JPH0512838U - フインガータツチコントロールトランスミツシヨン装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】チェンジレバーの操作位置に応じてギヤ列の切
換操作をスムースに行うことができるようにする。 【構成】チェンジレバー５が動かされてから一定時間経
過してもギヤ列が目標段にならない場合は、非常回路１
８が操作系内に開放され、通常回路１７からのエア圧Ｐ
１よりも高いエア圧Ｐ２を操作系に供給する。これによ
り、通常回路１７内のエア圧Ｐ１が低圧警報以下になら
なくても、ギヤ列の切り換えがしにくく一定時間以上切
り換え操作に時間を要するようなときには、非常回路１
８から高いエア圧Ｐ２を操作系に供給して切り換え操作
を行わせるので、多少の悪条件にあっても支障なく切り
換えできる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、フィンガータッチコントロールトランスミッション装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、チェンジレバーユニットを運転者が切換操作し、これより出力され る変速信号をコントロールボックスが処理してギヤシフトユニットに出力し、こ のギヤシフトユニットがミッションのギヤ列を切り換えると言う、いわゆるフィ ンガータッチコントロールトランスミッションが知られている。

【０００３】 図３は、この種のフィンガータッチコントロールトランスミッション装置を用 いた車両の一例を示す概略構成ブロック図で、車両Ｃの運転席に配設され変速段 を指定するシフト指令信号およびセレクト指令信号を出力するためのチェンジレ バーユニット１と、車両Ｃにおける変速機２のギヤ列を切り換え操作するための ギヤシフトユニット３と、各変速指令信号を受け、その信号に応じて変速機２内 のギヤ列を切り換える操作信号をギヤシフトユニット３に出力するための信号処 理ユニット４とを備えた構成になっている。

【０００４】 そして、この構成では、チェンジレバーユニット１よりシフト信号およびセレ クト指令信号を信号処理ユニット４が受けると、この信号処理ユニット４は目標 変速段に現変速段を切り換えるための信号をギヤシフトユニット３の所定の電磁 弁に出力する。これにより、ギヤシフトユニット３は、変速機のギヤ列を変速指 令信号に応じた変速段に切り換えることができる状態になっている。

【０００５】 また、チェンジレバーユニット１は、チェンジレバー５と連動する図示せぬレ バー位置情報発生手段を備え、このレバー位置情報発生手段はチェンジレバー５ が現変速段指令位置より目標変速段指令位置に達した時にセレクト方向およびシ フト方向の各変速指令信号を出力する。そして、この変速指令信号を受け取った 後、信号処理ユニット４がギヤシフトユニット３の所定の電磁弁に変速操作信号 を出力する。すると、変速操作信号により電磁弁が開閉作動し、その上で図示せ ぬ高圧エア源からのエアがギヤシフトユニット３内のエアシリンダに供給され、 これによりそのエアシリンダが変速機２内のギヤ列切換操作系を駆動し、ギヤ列 を目標変速段に切り換えている。ここで、一般に高圧エア源としては、エンジン により駆動されるエアコンプレッサーによって生成される空気圧を貯えておき必 要に応じてエアブレーキ系に供給するようにされたエアタンク内のエア等が使用 される。

【０００６】 しかし、このエアブレーキ系に供給するようにされたエアタンク内のエアを高 圧エア源としているフィンガータッチコントロールトランスミッション装置では 、エアタンク内の圧力Ｐ１が通常では7.5ksf／cm²程度で使用されているのに対 して4.8〜5.2ksf／cm²以下になるとギヤシフトユニット３の出力も低下し、変速 機２のギヤ列を変速指令信号に応じた変速段に切り換えることができなくなる場 合がある。そこで、従来では、上記主のエアタンクに加えてエア圧が例えば8.9k sf／cm²程度に保持されている副のエアタンクを設け、主エアタンク内の圧力Ｐ １が上記4.8〜5.2ksf／cm²以下になった場合に、副エアタンク内のエア圧Ｐ２を シフトユニット３内のエアシリンダに供給するようにした構造も採られている。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

上述したように、従来のフィンガータッチコントロールトランスミッション装 置では、主エアタンク内のエア圧Ｐ１が許容圧力（4.8〜5.2ksf／cm²）以下にな った場合に、別途高い圧力Ｐ２（8.9ksf／cm²）を供給できる副エアタンクを備 えた構造のものもあるが、主エアタンク内のエア圧Ｐ１が許容圧力以下にならな ければ副エアタンク内のエア圧Ｐ２は使用できなかった。しかしながら、例えば トランスミッション装置内の機械系に渋りがあったり、あるいはこの機械系の潤 滑に高粘度オイルを使用していたりすると冬期寒冷地でギヤ列の切り換えがしに くくなり、シフト時間が極端に増大する場合がある等の問題点があった。

