JPH0520832A - 磁気記録デイスク - Google Patents

磁気記録デイスク

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JPH0520832A
JPH0520832A JP19831391A JP19831391A JPH0520832A JP H0520832 A JPH0520832 A JP H0520832A JP 19831391 A JP19831391 A JP 19831391A JP 19831391 A JP19831391 A JP 19831391A JP H0520832 A JPH0520832 A JP H0520832A
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JP
Japan
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magnetic
layer
magnetic recording
liner
recording disk
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Application number
JP19831391A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Niitsuma
一弘 新妻
Yasushi Endo
靖 遠藤
Tsutomu Sugizaki
力 杉崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、高温高湿度下における磁気
記録ディスクの黴の発生を防止すると共に走行耐久性の
向上とドロップアウトの低減化を共に満足できる高密度
記録用磁気記録ディスクを提供することにある。 【構成】 本発明は、非磁性支持体上に強磁性粉末と結
合剤樹脂を主体とする磁性層を設けてなるフレキシブル
磁気ディスクを不織布よりなるライナーを内面に設けた
ディスクカートリッジ内に回転可能に収納した磁気記録
ディスクにおいて、例えば、磁性層側の表面をレーヨン
/ポリエステル混紡繊維層2で構成し、カートリッジ側
を銅金属からなる層、例えば、銅薄板層1で構成したラ
イナーを使用することにより防黴によるドロップアウト
低減化と走行耐久性の両立を計ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフレキシブル磁気ディス
クを内面に不織布よりなるライナーを設けたディスクカ
ートリッジケース(以下、単にカートリッジケースと称
する)に回転可能に収納した磁気記録ディスク、特に黴
が発生しにくい不織布のライナーを用いた磁気記録ディ
スクに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録ディスクは、磁気ヘッド挿入口
ならびに回転駆動用穴などを有するカートリッジケース
(ジャケット)、そのカートリッジケース内に回転可能
に収納されたフレキシブル磁気ディスクと、前記カート
リッジケースの内面に設けられたライナー等から主とし
て構成されている。
【0003】高記録密度用のフロッピーディスクには、
記録容量が1Mから4M更に10M以上が求められ、それ
に応えるために媒体に使用する強磁性粉末として、強磁
性金属粉末やバリウムフェライトに代表される板状六方
晶フェライト粉末が使用されてきている。
【0004】強磁性金属粉末は、抗磁力及び飽和磁化な
どの磁気特性に優れている点、また板状六方晶フェライ
ト粉末はその粒子の板面に垂直な方向に磁化容易軸があ
るので磁性層の垂直磁化成分が利用し易い点から高記録
密度記録用媒体に適した強磁性粉末である。
【0005】しかし、これら強磁性粉末を使用した磁性
層は、機械的強度が低下する傾向があり、特に高温度高
湿度下においてその傾向が強かった。一方、磁性層面
は、清浄及び保護の目的からジャケットやカートリッジ
の内壁にライナーを設けている。
【0006】磁気記録ディスクのライナーは、例えば、
合成繊維の混紡繊維の不織布を例えば熱融着や接着剤に
よってカートリッジケースの内面に固定している。ライ
ナーの磁性層への当たりを和らげるためには、ライナー
の素材としてレーヨンとポリエステルの混紡の不織布が
最適であることが認められている。
【0007】ところが、高湿度の環境で使用した場合、
磁気記録ディスク内部に黴が発生し、ドロップアウトの
原因になると言う問題が生じた。なぜなら、これらの磁
性層中やライナー中に含まれる結合剤や各種の添加剤は
黴の栄養源になり得るからである。これらの栄養源は高
温下に於いて、黴をメディア表面に発生させ、ディスク
表面に析出し、該ドロップアウトを引き起こすものであ
る。
【0008】このような磁気記録ディスクの黴の発生を
防止する対策として防黴剤を磁性層に含有させることが
特開昭61−214212号及び同平2−49217号
各公報に提案されているが、防黴剤を効果が期待される
程添加すると磁性層の耐久性が低下するという問題があ
った。
【0009】即ち、従来技術の最大の問題点は、特に、
高温高湿下において、磁性層の走行耐久性とドロップア
ウトを共に満足できる技術が確率されてないことにあ
る。従って、このような特性を満足する磁気記録ディス
クが望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記の
如き従来技術の欠点を解消し、高温高湿度下における磁
気記録ディスクの黴の発生を防止すると共に走行耐久性
の向上とドロップアウトの低減化を共に満足できる高密
度記録用磁気記録ディスクを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、非磁性
支持体上に強磁性粉末と結合剤樹脂を主体とする磁性層
を設けてなるフレキシブル磁気ディスクを不織布よりな
