JPH05127132A - 視力矯正用レンズの製造方法 - Google Patents

視力矯正用レンズの製造方法

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JPH05127132A
JPH05127132A JP3286821A JP28682191A JPH05127132A JP H05127132 A JPH05127132 A JP H05127132A JP 3286821 A JP3286821 A JP 3286821A JP 28682191 A JP28682191 A JP 28682191A JP H05127132 A JPH05127132 A JP H05127132A
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plastic material
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contact lens
monomers
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Yasuhiro Koike
康博 小池
Eisuke Nihei
栄輔 二瓶
Masamitsu Kuriaki
政光 栗秋
Kanichi Nakamura
完一 中村
Naokatsu Tanahashi
直勝 棚橋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明性に優れた、例えばコンタクトレンズや
眼内レンズ、特に老視用の多焦点(例えば、中心部に近
用視領域、周辺部に遠用視領域、あるいは逆に中心部に
遠用視領域、周辺部に近用視領域を与える2焦点)を有
するコンタクトレンズや眼内レンズを簡単にして提供す
ることである。 【構成】 プラスチック材の孔又は凹部に少なくとも一
種の重合性のモノマーと少なくとも一種の非重合性の化
合物とを注入する工程と、該モノマー分子の拡散を行わ
せ、重合処理する工程とを具備するコンタクトレンズの
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンタクトレンズ又は
眼内レンズの製造方法に関するものである。
【0002】
【発明の背景】現在、視力矯正を目的としてコンタクト
レンズや眼内レンズが用いられていることは周知であ
り、そして今後もその利用者、特にコンタクトレンズの
利用者は益々増大していくものと思われる。尚、若年層
における近視用コンタクトレンズの利用者はそれ以外の
年齢層に比べて多い。ところで、これら若年層における
年齢が上昇するに伴い、老視用コンタクトレンズの要求
が高まっていくものと考えられるものの、老視用のコン
タクトレンズは現在のところ提供されていない。
【0003】この原因としては、老視用のコンタクトレ
ンズは一枚のレンズで遠視用と近視用の視力矯正を可能
とすることが要求されるものであり、コンタクトレンズ
にこのような要求を実現させることが極めて困難であっ
たからである。すなわち、眼鏡用のレンズは、その大き
さが大きいこともあって多焦点レンズ等の遠近両用のも
のが実際に提供されているが、この眼鏡用のレンズの技
術をそのまま小さなコンタクトレンズに応用することは
極めて困難である。又、一部の曲率半径を変化させ、遠
近両用の老視用のコンタクトレンズとする提案や、回折
格子をコンタクトレンズ上に形成して遠近両用とする提
案がなされているが、曲率を変えた場合、曲率の異なる
部分での界面がはっきりしており、像がこの界面で急に
大きくなったり小さくなるといった像の形状変化が生じ
る問題点が有り、又、回折格子を用いる場合には、作製
が困難なことや、回折格子部分の溝に汚れが付着し易
く、洗浄も難しい等の様々な原因により実用段階までに
は至っていない。
【0004】次に、眼内レンズにあっては、現在、複数
の曲率を用いて中心部に近用視領域を設けた眼内レンズ
が臨床応用されつつあるが、曲率の異なる境界での屈折
率のジャンプによるボケ、加工不良による視力補正不良
等の問題点がある。又、回折格子を用いた二焦点を有す
る眼内レンズも開発されつつあるが、格子部へのフィブ
リン等の生体成分の吸着を生じたり、光の2分化により
必要な焦点域の光量が半減する為に、薄暗い場所では視
力が出ないという問題が生じ、逆に、強い光の場所では
