JPH05130021A - 移動通信無線チヤネル切替え方式 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 移動通信システムの無線チャネル切替え方法
に関し、無線セル間通信チャネル切替えを行なう際の網
側の制御上の負担を軽減することを目的とする。 【構成】 移動局１と基地局２の内少なくとも一方にお
いて無線チャネルの品質劣化を検知し、移動局が移行先
３の無線セルを選択し、現在通信中のチャネルを接続し
たままで移行後に使用する無線チャネルを設定し、無線
基地局３が交換局４に対して、現在通信中の無線基地局
と交換局との間の回線を移行先の無線基地局と交換局と
の間の回線に切替えるよう指示し、移動局が移行前の無
線基地局に対し無線チャネルの開放を指示するように構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は交換局、移動局、および
複数の無線基地局から構成され、それぞれの無線基地局
によって形成される無線セルの集合によってサービスエ
リアが形成される移動通信システムにおける通信チャネ
ルの切替え方式に関し、特に、無線セル間通信チャネル
切替えを行なう際の網側の制御上の負担を軽減すること
のできるチャネル切替え方式に係る。

【０００２】

【従来の技術】図６は移動通信システムの無線セルの構
成の例を示す図である。同図に示す様に、移動通信にお
いては、限られた周波数帯域で多数の加入者が同時に通
信を行なうことを可能にするために、複数の無線セルに
サービスエリアを分割し、近接する無線セルでは異なる
周波数を使用し、電波が干渉する可能性の低い無線セル
同士１０１，１０２，１０３では同一の周波数ｆ１，ｆ
２，ｆ３を使用することで、周波数の有効利用を図って
いる。これを周波数の繰り返し利用という。

【０００３】移動局が通信中にセル間の境界を横断する
毎に、移動局あるいは、無線基地局において受信電界監
視を行なって、無線通信回線の品質劣化を検知したとき
には、使用する無線チャネルを切替えて、通信を続行す
る。

【０００４】ディジタル移動通信においては、時分割多
重方式が一般的である。以下図７を用いて、３チャネル
時分割多重方式の場合について説明する。同図に示すよ
うに３チャネル時分割多重方式移動通信では移動局は、
同図に数字符１０４で示す１フレームを３つの時間帯１
０４ａ，１０４ｂ，１０４ｃに分割し、送信に１０４ａ
を、受信に１０４ｂを、１つずつを用いるので、送信も
受信も行なわない空き時間帯１０４ｃが１つ生じる。各
無線基地局は移動局制御のために常時電波を送出してい
る一時制御チャネル（以下止り木チャネルと呼ぶ）を有
している。そこで移動局は空き時間帯１０４ｃを用い
て、周辺無線基地局の止り木チャネルの受信レベル測定
を行ない、下り無線回線の品質を考慮した移行先のセル
選択を実現している。

【０００５】セル間通信チャネル切替え時の制御信号の
シーケンスを図８に示す。無線基地局１０６あるいは移
動局１０５は上記のように常時通信品質を監視してお
り、品質劣化を検知すると、無線基地局１０６は移動局
１０５に図９で示すフォーマットの信号１１０ａで止り
木チャネルの受信レベル測定を行なうべき周辺無線基地
局を通知し移動局１０５は通知された周辺無線基地局の
うち測定結果が良好であった無線基地局１０７を選択す
る。移動局１０５は無線基地局１０７に対し、空きチャ
ネルの検索と指定を無線基地局１０６及び制御局１０８
を介して信号ｆ，ｇ，ｈによって要求し、無線基地局１
０７を移動局１０５に対するセル移行後に使用するチャ
ネルの指定を図１０に示すフォーマットの信号によっ
て、制御局１０８、無線基地局１０６を経由して行な
う。その信号の流れをｉ，ｊ，ｋで示す。

【０００６】移行前セルの無線基地局１０６は移動局１
０５に対してチャネル指定信号を送出した時点（旧リン
クによる通信続行中）に交換局１０９に図１１に示すフ
ォーマットの新リンク接続要求信号ｍを送出する。

【０００７】交換局は図１２に示す構成をとっており、
移動通信網と固定通信網を接続する出回線１１０ａ，１
１０ｂ，１１０ｃと無線基地局からの入り回線１１１
ａ，１１１ｂ，１１１ｃを接続している。

