方晶フ
ェライト粉末の場合、比表面積は25乃至50m2/gであっ
て、板状比が2乃至6、粒子長が0.02乃至 1.0μmであ
る。強磁性金属粉末と同じ理由からその粒子サイズが大
きすぎても小さすぎても高密度記録が難しくなる。
γ−Fe2O3 、Fe3O4 、FeOx(x=1.33−1.5 )、CrO2、
Co含有γ−Fe2O3 、Co含有FeOx(x=1.33−1.5 )、強
磁性金属粉末もしくは板状六方晶フェライト粉末等が使
用できる。特に、高密度記録用の媒体に適した、粒子サ
イズの小さい強磁性金属粉末、バリウムフェライト等の
六方晶系フェライトを強磁性粉末とする場合、本発明の
磁気記録ディスクはその利点が有効に生かされる。即
ち、強磁性粉末が上記の粒子サイズの小さい強磁性金属
粉末、バリウムフェライトである場合、特に高湿度での
使用の際、磁性層がライナーで損傷され易いが本発明の
磁気記録ディスクではその問題が軽減されている。強磁
性粉末が強磁性金属粉末の場合、その粒子サイズは、望
ましくは比表面積は30乃至60m2/gであってX線回折法
から求められる結晶子サイズが 100乃至 300オンク゛ストローム
である。比表面積が余り小さいと高密度記録に充分に対
応できなくなり、又余り大きくても分散が充分に行えず
に平滑な面の磁性層が形成できずこれ又高密度記録に対
応できなくなるので好ましくない。一方、板状六方晶フ
ェライト粉末の場合、比表面積は25乃至50m2/gであっ
て、板状比が2乃至6、粒子長が0.02乃至 1.0μmであ
る。強磁性金属粉末と同じ理由からその粒子サイズが大
きすぎても小さすぎても高密度記録が難しくなる。
【0034】前記強磁性金属粉末は、少なくともFeを含
むことが必要であり、具体的には、Fe、Fe−Co、Fe−Ni
又はFe−Ni−Coを主体とした金属単体あるいは合金であ
る。本発明の磁気記録ディスクを高記録密度化するため
に、前記のように粒子サイズが小さいことが必要である
と同時に磁気特性としては、飽和磁化は少なくとも110e
mu/g以上、望ましくは120emu/g以上である。又抗磁
力としては、800 Oe以上、900 Oe以上である。そして、
その粒子の軸比は5以上あることが望ましい。更に特性
を改良するために、組成中にB、C、Al、Si、P等の非
金属が添加されることもある。通常、前記金属粉末の粒
子表面は、化学的に安定させるために酸化物の層が形成
されている。
むことが必要であり、具体的には、Fe、Fe−Co、Fe−Ni
又はFe−Ni−Coを主体とした金属単体あるいは合金であ
る。本発明の磁気記録ディスクを高記録密度化するため
に、前記のように粒子サイズが小さいことが必要である
と同時に磁気特性としては、飽和磁化は少なくとも110e
mu/g以上、望ましくは120emu/g以上である。又抗磁
力としては、800 Oe以上、900 Oe以上である。そして、
その粒子の軸比は5以上あることが望ましい。更に特性
を改良するために、組成中にB、C、Al、Si、P等の非
金属が添加されることもある。通常、前記金属粉末の粒
子表面は、化学的に安定させるために酸化物の層が形成
されている。
【0035】前記板状六方晶フェライトとしては、平板
状でその平板面に垂直な方向に磁化容易軸がある強磁性
体であって、バリウムフェライト、ストロンチウムフェ
ライト、鉛フェライト、カルシウムフェライト、あるい
はそれらのコバルト置換体等があり、中でも特にバリウ
ムフェライトのコバルト置換体、ストロンチウムフェラ
イトのコバルト置換体が好ましい。更に必要に応じてそ
の特性を改良するためにIn、Zn、Ge、Nb、V等の元素を
添加してもよい。本発明の磁気記録ディスクを高記録密
度化するために、前記板状六方晶フェライト粉末の粒子
サイズを前記のように小さいことが必要であると同時に
磁気特性としては、飽和磁化は少なくとも 50emu/g以
上、望ましくは 53emu/g以上である。又抗磁力として
は、 500 Oe 以上、 600 Oe 以上であることが望まし
い。
状でその平板面に垂直な方向に磁化容易軸がある強磁性
体であって、バリウムフェライト、ストロンチウムフェ
ライト、鉛フェライト、カルシウムフェライト、あるい
はそれらのコバルト置換体等があり、中でも特にバリウ
ムフェライトのコバルト置換体、ストロンチウムフェラ
イトのコバルト置換体が好ましい。更に必要に応じてそ
の特性を改良するためにIn、Zn、Ge、Nb、V等の元素を
添加してもよい。本発明の磁気記録ディスクを高記録密
度化するために、前記板状六方晶フェライト粉末の粒子
サイズを前記のように小さいことが必要であると同時に
磁気特性としては、飽和磁化は少なくとも 50emu/g以
上、望ましくは 53emu/g以上である。又抗磁力として
は、 500 Oe 以上、 600 Oe 以上であることが望まし
い。
【0036】フレキシブル磁気ディスクの前記磁性層に
使用される結合剤樹脂は従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物である。例え
ば、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、その他の塩化
