JPH05130873A - 改変型転写アクチベーターを用いた植物における遺伝子転写の不活性化 - Google Patents

改変型転写アクチベーターを用いた植物における遺伝子転写の不活性化

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JPH05130873A
JPH05130873A JP3232060A JP23206091A JPH05130873A JP H05130873 A JPH05130873 A JP H05130873A JP 3232060 A JP3232060 A JP 3232060A JP 23206091 A JP23206091 A JP 23206091A JP H05130873 A JPH05130873 A JP H05130873A
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sequence
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エー. ボーウエン ベン
Bradley A Roth
エー. ロス ブラツドレイ
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PIONEER HAIBURETSUDO INTERNATL
Pioneer Hi Bred International Inc
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/82Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)
    • C12N15/8216Methods for controlling, regulating or enhancing expression of transgenes in plant cells
    • C12N15/8218Antisense, co-suppression, viral induced gene silencing [VIGS], post-transcriptional induced gene silencing [PTGS]

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 転写アクチベータータンパクによって転写が
活性化される植物中の遺伝子の発現を阻害する。 【構成】 目的とする遺伝子の転写アクチベータータン
パクをコードするDNA配列の一部を改変し、改変型の
タンパクをコードするようにする。改変転写アクチベー
ターは、遺伝子の転写を活性化せずに、遺伝子または細
胞の転写機構のその他の成分に結合し得る。これらの改
変された調節複合体成分をコードする合成DNA配列
は、植物細胞中に導入され得、1個またはそれ以上の標
的遺伝子の発現を競合的に阻害する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は人為的に改変した転写ア
クチベーターを用い、植物における遺伝子転写を不活性
化することに関する。
【0002】
【従来の技術】植物全体の構造および/または機能を改
変するための植物細胞の形質転換においては、遺伝子の
発現を妨げることが、時折望まれる。例えば、発現が花
粉または葯の形成にとって必要であるような遺伝子を妨
げると、雄性不稔が起こる。別の例として、糖からデン
プンへの転化を触媒する酵素をコードする遺伝子の妨害
は、高水準の甘味を有するだけでなく、収穫後も長期に
わたってその甘味を保持するようなスイートコーンを産
するために用いられ得る。さらに別の例として、ジグリ
セロールアシル転移酵素をコードする遺伝子の妨害は、
主として、モノグリセリドおよびジグリセリドからなる
貯蔵脂質を有する植物を産するために用いられ得る。さ
らに別の例では、脂肪酸の延長および/または不飽和化
に起因する酵素をコードする遺伝子を妨げることで、パ
ルミチン酸あるいは飽和脂肪酸に富んだ貯蔵脂質を有す
る植物が生産される。
【0003】遺伝子が多段階経路によって発現するとい
うことはよく知られており、その1つの段階は、二本鎖
DNA配列から相当する一本鎖メッセンジャーRNA
(mRNA)配列への転写である。転写の間、遺伝子の
センス鎖は、対となっているアンチセンスから離れてい
る。次いで、酵素が、アンチセンスDNA鎖の配列に相
補的な、RNA分子を組み立てる。このメッセンジャー
RNAは、最終的に、コードされた情報を読み、そし
て、適切なアミノ酸を続けて配列することにより、コー
ドされたタンパクを形成する、リボソームと呼ばれる細
胞組織に移動する。DNA転写を妨害することで、この
プロセスの起点が妨害され、その結果、遺伝子の発現が
効果的に妨害される。このように、例えば、特殊な生化
学的な経路が妨げられているような植物を作ることを望
む場合、このような植物を作る1つの方法としては、こ
の経路における必須の酵素の形成を妨げることが挙げら
れる。酵素は遺伝子の発現の結果として形成されるタン
パク分子であるので、酵素をコードする遺伝子の転写を
妨害すること、あるいはRNA転写物の翻訳を妨害する
ことによって、全経路を妨害することが可能である。
【0004】従来、遺伝子の発現はアンチセンス技術の
使用によって妨害され得ることが知られている。アンチ
センスシステムにおいては、アンチセンスRNA、また
はセンスRNAに相補的な一本鎖DNAが作られ、そし
て、それがセンスRNAとハイブリダイズし、そのこと
によって、その通常の機能が不能となる。例えば、いく
つかのプラスミドを複製するにはRNAプライマーが必
要である。二本鎖の状態において、RNAプライマーは
DNA複製を開始し得ない。なぜなら、プライマーはそ
のプラスミドの複製起点と対になり得ないからである。
アンチセンスRNAの効用は、DNA複製の調節だけで
はない。その効用はまた転写および翻訳の調節にまで及
ぶ。転写の間に、遺伝子産物をコードするメッセンジャ
ーRNAは、構造遺伝子から生ずる。この細胞が遺伝子
のセンスDNA鎖からアンチセンスRNAを転写すると
