JPH0513491U - メダル等の集拾装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 人手によるメダル等の集拾作業の労力を軽減
し、効率良いメダル等の回収を実現する。 【構成】 回収したメダルＡ等を一時的にストックして
おく回収トレイ２を有し、この回収トレイ２にはメダル
Ａ等の取入口となる集拾口３を設け、尚且つこの集拾口
３には回動腕１０を介して回動自在に支持されるローラ
ユニット５及びさらい片１２が走行姿勢において一定間
隔隔てて設けられることを特徴としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の目的】 【産業上の利用分野】

本考案はパチンコホール、ゲームセンター等の遊技場において広く用いられて いるメダルやコイン等を回収する装置に関するものであって、特に非磁性体のメ ダル等の集拾を目的としたメダル等の集拾装置に係るものである。

【０００２】

【考案の背景】

パチンコホール、ゲームセンター等の遊技場ではメダルやコイン（硬貨等）が 一般に多く用いられている。そしてこれらメダル等が床に落ち、散乱した場合に はメダル等が磁性体で構成されていれば磁石を使用し、拾い集めることができる が、非磁性体のメダル等にあっては人手によって拾い集めるのが通常であり、前 屈みになって中腰状態での作業を余儀無くされる。またこの種の作業は大変な労 力を必要とし、メダル等が床にぴったりと張り付いてしまった場合には、これを 爪で引き起こして拾い集めることとなるが、その際、爪が剥がれたり、手が汚れ るという問題が生じていた。

【０００３】

【開発を試みた技術的事項】

本考案はこのような背景の認識に基づきなされたものであって、通常の直立姿 勢で簡単に操作でき、尚且つ確実に床に散乱したメダル等を回収できる新規なメ ダル等の集拾装置を提案するものである。

【０００４】

【考案の構成】 【目的達成の手段】

本出願に係る第一の考案たるメダル等の集拾装置は、床に散乱したメダル等を 回収する装置において、この装置は回収したメダルを一時的にストックしておく 回収トレイを有し、この回収トレイにはその一部を開口し、メダル等の取入口と なる集拾口を設け、尚且つこの集拾口には回動腕を介して回動自在に支持される ローラユニットと、走行姿勢においてこのローラユニットから一定距離隔てて位 置するさらい片とが設けられ、更に回収トレイの適宜の位置には回収トレイの一 方の端部を浮き上がり状態に支持する走行輪が設けられていることを特徴として 成るものである。

【０００５】 また本出願に係る第二の考案たるメダル等の集拾装置は前記要件に加え、前記 回収トレイにはさらい片後方の位置に区画板が設けられ、この区画板によりメダ ル等を直接ストックする収納部が前記回収トレイの側周板との間で形成されるこ とを特徴として成るものである。

【０００６】 更にまた本出願に係る第三の考案たるメダル等の集拾装置は前記要件に加え、 前記収納部における回収トレイ底面には少なくともメダル等の直径より小径に形 成されるゴミ落とし用の排出穴が設けられていることを特徴として成るものであ る。

【０００７】 更にまた本出願に係る第四の考案たるメダル等の集拾装置は前記要件に加え、 前記ローラユニットは円板状のピックアップローラをスペーサを挟んで互い違い 状並べ、回転軸に対し遊転状態に設けたことを特徴として成るものである。

【０００８】 更にまた本出願に係る第五の考案たるメダル等の集拾装置は前記要件に加え、 前記回収トレイには適宜のブラケットを介して、把手が設けられることを特徴と して成るものである。 これら考案により前記目的を達成しようとするものである。

