JPH05125460A - 金属材料の処理装置及び処理方法 - Google Patents

金属材料の処理装置及び処理方法

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JPH05125460A
JPH05125460A JP3255787A JP25578791A JPH05125460A JP H05125460 A JPH05125460 A JP H05125460A JP 3255787 A JP3255787 A JP 3255787A JP 25578791 A JP25578791 A JP 25578791A JP H05125460 A JPH05125460 A JP H05125460A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 所定成分の良質の合金又は複合材を連続にま
たは所定量、短時間で製造することができ、また電源と
してバッテリー等の直流電源を利用できる小型,軽量な
金属材料の処理装置を得る。 【構成】 直流電源の正又は負電圧に接続されたスイッ
チ回路及び該回路の出力側のリアクタンス回路からなる
複数の変換部と、上記スイッチ回路の制御回路とを有
し、多相交流を出力する電源装置7を備え、合金又は複
合材を形成するための各種の素材からなる電極1〜3,
1A〜3Aに上記多相交流を印加して各電極間に複数の
アークを発生するとともに、電極先端部よりプラズマア
ーク10を噴出させ、該アークにより上記各電極を溶融
して合金又は複合材を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属材料の処理装置及
び処理方法に関し、特に直流電源を多相交流電力に変換
する電源装置を備え、多相多電極プラズマアークを発生
することができる金属材料処理装置及び処理方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、合金を製造する手段として各成分
の金属をそれぞれ所定の重量だけ秤量し、これらを十分
撹拌混合して炉内で加熱溶融する方法が一般に用いられ
てきた。しかしながら、上記の従来の方法では、複数種
類の金属をあらかじめ所定量だけ秤量してこれらを混合
溶融するので、随時所望量の合金を連続して製造するこ
とは困難であり、また従来の加熱方法では十分な高温が
得られず、従って加熱温度が比較的低くエネルギーが十
分でないため良質の合金が得られないという問題もあっ
た。
【0003】また、従来の純銅鋳物の鋳造においては、
溶解時溶湯中に溶解した水素が凝固に際し水素ガスとし
て放出されて、また溶解した酸素が凝固中に濃縮されて
水素と反応し水蒸気ガスとなって、ともに気泡巣の原因
となっており、健全な鋳物を製造するためには、溶解時
の水素,酸素の溶解量を低下させることが必要条件であ
った。このために、まず酸化溶解を行って水素量を低く
したのち脱酸するか、還元溶解を行ったのち脱酸剤(予
備脱酸にリン−銅、仕上げ脱酸に金属リチウム等)を使
用して酸素量を0.002 %とし、その後、溶湯に不活性ガ
スを吹き込んだり、真空脱ガスして水素を除く等の方法
がとられている。しかし、いずれの方法においても2段
階の処理を要し、脱酸剤の適量使用を含めこの間での処
理が確実に行われたか否かの確認を要するという問題が
あった。
【0004】電気銅,タフピッチ銅鋳塊を鋳造する場合
は、反射炉溶解において、バーナに過剰空気を送って炉
内を酸化性にして水素含量の低い溶銅をつくり、次に生
松丸太を溶湯中に突っ込んで酸素量が約0.03%になるよ
う適当に脱酸(ポーリング)する方法が一般的である。
しかし、この方法を用いた場合、鋳塊中の酸素がCu2
Oとして存在し、その量が多量の場合には塑性加工性を
害し、少なすぎると、凝固時における酸素と水素間の反
応による水蒸気の発生量が少なくなって、パイプ状引け
巣の沈下が著しく、歩留まりが悪くなる。
【0005】また、これまで耐摩耗性に優れた材料とし
て使用されているものに黒鉛分散焼結合金があり、この
黒鉛分散焼結合金の製造方法としては、自己潤滑性を有
する黒鉛粉を銅または銅合金粉末に添加焼結する方法、
または、銅又は銅合金溶湯に黒鉛粉末を機械的撹拌、ま
たはアルゴン・窒素ガスなどの不活性ガスを搬送ガスと
して吹き込むことによって添加し、鋳造して黒銅粉末が
分散した銅合金を製造する方法が知られている(特公昭
60−53732号公報,特開昭57−120643号
公報,55−134143号公報,55−24950号
公報参照)。
【0006】しかるに銅又は銅合金粉末に黒鉛粉末を添
加して焼結したものは引張強度が低いという欠点があ
り、また耐摩耗性についても十分ではなかった。一方、
銅または銅合金溶湯中に黒鉛粉を加えて分散させる方法
は、両者の比重差による分離が生じることとぬれ性の悪
さから容易ではなく、従って黒鉛粒子表面に銅又はニッ
ケル被覆を施したり、Ti,Zr,Si等を溶湯に添加
する等の方策が講じられている。しかるに前者の場合、
黒鉛添加のための前処理に手間取り、また後者の場合T
i,Zr,Si等の溶湯への添加は導電性を著しく劣化
させるという問題があった。
【0007】また従来、タングステン等高融点物質は、
溶融して鋳造する等の手段により形成することは困難
で、ほとんど焼結により成形されていた。また熱プラズ
マ,レーザビーム,電子ビーム等により溶融することは
可能であるとしても、これを実用的に利用することはで
きないという問題点があった。
【0008】さらに、現在、製鋼法の主流としては鉄鉱
石を溶鉱炉でコークスを使用して還元し、まず溶融銑鉄
を得、次に転炉等でこれを酸化脱炭して純度の高いFe
からなる溶鋼を得るようにしている。他の方法として
は、天然ガスを改質した水素及び一酸化炭素を主成分と
する還元性ガスを使用してシャフト炉等の炉中で鉄鉱石
を加熱還元して還元鉄を得る直接製鉄法がある。さら
に、他の方法として、プラズマ炉に粉状鉄鉱石を供給
し、天然ガスと水素の混合ガスをプラズマ発生ガスとし
て上記粉状鉄鉱石を加熱,溶融,還元して高品位(例え
ばC=0.01%,S=0.01%,P=0.005 %,Si=0.01
%)の溶鉄を得ている。しかるに、溶鉱炉でコークスを
使用して鉄鉱石を還元すると鉄生成以外の副次反応が起
こり鉄中に炭素その他の不純物が入る。従って次の製鋼
工程において、この炭素を除去するために酸化の過程が
必要で、さらに出鋼に際しては、鉄鉱石中の不純物、即
ちSi,Mn,さらにコークス中にもあるP,S等の除
去のために、脱酸による清浄化を行う、即ちAl,Ca
等を加えることにより酸素を除去する工程を設けること
を必要とする。このため製造工程の短縮化と、溶鉱炉用
コークスの製造に必要な強粘結炭等の資源の問題やエネ
ルギー問題等から、鉄鉱石から1回の工程でFeの純度
の高い溶鋼を得る直接製鋼法が注目されている。また砂
鉄等の純良鉱石を使用する小規模生産ではむしろ直接製
鋼法が適している場合がある。
【0009】上記還元性ガスを使用した直接製鉄法によ
る還元鉄の製造では鉄鉱石材料が固体状態にあり、溶け
ていないので、還元時に脈石を溶融状態での比重分離に
より分離する,いわゆる脈石,通常石灰石(CaC
3 )を900°Cで分解してCaOとし、これをSi
2 等と結合させて極めて溶けやすいガラス質のスラグ
とし分離することが不可能なため、原料鉱石として鉄分
65%以上の精鉱を用いる必要があり、さらに得られる
製鋼用還元鉄の金属化率,即ち全体に対するFeの重量
比も90%近辺にすぎず、あとはFeOとなっている。
またこの方法は大量生産には向かず、天然ガス資源に恵
まれない地域での企業化には大きな困難があった。ま
た、この直接製鉄法では、スポンジ状の粒鉄,あるいは
つぶつぶの軽石状の粒鉄しかできず、これは製鋼の原料
として使用するもので、やはり2段階の処理が必要とな
るものであった。
【0010】さらに、プラズマ炉による鉄鉱石の還元製
練では、アルゴン、水素等の高級ガスを消費するため、
経済上の問題があった。また、十分高品位の鋼を製造で
きるものの、原料を微粉にして一定速度でプラズマの最
高温度部に導入する技術を必要とし、さらにはプラズマ
形成ガスの回収再利用に問題があって実用化には至って
いない。また鉄鉱石も一定粒度の微細粉に調整する必要
があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上記の点に
鑑みてなされたもので、全く新規な小型・軽量で効率の
良い、直流電源を多相交流電力に変換する電源装置を備
え、バッテリー等の直流電源を用いて、簡単な装置で所
定の成分の良質の合金または複合材を連続にまたは所定
量、短時間で製造することができる合金または複合材等
の金属材料の処理装置を提供することを目的とする。
【0012】またこの発明は、高純度で凝固に際しガス
放出のない純銅溶融を得ることができ、しかもその電源
として、全く新規な小型・軽量で効率の良い、直流電源
を多相交流電力に変換する電源装置を備え、バッテリー
等の直流電源を用いることができる金属材料の処理方法
を提供することを目的とする。
【0013】またこの発明は、通常の銅又は銅合金の溶
解温度(1,100〜1,200℃)では無視できる程度に