ビニル系共重合体、アクリル酸エステル系共重合体、メ
タクリル酸エステル系共重合体、ウレタンエラストマ
ー、セルロース誘導体、エポキシ−ポリアミド樹脂等で
あり、硬化剤として各種のポリイソシアネートも使用さ
れる。そして、前記結合剤の使用量は強磁性金属粉末 1
00重量部当たり5乃至 300重量部であることが望まし
い。また、分散性を高めるために分子中に適当量のカル
ボキシル基、スルフォン酸基、水酸基、アミノ基、エポ
キシ基等の極性官能基を導入することが望ましい。
使用される結合剤樹脂は従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物である。例え
ば、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、その他の塩化
ビニル系共重合体、アクリル酸エステル系共重合体、メ
タクリル酸エステル系共重合体、ウレタンエラストマ
ー、セルロース誘導体、エポキシ−ポリアミド樹脂等で
あり、硬化剤として各種のポリイソシアネートも使用さ
れる。そして、前記結合剤の使用量は強磁性金属粉末 1
00重量部当たり5乃至 300重量部であることが望まし
い。また、分散性を高めるために分子中に適当量のカル
ボキシル基、スルフォン酸基、水酸基、アミノ基、エポ
キシ基等の極性官能基を導入することが望ましい。
【0037】上記磁性層には、通常、研磨剤、分散剤、
帯電防止剤等種々の機能を担った素材が添加される。
帯電防止剤等種々の機能を担った素材が添加される。
【0038】本発明では、前記したように、磁性層中に
脂肪酸エステルと後記するモース硬度6以上の研磨剤を
加えておくことが好ましく、前記のカビ発生の防止と相
待って、磁気ディスクの走行耐久性を向上させることが
できる。本発明で用いる脂肪酸エステルとしては、カプ
リル酸ブチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ブチル、
ラウリン酸オクチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン
酸ブチル、ミリスチン酸オクチル、パルミチン酸エチ
ル、パルミチン酸ブチル、ステアリン酸エチル、ステア
リン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸ア
ミル、アンソルビタンモノステアレート、アンヒドロソ
ルビタンジステアレート、アンソルビタントリステアレ
ート、ステアリン酸ヘキサデシル、オレイン酸オレイ
ル、オレイルオレート、ラウリルアルコール等が使用で
きる。中でも特にミリスチン酸ブチル、ステアリン酸ブ
チル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸アミル、ステ
アリン酸ヘキサデシル、オレイン酸オレイルが好まし
い。
脂肪酸エステルと後記するモース硬度6以上の研磨剤を
加えておくことが好ましく、前記のカビ発生の防止と相
待って、磁気ディスクの走行耐久性を向上させることが
できる。本発明で用いる脂肪酸エステルとしては、カプ
リル酸ブチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ブチル、
ラウリン酸オクチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン
酸ブチル、ミリスチン酸オクチル、パルミチン酸エチ
ル、パルミチン酸ブチル、ステアリン酸エチル、ステア
リン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸ア
ミル、アンソルビタンモノステアレート、アンヒドロソ
ルビタンジステアレート、アンソルビタントリステアレ
ート、ステアリン酸ヘキサデシル、オレイン酸オレイ
ル、オレイルオレート、ラウリルアルコール等が使用で
きる。中でも特にミリスチン酸ブチル、ステアリン酸ブ
チル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸アミル、ステ
アリン酸ヘキサデシル、オレイン酸オレイルが好まし
い。
【0039】本発明では研磨剤しとてモース硬度が6以
上の研磨剤か好ましく、例えば溶融アルミナ、炭化珪
素、酸化クロム、コランダム、人造コランダム、ダイア
モンド、人造ダイアモンド、ざくろ石、エメリー(主成
分:コランダム+磁鉄鉱)等が使用される。これらの研
磨剤はモース硬度が6以上であり、平均粒子径が 0.3〜
1.0μmの大きさのものが好ましく、より好ましくは 0.
4〜 0.8μmである。これらの研磨剤は結合剤 100重量
部に対して5重量部以上使用される。好ましくは5〜20
重量部より好ましくは5〜15重量部である。これより少
ないと十分な耐久性が得られず、多すぎると充填度が減
少し、十分な出力が得られない。
上の研磨剤か好ましく、例えば溶融アルミナ、炭化珪
素、酸化クロム、コランダム、人造コランダム、ダイア
モンド、人造ダイアモンド、ざくろ石、エメリー(主成
分:コランダム+磁鉄鉱)等が使用される。これらの研
磨剤はモース硬度が6以上であり、平均粒子径が 0.3〜
1.0μmの大きさのものが好ましく、より好ましくは 0.