【０００９】

【考案の作用】

本考案にあっては回収トレイが移動すると、この回収トレイに回動腕を介して 取り付けられるローラユニットが回転するようになり、床に散乱するメダル等に 遭遇すると回動アームが回動し、その先端に設けられるローラユニットをメダル 等の厚み分上方に持ち上げ、メダル等の上面をローラユニットは回転しながら移 動するようになる。そしてメダル等の端部に至ると、メダル等の他端が幾分持ち 上がり、更にこのローラユニット後方に位置するさらい片に案内されてメダル等 は回収トレイに収納される。そしてこの状態においてメダル等を更に回収トレイ の奥部側に移動させる場合には回収トレイを傾斜させ、さらい片及びローラユニ ットを浮き上がり状態とする。尚この状態ではローラユニットは、さらい片に当 接しており、メダル等の落下を防止している。

【００１０】 また回収トレイに区画板を設けた場合には、この区画板を乗り越え、収納部に 至ったメダル等は区画板の一部を構成する区画壁により収納部からの脱落を防止 できる。

【００１１】 更に回収トレイ底面にメダル等の直径より小径に形成される排出穴を設けた場 合にはメダル等を収納部にストックしつつゴミ等の異物だけを排出できる。

【００１２】 更にまたローラユニットを円板状の複数のピックアップローラにより構成した 場合には、摩耗したピックアップローラのみを交換でき、またこのピックアップ ローラ間に設けられるスペーサの重量を変えることによりローラユニット全体の 重量調整ができる。

【００１３】 更にまた回収トレイに把手を設けた場合には、メダル等の回収作業時において 前屈みになることもなく、簡単な操作でメダル等を回収でき、また運搬が容易と なる。

【００１４】

【実施例】

以下本考案のメダル等の集拾装置について図面に基づいて具体的に説明する。 図中符号１に示すものが本考案のメダル等の集拾装置であって、このものは上面 及び前面を開放して成る平箱状の回収トレイ２に対し、前面の開口部をメダルＡ 等の取入口となる集拾口３とし、この集拾口３に本考案の特徴的構成の一部を成 すローラユニット５を設けて成る。このローラユニット５は、一例としてやや厚 肉で軟質ゴムを素材とする円板形状のピックアップローラ６を複数個直列的に配 置して成る。尚、隣接するピックアップローラ６の間には円筒状のスペーサ７が 介在され、これにより互いにピックアップローラ６間の距離は一定に保たれてい る。

【００１５】 そしてこのようにして成るローラユニット５はその中心を貫いて設けられる回 転軸８に対し遊転自在に支持され、更にこの回転軸８は回収トレイ２の前面側端 部寄りに設けられるピン９を回動中心として回動する回動腕１０の先端部に取り 付けられる。また集拾口３にはさらい片１２が設けられ、このさらい片１２は本 実施例では回収トレイ２を構成する底板を利用し、その先端を適宜湾曲させて成 る。具体的には底板先端部をひだ状に盛り上げ、その頂部からさらい片１２の先 端にかけては滑らかな傾斜を有するさらい部１３を形成し、更にこのさらい部１ ３の端部を斜めにカットし、刃状面１４を形成して成る。またさらい片１２は図 ５に示すように回収トレイ２とは別体に構成することもできる。因みに図５に示 す実施例では回収トレイ２の角度に関係なく、常に一定の圧力が床Ｆにかかるよ う、さらい片１２を回収トレイ２の底板に対し回動自在に設け、このヒンジ部３ ２に対しねじりコイルバネ等のバネ３３を介在させ、常時さらい片１２に下方に 力がかかるように付勢している。

【００１６】 そしてこのようにして成るさらい片１２の後方には集拾口３から取り入れられ たメダルＡ等を実質的にストックしておく収納部１６にメダルＡ等を供給し、収 納部１６からの戻りを防止する区画板１８が設けられる。この区画板１８は一例 として金属製の板状部材を適宜折り曲げて成るもので、集拾口３側には取り入れ られたメダルＡ等を収納部１６に案内する滑らかな傾斜の案内面１９が形成され 、他方、収納部１６側はほぼ垂直に下方まで切り落とされ、収納部１６からのメ ダルＡ等の脱落を実質的に防止する区画壁２０を形成して成る。