微少な炭素の溶解度が、2,000℃以上の溶解温度で
はかなりの数値となることに鑑み、この2,000℃以
上の溶解温度で銅又は銅合金に炭素を溶解し、これを鋳
造して導電性に優れた黒鉛含有銅又は銅合金材質を容易
に得ることができ、しかもその電源として、全く新規な
小型・軽量で効率の良い、直流電源を多相交流電力に変
換する電源装置を備え、バッテリー等の直流電源を用い
ることができる金属材料の処理方法を提供することを目
的とする。
【0014】またこの発明は、電源として、全く新規な
小型・軽量で効率の良い、直流電源を多相交流電力に変
換する電源装置を備え、バッテリー等の直流電源を用い
て効率よく容易にタングステン等の高融点物質を溶融す
ることができる金属材料の処理方法を得ることを目的と
する。
【0015】さらに、この発明は、原料鉄鉱石の厳密な
粒度管理やペレット化等の前処理を必要とせず、特別な
還元性雰囲気調整を行うことなく、高温で製錬すること
によって高純度の溶鋼を容易に得ることができ、しかも
その電源として、全く新規な小型・軽量で効率の良い、
直流電源を多相交流電力に変換する電源装置を備え、バ
ッテリー等の直流電源を用いることができる金属材料の
処理方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る金属材料の
処理装置は、直流電源の正及び負電圧に接続された正側
及び負側接点を有し、正側及び負側接点のオン・オフ、
あるいは正側,負側接点間での切換が可能なスイッチ回
路と、リアクタンス成分を有し該スイッチ回路に接続さ
れたリアクタンス回路とからなり、直流を交流に変換す
る複数の変換部と、上記スイッチ回路のオン・オフある
いは切換動作を制御する制御回路とを備え、上記変換部
の出力端子に多相交流を出力する電源装置を具備すると
ともに、各電極が一種類又は複数種類の素材からなり、
先端が相互に近接して配置された金属材料としての複数
本の導電性電極を備え、該電極に上記多相交流を印加し
て前記電極間にアークを発生し、該複数のアークにより
上記電極を溶融して合金または複合材を製造するように
したものである。
【0017】また本発明に係る金属材料の処理装置は、
直流電源の正及び負電圧に接続された正側及び負側接点
を有し、正側及び負側接点のオン・オフ、あるいは正
側,負側接点間での切換が可能なスイッチ回路と、リア
クタンス成分を有し該スイッチ回路に接続されたリアク
タンス回路とからなり、直流を交流に変換する複数の変
換部と、上記スイッチ回路のオン・オフあるいは切換動
作を制御する制御回路とを備え、上記変換部の出力端子
に多相交流を出力する電源装置を具備するとともに、先
端が相互に近接して配置された複数本の電極を備え、該
電極に上記多相交流を印加して各電極間に複数のア−ク
を発生し、該複数のアークにより複数種類の素材からな
る溶融素材を溶融して合金または複合材を製造するよう
にしたものである。
【0018】また本発明に係る金属材料の処理装置は、
上記電源装置において、複数の変換部として第1〜第3
の変換部を設けるとともに、上記制御回路をスイッチ回
路の1回の切換えによって得られる出力波形の一周期の
1/3の位相差でもって各スイッチ回路を切換制御する
よう構成したものである。
【0019】また本発明に係る金属材料の処理装置は、
上記電源装置において、リアクタンス回路を、リアクタ
ンス制御信号に基づいてそのリアクタンス成分が変化す
るよう構成するとともに、上記制御回路を、タイミング
制御信号に基づいて上記スイッチ回路での正側及び負側
接点の開閉動作、及び正側,負側接点間での切り換え動
作のタイミングが変化するよう構成し、上記リアクタン
ス制御信号及びタイミング制御信号の一方あるいはその
両方により、出力波形の形状及び交流出力の周波数の一
方、あるいはこれらの両方を経時的に可変としたもので
ある。
【0020】また、本発明に係る金属材料の処理方法
は、直流電源の正及び負電圧に接続された正側及び負側
接点を有し、正側及び負側接点のオン・オフ、あるいは
正側,負側接点間での切換が可能なスイッチ回路と、リ
アクタンス成分を有し該スイッチ回路に接続されたリア
クタンス回路とからなり、直流を交流に変換する複数の
変換部と、上記スイッチ回路のオン・オフあるいは切換
動作を制御する制御回路とを備え、上記変換部の出力端
子に多相交流を出力する電源装置を用い、多数の黒鉛等
の電極の各々に上記電源装置の各相電圧を引加して各電
極間にプラズマアークを発生し、これを電解銅材料に照
射して溶解し、アークの還元力によって酸素を除去する
とともに、高温溶解における銅の蒸気圧上昇を利用して
水素を除去するようにしたものである。
【0021】また、本発明に係る金属材料の処理方法
は、直流電源の正及び負電圧に接続された正側及び負側
接点を有し、正側及び負側接点のオン・オフ、あるいは
正側,負側接点間での切換が可能なスイッチ回路と、リ
アクタンス成分を有し該スイッチ回路に接続されたリア
クタンス回路とからなり、直流を交流に変換する複数の
変換部と、上記スイッチ回路のオン・オフあるいは切換
動作を制御する制御回路とを備え、上記変換部の出力端
子に多相交流を出力する電源装置を用い、複数の電極間
に複数のアーク放電を発生させるとともに、非移行性プ
ラズマアークを電極先端部より発生させ、該アークによ
り、銅または銅合金材料に黒鉛を添加したものを高温に
加熱,溶解して銅または銅合金に炭素を溶解し、冷却凝
固に際し金属組織中に黒鉛を析出させて銅または銅合金
を得るようにしたものである。
【0022】また、本発明に係る金属材料の処理方法
は、直流電源の正及び負電圧に接続された正側及び負側
接点を有し、正側及び負側接点のオン・オフ、あるいは
正側,負側接点間での切換が可能なスイッチ回路と、リ
アクタンス成分を有し該スイッチ回路に接続されたリア
クタンス回路とからなり、直流を交流に変換する複数の
変換部と、上記スイッチ回路のオン・オフあるいは切換
動作を制御する制御回路とを備え、上記変換部の出力端
子に多相交流を出力する電源装置を用い、複数の電極間
に複数のアーク放電を発生させるとともに、非移行性プ
ラズマアークを電極先端部より発生させ、これによって
タングステン等の高融点物質を高温溶解するようにした
ものである。
【0023】さらに、本発明に係る金属材料の処理方法
は、直流電源の正及び負電圧に接続された正側及び負側
接点を有し、正側及び負側接点のオン・オフ、あるいは
正側,負側接点間での切換が可能なスイッチ回路と、リ
アクタンス成分を有し該スイッチ回路に接続されたリア
クタンス回路とからなり、直流を交流に変換する複数の
変換部と、上記スイッチ回路のオン・オフあるいは切換
動作を制御する制御回路とを備え、上記変換部の出力端
子に多相交流を出力する電源装置を用い、複数の電極間
に複数のアーク放電を発生させるとともに、非移行性プ
ラズマアークを電極の収束する電極先端部より発生さ
せ、該アークを炉床上の鉄鉱石に噴射させ、あるいは該
アーク中に粉状鉄鉱石または酸化鉄粉を供給することに
よって鉄鉱石を高温に加熱,溶融,還元して直接に鋼組
成の溶鉄を得るようにしたものである。
【0024】
【作用】この発明においては、直流電源の正及び負電圧
に接続された正側及び負側接点を有し、正側及び負側接
点のオン・オフ、あるいは正側,負側接点間での切換が
可能なスイッチ回路と、リアクタンス成分を有し該スイ
ッチ回路に接続されたリアクタンス回路とからなり、直
流を交流に変換する1つ又は複数の変換部と、上記スイ
ッチ回路のオン・オフあるいは切換動作を制御する制御
回路とを備え、上記変換部の出力端子に多相交流を出力
する電源装置を用いたから、バッテリー等の直流電源を
用いることができ、しかも、電源装置においてトランス
が不要となるため、装置全体の小型,軽量化を図ること
ができる。
【0025】また、電源装置においてスイッチ回路での
開閉あるいは切り換えタイミングや、リアクタンス回路
のリアクタンス成分を変更することにより、金属材料の
種類に合わせて波形や周波数の異なる種々の多相交流出
力を得ることができる。
【0026】さらに、上記電源装置を用いて多数の電極
間に発生するアークにより上記電極を溶融して合金また
は複合材を製造するようにしたから、各電極を構成する
物質原子が約4,000℃の高温でイオン化しながら瞬
時に溶融し、この溶融池またはアーク周辺に回転磁界,
電磁力,磁場の振動及びアークの撹拌現象を発生するの
で、該物質原子はこれらのエネルギーによる変成を受
け、今まで得られなかった緻密な良質の合金を製造する
ことができる。
【0027】またこの発明においては、上記電源装置を
用いて、黒鉛等よりなる多数の電極間でアーク放電を行
い、COガスに富む極めて還元力の強いプラズマアーク
を作り、酸化物を還元するようにしたから、溶銅中にC
2 Oの形で存在する酸素は容易に還元除去され、非常
に容易な方法で純度の高い純銅を得ることができる。ま
た脱酸剤を使用しないので残留脱酸剤による材質の電気
伝導度の劣化等の問題は生じない。さらにバッテリー等
の直流電源が利用でき、また酸化物の種類に応じて、プ
ラズマアーク発生のための多相交流出力の波形や周波数
を変更でき、しかも純銅の溶解に用いる装置を小型,軽
量化できる。