プリズム現象により虹様の像を生じる等の問題点があ
る。
【0005】又、モノマーの反応性を利用して屈折率分
布を有する円筒状母材を形成し、これを切削研磨するこ
とにより老視用コンタクトレンズとする技術が提案され
ているが、屈折率分布の経時変化がみられたり、白濁し
てしまったりする現象が指摘されている。その他の方法
として、最初にゲルを作製し、そこに屈折率の異なった
モノマーを拡散させて屈折率分布を形成する方法が報告
されているが、この方法ではゲルの状態を一定に保持す
るのが難しく、特に中心部分において正確に焦点の異な
る領域を形成することが難しく、その為に老視用コンタ
クトレンズや眼内レンズを構成できにくいものである。
【0006】
【発明の開示】本発明者により屈折率分布型材料に対す
る研究が鋭意押し進められた結果、モノマー反応性比を
全く利用しないでも、かつ、二種以上のモノマーの共重
合を利用しなくても屈折率分布を有するプラッチック材
料を形成することが可能であることが見出された。
【0007】例えば、円筒状重合管をポリメタクリル酸
メチル(PMMA)で構成し、重合性モノマーのメタク
リル酸メチル(MMA)と非重合性モノマーのブロモベ
ンゼン(BrB)との混合モノマー溶液を円筒状PMM
A管内に充填した。すると、MMAとBrBの混合モノ
マー溶液でPMMA管は膨潤し、PMMA管内壁に膨潤
層が形成される。そして、膨潤層内にはMMAとBrB
の混合液が拡散していく訳であるが、BrB分子はMM
A分子に比べて非常に大きい為に膨潤層内部には入り込
みにくく、MMAは小さい為に優先的に膨潤層内に入
る。つまり、ゲル層内に拡散する割合が、MMAとBr
Bとでは異なる為、膨潤層外に残存しているMMAとB
rBとの割合と膨潤層内に浸入しているMMAとBrB
との割合とは異なるものとなる。そして、PMMA管周
辺から加熱あるいは紫外線照射すると、膨潤層内では主
にゲル効果が誘発される為に、PMMA管内の他のどの
部分よりも早く重合が始まる。つまり、PMMA管周辺
から主にMMAポリマーが析出し、これが徐々にPMM
A管内壁から中心部に向かって進行し、最終的にPMM
A管の中心部付近でBrBの割合が多いMMAの重合が
起こり、系全体の重合が終了する。このようにしてPM
MA管の中心から周辺にかけて屈折率分布を有する透明
な硬化物を形成することが可能となった。
【0008】すなわち、ほとんどのプラスチック材料は
通常のモノマーで膨潤する為、容易にプラスチック表面
に膨潤層を形成させることができる。次に、二種類のモ
ノマー(重合性のモノマーと非重合性の化合物)、又は
モノマーとオリゴマー、あるいはモノマーとポリマーと
いったような混合物を膨潤層内へ拡散させるが、ここで
はモノマー同士の大きさ及び/又は相溶性あるいはオリ
ゴマーやポリマーとの大きさに依存する選択的拡散を行
い、モノマーの組成分布を持った膨潤層を形成させる。
又、混合物層へ膨潤溶解したプラスチック材料の溶解、
拡散が行われる。そして、この組成分布を保ったまま膨
潤層を重合処理すると、組成分布にしたがった屈折率分
布を有するプラスチック材料を構成することが出来たの
である。つまり、透明性を有する重合管の内部に重合性
のモノマーと非重合性の化合物、又は重合性のモノマー
とオリゴマー、あるいは重合性のモノマーとポリマーと
を注入し、モノマー分子の拡散を行わせ、重合させるこ
とにより、組成分布にしたがった屈折率分布を有するプ
ラスチック材料を構成することが出来たのである。
【0009】以上の知見を基にして本発明が達成された
ものであり、本発明の目的は、透明性に優れた、例えば
コンタクトレンズや眼内レンズ、特に老視用の多焦点
(例えば、中心部に近用視領域、周辺部に遠用視領域、
あるいは逆に中心部に遠用視領域、周辺部に近用視領域
を与える2焦点)を有するコンタクトレンズや眼内レン
ズを簡単にして提供することである。
【0010】この本発明の目的は、プラスチック材の孔
又は凹部に少なくとも一種の重合性のモノマーと少なく
とも一種の非重合性の化合物とを注入する工程と、該モ
ノマー分子の拡散を行わせ、重合処理する工程とを具備
することを特徴とするコンタクトレンズの製造方法によ
って達成される。又、プラスチック材の孔又は凹部に少
なくとも一種の重合性のモノマーと少なくとも一種の非
重合性の化合物とを注入する工程と、該モノマー分子の
拡散を行わせ、重合処理する工程とを具備することを特
徴とする眼内レンズの製造方法によって達成される。