【００１７】 また回収トレイ２にはこのほか前記ピン９によって同じく回動自在に支持され る逆「コ」の字状の取付ブラケット２２を介し、把手２３が設けられるとともに 、更に回収トレイ２を構成する側板の後端寄りには回収トレイ２を尻上がり状に 支持する走行輪２５が前記回収トレイ２の側板に設けられる車軸２６に対して設 けられる。尚、本実施例では走行輪２５は固定輪を用いたが、必要に応じフリー キャスタ等も勿論使用できる。

【００１８】 また回収トレイ２における収納部１６の底面には、少なくともメダルＡ等より 小径に形成される複数の排出穴１７が設けられる。尚この排出穴１７はメダルＡ 等と一緒に収納部１６に運び込まれたゴミ等の異物を外部に除去する作用を担う ものである。

【００１９】 そしてこのようにして成る集拾装置１を使用するにあたっては、作業者は把手 ２３を握り、回収トレイ２を床Ｆに這わせるようにして押して行き、床Ｆに散乱 するメダルＡ等を次々と回収してゆくのである。この場合、メダルＡ等にはまず ローラユニット５が作用し、このローラユニット５がメダルＡ等上を回転しなが ら移動するとともに、メダルＡ等の他端に至ったところでは、メダルＡ等の縁部 に対し斜め下方に力を与え、この縁部を支点としてメダルＡ等の反対側の端部を 持ち上げるように作用する。次にメダルＡ等はさらい片１２におけるさらい部１ ３の傾斜に沿って後方に移動し、頂部を境に反対側に形成される傾斜面１５を滑 り落ちるようにして回収される。尚この場合、メダルＡ等はこの傾斜面１５によ りその戻りは阻止されている。

【００２０】 またこのような作業時においてはローラユニット５とさらい片１２の先端の刃 状面１４との間にはメダルＡ等を取り込むに必要な間隙部３０が設けられており 、更にさらい片１２の先端の刃状面１４の存在によって、さらい片１２によりメ ダルＡ等の移動が妨げられることはない。

【００２１】 そしてこのような調子で次々とメダルＡ等を回収してゆくと、回収されたメダ ルＡ等は後から回収されたメダルＡ等に押されて区画板１８に形成された案内面 １９を上り始め、その頂点に至ったところで次々と下方に落下し、収納部１６に ストックされてゆくのである。尚、回収するメダルＡ等が少ない場合にはこのよ うな作用は期待できないから、把手２３により回収トレイ２を持ち上げメダルＡ 等を案内面１９に滑らせるようにして収納部１６に至らせるようにすることもで きる。そしてこのように回収トレイを持ち上げた場合には、ローラユニット５は さらい片１２における刃状面１４にその自重によって当接するようになるから、 作業中、メダルＡ等が落下することもない。

【００２２】 以上が本考案の基本的構成であるが、例えばローラユニット５の構成としては 前記実施例のように複数のピックアップローラ６により構成するほか、長筒状の ローラ一つにより構成することもできる。また前記実施例ではピックアップロー ラ６は遊転状に設けたが、これを適宜モータ等の駆動手段により積極駆動させる こともできる。また同じく走行輪２５も駆動輪とすることが可能であり、このよ うに走行輪２５を駆動輪とする場合には、例えば自動走行タイプの集拾車として 構成し、パチンコホールやゲームセンターの終業後、これを適宜フロアの床Ｆに 貼り巡らした走行路に沿わせ、自動的にメダルＡ等の回収を行うようにすること もできる。

【００２３】 このほか収納部１６内に混入した異物等を除去する手段としては回収トレイ２ に起振機構を持たせ、排出穴１７からの異物の排出を容易にしたり、業務用の電 気掃除機のノズルのアタッチメントとして本考案たる集拾装置１を用い、収納部 １６内の異物を積極的吸引するようにすることもできる。また収納部１６の上面 は前記実施例では開放状態としたが、適宜透明あるいは半透明の樹脂系素材等に よって構成される蓋によりこの上面を塞ぐこともできる。

