JPH05126951A - 目標運動解析装置および解析方法 - Google Patents

目標運動解析装置および解析方法

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JPH05126951A
JPH05126951A JP3288619A JP28861991A JPH05126951A JP H05126951 A JPH05126951 A JP H05126951A JP 3288619 A JP3288619 A JP 3288619A JP 28861991 A JP28861991 A JP 28861991A JP H05126951 A JPH05126951 A JP H05126951A
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target
course
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target motion
observation
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JP3288619A
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Kazuo Sato
和夫 佐藤
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】目標の運動諸元の変更に対処でき、また運動諸
元の予想値の利用に対応し得るとともに、観測船の針路
変更に伴う方位誤差の増大に対処できる目標運動解析装
置および解析方法を提供する。 【構成】カルマンフィルタを用いた目標運動解析装置に
おいて、カルマンフィルタの演算処理時に、状態ベクト
ルから得られる推定方位と観測方位との差である残差
と、共分散行列の要素の一つである方位分散との関係を
演算し所定の検定基準により検定する手段13および1
5と、検定結果により状態ベクトルおよび共分散行列を
初期化する手段15と、観測方位に含まれる誤差の大き
さに対応して観測方位の予想分散値を切り替える手段5
を備えることを特徴とする。 【効果】目標の運動諸元変更を検知もしくは看破でき、
運動諸元変更後もさらに継続して目標運動解析を実施で
きる。また、目標運動諸元のいずれかの値が予想可能の
とき、これを利用して解析性能を向上させることができ
る。さらに、観測船の針路変更時における方位観測装置
の性能劣化の悪影響も最小限に抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はカルマンフィルタを用い
た目標運動解析装置および解析方法に係り、特に海上に
おける航行船舶の運動諸元を短時間で高精度に解析する
装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カルマンフィルタを用いた目標運動解析
については方位情報のみを入力データとする三次元運動
物体の運動解析について IEEE 会報1985 年 10 月 Vol
AC-30No 10 940〜949ページ 「A Stochastic Analysis
of a Modified Gain ExtendedKalman Filter with Appl
ication to Estimation with Bearings Only Measure-m
ents」 に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術は目標の運動諸元変更に対処する方法については
述べられておらず、また、目標運動諸元のいずれかの値
が予想される場合に、この情報を有効に用いて解析能力
を向上させる方法についても述べられていない。さらに
方位情報の入力データのみによる目標運動解析では、観
測者つまり観測船は少なくとも一度は針路変更をする必
要があるが、このような観測船の針路変更に伴う方位誤