るライナーを内面に設けたディスクカートリッジ内に回
転可能に収納した磁気記録ディスクにおいて、該ライナ
ー中には金属銅があって、該ライナーの磁性層側の表面
はレーヨン繊維とポリエステル繊維との混紡繊維の不織
布よりなることを特徴とする磁気記録ディスクにより達
成することができる。
【0012】特に、前記磁性層が強磁性粉末に対して3
〜20重量部の脂肪酸エステルと、結合剤樹脂に対して5
〜20重量部のモース硬度6以上の研磨剤を含有している
ことが望ましい。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
最大の特徴の1つは、磁気記録ディスクのカートリッジ
ケース内に設けられるライナーに黴の発生を防止する効
果がある金属銅を用いたことおよび該ライナーの磁性層
側の表面にはレーヨン繊維とポリエステル繊維の混紡繊
維の不織布を採用したことである。
【0014】これにより、磁気記録ディスク内において
黴の発生を防止して、ドロップアウトを低減すると共に
走行耐久性を確保することができる。本発明に使用され
る金属銅は、防黴効果があれば、形状、量、存在方法等
は任意である。
【0015】また、本発明に使用される金属銅は、少な
くとも金属銅を含みかつ防黴効果を有するものであれ
ば、その組成は任意であり、単体でも合金でも他の材料
との複合材料でもよい。
【0016】該金属銅を薄板として用いる場合、その厚
さは、1〜300μm、好ましくは10〜100μmの
範囲が望ましい。1μmより薄いと防黴効果が低下する
ので好ましくなく、300μmより厚いとライナーカッ
トの不良を起こすなどライナー作成工程での円滑なハン
ドリングができなくなるので好ましくない。その大きさ
及び固定化方法は、規格にもよるが、金属銅板をライナ
ー形状に一致させてレーヨンとポリエステルの混紡繊維
からなる不織布に接合もしくは挟んで機械的または接着
剤等により固定すること(この場合、複数の該板を使用
してもよい)、バインダー接着方式、サーマルボンド方
式が挙げられる。
【0017】金属銅を薄板の形態でライナー中に導入す
る場合、金属銅が直接磁性層と接触しないので磁性層を
損傷する恐れがないという利点がある。該金属銅を銅線
として用いる場合、その太さは、1〜60μm、好まし
くは10〜Q40μmの範囲が望ましい。また、長さ
は、1〜150mm、好ましくは5〜100mm、更に
好ましくは10〜30mmの範囲が望ましい。これ以外
の範囲であるとライナーのカットが精度良く行えなくな
ったり、ライナーをカットする際に、銅線が脱落したり
して、それらがドロップ・アウトの原因になったりする
ので好ましくない。その固定化方法は、ライナー形成用
もしくは任意の不織布繊維と共に混紡すること、該線の
みからなる不織布を作成し、上記板形状として用いた方
法で固定すること、バインダー接着方式、サーマルボン
ド方式、ジェットボンド方式等が挙げられる。
【0018】該金属銅を粒子として用いる場合、その形
状は任意であるが、好ましくは球状に近い粒状である。
該粒径は、1〜50μm、好ましくは20〜30μmの
範囲が望ましい。これ以外の範囲であるとQ のために
好ましくない。その固定化方法は、ライナー形成用繊維
を混紡する際に添加して固定すること、バインダー接着
方式等が挙げられる。
【0019】金属銅を金属線や金属粒子の形態でライナ
ー中に導入する場合には、不織布との混合、不織布のカ
ット等の点でライナーの加工が比較的容易に行うことが
できる。また、粒子の場合には金属銅の表面積を大きく
とることができるので防黴効果が大きいという利点があ
る。さらに、ライナー中への導入量を比較的幅広く選択
できるので防黴効果の調節がし易いという利点もある。
【0020】また、これら金属銅のライナーにおける存
在位置は、カートリッジ側に偏在することが好ましい。
これは、金属銅による磁性層の損傷を回避するためであ
る。本発明では、磁性層と接触するライナー形成繊維と
して磁性層表面を傷つけるおそれの無いレーヨン繊維と
ポリエステル繊維の混紡繊維を用いている。
【0021】また、上記金属銅の磁気記録ディスクライ
ナにおける存在量は、ライナー重量に対し1〜80重量
%、好ましくは10〜60重量%、特に30〜50重量
%の範囲が好ましい。
【0022】本発明で使用する磁性層側に設けられるラ
イナーの構成混紡繊維の一つであるレーヨン繊維として
は、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、アセ
テートレーヨン等が用いられる。
【0023】レーヨン繊維(ステーブル)の引っ張り強
さとしては約2.0乃至4.0g/D、伸び率約12乃
至28%、伸張弾性率(3%伸張時)は約50乃至85
%、初期ヤング率は400乃至950kg/mm2 、比
重は1.50乃至1.52であることが望ましい。
【0024】本発明で用いる上記混紡繊維の他の一つで
あるポリエステル繊維としては、テレフタル酸又はテレ
フタル酸ジメチルとエチレングリコールとの重縮合に依
って得られるポリエチレンテレフタレート繊維が望まし
い。ポリエステル繊維(ステーブル)の引っ張り強さは
約4.5乃至6.8g/D、伸び率は約20乃至50
%、伸張弾性率(3%伸張時)は約90乃至99%、初
期ヤング率は310乃至870kg/mm2 、比重は
1.37乃至1.39であることが望ましい。
【0025】本発明で単一層として用いるアクリル繊維
としては、引っ張り強さは2.5乃至5.0g/D、伸
び率は約25乃至50%、初期ヤング率は260乃至6
50kg/mm2 、比重は1.14乃至1.17であ
る。
【0026】レーヨン繊維とポリエステル繊維との混合
比率は、30/70乃至95/5、望ましくは45/5
5乃至90/10である。この混合比率の望ましい範囲
は、磁性層の組成によって相違する。
【0027】従来のライナー構成である例えばレーヨン
