JPH05132598A - ポリ塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

ポリ塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH05132598A
JPH05132598A JP32400691A JP32400691A JPH05132598A JP H05132598 A JPH05132598 A JP H05132598A JP 32400691 A JP32400691 A JP 32400691A JP 32400691 A JP32400691 A JP 32400691A JP H05132598 A JPH05132598 A JP H05132598A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して下
記一般式(1)で示されるフタル酸エステルを5〜20
0重量部、下記一般式(2)で示されるリン酸エステル
を5〜200重量部、更にクロロスルホン化ポリエチレ
ン、ニトリルゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体から
選ばれた少なくとも一種以上の樹脂を5〜100重量部
含んでなるポリ塩化ビニル系樹脂組成物、 【化1】 【化2】 (ただし、R,R:単環式炭化水素、R〜R
芳香族単環式炭化水素)および更にポリ塩化ビニル系樹
脂100重量部に対してクマロン樹脂、ケトン樹脂、低
分子量ポリスチレン、マレイン酸樹脂、ロジン系樹脂、
テルペン系樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂から選ばれた
少なくとも一種以上の樹脂を3〜200重量部含んでな
るポリ塩化ビニル系樹脂組成物、およびこれら組成物か
らなる振動エネルギ−吸収材。 【効果】表面にべたつきがなく任意の温度域で高い損失
係数を有した振動エネルギ−吸収材が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種輸送機器、精密電子
機器、音響機器などの分野において振動を制御すること
により、動作反応速度や測定制度を向上させたり、音質
を改良させる目的で使用される振動エネルギ−吸収性能
の優れたポリ塩化ビニル系樹脂組成物に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、振動エネルギ−吸収材としてはブ
チルゴムが最もよく使用されている。また、最近ではポ
リノルボルネンや特殊なウレタン系エラストマ−などが
より高性能であることが見い出され注目されている。
【0003】これら振動エネルギ−吸収材の1次評価は
その材料の粘弾性測定により求められる貯蔵弾性率
(E′)と損失係数(tanδ=損失弾性率(E″)/
貯蔵弾性率(E′))でなされる。
【0004】振動エネルギ−吸収材として設計するため
には損失係数は大きければ大きいほど、また貯蔵弾性率
は使用される形態によって最適値が存在する。
【0005】これら2つの因子は通常温度依存性が大き
い。すなわち貯蔵弾性率は温度が高くなるにつれて徐々
に低下し、通常ガラス転移点を超えた温度域から急激に
低下する。また、損失係数はガラス転移点を超えた温度
域で最も高い値を示すがその前後の温度域では低下する
傾向が一般的である。
【0006】従って、従来よりこのような振動エネルギ
−吸収材に求められる基準としては、まず材料が用いら
れる温度域で高い損失係数を有することであった。
【0007】一方、貯蔵弾性率については無機、金属の
充填材や軟化剤あるいはゴム等を添加することによりか
なりの幅でその値を調整することができるため最適値に
合わせることが可能であった。それゆえ、ブチルゴムや
ポリノルボルネン,特殊ウレタン系エラストマ−等は損
失係数の値がそれぞれ最大でtanδ=1.4,2.
