JPH05125385A - 水−グリコール系作動液 - Google Patents

水−グリコール系作動液

Info

Publication number
JPH05125385A
JPH05125385A JP20547691A JP20547691A JPH05125385A JP H05125385 A JPH05125385 A JP H05125385A JP 20547691 A JP20547691 A JP 20547691A JP 20547691 A JP20547691 A JP 20547691A JP H05125385 A JPH05125385 A JP H05125385A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glycol
water
acid
salt
hydraulic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20547691A
Other languages
English (en)
Inventor
Norio Yano
法生 矢野
Takashi Saito
隆 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Original Assignee
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by COSMO SOGO KENKYUSHO KK, Cosmo Oil Co Ltd filed Critical COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Priority to JP20547691A priority Critical patent/JPH05125385A/ja
Publication of JPH05125385A publication Critical patent/JPH05125385A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の水−グリコール系作動液の優れた難
燃性、潤滑性を損なうことなく、ころがり軸受寿命を延
長することができる均一溶液の水−グリコール系作動液
を提供する。 【構成】 下記の一般式で示される単核芳香族脂肪酸
またはその塩を0.01〜0.1重量%配合してなる水
−グリコール系作動液。 【化1】 式中のXは、1もしくは2個のニトロ基またはヒドロキ
シル基である。この水−グリコール系作動液中に配合さ
れる長鎖の脂肪酸と芳香族脂肪酸により密な吸着膜が形
成され、ころがり軸受寿命を延長できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ころがり軸受のピッチ
ング発生を抑制できる水−グリコール系難燃性作動液
(以下、「水−グリコール系作動液」という。)に関す
る。
【0002】
【従来の技術】油圧は産業界において生産性の向上に貢
献しているが、その中で高温の金属、電気スパーク、加
熱炉など火災の危険と共存する装置では、油圧作動油と
して難燃性作動油が用いられている。
【0003】難燃性作動油のうち、特に含水系を使用す
る場合、問題となるのは油圧ポンプ、モータに使用され
ている転がり軸受の寿命低下である。含水系作動液を使
用した場合、鉱油、合成系作動油に比べ転がり軸受寿命
が大幅に低下し、軸受破損にいたり油圧システム全体の
正常な稼動を阻害する場合が多い。
【0004】これら、軸受トラブルを防止するため油圧
機器の改良、付帯設備の設置で対応しているのが現状で
ある。例えば、油圧機器が本来備えている定格使用圧力
よりも低圧で使用したり、標準仕様の軸受部を特別に大
型化したものに改良したりして使用している。また潤滑
不良の起こりやすい軸受部を強制潤滑するための特別な
作動油循環回路を設置したりしている。これらの機器の
仕様変更、設備投資などは含水系作動油とりわけ、含水
系作動油の主流である水−グリコール系作動液の軸受寿
命が改善されれば特に必要のない処置である。
【0005】一般に、水−グリコール系作動液は添加
剤、溶剤、増粘剤および水よりなっている。添加剤とし
ては、潤滑剤を約1〜3重量%、防錆剤を約1〜3重量
%、消泡剤が微量配合される。溶剤量としては約40〜
50重量%、増粘剤は作動油としての適正粘度を保つた
め約10〜15重量%、水は難燃性保持のため約35〜
45重量%配合される。
【0006】組成成分である溶剤としては、例えば、エ
チレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレ
ングリコールなどを挙げることができ、これらは、流動
点降下の機能を有すると伴に、各種添加剤の相溶性を増
す役割も含まれる。増粘剤としては適度な分子量を持っ
たポリアルキレングリコールが使用される。増粘剤の添
加量を調整することにより、各種ISO粘度グレードに
適合する作動液を得ることができる。水は難燃性維持の
ために必要不可欠のものである。このように典型的には
グリコール−ポリアルキレングリコール−水の三成分混
合系が水−グリコール系作動液の基油となっている。上
記基油に添加する潤滑剤としては、オレイン酸などの不
飽和脂肪酸、ラウリン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪
酸、芳香族脂肪酸、ダイマー酸などのカルボン酸が挙げ
られる。防錆剤としては有機アミン、有機アミン誘導
体、カルボン酸アルカリ金属塩などが挙げられる。実際
上は前述のカルボン酸と有機アミンとの塩やカルボン酸
アルカリ金属塩を使用して潤滑剤と防錆剤の両者を兼ね
ることもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらを使用
した水−グリコール系作動液ではすべり潤滑性において
かなり満足のいくものもあるが、ころがり潤滑性に関し
ては十分ではない。実際、油圧ポンプ、モータに使用さ
れているころがり軸受のころがり寿命低下のため鉱油系
作動油の場合と比べてはるかに短時間で軸受破損を招来