/ポリエステル混紡繊維のみでは、例えば23℃、95
%RHの高湿下ではカビの発生が見られ、磁気ディスク
(メディア)の磁性層表面にカビが異物として転写しド
ロップアウトの原因となるが、金属銅を併用することに
より上記の如き高湿下で保存してもカビの発生が生じな
い。
【0028】本発明で用いるライナーの1例を添付図に
示した。図1は、ライナーの断面を模式的に示したもの
であり、ライナーは、レーヨン/ポリエステル混紡繊維
の層1と銅薄板層2とよりなる。レーヨン/ポリエステ
ル混紡繊維層1が磁性層と接触するようにカートリッジ
ケース内に設けられている。
【0029】図2は本発明で用いるライナーの他の例を
模式的に示す拡大断面図であって、レーヨン/ポリエス
テル混紡繊維層1,3の間に銅薄板層2が介在する構成
となっている。この場合も、レーヨン/ポリエステル混
紡繊維層1が磁性層と接触する側に配置されている。
【0030】図1、2で示した銅薄板層は、銅線あるい
は銅粒子からなる層であってもよい。本発明で用いるラ
イナーの厚さは後記するように100〜400μmが好
ましく、このうち銅薄板の厚さは上述したように1μm
〜300μm程度であればよく、特に10μm〜100
μmが望ましい。このような2層構成又は3層構成(サ
ンドイッチ構成)以上をとって、磁性層(メディア)と
接触する側にレーヨン/ポリエステル混紡繊維の層を配
しても、銅薄板層による防黴効果が発揮され、高湿下に
おいても磁気記録ディスクに黴の発生が生じない。ま
た、磁性層と接する側にレーヨン/ポリエステル混紡よ
りなる比較的柔かい不織布を配したので磁性層の傷つく
のは防止され、走行耐久性は向上する。
【0031】本発明においては、前記したように脂肪酸
エステルと硬度6以上の研磨剤を磁性層に含有させる
と、磁気ディスクの走行性をさらに向上させることがで
きる。磁性層中に含有される脂肪酸エステルの量は強磁
性粉末100重量部当り3乃至20重量部、望ましくは
5乃至15重量部である。
【0032】磁性層中に含有される前記脂肪酸エステル
の量が余り少ないと、高湿度下において磁性層が削れ易
くなる。又余り多すぎると結合剤樹脂の可塑化を招き磁
性層の膜質が低下して耐久性が劣化し又高湿度の環境下
ではトルクが増大する。
【0033】脂肪酸エステルとしては、炭素数6乃至2
2、望ましくは炭素数12乃至22の脂肪酸と炭素数4
乃至22、望ましくは炭素数4乃至18の脂肪族アルコ
ールを縮合して得られるエステル化合物を用いると、フ
レキシブル磁気ディスクのライナーとの摺動の際の動摩
擦係数を低下して、走行が安定する。
【0034】前記脂肪酸エステルの炭素数が余り少ない
と磁性層から揮発し易く長期間の保存経時により走行性
が低下することがある。又、炭素数が余り多くなるとそ
の粘度が大きくなって特に低温度下での走行性が低下す
るので注意を要する。
【0035】脂肪酸エステルの炭素数が前記範囲内にあ
れば、原料の脂肪酸及びアルコールの分岐か直鎖か、ま
たシス、トランス等のアルコール結合の異性構造、数、
分岐位置に依らず選択可能である。
【0036】但し、通常の条件下で磁性層に潤滑性を付
与するためには、その融点が30℃以下であることが望ま
しい。前記炭素数が余り少ないと比較的高温条件下で揮
発し易く、特に長時間そのような条件に曝されていると
部分的に脂肪酸エステルが不足する部分ができるので本
発明の目的が充分に達成できなくなる。
【0037】また前記炭素数が余り多いと脂肪酸エステ
ルの粘度が高くなり磁性層表面にライナーが凝着現象を
起こしてかえってトルクの上昇を招くことがあるので注
意を要する。
【0038】本発明の効果を更に高めるために、ライナ
ーをエンボス加工してその表面に凹凸を形成することが
有効である。即ちエンボス加工によりライナー面の凹凸
により磁性層との接触面積が減少して高湿度下でのライ
ナーとの摩擦係数が低下するのでトルク上昇が抑えられ
かつ磁性層も傷付きにくくなる。このエンボス加工する
方法にはいくつかある。カレンダーロール方式では、ロ
ール表面に凹凸を付けたエンボスロールとスムースロー
ルを加熱してその間に不織布を通すことにより凹凸を設
けることができ、エンボス表面に付ける凹凸の形状によ
りエンボスパターンを変えることができる。そのほか、
熱風方式、超音波方式がある。
【0039】本発明の磁気記録ディスクにおけるライナ
ーの厚さとしては、100乃至400μmが好ましく、
更に好ましくは120乃至300μmである。ここで言
うライナーの厚さは、JIS−L−1085に規定され
ている圧縮弾性試験機で荷重6g/cm2 、20g/cm
2 、面積5cm2 で幅方向5点測定した平均値である。
【0040】本発明の磁気記録ディスクのカートリッジ
の内面に設けられたライナーとして使用される不織布の
材質としては、前記したように少くとも磁性層と接する
側に磁性層に対する当りが柔らかく傷を付けにくいとい
うことから、レーヨン繊維とポリエステル繊維との混紡
繊維を用いる。
【0041】レーヨン繊維は非常に吸湿率が大きいため
に高湿度下では膨張して、磁性層面に対する接触面積が
大きくなって、トルクを増大させるばかりか傷を付ける
ような事もあるので、本発明の磁気記録ディスクのライ
ナーに使用する不織布としては、レーヨンを単一で使用
せずに吸湿率の低いポリエステル繊維との混紡で使用す
る。しかしその際にも、レーヨン繊維は30重量%望ま
しくは45重量%以上混紡されていることが好ましい。
【0042】ライナーに使用できる他の繊維としては、
所望によりアクリル繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレ
ン繊維等が挙げられる。本発明で用いるディスクカート
リッジの材質としては、8インチ及び5.25インチフ
レキシブル磁気ディスク用には主として塩化ビニル系樹
脂、JIS−X−6223、6224に規定される3.
