JPH0513229Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《従来の技術と問題点》 従来の座板のスライド装置は、座板を支持する
座板支持部材に前後方向にわたつて長孔をもう
け、該長孔を挿通する取付ネジを座板と螺合せし
めて、座板と座板支持部材を連結せしめていた。

この為、一旦座板と座板支持部材を連結して着
席した時、座板の位置が適当でなかつた場合は、
あらためて立ち上がり、取付ネジをゆるめて座板
の位置を調節し、再度着席して座板の位置を確か
めなければならなかつた。

この為、体格の違つた人が使用する場合、上記
作業が煩わしいので、無理な姿勢で着席し、がま
んしながら使用していた。

《本考案の目的と構成》 本考案は上記欠点に鑑み、着席した状態で座板
の位置が調節出来る非常に使いやすい座板のスラ
イド装置を提供する事を目的とし、その構成は、
座板の少なくとも左右端部の一方の裏面に、常に
下方に回動力が付勢された係止杆がもうけられる
一方、前記、座板支持部材に、ストツパー部が形
成され、ストツパー部は合成樹脂材より一体に構
成されたストツパー部材を取付凹部に取りつけて
形成され、ストツパー部材は係止杆移動部と、指
づめ防止用切り欠きと、係止凹部を有するもので
ある。

《実施例》 以下、実施例を図面に基づいて説明する。

第２図に本考案を具備した椅子の側面図を示し
ている。

符号１は椅子本体を示し、椅子本体１は左右後
支持杆１１，１１と、左右前支持杆１２，１２
と、左右前後支持杆１１，１１，１２，１２の下
端部を連結する左右脚杆１３，１３と、左右前支
持杆１２，１２の上端部と左右後支持杆１１，１
１の中間部を連結する左右上連結材１４，１４
と、後端部が左右後支持杆１１，１１の上半部
に、前端部が左右前支持杆１２，１２の上端部に
取付高さ変更可能に連結された座板支持部材２よ
り構成されている。

そして、座板支持部材２上にはスライド装置３
をもつて座板４が前後にスライド自在にとりつけ
られている。

符号１０は座板４の後端上方で、左右後支持杆
１１，１１の上端間に配設された背もたれ板を示
している。

スライド装置３は、座板４の左右端部裏面にと
りつけられたスライド案内金具５と、スライド案
内金具５にとりつけられた係止杆６と、座板支持
部材２の上面にもうけられたストツパー部７より
構成されている。

スライド案内金具５は、第５図に示す如く座板
４の左右端部裏面にネジ止め連結される連結部５
１と、連結部５１の端部に連設され、下方に突出
するスライド案内部５２と、スライド案内部５２
の下端に連設され、座板支持部材２の下面に位置
する上り止め防止部５３より構成されている。

そして、いずれか一方のスライド金具５の連結
部５１には、所定間隔を有して対向し、下方に突
出する係止杆支持部５１１，５１１が形成され、
係止杆支持部５１１，５１１が位置するスライド
案内部５２に係止杆挿通孔５２１が形成されてい
る。

符号５１２，５１２は座板４の裏面に連結する
為の取付孔である。

係止杆６は、前記係止杆支持部５１１，５１１
間にほぼ一致し、取付ピン６０、抜け止めリング
６３にて係止杆支持部５１１，５１１に回動自在
に連結される取付部６１と、取付部６１と反対の
遊端側端部にもうけられ、座板支持部材２の外方
に突出し、座板４の左右端部の下方に位置する操
作部６２を有している。

そして、取付部６１の上面には、係止杆６の取
付状態で、上端がスライド案内金具５の連結部５
１の裏面に当接して、常に係止杆６に下方に回動
力を付勢する押し下げ部８１を有する板バネより
形成された弾性部材８がもうけられている。