【0028】またこの発明においては、上記電源装置を
用いて、銅または銅合金材料もしくは炭素による還元で
金属となる銅合金構成元素の金属酸化物と黒鉛粉とを混
合した溶解材料を、アークにより2,000°以上の高
温状態への加熱,溶解を行うようにしたので、黒鉛が均
一微細に析出分散した黒鉛分散銅または銅合金を極めて
容易に得ることができる。さらに上記と同様、バッテリ
ー等の直流電源が利用でき、また処理物の種類に応じ
て、プラズマアーク発生のための多相交流出力の波形や
周波数を変更でき、しかも黒鉛含有銅又は銅合金の製造
に用いる装置を小型,軽量化できる。
【0029】またこの発明においては、上記電源装置を
用いて発生させたプラズマアークによりプラズマアーク
処理を行い、タングステン等高融点物質を高温溶融する
ようにしたので、タングステン等高融点物質をきわめて
容易に溶融することができ、しかも金属中に含まれる比
較的蒸気圧の高い金属不純物(Fe,Al等)を蒸発に
より除去して純度の高いものを得ることができる。さら
に上記と同様、バッテリー等の直流電源が利用でき、ま
た高融点物質の種類に応じて、プラズマアーク発生のた
めの多相交流出力の波形や周波数を変更でき、しかも高
融点物質の融解に用いる装置を小型,軽量化できる。
【0030】またこの発明においては、上記電源装置を
用いて非移行性プラズマアークを電極の収束する電極先
端部より発生させ、該アークを炉床上の鉄鋼石に噴射さ
せ、あるいは該アーク中に粉状鉄鋼石または酸化鉄粉を
供給することによって鉄鋼石を高温に加熱,溶融,還元
して直接に鋼組成の溶鉄を得るようにしたものであるか
ら、原料鉄鋼石の厳密な粒度管理やペレット化等の前処
理を必要とせず、また特別な還元性雰囲気調整を行うこ
となく、純度の高い溶鋼を得ることができる。しかも、
低炭素,低珪素,低硫黄の良質鋼溶湯が鉄鋼石の還元で
直接得られ、原料鉱石が銅,錫等の含有の少ない砂鉄や
酸化物の場合は、特別の用途に用いることのできる純良
鋼を製造することができる。さらに上記と同様、バッテ
リー等の直流電源が利用でき、また鉄鉱石の種類に応じ
て、プラズマアーク発生のための多相交流出力の波形や
周波数を変更でき、しかも直接製鋼法に用いる装置を小
型,軽量化できる。
【0031】
【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。図1は本発明の第1の実施例による合金又は複合材
の製造装置である合金製造炉の概要説明図である。図に
おいて、多相多電極プラズマアーク発生装置8は、本件
出願人が提案し特公昭53−39377号公報等に記載
された多相多電極アーク発生手段と同様の構成になるも
ので、6本の電極1,2,3,1A,2A,3Aと、該
電極1,1A,電極2,2A,電極3,3Aのそれぞれ
に各相電圧を供給する3相交流電源7とよりなり、該電
極はそれぞれ合金又は複合材を形成するための各種の素
材からなるものを使用する。6本の上記電極は逆円錐形
状を形成するよう、かつ、電極先端部9で収束するよ
う、上方から見て等角度(60°間隔)で放射状に並ん
でいる。各電極は電極送り機構(図示省略)によって進
退自在となっており、電極の消耗に対して調整される。
【0032】また、4,5,6は3相交流出力の出力電
流を調整するシリコン制御整流素子(SCR)あるいは
リアクトルにより構成される電流調整装置、10は6本
の黒鉛電極1,2,3,1A,2A,3Aの間で複数得
られると同時に、電極先端部9で下方に向けて噴出する
ように得られる、非移行性プラズマアーク、12は合金
又は複合材を形成する複数の素材からなる電極材料が溶
けて溶融池となったもの、11はこれを収容する坩堝で
ある。
【0033】図2は上記多相交流電源7の具体的な構造
を示しており、101は直流電源、102a〜102c
は直流電力を交流電力に変換する第1〜第3の変換部
で、直流電源101の正及び負電圧に接続された正側及
び負側接点124a〜124c及び125a〜125c
を有し、該正側及び負側接点のオン・オフ、あるいは正
側,負側接点間での切換が可能なスイッチ回路121a
〜121cと、これらスイッチ回路121a〜121c
に接続された誘導回路(リアクタンス回路)122a〜
122cとからなる。また106a〜106cは上記第
1〜第3の変換部102a〜102cの出力端子であ
り、電流位相調整装置を介して多相多電極プラズマアー
ク発生装置8の黒鉛電極1〜3,1A〜3Aと接続され
ている。また131は上記各スイッチ回路121a〜1
21cを、スイッチ回路の一回の切り換えによって得ら
れる出力波形の一周期T0 の1/3倍(1/3T0 )の
位相差でもって切換制御する制御回路である。なお10
7はニュートラル端子であり、上記直流電源101の正
及び負電圧の中間電位に接続されており、アーク発生用
の電極が3つよりも多いときに必要に応じてこれを用い
ることでより強力なプラズマアークを発生することがで
きるものである。
【0034】次に本発明の電源装置の動作について説明
する。上記制御回路131により上記スイッチ回路12
1a〜121cの切換動作を上記のタイミングで行う
と、誘導回路122a〜122cには誘導起電力が発生
し、これによって出力端子106a〜106cとニュー
トラル端子107との間には所定周期の垂下特性を持つ
鋸歯状の電流が各々に誘導され、図3に示すような多相
交流が出力され、各電流位相調整装置4,5,6に印加
され、上記6本の電極間でアークが発生すると同時に、
電極先端部9で下方に向けてアークが発生する。この
際、以下に述べる効果がえられる。
【0035】(1) 本発明による電源出力値には急峻に
高電圧に立ち上がり、これから垂下状に零となる鋸歯状
波が得られるため、アークが出やすくかつ安定したアー
クが得られる。すなわち、本電源装置は本質的に垂下特
性を持った電源となっており、アークを用いた金属の溶
解等の処理には極めて好都合である。
【0036】(2) また、制御回路を調整することによ
り、出力電流の周波数を、商用周波数(50,60サイ
クル)の規制を受けることなく、例えば300,40
0,600サイクルというように自由に設定でき、最も
効率の良いアークを使用できる。また、周波数の設定
は、制御回路のインダクタンスLを制御回路のつまみ調
整で連続的に行うよう構成すれば、任意の周波数の出力
を得ることができる。またこのように周波数を高くでき
るので、装置の小型,軽量化を大きく進めることができ
る。また構造が簡単で小型軽量となるので、製造コスト
も大幅に低減できる。またアークも高周波の方がアーク
の効率がよく、装置の小型,軽量化につながる。
【0037】(3) また、従来の電源装置では無負荷電
圧が60V〜100V必要であったが、本発明では十分
低くすることができ、安全であるとともに取扱いも簡単
で技術の熟練を必要とせず、かつ自動化も容易である。
【0038】(4) 誘導回路のインダクタンスLの値を
変えることにより、垂下特性の形を変えることができ、
ロボット等,コンピュータ操作により、アーク対象に応
じて最良の条件を設定できる。例えば、リアクタンス回
路のインダクタンス値Lの調整により鋸歯状波形を鋭く
でき、つまり初期の電圧が高く、その後急峻に電圧が降
下する垂下特性を出力電流に持たせることができること
から、通常の3相交流電源を用いた3相マルチアークよ
りアーク特性をよいものにできる効果もある。
【0039】またここで、本発明の合金製造炉の本多相
多電極プラズマアーク発生装置により発生されるマルチ
アークは、以下の特色を有するものである。
【0040】(5) 大気中,液体中,真空中(102
orr)を問わずマイナス電子イオンを帯びた超高温の
アークが発生する。
【0041】(6) スイッチONと同時に4000℃以
上の熱源を得られるため、高融点物質でも溶融,溶解で
きる。
【0042】(7) 電極の先端に回転磁界が発生するた
め、被照射物に対する電気的撹拌作用が期待できる。
【0043】(8) 3の倍数で相数,電極数を増やすこ
とが可能で電極径を太くするとともに、負荷電流を増大
して大容量の物質でも短時間で処理できる。
【0044】(9) 3相,6相等の多相交流を用いてお
り、各相の合計電流は常に0となり、アース線が不要の
ため、アークは相手電極等の対極を必要としない非移行
性のものとなり、従って金属以外の物質でも、これを相
手電極とする必要がないため、電導性を有しない耐火物
等をも直接加熱,焼結,溶融させることができる。
【0045】(10) 複数の電極の中心部にニュートラル
電極を設けることにより、さらに強力なプラズマアーク
を発生させることができる。
【0046】(11) ニュートラル電極を設けるかわり
に、この中心部から溶剤またはガス等を放出することが
できる。
【0047】次に、本発明の合金製造炉の動作について
説明する。図1の装置において、電流調整装置4,5,
6からの3相交流電源出力の各出力を(各相出力をその
ままかけてもよいが、アークの強さ加減を調節したいと
きは各相出力の位相を若干調整する。)上記6本の黒鉛
電極1,1A、2,2A、3,3Aにそれぞれ供給する
と各電極相互間に複数のアークが発生すると同時に、電
極先端部9から非移行性プラズマアークが発生する。そ
して、該電極の周辺は、約4000℃の高温に加熱さ