【００２４】

【考案の効果】

本考案のメダル等の集拾装置１は以上のような構成より成るものであり、この ような構成を有することにより、以下のような効果を発揮する。 まず本考案にあってはローラユニット５がメダルＡ等の縁部を押すことにより 反対側の縁部を持ち上げるようにしているから、作業者が爪によってメダルＡ等 を引き起こすのと同様の効果をこのローラユニット５により可能となり、更にさ らい片１２における刃状面１４との間に形成される間隙部３０の距離設定により ローラユニット５により縁部を持ち上げられたメダルＡ等の取り込みのタイミン グが図れ、その取り込みを確実にすることができる。

【００２５】 また回収トレイ２に区画板１８を設けた場合には、収納部１６内にストックさ れたメダルＡ等の収納部１６からの脱落が防止できる。

【００２６】 更に回収トレイ２における収納部６の底面に排出穴１７を設けた場合には収納 部１６内にメダルＡ等と一緒に運び込まれたゴミ等の異物を除去できる。

【００２７】 更にまたローラユニット５を複数のピックアップローラ６により構成した場合 は摩耗したピックアップローラ６のみを交換でき、またスペーサ７の材質、大き さを可変することにより重量調節もできる。

【００２８】 更に把手２３を回収トレイ２に設けられた場合には、前傾姿勢で作業を行わな ければならず、負担の大きな作業であったメダルＡ等の集拾作業も簡単な操作で 可能となる。 そしてこれら種々の効果が相乗的に作用し、作業負担が少なく能率的に簡単確 実にメダルＡ等を回収できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のメダル等の集拾装置の使用状態を示す
斜視図である。

【図２】同上要部を拡大して示す斜視図である。

【図３】同上縦断左側面図である

【図４】同上正面図である。

【図５】さらい片の他の実施例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 集拾装置 ２ 回収トレイ ３ 集拾口 ５ ローラユニット ６ ピックアップローラ ７ スペーサ ８ 回転軸 ９ ピン １０ 回動腕 １２ さらい片 １３ さらい部 １４ 刃状面 １５ 傾斜面 １６ 収納部 １７ 排出穴 １８ 区画板 １９ 案内面 ２０ 区画壁 ２２ 取付ブラケット ２３ 把手 ２５ 走行輪 ２６ 車軸 ３０ 間隙部 ３２ ヒンジ部 ３３ バネ Ａ メダル Ｆ 床

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 床に散乱したメダル等を回収する装置に
   おいて、この装置は回収したメダルを一時的にストック
   しておく回収トレイを有し、この回収トレイにはその一
   部を開口し、メダル等の取入口となる集拾口を設け、尚
   且つこの集拾口には回動腕を介して回動自在に支持され
   るローラユニットと、走行姿勢においてこのローラユニ
   ットから一定距離隔てて位置するさらい片とが設けら
   れ、更に回収トレイの適宜の位置には回収トレイの一方
   の端部を浮き上がり状態に支持する走行輪が設けられて
   いることを特徴とするメダル等の集拾装置。
2. 【請求項２】 前記回収トレイにはさらい片後方の位置
   に区画板が設けられ、この区画板によりメダル等を直接
   ストックする収納部が前記回収トレイの側周板との間で
   形成されることを特徴とする請求項１記載のメダル等の
   集拾装置。
3. 【請求項３】 前記収納部における回収トレイ底面には
   少なくともメダル等の直径より小径に形成されるゴミ落
   とし用の排出穴が設けられていることを特徴とする請求
   項１または２記載のメダル等の集拾装置。
4. 【請求項４】 前記ローラユニットは円板状のピックア
   ップローラをスペーサを挟んで互い違い状に並べ、回転
   軸に対し遊転状態に設けたことを特徴とする請求項１、
   ２または３記載のメダル等の集拾装置。
5. 【請求項５】 前記回収トレイには適宜のブラケットを
   介して、把手が設けられることを特徴とする請求項１、
   ２、３または４記載のメダル等の集拾装置。