8,1.3という優れた値を示している。ところがこれ
らの素材は加工性,成形性に難があり使用範囲が限られ
ていた。
【0008】また、ポリ塩化ビニル樹脂は5大汎用樹脂
の一角として長い歴史があり経済性はもとよりほとんど
の成形加工法が確立している。しかも非晶性樹脂である
こと、無機・金属充填材や軟化剤との複合化が容易であ
ることなどの長所を有している。ポリ塩化ビニル単独の
損失係数は90℃前後で約1.1のピ−ク値を有する。
しかし、これに代表的な可塑剤であるジ−2−エチルヘ
キシルフタレート(以下、DOPと略す)を樹脂100
重量部に対して100重量部加えると損失係数のピ−ク
温度は約5℃となり、またピ−ク値も約0.7程度に低
下してしまう。この現象はポリ塩化ビニル単独分子鎖の
中に異種分子が混入し、その結果緩和時間の分布が広が
ると考えれば当然と理解されていた。ところが最近の我
々の検討の結果、ごく限られた種類の可塑剤やオリゴマ
ーをポリ塩化ビニルに添加すると、損失係数のピーク温
度は低下するがピーク値は2.0程度にまで上昇するこ
とが見出された。しかしここで得られる組成物の損失係
数のピーク温度を一般的な使用温度域である室温付近に
配合操作すると、得られる組成物表面はべたつきを生じ
る。よって他の基材との接触により可塑剤移行の問題
や、他の基材との接着に支障が生じるなどの問題が存在
していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリ塩化ビ
ニル樹脂の有する特徴を生かしながら、表面のべたつき
を低減した、優れた振動エネルギ−吸収性能を有するポ
リ塩化ビニル系樹脂組成物を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記のような現状に鑑
み、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成
するに至った。
【0011】すなわち、本発明はポリ塩化ビニル系樹脂
100重量部に対して下記一般式(1)で示されるフタ
ル酸エステルを5〜200重量部、下記一般式(2)で
示されるリン酸エステル5〜200重量部、さらに下記
(a)〜(c)の群から選ばれた少なくとも一種以上の
樹脂を5〜100重量部含んでなるポリ塩化ビニル系樹
脂組成物及び該樹脂組成物であって、ポリ塩化ビニル系
樹脂100重量部に対して下記(d)〜(k)の群から
選ばれた少なくとも一種以上の樹脂を3〜200重量部
含んでなるポリ塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】 (a)クロロスルホン化ポリエチレン (b)ニトリルゴム (c)エチレン−酢酸ビニル共重合体 (d)クマロン樹脂 (e)ケトン樹脂 (f)低分子量ポリスチレン (g)マレイン酸樹脂 (h)ロジン系樹脂 (i)テルペン系樹脂 (j)キシレン樹脂 (k)石油樹脂 さらには、これらの組成物からなる振動エネルギ−吸収
材に関する。以下、その詳細について説明する。
【0014】本発明で用いるポリ塩化ビニル系樹脂とし
ては、塩化ビニル単独重合樹脂、塩素化塩化ビニル樹
脂、塩化ビニル単量体と共重合し得るすべての単量体の
うち1つ以上とランダム共重合あるいはブロック共重合
して得られる塩化ビニル共重合樹脂(例えば酢酸ビニル
−塩化ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体
等)で、これら樹脂の単品あるいは2種類以上の混合物
が挙げられる。
【0015】一般式(1)の構造を有するフタル酸エス
テルとは、R,RがC〜Cの単環式炭化水素か
らなる化合物であり、R,Rは同一でも異なってい
てもよく、環上の水素は他の置換基に置換されていても
よい。具体的には、ジシクロヘキシルフタレ−ト(DC
HP)、ジメチルシクロヘキシルフタレ−ト、ジフェニ
ルフタレ−ト等が挙げられ、好ましくはジシクロヘキシ
ルフタレ−トが用いられる。添加量としては、加工性・
経済性の点からポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対
して5重量部以上200重量部以下、さらには10重量
部以上100重量部以下が好ましい。
【0016】一般式(2)の構造を有するリン酸エステ