きもまた、アンチセンスRNAはセンスメッセンジャー
RNAと特異的に結合し得、そして、リボソームがコー
ドされた情報をタンパクに翻訳することを防ぎ得る。こ
の技術の使用の例は、1990年7月24日に発行さ
れ、そしてCalgene,Inc.に譲渡された、H
ouckらの米国特許第4,943,674号において
見いだされ得る。しかし、アンチセンスの効力には限界
がある。なぜなら、それは、細胞中における翻訳に有効
である特定のRNA配列の量を単に減じるのみでその作
用を全く妨害するわけではないからである。それゆえ
に、遺伝子の発現をより効果的に妨害する新しい方法が
必要とされ続けている。
【0005】互いに整合的な調節された遺伝子の完全な
セットの発現を妨害することもまた、いくつかの例にお
いて望ましい。このような例においては、アンチセンス
技術の使用は、極端に複雑になる。なぜなら、アンチセ
ンス分子は、非常に特異的である。すなわち、それは1
個の相補的なRNA配列にのみ結合し、従って、1つの
遺伝子の発現にのみ影響を及ぼす。互いに整合的な調節
された遺伝子のセットの発現を完全に妨害するために、
このセット中の各遺伝子、あるいはこのセットの調節タ
ンパクのためのアンチセンス分子を生ずることが必要で
ある。このような場合、1つの遺伝子の改変で、発現を
ブロックすることが望ましい。
【0006】真核性の遺伝子の転写は、種々の調節要素
によって影響を受け、そして、その調節要素は、配列特
異的にDNAと結合する転写調節タンパクを包含する。
これらのタンパクの多くが同定された。これらのタンパ
クの配列特異的な結合が満たされる手法は、いくつかの
カテゴリーに分類され得る。最近の総説記事として記載
された、当業者には公知の、JohnsonらのAnn
u. Rev. Biochem.,58:799−8
39(1989)に開示されたように、このカテゴリー
は以下を包含している: −2本のαヘリックス分節が、比較的シャープなβター
ンによって分離される、ヘリックス・ターン・ヘリック
ス構造の認識および結合; −タンパク中の反復配列が亜鉛イオンを封鎖して、DN
Aと相互に作用するループを形成する、亜鉛フィンガー
の認識および結合; −7個のロイシン残基の配列が二量体化のためのからみ
合うらせん構造を提供する、ロイシンジッパーの認識お
よび結合。この二量体化によって、塩基性の領域は特定
のDNA配列との相互作用のために「ジッパー」から二
量体のN−末端方向へ向けられる; −塩基性領域がロイシンジッパー機構と同様に配向され
るが、二量体化はループによって分離された2本のαら
せん構造の相互作用によって起こる、ヘリックス・ルー
プ・ヘリックスの認識および結合;および −分類されていない結合システム。
【0007】同様に、活性化ドメインは酸性残基、グル
タミン残基、またはプロリン残基が豊富にあるものとし
て分類され得る。このことはMitchellらによる
Science,45:371−378(1989)に
詳細に論ぜられている。
【0008】優性トランス作用インヒビターは酵母およ
び哺乳類の細胞において転写アクチベーターをコードす
る遺伝子によって確認された。このインヒビターの作用
は瞬間的アッセイにおいて異種レポーター遺伝子を用い
て証明された。
【0009】植物においては、トウモロコシの天然の変
異対立遺伝子(C−I)が、転写アクチベーターへの効
果を経て作用するアントシアニン生合成のインヒビター
をコードすることが仮定されている。合成C−I構築物
は、Goffら、(Maize Genetics N
ewsletter, 64, 6)によって報告さ
れ、異種のレポーターとして外因性のプラスミドに由来
するルシフェラーゼを用いるトランスアクチベーション
アッセイにおいて、Bzl::ルシフェラーゼの活性を
阻害するとされている。インビトロで構築された優性ト
ランス作用インヒビター遺伝子を用いた植物染色体の遺
伝子の阻害については、現在まで報告されていない。
【0010】
【発明の構成】本発明の方法は、転写が転写アクチベー
タータンパクによって活性化される植物のゲノムにおけ
る遺伝子の発現を阻害する方法であって、実質的に該遺
伝子の転写アクチベーターのアミノ酸配列を有するが、
少なくとも1個のアミノ酸が該遺伝子の転写アクチベー
ターのアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有するタ
ンパクを該遺伝子の環境中に導入し、そのことにより、
該タンパクが該遺伝子の転写を活性化し得なくなる工程
を包含する。
【0011】好適な実施態様においては、この方法にお
いて、上記タンパクは、認識ドメインおよび活性化ドメ
インを有し、この認識ドメインは、実質的に上記遺伝子
の転写アクチベーターの認識ドメインのアミノ酸配列を
有し、そして、この活性化ドメインは、少なくとも1個
のアミノ酸がこの遺伝子の転写アクチベーターの活性化
ドメインのアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有す
る。
【0012】好適な実施態様においては、この方法にお
いて、上記タンパクは、認識ドメインおよび活性化ドメ
インを有し、この活性化ドメインは、実質的に上記遺伝
子の転写アクチベーターの活性化ドメインのアミノ酸配
列を有し、そして、この認識ドメインは、少なくとも1
個のアミノ酸がこの遺伝子の転写アクチベーターの認識
ドメインのアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有す
る。
【0013】本発明のDNA配列は、植物ゲノムにおけ
る遺伝子の転写アクチベーターのアミノ酸配列を実質的
に有するタンパクを実質的に単独でコードするDNA配
列であって、しかしこの転写アクチベーターをコードす
る配列とは少なくとも1個の塩基対が異なるコード配列
を有し、その結果、該タンパクが遺伝子の転写アクチベ
ーターのアミノ酸配列とは少なくとも1個のアミノ酸が
異なるアミノ酸配列を有する。
【0014】好適な実施態様においては、このDNA配
列において、上記コード配列は、1つの塩基対の付加ま
たは欠損によって転写アクチベーターをコードする配列
とは異なり、その結果、この付加または欠損の位置より