5インチフレキシブル磁気ディスク用にはABS樹脂、
ポリスチレン樹脂などが使用される。
【0043】本発明では、前記したように、磁性層中に
脂肪酸エステルと後記するモース硬度6以上の研磨剤を
加えておくことが好ましく、前記のカビ発生の防止と相
待って、磁気ディスクの走行耐久性を向上させることが
できる。
【0044】本発明で用いる脂肪酸エステルとしては、
カプリル酸ブチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ブチ
ル、ラウリン酸オクチル、ミリスチン酸エチル、ミリス
チン酸ブチル、ミリスチン酸オクチル、パルミチン酸エ
チル、パルミチン酸ブチル、ステアリン酸エチル、ステ
アリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸
アミル、アンソルビタンモノステアレート、アンヒドロ
ソルビタンジステアレート、アンソルビタントリステア
レート、ステアリン酸ヘキサデシル、オレイン酸オレイ
ル、オレイルオレート、ラウリルアルコール等が使用で
きる。
【0045】中でも特にミリスチン酸ブチル、ステアリ
ン酸ブチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸アミ
ル、ステアリン酸ヘキサデシル、オレイン酸オレイルが
好ましい。
【0046】本発明の磁気記録ディスクで使用する強磁
性粉末は、γ−Fe2 3 、Fe3 4 、FeOx(x
=1.33−1.5 )、CrO2 、Co含有γ−Fe2 3
Co含有FeOx(x=1.33−1.5 )、強磁性金属粉末
もしくは板状六方晶フェライト粉末等が使用できる。
【0047】特に、高記録密度用の媒体に適した、粒子
サイズの小さい強磁性金属粉末、バリウムフェライトを
強磁性粉末とする場合、本発明の磁気記録ディスクはそ
の利点が有効に生かされる。
【0048】即ち、強磁性粉末が上記の粒子サイズの小
さい強磁性金属粉末、バリウムフェライトである場合、
特に高湿度での使用の際、磁性層がライナーで損傷され
易いが本発明の磁気記録ディスクではその問題が軽減さ
れている。
【0049】強磁性粉末が強磁性金属粉末の場合、その
粒子サイズは、望ましくは比表面積は30乃至60m2
/gであってX線回折法から求められる結晶子サイズが
100乃至 300Åである。
【0050】比表面積が余り小さいと高密度記録に充分
に対応できなくなり、又余り大きくても分散が充分に行
えずに平滑な面の磁性層が形成できずこれ又高密度記録
に対応できなくなるので好ましくない。
【0051】一方、板状六方晶フェライト粉末の場合、
比表面積は25乃至50m2 /gであって、板状比が2
乃至6、粒子長が0.02乃至1.0μmである。強磁
性金属粉末と同じ理由からその粒子サイズが大きすぎて
も小さすぎても高密度記録が難しくなる。
【0052】前記強磁性金属粉末は、少なくともFeを
含むことが必要であり、具体的には、Fe、Fe−C
o、Fe−Ni又はFe−Ni−Coを主体とした金属
単体あるいは合金である。本発明の磁気記録ディスクを
高記録密度化するために、前記のように粒子サイズが小
さいことが必要であると同時に磁気特性としては、飽和
磁化は少なくとも110emu/g以上、望ましくは1
20emu/g以上である。又抗磁力としては、800
Oe以上、900Oe以上である。そして、その粒子の
軸比は5以上あることが望ましい。 更に特性を改良す
るために、組成中にB、C、Al、Si、P等の非金属
が添加されることもある。通常、前記金属粉末の粒子表
面は、化学的に安定させるために酸化物の層が形成され
ている。
【0053】前記板状六方晶フェライトとしては、平板
状でその平板面に垂直な方向に磁化容易軸がある強磁性
体であって、バリウムフェライト、ストロンチウムフェ
ライト、鉛フェライト、カルシウムフェライト、あるい
はそれらのコバルト置換体等があり、中でも特にバリウ
ムフェライトのコバルト置換体、ストロンチウムフェラ
イトのコバルト置換体が好ましい。更に必要に応じてそ
の特性を改良するためにIn、Zn、Ge、Nb、V等
の元素を添加してもよい。
【0054】本発明の磁気記録ディスクを高記録密度化
するために、前記板状六方晶フェライト粉末の粒子サイ
ズを前記のように小さいことが必要であると同時に磁気
特性としては、飽和磁化は少なくとも50emu/g以
上、望ましくは53emu//g以上である。又抗磁力
としては、500Oe以上、600Oe以上であること
が望ましい。
【0055】フレキシブル磁気ディスクの前記磁性層に
使用される結合剤樹脂は従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物である。例え
ば、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、その他の塩化
ビニル系共重合体、アクリル酸エステル系共重合体、メ
タクリル酸エステル系共重合体、ウレタンエラストマ
ー、セルロース誘導体、エポキシ−ポリアミド樹脂等で
あり、硬化剤として各種のポリイソシアネートも使用さ
れる。そして、前記結合剤の使用量は強磁性金属粉末1
00重量部当たり5乃至300重量部であることが望ま
しい。また、分散性を高めるために分子中に適当量のカ
ルボキシル基、スルフォン酸基、水酸基、アミノ基、エ
ポキシ基等の極性官能基を導入することが望ましい。
【0056】上記磁性層には、通常、研磨剤、分散剤、
帯電防止剤等種々の機能を担った素材が添加される。本
発明では研磨剤しとてモース硬度が6以上の研磨剤か好
ましく、例えば溶融アルミナ、炭化珪素、酸化クロム、
コランダム、人造コランダム、ダイアモンド、人造ダイ
アモンド、ざくろ石、エメリー(主成分:コランダム+
磁鉄鉱)等が使用される。これらの研磨剤はモース硬度
が6以上であり、平均粒子径が0.3〜1.0μmの大
きさのものが好ましく、より好ましくは0.4〜0.8
μmである。これらの研磨剤は結合剤 100重量部に対し
て5重量部以上使用される。好ましくは5〜20重量部
より好ましくは5〜15重量部である。これより少ない
と十分な耐久性が得られず、多すぎると充填度が減少
し、十分な出力が得られない。
【0057】これらの強磁性体粉末の表面に後述する分
散剤、潤滑剤、帯電防止剤などをそれぞれの目的のため
に分散に先立って溶剤中で含浸させて吸着させてもよ
い。磁性層に使用できる分散剤としては、カプリル酸、
カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノー
ル酸、リノレン酸、ステアロール酸等の酸素数10〜2