4〜 0.8μmである。これらの研磨剤は結合剤 100重量
部に対して5重量部以上使用される。好ましくは5〜20
重量部より好ましくは5〜15重量部である。これより少
ないと十分な耐久性が得られず、多すぎると充填度が減
少し、十分な出力が得られない。
【0040】これらの強磁性体粉末の表面に後述する分
散剤、潤滑剤、帯電防止剤などをそれぞれの目的のため
に分散に先立って溶剤中で含浸させて吸着させてもよ
い。磁性層に使用できる分散剤としては、カプリル酸、
カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノー
ル酸、リノレン酸、ステアロール酸等の酸素数10〜22個
の脂肪酸(R1COOH、R1は炭素数9〜21個のアルキル
基)、前記の脂肪酸のアルカリ金属(Li、Na、K等)ま
たはアルカリ土類金属(Mg、Ca、Ba等)、Cu、Pb等から
成る金属石鹸;レシチン等が使用される。この他に炭素
数4以上の高級アルコール(ブタノール、オクチルアル
コール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコー
ル)及びこれらの硫酸エステル、燐酸エステル等も使用
可能である。これらの分散剤は結合剤 100重量部に対し
て 0.005〜20重量部の範囲で添加される。これら分散剤
の使用方法は、強磁性微粉末や非磁性微粉末の表面に予
め被着させても良く、また分散途中で添加してもよい。
散剤、潤滑剤、帯電防止剤などをそれぞれの目的のため
に分散に先立って溶剤中で含浸させて吸着させてもよ
い。磁性層に使用できる分散剤としては、カプリル酸、
カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノー
ル酸、リノレン酸、ステアロール酸等の酸素数10〜22個
の脂肪酸(R1COOH、R1は炭素数9〜21個のアルキル
基)、前記の脂肪酸のアルカリ金属(Li、Na、K等)ま
たはアルカリ土類金属(Mg、Ca、Ba等)、Cu、Pb等から
成る金属石鹸;レシチン等が使用される。この他に炭素
数4以上の高級アルコール(ブタノール、オクチルアル
コール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコー
ル)及びこれらの硫酸エステル、燐酸エステル等も使用
可能である。これらの分散剤は結合剤 100重量部に対し
て 0.005〜20重量部の範囲で添加される。これら分散剤
の使用方法は、強磁性微粉末や非磁性微粉末の表面に予
め被着させても良く、また分散途中で添加してもよい。
【0041】帯電防止剤としてはグラファイト、カーボ
ンブラック、カーボンブラックグラフトポリマー等の導
電性粉末;サポニン等の天然界面活性剤;アルキレンオ
キサイド系、グリセリン系、グリシドール系、多価アル
コール、多価アルコールエステル、アルキルフェノール
EO付加体等のノニオン界面活性剤;高級アルキルアミン
類、環状アミン、ヒダントイン誘導体、アミドアミン、
エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ピリジンそ
のほかの複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム
類、等のカチオン界面活性剤;カルボン酸、スルホン
酸、燐酸、硫酸エステル基、硫酸エステル基などの酸性
基を含むアニオン界面活性剤;アミノ酸類;アミノスル
ホン酸類、アミノアルコールの硫酸または硫酸エステル
類、アルキルベタイン型等の両性界面活性剤が使用され
る。
ンブラック、カーボンブラックグラフトポリマー等の導
電性粉末;サポニン等の天然界面活性剤;アルキレンオ
キサイド系、グリセリン系、グリシドール系、多価アル
コール、多価アルコールエステル、アルキルフェノール
EO付加体等のノニオン界面活性剤;高級アルキルアミン
類、環状アミン、ヒダントイン誘導体、アミドアミン、
エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ピリジンそ
のほかの複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム
類、等のカチオン界面活性剤;カルボン酸、スルホン
酸、燐酸、硫酸エステル基、硫酸エステル基などの酸性
基を含むアニオン界面活性剤;アミノ酸類;アミノスル
ホン酸類、アミノアルコールの硫酸または硫酸エステル
類、アルキルベタイン型等の両性界面活性剤が使用され
る。
【0042】本発明では磁性層中に好ましくは前記脂肪
酸エステルが添加されるが、その他潤滑剤として、シリ
コンオイル、グラファイト、二硫化モリブテン、チッ化
硼素、フッ化黒鉛、フッ素アルコール、ポリオレフィン
(ポリエチレンワックス等)、ポリグリコール(ポリエ
チレンオキシドワックス等)、アルキル燐酸エステル、
二硫化タングステンを併用してもよい。しかし、脂肪
酸、脂肪酸アミド、エーテル化合物は高温下での走行ト
ルクを増大させるのでその使用は慎重にした方がよい。
酸エステルが添加されるが、その他潤滑剤として、シリ
コンオイル、グラファイト、二硫化モリブテン、チッ化
硼素、フッ化黒鉛、フッ素アルコール、ポリオレフィン
(ポリエチレンワックス等)、ポリグリコール(ポリエ
チレンオキシドワックス等)、アルキル燐酸エステル、
二硫化タングステンを併用してもよい。しかし、脂肪
酸、脂肪酸アミド、エーテル化合物は高温下での走行ト
ルクを増大させるのでその使用は慎重にした方がよい。
【0043】本発明における前記フレキシブル磁気ディ
スクは基本的には非磁性支持体及びその上に設けられた
磁性層からなる。非磁性支持体としては、ポリエチレン
テレフタレートやホリエチレン−2,6−ナフタレート
のごときポリエステル、ホリプロピレンのごときポリオ
レフィン樹脂、三酢酸セルローズや二酢酸セルローズの
ごときセルローズ誘導体、ポリ塩化ビニルのごときビニ
ル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリサルホン樹
脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂など
の各種プラスチックあるいはプラスチック組成物のフィ