差の増大に対応させる方法についても述べられていな
い。本発明は、従来技術には不足している上記三つの機
能を新たに追加し、より現実的な目標運動に対応できる
よう技術改善を図るものである。すなわち、本発明の目
的は、目標の運動諸元の変更に対処でき、また運動諸元
の予想値の利用に対応し得るとともに、観測船の針路変
更に伴う方位誤差の増大に対処できる目標運動解析装置
および解析方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的のうち、特に
目標の運動諸元の変更に対処するとともに、観測船の針
路変更に伴う方位誤差の増大に対処するための本発明の
カルマンフィルタを用いた目標運動解析装置は、例えば
図1に示すように、演算処理時に状態ベクトルから得ら
れる推定方位と観測方位との差である残差と共分散行列
の要素の一つである方位分散との関係を演算し所定の検
定基準により検定する手段13および15と、検定結果
により状態ベクトルおよび共分散行列を初期化する手段
15と、観測方位に含まれる誤差の大きさに対応して観
測方位の予想分散値を切り替える手段5を備えることと
する。あるいは、上記の運動諸元の予想値の利用に対応
する目的を含む上記すべての目的を達成するための本発
明のカルマンフィルタを用いた目標運動解析装置は、上
記手段の上にさらに、方位以外の距離、針路、速力の運
動諸元のデータにより上記状態ベクトルおよび共分散行
列を更新する手段9を備えることとして、例えば同じく
図1に示すような構成を備えるようにすればよい。ここ
で、同じく図1に示されるように、上記、残差と方位分
散に対して所定の検定基準により検定する手段として、
残差の2乗と方位分散との比を出力表示する方位分散比
表示器14を備えることとすれば、時系列的なグラフィ
ック表示を観察することにより目標の運動諸元の変更に
対処できる。
【0005】あるいは上記目的のうち、目標の運動諸元
の変更に対処するための本発明のカルマンフィルタを用
いた目標運動解析方法は、例えば図4に示すように、デ
ータ入力時のカルマンフィルタの演算処理の前段で、状
態ベクトルから得られる推定方位と観測方位との差であ
る残差と共分散行列の要素の一つである方位分散との関
係を所定の検定基準により検定し、検定結果が所定の検
定基準を越えたとき、目標が運動諸元中の針路もしくは
速力を変更したとみなし、状態ベクトルおよび共分散行
列を初期化し、以上により目標の運動諸元の変更に追従
することとする。また上記目的のうち、目標の運動諸元
のいずれかの値が予想される場合に対応するための本発
明のカルマンフィルタを用いた目標運動解析方法は、予
想される運動諸元の予想値と予想値の推定分散値を観測
データと同様に入力し、状態ベクトルおよび共分散行列
の更新を行うこととする。上記の目的のうち、このよう
な観測船の針路変更に伴う方位誤差の増大に対応するた
めの本発明のカルマンフィルタを用いた目標運動解析方
法は、針路変更時に生じる観測方位の誤差増加に対応
し、方位誤差の予想分散値をその増加程度に応じて変更
し、観測船が針路変更を終了したときは針路変更前の予
想分散値に戻して解析を行い、これにより解析性能を向
上させることとする。
【0006】
【作用】後述において、数学的取扱いも含めて実施例を
説明することにより、作用についても効果的に明らかに
なると思われるが、ここでは特に本発明の構成および解
析方法を概説する中で作用を説明する。解析すべき二次
元運動物体の位置ベクトルを距離の逆数 1/r および方
位 θで表し、同じく運動ベクトルを単位距離あたりの
速力の方位平行成分 Vp/r および垂直成分 Vt/r で表
す。上記位置ベクトルおよび運動ベクトルを総称して状
態ベクトルと言い、 X で表す。
【0007】
【数1】
【0008】状態ベクトル X をこのように表すのはカ
ルマンフィルタにおける計算処理の都合からであるが、
これから目標の距離、針路および速力を導くことは容易
である。一方、観測できるものは観測船から見た目標の
