JPH05128513A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH05128513A
JPH05128513A JP28830991A JP28830991A JPH05128513A JP H05128513 A JPH05128513 A JP H05128513A JP 28830991 A JP28830991 A JP 28830991A JP 28830991 A JP28830991 A JP 28830991A JP H05128513 A JPH05128513 A JP H05128513A
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JP
Japan
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magnetic recording
recording medium
vapor
electron beam
layer
Prior art date
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Pending
Application number
JP28830991A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Shinohara
紘一 篠原
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 VTR等のような高密度磁気記録に使用され
る磁気記録媒体の製造方法において、短波長でのC/N
特性と耐久性とがトレードオフの関係にあるという問題
を解決し、耐久性を低下させずにC/Nを向上させた磁
気記録媒体の製造を可能にする方法を提供することを目
的とする。 【構成】 蒸着材料10を加熱する電子ビーム12を照
射角を2水準に偏向した電子ビーム、13,14に分け
て蒸気分布を変化させて蒸着するようにしたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度磁気記録に適し
た、強磁性金属薄膜を磁気記録層とする磁気記録媒体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高密度磁気記録の進展は目覚し
く、次期のビデオのフォーマットでは、高品位TV信号
の情報量増大に対処するため1μ2/bitの高記録密度が
目標とされ、議論されている。ここでは蒸着テープがひ
とつの候補として取り上げられ、その性能向上に期待が
かけられている。蒸着テープは、円筒キャンに沿わせて
ポリエチレンテレフタレートフィルム(形状付与したも
のが一般的に利用されている)を移動させながら、連続
的に入射角の変化する斜め蒸着で1層から3層までの構
成の蒸着磁性層を形成することで磁気記録層を得てい
る。この際、酸素ガスを導入し、柱状微粒子の表面を非
磁性酸化物とすることで特性向上を図っている。
【0003】以下に、従来の磁気記録媒体の製造方法に
ついて図面に沿って説明する。図2は従来の磁気記録媒
体の製造方法を実施するのに用いる磁気記録媒体の製造
装置の要部構成図である。
【0004】図2で、1はポリエチレンテレフタレート
等の高分子フィルムで、2は巻出し軸、3は巻取り軸、
4は円筒キャン、5は電子ビーム蒸発源、6は電子ビー
ム、7は蒸着に供される蒸気流、8はマスク、9は酸素
ガス等を導入するためのガス導入ノズルである。
【0005】この装置によって、あらかじめ10-6(To
rr)台に予備排気した後、電子ビーム加熱により強磁性
金属を加熱蒸発させ、例えば酸素ガスを一定量導入しな
がら0.1〜0.3μmの膜厚範囲で蒸着を行う。その
際、円筒キャン4は−30℃〜10℃の範囲で冷却され
高分子フィルム1の熱ダメージを防止するようにする。
又、電子ビーム6は、集束され、偏向磁界の作用で、多
くの場合、高分子フィルム1の移動方向と直交する方向
に一軸に走査され、幅方向に均一な特性の磁気記録層を
形成するように走査波形が調整される。そして酸素ガス
は、磁気記録層の表面酸化層が耐久性の点から極めて重
要なことから多くの場合、マスク8で最小入射角を決め
る位置の付近から導入することが採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の製造方
法では、出力とC/Nを共に改善しようとすると、磁性
層を2〜3層と積層構成にする必要があり、生産性の面
で改善が必要であると共に、積層構成の磁気記録層は、
耐久性の面で単層のものより劣る点があり改善が望まれ
ていた。
【0007】本発明は上記した事情に鑑みなされたもの
で、単層構造の耐久性と積層構成の出力、C/Nの良さ
を兼ね備えた磁気記録媒体を製造する方法を提供するも
のである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ため、本発明の磁気記録媒体の製造方法は、回転支持体
に沿って移動する高分子フィルム上に、強磁性金属を電
子ビーム蒸着する際、加熱ビームの照射の角度を異なる
2種とし、その間の角度にビームを振動入射させるよう
にしたものである。
【0009】
【作用】本発明の磁気記録媒体の製造方法は、上記した
構成により、蒸気流が2ピークの蒸気分布をもつことに
なり、酸素ガス導入と組み合わせることで、単層の膜で
あっても柱状微粒子を個々にみると、間で2層と同じ働
きをするような非磁性層を効率良く形成でき、従来の2
層構成よりもその非磁性層厚みを薄くできるのでより高
出力化に適するものである。このようにして単層であり
ながら出力,C/Nを高めることができ、耐久性のある
高出力,高C/Nテープを得ることができることにな
る。
【0010】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の一実施例について、図面を
参照しながら説明する。図1は本発明の一実施例の磁気
記録媒体の製造方法の説明図である。図1(a)は、電
子ビーム蒸発源の説明図で、10は蒸着材料でCo,C
o−Ni,Co−Cr等で材料の補給については適宜工
