JPH05126991A - Bwr型原子力発電所における一次冷却系への鉄注入方法 - Google Patents
Bwr型原子力発電所における一次冷却系への鉄注入方法Info
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- JPH05126991A JPH05126991A JP3310034A JP31003491A JPH05126991A JP H05126991 A JPH05126991 A JP H05126991A JP 3310034 A JP3310034 A JP 3310034A JP 31003491 A JP31003491 A JP 31003491A JP H05126991 A JPH05126991 A JP H05126991A
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 給水側へ必要量のクラッド鉄を容易に供給で
きる一次冷却系への鉄の注入方法をうる。 【構成】 BWR型原子力発電所における一次冷却系へ
の鉄注入方法において、復水処理用のろ過装置4又は脱
塩装置5に一担捕捉したクラッド鉄を逆洗操作により剥
離させ、該クラッド鉄を含有する逆洗水を一時貯留11
した後、一次冷却系23,24に供給する。
きる一次冷却系への鉄の注入方法をうる。 【構成】 BWR型原子力発電所における一次冷却系へ
の鉄注入方法において、復水処理用のろ過装置4又は脱
塩装置5に一担捕捉したクラッド鉄を逆洗操作により剥
離させ、該クラッド鉄を含有する逆洗水を一時貯留11
した後、一次冷却系23,24に供給する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力発電所の一次冷
却系への鉄注入方法に係り、特に、BWR型原子力発電
所の被曝線量率の低減対策の一環として行う給水側より
原子炉に対しての、鉄注入方法に関するものである。
却系への鉄注入方法に係り、特に、BWR型原子力発電
所の被曝線量率の低減対策の一環として行う給水側より
原子炉に対しての、鉄注入方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】BWR型原子力発電プラントにおいて、
原子炉本体及び燃料集合体より溶出するイオン状のNi
及びCoを、給水側より注入するFeと結合させて、燃
料棒、容器及び配管の壁部などに固定化させることによ
り被曝線量率の低減を図る方法いわゆるFe/Ni比コ
ントロール法が知られている。また、最近のBWR型原
子力発電所の一次冷却系の浄化装置は、復水ろ過装置
(HFFなど)及び復水脱塩装置(コンデミ)の二重化
が一般的となっており、前記のFe/Ni比コントロー
ル法は、この二重化浄化装置システムに適用されてい
る。
原子炉本体及び燃料集合体より溶出するイオン状のNi
及びCoを、給水側より注入するFeと結合させて、燃
料棒、容器及び配管の壁部などに固定化させることによ
り被曝線量率の低減を図る方法いわゆるFe/Ni比コ
ントロール法が知られている。また、最近のBWR型原
子力発電所の一次冷却系の浄化装置は、復水ろ過装置
(HFFなど)及び復水脱塩装置(コンデミ)の二重化
が一般的となっており、前記のFe/Ni比コントロー
ル法は、この二重化浄化装置システムに適用されてい
る。
【0003】ところが、上記二重化浄化システムでは、
給水中のクラッド濃度は、約0.1ppb〜0.3pp
bと極めて低くなっており、前述の被曝線量率の低減対
策の観点よりすれば、給水中に外部より鉄注入を行う必
要がある。その方法としては、次のようにプラント毎に
様々であり、その効果も安定したものではない。 (1)復水ろ過装置として使用しているプリコート式フ
ィルターのプリコート条件(樹脂比、攪拌時間、など)
を変化させ、コンデミ側にFeをリークさせる。 (2)復水ろ過装置を一部バイパスさせるか、一部のろ
過器のエレメントを外して、ろ過機能をなくし、復水ろ
過装置の入口側のFe濃度の高い水を一部コンデミ側に
入れる。 (3)(1)、(2)によりコンデミにクラッド負荷を
あたえ、コンデミ側より下流へのFeリーク量を増加さ
せる。 (4)鉄製造装置(電解法など)により製造したFeを
コンデミ下流側より注入することにより給水中のFe濃
度を増加させる。