【0011】又、プラスチック材の周囲に少なくとも一
種の重合性のモノマーと少なくとも一種の非重合性の化
合物とを配置する工程と、該モノマー分子の拡散を行わ
せ、重合処理する工程とを具備することを特徴とするコ
ンタクトレンズの製造方法によって達成される。又、プ
ラスチック材の周囲に少なくとも一種の重合性のモノマ
ーと少なくとも一種の非重合性の化合物とを配置する工
程と、該モノマー分子の拡散を行わせ、重合処理する工
程とを具備することを特徴とする眼内レンズの製造方法
によって達成される。
【0012】又、プラスチック材の孔又は凹部に少なく
とも一種の重合性のモノマーとオリゴマーとを注入する
工程と、該モノマー分子の拡散を行わせ、重合処理する
工程とを具備することを特徴とするコンタクトレンズの
製造方法によって達成される。又、プラスチック材の孔
又は凹部に少なくとも一種の重合性のモノマーとオリゴ
マーとを注入する工程と、該モノマー分子の拡散を行わ
せ、重合処理する工程とを具備することを特徴とする眼
内レンズの製造方法によって達成される。
【0013】又、プラスチック材の周囲に少なくとも一
種の重合性のモノマーとオリゴマーとを配置する工程
と、該モノマー分子の拡散を行わせ、重合処理する工程
とを具備することを特徴とするコンタクトレンズの製造
方法によって達成される。又、プラスチック材の周囲に
少なくとも一種の重合性のモノマーとオリゴマーとを配
置する工程と、該モノマー分子の拡散を行わせ、重合処
理する工程とを具備することを特徴とする眼内レンズの
製造方法によって達成される。
【0014】又、プラスチック材の孔又は凹部に少なく
とも一種の重合性のモノマーとポリマーとを注入する工
程と、該モノマー分子の拡散を行わせ、重合処理する工
程とを具備することを特徴とするコンタクトレンズの製
造方法によって達成される。又、プラスチック材の孔又
は凹部に少なくとも一種の重合性のモノマーとポリマー
とを注入する工程と、該モノマー分子の拡散を行わせ、
重合処理する工程とを具備することを特徴とする眼内レ
ンズの製造方法によって達成される。
【0015】又、プラスチック材の周囲に少なくとも一
種の重合性のモノマーとポリマーとを配置する工程と、
該モノマー分子の拡散を行わせ、重合処理する工程とを
具備することを特徴とするコンタクトレンズの製造方法
によって達成される。又、プラスチック材の周囲に少な
くとも一種の重合性のモノマーとポリマーとを配置する
工程と、該モノマー分子の拡散を行わせ、重合処理する
工程とを具備することを特徴とする眼内レンズの製造方
法によって達成される。
【0016】ここで、視力矯正用レンズの周辺部あるい
は中心部を構成するプラスチック材としては、重合性の
モノマーに膨潤し、表面に膨潤層が形成されるものであ
れば良く、例えばコンタクトレンズ材料や眼内レンズ材
料として使用されているものが挙げられる。例えば、ア
クリル系の樹脂、スチレン系の樹脂、シリコーン系の樹
脂、シリコーンやフッ素原子含有のアクリル系の通気性
材料、セルロース系の樹脂、ウレタン系の樹脂などが挙
げられる。勿論、これまでに提案されて来たコンタクト
レンズ材料や眼内レンズ材料を用いることが可能であ
り、又、これからも提案されるであろうコンタクトレン
ズ材料や眼内レンズ材料を用いることが可能である。
【0017】プラスチック材の孔又は凹部に充填、ある
いはプラスチック材の周囲に配置する重合性のモノマー
としては、アクリル系のモノマーやスチレン系のモノマ
ーなどが挙げられる。勿論、これらに限られるものでは
ない。又、前記プラスチック材を構成する樹脂原料(モ
ノマー)と同じモノマーであっても良く、異なるモノマ
ーであっても良い。
【0018】重合性のモノマーと共に用いられる非重合
性の化合物は、この非重合性の化合物が前記重合性のモ
ノマーが重合した重合体や前記プラスチック材中に分散
している状態において透明性が確保され、かつ、分散率
の差によって屈折率に勾配が形成されるようなものであ
れば良く、例えばn−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、
ブロモベンゼン、α−ブロモナフタレン、β−ブロモナ
フタレン、フタル酸ジ(n−ブチル)、フタル酸ベンジ
ルn−ブチル、リノール酸コレステロール、スクアレン
等が挙げられる。勿論、これらに限られるものではな
い。
【0019】重合性のモノマーと共に用いられるオリゴ
マーは、例えば分子量が約1000〜10000程度の