ルは、RがC〜Cの芳香族単環式炭化水素からな
る化合物である。R〜Rは同一または異なっていて
もよく、環上の水素は他の置換基に置換されていてもよ
い。具体的にはトリクレジルホスフェ−ト(TCP)、
トリクシレニルホスフェ−ト(TXP)などが挙げら
れ、好ましくはトリキシレニルホスフェ−トが用いられ
る。添加量としては、加工性・経済性の点からポリ塩化
ビニル系樹脂100重量部に対して5重量部以上200
重量部以下、さらには10重量部以上100重量部以下
が好ましい。
【0017】このような組成物において、フタル酸エス
テルとリン酸エステルの配合量を調整することでtan
δが最大値を示す温度を室温から80℃程度まで広範囲
に設定することができ、その値も1.2以上を保持する
ことができるため、振動エネルギ−吸収材として極めて
有用といえる。しかし、tanδが最大を示す温度を室
温付近に設定した場合、その配合量から組成物表面には
べたつきが生じる。そこで損失係数を低下させることな
くべたつきを低減させる目的で(a)〜(c)の樹脂を
併用する。
【0018】本発明で用いるクロロスルホン化ポリエチ
レン(a)とは分子量20000程度のポリエチレンに
塩素と亜硫酸ガスとを化学反応せしめて塩素化ならびに
クロロスルホン化することにより製造される加硫可能な
弾性体のことを言い、一般にCSMと呼ばれる。この反
応で用いるポリエチレンは鎖状分岐の有無は特に問題に
ならないが、無い方がポリエチレンの結晶化度が高くな
り、得られる弾性体にこわさが生じ、未加硫ゴムの加工
が困難になる。また、塩素化はポリエチレンの結晶性を
なくす効果を有するが、その量が多すぎるとゴムの性質
に影響が現れる。そこで塩素含有量は25〜45重量%
の弾性体が好ましく、さらには25〜35重量%が好ま
しい。また、クロロスルホン化は加硫点を導入する目的
であり、この量は加硫物の諸性質に大きく影響を与える
が、本発明では未加硫のまま使用するため特に問題はな
い。しかし、加工性も加味するとイオウ含有量で表すと
1.0重量%程度の弾性体が好ましい。
【0019】また、本発明で用いるニトリルゴム(b)
とはブタジエン−アクリロニトリル共重合体であり、一
般にNBRと称されるものをさす。しかし、結合アクリ
ロニトリル量は60重量%以上になると硬くなり、7重
量%以下になると油中で膨潤するようになる。よってゴ
ム状で耐油性を有する15〜50重量%のアクリロニト
リル量からなる共重合体が好ましく、さらには25〜4
0重量%が好ましい。また重合反応は乳化重合で行い、
重合温度は低温で得られるコールドラバーから常温以上
で得られるホットラバーまで特に問題なく使用できる。
また、重合度の目安となるムーニー粘度(ML
1+4(100℃))は20〜90のものが好ましく、
さらには50〜80のものが好ましい。
【0020】本発明で用いるエチレン−酢酸ビニル共重
合体(c)とはエチレンと酢酸ビニルを高圧重合法、エ
マルジョン重合法、溶液重合法といった一般的に工業化
されている製造法で生成された共重合体である。また、
エチレン,酢酸ビニルに加えて第三成分としてアクリル
酸,アクリル酸エステル等の極性モノマーを含んでいて
もよい。通常、酢酸ビニルが7〜80重量%程度のもの
がエチレン−酢酸ビニル共重合体と呼ばれるが、本組成
物に用いるエチレン−酢酸ビニル共重合体は酢酸ビニル
の含量が20重量%以上のものが好ましい。酢酸ビニル
の含量が20重量%未満の場合、塩化ビニルとの相溶性
の点から損失係数を低下させる。
【0021】これら(a)〜(c)の群から選ばれた少
なくとも一種以上の添加量はポリ塩化ビニル系樹脂10
0重量部に対して5重量部以上100重量部以下、好ま
しくは5重量部以上50重量部以下である。5重量部未
満の場合、べたつきを低減させる効果はあまりなく、1
00重量部を超えた場合、損失係数の低下が著しい。
【0022】さらに、上記フタル酸エステル、リン酸エ
ステルに加えて(d)〜(k)の樹脂を複合化すること
により、さらに損失係数を高めることが可能となる。
【0023】本発明におけるクマロン樹脂(d)とはク
マロン・インデン共重合物とも言い、重質軽油の組成の
うちスチレン、クマロン、インデンの3種類からなる重
合体である。これは各モノマーのホモポリマー、これら
のうちいづれか2種の共重合体、あるいは3種の共重合