ルム状体、板状体などがある。これらの非磁性支持体の
形状はあらかじめ所望の形状に形成したものでもよく、
また磁性層や後述のバック層を形成させた後に例えば裁
断などにより成形してもよい。これらの非磁性支持体に
はあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、下塗処
理、熱処理、金属蒸着処理、アルカリ処理など各種の前
処理が施されていてもよい。
スクは基本的には非磁性支持体及びその上に設けられた
磁性層からなる。非磁性支持体としては、ポリエチレン
テレフタレートやホリエチレン−2,6−ナフタレート
のごときポリエステル、ホリプロピレンのごときポリオ
レフィン樹脂、三酢酸セルローズや二酢酸セルローズの
ごときセルローズ誘導体、ポリ塩化ビニルのごときビニ
ル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリサルホン樹
脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂など
の各種プラスチックあるいはプラスチック組成物のフィ
ルム状体、板状体などがある。これらの非磁性支持体の
形状はあらかじめ所望の形状に形成したものでもよく、
また磁性層や後述のバック層を形成させた後に例えば裁
断などにより成形してもよい。これらの非磁性支持体に
はあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、下塗処
理、熱処理、金属蒸着処理、アルカリ処理など各種の前
処理が施されていてもよい。
【0044】本発明においては、脂肪酸エステルと硬度
6以上の研磨剤を磁性層に含有させると、磁気ディスク
の走行性をさらに向上させることができる。 磁性層中
に含有される脂肪酸エステルの量は強磁性粉末100重
量部当り3乃至20重量部、望ましくは5乃至15重量部で
あることが望ましい。磁性層中に含有される前記脂肪酸
エステルの量が余り少ないと、高湿度下において磁性層
が削れ易くなる。又余り多すぎると結合剤樹脂の可塑化
を招き磁性層の膜質が低下して耐久性が劣化し又高湿度
の環境下ではトルクが増大する。脂肪酸エステルとして
は、炭素数6乃至22、望ましくは炭素数12乃至22の脂肪
酸と炭素数4乃至22、望ましくは炭素数4乃至18の脂肪
族アルコールを縮合して得られるエステル化合物を用い
ると、フレキシブル磁気ディスクのライナーとの摺動の
際の動摩擦係数を低下して、走行が安定する。
6以上の研磨剤を磁性層に含有させると、磁気ディスク
の走行性をさらに向上させることができる。 磁性層中
に含有される脂肪酸エステルの量は強磁性粉末100重
量部当り3乃至20重量部、望ましくは5乃至15重量部で
あることが望ましい。磁性層中に含有される前記脂肪酸
エステルの量が余り少ないと、高湿度下において磁性層
が削れ易くなる。又余り多すぎると結合剤樹脂の可塑化
を招き磁性層の膜質が低下して耐久性が劣化し又高湿度
の環境下ではトルクが増大する。脂肪酸エステルとして
は、炭素数6乃至22、望ましくは炭素数12乃至22の脂肪
酸と炭素数4乃至22、望ましくは炭素数4乃至18の脂肪
族アルコールを縮合して得られるエステル化合物を用い
ると、フレキシブル磁気ディスクのライナーとの摺動の
際の動摩擦係数を低下して、走行が安定する。
【0045】前記脂肪酸エテテルの炭素数が余り少ない
と磁性層から揮発し易く長期間の保存経時により走行性
が低下することがある。又、炭素数が余り多くなるとそ
の粘度が大きくなって特に低温度下での走行性が低下す
るので注意を要する。脂肪酸エステルの炭素数が前記範
囲内にあれば、原料の脂肪酸及びアルコールの分岐か直
鎖か、またシス、トランス等のアルコール結合の異性構
造、数、分岐位置に依らず選択可能である。但し、通常
の条件下で磁性層に潤滑性を付与するためには、その融
点が30℃以下であることが望ましい。前記炭素数が余り
少ないと比較的高温条件下で揮発し易く、特に長時間そ
のような条件に曝されていると部分的に脂肪酸エステル
が不足する部分ができるので本発明の目的が充分に達成
できなくなる。また前記炭素数が余り多いと脂肪酸エス
テルの粘度が高くなり磁性層表面にライナーが凝着現象
を起こしてかえってトルクの上昇を招くことがあるので
注意を要する。
と磁性層から揮発し易く長期間の保存経時により走行性
が低下することがある。又、炭素数が余り多くなるとそ
の粘度が大きくなって特に低温度下での走行性が低下す
るので注意を要する。脂肪酸エステルの炭素数が前記範
囲内にあれば、原料の脂肪酸及びアルコールの分岐か直
鎖か、またシス、トランス等のアルコール結合の異性構
造、数、分岐位置に依らず選択可能である。但し、通常
の条件下で磁性層に潤滑性を付与するためには、その融
点が30℃以下であることが望ましい。前記炭素数が余り
少ないと比較的高温条件下で揮発し易く、特に長時間そ
のような条件に曝されていると部分的に脂肪酸エステル
が不足する部分ができるので本発明の目的が充分に達成
できなくなる。また前記炭素数が余り多いと脂肪酸エス
テルの粘度が高くなり磁性層表面にライナーが凝着現象
を起こしてかえってトルクの上昇を招くことがあるので
注意を要する。
【0046】磁性層を非磁性支持体上に設けるには、以
上の成分に有機溶剤を加えて分散混練し、磁性塗液を調
製し、これを非磁性支持体上に塗布、乾燥してつくる。
磁性塗液の調製に用いる有機溶剤としては、任意の比率
でアセトン、メチルエチルケトン、メチレイソブチルケ
トン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフ
ラン等のケトン系;メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブダノール、イソブチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコ
ール系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イ
ソブチル、酢酸イソプロピル、乳剤エチル、酢酸グリコ
ール、モノエチルエーテル等のエステル系;エーテル、
グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエ
ーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系:ベン
ゼン:トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼ
ン、スチレンなどのタール系(芳香族炭化水素);メチ
レンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、ク
ロロホルム、エチレンカロルヒドリン、ジクロルベンゼ
ン等の塩素化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアルデ
ヒド、ヘキサン等が使用できる。
上の成分に有機溶剤を加えて分散混練し、磁性塗液を調
製し、これを非磁性支持体上に塗布、乾燥してつくる。
磁性塗液の調製に用いる有機溶剤としては、任意の比率
でアセトン、メチルエチルケトン、メチレイソブチルケ
トン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフ
ラン等のケトン系;メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブダノール、イソブチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコ
ール系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イ
ソブチル、酢酸イソプロピル、乳剤エチル、酢酸グリコ
ール、モノエチルエーテル等のエステル系;エーテル、
グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエ
ーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系:ベン
ゼン:トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼ
ン、スチレンなどのタール系(芳香族炭化水素);メチ
レンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、ク
ロロホルム、エチレンカロルヒドリン、ジクロルベンゼ
ン等の塩素化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアルデ
ヒド、ヘキサン等が使用できる。
【0047】混練にあたっては、磁性体及び上述の各成
分は全て同時に、あるいは個々順次に混練機に投入され
る。たとえば分散剤を含む溶剤中に磁性体を加え所定の
時間混練をつづけて磁性塗料とする方法などがある。磁
性塗料の混練分散にあたっては各種の混練機が使用され
る。例えば二本ロールミル、三本ロールミル、ボールミ
ル、ペプルミル、トロンミル、サンドグライダー、ゼグ
バリ(Szegvari)アトライター、高速インペラー分散
機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパー、
ニーダー、高速ミキサー、ホモジナイザー、超音波分散
機などである。混練分散に関する技術は、ティー・シー
・パットン著“染料の流動と顔料分散”(1975年)記載
された方法から選択される。多層同時塗布法によって同
時に2層以上の層を設けても良い。
分は全て同時に、あるいは個々順次に混練機に投入され
る。たとえば分散剤を含む溶剤中に磁性体を加え所定の
時間混練をつづけて磁性塗料とする方法などがある。磁
性塗料の混練分散にあたっては各種の混練機が使用され
る。例えば二本ロールミル、三本ロールミル、ボールミ
ル、ペプルミル、トロンミル、サンドグライダー、ゼグ
バリ(Szegvari)アトライター、高速インペラー分散
機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、ディスパー、
ニーダー、高速ミキサー、ホモジナイザー、超音波分散
機などである。混練分散に関する技術は、ティー・シー
・パットン著“染料の流動と顔料分散”(1975年)記載
された方法から選択される。多層同時塗布法によって同
時に2層以上の層を設けても良い。
【0048】本発明におけるフレキシブル磁気ディスク
の磁性層の厚味は乾燥厚味で約 0.5乃至12μmの範囲と
なるように塗布する。重層の場合は合計で上記の範囲と
なる。又、この乾燥厚味は磁気記録媒体の用途、形状、
規格などにより決められる。このような方法により、非
磁性支持体上に塗布された磁性層に必要により前記のよ
うに層中に磁性体を配向させる処理を施したのち、形成
した磁性層を乾燥する。又必要により表面平滑化加工を
施したり、所望の形状に裁断したりして、本発明の磁気
記録媒体を製造する。特に本発明に於ては磁性層の表面
平滑化処理を施すと、表面が平滑で、且つ耐摩耗性に優
れた磁気記録媒体が得られることが判明した。この表面
平滑化処理は乾燥前のスムーズニング処理、あるいは乾
燥後のカレンダリング処理によって行なわれる。
の磁性層の厚味は乾燥厚味で約 0.5乃至12μmの範囲と
なるように塗布する。重層の場合は合計で上記の範囲と
なる。又、この乾燥厚味は磁気記録媒体の用途、形状、
規格などにより決められる。このような方法により、非
磁性支持体上に塗布された磁性層に必要により前記のよ
うに層中に磁性体を配向させる処理を施したのち、形成
した磁性層を乾燥する。又必要により表面平滑化加工を
施したり、所望の形状に裁断したりして、本発明の磁気
記録媒体を製造する。特に本発明に於ては磁性層の表面
平滑化処理を施すと、表面が平滑で、且つ耐摩耗性に優
れた磁気記録媒体が得られることが判明した。この表面
平滑化処理は乾燥前のスムーズニング処理、あるいは乾
燥後のカレンダリング処理によって行なわれる。
【0049】
【実施例】以上の本発明の新規な特徴を以下の実施例及
び比較例によって具体的に説明する。
び比較例によって具体的に説明する。
【0050】〔実施例−1〕以下の組成物を、ニーダー