ものであり、これは重合性の基を有したものでも、そう
でないものでも良い。例えば、シリコーンのアクリル変
性オリゴマー、シリコーンのメタクリル変性オリゴマ
ー、ポリエチレングリコールモノアクリレート系オリゴ
マー、ポリエチレングリコールモノメタクリレート系オ
リゴマー、ポリエチレングリコールジアクリレート系オ
リゴマー、ポリエチレングリコールジメタクリレート系
オリゴマー、エポキシアクリレート系オリゴマー、エポ
キシメタクリレート系オリゴマー、ポリエステルアクリ
レート系オリゴマー、ポリエステルメタクリレート系オ
リゴマー等が挙げられる。勿論、これらに限られるもの
ではない。
【0020】重合性のモノマーと共に用いられるポリマ
ーは、例えばPMMAやベンジルメタクリレートポリマ
ー(poly−BzMA)等が挙げられる。勿論、これ
らに限られるものではなく、コンタクトレンズ材料や眼
内レンズ材料として使用されるものが使用できる。そし
て、プラスチック材の孔又は凹部に充填、あるいはプラ
スチック材の周囲に配置する重合性のモノマー及び非重
合性の化合物、オリゴマーやポリマーは、プラスチック
材への膨潤性や重合処理後に得られた製品の屈折率分布
や透明性を考慮して選定されれば良い。すなわち、前記
した如く、プラスチック材としてPMMAの管を用いた
場合、管内に充填される重合性のモノマーとしてMMA
が、非重合性のモノマーとして屈折率の高いBrBが選
定されると、得られた製品は周辺部より中心部において
屈折率が高いものとなる。又、重合性のモノマーと非重
合性の化合物、オリゴマーやポリマーとの配合割合につ
いては、重合処理後に得られた製品の屈折率分布、機械
的加工を行える硬度を有しているか否かを考慮して選定
されれば良い。例えば、前者と後者の割合は、99〜5
0重量部に対して1〜50重量部、さらに言えば95〜
70重量部に対して5〜30重量部といった割合で用い
られる。
【0021】以下、本発明の具体的な実施例を挙げて詳
細に説明する。尚、以下においては円筒状の重合管内に
重合性のモノマーと非重合性の化合物、オリゴマーやポ
リマーとの混合物を充填して重合させたもので説明する
が、管(プラスチック製であっても、そうでなくても良
い)内に透明なプラスチック重合体を配置し、この間に
重合性のモノマーと非重合性の化合物、オリゴマーやポ
リマーとの混合物を充填して重合させれば、プラスチッ
ク材の周囲に重合性のモノマーと非重合性の化合物、オ
リゴマーやポリマーとの混合物を配置でき、同様に実施
できる。又、コンタクトレンズについての実施例は、形
状を異ならしめることにより眼内レンズの実施例に転用
できる。
【0022】
【実施例】
〔実施例1〕MMA及びBrBの混合液(重量比で5:
1)に重合開始剤として1,1−ビス(t−ブチルパー
オキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(P
H3M)を0.5重量%及びn−ブチルメルカプタンを
0.15重量%添加したものを、内径が2mm、外径が
10mmのPMMA製の円筒状管の中心孔部に充填し、
そしてこれを100rpmの速度で回転させながら前記
のモノマー混合物を円筒状管内に選択拡散浸透させつ
つ、95℃で24時間保持して重合反応を行わせ、屈折
率分布を有する透明なプラスチック丸棒を得た。
【0023】尚、この丸棒を通常の切削研磨法により直
径9.5mm、厚さ0.2mmの平板状に加工し、Ca
rl Zeissaus Jena製の干渉位相査顕微
鏡Interphako装置を用いることにより、中心
部から3.0mmまでの部分の屈折率を測定した。その
結果、中心部より1.0mm付近までの間で中心部から
離れるにしたがって屈折率が小さくなる分布を有したも
のであることが観察され、そして中心部と半径2.0m
mの位置との間では屈折率に0.05程度の差があっ
た。
【0024】上記の丸棒を直径9.5mm、厚さ4.0
mmのブロック形状にした後、通常の切削研磨法によっ
て後面の曲率半径7.40mm、前面の曲率半径8.1
0mm、中心部の厚み0.40mm、サイズ9.5mm
のコンタクトレンズに加工した。このコンタクトレンズ
について、以下に示した方法を基にして頂点屈折度を中
心から3.00mmの位置まで算出した。その結果、中
心から約1.00mmの位置までは−4.75ディオプ
ターであり、そして中心より約1.00mmの位置から
3.00mmの間は−6.75ディオプターであり、こ