方位 α であり(数5に示す)、これを観測ベクトル y
と称する。また、観測ベクトル y と状態ベクトル Xと
の間の関係式を与えるものとして観測行列 H がある。
ここで現実の問題に対処するため観測ベクトル y には
誤差を容認することにする。そして誤差の分布は正規分
布であると仮定する。従って状態ベクトル X も誤差を
含んだものとなる。この誤差の程度を分散値および共分
散値で表現しこれを行列として扱い共分散行列 P と称
する。状態ベクトル X が4個の要素から成立している
のでこの共分散行列 P のサイズは4×4である。目標
は運動しているので状態ベクトル X の各要素の値は既
知の物理法則に従って時間と共に変化する。この関係を
表すものとして状態遷移行列 F が定義される。本発明
に述べる目標運動解析装置の基本的な目的は、目標の方
位のみの逐次観測から目標の運動諸元(距離、針路およ
び速力)を推定することである。解析の初期において、
まず状態ベクトル X に適当な仮定値を設定しておく。
従ってこれは一般に真値との隔たりが大きいので、共分
散行列 P にもこれに見合った大きな値を初期値として
設定する。観測方位が逐次得られると、その都度この観
測方位およびその間の時間経過に基づいて、状態ベクト
ル X および共分散行列 Pの更新が行なわれる。これら
の更新の量を規定するものとして、カルマンゲインK と
いうベクトルがある。カルマンゲイン K は状態ベクト
ル X から導かれる推定方位と観測方位との差に乗じる
ベクトルであり観測ベクトル y 、共分散行列 P および
観測方位の予想分散値 σ2 から計算される。以上の説
明の中からは説明の便宜上観測船の位置データについて
は省略したが、観測方位が得られる度に行なわれる更新
処理には、観測船の位置データも使用されていることは
言うまでもない。また方位のみを入力データとする目標
運動解析では、観測船が等速直進運動を続けるかぎりは
解が収束しないので、解析期間中に少なくとも一回は針
路を変更する必要があるのは公知である。
【0009】以上の方法により目標の運動諸元を推定す
ることが可能となるが、ここで問題となるのは目標がそ
の運動諸元を変更した場合である。状態ベクトル X は
目標の位置を表す要素と速力を表す要素とだけから成立
しているので、必然的に目標の運動は等速直進運動であ
ることが前提となっている。従って目標が運動諸元例え
ば針路を変更した時点以後は原理的に解析不能となる。
しかし実際には、解がある程度収束した状態で目標が針
路を変更しても目標方位は急には変化しないので、目標
の針路変更後しばらくは解は収束状態を維持し、ある限
界に達したところで発散する。ここで、目標の針路変更
直前から変更後も解がまだ収束状態を維持している期間
の状況をもう少し詳しく述べると次のようになる。解が
ある程度収束している状態では状態ベクトル X から導
かれる目標運動諸元の推定値は真の目標運動諸元に近い
ため、観測方位と推定方位との差である残差もその時の
観測方位に含まれる誤差に近い。誤差の分布は正規分布
と考えているので、その時の共分散行列 P の方位の分
散値 p22もこの誤差の分散値つまり誤差の二乗に近いも
のである。この状態において目標が針路を変更すると以
上の条件が次第に崩れるので、残差は次第に増加する。
このことから目標が針路を変更したことを検知すること
ができる。具体的には
【0010】
【数2】
【0011】の条件をn回連続して満足した場合、目標
が針路を変更したものとする。ここでaはある定数値で
ある。aおよびnの値を(実施例の項で具体値を示
す。)適切に選ぶことによって適切に目標の針路変更を
検知することができる。以上は数値の比較処理だけを用
いて自動的に目標の針路変更を検知する方法であるが、
これとは別に前記(残差)2と方位の分散値 p22との比
つまり分散比を時系列的にグラフィック表示し(実施例
の項で具体的に示す。)目標運動解析オペレータがこの
表示を観察して目標の針路変更を看破することもでき
る。この方法によるとオペレータの主観に左右されると