給水中のクラッド濃度は、約0.1ppb〜0.3pp
bと極めて低くなっており、前述の被曝線量率の低減対
策の観点よりすれば、給水中に外部より鉄注入を行う必
要がある。その方法としては、次のようにプラント毎に
様々であり、その効果も安定したものではない。 (1)復水ろ過装置として使用しているプリコート式フ
ィルターのプリコート条件(樹脂比、攪拌時間、など)
を変化させ、コンデミ側にFeをリークさせる。 (2)復水ろ過装置を一部バイパスさせるか、一部のろ
過器のエレメントを外して、ろ過機能をなくし、復水ろ
過装置の入口側のFe濃度の高い水を一部コンデミ側に
入れる。 (3)(1)、(2)によりコンデミにクラッド負荷を
あたえ、コンデミ側より下流へのFeリーク量を増加さ
せる。 (4)鉄製造装置(電解法など)により製造したFeを
コンデミ下流側より注入することにより給水中のFe濃
度を増加させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記方法においては、
次のような理由により十分な被曝線量率の低減効果が発
揮されない可能性がある。 (1)プリコート式フィルターの除Fe性能は、入口側
のクラッド濃度、クラッド組成(マグネタイト、ヘマタ
イト、オキシ水酸化鉄、非晶質など)により影響を受
け、前述のプリコート条件(樹脂比、攪拌時間など)を
調整しても常に一定のFeリークを確保することは難し
く、再現性に対する技術的信頼性も少ない。 (2)コンデミ上流側でリークしたクラッドFeは、コ
ンデミの樹脂層で捕捉され、一部下流側にリークする。
リークするクラッドFeは上流側のクラッド濃度が高く
なればなるほど、又、コンデミの樹脂層で捕捉されたク
ラッドFe量が増加すればするほど増大する。しかしな
がら、コンデミよりリークするクラッドFe濃度は、コ
ンデミで使用しているイオン交換樹脂の銘柄、樹脂層の
形状、通水条件により異なり、予め設定する給水中のク
ラッドFe濃度の目標値に対してのコントロールが難し
く十分に効果が発揮されない。
次のような理由により十分な被曝線量率の低減効果が発
揮されない可能性がある。 (1)プリコート式フィルターの除Fe性能は、入口側
のクラッド濃度、クラッド組成(マグネタイト、ヘマタ
イト、オキシ水酸化鉄、非晶質など)により影響を受
け、前述のプリコート条件(樹脂比、攪拌時間など)を
調整しても常に一定のFeリークを確保することは難し
く、再現性に対する技術的信頼性も少ない。 (2)コンデミ上流側でリークしたクラッドFeは、コ
ンデミの樹脂層で捕捉され、一部下流側にリークする。
リークするクラッドFeは上流側のクラッド濃度が高く
なればなるほど、又、コンデミの樹脂層で捕捉されたク
ラッドFe量が増加すればするほど増大する。しかしな
がら、コンデミよりリークするクラッドFe濃度は、コ
ンデミで使用しているイオン交換樹脂の銘柄、樹脂層の
形状、通水条件により異なり、予め設定する給水中のク
ラッドFe濃度の目標値に対してのコントロールが難し
く十分に効果が発揮されない。
【0005】(3)鉄製造装置(電解法など)により製
造したFeをコンデミ下流側より注入することにより給
水中のクラッドFe濃度を増加させることは、次の理由
により被曝低減効果が少ないことが判明している。 イオン状のCo及びNiを結合し、燃料棒、容器及
び配管の壁部に付着する働きをするクラッドFeは、プ
ラント構成材並びにプラントの水質条件(導電率、p
H、溶存酸素濃度、温度ほか)により生成されたものの
方が、その作用が大きいことが確認されており、鉄製造
装置(電解法など)により製造したクラッドFeは好ま
しくない。 鉄製造装置(電解法など)により製造したクラッド
Feは、その粒径が低溶存酸素のもとでプラント構成材
より生成されたクラッドに較べて大きい傾向にあり、イ
オン状のCo及びNiに対するスカベンジャーとしての
効果は、同じ濃度(ppb)で比較した場合、小さくな
る。そこで、本発明は、上記のような問題点を解決し、
必要量のクラッド鉄を容易に供給できる一次冷却系への
鉄の注入方法を提供することを課題とする。
造したFeをコンデミ下流側より注入することにより給
水中のクラッドFe濃度を増加させることは、次の理由
により被曝低減効果が少ないことが判明している。 イオン状のCo及びNiを結合し、燃料棒、容器及