2個の脂肪酸(R1 COOH、R1 は炭素数9〜21個の
アルキル基)、前記の脂肪酸のアルカリ金属(Li、N
a、K等)またはアルカリ土類金属(Mg、Ca、Ba
等)、Cu、Pb等から成る金属石鹸;レシチン等が使
用される。この他に炭素数4以上の高級アルコール(ブ
タノール、オクチルアルコール、ミリスチルアルコー
ル、ステアリルアルコール)及びこれらの硫酸エステ
ル、燐酸エステル等も使用可能である。これらの分散剤
は結合剤100重量部に対して0.005〜20重量部
の範囲で添加される。これら分散剤の使用方法は、強磁
性微粉末や非磁性微粉末の表面に予め被着させても良
く、また分散途中で添加してもよい。
【0058】帯電防止剤としてはグラファイト、カーボ
ンブラック、カーボンブラックグラフトポリマー等の導
電性粉末;サポニン等の天然界面活性剤;アルキレンオ
キサイド系、グリセリン系、グリシドール系、多価アル
コール、多価アルコールエステル、アルキルフェノール
EO付加体等のノニオン界面活性剤;高級アルキルアミン
類、環状アミン、ヒダントイン誘導体、アミドアミン、
エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ピリジンそ
のほかの複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム
類、等のカチオン界面活性剤;カルボン酸、スルホン
酸、燐酸、硫酸エステル基、硫酸エステル基などの酸性
基を含むアニオン界面活性剤;アミノ酸類;アミノスル
ホン酸類、アミノアルコールの硫酸または硫酸エステル
類、アルキルベタイン型等の両性界面活性剤が使用され
る。
【0059】本発明では磁性層中に好ましくは前記脂肪
酸エステルが添加されるが、その他潤滑剤として、シリ
コンオイル、グラファイト、二硫化モリブテン、チッ化
硼素、フッ化黒鉛、フッ素アルコール、ポリオレフィン
(ポリエチレンワックス等)、ポリグリコール(ポリエ
チレンオキシドワックス等)、アルキル燐酸エステル、
二硫化タングステンを併用してもよい。
【0060】しかし、脂肪酸、脂肪酸アミド、エーテル
化合物は高温下での走行トルクを増大させるのでその使
用は慎重にした方がよい。
【0061】本発明における前記フレキシブル磁気ディ
スクは基本的には非磁性支持体及びその上に設けられた
磁性層からなる。非磁性支持体としては、ポリエチレン
テレフタレートやホリエチレン−2,6−ナフタレート
のごときポリエステル、ホリプロピレンのごときポリオ
レフィン樹脂、三酢酸セルローズや二酢酸セルローズの
ごときセルローズ誘導体、ポリ塩化ビニルのごときビニ
ル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリサルホン樹
脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂など
の各種プラスチックあるいはプラスチック組成物のフィ
ルム状体、板状体などがある。これらの非磁性支持体の
形状はあらかじめ所望の形状に形成したものでもよく、
また磁性層や後述のバック層を形成させた後に例えば裁
断などにより成形してもよい。これらの非磁性支持体に
はあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、下塗処
理、熱処理、金属蒸着処理、アルカリ処理など各種の前
処理が施されていてもよい。
【0062】磁性層を非磁性支持体上に設けるには、以
上の成分に有機溶剤を加えて分散混練し、磁性塗液を調
製し、これを非磁性支持体上に塗布、乾燥してつくる。
磁性塗液の調製に用いる有機溶剤としては、任意の比率
でアセトン、メチルエチルケトン、メチレイソブチルケ
トン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフ
ラン等のケトン系;メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブダノール、イソブチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコ
ール系;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イ
ソブチル、酢酸イソプロピル、乳剤エチル、酢酸グリコ
ール、モノエチルエーテル等のエステル系;エーテル、
グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエ
ーテル、ジオキサンなどのグリコールエーテル系:ベン
ゼン:トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼ
ン、スチレンなどのタール系(芳香族炭化水素);メチ
レンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、ク
ロロホルム、エチレンカロルヒドリン、ジクロルベンゼ
ン等の塩素化炭化水素、N,N−ジメチルホルムアルデ
ヒド、ヘキサン等が使用できる。
【0063】混練にあたっては、強磁性粉末及び上述の
各成分は全て同時に、あるいは個々順次に混練機に投入
される。たとえば分散剤を含む溶剤中に強磁性粉末を加
え所定の時間混練をつづけて磁性塗料とする方法などが
ある。
【0064】磁性塗料の混練分散にあたっては各種の混
練機が使用される。例えば二本ロールミル、三本ロール
ミル、ボールミル、ペプルミル、トロンミル、サンドグ
ライダー、ゼグバリ(Szegvari)アトライター、高速イ
ンペラー分散機、高速ストーンミル、高速度衝撃ミル、
ディスパー、ニーダー、高速ミキサー、ホモジナイザ
ー、超音波分散機などである。
【0065】混練分散に関する技術は、ティー・シー・
パットン著“染料の流動と顔料分散”(1975年)記載さ
れた方法から選択される。多層同時塗布法によって同時
に2層以上の層を設けても良い。
【0066】本発明におけるフレキシブル磁気ディスク
の磁性層の厚味は乾燥厚味で約 0.5乃至12μmの範囲と
なるように塗布する。重層の場合は合計で上記の範囲と
なる。又、この乾燥厚味は磁気記録媒体の用途、形状、
規格などにより決められる。
【0067】このような方法により、非磁性支持体上に
塗布された磁性層に必要により前記のように層中に磁性
体を配向させる処理を施したのち、形成した磁性層を乾
燥する。又必要により表面平滑化加工を施したり、所望
の形状に裁断したりして、本発明の磁気記録媒体を製造
する。
【0068】特に本発明に於ては磁性層の表面平滑化処