いう短所がある。しかしその主観がオペレータの目標運
動解析に対する経験、技量に基づくものであれば逆に長
所となり得るものである。目標の運動諸元を検知もしく
は看破したならば状態ベクトルおよび共分散行列を初期
化し、これにより目標の運動諸元変更に追従した解析が
継続される。
【0012】目標運動解析中においては目標の運動諸元
である距離、針路および速力のうちどれかの値が予想で
きる場合がある。この予想値を利用することによって解
析性能を向上させることが可能になる。具体的には次の
方法による。この予想値も一種の入力データとみなして
観測ベクトル y として扱う。そして各運動諸元ごと
に、状態ベクトル X との関係式を与える観測行列 H を
用意しておく。さらに各運動諸元ごとの予想値に対する
予想分散値 σ2 も用意しておく。そして予想値が得ら
れたときは、この値をオペレータが入力することによ
り、上記観測行列 H および、予想分散値 σ2 を使って
カルマンフィルタ処理を実行する。目標運動解析装置に
おける、前記の、方位以外の距離、針路、速力の運動諸
元のデータにより状態ベクトルおよび共分散行列を更新
する手段は、このような予想値に対応するカルマンフィ
ルタ処理の実行を可能にするものである。
【0013】前に述べたように目標運動解析において、
解を得るためには解析期間中に観測船が針路を変更する
必要がある。この時一般には方位観測装置の性能劣化に
より方位誤差が増加する。従って観測船の針路変更中は
上記増加の程度に対応した方位誤差の予想分散値を使用
して解析を行なう。そして観測船が針路変更を終了した
ならば、またもとの予想分散値に戻す。これによって針
路変更中の方位誤差増大の悪影響を最小限に抑えること
が可能になる。前記の目標運動解析装置における、観測
方位に含まれる誤差の大きさに対応して観測方位の予想
分散値を切り替える手段は、このような誤差増大に対す
る対処を可能にするものである。
【0014】
【実施例】図1は本発明の目標運動解析装置のハード構
成の一実施例を示す。図1において方位観測装置1によ
り目標の方位が観測される。また観測船の速力検出器2
およびジャイロ3から観測船の速力および針路のデータ
が位置演算器4に送られて、ここで観測船の位置が刻々
計算される。以上2種類のデータ(目標方位および観測
船位置)が目標運動解析装置11に入力される。また位
置変化の状況に応じて観測方位の方位誤差分散値5が設
定され、これも含めて3種類のデータがカルマンフィル
タ10に入力され、以下に述べる方法により解析値(目
標の距離、針路および速力)が算出され解析値表示器1
2に表示される。解析処理の過程において方位分散比演
算器13により算出される分散比は方位分散比表示器1
4に表示される。またこの分散比は検定処理15で所定
の検定基準に基づいて検定され、その結果によっては初
期化が行われることがある。目標運動諸元のうちいずれ
かの値が予想できる場合はオペレータコンソール16か
らその値をカルマンフィルタ10に入力する。カルマン
フィルタ10は更新処理6、予想値による更新処理9、
状態ベクトル7および共分散行列8から構成されてい
る。
【0015】図2はカルマンフィルタの処理フローを示
すもので本発明適用の基盤となるものである。図2に示
すようにカルマンフィルタの処理は初期処理17とデー
タ入力時処理18との二つに分けられる。まず初期処理
においては状態ベクトル Xおよび共分散行列 P の初期
設定を行なう。本発明においては状態ベクトル X は数
1に示すように4個の要素からなり、目標の位置ベクト
ルおよび速力ベクトルを示す。また共分散行列 P は状
態ベクトル X の各要素の分布を表すものであり4×4
の行列である。データ入力時処理は観測方位が得られた
とき行なわれる。まず観測方位に基づいて観測行列 H
の計算が行なわれる。観測行列 H は
【0016】
【数3】
【0017】であるので
【0018】
【数4】
【0019】ここで
【0020】
【数5】
【0021】
【数6】
【0022】