び配管の壁部に付着する働きをするクラッドFeは、プ
ラント構成材並びにプラントの水質条件(導電率、p
H、溶存酸素濃度、温度ほか)により生成されたものの
方が、その作用が大きいことが確認されており、鉄製造
装置(電解法など)により製造したクラッドFeは好ま
しくない。 鉄製造装置(電解法など)により製造したクラッド
Feは、その粒径が低溶存酸素のもとでプラント構成材
より生成されたクラッドに較べて大きい傾向にあり、イ
オン状のCo及びNiに対するスカベンジャーとしての
効果は、同じ濃度(ppb)で比較した場合、小さくな
る。そこで、本発明は、上記のような問題点を解決し、
必要量のクラッド鉄を容易に供給できる一次冷却系への
鉄の注入方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明ではBWR型原子力発電所における一次冷却
系への鉄注入方法において、復水処理用のろ過装置又は
脱塩装置に一担捕捉したクラッド鉄を逆洗操作により剥
離させ、該クラッド鉄を含有する逆洗水を一時貯留した
後、一次冷却系に供給することを特徴とする一次冷却系
への鉄注入方法としたものである。そして、上記の注入
方法において、逆洗水の貯留は、N2 等の不活性ガスを
曝気するか、あるいは真空状態に維持して行うことによ
り、回収したクラッド鉄の空気による酸化を抑制するこ
とができる。また、回収したクラッド鉄は、貯留時の相
互吸着などによる粒径の成長を防止するために、逆洗水
の貯留においてたえず攪拌し、超音波発振器により超音
波を発振させて分散させるのがよい。
に、本発明ではBWR型原子力発電所における一次冷却
系への鉄注入方法において、復水処理用のろ過装置又は
脱塩装置に一担捕捉したクラッド鉄を逆洗操作により剥
離させ、該クラッド鉄を含有する逆洗水を一時貯留した
後、一次冷却系に供給することを特徴とする一次冷却系
への鉄注入方法としたものである。そして、上記の注入
方法において、逆洗水の貯留は、N2 等の不活性ガスを
曝気するか、あるいは真空状態に維持して行うことによ
り、回収したクラッド鉄の空気による酸化を抑制するこ
とができる。また、回収したクラッド鉄は、貯留時の相
互吸着などによる粒径の成長を防止するために、逆洗水
の貯留においてたえず攪拌し、超音波発振器により超音
波を発振させて分散させるのがよい。
【0007】上記方法において、一次冷却系への貯留水
の供給は、コンデミの下流側又は上流側とするのがよ
く、そして、貯留水中のクラッド鉄濃度を測定し、目標
とする給水クラッド鉄濃度となるように、一次冷却系へ
定量ポンプで供給するのがよい。また、本発明の方法に
用いられる復水処理用のろ過装置又は脱塩装置として
は、中空系(HFF)、電磁フィルター、セラミックス
フィルター等が使用でき、復水処理用のろ過装置でもプ
リコート式のものを用いた場合は捕捉されたクラッドは
逆洗により粉末樹脂と混合状態となるため使用できな
い。
の供給は、コンデミの下流側又は上流側とするのがよ
く、そして、貯留水中のクラッド鉄濃度を測定し、目標
とする給水クラッド鉄濃度となるように、一次冷却系へ
定量ポンプで供給するのがよい。また、本発明の方法に
用いられる復水処理用のろ過装置又は脱塩装置として
は、中空系(HFF)、電磁フィルター、セラミックス
フィルター等が使用でき、復水処理用のろ過装置でもプ
リコート式のものを用いた場合は捕捉されたクラッドは
逆洗により粉末樹脂と混合状態となるため使用できな
い。
【0008】
【作用】本発明では、BWR型原子力発電プラントにお
いて、原子炉本体及び燃料集合体より溶出するイオン状
のNi及びCoを、給水側より注入する復水ろ過装置及
び復水脱塩装置に一担捕捉したクラッドFeを逆洗操作
により剥離させ貯留していたFeと結合させて、燃料
棒、容器及び配管の壁部などに固定化させることにより
被曝線量率の低減を図ることができる。そして、逆洗操
作により回収したクラッドFeを含んだ逆洗水を貯留し
た水をサンプリングして、予め濃度を測定した後、目標
とする給水クラッドFe濃度になる様、定量ポンプのス
トロークを調整し、供給することにより、クラッドFe
を一次冷却系に安定して供給することができる。
いて、原子炉本体及び燃料集合体より溶出するイオン状
のNi及びCoを、給水側より注入する復水ろ過装置及
び復水脱塩装置に一担捕捉したクラッドFeを逆洗操作