下流に、コード配列のフレームシフトが存在する。
【0015】好適な実施態様においては、このDNA配
列は、(a)植物遺伝子の転写アクチベーターの認識ド
メイン;および(b)少なくとも1個のアミノ酸が植物
遺伝子転写アクチベーターの活性化ドメインとは異なる
活性化ドメイン;で実質的になるタンパクを実質的に単
独でコードする。
【0016】さらに好適な実施態様においては、このD
NA配列は、上記活性化ドメインをコードする前記配列
は、1個またはそれ以上のコドンの欠損、付加、または
置換により、天然の活性化ドメインの天然の配列とは異
なり、そのことにより前記タンパクの活性化ドメイン
は、1個またはそれ以上のアミノ酸の欠損、付加、また
は置換によって天然の活性化ドメインとは異なる。
【0017】本発明のDNA配列はまた、植物遺伝子転
写アクチベータータンパクの認識ドメインを唯一の遺伝
子生産物として有する。
【0018】本発明のタンパクは、植物遺伝子転写アク
チベータータンパクの認識ドメインで実質的になる。
【0019】本発明の発現カセットは、植物細胞におけ
る前記DNA配列の発現を引き起こす植物調節配列に作
動可能に連結した、上記のDNA配列を有する。
【0020】本発明の細菌の形質転換用ベクターは、細
菌細胞中で前記発現カセットの複製を引き起こす細菌発
現調節配列に作動可能に連結した、上記の発現カセット
を有する。
【0021】本発明の細菌細胞は、上記の細菌の形質転
換用ベクターの少なくとも1個のコピーを外来プラスミ
ドとして含有している。
【0022】本発明の形質転換植物細胞は、上記の発現
カセットのDNA配列の少なくとも1個のコピーを外来
DNAとして含有している。
【0023】本発明のトウモロコシの細胞または組織培
養物は、上記の形質転換植物細胞を包含する。
【0024】本発明の形質転換されたトウモロコシ植物
体は、上記の発現カセットのDNA配列の少なくとも1
個のコピーを外来DNAとして含有している。
【0025】遺伝子の発現は、DNA上の特定の部位に
結合する調節タンパクによって制御され得る。これらの
タンパクは転写を増加するかまたは減少するかによっ
て、アクチベーターまたはリプレッサーと呼ばれる。あ
る種のタンパクは両方の機能を果たし得る。理論によっ
て制限するわけではないが、アクチベーターは、DNA
配列上の特定の認識部位に結合することによって機能し
ているようである。この1つあるいは複数の部位は、配
列の点から遺伝子に接近しているか、あるいはDNAの
ループによって配列の離れた領域が互いに物理的に接近
できるので、ゲノムからかなりの距離であり得る。1種
またはそれ以上の転写アクチベーター因子の結合が、R
NAポリメラーゼとそれに結合するタンパクを含む活性
型転写複合体の形成を可能にする。この複合体が形成す
ると、転写が開始される。
【0026】転写アクチベーターをコードする遺伝子
が、インビトロにおいて改変または変異導入され得、そ
の結果、この遺伝子は以下のようなタンパクをコードす
ることも発見されている。これらのタンパクは、植物中
で1あるいは複数の標的遺伝子の発現を競合的に阻害す
るように転写複合体の1種またはそれ以上の成分とさら
に結合している。この阻害活性は、選択された転写アク
チベーターによる整合的な調節に供する遺伝子の完全な
セットにまで及ぶ。植物におけるこれらのインヒビター
の活性は、トウモロコシの内因性アントシアニン生合成
遺伝子を用いて、最近確立された。これらの結果に基づ
いて、本発明は、トウモロコシ、サトウモロコシ、コム
ギ、ライコムギ、オオムギ、オートムギ、イネ、ダイ
ズ、アルファルファ、タバコ、カノラ、ヒマワリおよび
トマトを包含し、これらに限定されず、すべての単子葉
植物種または双子葉植物種においても満足され得ること
が認められている。
【0027】したがって、本発明は植物のゲノムにおけ
る1またはそれ以上の遺伝子の発現を阻害する方法を提
供する。この方法は、実質的に遺伝子の転写アクチベー
ターのアミノ酸配列を有するが、遺伝子の転写アクチベ
ーターのアミノ酸配列とは少なくとも1個のアミノ酸で
異なるアミノ酸配列を有するタンパクを植物遺伝子の環
境中に導入する工程を含む。そのことにより、このタン
パクが遺伝子の転写を活性化し得なくなる。好ましい実
施態様において、このタンパクは、このタンパクをコー
ドするDNA配列を植物細胞中に導入することによって
植物遺伝子の環境に導入される。
【0028】本発明の遺伝子不活性化システムは、メン
デル優性のさらなる利点を提供する。そして、これは雑
種作物の開発および生産において有用となる。
【0029】(転写アクチベーターの改変)多くの転写
アクチベーターは、2つの異なるドメイン;すなわち、
それによって、アクチベーターがDNAを認識してDN
Aと結合する、認識ドメイン;およびRNAポリメラー
ゼのような、転写機構1またはそれ以上の成分の結合ま
たは活性を多少なりとも増強する、活性化ドメイン、と
を有する。
【0030】上記で述べられているように、DNAまた
は転写複合体の1またはそれ以上の成分に結合するが転
写を活性化しないリプレッサータンパクを産生する、あ
る種の天然の突然変異体が同定された。いくつかの例の
これらのタンパクの分析によって、この分子の活性化ド
メインの中または近くで、負の電荷の量を減少するある
種のアミノ酸置換が見られた。したがって、活性化ドメ
インは、例えば、酵母におけるGAL4融合のようなト
ランス−アクチベーションアッセイを用いて、機能的に
同定され得る。タンパクのこのような情報および/また
はアミノ酸配列によって、活性化ドメインにおける改変
の結果として生じる特定の改変を、設計し得る。これら
の構造的な改変および対応する遺伝子配列の変化によっ
て、遺伝子は、それが細胞中に導入されたとき、改変転
写アクチベータータンパクを産生するように合成され得
る。いくつかの例において、転写アクチベーターの構造
の情報または構造上関連した転写アクチベーターが知ら
れており、そして、その情報に基づいて改変が行われ
る。このように、本発明は以下の(a)、(b)、
(c)および(d)の工程を包含する方法によって実施
される:(a)遺伝子の転写アクチベータータンパク、