【数7】
【0023】ここで Xo および Yo は方位入力時の観測
船の位置である。次にカルマンゲインの計算が行なわれ
る。カルマンゲインは
【0024】
【数8】
【0025】次に状態遷移行列 F の計算が行なわれ
る。状態遷移とは状態ベクトル X が時間の経過と共に
どのように遷移するかを表すものである。本発明の対象
となる解析モデルを図3に示す。図3における n 時点
と n+1 時点との関係式は
【0026】
【数9】
【0027】
【数10】
【0028】
【数11】
【0029】
【数12】
【0030】
【数13】
【0031】
【数14】
【0032】ここでτ1は、n時点からn+1時点まで
の時間、τ2は、n+1時点からn+2時点までの時間
である。状態遷移行列 F は
【0033】
【数15】
【0034】であるから
【0035】
【数16】
【0036】
【数17】
【0037】
【数18】
【0038】
【数19】
【0039】
【数20】
【0040】
【数21】
【0041】ここで
【0042】
【数22】
【0043】
【数23】
【0044】
【数24】
【0045】
【数25】
【0046】
【数26】
【0047】
【数27】
【0048】
【数28】
【0049】
【数29】
【0050】
【数30】
【0051】
【数31】
【0052】次に観測行列 H 、カルマンゲイン K およ
び状態遷移行列 F に基づいて状態ベクトル X および共
分散行列 P の更新が行なわれる。観測方位が入力され
る度に以上の処理が行なわれて、次々と状態ベクトル X
および共分散行列 P を改善していき最終的には十分な
精度の状態ベクトル X つまり目標の運動諸元を得るも
のである。以上述べた一連の処理は拡張カルマンフィル
タを用いた目標運動解析として一般に知られている。数
2に示す残差とは観測方位と推定方位 α との差であ
る。推定方位 α は数5、数6および数7に示すもので
ある。数2においてa=3とし、数2の条件が、10回連
続して(つまりn=10)成立したとき目標が針路を変
更したものと判定する。そしてこの時状態ベクトル X
および共分散行列 P を初期化する。なお状態ベクトル
X の要素のうち距離の逆数 1/r と方位 θ とは目標が
針路を変更しても急には変化しないので、以前の値を継
承する。つまり x1 と x2 とは初期化しないで x3 と x
4 とを初期化する。図4に以上の処理のフローチャート
を示す。
【0053】図5は目標が針路変更した場合の具体的解
析状況を示している。図5において右側の正方形は一辺
20 kydの海域である。正方形の左下から右上に向けて
階段上に伸びているのは観測船の航跡である。観測船の
運動タイムスケジュールはすぐ下の表に示すとおりであ
る。つまり速力は6 kt一定で300秒ごとに針路を0
度と90度に変更している。距離15000 ydのとこ
ろから右下に伸び、途中で折れている線は目標の航跡で
ある。目標は観測船から見て0度15000 ydの点を
起点とし、針路150度、速力15 ktで航走する。そ
して15分後に針路を120度に変更する。なお針路上
の丸印は5分ごとの時刻を示す。この目標から得られる
真の方位に対して、標準偏差σ=0.1度の正規分布誤
差を加えた観測方位を入力データとして解析を行う。こ
の解析結果による目標位置が正方形の左上から右下に連
なるプロットである。このプロットは図からわかるよう
に時刻12分付近において真の目標航跡と一致する。つ
まり12分付近において解析値が収束している。ところ
が目標は時刻15分において針路を変更する。同図にお
ける左側の三っの図は距離、速力および針路の解析値お
よび真値をプロットしたものである。右側の図で読み取
ったと同様に距離、速力および針路共時刻約12分で収
束し、目標が針路を変更した時刻15分以後において距
離、速力および針路について解析値と真値との間に差が
でている。この差によって時刻17分ごろ数2の条件が
10回連続して成立し、その結果状態ベクトル X の要