により剥離させ貯留していたFeと結合させて、燃料
棒、容器及び配管の壁部などに固定化させることにより
被曝線量率の低減を図ることができる。そして、逆洗操
作により回収したクラッドFeを含んだ逆洗水を貯留し
た水をサンプリングして、予め濃度を測定した後、目標
とする給水クラッドFe濃度になる様、定量ポンプのス
トロークを調整し、供給することにより、クラッドFe
を一次冷却系に安定して供給することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 図1に、本発明による一次冷却系への鉄注入の系統図を
示す。図1においては、1はBWR型原子炉であり、復
水は原子炉1内に原子炉給水ポンプ10により注入され
て加熱され、加熱蒸気はタービン2に至り、液化してホ
ットウエル3に貯留された復水は、低圧復水ポンプ8→
復水ろ過装置4→復水脱塩装置(コンデミ)5→高圧復
水ポンプ9→給水加熱器6→原子炉給水ポンプ10を経
て再び原子炉1に戻される。なお、再循環ポンプ7は原
子炉1内の水をたえず循環し、原子炉の熱バランス及び
出力を調整するものである。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 図1に、本発明による一次冷却系への鉄注入の系統図を
示す。図1においては、1はBWR型原子炉であり、復
水は原子炉1内に原子炉給水ポンプ10により注入され
て加熱され、加熱蒸気はタービン2に至り、液化してホ
ットウエル3に貯留された復水は、低圧復水ポンプ8→
復水ろ過装置4→復水脱塩装置(コンデミ)5→高圧復
水ポンプ9→給水加熱器6→原子炉給水ポンプ10を経
て再び原子炉1に戻される。なお、再循環ポンプ7は原
子炉1内の水をたえず循環し、原子炉の熱バランス及び
出力を調整するものである。
【0010】そして、上記のような復水の循環経路にお
いて、本発明のクラッド鉄の注入は次のような構成によ
る。 (1)本発明に用いるクラッドFeは、次の様なプラン
ト運転状況のもとに生成され、HFF(中空系)ろ過器
4、復水脱塩器5により捕捉されたものである。 給復水系プラント構成材:炭素鋼(SB材、SS
材、耐候性鋼ほか) 水質条件:pH:6.5〜7.5 溶存酸素濃度:10〜100ppb 水温:30〜40℃
いて、本発明のクラッド鉄の注入は次のような構成によ
る。 (1)本発明に用いるクラッドFeは、次の様なプラン
ト運転状況のもとに生成され、HFF(中空系)ろ過器
4、復水脱塩器5により捕捉されたものである。 給復水系プラント構成材:炭素鋼(SB材、SS
材、耐候性鋼ほか) 水質条件:pH:6.5〜7.5 溶存酸素濃度:10〜100ppb 水温:30〜40℃
【0011】(2)HFFろ過器4並びに復水脱塩器5
により捕捉されたクラッドFeは空気及び水による逆洗
操作及び復水脱塩器5の場合は、逆洗操作以外として、
空気及び水によるイオン交換樹脂の移送操作により水中
に剥離させ、通常は放射性廃棄物処理設備18(通称ラ
ドウエスト設備RW)に移送される拠を、本発明におい
ては、弁20,21により廃液の一部を分岐し、クラッ
ドFe受槽11に貯留する。貯留されるクラッドの性状
は、次の通りである。 粒径:約0.1μm〜3μm程度 形態:マグネタイト(α−Fe3 O4 )、ヘマタイ
ト(α−Fe2 O3 )、オキシ水酸化鉄(γFeOO
H)、非晶質の混合物で非晶質の割合は40%〜60%
程度 クラッド濃度:約0.5ppm〜50ppm程度 クラッドFe貯留容量:1m3 〜10m3 程度
により捕捉されたクラッドFeは空気及び水による逆洗
操作及び復水脱塩器5の場合は、逆洗操作以外として、
空気及び水によるイオン交換樹脂の移送操作により水中
に剥離させ、通常は放射性廃棄物処理設備18(通称ラ
ドウエスト設備RW)に移送される拠を、本発明におい
ては、弁20,21により廃液の一部を分岐し、クラッ
ドFe受槽11に貯留する。貯留されるクラッドの性状
は、次の通りである。 粒径:約0.1μm〜3μm程度 形態:マグネタイト(α−Fe3 O4 )、ヘマタイ
ト(α−Fe2 O3 )、オキシ水酸化鉄(γFeOO
H)、非晶質の混合物で非晶質の割合は40%〜60%
程度 クラッド濃度:約0.5ppm〜50ppm程度 クラッドFe貯留容量:1m3 〜10m3 程度