すなわち、認識ドメインおよび活性化ドメインを有する
タンパクを単離し、構造または配列を特徴づける工程;
(b)タンパクのアミノ酸配列を改変して、遺伝子の転
写を活性化する能力を減少させる工程;(c)改変型タ
ンパクをコードするDNA配列を提供する工程;および
(d)植物細胞中にDNA配列を導入し、そのことによ
り、改変型タンパクが発現して、遺伝子の転写を妨害す
る工程。
【0031】理論によって制限するわけではないが、改
変型転写アクチベーターが転写を妨害するよう作用し得
る、多くのメカニズムがある。転写を活性化することな
くDNAと結合することによって、通常の認識ドメイン
を有する改変型タンパクは、本来の転写アクチベーター
と競合し、そして、その標的の結合部位を占領する。本
発明のインヒビターが作用し得る第2のメカニズムは、
天然の転写アクチベーターと結合して、不活性な二量体
またはヘテロ二量体を形成することである。これらの目
的のための好ましいタンパクは、天然の転写アクチベー
ターの活性化ドメインを単に欠損させることにより構築
され得、そして、本質的に認識ドメインおよび活性化ド
メインの両方を有する植物遺伝子転写アクチベータータ
ンパク由来の認識ドメインからなる。
【0032】第3の方法はDNA分子の隣接部位に結合
することによるものであり、その結果、本来の転写アク
チベーターとのタンパク同士の相互作用が、このアクチ
ベーターが転写複合体と結合するのを防ぐ。第4のメカ
ニズムは、転写のスタート部位、またはその近くで、遺
伝子と結合することにより、転写複合体と遺伝子との相
互作用を妨害することである。これらの後の2つのメカ
ニズムには、天然の転写アクチベーターとは異なる認識
ドメインを有するタンパクが必要である。このことは天
然の転写アクチベーターをコードする遺伝子の、1個ま
たはそれ以上のコドンの付加、欠損、または置換によっ
て成し遂げられ得る。それによって、天然の転写アクチ
ベーターと比べて、その配列中に少なくとも1個の付加
されているか、欠損しているか、または異なっているア
ミノ酸を有する遺伝子産物が産生される。
【0033】本発明の方法は、上記で述べられているよ
うな、認識および結合の方法にかかわらず、調節タンパ
クに適用し得る。第5のメカニズムには、酸性の活性化
ドメインの過剰発現が必要であり、これによって転写ア
クチベーターの標的を中和してしまう。この現象は酵母
および哺乳類の細胞において観察され、「スケルチング
(squelching)」と呼ばれている。例えば、
Ptashne,Nature, 335:683−6
89 (1988);およびPtashneら,Nat
ure, 346:329−331 (1990)を参
照のこと。このメカニズムは、以下の実施例35−37
に示されているように、現在、植物細胞で実行されてい
る。
【0034】
【実施例】以下の実施例は本発明を例示することを意図
するものであり、それらを限定するものではない。
【0035】(実施例1)pPHI289 プラスミドpPHI289は、単子葉植物において用い
られる空の発現カセットであって、pUC18プラスミ
ド由来であり、以下を含んでいる。すなわち、カリフラ
ワーモザイクウイルスの−421位から+2位のヌクレ
オチドであり、その内、−421位から−90位の領域
は2つ縦列につながっている増強された35Sプロモー
ター;Gallieら,Nucleic Acids
Research,15:3257(1987)に記載
のタバコモザイクウイルスの5’リーダー配列でpJI
I101由来の79bpのHindIII−Sal1断
片;Dennisら,Nucleic Acids R
esearch,12:3983(1984)に記載の
トウモロコシAdh1−S由来の第1のイントロンの5
79bpの断片;および、Anら,Plant Cel
l,1:115−122(1989)に記載のポテトプ
ロテアーゼインヒビターII遺伝子由来のポリアデニル
化部位の断片である。本発明の改変型タンパクをコード
する遺伝子は、細菌中または植物中で、発現させるため
にこのベクター中に挿入され得る。
【0036】(実施例2)pPHI414 プラスミドpPHI414は、単子葉植物において用い
られる空の発現カセットであって、pUC18プラスミ
ド由来であり以下を含んでいる。すなわち、カリフラワ
ーモザイクウイルスの−421位から+2位のヌクレオ
チドであり、その内、−421位から−90位の領域は
2つ縦列につながっている増強された35Sプロモータ
ー;タバコモザイクウイルスの5’リーダー配列である
pJII101由来の79bpのHindIII−Sa
l1断片;トウモロコシAdh1−S由来の第1のイン
トロンである579bpの断片;およびBevanら,
Nucleic Acids Research,1
1:369(1983)に記載のノパリンシンターゼ遺
伝子由来のポリアデニル化部位の281bpの断片であ
る。本発明の改変型タンパクをコードする遺伝子は、細
菌または植物のいずれかにおいて、発現するためにこの
ベクター中に挿入され得る。
【0037】(実施例3)pPHI443 プラスミドpPHI443は、pUC18プラスミドで
あり以下を含んでいる。すなわち、カリフラワーモザイ
クウイルスの−421位から+2位のヌクレオチドであ
り、その内、−421位から−90位の領域は2つ縦列
につながっている増強された35Sプロモーター;タバ
コモザイクウイルスの5’リーダー配列であるpJII
101由来の79bpのHindIII−Sal1断
片;トウモロコシAdh1−S由来の第1のイントロン
である579bpの断片;R cDNAである2415
bpのXba1断片;およびpTiT37におけるノパ
リンシンターゼ遺伝子由来のポリアデニル化部位の28
1bpの断片である。この構築物は、Ludwigら,
Science,247:449−450(1990)
において用いられた。
【0038】(実施例4)pPHI466 pPHI443のR cDNAを、PCRの鋳型として
用いた。使用されたオリゴヌクレオチドは、R遺伝子の
5’末端にNcoI部位を導入した。得られた配列を、
その末端を修復して、そして、pUC18のHindI
I部位に挿入した。