体等の複雑な混合樹脂であるが、軟化点は70〜150
℃のものが好ましい。
【0024】本発明におけるケトン樹脂(e)はケトン
とホルムアルデヒドの縮合によって得られる樹脂であ
る。ここで使用するケトン類によりアノン系(シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサン等を使用)、アセトフェ
ノン系(アセトフェノン、エチルフェニルケトン等を使
用)に分類されるが、本発明で用いる場合は特にアノン
系が好ましく、軟化点は70〜120℃のものが好まし
い。
【0025】本発明における低分子量ポリスチレン
(f)はオリゴスチレンとも言い、数平均分子量300
〜5000の液状もしくは固体のスチレン樹脂またはα
−メチルスチレン樹脂である。その組成、製造法は特に
限定しないが、分子量は3000以下のものをもちいる
ことが好ましい。
【0026】本発明におけるマレイン酸樹脂(g)はロ
ジン変性マレイン酸樹脂とも言い、ポリエステル樹脂の
一種で、ロジンと無水マレイン酸から三塩基酸の付加物
を作り、多価アルコールでエステル化したものである。
無水マレイン酸の付加量、多価アルコールの種類、エス
テル化度の違いで軟化点、溶解性など種々の異なった性
質のものが得られるが、軟化点が80〜150℃のもの
が好ましい。
【0027】本発明におけるロジン系樹脂(h)はアビ
エチン酸が主成分であるガムロジン、ウッドロジン、ト
ール油ロジン(以下これらをロジンと称する)、ロジン
を水素ガスと反応させた水素添加ロジン、脂肪酸の分子
間での水素の移動により脱水素されて安定な芳香環を持
つデヒドロアビエチン酸と水添されたジヒドロアビエチ
ン酸が生成する反応により得られる不均化ロジン、ロジ
ンの2量体を主成分とする重合ロジン、及びこれらのロ
ジン、変性ロジンをグリセリン、ペンタエリスリトール
等でエステル化したロジンエステルである。これらは変
性物を含めると多種にわたるが、特にロジンエステルが
好ましい。
【0028】本発明におけるテルペン系樹脂(i)はα
−ピネンを主成分とし、β−ピネン、カンフェン、ジペ
ンテンなどの環状テルペンより成っているテレビン油を
原料とした樹脂である。これはその組成によりα−ピネ
ン系、β−ピネン系、α−ピネンとフェノールとをカチ
オン重合して得られるテルペンフェノールに分類される
が、特にα−ピネン系またはテルペンフェノールが好ま
しい。
【0029】本発明におけるキシレン樹脂(j)はm−
キシレンとホルムアルデヒドから得られる100%キシ
レン樹脂、またはアルキルフェノール変性キシレン樹
脂、フェノール変性キシレン樹脂(ノボラック,レゾー
ル)といった変性キシレン樹脂であるが、特にフェノー
ル変性キシレン樹脂(ノボラック)が好ましい。
【0030】本発明における石油樹脂(k)とはナフサ
などの熱分解により副生する多数の不飽和炭化水素を含
む分解油留分を重合させて樹脂化したものである。分解
油留分とはC留分及びC〜C11留分のBTX抽出
残留分であり、これらの重合方法はカチオン重合、熱重
合、ラジカル重合などが挙げられるが、特に限定される
ものではない。また、樹脂化したものに無水マレイン酸
などの極性基を付加したりカルボキシル基を導入するな
ど官能基の導入や、モノマーの添加により変性した石油
樹脂も当然含まれる。石油樹脂の添加により損失係数の
最大値は大きく向上するが、本発明ではBTX抽出残留
分を重合したいわゆるC系石油樹脂が好ましく、特に
成分のインデンとスチレンを50wt%以上含有す
るものが好ましく、さらにはインデンとスチレンの比率
はスチレンが半分以上を占めるほうが望ましい。また、
その数平均分子量が500以上1500以下であるほう
が好ましい。ただし、本発明で使用する石油樹脂はこの
記載に限定されるものではない。
【0031】これら(d)〜(k)の樹脂の添加量はポ
リ塩化ビニル系樹脂100重量部に対して3重量部以上
200重量部以下、さらには10重量部以上100重量
部以下が好ましい。3重量部未満では損失係数はあまり
向上せず、また200重量部を超えて添加すると加工性
が極端に低下する。
【0032】本発明によるポリ塩化ビニル系樹脂組成物
には、その性能を極端に低下させない程度にポリ塩化ビ
ニル樹脂に通常添加されるDOP、ジオクチルセバケ−
ト(DOS)等の可塑剤、炭酸カルシウム、タルク等に