のものは二焦点タイプのコンタクトレンズである。
【0025】〔頂点屈折度の算出方法〕コンタクトレン
ズの光軸に平行なレーザー光線を半径rの位置に入射さ
せ、その光線追跡でレンズから光軸方向に距離Z1 進ん
だ際の光軸とのずれの距離X1 と、さらに光軸方向に距
離Z2 進んだ際の光軸とのずれの距離X2 を測定し、以
下に示した式(1)より焦点距離Yを計算し、式(2)
により頂点屈折度D(ディオプター)を算出する。
【0026】 Y=Z1 −(Z2 −Z1 )/(X2 −X1 )×X1 (1) D=1/Y (2) 〔実施例2〕実施例1において、BrBの代わりにα−
ブロモナフタレンを用いて同様に行い、屈折率分布を有
する透明なプラスチック丸棒を得、これを通常の切削研
磨法により直径9.5mm、厚さ0.2mmの平板状に
加工し、屈折率を測定した結果、中心部より1.0mm
付近までの間で中心部から離れるにしたがって屈折率が
小さくなる分布を有したものであることが観察され、そ
して中心部と半径1.0mmの位置との間では屈折率に
0.06程度の差があった。
【0027】上記の丸棒を直径9.5mm、厚さ4.0
mmのブロック形状にした後、通常の切削研磨法によっ
て後面の曲率半径7.40mm、前面の曲率半径8.1
0mm、中心部の厚み0.40mm、サイズ9.0mm
のコンタクトレンズに加工した。このコンタクトレンズ
について、頂点屈折度を中心から3.00mmの位置ま
で算出した。その結果、中心から約1.00mmの位置
までは−4.25ディオプターであり、そして中心より
約1.00mmの位置から3.00mmの間は−6.7
5ディオプターであり、このものは二焦点タイプのコン
タクトレンズである。
【0028】〔実施例3〕実施例1において、BrBの
代わりにフタル酸ベンジルn−ブチルを用いて同様に行
い、屈折率分布を有する透明なプラスチック丸棒を得、
これを通常の切削研磨法により直径9.5mm、厚さ
0.2mmの平板状に加工し、屈折率を測定した結果、
中心部より1.0mm付近までの間で中心部から離れる
にしたがって屈折率が小さくなる分布を有したものであ
ることが観察され、そして中心部と半径1.0mmの位
置との間では屈折率に0.07程度の差があった。
【0029】上記の丸棒を直径9.5mm、厚さ4.0
mmのブロック形状にした後、通常の切削研磨法によっ
て後面の曲率半径7.40mm、前面の曲率半径8.1
0mm、中心部の厚み0.40mm、サイズ9.0mm
のコンタクトレンズに加工した。このコンタクトレンズ
について、頂点屈折度を中心から3.00mmの位置ま
で算出した。その結果、中心から約1.00mmの位置
までは−3.75ディオプターであり、そして中心より
約1.00mmの位置から3.00mmの間は−6.7
5ディオプターであり、このものは二焦点タイプのコン
タクトレンズである。
【0030】〔実施例4〕実施例1において、PMMA
製の円筒状管の代わりに、二官能性のエチレングリコー
ルジメタクリレート(ED)を5重量%含有した架橋化
PMMA−ED重合体で内径2.6mm、外径10mm
の円筒状管を用い、又、MMAとBrBの代わりにMM
Aとpoly−BzMA(重量比9:1)を用い、重合
開始剤としてジ−t−ブチルパーオキサイド(PB−
D)を0.5重量%用い、重合温度を105℃に設定し
て同様に行い、屈折率分布を有する透明なプラスチック
丸棒を得、これを通常の切削研磨法により直径9.5m
m、厚さ0.2mmの平板状に加工し、屈折率を測定し
た結果、中心部より1.3mm付近までの間で中心部か
ら離れるにしたがって屈折率が小さくなる分布を有した
ものであることが観察され、そして中心部と半径1.3
mmの位置との間では屈折率に0.03程度の差があっ
た。
【0031】上記の丸棒を直径9.5mm、厚さ4.0
mmのブロック形状にした後、通常の切削研磨法によっ
て後面の曲率半径7.40mm、前面の曲率半径8.1
0mm、中心部の厚み0.40mm、サイズ9.0mm
のコンタクトレンズに加工した。このコンタクトレンズ
について、頂点屈折度を中心から3.00mmの位置ま
で算出した。その結果、中心から約1.30mmの位置
までは−5.75ディオプターであり、そして中心より
約1.30mmの位置から3.00mmの間は−6.7
5ディオプターであり、このものは二焦点タイプのコン
タクトレンズである。
【0032】〔実施例5〕実施例4において、架橋化P