夫すれば良い。11は蒸着材料を多くの場合溶融状態
(昇華材は別)で収納する蒸発源容器で、12は15kV
〜60kVに加速された集束電子ビームで、13,14は
電子ビーム12を偏向磁界発生器15の磁界制御により
2種類の軌道に振りわけられた電子ビーム(13をビー
ムA、14をビームBと呼ぶ)で、ビームA,ビームB
の時間振りわけについては、ビームAをT A(sec)ビー
ムBをTB(sec)とすると、TA+TBは5(msec)から
50(msec)の範囲でTA:TBは10〜1/10の範囲
で調整し、目的の蒸着に適合化すれば良い。又ビームの
照射角については、図1(b)にて説明する。図1
(b)は電子ビームの照射によって生じた蒸気分布を模
式的に示したもので、蒸気流AはビームAの照射によっ
て生じたものを表わし、蒸気流Bは、ビームBの照射に
よって生じたものを表わし、蒸気流Cは、移動する高分
子フィルムに蒸着される蒸発原子の等価的な蒸気流の分
布を表わすものである。この分布の制御はビームA,ビ
ームBの制御パラメータである、パワー,集束度,TA,
Bの設定は勿論、ビームA,Bの照射角の条件によっ
て行えるもので、図1(a)に示した照射角の両者の差
である角αは20度以上50度迄の範囲が好ましく、従
来より行われている照射点で100(Hz)程度の周波数
で振幅20〜30mm振動させるものとは異なる効果を発
揮するものである。等価的な蒸気流分布は、単一蒸気流
と異なり、図1(b)に示すように、ハート型のよう
に、中央近くの蒸発量を少なくしたようにもできるし、
中央近くの蒸発量のみを突出させることもでき、目的の
蒸着によって制御できるものである。一例として、ハー
ト型の分布に制御することで、図1(c)の蒸着膜の深
さ方向の元素分布をオージェ電子分光法で測定した結果
を示したように、酸素とCo元素の量の比率が深さ方向
で異なり、図中のZoneIとZoneIIにCoの酸化
によってできる非磁性部ができることを示したもので、
この分布は、柱状微粒子が内部の深さ方向のある部分で
(中央とは限らないが)非磁性分離層を持つことにな
り、2層蒸着膜と同じように後述する優れたC/Nをも
った上で耐久性を同時に満足できる構成となっているこ
とを示すものである。
【0011】厚み10μmの粗さ16nmの微粒子塗布層
をもったポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、
直径1.5mの円筒キャンに沿わせて、入射角90度か
ら30度迄の範囲でCo−Ni(Ni:20wt%)を電
子ビーム蒸着した。酸素ガスを入射角が20度となる線
上で、マスクの内側に配し、酸素を導入できるようにし
た。電子ビーム蒸発源は、蒸発源容器をMgOのボート
型とし、実施例Aは40(kV)の電子線を2種類の照射
角のなす角αを28°とし、TA=5(msec),TB=8
(msec)とし、酸素は0.6(l/min)導入し、Co
−Ni−O膜を0.14μm形成した。実施例Bは、4
0(kV)の電子線を2種類の照射角のなす角を40度と
し、TA=10(msec),TB=5(msec)とし酸素は
0.7(l/min)導入し、Co−Ni−O膜を0.1
4μm形成した。実施例Cは30(kV)の電子線を2種
類の照射角22度とし、TA=30(msec),TB=30
(msec)とし、酸素は0.5(l/min)導入し、Co
−Ni−O膜を0.12μm形成した。従来例は40
(kV)の電子線をほぼ垂直入射させて蒸着した。酸素導
入は0.9(l/min)とし、1層目と2層目は同一条
件で2層として0.16μmとなるように形成した。夫
々、パーフルオロアラキン酸を約50Å塗布し、8ミリ
テープとしハイバンド8ミリでの輝度信号のC/Nを相
対比較し、耐久性は、3℃10%RHのスチル特性で比
較した。
【0012】本実施例によって製造された磁気記録媒体
の特性と従来の方法によって製造された磁気記録媒体の
特性を(表1)に比較して示している。
【0013】
【表1】
【0014】この(表1)から明らかなように、本実施
例によって製造された磁気記録媒体は、従来の2層構成
と同じ程度の優れたC/Nと、単層品のスチル耐久性を
兼ね備えた優れた実用性を有するものである。
【0015】以上のように、本実施例によれば、電子ビ
ーム蒸発源の加熱蒸発を照射角の異なる2水準に振動さ
せて行うことで、単層構造の柱状微粒子でありながら、
2層構造の柱状微粒子と磁気的に近づいた磁性層を製造
でき、耐久性とC/Nの優れた磁気記録媒体を量産する
ことができる。
【0016】なお、前述の実施例において、酸素を導入
した例をのべたが、酸素を導入せずに蒸着し、高入射角
側の蒸気成分を増大させて結晶磁気異方性を大きくし、
角型性の良い強磁性金属薄膜を形成する上でも効果があ
るし、磁気テープはもとより磁気ディスクの製造におい
ても有用であることは言うまでもない。
【0017】
【発明の効果】以上のように本発明は、電子ビーム加熱
の入射ビームの照射角を2水準振動させることにより、
C/Nとスチル耐久性の優れた磁気記録媒体を製造する
方法を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施例における電子ビーム
加熱の照射方向説明図 (b)は蒸気分布説明図 (c)は蒸着膜のオージェ電子分光による深さ方向の元
素分布図
【図2】従来の蒸着装置の要部構成図
【符号の説明】
10 蒸着材料 12 電子ビーム 13 電子ビーム 14 電子ビーム

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転支持体に沿って移動する高分子フィル
    ムに強磁性金属を電子ビーム蒸着する際、電子ビーム加
    熱の入射ビームの照射角を異なる2種類の角度に振動さ
    せることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
JP28830991A 1991-11-05 1991-11-05 磁気記録媒体の製造方法 Pending JPH05128513A (ja)

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