【0039】(実施例5)pPHI467 このベクターは、R遺伝子を反対向にクローン化した以
外は、pPHI466と同様に調製された。
【0040】(実施例6)pPHI470 DP466由来のR遺伝子の270bpのNcoI/S
maI断片を、DP414のNcoI/HpaI部位に
クローン化した。
【0041】(実施例7)pPHI471 NcoI断片に含有されるDP466由来のR遺伝子の
1.5kbの5’領域を、DP470のNcoI部位に
クローン化した。R遺伝子の再構築において得られた構
築物(センス型)を、単離し、そして、実施例28−3
7の実験において用いた。
【0042】(実施例8)pPHI472 このベクターは、1.5kb断片をアンチセンス方向で
クローン化した以外は、pPHI471と同様に調製さ
れた。
【0043】(実施例9)DP542 プラスミドpPHI542は、単子葉植物において用い
られる空の発現カセットである。これは、NotI制限
部位が植物転写ユニットの下流に付加された以外は、p
PHI289と同一である。本発明の改変型タンパクを
コードする遺伝子は、このベクターに挿入され得、バク
テリアまたは植物のいずれかにおいて、発現する。
【0044】(実施例10)DP630 ベクターDP471を、BamHIおよびXbaIで消
化し、完全なR遺伝子を含有する1.8kb断片を得
た。これをpBluescript KS+(Stra
tagene)のBamHI/XbaI部位にクローン
化した。得られたベクターを、単離し、そして、DP6
30と名付けた。
【0045】(実施例11)DP663 DP630を、部位特異的変異導入に供し、R遺伝子の
1066位のG残基をAに改変した。この改変によっ
て、BspHI部位が導入され、そして遺伝子産物のア
ミノ酸356位でのアラニンからスレオニンへの改変を
導いた。
【0046】(実施例12)DP664 pcLC28.2を、EcoRIおよびNheIで消化
し、そして、完全なC1遺伝子を含有する得られた1.
0kbの断片を、ベクターpIC20H中にクローン化
することにより[Marshら,Gene,32:48
1−485(1984)]、DP664を作成した。
【0047】(実施例13)DP665 DP664をBamHIで消化し、1.029kbのC
1断片を得、それを、BamHI消化したDP542に
クローン化した。このC1はプロモーターおよびターミ
ネーション配列に関してセンス方向で存在させた。この
構築物を実施例28−37の実験において用いた。
【0048】(実施例14)DP669 このベクターは、1.029kbC1断片をアンチセン
ス方向でクローン化した以外はDP665と同様に調製
した。この構築物を実施例32の実験において用いた。
【0049】(実施例15)DP680 DP664をXhoIで消化し、そして、その末端を、
DNAポリメラーゼのクレノー断片を用いて修復した。
次いで、得られた混合物をBamHIで消化し、そし
て、得られたC1遺伝子の801bpの断片を、Bam
HIおよびBalIで消化したDP542中にクローン
化した。得られた改変型C1遺伝子産物は、アミノ酸2
58位で終結した。
【0050】(実施例16)DP692 次の実施例のDP693をBspHIおよびHincI
Iで分解し、R遺伝子の3’領域を含む779bp断片
(R−I)を作成した。これをDP542のNcoI/
HpaI部位にクローン化し、DP692を製造した。
この構築物を実施例29の実験において用いた。
【0051】(実施例17)DP693 DP663をBamHIおよびXbaIで消化した。得
られた1.8kbのR遺伝子断片をpUC18のBam
HI/XbaI部位にクローン化した。
【0052】(実施例18)DP748 800bpのGAL4/TFE3融合遺伝子を含むGA
L4Λ3−Δ2プラスミド(Beckmannら,Ge
nes and Development,4:167
−179(1990))をBglII/SmaI消化し
た。得られた断片をDP289のBamHI/SmaI
部位にクローン化し、DP748を作成した。この構築
物を実施例37の実験に用いた。
【0053】(実施例19)DP752 DP680をXmaIIIで消化し、そして、その末端
をDNAポリメラーゼのクレノー断片を用いて修復し
た。次いで、得られた混合物をBamHIで分解し、そ
して、得られた断片をDP542のBamHI/Bal
Iにクローン化して、DP752を作成した。得られた
C1遺伝子産物は、アミノ酸140位で終結した。この
構築物を実施例31の実験において用いた。
【0054】(実施例20)DP791 Murreら,Cell,58:537−544(19
89)に記載されたE12RプラスミドDNAをNco
IおよびEcoRIで分解し、そして、その末端をDN
Aポリメラーゼのクレノー断片を用いて修復した。得ら
れた1.3kb断片をDP542のNcoI/HpaI
部位にクローン化して、DP791を作成した。実施例
33の実験においてこの遺伝子を用い、その結果を、図
に例示した。
【0055】(実施例21)DP792 Murreら,Cell,58:537−544(19
89)に記載されたE47SプラスミドDNAをNco
IおよびEcoRIで消化し、そして、その終端をDN
Aポリメラーゼのクレノー断片を用いて修復した。得ら
れた400bpの断片をDP542のNcoI/Hpa
I部位にクローン化して、DP792を作成した。実施
例34の実験においてこの遺伝子を用い、その結果を図
に例示した。
【0056】(実施例22)DP1202 DP630を部位特異的変異導入し、R遺伝子の126
4位と1270位との間の配列を、CGAAAGCから
GGTACCGへと改変した。この改変によりKpnI
部位が導入され、そして、アミノ酸配列は天然のR遺伝
子の塩基性のDNA結合領域の中のArg−Lys−A
rgが、改変された遺伝子産物ではGly−Trp−G
lyに改変される。
【0057】(実施例23)DP1206 DP630を部位特異的変異導入し、R遺伝子の126
5位と1272位との間の配列を、GAAAGCGAか
らAGAAACTGへと改変した。この改変により、A