【０００８】 本考案は、上記問題点に鑑みてなされてものであり、その目的はチェンジレバ ーの操作位置に応じてギヤ列の切換操作をスムースに行うことができる構造にし たフィンガータッチコントロールトランスミッション装置を提供することにある 。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案に係るフィンガータッチコントロールトラン スミッション装置は、チェンジレバーと連動して変速機のギヤ列をエア圧で切り 換え操作するための操作系を有したギヤシフトユニットと、前記操作系に前記エ ア圧を供給可能な主エアタンクを有する通常回路と、前記通常回路よりも高いエ ア圧を前記操作系に供給可能な副エアタンクおよびこの副エアタンクと前記操作 系との間に配設された常閉バルブを有した非常回路と、前記ギヤ列のギヤ位置情 報を出力するギヤ位置センサと、前記チェンジレバーの動作開始から前記ギヤ列 の切り換え操作完了までの時間を計るためのタイマと、前記チェンジレバーが動 かされてから一定時間経過しても前記ギヤ列が目標段にならないときに前記常閉 バルブを開放させて前記非常回路より前記操作系内に高エア圧を供給する制御手 段とを備えたものである。

【００１０】

【作用】

この構成によれば、チェンジレバーが動かされてから一定時間経過してもギヤ 列が目標段にならない場合は、非常回路が操作系内に開放され、通常回路からの エア圧よりも高いエア圧を操作系に供給することになる。したがって、通常回路 内のエア圧が低圧警報以下にならなくても、ギヤ列の切り換えがしにくく一定時 間以上切り換え操作に時間を要するようなときには、非常回路から高いエア圧を 操作系に供給して切り換え操作を行わせることができるので、多少の悪条件にあ っても支障なくギヤ列の切り換えができる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図面を用いて詳細に説明する。 図１は本考案の一実施例としてのフィンガータッチコントロールトランスミッ ション装置を適用した車両システムの概略構成図で、図３に示した車両と同様に して取り付けられるものであって、図１において図３と同一符号を付したものは 図３におけるものと対応しているものである。

【００１２】 そして、このフィンガータッチコントロールトランスミッション・システムは 、シフト操作を行うチェンジレバーユニット１と、チェンジレバー５の反力用エ ア圧を抜く３−ウェイ・マグネットバルブ６と、制御手段としてのコントロール ・ボックス７からの信号により変速機２の変速を行うギヤシフトユニット３と、 現在使用されている変速機２の段数をギヤ位置センサ８からのギヤ位置情報出力 に基づいて表示するディスプレイ・ユニット９と、クラッチペダル１０を踏み込 んだときのクラッチ切れを検出するクラッチスイッチ１１，１２と、このシステ ムの電気系統が故障したとき車両の移動を行うエマージェンシスイッチ１３と、 エンジンＥの回転状態の情報を出力する回転センサ１４と、チェンジレバー５の 動作開始から変速機２内における図示せぬギヤ列の切り換え操作完了までの時間 を計るためのタイマ１５と、変速機２のギヤ列を切り換え操作するギヤシフトユ ニット３内の図示せぬ操作系を操作するためのエア圧を生成するエアコンプレッ サ１６と、このエアコンプレッサ１６で生成されたエア圧を駆動力として上記操 作系に供給可能な通常回路１７と、同じくエアコンプレッサ１６で生成されたエ アを上記操作系に供給可能な非常回路１８などで構成されている。加えて、エア コンプレッサ１６と通常回路１７および非常回路１８との間には安全バルブ１９ が設けられている。

【００１３】 また、通常回路１７は、チェックバルブ２０，主エアタンク２１，レジューシ ングバルブ２２とでなり、主エアタンク２１内にエアコンプレッサ１６よりエア 圧が加えられ、平時は約7.5ksf／cm²の圧力が蓄積された状態になっている。こ れに対して非常回路１８は、チェックバルブ２３，副エアタンク２４，常閉バル ブとしてのレジューシングバルブ２５とでなり、副エアタンク２１内にエアコン プレッサ１６よりエアが加えられ平時は上記主エアタンク２１のエア圧よりも高 い約8.9ksf／cm²の圧力が蓄積された状態になっている。

【００１４】 図２は、図１に示したシステム内における通常回路１７と非常回路１８とを切 り換え制御する手順を示すフローチャートの一例を示したものである。そこで、 この図２と共に図１に示したシステムの動作を次に説明する。