で約2時間混練し、均一な混練分散物を得た。 強磁性粉末: 100重量部 Co置換Baフェライト(比表面積35m2/g、粒子長0.06μm、板状比5) 結合剤樹脂: 10重量部 極性基含有塩化ビニル共重合体;(−So3Na 基8×10-5当量/g、数平均分子 量75,000) 研磨剤粒子: 7重量部 Al2O3 (平均粒子径 0.3μm) カーボンブラック: ケッチェンブラックEC; 5重量部 (ライオンアクゾ社製、平均粒子径30mμ) サーマックスMT:; 2重量部 (カンカルブ社製、平均粒子径 280mμ) 溶媒: トルエン 36重量部 メチルエチルケトン 36重量部
で約2時間混練し、均一な混練分散物を得た。 強磁性粉末: 100重量部 Co置換Baフェライト(比表面積35m2/g、粒子長0.06μm、板状比5) 結合剤樹脂: 10重量部 極性基含有塩化ビニル共重合体;(−So3Na 基8×10-5当量/g、数平均分子 量75,000) 研磨剤粒子: 7重量部 Al2O3 (平均粒子径 0.3μm) カーボンブラック: ケッチェンブラックEC; 5重量部 (ライオンアクゾ社製、平均粒子径30mμ) サーマックスMT:; 2重量部 (カンカルブ社製、平均粒子径 280mμ) 溶媒: トルエン 36重量部 メチルエチルケトン 36重量部
【0051】得られた混練分散物に以下の組成物を加え
て、更に、サンドグラインダーで2000rpm の条件で約2
時間微分散処理を施した。 結合剤樹脂: 5重量部 極性基含有ポリエステルポリウレタン樹脂(−SO3Na 基1×10-4当量/g、重 量平均分子量35,000) 溶媒: トルエン 250重量部 メチルエチルケトン 250重量部 この分散物に、更に又、ポリイソシアネート、コロネー
トL(日本ポリウレタン社製)を6重量部と脂肪酸エス
テルとしてトリデシルステアレート6重量部を添加し
て、均一に混合して、強磁性粉末が均一に分散された磁
性塗布液を得た。
て、更に、サンドグラインダーで2000rpm の条件で約2
時間微分散処理を施した。 結合剤樹脂: 5重量部 極性基含有ポリエステルポリウレタン樹脂(−SO3Na 基1×10-4当量/g、重 量平均分子量35,000) 溶媒: トルエン 250重量部 メチルエチルケトン 250重量部 この分散物に、更に又、ポリイソシアネート、コロネー
トL(日本ポリウレタン社製)を6重量部と脂肪酸エス
テルとしてトリデシルステアレート6重量部を添加し
て、均一に混合して、強磁性粉末が均一に分散された磁
性塗布液を得た。
【0052】この磁性塗布液を幅 300mm、厚さ75μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に乾燥膜厚
が 2.5μmとなるようにグラビアコートして、 100℃で
乾燥後、約 100℃の温度でカレンダーロールを用いて加
圧成型処理を施して磁気記録媒体の試料を得た。しかる
後、その磁気記録媒体を 3.5インチに打ち抜いた。
ポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に乾燥膜厚
が 2.5μmとなるようにグラビアコートして、 100℃で
乾燥後、約 100℃の温度でカレンダーロールを用いて加
圧成型処理を施して磁気記録媒体の試料を得た。しかる
後、その磁気記録媒体を 3.5インチに打ち抜いた。
【0053】レーヨン繊維とポリエステル繊維(5:
5)の比率で混合し、カードウェイブを作成した。次い
で、ランダムウェイブ法を使用してカーディングを行っ
て、これをシャワーノズルで水に浸して、柱状流ノズル
を用い、水圧12kg/cm2で処理し、偏平噴射ノズ
ルで仕上げ乾燥するウォータージェット法で成膜した
後、さらに表面温度270℃のカレンダーロールを使用
して格子状にエンボス熱融着加工を行った。そして、50
g/cm2の圧力で測定した厚さが約 210μmの不織布を
作成した。この不織布をライナーとして内部に設けたカ
ートリッジケースに前記 3.5インチのフレキシブル磁気
ディスクを収納して磁気記録ディスクの試料を作成し
た。
5)の比率で混合し、カードウェイブを作成した。次い
で、ランダムウェイブ法を使用してカーディングを行っ
て、これをシャワーノズルで水に浸して、柱状流ノズル
を用い、水圧12kg/cm2で処理し、偏平噴射ノズ
ルで仕上げ乾燥するウォータージェット法で成膜した
後、さらに表面温度270℃のカレンダーロールを使用
して格子状にエンボス熱融着加工を行った。そして、50
g/cm2の圧力で測定した厚さが約 210μmの不織布を
作成した。この不織布をライナーとして内部に設けたカ
ートリッジケースに前記 3.5インチのフレキシブル磁気
ディスクを収納して磁気記録ディスクの試料を作成し
た。
【0054】〔実施例−2〕実施例−1において、不織
布中ににSBR系のラテックスを1.5%重量部均一に含
浸させた以外は、実施例1と同一の条件で磁気記録ディ
スクの試料を作成した。
布中ににSBR系のラテックスを1.5%重量部均一に含
浸させた以外は、実施例1と同一の条件で磁気記録ディ
スクの試料を作成した。
【0055】〔実施例−3〕実施例−1のラテックス接
着剤をSBR系からアクリル系に変えた以外は実施例−
2と同様にして磁気記録ディスクを作成した。
着剤をSBR系からアクリル系に変えた以外は実施例−
2と同様にして磁気記録ディスクを作成した。
【0056】〔実施例−4〕実施例−2のレーヨン/ポ
リエステルの混紡比率を5:5から2:8に変えた以外
は実施例−1と同様にして磁気記録ディスクを作成し
た。
リエステルの混紡比率を5:5から2:8に変えた以外
は実施例−1と同様にして磁気記録ディスクを作成し
た。
【0057】〔実施例−5〕実施例−2の脂肪酸エステ
ルとして磁性層用分散液のトリデシルステアレート6重
量部の代わりにオレイルオレート5重量部を用いた以外
は実施例−1と同様にして磁気記録ディスクを作成し
た。
ルとして磁性層用分散液のトリデシルステアレート6重
量部の代わりにオレイルオレート5重量部を用いた以外
は実施例−1と同様にして磁気記録ディスクを作成し
た。
【0058】〔実施例−6〕実施例−1において、カー
ディングした後ウォータージェット法を用いずに直ちに
エンボス熱融着加工を施した以外は、実施例ー1と同一
の条件で磁気記録ディスクの試料を作成した。
ディングした後ウォータージェット法を用いずに直ちに
エンボス熱融着加工を施した以外は、実施例ー1と同一