素のうちx3とx4および共分散行列 P の全要素の初期
化が行なわれる。図5の結果を見ると目標が針路変更し
た後しばらくは(5分間くらい)解析値に若干の乱れが
見られるが、まもなく新しい目標運動諸元に収束してい
る。以上の目標の針路変更検知及び初期化は自動的に行
なわれるものであるが、現実にはこの自動初期化が必ず
しも理想的には行なわれない。つまり、入力される方位
データの質がさらに悪いことがしばしばあり、このよう
な場合解の収束状況が悪くなる関係上、目標の針路変更
検知が困難となる。この対策として、図6に示すように
前記(残差)2と共分散 p22 の比である分散比を時系列
的にグラフィック表示し、目標変針の検知をオペレータ
に任せる。この判断の適否はオペレータの目標運動解析
に係る技量、経験に大きく依存するが方位データの質が
悪いときは一般に自動判定よりオペレータによる判定の
ほうが優れている。図6は方位データに含まれる誤差の
標準偏差σがかなり大きい0.5度について分散比を時
系列的にグラフィック表示したものである。このグラフ
を見ると目標が針路を変更する時刻15分の前と後とで
分散比の状況が異なっているのが認識できる。オペレー
タはこのグラフとその他の全般的状況判断と組み合わせ
て、目標の針路変更を看破する。次にオペレータによる
予想値入力の方法、実施例およびその効果について述べ
る。目標運動解析中においては、種々の状況判断から目
標の方位以外に目標の運動諸元に関する情報が得られる
場合がある。このような情報は一般に精度の高いものは
望めないが、それでも適切に利用すればカルマンフィル
タ目標運動解析装置の性能向上に役立つ。例えば目標運
動諸元のうち距離の値が予想できた場合、図1のオペレ
ータコンソールよりその予想値を入力する。この場合カ
ルマンフィルタの処理としては、図2に示す観測行列 H
の計算を次のように行なう。
【0054】
【数32】
【0055】
【数33】
【0056】
【数34】
【0057】
【数35】
【0058】つまり、距離の予想値をあたかも入力デー
タのごとく扱い、それに対応した観測行列 H によって
処理を行なう。この時数8で使用するσ2の値も距離誤
差の予想分散値を適用する。図7に距離の予想値を入力
した場合の解析結果(b)図を入力しない場合の解析結
果(a)図と比較して示す。解析開始6分後、距離の予
想値として真値の約80%の値(真値11433ydに
対して9100yd)を入力した。この時、誤差の予想
値としては標準偏差σで予想距離の20%を使用した。
図によると距離の予想値入力前は解析状態は不良であっ
たが入力直後から良好となり、針路、速力もこれにつれ
て解析良好状態となっている。解析の収束時間は予想値
入力を行なった方が行なわない場合に比べて約5分早く
なっている。
【0059】針路の予想値が得られた場合は観測行列 H
として次のものを使用する。
【0060】
【数36】
【0061】
【数37】
【0062】
【数38】
【0063】
【数39】
【0064】また速力の予想値が得られた場合は観測行
列 H として次のものを使用する。
【0065】
【数40】
【0066】
【数41】
【0067】
【数42】
【0068】
【数43】
【0069】
【数44】
【0070】なお、針路および速力の予想値の想定標準
偏差もそれぞれの入力値に応じたものを使用する。これ
により距離の予想値を入力したときと同様に解析性能の
向上が見られる。
【0071】次に観測船の針路変更により方位観測装置
の性能が劣化した場合においても解析性能の低下を最小
限に抑える方法について図8の実施例を用いて説明す
る。本実施例においては入力方位の誤差の標準偏差(数
8の中のσ)は0.2度としている。観測船が直進中は
このままで良いが解析のため針路を変更すると、前記理
由により方位の誤差が増加する。この増加に応じてσの
値を変更すれば解析性能の低化を最小限に抑えることが
できる。図8のa図は針路変更中のσを1.6度とした
場合の解析状況を示す。同b図は針路変更中もσを0.