MMA−ED重合体で内径3.0mm、外径10mmの
円筒状管を用い、又、MMAと下記の〔化1〕で示され
るポリエステルアクリレートオリゴマー(重量比3:
2)を用い、円筒状管の回転速度200rpm、重合温
度110℃にして重合する他は同様に行い、屈折率分布
を有する透明なプラスチック丸棒を得、これを通常の切
削研磨法により直径9.5mm、厚さ0.2mmの平板
状に加工し、屈折率を測定した結果、中心部より1.5
mm付近までの間で中心部から離れるにしたがって屈折
率が小さくなる分布を有したものであることが観察さ
れ、そして中心部と半径1.5mmの位置との間では屈
折率に0.045程度の差があった。
【0033】上記の丸棒を直径9.5mm、厚さ4.0
mmのブロック形状にした後、通常の切削研磨法によっ
て後面の曲率半径7.40mm、前面の曲率半径8.1
0mm、中心部の厚み0.40mm、サイズ9.0mm
のコンタクトレンズに加工した。このコンタクトレンズ
について、頂点屈折度を中心から3.00mmの位置ま
で算出した。その結果、中心から約1.50mmの位置
までは−5.25ディオプターであり、そして中心より
約1.50mmの位置から3.00mmの間は−6.7
5ディオプターであり、このものは二焦点タイプのコン
タクトレンズである。
【0034】
【化1】
【0035】〔実施例6〕実施例4において、2,2,
2−トリフルオロエチルメタクリレート(3FMA)が
50重量%、MMAが45重量%、EDMAが5重量%
の割合で共重合した架橋化フッ素含有ポリマー(P3F
M−MMA−ED)で内径3.0mm、外径10mmの
円筒状管を用い、又、重合温度を105℃にする他は同
様に行い、屈折率分布を有する透明なプラスチック丸棒
を得、これを通常の切削研磨法により直径9.5mm、
厚さ0.2mmの平板状に加工し、屈折率を測定した結
果、中心部より1.5mm付近までの間で中心部から離
れるにしたがって屈折率が小さくなる分布を有したもの
であることが観察され、そして中心部と半径1.5mm
の位置との間では屈折率に0.07程度の差があった。
【0036】上記の丸棒を直径9.5mm、厚さ4.0
mmのブロック形状にした後、通常の切削研磨法によっ
て後面の曲率半径7.40mm、前面の曲率半径8.1
0mm、中心部の厚み0.40mm、サイズ9.0mm
のコンタクトレンズに加工した。 〔実施例7〕実施例1において、内径3.8mm、外径
10mmのPMMA製の円筒状管を用い、又、充填混合
物としてMMAとBrB(重量比で5:1)と0.5重
量%のPH3Mを用いた他は同様に行い、屈折率分布を
有する透明なプラスチック丸棒を得、これを通常の切削
研磨法により直径9.5mm、厚さ0.2mmの平板状
に加工し、屈折率を測定した結果、中心部より1.9m
m付近までの間で中心部から離れるにしたがって屈折率
が小さくなる分布を有したものであることが観察され、
そして中心部と半径1.9mmの位置との間では屈折率
に0.05程度の差があった。
【0037】上記の丸棒を直径9.5mm、厚さ4.0
mmのブロック形状にした後、通常の切削研磨法によっ
て後面が平板状、前面の曲率半径7.80mm、中心部
の厚み0.90mm、サイズ6.0mmの眼内レンズに
加工した。この眼内レンズの頂点屈折度を測定した結果
は、中心から約1.89mmの位置までは+23.0デ
ィオプターであり、そして中心より約1.91mmの位
置から周辺までの間は+19.0ディオプターであり、
このものは二焦点タイプのものである。
フロントページの続き (72)発明者 二瓶 栄輔 神奈川県川崎市中原区下小田中6−15−29 グリーンキヤピタル105 (72)発明者 栗秋 政光 愛知県名古屋市中川区好本町3−10 株式 会社日本コンタクトレンズ内 (72)発明者 中村 完一 愛知県名古屋市中川区好本町3−10 株式 会社日本コンタクトレンズ内 (72)発明者 棚橋 直勝 愛知県名古屋市中川区好本町3−10 株式 会社日本コンタクトレンズ内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック材の孔又は凹部に少なくと
    も一種の重合性のモノマーと少なくとも一種の非重合性
    の化合物とを注入する工程と、該モノマー分子の拡散を
    行わせ、重合処理する工程とを具備することを特徴とす
    るコンタクトレンズの製造方法。
  2. 【請求項2】 プラスチック材の孔又は凹部に少なくと