ストツパー部７は、係止杆６がとりつけられた
側の座板支持部材２の奥行方向の略中央部上面に
形成されている。

実施例では、合成樹脂材にて一体に形成された
ストツパー部材７０が、座板支持部材２の上面に
形成された取付凹部２１にとりつけられて構成さ
れており、上端部に係止杆６が挿通して座板４と
共に移動する為の係止杆移動部７１と、係止杆移
動部７１の下側に、上記係止杆６の前後方向の幅
寸法とほぼ等しい係止凹部７２…が所定間隔を有
して前後方向に形成されている。

符号７３，７３は、ストツパー部材７０を座板
支持部材２の上面に取り付ける為の取付孔、符号
７４，７４は指づめ防止用の切り欠きである。

本考案は上記の如く構成されており、通常の状
態では、弾性部材８によつて常に下方に回動力が
付勢された係止杆６は、いずれか一つの係止凹部
７２に係止している。

この状態で、係止杆６の前後方向の幅寸法と係
止凹部７２の幅寸法がほぼ等しく、係止杆６は、
座板４の裏面にスライド案内金具５を介して取り
つけられているので、座板４は前後に移動せず、
座板支持部材２に安定よくとりつけられる。

一方、座板４を所望位置まで移動させる場合
は、操作部６２を、弾性に抗して持ち上げると係
止杆６は係止凹部７２から上方に逸脱し、係止杆
移動部７１内に位置する。

この状態を維持しながら座板４を所望位置まで
移動せしめて、係止杆６を離し、係止凹部７２に
係止杆６を係止せしめる。

《効果》 本考案は以上の如く、座板の少なくとも左右端
部の一方の裏面に、常に下方に回動力が付勢され
た係止杆がもうけられる一方、前記座板支持部材
に係止杆の前後方向の幅寸法とほぼ等しい係止凹
部が、複数個、係止杆移動部の下側にもうけられ
ているので、座板は常に座板支持部材に安定よく
保持しされ、又、係止杆を上方に移動させ、座板
をスライドさせる簡単な操作で、座板を所望位置
まで容易に移動させる事が出来る。

また、ストツパー部は係止杆移動部指づめ防止
用切り欠き、係止凹部等が一体に形成された合成
樹脂材よりなるストツパー部材を座板支持部材の
上面に形成された取付凹部にとりつけて形成する
構成であるから、ストツパー部の形成が非常に簡
単に行なう事が出来る。

さらに、指づめ防止用切り欠きが係止杆移動部
の前後側端部に形成されているから、係止杆を操
作した状態で座板が急にスライドしても指づめを
起こす事もなく、安心して係止杆の操作が行え
る。

【図面の簡単な説明】

本考案の実施例の一つを示し、第１図は本考案
の要部縦断面図、第２図は本考案を具備した椅子
の側面図、第３図は本考案の側面図、第４図はス
トツパー部と係止杆の要部分解斜視図、第５図は
スライド案内金具の斜視図である。 １……椅子本体、２……左右座板支持部材、３
……スライド装置、４……座板、６……係止杆、
７……ストツパー部、７０……ストツパー部材、
７１……係止杆移動部、７２……係止凹部、７４
……指づめ防止用切り欠き。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 椅子本体の上端にもうけられた座板支持部材の
   上面で、前後方向にスライド自在に保持された座
   板のスライド装置において、座板の左右端部裏面
   にとりつけられた金具の一方に、常に下方に回動
   力が付勢された係止杆がもうけられる一方、前記
   座板支持部材にストツパー部が形成されており、
   ストツパー部は合成樹脂材にて一体に形成された
   ストツパー部材が座板支持部材の上面に形成され
   た取付凹部にとりつけられて構成されており、ス
   トツパー部材は上端部に係止杆が挿通して座板と
   共に移動する為の係止杆移動部と、係止杆移動部
   の前後側端部に形成された指づめ防止用切り欠き
   と、係止杆移動部の下側で係止杆の前後方向の巾
   寸法とほぼ等しい係止凹部…が所定間隔を有し
   て、前後方向に形成されている事を特徴とする座
   板のスライド装置。