【０００８】同図において交換局１０９は無線基地局１
０６からのチャネル切替え要求を受信すると、現在使用
中の無線回線と接続されている入り回線１１１ａと出回
線１１０ａを接続したまま、セル移行後に使用する新入
り回線１１１ｂを出回線１１０ａに接続し、接続完了報
告信号を図１３に示すフォーマットで無線基地局１０７
に、図８に示す信号ｎとして送出し、無線基地局１０７
と移動局１０５は同期信号ｏ，ｐ，ｑ，ｒをやりとりし
て通信リンクを確立する。

【０００９】無線基地局１０７は、移行前のセルの無線
基地局１０６及び、交換局１０９に対して図１４に示す
同期確立報告信号を図８に示す信号ｓ，ｔとして送出す
る。それを受けて、無線基地局１０６と交換局１０９は
同時に旧通信リンクの切断操作を行ない、移動局１０５
は周波数を切替え、通信を続行する。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】上述したような従来の
制御手順では、無線基地局間の制御情報のやりとりを、
上位局が中継しなければならないため、固定網の交換機
を用いようとすると、ソフトウェアの大幅な変更をしな
ければならないという問題点があった。

【００１１】また、移動局と移行先セルの無線基地局の
制御情報のやりとりは、移行前の無線基地局及び上位局
を介して行なわれるが、現在移動通信においては、加入
者容量の増大から上位局にかかる制御負担の増大を抑制
することが求められており、上記の様な制御情報の単な
る中継操作を上位局に行なわせる制御手順はこの要請を
満たさないと言う問題点もあった。

【００１２】本発明は、セル間通信チャネル切替えを行
なう際の網側の制御負担、とりわけ、制御情報トラヒッ
クを軽減することのできる制御手段を提供することを目
的としている。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明は前記特許請求の
範囲に記載したとおり、交換局、移動局、複数の無線基
地局から構成され、サービスエリアを上記無線基地局に
よって形成される無線セルに分割して通信接続を行なう
移動通信方式において、通信に供している無線通信チャ
ネルの品質劣化を検知する第１の機能を移動局または、
移動局と無線基地局の双方に具備せしめると共に、移行
先の無線セルを選択する第２の機能及び、現在通信に供
している無線通信チャネルを接続した状態で、上記第２
の機能により選択された移行先セルの無線基地局に対し
て、移行先セルの無線チャネルを介してセル移行後に使
用する無線通信チャネルを設定する第３の機能を移動局
に具備せしめ、更に、交換局に対して現在通信に供して
いる無線基地局と交換局との間の回線を上記移行先無線
基地局と交換局との間の回線に切替えるべく指示する第
４の機能を無線基地局または、移動局に具備せしめると
共に、移行前の無線基地局に対し、使用中の無線通信チ
ャネルの開放を指示する第５の機能を移動局に具備せし
めて、上記第１の機能によって通信チャネルの品質劣化
を検知し、第２の機能により選択した移行先セルにおい
て、第３の機能により新通信チャネルを設定し、第４の
機能および、第５の機能によって、無線通信チャネルを
切替えるように制御する移動通信無線チャネル切替え方
式である。

【００１４】

【作用】従来、セル間通信チャネル切替えを行なう際に
は、移動局が選択した移行先セルの無線基地局に対して
行なうセル境界横断後通信に使用する空き無線通信チャ
ネルの指定要求、並びに上記要求信号を受信した移行先
の無線基地局が移動局に対して行なう空き無線通信チャ
ネルの指定、をチャネル切替え時まで移動局が在圏した
セルの無線基地局及び制御局等の上位局を介して行なっ
ていたが、本発明の方式においては、上記の制御情報の
やりとりを、移動局及び移行先セルの無線基地局が、移
行先セルの制御チャネルを通じて直接行なうことを特徴
とする。

【００１５】従来の技術とは、通信チャネル指定を可能
な限りネットワークの上位の階層を媒介せずに、無線区
間を用いてネットワーク中の無線基地局以下の階層のみ
によって行なう点が異なる。