れ、この結果、各電極1,2の先端が溶融し、各電極を
構成する金属の合金となった坩堝11中の溶融池に注入
される。この結果、合金溶融池またはアーク周辺に回転
磁界,電磁力,磁場の振動,及びアークの撹拌現象を発
生し、溶融合金はこれらのエネルギーによる変成を受
け、従来にない緻密な良質の合金が生成される。
【0048】図4は本発明の第2の実施例による合金製
造炉の概要説明図であり、これは多相交流プラズマアー
ク10に対し、その多数電極の集束する中央部に、合金
となる材料を供給する機構を付加し、溶解材料が最高温
熱流のアーク中心を貫流して効果的に加熱,溶融,還元
されるようにしたものである。
【0049】図において、図1と同一番号は同一部分を
示す。この合金製造炉では、装入口13に装入された溶
解材料は、基底にある定量供給装置14によって装入と
い15から送入管16を通過してアーク先端部9の中心
に上方から供給される。そして、上記アーク10の中心
に導入され、その最高温熱流を通過する間に溶解材料は
上述のように加熱,溶融,還元され、さらにこれはアー
ク先端にある耐火材障壁17に当たって完全に還元処理
されて合金溶融池となり、炉床湯溜まり18に溜まる。
なお、電源装置7は第1の実施例と同じ構成をもつもの
であるので、説明は省略する。
【0050】また図5および図6はこの発明の第1実施
例の第1変形例による合金又は複合材の製造装置を示
し、カーボンまたは金属アルミニウム、あるいはこれら
の混成で形成された電極31の外周に、同様の素材また
はカーボン電極等で形成された複数、ここでは6本の電
極32a,32b,32c,32d,32e,32fが
等角度間隔に配置されており、それぞれの電極31,3
2a〜fの先端は所定の間隔で近接している。これらの
電極31,32は上記と同様多相多電極アーク発生手段
8を構成する電極であり、電極32は星形結線された3
相または6相交流電源33(図では6相)の各相32a
〜32fにそれぞれ電流調整装置36a〜36fを介し
て接続されている。また電極31は3相または6相交流
電源33の中性点34に接続されている。そして各電極
31,32に各相の電圧が印加されて、電極31と電極
32間、及び電極32相互間のそれぞれの先端にアーク
が発生するようになっている。なお、35は溶融した合
金40を収納する容器である。
【0051】このように上記実施例では、多相多電極ア
ーク発生装置を用い、その電極に、複数種類の素材から
なる複数本の導電性電極を用い、前記電極間に発生する
アークにより該各電極を溶融して合金または複合材を製
造するようにし、あるいは複数種類の素材からなる材料
を、複数本の電極間に発生するアークにより溶融して合
金または複合材を製造するようにしたので、今まで得ら
れなかった緻密な良質の合金を製造することができる。
【0052】このときある種類の材料を用いた電極の断
面積の合計と、他の種類の材料を用いた電極の断面積の
合計とによって合金比率を適正に設定することができ、
任意の種類の,任意の合金比率の合金を得ることができ
る。
【0053】また、上記各実施例では、生成する合金の
量は、電源装置の印加電圧と通電時間を調整することに
より、任意に設定することができる。
【0054】また、特別な還元性雰囲気調整を行うこと
なく、各種合金材料を高温に加熱,溶融,還元して直接
に所望の合金を得ることができる。
【0055】また、電極の一部に黒鉛棒を用い、空気中
でアーク放電すると黒鉛の酸化によって生じた一酸化炭
素ガスは、アーク気圏に高濃度に存在し、高温に加熱さ
れて一部プラズマ状態となり、極めて還元性に富むアー
クを形成する。従って一般のプラズマアークのように発
火と還元性付与のために、アルゴン,水素,一酸化炭素
等のプラズマ形成ガスを送入することは全く不必要であ
り、大気中で各材料を容易に還元することができ、設備
装置費や操業費も極めて安価となり、極めて経済的であ
る。
【0056】また、多相電極の逆円錐状に集束する電極
下端の中央上部に各種合金材料を供給すると、多相電極
の集束する電極先端部の空隙部分を通過し、最高温熱流
のアーク中心を該合金材料が貫流して加熱,溶融,還元
処理を効果的に行うことができる。
【0057】なお上記実施例では1本のニュートラル電
極31と6本の異種の導電性電極32とを溶融する場合
について説明したが、電極31,32の材質及び本数は
これらに限定されるものではない。
【0058】さらに、各電極の中央部に太いニュートラ
ル電極を置けばさらに上記アークエネルギーを増大する
ことができ、かつこのニュートラル電極として、図7
(a) に示すように合金としたい素材を撚線状等に束ねた
もの31aを用い、あるいは図7(b) に示すように、パ
イプ状31bにしてその中央に必要な粉体または気体3
1cを通すようにすれば、これにより所望の成分の合金
を得ることができる。
【0059】さらに、図7に示すように、電極32を例
えば合金化したい異種金属の素材等で円筒状50に形成
し、中心孔32aに例えばセラミック粉末40を挿入し
て複合電極としてもよい。
【0060】またニュートラル電極についても図7(a)
の電極31aのように異種金属の撚線状や、図7(b) の
電極31bのように同心円的な複合電極で構成してもよ
い。例えば鉄で形成されたパイプ状電極の中にカーボン
やセラミック等の粉末を入れることにより、カーボンと
セラミックと鉄が融合した複合材を得ることができる。
【0061】また外側電極の内部は合金化したい素材の
粉体でもよいが、場合によっては不活性ガスを発生させ
るフラックスで適正な雰囲気をつくることもできる。
【0062】また、図8に示すように、電極だけでなく
坩堝38の中にあらかじめ合金または複合材を得るため
の各素材37を入れておいてもよく、また電極以外にこ
の坩堝38に、外部から一定量の合金または複合素材に
するための素材を一定の速度で一定の量をパイプ39よ
り投入するようにしてもよく、これにより、品質の向上
と製造の量産化とを促進させることができる。
【0063】図9(a) は本発明の第1実施例の第2変形
例を示し、図9(a) は2つの電源装置を用いたものを示
している。図において、70はニュートラル電極、71
〜74はその回りに配置された4つの電極、51,61
は第1,第2の電源装置で、これらは図10に示すよう
に、上記図2で示した電源装置の変換部102を2つ有
し、スイッチ制御回路131にて出力端子106aから
は負の電圧が、また出力端子106bからは正の電圧が
出力するようになっており、各電源回路のニュートラル
端子107は上記ニュートラル電極70に接続され、ま
たそれぞれの出力端子106a,106bは、上記4つ
の電極71〜74に、これら電極の極性が隣接するもの
同士では逆になるよう接続されている。この場合4つの
電極71〜74の間、及びこれらの電極とニュートラル
電極70との間に合計8つのアークが発生することとな
り、このアークによって上記実施例と同様電極を溶融し
て合金又は複合材を製造する。
【0064】また図9(b) は上記実施例の第3変形例を
示し、これは上記第2変形例において、電源装置を1つ
にしたものである。すなわち81は上記同様の構成を有
する電源装置で、そのニュートラル端子107はニュー
トラル電極70に、その各出力端子106a,106b
は上記実施例と同様、上記4つの電極71〜74に、こ
れらの電極の極性が隣接するもの同士では逆になるよう
接続されている。
【0065】また図9(c) は上記第1実施例の第4変形
例を示し、これは上記第3の変形例において、電極数及
び配置を変更したものであり、図に示すように3つの電
極75,76,77を所定の三角形の頂点に配置し、そ
のそれぞれに上記電源装置81のニュートラル端子10
7及び各出力端子106a,106bを接続している。
この場合は、各電極相互間に3つのアークが発生し、こ
れによって電極を溶融し、合金又は複合材を製造するこ
とができる。
【0066】なお、上記第4の変形例では、3つの電極
を三角形の頂点に配置したが、これは図9(d) に示すよ
うに一つの直線上に配置してもよい。
【0067】次に本発明の第3の実施例を図について説
明する。図11は本発明の第3の実施例による、上述の
多相交流プラズマアーク発生装置を用いて被処理物を坩
堝に装入して還元処理する間歇式処理炉の概要説明図で
ある。図において、多相多電極プラズマアーク発生装置
8は6本の黒鉛電極21,22,23,21A,22
A,23Aと電源装置7とからなり、電源装置7及び他
の構成は図1及び図2で示したものと同一であるためこ
こではその説明は省略する。また24は被処理物である
銅材料である。
【0068】この実施例においても、上記第1実施例と
同一の電源装置7を用いているので、上記(1) 〜(4) と
同一の効果を得ることができ、本多相多電極プラズマア
ーク発生装置8により発生されるマルチアークは上記
(5) 〜(11)に示したものと同一の特色を有するものであ
る。
【0069】次に動作について説明する。図11の装置
において、電源装置7から出力され、電流位相調整装置
4,5,6を介した各相電圧(3相交流出力をそのまま
かけてよいが、アークの強さを調整したいときは該出力
の位相制御を若干行う)を、電極21,21A、電極2