    も一種の重合性のモノマーと少なくとも一種の非重合性
    の化合物とを注入する工程と、該モノマー分子の拡散を
    行わせ、重合処理する工程とを具備することを特徴とす
    る眼内レンズの製造方法。
  3. 【請求項3】 プラスチック材の周囲に少なくとも一種
    の重合性のモノマーと少なくとも一種の非重合性の化合
    物とを配置する工程と、該モノマー分子の拡散を行わ
    せ、重合処理する工程とを具備することを特徴とするコ
    ンタクトレンズの製造方法。
  4. 【請求項4】 プラスチック材の周囲に少なくとも一種
    の重合性のモノマーと少なくとも一種の非重合性の化合
    物とを配置する工程と、該モノマー分子の拡散を行わ
    せ、重合処理する工程とを具備することを特徴とする眼
    内レンズの製造方法。
  5. 【請求項5】 プラスチック材の孔又は凹部に少なくと
    も一種の重合性のモノマーとオリゴマーとを注入する工
    程と、該モノマー分子の拡散を行わせ、重合処理する工
    程とを具備することを特徴とするコンタクトレンズの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 プラスチック材の孔又は凹部に少なくと
    も一種の重合性のモノマーとオリゴマーとを注入する工
    程と、該モノマー分子の拡散を行わせ、重合処理する工
    程とを具備することを特徴とする眼内レンズの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 プラスチック材の周囲に少なくとも一種
    の重合性のモノマーとオリゴマーとを配置する工程と、
    該モノマー分子の拡散を行わせ、重合処理する工程とを
    具備することを特徴とするコンタクトレンズの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 プラスチック材の周囲に少なくとも一種
    の重合性のモノマーとオリゴマーとを配置する工程と、
    該モノマー分子の拡散を行わせ、重合処理する工程とを
    具備することを特徴とする眼内レンズの製造方法。
  9. 【請求項9】 プラスチック材の孔又は凹部に少なくと
    も一種の重合性のモノマーとポリマーとを注入する工程
    と、該モノマー分子の拡散を行わせ、重合処理する工程
    とを具備することを特徴とするコンタクトレンズの製造
    方法。
  10. 【請求項10】 プラスチック材の孔又は凹部に少なく
    とも一種の重合性のモノマーとポリマーとを注入する工
    程と、該モノマー分子の拡散を行わせ、重合処理する工
    程とを具備することを特徴とする眼内レンズの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 プラスチック材の周囲に少なくとも一
    種の重合性のモノマーとポリマーとを配置する工程と、
    該モノマー分子の拡散を行わせ、重合処理する工程とを
    具備することを特徴とするコンタクトレンズの製造方
    法。
  12. 【請求項12】 プラスチック材の周囲に少なくとも一
    種の重合性のモノマーとポリマーとを配置する工程と、
    該モノマー分子の拡散を行わせ、重合処理する工程とを
    具備することを特徴とする眼内レンズの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004510200A (ja) * 2000-09-29 2004-04-02 ヴェルナー・ヨット・フィアラ 表面構造を有する眼用レンズ
WO2004068202A1 (ja) * 2003-01-31 2004-08-12 Keio University 蓄熱効果を利用する自発的フロンタルポリメリゼーションによる屈折率分布型光伝送体の作製方法
JP2010500064A (ja) * 2006-08-08 2010-01-07 フンダシオン イナスメット 埋込み型光学システム、その開発および適用のための手順
JP2011141569A (ja) * 2005-09-07 2011-07-21 Transitions Optical Inc フォトクロミック多重焦点光学製品

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