lwNI部位が導入され、そして、アミノ酸配列は、天
然のR遺伝子の塩基性のDNA結合領域におけるArg
−Lys−Argから、改変された遺伝子産物ではGl
n−Lys−Leuに改変される。
【0058】(実施例24)DP1209 Sadowskiら,Nature,335:563−
564(1988)に記載の1kbのGAL4/VP1
6融合遺伝子を含むプラスミドをBamHIで消化し
た。得られた断片をDP289のBamHI部位にクロ
ーン化して、DP1209を作成した。この構築物を実
施例36の実験において用いた。
【0059】(実施例25)DP1211 1kbのGAL4/C1融合遺伝子を含むプラスミドを
BamHIで消化した。得られた断片をDP289のB
amHI部位にクローン化して、DP1211を作成し
た。この構築物を実施例35の実験において用いた。
【0060】(実施例26)DP1216 DP1202をMluIおよびBclIで消化した。得
られた858bpの断片を、DP471のMluI/B
clI部位にクローン化して、塩基性領域が変異してい
るR遺伝子を再構築した。得られたベクターは、DP1
216と命名した。
【0061】(実施例27)DP1217 DP1206をMluIおよびBclIで消化した。得
られた858bpの断片を、DP471のMluI/B
clI部位にクローン化して、塩基性領域が変異してい
るR遺伝子を再構築した。得られたベクターは、DP1
217と命名した。
【0062】(実施例28)遺伝子発現の阻害 [試料の調製]プラスミドDNAはアルカリ溶菌および
PEG沈澱によって大腸菌から精製した。Genera
l Electric社製のタングステン粒子(平均直
径1.2ミクロン)をエタノール中で4回から5回洗浄
し、そして、4.375mgずつをマイクロヒュージ
(microfuge)チューブ中で、蒸発させた。1
0μLのTE緩衝液(10mM Tris−HCl、1
mM EDTA、pH8.0)中10μgの全DNAを
含有し、上記実施例の実験構築物を含む、DNA調製物
をこの粒子に加えた。各DNA調製物はDP665(下
記以外の0.5μg)およびDP471を含有してい
た。すべての調製物は35Sプロモーター/エンハンサ
ー配列の同数のコピーを含有し、35S構築物に結合す
る転写因子の滴定に差が生じるのを避けた。さらに35
S配列が必要な場合、PioneerHi−Bred
International,Inc.によって開発さ
れ、Ludwigら,Science,247:449
−450(1990)に記載されている「ブランク」3
5S::GUSのpPHI459構築物によって供給し
た。全てのプラスミドは、ほぼ同じサイズであった。D
NAをこの粒子に加えた後、この粒子を短音波処理によ
り再懸濁し、次いで、25μLの2.5MCaCl2
よび10μLの0.1Mスペルミンをこの調製物に加
え、さらに短音波処理を施した。この粒子を沈澱させた
後、30μLの上澄み液を除去した。
【0063】[組織の調製]フィールドコーンを代表す
るトウモロコシハイブリッド(遺伝子型c r−rB−
b pl)由来のトウモロコシ胚形成懸濁細胞3−44
−6E1をMS塩およびビタミン類、0.1g/Lのミ
オイノシトール、2mg/Lの2,4−D、および30
g/Lのスクロースを含有する培地中で増殖させた。サ
ンプリング前に、この懸濁液をフィルターを通して選別
し、重量を測り、同様の培地に3%のPEG(w/v)
を加えた培地中で、25mg/mLの密度で再懸濁し
た。細胞をその培地中で一晩、標準的な成育条件下でイ
ンキュベートした。次の日、6×2cmペトリ皿に1m
Lの変法MS培地であらかじめ湿らせておいた2枚のワ
ットマン617ろ紙上に、この細胞を1mLずつ置い
た。
【0064】各試料細胞に、この実験混合物を含有する
粒子の1μLを1回砲撃し、3個の試料細胞に、各DN
A調製物を別々に砲撃し、1回の処理に付き3種類を提
供した。
【0065】砲撃後、1mLの変法MS培地を各試料に
加え、そして、この試料を暗所で3℃で2−3日インキ
ュベートした。4−6時間以内で全ての試料について、
赤い細胞を数えた。その結果は1個の調製物に対する3
個の試料の全てを合計し、砲撃による誤差を最小にし
た。
【0066】(実施例29)前述の一般の実験方法を用
いた。DNA調製物のDP471含有量を0.02μg
から5μgで変化させ、かつ、DP692含有量を0か
ら5μgで変化させた。その結果を図28(A)のグラ
フに示す。
【0067】(実施例30)前述の一般的な実験方法を
用いた。DNA調製物のDP471含有量を0.02μ
gから5μgで変化させ、かつ、DP472含有量を0
から5μgで変化させた。その結果を図28(B)のグ
ラフに示す。
【0068】これらの2つの実施例の結果より、アンチ
センスのRを発現するDP472が、改変型R(R−
I)を発現するDP692より、5倍から20倍効果が
低いことを示す。改変型R転写アクチベーター(R−
I)の場合、遺伝子発現の100%阻害が得られたが、
アンチセンスRによっては100%阻害は得られえなか
った。このことはまた、図29(A)のグラフにおい
て、図示されている。
【0069】(実施例31)前述の一般的な実験方法を
用いた。DNA調製物のDP471含有量を0.5μg
に固定し、かつ、DP752含有量を0から5μgに変
化させた。
【0070】(実施例32)DNA調製物のDP665
含有量が0.3μgである以外は前述の一般的な実験方
法を用いた。DNA調製物のDP471含有量を0.5
μgに調整した。DP669含有量を0から5μgで変
化させた。この実施例およびその前の実施例の結果を、
図29(B)のグラフに示す。このC−I構築物(DP
752)は、アンチセンス構築物(DP669)より、
少なくとも10倍効果的であった。
【0071】(実施例33)前述の一般的な実験方法を
用いた。DNA調製物のDP471含有量を0.5μg
に固定し、かつ、DP791含有量を0から9μgで変
化させた。
【0072】(実施例34)前述の一般的な実験方法を
用いた。DNA調製物のDP471含有量を0.5μg
に固定し、かつ、DP792含有量を0から9μgで変
化させた。この実施例およびその前の実施例の結果を図