2,22A、電極23,23Aにそれぞれ供給すると、
該計6つの電極相互間に複数のアーク、即ちマルチアー
クが発生するとともに、これらの電極先端部9より非移
行性プラズマアーク10が噴射される。このマルチアー
クが照射される位置に、坩堝11に収容して被処理物で
ある純銅24を置いておくと、該純銅24は超高温に加
熱溶融され、その還元が行われる。
【0070】以上のように本実施例では、多相多電極交
流プラズマアークを用い、その電極に黒鉛棒を使用して
空気中でアーク放電を行い、COガスに富む極めて還元
力の強いプラズマアークをつくり、酸化物を還元する。
従って、溶銅中にCu2 Oの形で存在する酸素は容易に
還元除去される。このため、溶解の工程,操作を大きく
簡略容易化できる。また、溶解時間を大きく短縮でき
る。さらには、脱酸剤を使用しないので残留脱酸剤によ
る材質の電気伝導度の劣化等の問題は生じない。
【0071】ところで、溶銅中への水素の溶解度は一般
に溶解温度の上昇とともに増加することが知られてい
る。従って高温溶解による水素の除去は高温溶解による
特別の作用に期待しなければならない。すなわち溶解温
度が約2200℃以上になると、坩堝壁に接する部分で
は銅のヒュームがたち込めるようになる。このことは銅
の蒸気圧が高まることを意味する。ちなみに銅の沸騰点
は約2580℃である。
【0072】例えば銅−亜鉛合金の溶解における亜鉛蒸
気による脱水素効果はよく知られている。これと同様、
沸点の比較的高い銅の場合も、高温溶解を行うことによ
り金属蒸気圧を高めて水素を除去することができること
は容易に理解できる。
【0073】〔実験例1〕上記図11の実施例装置を用
い、黒鉛坩堝11内に電解銅板溶解材料5kgを入れ、
6本(3相6電極)のφ25黒鉛電極を有する多相交流
プラズマアーク発生装置を用い、電力水準96kWで3
分間照射して約2300℃まで加熱溶解したのち、坩堝
を傾斜してφ30(mm)−200(mm)Lの黒鉛鋳
型に注入した。この間アークの先端は坩堝の注出口部分
を照射するようにしてCOに富む還元性アーク雰囲気に
より、鋳込み中の溶湯の酸化やガス吸収を防ぐようにし
た。この黒鉛鋳型鋳込み試験片についてのガス分析結果
は次のとおりである。 O(wt%) H(wt%) 0.005 0.0001 分析方法 O:不活性ガス融解赤外線吸収法 H:不活性ガス融熱電導度法 なおこの溶解実験における銅溶湯を炭酸ガス硬化鋳型に
鋳込んだところ、得られた鋳物にはなんらのガス欠陥も
見出されなかった。
【0074】上記の結果は一例であって、多相交流プラ
ズマアークの照射電力水準及び照射時間による溶解温度
とその保持時間を適宜選定することにより、所定の脱ガ
スの程度を得ることができる。
【0075】次に本発明の第4の実施例を図について説
明する。図12は本発明の第4の実施例による黒鉛含有
銅又は銅合金の製造方法を実施するための多相多電極交
流アーク発生装置を示しており、銅または銅合金材料も
しくは炭素による還元で金属となる銅合金構成元素の金
属酸化物と黒鉛粉を混合した溶解材料を、この装置によ
り発生するマルチアークを用いて2,000°以上の高
温で溶解し、銅または銅合金に炭素を溶解させることに
よって、鋳造後の金属組織中に黒鉛を析出させた銅また
は銅合金材料を得るものである。図において、図11と
同一符号は同一または相当部分を示し、25は銅又は銅
合金もしくはこれら構成元素の金属酸化物からなる溶解
材料である。また、電源装置7の構成は、第1の実施例
で示したものと同じであるので説明は省略する。
【0076】この実施例においても、第1実施例と同一
の電源装置7を用いているので、上記(1) 〜(4) と同一
の効果を得ることができ、本多相多電極プラズマアーク
発生装置8により発生されるマルチアークは上記(5) 〜
(11)に示したものと同一の特色を有するものである。
【0077】次に動作について説明する。図12に示し
た装置において、電源装置7から出力され、電流位相調
整装置4,5,6を介した各相電圧(3相交流出力をそ
のままかけてよいが、アークの強さを調整したいときは
該出力の位相制御を若干行う)を、電極21,21A、
電極22,22A、電極23,23Aにそれぞれ供給す
ると、該計6つの電極相互間に複数のアーク、即ちマル
チアークが発生するとともに、これらの電極先端部9よ
り非移行性プラズマアーク10が噴射される。このマル
チアークが照射される位置に、坩堝11に収容して被処
理物である銅又は銅合金もしくは酸化銅(酸化第1銅ま
たは酸化第2銅)または銅合金構成元素の金属酸化物か
らなる材料に黒鉛を添加したもの24を置いておくと、
該材料24は超高温に加熱,溶融,還元され、銅または
銅合金中に炭素が溶解される。その後アークを止めれば
該溶解材料は自然に冷却凝固し銅または銅合金の金属組
織中に黒鉛を析出分散させたものが得られる。
【0078】ここで上述のように、多数の電極の各々に
多相交流電源の各相電圧を印加しアーク放電させると、
アーク電流により生じた磁場の作用で電極間に生成した
プラズマアーク10が電極の先端部9より噴射する。さ
らに、噴出するプラズマアークは多相交流によって生じ
た回転磁界によって撹拌作用が付加される。このように
して生じたプラズマアーク10は対極へ向けて移行する
ものではない非移行性のもので、炉床や坩堝11内に装
入した被処理物25が酸化物などの非導電性のものであ
っても直接照射することができる。 〔実験例2〕純銅板300gに黒鉛粉30gを加えて撹
拌混合して坩堝に入れ、電力水準63kwhで182秒
間プラズマアークを照射して黒鉛含有銅280gを得
た。放射温度計による溶解温度は2,210℃で、炭素
分析値は0.52%(重量)=2.03%(容量)であ
った。また、この黒鉛含有銅の導電率測定値は95%I
ACSで、ビッカース硬度(HV)は68であった。
【0079】〔実験例3〕純銅板250gにCr2 3
2.4gおよび黒鉛粉30gを加えて撹拌混合して坩堝
に入れ、電力水準63kwhで150秒間プラズマアー
クを照射して黒鉛含有クロム銅合金240gを得た。放
射温度計による溶解温度は2,150℃で、炭素分析値
は0.3%(重量)=1.18%(容量)で、クロム分
析値は0.63であった。
【0080】また、この黒鉛含有クロム銅の熱処理
(1,000℃溶体化,500℃焼戻し)後の導電率測
定値は75%IACSで、ビッカース硬度(HV)は1
30であった。
【0081】上記実験例2及び3で得られた銅または銅
合金中に析出分散させた黒鉛形状はいずれも微細で分布
は均一であった。そしてこのようにして得られた材料
は、銅および銅合金の電気的特性を損なうことなく高温
における機械的特性,即ち高温強度、潤滑性を改善する
ことができ、耐摩耗性部材や抵抗溶接用電極として使用
できるものである。
【0082】次に本発明の第5の実施例を図について説
明する。図13(a)は本発明の第5の実施例による、多
相交流プラズマアーク発生装置を用いて高融点物質を坩
堝に装入して還元処理する間欠式処理炉の概要説明図で
ある。図において、電源装置7及び多相多電極プラズマ
アーク発生装置8は図11及び図12で説明したものと
同一の構成を有し、30はニュートラル電極であり、多
相多電極プラズマアーク発生装置8のニュートラル端子
107に接続されている。また26は被処理物であるタ
ングステン等の高融点物質である。また20は坩堝11
の下側に配置された鋳型で、坩堝11の溶融物流出口1
1aから流れ出た溶融物26aを成形するものである。
【0083】本実施例においても、上記第1実施例と同
一の電源装置7を用いているので、上記(1) 〜(4) と同
一の効果を得ることができ、本多相多電極プラズマアー
ク発生装置8により発生されるマルチアークは上記(5)
〜(11)に示したものと同一の特色を有するものである。
【0084】次に動作について説明する。図13の装置
において、電源装置7から出力され、電流位相調整装置
4,5,6を介した各相電圧(3相交流出力をそのまま
かけてよいが、アークの強さを調整したいときは該出力
の位相制御を若干行う)を、電極21,21A、電極2
2,22A、電極23,23Aにそれぞれ供給すると、
該計6つの電極相互間及び該各電極とニュートラル電極
30との間に複数のアークが発生するとともに、これら
の電極先端部9より非移行性プラズマアーク10が噴射
される。このマルチアークが照射される位置に、坩堝1
1に収容して被処理物であるタングステン等の高融点物
質26を置いておくと、該タングステン26は超高温に
加熱溶融され、その還元が行われる。そして溶融された
タングステン12aは坩堝11の流出口11aより流れ
出して鋳型20内に流れ込み、ここで所望の製品に成形
される。
【0085】以上のように本実施例では、多相多電極交
流プラズマアークを用い、その電極に黒鉛棒を使用して
空気中でアーク放電を行い、COガスに富む極めて還元
力の強いプラズマアークをつくり、酸化物を還元する。
従って、溶タングステン中にWOの形で存在する酸素は
容易に還元除去される。このため、溶解の工程,操作を
大きく簡略容易化でき、また、溶解時間を大きく短縮で
きる。さらには高融点金属の溶融を高温で行うから、金
属中に含まれる比較的蒸気圧の高い金属不純物(Fe,