【0012】(3)回収したクラッドFeは、水中の溶
存酸素と反応し、酸化を受け非晶質→γFeOOH→α
Fe2 O3 →αFe3O4 の様に形態が変化することに
より、被曝線量率の低減に及ぼす効果が減少することが
懸念されるため(非晶質のクラッドFeが好ましく、そ
の含率が高いほど効果的である)、一時貯留槽などに次
の付帯設備を設ける。 一時貯留槽下部にスパージャーを設けて、N2 ガス
15を常時注入し溶存酸素を追出す装置 一時貯留槽上部の気相部よりタンク内の空気を真空
ポンプ16により常時抜き、真空状態に維持する装置
存酸素と反応し、酸化を受け非晶質→γFeOOH→α
Fe2 O3 →αFe3O4 の様に形態が変化することに
より、被曝線量率の低減に及ぼす効果が減少することが
懸念されるため(非晶質のクラッドFeが好ましく、そ
の含率が高いほど効果的である)、一時貯留槽などに次
の付帯設備を設ける。 一時貯留槽下部にスパージャーを設けて、N2 ガス
15を常時注入し溶存酸素を追出す装置 一時貯留槽上部の気相部よりタンク内の空気を真空
ポンプ16により常時抜き、真空状態に維持する装置
【0013】(4)回収したクラッドFeは、貯留時の
相互吸着などによる粒径の成長(3μm以上になる)を
防止するため、攪拌器12により常時攪拌しながら、超
音波発振器13を複数個タンク内に設置し、超音波によ
りクラッドFeの相互吸着による粒径の成長を防止し、
水中に均一に分散させる。 (5)クラッドFeの注入ポイントはコンデミ5の下流
側24又は上流側23のいずれにおいても選択可能な様
に計画されており、一般的に急激な効果を期待する場合
は、コンデミ5の下流側24に注入し、緩やかな効果を
期待する場合は、コンデミ5の上流側23に注入する。
これらは、プラントの運用状況にあわせて適宜選択する
ことが好ましい。
相互吸着などによる粒径の成長(3μm以上になる)を
防止するため、攪拌器12により常時攪拌しながら、超
音波発振器13を複数個タンク内に設置し、超音波によ
りクラッドFeの相互吸着による粒径の成長を防止し、
水中に均一に分散させる。 (5)クラッドFeの注入ポイントはコンデミ5の下流
側24又は上流側23のいずれにおいても選択可能な様
に計画されており、一般的に急激な効果を期待する場合
は、コンデミ5の下流側24に注入し、緩やかな効果を
期待する場合は、コンデミ5の上流側23に注入する。
これらは、プラントの運用状況にあわせて適宜選択する
ことが好ましい。
【0014】(6)クラッドFeの注入は、一時貯槽の
水をサンプリング17し、原子吸光度分析法、蛍光X線
分析法などにより予めクラッド濃度を測定した後、目標
とする給水クラッドFe濃度になる様、定量ポンプ14
のストロークを調整して、注入する。又、一次系にクラ
ッドFe以外の不純物が流入しない様に定量ポンプ14
の上流側に100μm以下の目開きのストレーナを入れ
た方が好ましい。更に上述により測定したクラッド濃度
が極端に高い場合(100ppm以上)は、適宜濃度を
下げるため、純水の供給ができる様にすることが必要で
ある。
水をサンプリング17し、原子吸光度分析法、蛍光X線
分析法などにより予めクラッド濃度を測定した後、目標
とする給水クラッドFe濃度になる様、定量ポンプ14
のストロークを調整して、注入する。又、一次系にクラ
ッドFe以外の不純物が流入しない様に定量ポンプ14
の上流側に100μm以下の目開きのストレーナを入れ
た方が好ましい。更に上述により測定したクラッド濃度
が極端に高い場合(100ppm以上)は、適宜濃度を
下げるため、純水の供給ができる様にすることが必要で
ある。
【0015】実施例2 次に、1100MWeBWRプラントにおける運転実施
例により本発明を具体的に説明する。 (1)復水流量約6500T/Hの一次冷却系に対し
て、コンデミ5上流側23よりクラッドFeを負荷させ
る。 (2)コンデミ5入口クラッドFe濃度が1〜1.5p
pb程度になる様にクラッドFeを定量ポンプ14で注
入する。尚、このクラッドは、プラント内部で生成され
たものである。 (3)これによりクラッドFeは一担コンデミ5を通過
した後、コンデミ出口で0.1ppbから0.6ppb
程度まで徐々に増加してゆき、原子炉に流入する。図2
にコンデミ出口の不溶解性Feの濃度の推移を示す。 (4)これに伴い、原子炉水のCo−58イオン放射能