【００１６】

【実施例】図１に本発明の一実施例のセル間通信チャネ
ル切替えの制御信号のシーケンスを示す。通信中の移動
局１、あるいは該移動局１と現在通信している無線基地
局２が、無線通信チャネルの品質劣化を従来から行なわ
れている手順により検出すると、移動局１は、送信も受
信も行なわない、空き時間帯を用いて、移行先セルの選
択を行ない、選択した移行先セルの無線基地局３に対し
て、制御チャネルへのランダムアクセスを行なって、空
きチャネルの指定を要求する信号１ａを送出する。無線
基地局３は空きチャネルを検索して、移動局１に対して
制御チャネルを介して、先に示した図１０のフォーマッ
トでセル移行後使用する通信チャネルの指定信号３ａを
送出する。

【００１７】チャネル指定信号の送出がすむと、無線基
地局３は交換局４に対し、新リンク要求信号を先に示し
た図１１に示すフォーマットで信号３ｂとして送出し、
交換局４は従来から行なわれている手順によって、旧入
り回線と出回線を接続したまま、無線基地局３から指定
された新入り回線を出回線に接続する。交換局４が接続
動作が完了したことを無線基地局３に先に図１３に示し
たフォーマットを示す信号４ａで通知すると、信号３ａ
によって指定されたチャネルについて、まず無線基地局
３側から、同期信号３ｃを送出し、同期が完了すると、
移動局１側から同期完了信号１ｂ及び同期信号１ｃを送
出して、無線基地局３は同期が完了すると同期完了信号
３ｄを送信する。

【００１８】移動局１は新回線において上り回線下り回
線とも同期が完了した時点（旧リンクによる通信続行
中）に無線基地局２及び、無線基地局３を介して交換局
４に同期確立報告信号１ｄ，１ｅを図１４に示すフォー
マットで送出する。

【００１９】交換局４は無線基地局からの同期確立報告
を受信すると、現在使用中の無線回線と接続されている
入り回線を切断し、無線基地局２は旧通信チャネルを開
放して、新無線通信チャネルを用いた通信が開始され
る。

【００２０】図２に、セル移行が異なる交換局配下の無
線セルにわたって行なわれた場合の制御手順を示す。同
図において、図１に基づいて説明した前記手順と同様の
手順によってセル移行後使用する通信チャネルが選択さ
れると、無線基地局５は交換局７に対し、現在移動局９
が使用している無線基地局６と交換局８との間の入り回
線１０と接続されている交換局８を図１０のフォーマッ
トの信号で通知し、交換局８でスイッチの切替えを行な
い、使用中の出回線１２を、交換局７と交換局８を結ぶ
回線１１と接続する。上記の制御手順の信号のシーケン
スを図３に示す。

【００２１】また、干渉などのために無線通信チャネル
の品質が劣化し、同一のセル内で通信チャネル切替えを
行なう場合は、通信チャネルに付随した制御チャネルに
より、無線基地局からチャネル指定を受けて通信を続行
する。無線基地局と移動局の間でやりとりされる制御信
号のシーケンスを図４に示す。

【００２２】周波数分割多重方式においては、上記の時
分割多重方式の場合において空き時間帯に行なっていた
止り木チャネルの受信レベル測定を、通信に用いる送受
信機とは別個の送受信機を一組移動局に具備せしめて行
なうことにより、上記の手順を実現することが可能であ
る。

【００２３】上記の他に、他の実施例として、移行前の
セルの無線基地局を介して交換局に旧入り回線と新入り
回線を通知する制御も考えられる。図５にその制御手順
の信号シーケンスを示す。同図において、移動局１３は
移行先セルの無線基地局１４の基地局番号と無線基地局
１４から指定された通信チャネルを図１４に示すフォー
マットで現在在圏中のセルの無線基地局１５に信号１３
ａで報告する。無線基地局１５は交換局１６に現在使用
中の入り回線番号と、移行先のセル、移行後使用する通
信チャネル番号を信号１５ａで通知し、交換局は図１に
より説明した場合と同じ制御手順で出回線と接続される
入り回線を切替える。

【００２４】

【発明の効果】本発明によれば、交換局は無線基地局間
のチャネル切替えに関する制御情報のやりとりをせずに
すむため、固定網の交換機を移動通信システムに用いた
場合でも、交換機のソフトウェアの変更が少なくてすむ
利点がある。