代表される無機充填材、三酸化アンチモンやホウ酸亜鉛
に代表される難燃剤、マイカやグラファイトに代表され
る振動エネルギ−吸収材によく用いられるフレ−ク状充
填材などを必要に応じて添加することができる。
【0033】本発明によるポリ塩化ビニル系樹脂組成物
は従来のポリ塩化ビニル樹脂の成形加工法であるカレン
ダ−加工、押し出し加工、射出成形、発砲成形、圧縮成
形等の手法により自由に成形加工することができる。
【0034】また本発明により得られた振動エネルギ−
吸収材は精密電子機器・精密測定機器等のように振動に
よりその精度に影響が生じるような機器の支持部材、パ
ッキング・ガスケット等の固定部材、音響機器等の積層
部材やシャ−シなどに使用できる。さらに自動車や産業
機器などの振動の激しい部位に直接貼り付けて振動を抑
制したり、精密機器の脚部に用いて床からの振動の伝ぱ
んを防止する目的で使用されるほか、ステンレス鋼板や
アルミ板等の金属材料を始めとする木材、無機材料等の
他材料と複合して用いることもできる。
【0035】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いて説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0036】実施例1 エチレン−塩化ビニル共重合体(リュ−ロンE−280
0,東ソ−(株)製)100重量部、ジシクロヘキシル
フタレート(DCHP,大阪有機化学(株)製)50重
量部、トリキシレニルホスフェート(TXP,(株)大
八化学工業所製)50重量部、安定剤としてOG−75
6(水澤化学(株)製)5重量部、難燃剤として三酸化
アンチモン(ATOX−S,日本精鉱(株)製)7重量
部、クロロスルホン化(ポリエチレン(TOSO−CS
M TS−320,ML1+4(100℃)=37,東
ソー(株)製)20重量部を混合し、温度150℃にて
5分間ロール混練し目的の組成物を得た。
【0037】実施例2 実施例1においてクロロスルホン化ポリエチレンの代わ
りにニトリルゴム(PN20HA,日本合成ゴム(株)
製)20重量部を用いた以外は全く同一の操作により目
的の組成物を得た。
【0038】実施例3 実施例1においてクロロスルホン化ポリエチレンの代わ
りにエチレン−酢酸ビニル共重合体(ウルトラセン76
0,東ソー(株)製)20重量部を用いた以外は全く同
一の操作により目的の組成物を得た。
【0039】実施例4 実施例2においてニトリルゴムを40重量部にした以外
は全く同一の操作により目的の組成物を得た。
【0040】実施例5 実施例1においてさらにクマロン樹脂(日鐵クマロンT
−105,新日鐵化学(株)製)20重量部を加えた以
外は全く同一の操作により目的の組成物を得た。
【0041】実施例6 実施例1においてさらにケトン樹脂(ケトンレジンK−
90,荒川化学工業(株)製)20重量部を加えた以外
は全く同一の操作により目的の組成物を得た。
【0042】実施例7 実施例1においてさらに低分子量ポリスチレン(ハイマ
ーST95,三洋化成工業(株)製)20重量部を加え
た以外は全く同一の操作により目的の組成物を得た。
【0043】実施例8 実施例1においてさらにマレイン酸樹脂(トラフィック
ス4102P,荒川化学工業(株)製)20重量部を加
えた以外は全く同一の操作により目的の組成物を得た。
【0044】実施例9 実施例1においてさらにロジン(ガムロジンCG−W
W,荒川化学工業(株)製)20重量部を加えた以外は
全く同一の操作により目的の組成物を得た。
【0045】実施例10 実施例1においてさらに水添ロジンエステル(超淡色ロ
ジンエステルKE−311,荒川化学工業(株)製)2
0重量部を加えた以外は全く同一の操作により目的の組
成物を得た。
【0046】実施例11 実施例1においてさらにロジンエステル(スーパーエス
テルA−100,荒川化学工業(株)製)20重量部を
加えた以外は全く同一の操作により目的の組成物を得
た。
【0047】実施例12 実施例1においてさらにテルペン樹脂(YSレジンTO
−105,安原油脂(株)製)20重量部を加えた以外
は全く同一の操作により目的の組成物を得た。
【0048】実施例13 実施例1においてさらにフェノール変性キシレン樹脂
(ニカロールNP−100,三菱瓦斯化学(株)製)2