2度のままとした場合の解析状況を示す。両図を比較す
ると、明らかにa図の方が優れている。
【0072】
【発明の効果】本発明の目標運動解析装置および解析方
法によれば、目標の運動諸元変更を検知もしくは看破で
き、運動諸元変更後もさらに継続して目標運動解析を実
施できる。また、目標運動諸元のいずれかの値が予想可
能のとき、これを利用して解析性能を向上させることが
できる。さらに、観測船の針路変更時における方位観測
装置の性能劣化の悪影響も最小限に抑えることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】本発明の基盤となるカルマンフィルタの処理フ
ローである。
【図3】本発明実施の対象となる目標運動の解析モデル
である。
【図4】本発明による実施例を示すカルマンフィルタの
処理フローである。
【図5】本発明による目標の針路変更の際の解析結果を
示す図である。
【図6】本発明による分散比のグラフィック表示図であ
る。
【図7】本発明実施による予想値入力の際の解析結果を
予想値入力をしない場合と比較した図である。a図は予
想値入力をしない場合、b図は予想値入力をした場合。
【図8】本発明実施による予想標準偏差値制御による解
析状況を制御なしの場合と比較した図である。a図は制
御した場合、b図は制御しない場合。
【符号の説明】
1…方位観測装置、 2…速力検出器、3…ジ
ャイロ、 4…位置演算器、5…方位誤差
分散値、 6…更新処理、7…状態ベクトル、
8…共分散行列、9…予想値による更新処理、
10…カルマンフィルタ、11…目標運動解析装置、
12…解析値表示器、13…方位分散比演算器、
14…方位分散比表示器、15…検定処理、
16…オペレータコンソール、17…初期処理、
18…データ入力時処理。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】運動物体である目標の運動諸元に対して状
    態ベクトルを定義し、この状態ベクトルとこれに対する
    共分散行列とを、逐次観測される目標方位および目標方
    位観測時の観測者の位置座標に基づいて更新することに
    より、該目標の距離、針路、速力を解析しその結果を出
    力表示する目標運動解析装置において、 演算処理時に状態ベクトルから得られる推定方位と観測
    方位との差である残差と共分散行列の要素の一つである
    方位分散との関係を演算し所定の検定基準により検定す
    る手段と、 検定結果により状態ベクトルおよび共分散行列を初期化
    する手段と、 観測方位に含まれる誤差の大きさに対応して観測方位の
    予想分散値を切り替える手段を備えることを特徴とする
    目標運動解析装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、さらに、方位以外の距
    離、針路、速力の運動諸元のデータにより上記状態ベク
    トルおよび共分散行列を更新する手段を備えることを特
    徴とする目標運動解析装置。
  3. 【請求項3】上記、残差と方位分散に対して所定の検定
    基準により検定する手段として、残差の2乗と方位分散
    との比を出力表示する方位分散比表示器を備えることを
    特徴とする請求項1または請求項2記載の目標運動解析
    装置。
  4. 【請求項4】カルマンフィルタを用い、運動をしている
    目標の方位データが得られる度に、目標の距離、針路、
    速力の運動諸元に関連する要素から成る状態ベクトルと
    これに対する共分散行列とを更新することにより運動諸
    元の解析を行う目標運動解析方法において、 データ入力時のカルマンフィルタの演算処理の前段で、
    状態ベクトルから得られる推定方位と観測方位との差で
    ある残差と共分散行列の要素の一つである方位分散との
    関係を所定の検定基準により検定し、検定結果が所定の
    検定基準を越えたとき、目標が運動諸元中の針路もしく
    は速力を変更したとみなし、状態ベクトルおよび共分散
    行列を初期化し、 以上により目標の運動諸元の変更に追従することを特徴
    とする目標運動解析方法。
  5. 【請求項5】カルマンフィルタを用い、運動をしている
    目標の方位データが得られる度に、目標の距離、針路、
    速力の運動諸元に関連する要素から成る状態ベクトルと
    これに対する共分散行列とを更新することにより運動諸
    元の解析を行う目標運動解析方法において、 目標の運動諸元の何れかの値が予想できるときは、予想
    値と予想値の推定分散値を観測データと同様に入力し、
    状態ベクトルおよび共分散行列の更新を行うことを特徴
    とする目標運動解析方法。
  6. 【請求項6】カルマンフィルタを用い、運動をしている
    目標の方位データが得られる度に、目標の距離、針路、
    速力の運動諸元に関連する要素から成る状態ベクトルと
    これに対する共分散行列とを更新することにより運動諸
    元の解析を行う目標運動解析方法において、 移動する観測者つまり観測船が針路変更するときは、針
    路変更時に生じる観測方位の誤差増加に対応し、方位誤
    差の予想分散値をその増加程度に応じて変更し、 観測船が針路変更を終了したときは針路変更前の予想分
    散値に戻して解析を行い、これにより観測船の針路変更
    に対応し、解析性能を向上させることを特徴とする目標
    運動解析方法。
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