の条件で磁気記録ディスクの試料を作成した。
【0059】〔比較例−1〕実施例−1において、レー
ヨン繊維とポリエステル繊維(5:5)の比率の繊維混
合物を、ウォータージェット法で成膜せずに、表面温度
270℃の熱ロールを使用してエンボス熱融着加工を行
っただけで、ライナー用不織布を作成した以外、実施例
−1と同一の条件で磁気記録ディスクを作成した。
ヨン繊維とポリエステル繊維(5:5)の比率の繊維混
合物を、ウォータージェット法で成膜せずに、表面温度
270℃の熱ロールを使用してエンボス熱融着加工を行
っただけで、ライナー用不織布を作成した以外、実施例
−1と同一の条件で磁気記録ディスクを作成した。
【0060】〔比較例−2〕実施例−2において、レー
ヨン繊維とポリエステル繊維(5:5)の比率の繊維混
合物を、ウォータージェット法で成膜せずに、表面温度
℃の熱ロールを使用してエンボス熱融着加工を行った後
に、不織布中にSBR系のラテックスを1.5%重量部均
一に含浸させた以外は、実施例−2と同一の条件で磁気
記録ディスクの試料を作成した。
ヨン繊維とポリエステル繊維(5:5)の比率の繊維混
合物を、ウォータージェット法で成膜せずに、表面温度
℃の熱ロールを使用してエンボス熱融着加工を行った後
に、不織布中にSBR系のラテックスを1.5%重量部均
一に含浸させた以外は、実施例−2と同一の条件で磁気
記録ディスクの試料を作成した。
【0061】〔比較例−3〕実施例−1において、エン
ボス熱融着加工を行わなかった以外は実施例−1と同一
の条件で磁気記録ディスクを作成した。
ボス熱融着加工を行わなかった以外は実施例−1と同一
の条件で磁気記録ディスクを作成した。
【0062】〔比較例ー4〕実施例ー1の脂肪酸エステ
ルとしてトリデシルステアレートを2重量部とした以外
は実施例ー1と同一の条件で磁気記録ディスクを作成し
た。
ルとしてトリデシルステアレートを2重量部とした以外
は実施例ー1と同一の条件で磁気記録ディスクを作成し
た。
【0063】以上のようにして得られた磁気記録ディス
クの各試料を、 3.5インチフロッピーディスクドライブ
PD211 (東芝(株)製)で駆動させて、図1で示すフロ
ーを1サイクルとする24時間サーモサイクルテストをト
ラック12にヘッドを位置させて実施した。
クの各試料を、 3.5インチフロッピーディスクドライブ
PD211 (東芝(株)製)で駆動させて、図1で示すフロ
ーを1サイクルとする24時間サーモサイクルテストをト
ラック12にヘッドを位置させて実施した。
【0064】このサーモサイクル条件下に於て、パス回
数で1500万回走行さたときの走行状態をもって、走行耐
久性を評価した。
数で1500万回走行さたときの走行状態をもって、走行耐
久性を評価した。
【0065】磁性層表面での異物の発生状況の評価は次
のようにして行った。各磁気記録ディスクの試料を23
℃、90%RHの環境条件下に2週間保存後、室温に戻
してさらに3日間保存した後、ディスクカートリッジを
開いてフレキシブル磁気ディスクの磁性層表面を観察し
て異物の発生状況を評価した。倍率125倍の工学顕微
鏡で観察して異物の発生状況を評価した。倍率125倍
の工学顕微鏡で観察して異物が全く認められなかった場
合を○、異物の発生がみられた場合を×と評価した。
のようにして行った。各磁気記録ディスクの試料を23
℃、90%RHの環境条件下に2週間保存後、室温に戻
してさらに3日間保存した後、ディスクカートリッジを
開いてフレキシブル磁気ディスクの磁性層表面を観察し
て異物の発生状況を評価した。倍率125倍の工学顕微
鏡で観察して異物の発生状況を評価した。倍率125倍
の工学顕微鏡で観察して異物が全く認められなかった場
合を○、異物の発生がみられた場合を×と評価した。
【0066】また、50万パス毎に、全トラックの出力を
測定して、1ビット以上の出力が初期値の45%以下とな
る場合をドロップアウトとした。前記各試料について、
1500パス走行後カートリッジケースを開き、磁気ディス
クの磁性層表面を目視観察し、○、×の評価を実施し
た。○は磁性層表面に欠陥がないレベルのもの、×は磁
性層表面全体に細かなキズ多数発生したものである。ま
た湿度によるトルク変化は耐久性同様 3.5インチのフロ
ッピーディスクドライブPD211 (東芝(株)製)を用
い、23℃50%RHの環境で、ドライブにフロッピーディス
クを設置し、ヘッドオフの状態で回転させモーター負荷
トルクを測定し、次にその環境を23℃、80%RHに変更
し、同様にモーター負荷トルクを測定し上昇したトルク
アップ率として求めた。
測定して、1ビット以上の出力が初期値の45%以下とな
る場合をドロップアウトとした。前記各試料について、
1500パス走行後カートリッジケースを開き、磁気ディス
クの磁性層表面を目視観察し、○、×の評価を実施し
た。○は磁性層表面に欠陥がないレベルのもの、×は磁
性層表面全体に細かなキズ多数発生したものである。ま
た湿度によるトルク変化は耐久性同様 3.5インチのフロ
ッピーディスクドライブPD211 (東芝(株)製)を用
い、23℃50%RHの環境で、ドライブにフロッピーディス
クを設置し、ヘッドオフの状態で回転させモーター負荷
トルクを測定し、次にその環境を23℃、80%RHに変更
し、同様にモーター負荷トルクを測定し上昇したトルク
アップ率として求めた。
【0067】外部からのゴミの集塵性評価は次のように
して行った。各磁気記録ディスクの試料に1mgの太田
胃酸粒子をヘッドウインドー部よりメディアの中心にの
せメディアを手で10回転させ粒子をカートリッジ内部
に挿入した後、Hi−Tech製HFQ−35サーティ
ファイヤでドロップアウトを測定しそのレベルが0%に
なるトラック数をカウントした。この時のドライブも他
同様、PD-211(東芝製)を用いた。この様にして得られ
た結果を表1に示した。
して行った。各磁気記録ディスクの試料に1mgの太田
胃酸粒子をヘッドウインドー部よりメディアの中心にの
せメディアを手で10回転させ粒子をカートリッジ内部
に挿入した後、Hi−Tech製HFQ−35サーティ
ファイヤでドロップアウトを測定しそのレベルが0%に
なるトラック数をカウントした。この時のドライブも他
同様、PD-211(東芝製)を用いた。この様にして得られ