Al等)の蒸発除去を容易に行うことができる。
【0086】なお、上記実施例では予め坩堝11内に被
処理物を収容しておきこれにマルチアークを照射するよ
うにしたが、これは被処理物である高融点物質またはこ
れを含む粉状物質を、多数電極の集束するプラズマアー
ク最高温熱流が通過する中心部に供給するようにしても
よい。図13(b) はこのようにして被処理物を供給する
本実施例の変形例を示しており、被処理物であるタング
ステン等の高融点材料を棒状に加工したもの27をプラ
ズマアーク10中に供給するようにしている。その他の
構成は上記実施例と同様であり、溶融されたタングステ
ンは坩堝に一旦収容され、さらに鋳型へ供給されて成形
される。
【0087】なお図13(b) には棒状に加工した被処理
物をプラズマアーク中に供給する法を示しているが、被
処理物は粉状でもよく、これをパイプを通してプラズマ
アーク中に導入するようにしてもよい。
【0088】次に本発明の第6の実施例を図について説
明する。図14は本発明の第6の実施例による、多相交
流プラズマアーク発生装置を用いて直接製鋼法を実施す
るための製錬炉の概要説明図である。図において、図1
1と同一符号は同一部分を示す。電源装置7および多相
多電極プラズマアーク発生装置8は図11及び図12で
説明したものと同一の構成を有し、28は補助還元剤と
しての黒鉛,塩基性フラックスとしての石灰,マグネシ
ア等を添加した原料鉄鉱石である。
【0089】本実施例においても上記第1実施例と同一
の電源装置7を用いているので、上記(1) 〜(4) と同一
の効果を得ることができ、本多相多電極プラズマアーク
発生装置8により発生されるマルチアークは上記(5) 〜
(11)に示したものと同一の特色を有するものである。
【0090】次に動作について説明する。図14の装置
において、電源装置7から出力され、電流位相調整装置
4,5,6を介した各相電圧(3相交流出力をそのまま
かけてよいが、アークの強さを調整したいときは該出力
の位相制御を若干行う)を、電極21,21A、電極2
2,22A、電極23,23Aにそれぞれ供給すると、
該計6つの電極相互間に複数のアーク即ちマルチアーク
が発生するとともに、これらの電極先端部9より非移行
性プラズマアーク10が噴射される。このプラズマアー
クが照射される位置に、坩堝11に収容して被処理物で
ある補助還元剤としての黒鉛,フラックスとしての石
灰,マグネシア等を添加した原料鉄鉱石28を置いてお
くと、該原料鉄鉱石28は約4,000℃の超高温に加
熱,溶融,還元され、高温溶融された鋼組成の溶鉄が生
成される。
【0091】また、図15はこの第6実施例の変形例を
示し、これは上記図4で説明した構成の装置を用い、そ
の電極として黒鉛棒を用いたものであり、多相交流プラ
ズマアーク10に対し、その多数電極の集束する中央部
に、粉状鉱石等を供給する機構を付加し、鉱石粉等が最
高温熱流のアーク中心を貫流して効果的に加熱,溶融,
還元されるようにしたものである。
【0092】すなわち、装入口13に装入された鉱石粉
(図示せず)は、基底にある定量供給装置14によって
装入とい15から送入管16を通過してアーク先端部9
の中心に上方から供給される。そして、上記プラズマア
ーク10の中心に導入され、その最高温熱流を通過する
間に上述のように鉱石は加熱,溶融,還元され、さらに
これはアーク先端にある塩基性耐火物で構築し、ライニ
ングして塩基性フラックスを使用した耐火材障壁17に
当たって完全に還元処理されて溶鉄となり、炉床湯溜ま
り18に溜まる。
【0093】以上のように、多相多電極アーク発生装置
を用い、多数の電極に多相交流電源の各相電圧を印加し
てアーク放電させ、アーク電流により生じた磁場の作用
で電極間に生成したプラズマアークを電極の先端より噴
出させ、更に、噴出するプラズマアークは多相交流によ
って生じた回転磁場によって撹拌作用が付加されるが、
このようにして生じたプラズマアークは非移行性のもの
であり、そのプラズマアークを、補助還元剤としての黒
鉛と、石灰などのフラックスとを混合した、石灰質炉床
上の鉄鉱石に噴射させ、あるいは該アーク中に粉状鉄鉱
石または酸化鉄粉を供給するようにしたので、原料鉄鉱
石の厳密な粒度管理やペレット化等の前処理を必要とせ
ず、また特別な還元性雰囲気調整を行うことなく、鉱石
等を高温に加熱,溶融,還元して直接に鋼組成の溶鉄を
得ることができる。
【0094】また、電極に黒鉛棒を用い、空気中でアー
ク放電すると、黒鉛の酸化によって生じた一酸化炭素ガ
スはアーク気圏に高濃度に存在し、高温に加熱されて一
部プラズマ状態となり、極めて還元性に富むアークを形
成する。従って一般のプラズマアークのように発火と還
元性付与のためにアルゴン,水素,一酸化炭素等のプラ
ズマ形成ガスを送入することは全く不必要となり、大気
中で鉄鉱石等を容易に還元することができ、設備装置費
や操業費も極めて安価となり、極めて経済的である。
【0095】また、多相電極の逆円錐状に集束する電極
下端の中央上部に粉状鉄鉱石と石灰等のフラックスの混
合物を供給すると、多相電極の集束する電極先端部の空
隙部分を通過し、最高温熱流のアーク中心を鉱石等が貫
流して加熱,溶融,還元処理が効果的に行われる。
【0096】また、原料鉱石中に少量(約5%重量)の
炭素粉を加えると鉱石の還元は加速されるが、過剰に加
えると溶鉱炉を使用した場合と同じで溶けた鉄が炭素と
触れて吸炭し、SiO2 とCが反応してSiとCOにな
り、溶鉄中の炭素及びけい素の含有量が高くなる。この
ような鉱石脈石中のけい酸の還元は石灰,マグネシア等
の塩基性フラックスの添加と炭素粉の使用制限で抑える
ことができ、またこの塩基性フラックスの使用は高温に
おける脱硫効果が著しく、溶鉄中の硫黄含有量は低くな
る。したがって炉床は塩基性耐火物で構築し、塩基性フ
ラックスをライニングしておくことにより、溶鉄中の硫
黄含有量が低いものが得られる。
【0097】かくして低炭素,低けい素,低硫黄の良質
鋼溶湯が鉄鉱石の還元で直接得られ、原料鉱石が銅,錫
等の含有の少ない砂鉄やその酸化物の場合は、特別の用
途の純良鋼を製造することができる。
【0098】〔実験例4〕使用した原料砂鉄の化学組成
は、
【0099】
【表1】
【0100】(ここで、TFe はFeO とFe O3 の中の鉄分
の比(計算値)でトータル鉄という。)
【0101】この砂鉄1kgに補助還元剤として黒鉛粉
50g,造滓剤(フラックス)として生石灰120g,
マグネシア30g,アルミナ20gを添加混合し、これ
を石灰質不定形耐火物でライニングした製練炉の処理部
炉床に装入し、φ13黒鉛電極6本を備えた第1図に示
す多相多電極プラズマアーク発生装置を使用してアーク
照射し加熱,溶融,還元した。
【0102】照射条件は電力水準75kwhで同一条件
での間欠的操業第3回目(1回目,2回目はウォーミン
グアップの意味をもつ)における照射時間は100秒で
ある。その後冷却凝固させ第3回目操業では鋼片548
gを得た。従って鉄の還元回収率は548/(1,000 ×
0.602)=91%で電力原単位は3,800kwh/to
n鉄であった。得られた鋼片の分析値は、次の通りであ
る。
【0103】
【表2】
【0104】ここで、この分析値には原料破鉄中のAl
2 3 ,MgO,TiO2 ,V2 5 中のAl,Mg,
Ti,Vが見られないが、これらは高温溶融時に完全に
分離され、スラグとなって除去されたものである。
【0105】〔実験例5〕図15に示す粉状鉱石等を供
給する機構を備え、鉱石等がアーク中心部を貫流し耐火
材障壁に当たって還元処理される装置を使用し、実験例
4と同一配合の砂鉄原料を用いて操業した。
【0106】鉱石配合物は定量供給装置14によって2
0g/秒の流量で1分間送入した。その後なお40秒間
アークを照射し続けた。照射条件は電力水準75kwh
で、得られた鋼片は553gであった。
【0108】従って鉄の還元回収率は、553/(1,00
0 ×0.602)=92%で、得られた鋼片の分析値は、次の
とおりである。
【0109】
【表3】
【0110】ここで、Al,Mg,Ti,V等が見られ
ないのは(実施例1)と同様の理由による。電力現単位
は3787kwh/ton鉄であった。しかしこれは操
業時間の延長によってさらに低下できると考える。
【0111】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、直流電源
の線正及び負電圧に接続された正側及び負側接点を有
し、正側及び負側接点のオン・オフ、あるいは正側,負
側接点間での切り換えが可能なスイッチ回路と、リアク
タンス成分を有し該スイッチ回路に接続されたリアクタ
ンス回路とからなり、直流を交流に変換する1つ又は複
数の変換部と、上記スイッチ回路のオン・オフあるいは
切り換え動作を制御する制御回路とを備え、上記変換部
の出力端子に多相交流を出力する電源装置を用いたか
ら、バッテリー等の直流電源を用いることができ、しか
も、電源装置においてトランスが不要となるため、装置
全体の小型,軽量化を図ることができる効果がある。
【0112】また、この発明によれば、電源装置におい
てスイッチ回路での開閉あるいは切り換えタイミング
や、リアクタンス成分を変更することにより、金属材料