【００２５】従来、セル間通信チャネル切替えの際に
は、移行先セルの無線基地局との通信チャネル指定に関
する制御情報のやりとりを、移行前の無線基地局及び制
御局を介して行なっていた。しかし、移動通信の加入者
の激増にともない、制御局等の上位局の制御負担が増加
しており、上位局で行なう必要のない操作（通信チャネ
ル指定において上位局で行なう必要がある制御は交換局
のスイッチの切替え操作のみである）は無線基地局以下
のレベル（無線基地局乃至は移動局）で行ない、上記の
様な無線基地局間の制御情報の中継操作などからは、上
位局を解放することが望まれている。

【００２６】本発明の方式では、移動局が空きチャネル
の検索、指定を移行先セルの無線基地局に、また、旧回
線の解放を移行前のセルの無線基地局に、直接要求する
ため、網側の制御情報トラヒックを最小限に軽減出来
る。特に、図５に基づいて説明した移動局がチャネル指
定を受けた後、移行前のセルの通信チャネルに付随した
制御チャネルで制御情報をやりとりする方式では、無線
チャネルに対するランダムアクセスの回数を更に軽減す
ることが可能であり、より効率よく信頼性の高いチャネ
ル切替えが実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例のセル間通信チャネル切替え
の制御信号のシーケンスを示す図である。

【図２】移動局が異なる交換局配下の無線セルにわたる
セル移行を行なった場合のチャネル切替え手順を示す図
である。

【図３】移動局が異なる交換局配下の無線セルにわたる
セル移行を行なった場合のチャネル切替え手順の信号シ
ーケンスを示す図である。

【図４】本発明によるセル内通信チャネル切替えを行な
った場合の信号シーケンスを示す図である。

【図５】本発明の他の実施例の制御手順の信号シーケン
スを示す図である。

【図６】移動通信の無線セルの構成の例を示す図であ
る。

【図７】３チャネル時分割多重方式のフレーム構成の例
を示す図である。

【図８】従来の通信チャネル切替え手順の信号の流れを
示す図である。

【図９】無線基地局から移動局に対して送出する止り木
チャネルの受信レベル測定を行なうセルを指定する信号
のフォーマットを示す図である。

【図１０】移行先セルの無線基地局から送出される通信
チャネル指定信号のフォーマットを示す図である。

【図１１】交換局に対して送出される新リンク接続要求
信号のフォーマットを示す図である。

【図１２】交換局の構成の例を示す図である。

【図１３】接続完了報告信号のフォーマットを示す図で
ある。

【図１４】同期確立信号のフォーマットを示す図であ
る。

【符号の説明】

１，９，１３ 移動局 １ａ，１ｂ，１ｃ，１ｄ，１ｅ，１３ａ 移動局から
の信号 ２，６ 接続中の無線基地局 ３，５，１４ 移行先のセルの無線基地局 ３ａ，３ｂ，３ｃ，３ｄ 移行先の無線基地局からの
信号 ４，７，８，１６ 交換局 ４ａ 交換局からの信号 １０，１１，１２ 通信回線 １５ 在圏中のセルの無線基地局 １５ａ 在圏中のセルの無線基地局からの信号

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 交換局、移動局、複数の無線基地局から
   構成され、サービスエリアを上記無線基地局によって形
   成される無線セルに分割して通信接続を行なう移動通信
   方式において、 通信に供している無線通信チャネルの品質劣化を検知す
   る第１の機能を移動局または、移動局と無線基地局の双
   方に具備せしめると共に、 移動先の無線セルを選択する第２の機能、 及び、現在通信に供している無線通信チャネルを接続し
   た状態で、上記第２の機能により選択された移行先セル
   の無線基地局に対して、移行先セルの無線チャネルを介
   してセル移行後に使用する無線通信チャネルを設定する
   第３の機能を移動局に具備せしめ、 更に、交換局に対して現在通信に供している無線基地局
   と交換局との間の回線を上記移行先無線基地局と交換局
   との間の回線に切替えるべく指示する第４の機能を無線
   基地局または移動局に具備せしめると共に、 移行前の無線基地局に対し、使用中の無線通信チャネル
   の開放を指示する第５の機能を移動局に具備せしめて、 上記第１の機能によって通信チャネルの品質劣化を検知
   し、第２の機能により選択した移行先セルにおいて、第
   ３の機能により新通信チャネルを設定し、第４の機能お
   よび、第５の機能によって、無線通信チャネルを切替え
   ることを特徴とする移動通信無線チャネル切替え方式。