濃度は、約43Bq/cm3 より約29Bq/cm3 ま
で低減される。図3にCo−58イオン放射能濃度の推
移を示す。
例により本発明を具体的に説明する。 (1)復水流量約6500T/Hの一次冷却系に対し
て、コンデミ5上流側23よりクラッドFeを負荷させ
る。 (2)コンデミ5入口クラッドFe濃度が1〜1.5p
pb程度になる様にクラッドFeを定量ポンプ14で注
入する。尚、このクラッドは、プラント内部で生成され
たものである。 (3)これによりクラッドFeは一担コンデミ5を通過
した後、コンデミ出口で0.1ppbから0.6ppb
程度まで徐々に増加してゆき、原子炉に流入する。図2
にコンデミ出口の不溶解性Feの濃度の推移を示す。 (4)これに伴い、原子炉水のCo−58イオン放射能
濃度は、約43Bq/cm3 より約29Bq/cm3 ま
で低減される。図3にCo−58イオン放射能濃度の推
移を示す。
【0016】(5)コンデミ上流側でのクラッドFeの
注入量が減り、コンデミ出口のクラッドFe濃度が低減
されると、これに伴い原子炉水のCo−58イオン放射
能濃度は徐々に上昇してゆく。 (6)この作用は、原子炉本体や、燃料集合体の部品に
使われているニッケル合金からのNiイオンなどが、中
性子の照射を受けてCo−58イオンなどに変わり、原
子炉水の放射能濃度を上昇させるのを抑制するためであ
る。Feクラッドを注入すると、次式の様な反応により Ni2 +Fe2 O3 +H2 O→NiFe2 O4 +2H+ Niフェライトを生成させ、燃料集合体や、炉壁に安定
的に付着させることができるのである。
注入量が減り、コンデミ出口のクラッドFe濃度が低減
されると、これに伴い原子炉水のCo−58イオン放射
能濃度は徐々に上昇してゆく。 (6)この作用は、原子炉本体や、燃料集合体の部品に
使われているニッケル合金からのNiイオンなどが、中
性子の照射を受けてCo−58イオンなどに変わり、原
子炉水の放射能濃度を上昇させるのを抑制するためであ
る。Feクラッドを注入すると、次式の様な反応により Ni2 +Fe2 O3 +H2 O→NiFe2 O4 +2H+ Niフェライトを生成させ、燃料集合体や、炉壁に安定
的に付着させることができるのである。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば次のような効果を奏する
ことができる。 (1)プラント内で不要であり、本来、放射性廃棄物処
理設備で処理する必要のある、コンデミやHFFの逆洗
廃液を一部回収して使用するため、鉄製造装置(電解法
など)などが不要であるとともにプラント内の廃液発生
量低減効果も期待できる。 (2)プラント運転状態においてプラント構成材料より
生成されたクラッドFeであるため、外部より持込んだ
ものよりNiフェライトを生成しやすく、その効果が大
きい。 (3)回収したクラッドFeは、粒径の成長、酸化によ
る変質を防止する対策が講じられているため、常時、同
じ効果が期待できる。 (4)クラッドFeの注入量をコントロールすることに
より、原子炉への給水のクラッドFe濃度を管理目標値
に対して正確に調整できる。
ことができる。 (1)プラント内で不要であり、本来、放射性廃棄物処
理設備で処理する必要のある、コンデミやHFFの逆洗
廃液を一部回収して使用するため、鉄製造装置(電解法
など)などが不要であるとともにプラント内の廃液発生
量低減効果も期待できる。 (2)プラント運転状態においてプラント構成材料より
生成されたクラッドFeであるため、外部より持込んだ
ものよりNiフェライトを生成しやすく、その効果が大
きい。 (3)回収したクラッドFeは、粒径の成長、酸化によ
る変質を防止する対策が講じられているため、常時、同
じ効果が期待できる。 (4)クラッドFeの注入量をコントロールすることに
より、原子炉への給水のクラッドFe濃度を管理目標値
に対して正確に調整できる。
【図1】本発明による一次冷却系への鉄注入の系統図で
ある。
ある。
【図2】コンデミ出口の不溶解性Feの濃度の推移を示
すグラフである。
すグラフである。
【図3】原子炉水のCo−58イオン放射能濃度の推移
を示すグラフである。
を示すグラフである。
1:原子炉、2:タービン、3:ホットウェル、4:復
水ろ過装置、5:復水脱塩装置、6:給水加熱器、7:
再循環ポンプ、8:低圧復水ポンプ、9:高圧復水ポン
プ、10:原子炉給水ポンプ、11:クラッドFe受
槽、12:攪拌器、13:超音波発振器、14:定量ポ
ンプ、15:N2 ガス、16:真空ポンプ、17:サン
プリング、18:廃棄物処理。
水ろ過装置、5:復水脱塩装置、6:給水加熱器、7:
再循環ポンプ、8:低圧復水ポンプ、9:高圧復水ポン
プ、10:原子炉給水ポンプ、11:クラッドFe受
槽、12:攪拌器、13:超音波発振器、14:定量ポ
ンプ、15:N2 ガス、16:真空ポンプ、17:サン
プリング、18:廃棄物処理。
Claims (4)
- 【請求項1】 BWR型原子力発電所における一次冷却
系への鉄注入方法において、復水処理用のろ過装置又は
脱塩装置に一担捕捉したクラッド鉄を逆洗操作により剥
離させ、該クラッド鉄を含有する逆洗水を一時貯留した
後、一次冷却系に供給することを特徴とする一次冷却系
への鉄注入方法。 - 【請求項2】 前記逆洗水の貯留は、不活性ガスの曝気
下又は真空状態の維持下に行うことを特徴とする請求項
1記載の一次冷却系への鉄注入方法。 - 【請求項3】 前記逆洗水の貯留は、攪拌し、超音波を
発振させながら行うことを特徴とする請求項1又は2記
載の一次冷却系への鉄注入方法。 - 【請求項4】 一次冷却系への貯留水の供給は、貯留水
中のクラッド鉄濃度を測定し、目標とする給水クラッド
鉄濃度となる様に、一次冷却系へ定量ポンプで供給する
ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の一次冷却系
への鉄注入方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3310034A JPH05126991A (ja) | 1991-10-30 | 1991-10-30 | Bwr型原子力発電所における一次冷却系への鉄注入方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3310034A JPH05126991A (ja) | 1991-10-30 | 1991-10-30 | Bwr型原子力発電所における一次冷却系への鉄注入方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05126991A true JPH05126991A (ja) | 1993-05-25 |
Family
ID=18000365
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3310034A Pending JPH05126991A (ja) | 1991-10-30 | 1991-10-30 | Bwr型原子力発電所における一次冷却系への鉄注入方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05126991A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009264973A (ja) * | 2008-04-25 | 2009-11-12 | Toshiba Corp | 炉水放射能低減方法および原子力発電プラント |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62274299A (ja) * | 1986-05-22 | 1987-11-28 | 株式会社東芝 | 原子力発電設備 |
-
1991
- 1991-10-30 JP JP3310034A patent/JPH05126991A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62274299A (ja) * | 1986-05-22 | 1987-11-28 | 株式会社東芝 | 原子力発電設備 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009264973A (ja) * | 2008-04-25 | 2009-11-12 | Toshiba Corp | 炉水放射能低減方法および原子力発電プラント |
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