30に示す。これらの結果から、ヘリックス・ループ・
ヘリックスドメインおよびヒトE47Sタンパクの隣接
塩基性領域を発現する構築物(DP792)がR−Iを
発現する構築物である。DP692とほぼ同様に効果的
にアントシアニン生合成を阻害することが示される。E
12Rを発現する構築物(DP791)は、インヒビタ
ーとしては効果的ではない。
【0073】(実施例35)前述の一般的な実験方法を
用いた。DNA調製物のDP471含有量を0.5μg
に固定し、かつ、DP1211含有量を0から9μgで
変化させた。
【0074】(実施例36)前述の一般的な実験方法を
用いた。DNA調製物のDP471含有量を0.5μg
に固定し、かつ、DP1209含有量を0から9μgで
変化させた。
【0075】(実施例37)前述の一般的な実験方法を
用いた。DNA調製物のDP471含有量を0.5μg
に固定し、かつ、DP748含有量を0から9μgで変
化させた。この実施例およびその前の2つの実施例の結
果を図31に示す。これらの結果から、強酸性の活性化
ドメインを発現する構築物の存在下では、アントシアニ
ン生合成もまた阻害されるということが示される。この
ことは、酵母および哺乳類細胞において起こると仮定さ
れ、そして、“スケルチング”と呼ばれている阻害のメ
カニズムを植物において、例示している。
【0076】前述の発明は明白さおよび理解のために例
示および実施例によって詳細に記載したが、ある種の変
化および改変が、添付された請求項の範囲内で当業者に
よって実施され得ることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
図において、以下に示す記号が用いられる: B BamHI Bc BclI Bg BglII E EcoRI H HindIII X XbaI
【図1】pPHI289のプラスミド地図を表す。
【図2】pPHI414のプラスミド地図を表す。
【図3】pPHI443のプラスミド地図を表す。
【図4】pPHI466のプラスミド地図を表す。
【図5】pPHI467のプラスミド地図を表す。
【図6】pPHI470のプラスミド地図を表す。
【図7】pPHI471のプラスミド地図を表す。
【図8】pPHI472のプラスミド地図を表す。
【図9】DP542のプラスミド地図を表す。
【図10】DP630のプラスミド地図を表す。
【図11】DP663のプラスミド地図を表す。
【図12】DP664のプラスミド地図を表す。
【図13】DP665のプラスミド地図を表す。
【図14】DP669のプラスミド地図を表す。
【図15】DP680のプラスミド地図を表す。
【図16】DP692のプラスミド地図を表す。
【図17】DP693のプラスミド地図を表す。
【図18】DP748のプラスミド地図を表す。
【図19】DP752のプラスミド地図を表す。
【図20】DP791のプラスミド地図を表す。
【図21】DP792のプラスミド地図を表す。
【図22】DP1202のプラスミド地図を表す。
【図23】DP1206のプラスミド地図を表す。
【図24】DP1209のプラスミド地図を表す。
【図25】DP1211のプラスミド地図を表す。
【図26】DP1216のプラスミド地図を表す。
【図27】DP1217のプラスミド地図を表す。
【図28】実施例29および30の結果を例示する2つ
のグラフを表す。
【図29】実施例29−32の結果を例示する2つのグ
ラフを表す。
【図30】実施例33および34の結果を例示する1つ
のグラフを表す。
【図31】実施例35−37の結果を例示する1つの棒
グラフを表す。 ここで用いられたように、プラスミドの名称の頭に付く
「pPHI」および「DP」は、相互置換えである。す
なわち、pPHI443はまたDP443とも呼ばれ
得、そしてDP1211はまたpPHI1211とも呼
ばれ得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 13/00 7731−4H C12N 1/21 7236−4B 5/10 15/63 15/70 15/82 (72)発明者 ベン エー. ボーウエン アメリカ合衆国 アイオワ 50310,ポー ク カウンテイ,デモイン,36テイーエイ チ ストリート 3008 (72)発明者 ブラツドレイ エー. ロス アメリカ合衆国 アイオワ 50111,ポー ク カウンテイ,グリムズ,エヌ.ダブリ ユー. サード プレイス 210

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転写が転写アクチベータータンパクによ
    って活性化される、植物のゲノムの遺伝子の発現を阻害
    する方法であって、実質的に該遺伝子の転写アクチベー
    ターのアミノ酸配列を有するが、少なくとも1個のアミ
    ノ酸が該遺伝子の転写アクチベーターのアミノ酸配列と
    は異なるアミノ酸配列を有するタンパクを該遺伝子の環
    境中に導入し、そのことにより、該タンパクが該遺伝子
    の転写を活性化し得なくなる工程を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法であって、前記タ
    ンパクが、認識ドメインおよび活性化ドメインを有し、
    該認識ドメインが、実質的に前記遺伝子の転写アクチベ
    ーターの認識ドメインのアミノ酸配列を有し、そして、
    該活性化ドメインが、少なくとも1個のアミノ酸が該遺
    伝子の転写アクチベーターの活性化ドメインのアミノ酸
    配列とは異なるアミノ酸配列を有する、方法。
  3. 【請求項3】 前記タンパクをコードするDNA配列を
    細胞中に導入する工程をさらに包含する、請求項2に記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の方法であって、前記タ
    ンパクが、認識ドメインおよび活性化ドメインを有し、
    該活性化ドメインが、実質的に前記遺伝子の転写アクチ
    ベーターの活性化ドメインのアミノ酸配列を有し、そし
    て、該認識ドメインは、少なくとも1個のアミノ酸が該