0重量部を加えた以外は全く同一の操作により目的の組
成物を得た。
【0049】実施例14 実施例1においてさらに石油樹脂(ペトコールLX,東
ソー(株)製)20重量部を加えた以外は全く同一の操
作により目的の組成物を得た。
【0050】実施例15 実施例14においてジシクロヘキシルフタレートを70
重量部、トリキシレニルホスフェートを80重量部にし
て、さらに実施例5で用いたクマロン樹脂20重量部を
加えた以外は全く同一の操作により目的の組成物を得
た。
【0051】比較例1 実施例1においてクロロスルホン化ポリエチレンを加え
ない以外は全く同一の操作により目的の組成物を得た。
【0052】比較例2 実施例5においてクロロスルホン化ポリエチレンを加え
ない以外は全く同一の操作により目的の組成物を得た。
【0053】比較例3 実施例15においてクロロスルホン化ポリエチレンを加
えない以外は全く同一の操作により目的の組成物を得
た。
【0054】[損失係数(tanδ)の評価]実施例・
比較例で得られた組成物を180℃でプレスし、0.2
mm厚みのシ−トを作製した。このシ−トを用いて非共
振型強制振動法に基づく測定装置である粘弾性アナライ
ザ−RSAII(レオメトリックス・ファ−イ−スト社
製)により昇温速度2℃/min、測定周波数10Hz
により損失係数の測定を行った。この時の損失係数のピ
−ク値、及びその時の温度を表1に示す。
【0055】[表面状態の評価]実施例・比較例で得ら
れた組成物を180℃でプレスし、長さ90mm,幅6
0mm,2mm厚みのシートを作製した。これを2枚重
ね合わせて縦及び横がそれぞれ60mmの平滑な2枚の
ガラス板でプレスシートの幅の1辺と合わせてはさん
だ。これに底面の縦及び横がそれぞれ60mm,質量3
kgのおもりをのせ、70℃の雰囲気下に24時間放置
した後取り出しおもりを除いて室温で1時間放冷して2
枚のシートを静かにはがしたとき、接触面に損傷などの
異状が生じたか調べた。その時の結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によればポリ塩化ビニル系樹脂に特定のフタル酸エステ
ル,リン酸エステル、またはフタル酸エステル,リン酸
エステル,特定の樹脂とCSM,NBR,EVAの少な
くとも一種を複合化することにより表面にべたつきがな
く任意の温度域で高い損失係数を有した振動エネルギ−
吸収材が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/34 LDA 7107−4J 27/06 LEM 9166−4J LEP 9166−4J 35/00 LHS 7921−4J 57/00 LMH 7167−4J 93/04 LSK 7415−4J

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
    て下記一般式(1)で示されるフタル酸エステルを5〜
    200重量部、下記一般式(2)で示されるリン酸エス
    テルを5〜200重量部、さらに下記(a)〜(c)の
    群から選ばれた少なくとも一種以上の樹脂を5〜100
    重量部含んでなるポリ塩化ビニル系樹脂組成物。 【化1】 【化2】 ,R:単環式炭化水素 R〜R:芳香族単環式炭化水素 (a)クロロスルホン化ポリエチレン (b)ニトリルゴム (c)エチレン−酢酸ビニル共重合体
  2. 【請求項2】請求項1に記載のポリ塩化ビニル系樹脂組
    成物であって、ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対
    して下記(d)〜(k)の群から選ばれた少なくとも一
    種以上の樹脂を3〜200重量部含んでなるポリ塩化ビ
    ニル系樹脂組成物。 (d)クマロン樹脂 (e)ケトン樹脂 (f)低分子量ポリスチレン (g)マレイン酸樹脂 (h)ロジン系樹脂 (i)テルペン系樹脂 (j)キシレン樹脂 (k)石油樹脂
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載のポリ塩化ビニル系
    樹脂組成物からなる振動エネルギ−吸収材。
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