理を施すと、表面が平滑で、且つ耐摩耗性に優れた磁気
記録媒体が得られることが判明した。この表面平滑化処
理は乾燥前のスムーズニング処理、あるいは乾燥後のカ
レンダリング処理によって行なわれる。
【0069】
【実施例】以上の本発明の新規な特徴を以下の実施例及
び比較例によって具体的に説明する。
【0070】〔実施例−1〕以下の組成物を、ニーダー
で約2時間混練し、均一な混練分散物を得た。 強磁性粉末: 100重量部 Co置換Baフェライト(比表面積35m2/g、粒子長0.06μm、板状比5) 結合剤樹脂: 10重量部 極性基含有塩化ビニル共重合体;(−So3Na 基8×10-5当量/g、数平均分子 量75,000) 研磨剤粒子: 7重量部 Al2O3 (平均粒子径 0.3μm) カーボンブラック: ケッチェンブラックEC; 5重量部 (ライオンアクゾ社製、平均粒子径30mμ) サーマックスMT:; 2重量部 (カンカルブ社製、平均粒子径 280mμ) 溶媒: トルエン 36重量部 メチルエチルケトン 36重量部 得られた混練分散物に以下の組成物を加えて、更に、サンドグラインダーで20 00rpm の条件で約2時間微分散処理を施した。 結合剤樹脂: 5重量部 極性基含有ポリエステルポリウレタン樹脂(−SO3Na 基1×10-4当量/g、重 量平均分子量35,000) 溶媒: トルエン 250重量部 メチルエチルケトン 250重量部 この分散物に、更に又、ポリイソシアネート、コロネー
トL(日本ポリウレタン社製)を6重量部と脂肪酸エス
テルとしてトリデシルステアレート6重量部を添加し
て、均一に混合して、強磁性粉末が均一に分散された磁
性塗布液を得た。
【0071】この磁性塗布液を幅 300mm、厚さ75μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に乾燥膜厚
が 2.5μmとなるようにグラビアコートして、 100℃で
乾燥後、約 100℃の温度でカレンダーロールを用いて加
圧成型処理を施して磁気記録媒体の試料を得た。
【0072】しかる後、その磁気記録媒体を 3.5インチ
に打ち抜いた。レーヨン繊維とポリエステル繊維(5:
5)の混紡層を磁性層側、他側(シエル側)が銅薄板と
なるように構成され、エンボス加工されている厚さが約
220μm(銅薄板の厚さが約70μm)の不織布を約50
℃の温水で洗浄して水溶性物質の抽出量を3ppm とし
た。
【0073】この不織布をライナーとして内部に設けた
カートリッジケースに前記 3.5インチのフレキシブル磁
気ディスクを収納して磁気記録ディスクの試料を作成し
た。
【0074】〔実施例−2〕実施例−1のライナーの代
わりにレーヨン/ポリエステル混紡の層の間に銅薄板を
中間層としているライナー構成ライナーを用いた以外は
実施例−1と同様にして磁気記録ディスクを作成した。
各層の厚さはレーヨン/ポリエステル混紡層の厚さはそ
れぞれ80μm、銅薄板の中間層の厚さは60μmとし
た。
【0075】〔実施例−3〕実施例−1のレーヨン/ポ
リエステルの混紡比率を5:5から2:8に変えた以外
は実施例−1と同様にして磁気記録ディスクを作成し
た。
【0076】〔実施例−4〕実施例−1の脂肪酸エステ
ルとしてトリデシルステアレート6重量部の代わりにオ
レイルオレート5重量部を用いた以外は実施例−1と同
様にして磁気記録ディスクを作成した。
【0077】〔比較例−1〕実施例−1と同様なライナ
ー層構成であるが、磁性層側に銅薄板層、シエル側にレ
ーヨン/ポリエステルの混紡の層となるようにライナー
を配置した以外は実施例−1と同様にして磁気記録ディ
スクを作成した。
【0078】〔比較例−2〕実施例−2のライナー層構
成に於いて銅薄板の代わりに、ポリプロピレン繊維をも
つ以外は実施例−2と同様にして磁気記録ディスクを作
成した。
【0079】〔比較例−3〕実施例−1のライナー層構
成に於いて、レーヨン/ポリエステルの混紡のみのライ
ナー層構成を使用する以外は実施例−1と同様にして磁
気記録ディスクを作成した。
【0080】以上のようにして得られた磁気記録ディス
クの各試料を、 3.5インチフロッピーディスクドライブ
PD211 (東芝(株)製)で駆動させて、以下の表1で示
すフローを1サイクルとする24時間サーモサイクルテス
トをトラック12にヘッドを位置させて実施した。
【0081】このサーモサイクル条件下に於て、パス回
数で1500万回走行さたときの走行状態をもって、走行耐
久性を評価した。
【0082】
【表1】
【0083】磁性層表面での異物の発生状況の評価は次
のようにして行った。各磁気記録ディスクの試料を23
℃、90%RHの環境条件下に2週間保存後、室温に戻
してさらに3日間保存した後、ディスクカートリッジを
開いてフレキシブル磁気ディスクの磁性層表面を観察し
て異物の発生状況を評価した。倍率125倍の光学顕微
鏡で観察して異物の発生状況を評価した。倍率125倍
の光学顕微鏡で観察して異物が全く認められなかった場
合を○、異物の発生がみられた場合を×と評価した。
【0084】また、50万パス毎に、全トラックの出力を
測定して、1ビット以上の出力が初期値の45%以下とな
る場合をドロップアウトとした。前記各試料について、
1500パス走行後カートリッジケースを開き、磁気ディス
クの磁性層表面を目視観察し、○、×の評価を実施し
た。○は磁性層表面に欠陥がないレベルのもの、×は磁
性層表面全体に細かなキズ多数発生したもの、△は、磁
性層表面の極一部に細かな傷の発生がみられたものであ
る。
【0085】また湿度によるトルク変化は耐久性同様
3.5インチのフロッピーディスクドライブPD211 (東芝
(株)製)を用い、23℃50%RHの環境で、ドライブにフ
ロッピーディスクを設置し、ヘッドオフの状態で回転さ
せモーター負荷トルクを測定し、次にその環境を23℃、
80%RHに変更し、同様にモーター負荷トルクを測定し上
昇したトルクアップ率として求めた。この様にして得ら
れた結果を表2に示した。
【0086】
【表2】
【0087】上記の結果から明らかなように、本発明の
磁気記録ディスクである実施例1〜実施例4の試料はカ
ビの発生による異物の析出もなく、走行耐久性が安定し
ており、また高湿環境下でのトルク上昇が少ない特性を
示した。一方ライナー層構成において、レーヨン/ポリ
エステルの混紡と銅薄板の位置が実施例−1と逆の比較
例−1ではカビの発生による異物の析出が生じなかった
が、走行耐久性において磁性層表面に削れが発生した。
また銅薄板層の代わりにポリプロピレン繊維を中間層に
入れた比較例−2では、カビの発生による異物の析出
と、ポリプロピレン繊維からくる発塵のためにドロップ
