JPH0512808Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は給湯器の温度制御装置に関するもので
あり、サーモ回路のヒステリシスを切換えること
により温調低設定時の出湯特性を確保し、かつ温
調高設定時の燃焼時間を長くし、全体として器具
の着火回数を低減することを目的としたものであ
る。

従来、暖房兼用給湯器等で暖房時と給湯時とで
ヒステリシスを切換えるものがあるが、給湯器単
独では、例えば特開昭58−158532号公報に記載さ
れている温度検出回路のようにヒステリシスは固
定されていた。しかしながらこれでは、シヤワー
等に使用する温調低設定時の出湯特性を優先すれ
ば温調高設定時にバーナのON−OFF頻度が多く
なり、バーナの耐久性が劣えたり又、バーナがガ
ス化バーナ（例えば実願昭58−10837号公報に示
したバーナ）のような場合には一回の燃焼時間が
短いためバーナ各部の温度が上昇せず、再液化や
白煙の問題があつた。一方、バーナの耐久性等の
上記問題を考慮して温度の出湯にあわせてヒステ
リシス特性を広くとれば、シヤワー等の直接使用
する湯についても温度変動の幅が非常に広くな
り、高めの温度に設定しているのに低めの温度の
湯が出たり、低めの温度に設定しているのに高め
の温度の湯が出たりして、給湯器の使用者に不快
感を与えてしまう問題が生じていた。

このような状況において、給湯器の場合には直
接使用するシヤワー等の温度の温度変動はあまり
許容されるべきものではなくその許容範囲は狭
く、高温の出湯については直接使用する湯と較
べ、比較的にその許容範囲が広いという、給湯器
特有の事情があつた。

そこで、本考案は上記従来の問題点及び上記給
湯器特有の事情にかえりみてなされたものであつ
て、シヤワー等の直接使用する湯のような温度低
設定時にはヒステリシス特性を狭くして温度変動
による不快感を防止し、一方、高温の出湯の温調
高設定時には自動的にヒステリシス特性を広く切
り替えて、温度変動をある程度広めに許容し、オ
ン・オフの頻度を減少させて給湯器の耐久性を向
上すると共に、バーナの再液化、白煙等の防止を
実現する給湯器の温度制御装置を提供することを
目的とする。以下図示の一実施例に従つて説明す
る。(1)は被加熱部（図示せず）に設けたサーミス
タ等の温度検出器であつて、該検出器１は抵抗２
と直列に接続し、この抵抗との接続点を第１の比
較手段としてのオペアンプ３の入力端子に接続し
ている。又、オペアンプ３の基準端子は抵抗４と
温調設定器としての可変抵抗５との接続点に接続
され、出力端子はバーナの駆動回路６に接続され
ている。７は正帰還抵抗、８は抵抗７と並列に接
続され、切換手段としてのＰチヤンネル型FET
９と直列接続された抵抗である。１０は第２の比
較手段としてのオペアンプで、基準端子は抵抗１
１，１２の接続点に、入力端子は抵抗４，５の接
続点に接続されている。又出力端子は抵抗１３を
介して前記FET９のゲートに、抵抗１４を介し
てFETのソースに接続されている。

次にこの回路の動作について説明する。まず温
調用の可変抵抗５を低温に設定した場合、オペア
ンプ１０は高出力となり、FET９は遮断され帰
還抵抗は７のみとなる。始動時、被加熱部の温度
は低いためオペアンプ３の入力電圧は基準電圧を
越えるので、出力は高くなりバーナの駆動回路６
が動作し、バーナ（図示せず）の燃焼が行なわれ
るのである。また、バーナの燃焼により被加熱部
の温度が上昇して、入力電圧が基準電圧以下にな
ればオペアンプ３の出力が低下し、駆動回路６の
動作が停止し、バーナは燃焼を停止するのであ
る。次に温調用の可変抵抗を高温にした場合、オ
ペアンプ１０の入力電圧は抵抗１１，１２で決ま
る基準電圧より低くなり、低出力となつてFET
９を導通させる。するとオペアンプ３の帰還抵抗
は抵抗７，８の並列接続の抵抗値となり、ヒステ
リシスが大きくなるのである。よつてバーナの
ON−OFF頻度は少なくなるのである。

以上のように本考案は、サーモ回路のヒステリ
シスを温調低設定時と温調高設定時とで切換える
ようにしたので、シヤワー等に使用する場合の出
湯特性は確保することができ、しかも微妙な出湯
特性を必要としない高温出湯時には着火回数を少
なくでき、バーナの耐久性の問題を減少させるこ
とができるものである。更に１回の燃焼時間が長
くなるため、バーナにガス化バーナを用いた場合
には再液化や白煙の問題も解消できるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示す電気回路図であ
る。 １……温度検出器、３……オペアンプ、５……
設定器、６……駆動回路、９……FET、１０…
…オペアンプ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 温度検出器１を含んでなり温度検出電圧を出力
   する温度検出回路１，２と、温度を設定するため
   の可変抵抗５を含んでなりこの可変抵抗５を調整
   することにより温度を設定し、それに対応する設
   定電圧を出力する温度設定回路４，５と、前記温
   度検出回路１，２の出力電圧を非反転入力端子に
   入力し前記温度設定回路４，５の出力電圧を反転
   入力端子に入力する第１の比較回路３と、前記第
   １の比較回路３の出力を前記第１の比較回路３の
   非反転入力端子に抵抗７を通して帰還させる第１
   の帰還回路と、前記第１の比較回路３の出力に基
   づき加熱又は停止を行う駆動回路６とを有し、前
   記第１の比較回路３の出力について温度変化によ
   るヒステリシス特性をもたせて前記駆動回路６を
   駆動させる給湯器の温度制御装置において、 ヒステリシス特性を低温設定時と高温設定時と
   に切り替える基準電圧を一方の入力端子に入力
   し、他方の入力端子に前記温度設定回路４，５の
   出力電圧を入力する第２の比較回路１０と、 前記第１の比較回路３の出力を、直列に接続さ
   れた抵抗８とスイツチング手段９とを通して前記
   第１の比較回路３の非反転入力端子に入力し、か
   つ、前記第２の比較回路１０の出力を前記スイツ
   チング手段９のスイツチ切替入力とした第２の帰
   還回路と、 を具備したことを特徴とする給湯器の温度制御装
   置。