    遺伝子の転写アクチベーターの認識ドメインのアミノ酸
    配列とは異なるアミノ酸配列を有する、方法。
  5. 【請求項5】 前記タンパクをコードするDNA配列を
    細胞中に導入する工程をさらに包含する、請求項4に記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の方法であって、 (a)前記遺伝子の転写アクチベータータンパクの構造
    または配列を特徴づける工程; (b)前記タンパクのアミノ酸配列を改変して、該遺伝
    子の転写を活性化する能力を減少させる工程; (c)該改変型タンパクをコードするDNA配列を提供
    する工程;および (d)該DNA配列を植物細胞中に導入し、そのことに
    より該改変タンパクが発現して、該遺伝子の転写を妨害
    する工程をさらに包含する、方法。
  7. 【請求項7】 植物ゲノムにおける遺伝子の転写アクチ
    ベーターのアミノ酸配列を実質的に有するタンパクを実
    質的に単独でコードするDNA配列であって、しかし該
    転写アクチベーターをコードする配列とは少なくとも1
    個の塩基対が異なるコード配列を有し、その結果、該タ
    ンパクが該遺伝子の転写アクチベーターのアミノ酸配列
    とは少なくとも1個のアミノ酸が異なるアミノ酸配列を
    有する、DNA配列。
  8. 【請求項8】 前記コード配列が、1つの塩基対の付加
    または欠損によって、転写アクチベーターをコードする
    配列とは異なり、その結果、該付加または欠損の位置よ
    り下流に、コード配列のフレームシフトが存在する、請
    求項7に記載のDNA配列。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載のDNA配列であって、
    (a)植物遺伝子の転写アクチベーターの認識ドメイ
    ン;および(b)少なくとも1個のアミノ酸が植物遺伝
    子転写アクチベーターの活性化ドメインとは異なる活性
    化ドメイン;で実質的になるタンパクを実質的に単独で
    コードする、DNA配列。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のDNA配列であっ
    て、前記活性化ドメインをコードする前記配列が、1個
    またはそれ以上のコドンの欠損により、天然の活性化ド
    メインの天然の配列とは異なり、そのことにより前記タ
    ンパクの活性化ドメインが、1個またはそれ以上のアミ
    ノ酸の欠損により天然の活性化ドメインとは異なる、D
    NA配列。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載のDNA配列であっ
    て、前記活性化ドメインをコードする前記配列が、1個
    またはそれ以上のコドンの付加により、天然の活性化ド
    メインの天然の配列とは異なり、そのことにより前記タ
    ンパクの活性化ドメインが、1個またはそれ以上のアミ
    ノ酸の付加により天然の活性化ドメインとは異なる、D
    NA配列。
  12. 【請求項12】 請求項9に記載のDNA配列であっ
    て、1個またはそれ以上のコドンを、異なるアミノ酸を
    コードするコドンと置換することにより、前記活性化ド
    メインをコードする前記配列が天然の活性化ドメインの
    天然の配列とは異なり、その結果、前記タンパクの活性
    化ドメインが、1個またはそれ以上のアミノ酸の置換に
    より天然の活性化ドメインとは異なる、DNA配列。
  13. 【請求項13】 植物遺伝子転写アクチベータータンパ
    クの認識ドメインを唯一の遺伝子生産物として有するD
    NA配列。
  14. 【請求項14】 植物遺伝子転写アクチベータータンパ
    クの認識ドメインで実質的になるタンパク。
  15. 【請求項15】 植物細胞における前記DNA配列の発
    現を引き起こす植物調節配列に作動可能に連結した請求
    項7に記載のDNA配列を有する、発現カセット。
  16. 【請求項16】 細菌細胞中で前記発現カセットの複製
    を引き起こす細菌発現調節配列に作動可能に連結した請
    求項15に記載の発現カセットを有する、細菌の形質転
    換用ベクター。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の細菌の形質転換用
    ベクターの少なくとも1個のコピーを外来プラスミドと
    して含有している、細菌細胞。
  18. 【請求項18】 請求項15に記載の発現カセットのD
    NA配列の少なくとも1個のコピーを外来DNAとして
    含有している、形質転換植物細胞。
  19. 【請求項19】 単子葉植物種の細胞であることをさら
    に特徴とする、請求項18に記載の形質転換細胞。
  20. 【請求項20】 トウモロコシ、サトウモロコシ、コム
    ギ、ライコムギ、またはイネの細胞であることをさらに
    特徴とする、請求項19に記載の形質転換細胞。
  21. 【請求項21】 双子葉植物種の細胞であることをさら
    に特徴とする、請求項18に記載の形質転換細胞。
  22. 【請求項22】 ダイズ、アルファルファ、タバコ、ヒ
    マワリ、カノラ(canola)またはトマトの細胞で
    あることをさらに特徴とする、請求項21に記載の形質
    転換細胞。
  23. 【請求項23】 請求項20に記載の細胞を包含する、
    トウモロコシの細胞または組織培養物。
  24. 【請求項24】 請求項15に記載の発現カセットのD
    NA配列の少なくとも1個のコピーを外来DNAとして
    含有している、形質転換されたトウモロコシ植物体。
JP3232060A 1990-09-12 1991-09-11 改変型転写アクチベーターを用いた植物における遺伝子転写の不活性化 Withdrawn JPH05130873A (ja)

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