アウトが多発した。又比較例−3では銅薄板が含有され
ていないためカビが発生して異物の析出があった。
【0088】本発明により、磁気記録ディスクのライナ
ーとして、磁性層に接する側にレーヨン/ポリエステル
混紡繊維の層、他側に銅薄板層よりなるライナーを用い
ることにより、高湿下におけるカビの発生を防止し、且
つ磁気記録ディスクの走行耐久性を向上させることがで
きる。 〔実施例−5〕以下の組成物を、ニーダーで約2時間混
練し、均一な混練分散物を得た。 強磁性粉末: 100重量部 Co置換Baフェライト(比表面積35m2/g、粒子長0.06μm、板状比5) 結合剤樹脂: 10重量部 極性基含有塩化ビニル共重合体;(−SO3Na 基8×10-5当量/g、数平均分子 量75,000) 研磨剤粒子: 7重量部 Al2O3 (平均粒子径 0.3μm) カーボンブラック: ケッチェンブラックEC; 5重量部 (ライオンアクゾ社製、平均粒子径30mμ) サーマックスMT:; 2重量部 (カンカルブ社製、平均粒子径 280mμ) 溶媒: トルエン 36重量部 メチルエチルケトン 36重量部 得られた混練分散物に以下の組成物を加えて、更に、サンドグラインダーで20 00rpm の条件で約2時間微分散処理を施した。 結合剤樹脂: 5重量部 極性基含有ポリエステルポリウレタン樹脂(−SO3Na 基1×10-4当量/g、重 量平均分子量35,000) 溶媒: トルエン 250重量部 メチルエチルケトン 250重量部 この分散物に、更に又、ポリイソシアネート、コロネー
トL(日本ポリウレタン社製)を6重量部と脂肪酸エス
テルとしてトリデシルステアレート6重量部を添加し
て、均一に混合して、強磁性粉末が均一に分散された磁
性塗布液を得た。
【0089】この磁性塗布液を幅 300mm、厚さ75μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に乾燥膜厚
が 2.5μmとなるようにグラビアコートして、 100℃で
乾燥後、約 100℃の温度でカレンダーロールを用いて加
圧成型処理を施して磁気記録媒体の試料を得た。
【0090】しかる後、その磁気記録媒体を 3.5インチ
に打ち抜いた。レーヨン繊維とポリエステル繊維(5:
5)の混紡層を磁性層側、他側(シエル側)が銅線の層
となるように構成され、エンボス加工されている厚さが
約220μm(銅線の層の厚さが約70μm)の不織布を
約50℃の温水で洗浄して水溶性物質の抽出量を3ppm と
した。
【0091】この不織布をライナーとして内部に設けた
カートリッジケースに前記 3.5インチのフレキシブル磁
気ディスクを収納して磁気記録ディスクの試料を作成し
た。 〔実施例−6〕実施例−5のライナーの代わりにレーヨ
ン/ポリエステル混紡の層の間に銅線を中間層としてい
るライナー構成ライナーを用いた以外は実施例−5と同
様にして磁気記録ディスクを作成した。各層の厚さはレ
ーヨン/ポリエステル混紡層の厚さはそれぞれ80μ
m、銅線の中間層の厚さは60μmとした。
【0092】〔実施例−7〕実施例−5のレーヨン/ポ
リエステルの混紡比率を5:5から2:8に変えた以外
は実施例−5と同様にして磁気記録ディスクを作成し
た。
【0093】〔実施例−8〕実施例−5の脂肪酸エステ
ルとしてトリデシルステアレート6重量部の代わりにオ
レイルオレート5重量部を用いた以外は実施例−1と同
様にして磁気記録ディスクを作成した。
【0094】〔比較例−4〕実施例−5と同様なライナ
ー層構成であるが、磁性層側に銅線層、シエル側にレー
ヨン/ポリエステルの混紡の層となるようにライナーを
配置した以外は実施例−1と同様にして磁気記録ディス
クを作成した。
【0095】〔比較例−5〕実施例−6のライナー層構
成に於いて中間層として銅線の代わりに、ポリプロピレ
ン繊維をもつ以外は実施例−2と同様にして磁気記録デ
ィスクを作成した。
【0096】〔比較例−6〕実施例−5のライナー層構
成に於いて、レーヨン/ポリエステルの混紡のみのライ
ナー層構成を使用する以外は実施例−5と同様にして磁
気記録ディスクを作成した。
【0097】以上のようにして得られた試料を上記実施
例1と同様の評価法により、評価し、その結果を表3に
示した。
【0098】
【表3】
【0099】上記の結果から明らかなように、本発明の
磁気記録ディスクである実施例5〜実施例8の試料はカ
ビの発生による異物の析出もなく、走行耐久性が安定し
ており、また高湿環境下でのトルク上昇が少ない特性を
示した。一方ライナー層構成において、レーヨン/ポリ
エステルの混紡と銅線の層の位置が実施例−1と逆の比
較例−1ではカビの発生による異物の析出が生じなかっ
たが、走行耐久性において磁性層表面に削れが発生し
た。また銅線層の代わりにポリプロピレン繊維を中間層
に入れた比較例−2では、カビの発生による異物の析出
と、ポリプロピレン繊維からくる発塵のためにドロップ
アウトが多発した。又比較例−3では銅線が含有されて
いないためカビが発生して異物の析出があった。〔実施
例−9〕以下の組成物を、ニーダーで約2時間混練し、
均一な混練分散物を得た。 強磁性粉末: 100重量部 Co置換Baフェライト(比表面積35m2/g、粒子長0.06μm、板状比5) 結合剤樹脂: 10重量部 極性基含有塩化ビニル共重合体;(−So3Na 基8×10-5当量/g、数平均分子 量75,000) 研磨剤粒子: 7重量部 Al2O3 (平均粒子径 0.3μm) カーボンブラック: ケッチェンブラックEC; 5重量部 (ライオンアクゾ社製、平均粒子径30mμ) サーマックスMT:; 2重量部 (カンカルブ社製、平均粒子径 280mμ) 溶媒: トルエン 36重量部 メチルエチルケトン 36重量部 得られた混練分散物に以下の組成物を加えて、更に、サンドグラインダーで20 00rpm の条件で約2時間微分散処理を施した。 結合剤樹脂: 5重量部 極性基含有ポリエステルポリウレタン樹脂(−SO3Na 基1×10-4当量/g、重 量平均分子量35,000) 溶媒: トルエン 250重量部 メチルエチルケトン 250重量部 この分散物に、更に又、ポリイソシアネート、コロネー
トL(日本ポリウレタン社製)を6重量部と脂肪酸エス
テルとしてトリデシルステアレート6重量部を添加し
て、均一に混合して、強磁性粉末が均一に分散された磁
性塗布液を得た。
【0100】この磁性塗布液を幅 300mm、厚さ75μmの
ポリエチレンテレフタレートフィルムの両面に乾燥膜厚
が 2.5μmとなるようにグラビアコートして、 100℃で
乾燥後、約 100℃の温度でカレンダーロールを用いて加