【００１５】 まず、このシフト処理では、現段階のチェックを行うと共にステップＳＴ１で タイマ１５をリヤットし、チェンジレバーユニット１とギヤシフトユニット３の チェックをステップＳＴ２で行う。そして、このステップＳＴ２でチェンジレバ ー５の位置とギヤ段（ギヤ位置）とが一致しているとき、レジューシングバルブ ２５は閉じたままにして非常回路１８を働かせず、ステップＳＴ３へ進んで通常 回路１７を働かせて再びステップＳＴ１へ戻る。これに対して、クラッチペダル １０が踏み込まれてチェンジレバー５がシフト操作されると、チェンジレバー５ の位置とギヤ位置とは異なった状態になりステップＳＴ４へ進む。すると、この ステップＳＴ４では、ギヤシフトユニット３内の図示せぬ操作系が主タンク２１ 内のエア圧Ｐ１を受けてギヤ列を目標ギヤ位置へシフト操作する。また、これが ステップＳＴ５で検出されるとステップＳＴ６へ進んでタイマ１５をスタートさ せ、ステップＳＴ７を経て再びステップＳＴ２へ戻る。そして、タイマ１５のス タート後、一定時間経ってもギヤ位置センサ８より目標段へ切り換え完了した信 号が得られない場合は、レジューシングバルブ２５を開放し、主タンク２１内の エア圧Ｐ１よりも高いエア圧Ｐ２を有する副タンク２４内のエアをギヤシフトユ ニット３内に供給して強制的に切り換え操作を行わせる（ステップＳＴ８，９） 。その後はステップＳＴ２へ戻り同じ制御を繰り返す。なお、ステップＳＴ６で タイマ１５がスタートし、一定時間が経つ前にギヤ列の切り換えが完了した場合 は、非常回路１８に切り換えられることなく、ステップＳＴ２へ戻る。また、こ の非常回路１８は、図示しないが主エアタンク２１内のエア圧Ｐ１が低下し、低 圧警告圧（約4.8〜5.2ksf／cm²）以下になった場合も通常回路１７から切り換え られて使用されるものである。

【００１６】 したがって、この実施例によるフィンガータッチコントロールトランスミッシ ョン装置では、トランスミッション装置内の機械系に渋りがあったり、潤滑に高 粘度オイルを使用していたりしていたためにギヤ列の切り換えがしにくく、チェ ンジレバー５が動かされてから一定時間経過してもギヤ列が目標段にならないと きには、非常回路１８がギヤシフトユニット３における操作系内に開放され、通 常回路１７からのエア圧よりも高いエア圧を操作系に供給して強制的に切り換え 操作を行うことができることになる。

【００１７】

【考案の効果】

以上説明したとおり、本考案に係るフィンガータッチコントロールトランスミ ッション装置によれば、通常回路内のエア圧が低圧警報以下にならなくても、ギ ヤ列の切り換えがしにくく一定時間以上切り換え操作に時間を要するようなとき には、非常回路から高いエア圧を操作系に供給して切り換え操作を行わせること ができるので、多少の悪条件にあっても支障なくギヤ列の切り換えができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例としてのフィンガータッチコ
ントロールトランスミッション装置を適用した車両シス
テムの概略構成図である。

【図２】図１に示したシステム内における要部の制御手
段の一例を示すフローチャートである。

【図３】従来のフィンガータッチコントロールトランス
ミッション装置を備えた車両の概略構成図である。

【符号の説明】

１ チェンジレバーユニット ２ 変速機 ３ ギヤシャフトユニット ５ チェンジレバー ７ コントロールボックス（制御手段） ８ ギヤ位置センサ １５ タイマ １７ 通常回路 １８ 非常回路 ２１ 主エアタンク ２４ 副エアタンク ２５ レジューシングバルブ（常閉バルブ）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】チェンジレバーと連動して変速機のギヤ列
   をエア圧で切り換え操作するための操作系を有したギヤ
   シフトユニットと、前記操作系に前記エア圧を供給可能
   な主エアタンクを有する通常回路と、前記通常回路より
   も高いエア圧を前記操作系に供給可能な副エアタンクお
   よびこの副エアタンクと前記操作系との間に配設された
   常閉バルブを有した非常回路と、前記ギヤ列のギヤ位置
   情報を出力するギヤ位置センサと、前記チェンジレバー
   の動作開始から前記ギヤ列の切り換え操作完了までの時
   間を計るためのタイマと、前記チェンジレバーが動かさ
   れてから一定時間経過しても前記ギヤ列が目標段になら
   ないときに前記常閉バルブを開放させて前記非常回路よ
   り前記操作系内に高エア圧を供給する制御手段とを備え
   たことを特徴とするフィンガータッチコントロールトラ
   ンスミッション装置。