の種類に合わせて波形や周波数の異なる種々の多相交流
出力を得ることができる効果がある。
【0113】またこの発明によれば、上記電源装置を用
いて多数の電極間に発生するアークにより上記電極を溶
融して合金または複合材を製造するようにしたので、各
電極を構成する物質原子が約4000℃の高温でイオン
化しながら瞬時に溶融し、この溶融池またはアーク周辺
に回転磁界,電磁力,磁場の振動及びアークの撹拌現象
を発生するので、該物質原子はこれらのエネルギーによ
る変成を受け、今まで得られなかった緻密な良質の合金
を製造することができ、しかも、所望の成分の良質の合
金を所望の量だけ短時間に製造し、あるいは長時間連続
的に製造することができる効果がある。
【0114】またこの発明によれば、上記電源装置を用
いて、黒鉛等よりなる多数の電極間でアーク放電を行
い、COガスに富む極めて還元力の強いプラズマアーク
を作り、酸化物を還元するようにしたから、溶銅中にC
uO2 の形で存在する酸素は容易に還元除去され、非常
に容易な方法で純度の高い純銅を得ることができる効果
がある。また脱酸剤を使用しないので残留脱酸剤による
材質の電気伝導度の劣化等の問題を防ぐ効果もある。さ
らにバッテリー等の直流電源が利用でき、また酸化物の
種類に応じて、プラズマアーク発生のための多相交流出
力の波形や周波数を変更でき、しかも純銅の溶解に用い
る装置を小型化できる効果がある。
【0115】またこの発明によれば、上記電源装置を用
いて、銅または銅合金材料もしくは炭素による還元で金
属となる銅合金構成元素の金属酸化物と黒鉛粉とを混合
した溶解材料を、アークにより2000℃以上の高温状
態への加熱,溶解を行うようにしたので、黒鉛が均一微
細に析出分散した黒鉛分酸銅または銅合金を極めて容易
に得ることができる。したがって銅および銅合金の電気
的特性を損なうことなく高温における機械的特性,即ち
高温強度、潤滑性を改善することができ、耐摩耗性部材
や抵抗溶接用電極として使用できるものが得られる効果
がある。さらにバッテリー等の直流電源が利用でき、ま
た処理物の種類に応じて、プラズマアーク発生のための
多相交流出力の波形や周波数を変更でき、しかも黒鉛含
有銅又は銅合金の製造に用いる装置を小型化できる効果
がある。
【0116】またこの発明によれば、上記電源装置を用
い発生させたプラズマアークによりプラズマアーク処理
を行い、タングステン等高融点物質を高温に加熱融解す
るようにしたので、タングステン等の高融点物質を容易
に溶融でき、しかも金属中に含まれる比較的蒸気圧の高
い金属不純物(Fe,Al,Si等)を蒸発除去してそ
の純度を向上することができる効果がある。さらにバッ
テリー等の直流電源が利用でき、また高融点物質の種類
に応じて、プラズマアーク発生のための多相交流出力の
波形や周波数を変更でき、しかも高融点物質の製造に用
いる装置を小型化できる効果がある。
【0117】さらに、この発明によれば、上記電源装置
を用いて非移行性プラズマアークを電極の収束する電極
先端部より発生させ、該アークを炉床上の鉄鉱石に噴射
させ、あるいは該アーク中に粉状鉄鉱石または酸化鉄粉
を供給することによって鉄鋼石を高温に加熱,溶融,還
元して直接に鋼組成の溶鉄を得るようにしたものである
から、原料鉄鉱石の厳密な粒度管理やペレット化等の前
処理を必要とせず、また特別な還元性雰囲気調整を行う
ことなく、純度の高い溶鋼を得ることができる。しか
も、低炭素,低けい素,低硫黄の良質鋼溶湯が鉄鉱石の
還元で直接得られ、また原料鉱石が銅,錫等の含有の少
ない砂鉄や酸化物の場合は特別の用途の純良鋼を製造す
ることができる効果がある。さらにバッテリー等の直流
電源が利用でき、また鉄鉱石の種類に応じて、プラズマ
アーク発生のための多相交流出力の波形や周波数を変更
でき、しかも直接製鋼法に用いる装置を小型化できる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例による合金または複合
材の製造装置である合金製造炉の概要説明図である。
【図2】上記第1実施例による合金または複合材の製造
装置に用いられている電源装置の構成図である。
【図3】図2の電源装置の出力波形図である。
【図4】この発明の第2の実施例による合金製造炉の概
要説明図である。
【図5】本発明の第1実施例の第1変形例を示す図であ
る。
【図6】本発明の第1実施例の第1変形例を示す図であ
る。
【図7】上記第1変形例の構成の一部を示す図である。
【図8】上記第1変形例の構成の一部を示す図である。
【図9】本発明の第1実施例の第2ないし第4変形例を
示す図である。
【図10】上記第2ないし第4の変形例に用いられる電
源装置の回路構成図である。
【図11】本発明の第3の実施例による、金属材料の処
理装置(多相交流プラズマアーク発生装置)を用いた被
処理物を坩堝に装入して還元処理する間歇式処理炉の概
要説明図である。
【図12】本発明の第4の実施例による、金属材料の処
理装置(多相交流プラズマアーク発生装置)を用いた黒
鉛含有銅又は銅合金の製造方法を説明するための図であ
る。
【図13】本発明の第5の実施例による、金属材料の処
理装置(多相交流プラズマアーク発生装置)を用いた高
融点物質を坩堝に装入して還元処理する間欠式処理炉の
概要説明図である。
【図14】本発明の第6の実施例による、金属材料の処
理装置(多相交流プラズマアーク発生装置)を用いて直
接製鋼法を実施するための製錬炉の概要説明図である。
【図15】本発明の第6の実施例による、金属材料の処
理装置(多相交流プラズマアーク発生装置)を用いた直
接製鋼法を実施するための製錬炉の変形例を示す概要説
明図である。
【符号の説明】
1,1A,2,2A,3,3A 電極 4,5,6 電流調整装置 7 三相交流電源 8 多相交流プラズマアーク発生装置 9 電極先端部 10 プラズマアーク 11 坩堝 12 溶解材料 13 装入パイプ 14 定量供給装置 15 装入とい 16 送入管 17 耐火材障壁 18 炉床湯溜まり 20 鋳型 21,21A,22,22A,23,23A 電極 31,32,71〜77 電極 33 3相または6相交流電源 34 中性点 35 容器 40 溶融池 51,61,81 単相交流電源の二次コイル 30,70 ニュートラル電極 101 直流電源 102 変換部 106 出力端子 107 ニュートラル端子 121 スイッチ回路 122 誘導回路 131 スイッチ制御回路
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】(3) また、従来の電源装置では無負荷電
圧が0V〜10V必要であったが、本発明では十分
低くすることができ、安全であるとともに取扱いも簡単
で技術の熟練を必要とせず、かつ自動化も容易である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正内容】
【0104】ここで、この分析値には原料鉄中のAl
2 3 ,MgO,TiO2 ,V2 5 中のAl,Mg,
Ti,Vが見られないが、これらは高温溶融時に完全に
分離され、スラグとなって除去されたものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0110
【補正方法】変更
【補正内容】
【0110】ここで、Al,Mg,Ti,V等が見られ
ないのは(実施例1)と同様の理由による。電力現単位
は3787kwh/ton鉄であった。しかしこれは操
業時間の延長によってさらに低下できると考える。例え
ば24時間フル運転炉では現状の3分の1の電力です
む。また、上記説明した実施例において用いられる処理
炉では、その内部にプラズマジェット炎を噴射すること
も可能であり、このプラズマジェット炎中には、固体,
粉体,あるいは液体状の金属,セラミックさらには各種
燃料を入れてもよく、その他、上記燃料には、燃料ガス
はもちろん廃油等も用いることができ、これらとともに
触媒等を入れてもよい。また、高温プラズマ領域では水
を入れても燃料と同様な効果が得られる。このようにプ
ラズマジェット炎を処理炉内に形成し、その中に上記の
ような各種燃料等をいれることにより、大型製練では、
それぞれの製練の特徴の処理を行うことができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0111
【補正方法】変更
【補正内容】
【0111】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、直流電源
の線正及び負電圧に接続された正側及び負側接点を有
し、正側及び負側接点のオン・オフ、あるいは正側,負
側接点間での切り換えが可能なスイッチ回路と、リアク
タンス成分を有し該スイッチ回路に接続されたリアクタ
ンス回路とからなり、直流を交流に変換する1つ又は複
数の変換部と、上記スイッチ回路のオン・オフあるいは
切り換え動作を制御する制御回路とを備え、上記変換部
の出力端子に多相交流を出力する電源装置を用いたか
ら、バッテリー等の直流電源を用いることができ、しか
も、電源装置においてトランスが不要となるため、装置
全体の小型,軽量化を図ることができる効果がある。こ
のため船中や研究所で有利である