圧成型処理を施して磁気記録媒体の試料を得た。
【0101】しかる後、その磁気記録媒体を 3.5インチ
に打ち抜いた。レーヨン繊維とポリエステル繊維(5:
5)の混紡層を磁性層側、他側(シエル側)がレーヨン
繊維とポリエステル繊維(5:5)の混紡層に球状の銅
粒子をラテックス接着により点在させた層となるように
構成され、エンボス加工されている厚さが50g/cm
2 の圧力で測定し、約 220μm(銅粒子点在の層の厚さ
が約70μm)の不織布を約50℃の温水で洗浄して水溶
性物質の抽出量を3ppmとした。
【0102】この不織布をライナーとして内部に設けた
カートリッジケースに前記 3.5インチのフレキシブル磁
気ディスクを収納して磁気記録ディスクの試料を作成し
た。
【0103】〔実施例−10〕実施例−9のライナーの
代わりにレーヨン/ポリエステル混紡の層の間に銅粒子
を点在させた混合繊維層を中間層としているライナー構
成ライナーを用いた以外は実施例−1と同様にして磁気
記録ディスクを作成した。各層の厚さはレーヨン/ポリ
エステル混紡層の厚さはそれぞれ80μm、銅粒子点在
の中間層の厚さは60μmとした。
【0104】〔実施例−11〕実施例−9のレーヨン/
ポリエステルの混紡比率を5:5から2:8に変えた以
外は実施例−9と同様にして磁気記録ディスクを作成し
た。
【0105】〔実施例−4〕実施例−9の脂肪酸エステ
ルとしてトリデシルステアレート6重量部の代わりにオ
レイルオレート5重量部を用いた以外は実施例−9と同
様にして磁気記録ディスクを作成した。
【0106】〔比較例−7〕実施例−9と同様なライナ
ー層構成であるが、磁性層側に銅粒子点在の層、シエル
側にレーヨン/ポリエステルの混紡の層となるようにラ
イナーを配置した以外は実施例−9と同様にして磁気記
録ディスクを作成した。
【0107】〔比較例−8〕実施例−10のライナー層
構成に於いて中間層として、ポリプロピレン繊維単層を
をもつ以外は実施例−10と同様にして磁気記録ディス
クを作成した。
【0108】〔比較例−9〕実施例−9のライナー層構
成に於いて、レーヨン/ポリエステルの混紡のみのライ
ナー層構成を使用する以外は実施例−19同様にして磁
気記録ディスクを作成した。
【0109】以上のようにして得られた各試料を、上記
実施例1と同様の評価法により、評価しその結果を表4
に示した。
【0110】
【表4】
【0111】上記の結果から明らかなように、本発明の
磁気記録ディスクである実施例9〜実施例12の試料は
カビの発生による異物の析出もなく、走行耐久性が安定
しており、また高湿環境下でのトルク上昇が少ない特性
を示した。一方ライナー層構成において、レーヨン/ポ
リエステルの混紡と銅粒子点在層の位置が実施例−9と
逆の比較例−7ではカビの発生による異物の析出が生じ
なかったが、走行耐久性において磁性層表面に削れが発
生した。また銅粒子点在層の代わりにポリプロピレン繊
維を中間層に入れた比較例−8では、カビの発生による
異物の析出と、ポリプロピレン繊維からくる発塵のため
にドロップアウトが多発した。又比較例−9では銅粒子
が含有されていないためカビが発生して異物の析出があ
った。
【0112】
【発明の効果】本発明により、磁気記録ディスクのライ
ナーとして、磁性層に接する側にレーヨン/ポリエステ
ル混紡繊維の層を配した銅含有ライナーを用いることに
より、高湿下におけるカビの発生を防止し、且つ磁気記
録ディスクの走行耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録ディスクに使用するライナー
の断面を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の磁気記録ディスクに使用する他の例の
ライナーの断面を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 レーヨン/ポリエステル混紡繊維層 2 銅薄板層 3 レーヨン/ポリエステル混紡繊維層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤樹
    脂を主体とする磁性層を設けてなるフレキシブル磁気デ
    ィスクを不織布よりなるライナーを内面に設けたディス
    クカートリッジ内に回転可能に収納した磁気記録ディス
    クにおいて、該ライナー中には金属銅があって、該ライ
    ナーの磁性層側の表面はレーヨン繊維とポリエステル繊
    維との混紡繊維の不織布よりなることを特徴とする磁気
    記録ディスク。
  2. 【請求項2】 前記金属銅は、薄板よりなる層の形態で
    あることを特徴とする請求項1記載の磁気記録ディス
    ク。
  3. 【請求項3】 前記金属銅は、金属線の形態であること
    を特徴とする請求項1記載の磁気記録ディスク。
  4. 【請求項4】 前記金属銅は、粒状の形態であることを
    特徴とする請求項1記載の磁気記録ディスク。
  5. 【請求項5】 前記強磁性粉末が強磁性金属粉末である
    請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の磁気記録ディ
    スク。
  6. 【請求項6】 前記強磁性粉末が六方晶系フェライトで
    ある請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の磁気記録
    ディスク。
  7. 【請求項7】 前記磁性層が強磁性粉末に対して3〜20
    重量部の脂肪酸エステルと、結合剤樹脂に対して5〜20
    重量部のモース硬度6以上の研磨剤を含有していること
    を特徴とする請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の
    磁気記録ディスク。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7108903B2 (en) 2002-11-14 2006-09-19 Fuji Photo Film Co., Ltd. Magnetic disc medium

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7108903B2 (en) 2002-11-14 2006-09-19 Fuji Photo Film Co., Ltd. Magnetic disc medium

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