た結果を表1に示した。
【0068】
【表1】
【0069】上記の結果から明らかなように、本発明の
磁気記録ディスクである実施例1〜実施例4の試料はカ
ビの発生による異物の析出もなく、発塵性、集塵性、走
行耐久性が安定しており、また高湿環境下でのトルク上
昇が少ない特性を示した。一方ライナーにおいて、熱融
着法で作成した比較例−1ではカビの発生による異物の
析出が生じた。またラテックス接着を行わなかった比較
例−2では、カビの発生による異物の析出は見られない
が、繊維の融合が低く繊維の脱落による発塵のためにド
ロップアウトが多発した。又比較例−3ではエンボス加
工がされていないためトルクが高くなった。また、比較
例4においては、脂肪酸エステルの量が2重量部と少な
すぎたため、磁性層表面が削られ走行耐久性が他の実施
例と比較してやや劣った。
磁気記録ディスクである実施例1〜実施例4の試料はカ
ビの発生による異物の析出もなく、発塵性、集塵性、走
行耐久性が安定しており、また高湿環境下でのトルク上
昇が少ない特性を示した。一方ライナーにおいて、熱融
着法で作成した比較例−1ではカビの発生による異物の
析出が生じた。またラテックス接着を行わなかった比較
例−2では、カビの発生による異物の析出は見られない
が、繊維の融合が低く繊維の脱落による発塵のためにド
ロップアウトが多発した。又比較例−3ではエンボス加
工がされていないためトルクが高くなった。また、比較
例4においては、脂肪酸エステルの量が2重量部と少な
すぎたため、磁性層表面が削られ走行耐久性が他の実施
例と比較してやや劣った。
【0070】
【発明の効果】不織布よりなるライナーを内面に設けた
ディスクカートリッジ内に回転可能に収納した磁気記録
ディスクにおいて、該ライナーをウォータージェット方
式で製膜した後に、エンボス熱融着加工を施して作られ
た不織布もしくはエンボス熱融着加工をした後に、水洗
処理することにより、磁気記録ディスクの高湿度条件下
でも黴の発生がなく、走行耐久性を良好にすることがで
きる。
ディスクカートリッジ内に回転可能に収納した磁気記録
ディスクにおいて、該ライナーをウォータージェット方
式で製膜した後に、エンボス熱融着加工を施して作られ
た不織布もしくはエンボス熱融着加工をした後に、水洗
処理することにより、磁気記録ディスクの高湿度条件下
でも黴の発生がなく、走行耐久性を良好にすることがで
きる。
【図1】走行耐久性評価のためのサーモサイクルを示す
フローチャート。
フローチャート。
Claims (7)
- 【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤樹
脂を主体とする磁性層を設けてなるフレキシブル磁気デ
ィスクを不織布よりなるライナーを内面に設けたディス
クカートリッジ内に回転可能に収納した磁気記録ディス
クにおいて、該ライナーが、ウォータージェット方式で
製膜した後に、エンボス熱融着加工を施して作られた不
織布からなることを特徴とする磁気記録ディスク。 - 【請求項2】 非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤樹
脂を主体とする磁性層を設けてなるフレキシブル磁気デ
ィスクを不織布よりなるライナーを内面に設けたディス
クカートリッジ内に回転可能に収納した磁気記録ディス
クにおいて、該ライナーが、エンボス熱融着加工を行っ
た後に、水洗処理を施して作られた不織布からなること
を特徴とする磁気記録ディスク。 - 【請求項3】 前記不織布中には、ラテックスが0.1
乃至10重量%含有されている請求項1もしくは請求項
2記載の磁気記録ディスク。 - 【請求項4】 前記ライナーがレーヨン繊維とポリエス
テル繊維を混紡した不織布である請求項1〜請求項3の
いずれか1項に記載の磁気記録ディスク。 - 【請求項5】 前記ライナーがレーヨン繊維から成る不
織布とポリエステル繊維からなる不織布とを交互に積層
した構成であり、前記フレキシブル磁気ディスクの前記
磁性層と接する側はレーヨン繊維からなる不織布である
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の磁気記録デ
ィスク。 - 【請求項6】 前記磁性層の強磁性粉末が強磁性金属粉
末もしくは六方晶系フェライトである請求項1〜請求項
5のいずれか1項に記載の磁気記録ディスク。 - 【請求項7】 前記磁性層が強磁性粉末に対して3〜2
0重量部の脂肪酸エステルと、結合剤樹脂に対して5〜
20重量部のモース硬度6以上の研磨剤を含有している
ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記
載の磁気記録ディスク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29546691A JPH05135537A (ja) | 1991-11-12 | 1991-11-12 | 磁気記録デイスク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29546691A JPH05135537A (ja) | 1991-11-12 | 1991-11-12 | 磁気記録デイスク |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05135537A true JPH05135537A (ja) | 1993-06-01 |
Family
ID=17820961
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29546691A Pending JPH05135537A (ja) | 1991-11-12 | 1991-11-12 | 磁気記録デイスク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05135537A (ja) |
-
1991
- 1991-11-12 JP JP29546691A patent/JPH05135537A/ja active Pending
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