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0115
【補正方法】変更
【補正内容】
【0115】またこの発明によれば、上記電源装置を用
いて、銅または銅合金材料もしくは炭素による還元で金
属となる銅合金構成元素の金属酸化物と黒鉛粉とを混合
した溶解材料を、アークによる4000℃以上の高温状
の加熱,溶解を行うようにしたので、黒鉛が均一微
細に析出分散した黒鉛分酸銅または銅合金を極めて容易
に得ることができる。したがって銅および銅合金の電気
的特性を損なうことなく高温における機械的特性,即ち
高温強度、潤滑性を改善することができ、耐摩耗性部材
や抵抗溶接用電極として使用できるものが得られる効果
がある。さらにバッテリー等の直流電源が利用でき、ま
た処理物の種類1に応じて、プラズマアーク発生のため
の多相交流出力の波形や周波数を変更でき、しかも黒鉛
含有銅又は銅合金の製造に用いる装置を小型化できる効
果がある。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多相交流を出力する電源装置と、該電源
    出力を受け金属材料を処理して合金又は複合材を製造す
    る金属材料処理部とを有する金属材料の処理装置におい
    て、 上記電源装置は、 直流電源と、 該直流電源の正及び負電圧に接続された正側及び負側接
    点を有し、正側及び負側接点のオン・オフ、あるいは正
    側,負側接点間での切換が可能なスイッチ回路と、リア
    クタンス成分を有し該スイッチ回路に接続されたリアク
    タンス回路とからなり、直流を交流に変換する複数の変
    換部と、 上記スイッチ回路のオン・オフあるいは切換動作を制御
    する制御回路とを備え、上記変換部の出力端子に多相交
    流を出力するものであり、 上記金属材料処理部は、 一種類又は複数種類の素材からなり、先端が相互に近接
    して配置された金属材料としての複数本の導電性電極を
    有し、 該複数の導電性電極の各々に上記多相交流が印加されて
    各電極間に複数のアークが発生するとともに、電極先端
    部よりプラズマアークが噴射し、該アークにより上記各
    電極が溶融して金属材料の処理が行われるようにしたも
    のであることを特徴とする金属材料の処理装置。
  2. 【請求項2】 多相交流を出力する電源装置と、該電源
    出力を受け、複数種類の素材からなる溶融材料を溶融処
    理して合金又は複合材を製造する金属材料処理部とを有
    する金属材料の処理装置において、 上記電源装置は、 直流電源と、 該直流電源の正及び負電圧に接続された正側及び負側接
    点を有し、正側及び負側接点のオン・オフ、あるいは正
    側,負側接点間での切換が可能なスイッチ回路と、リア
    クタンス成分を有し該スイッチ回路に接続されたリアク
    タンス回路とからなり、直流を交流に変換する複数の変
    換部と、 上記スイッチ回路のオン・オフあるいは切換動作を制御
    する制御回路とを備え、上記変換部の出力端子に多相交
    流を出力するものであり、 上記金属材料処理部は、 先端が相互に近接して配置された複数本の電極を備え、 該複数の電極の各々に上記多相交流が印加されて各電極
    間に複数のア−クが発生し、該アークにより複数種類の
    金属素材の溶融が行われるようにしたものであることを
    特徴とする金属材料の処理装置。
  3. 【請求項3】 上記電源装置は第1〜第3の変換部を有
    し、上記制御回路をスイッチ回路の1回の切換えによっ
    て得られる出力波形の一周期の1/3の位相差でもって
    各スイッチ回路を切換制御するよう構成したものである
    ことを特徴とする請求項1または2記載の金属材料の処
    理装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の金属材料の処理装置にお
    いて、 上記リアクタンス回路を、リアクタンス制御信号に基づ
    いてそのリアクタンス成分が変化するよう構成するとと
    もに、 上記制御回路を、タイミング制御信号に基づいて上記ス
    イッチ回路での正側及び負側接点の開閉動作、及び正
    側,負側接点間での切り換え動作のタイミングが変化す
    るよう構成し、 上記リアクタンス制御信号及びタイミング制御信号の一
    方あるいはその両方により、出力波形の形状及び交流出
    力の周波数の一方、あるいはこれらの両方を経時的に可
    変としたものであることを特徴とする金属材料の処理装
    置。
  5. 【請求項5】 金属材料として純銅を用い、これを溶解
    処理して純銅の溶湯を得る金属材料の処理方法におい
    て、 直流電源と、 該直流電源の正及び負電圧に接続された正側及び負側接
    点を有し、正側及び負側接点のオン・オフ、あるいは正
    側,負側接点間での切換が可能なスイッチ回路と、リア
    クタンス成分を有し該スイッチ回路に接続されたリアク
    タンス回路とからなり、直流を交流に変換する複数の変
    換部と、 上記スイッチ回路のオン・オフあるいは切換動作を制御
    する制御回路とを備え、上記変換部の出力端子に多相交
    流を出力する電源装置を用い、 多数の電極の各々に上記電源装置から出力された各相電
    圧を印加して各電極間に複数のアーク放電を発生させる
    とともに、非移行性プラズマアークを電極先端部より噴
    出させ、これによって銅を溶解,精錬して低酸素,低水
    素の純銅の溶湯を得ることを特徴とする金属材料の処理
    方法。
  6. 【請求項6】 金属素材として銅又は銅合金を用い、あ
    るいは酸化銅(酸化第1銅または酸化第2銅)または、
    銅合金構成元素の酸化物を用い、これに炭素含有させて
    黒鉛含有銅又は銅合金を得る金属材料の処理方法におい
    て、 直流電源と、 該直流電源の正及び負電圧に接続された正側及び負側接
    点を有し、正側及び負側接点のオン・オフ、あるいは正
    側,負側接点間での切換が可能なスイッチ回路と、リア
    クタンス成分を有し該スイッチ回路に接続されたリアク
    タンス回路とからなり、直流を交流に変換する複数の変
    換部と、 上記スイッチ回路のオン・オフあるいは切換動作を制御
    する制御回路とを備え、上記変換部の出力端子に多相交
    流を出力する電源装置を用い、 複数の電極の各々に上記電源装置から出力された各相電
    圧を印加して各電極間に複数のアーク放電を発生させる
    とともに、非移行性プラズマアークを電極先端部より噴
    出させ、上記金属材料に黒鉛を添加したものを高温に加
    熱,溶解して銅または銅合金に炭素を溶解し、 冷却凝固に際し金属組織中に黒鉛を析出分散させて黒鉛
    含有銅または銅合金を得ることを特徴とする金属材料の
    処理方法。
  7. 【請求項7】 金属素材として高融点物質を用い、これ
    を高温溶融する処理方法において、 直流電源と、 該直流電源の正及び負電圧に接続された正側及び負側接
    点を有し、正側及び負側接点のオン・オフ、あるいは正
    側,負側接点間での切換が可能なスイッチ回路と、リア
    クタンス成分を有し該スイッチ回路に接続されたリアク
    タンス回路とからなり、直流を交流に変換する複数の変
    換部と、 上記スイッチ回路のオン・オフあるいは切換動作を制御
    する制御回路とを備え、上記変換部の出力端子に多相交
    流を出力する電源装置を用い、 複数の電極の各々に上記電源装置から出力された各相電
    圧を印加して各電極間に複数のアーク放電を発生させる
    とともに、非移行性プラズマアークを電極先端部より噴
    出させ、これによって高融点物質を高温溶融することを
    特徴とする金属材料の処理方法。
  8. 【請求項8】 金属素材として鉄鉱石または酸化鉄を還
    元して鋼組成の溶鉄を得る処理方法において、 直流電源と、 該直流電源の正及び負電圧に接続された正側及び負側接
    点を有し、正側及び負側接点のオン・オフ、あるいは正
    側,負側接点間での切換が可能なスイッチ回路と、リア
    クタンス成分を有し該スイッチ回路に接続されたリアク
    タンス回路とからなり、直流を交流に変換する複数の変
    換部と、 上記スイッチ回路のオン・オフあるいは切換動作を制御
    する制御回路とを備え、上記変換部の出力端子に多相交
    流を出力する電源装置を用い、 複数の電極の各々に上記電源装置より出力された各相電
    圧を印加して各電極間に複数のアーク放電を発生させる
    とともに、非移行性プラズマアークを電極先端部より噴
    出させ、該アークを鉄鉱石または酸化鉄に照射させ、あ
    るいは該アーク中に鉄鉱石粉または酸化鉄粉を供給する
    ことによってこれらを加熱,溶融,還元して鋼組成の溶
    鉄を得ることを特徴とする金属材料の処理方法。
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