するというトラブルがおこっている。
【0008】本発明の目的は、水−グリコール系作動液
の優れた難燃性を損うことなく、かつ各種の要求性能も
損うことなく、ころがり軸受寿命を延長することができ
る均一溶液の水−グリコール系作動液を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、ヒドロキシ
ル置換またはニトロ置換した単核芳香族脂肪酸またはそ
の塩を特定量配合することにより、水−グリコール系作
動液の有する各種性能を損なうことなく、転がり軸受寿
命を大幅に改善し得ることを見出し本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明の要旨は、一般式
【化2】 (Xは、1もしくは2個のニトロ基またはヒドロキシル
基)で示される単核芳香族脂肪酸または、その塩を0.
01〜0.1重量%配合してなる水−グリコール系作動
液に存する。
【0010】本発明の組成物におけるころがり軸受寿命
延長剤として使用するヒドロキシル芳香族化合物は少な
くとも1〜2個の置換ヒドロキシル基を有する単核芳香
族脂肪酸である。好適なヒドロキシル芳香族脂肪酸の代
表例としてはo−ヒドロキシ安息香酸、m−ヒドロキシ
安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロ
キシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、3,4
−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香
酸などが挙げられる。上記化合物は、塩にすることがで
きるがそのような塩としては上記化合物のアルカリ金属
塩、アミン塩がある。
【0011】ニトロ芳香族化合物は少なくとも1〜2個
の置換ニトロ基を有する単核芳香族脂肪酸である。好適
なニトロ芳香族脂肪酸の代表例としてはo−ニトロ安息
香酸、m−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、3,
4−ジニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸など
が挙げられる。上記化合物は塩にすることができるがそ
のような塩としては、上記化合物のアルカリ金属塩、ア
ミン塩がある。
【0012】また、ヒドロキシル基およびニトロ基を各
々1個を有する5−ニトルサリチル酸等も用いられる。
【0013】これらの芳香族脂肪酸は本来非水溶性であ
るが水−グリコール系作動液は過剰の塩基を有している
ため容易に可溶し水−グリコール系作動液の性状に悪影
響しない。配合量は、水−グリコール系作動液中約0.
01〜0.1重量%、好ましくは約0.01〜0.05
重量%である。少なすぎると効果があらわれず、多すぎ
ても効果が伸びず経済的に不利となるばかりか、潤滑性
の低下および耐食性の低下を招く。
【0014】作動油の場合、使用環境はクローズドシス
テムであり、切削油、圧延油などの場合にみられるよう
な潤滑油添加剤の系外への持ち出しが全くなく初期の濃
度が維持される。過剰な添加はコスト的にもメリットが
ない。
【0015】本発明の成分を特定割合で配合する基油
は、一般に用いられる水−グリコール系作動液で、約2
5〜50%のグリコール類、約10〜20%の増粘剤、
約35〜50%の水から成る。これに油性剤、潤滑剤、
液相防錆剤、気相防錆剤、金属不活性剤、PH調整剤、
消泡剤、着色剤、その他の添加剤が含まれていても構わ
ない。
【0016】増粘剤としては、通常ポリアルキレングリ
コールもしくはそのアルキルエーテル誘導体のようなポ
リエーテル型増粘剤が用いられ、その具体例としては、
多価アルコールのポリオキシアルキレンポリオール、例
えばニューポール75H90000(三洋化成品)など
のポリオキシアルキレングリコール、ニューポールV−
10−C(三洋化成品)などのポリオキシアルキレント
リオール、特開昭54−105653号記載のポリオキ
シアルキレンポリオール;ポリアミドのポリオキシアル
キレンポリオール例えば特公昭51−44275号記載
のポリオキシアルキレンポリオールおよびこれらの一種
以上の混合物をあげることができる。グリコール類とし
ては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、トリプロピレングリコール、ヘキシ
レングリコールなどのグリコール類およびこれらグリコ
ール類のモノアルキルエーテルが挙げられる。
【0017】潤滑剤としては、オレイン酸などの不飽和
脂肪酸、ラウリン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸、
芳香族脂肪酸、ダイマー酸などが挙げられる。
【0018】防錆剤としては、有機アミン(モノエタノ
ールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、シクロヘキシルアミン、モ
ルホリン、1,4−ビス(2−アミノエチル)ピペラジ
ン、2−ヘプタデシル−1−(2−ヒドロキシエチル)
イミダゾリンなど)、有機アミン誘導体(上記アミンの
アルキレンオキシド付加物など)カルボン酸アルカリ金
属塩、シクロヘキシルアミンナイトライトなどが挙げら
れる。
【0019】消泡剤としてはシリコン化合物の乳化物な
どが挙げられる。
【0020】
【作用】作用については、明らかではないが、長鎖の脂
肪酸が金属表面上に単分子吸着し、その吸着分子間に芳
香族脂肪酸が入り込み、密な吸着膜を形成する。この状
態で、荷重がかかると単分子吸着膜の長鎖の部分が芳香
族脂肪酸の立体障害の影響で倒れることなく、その荷重
を保持するためと考えられる。
【0021】
【実施例】以下に実施例および比較例を用いて本発明を
説明する。 実施例1〜7 基油組成を表1に、表2に実施した試料液の組成を示し
た。これらの試料液は、下記の基油組成中に表2に記載
した芳香族脂肪酸を配合させたものである。配合量は、
特にことわらない限り重量%で示す。
【0022】
【表1】
【0023】比較例1〜4 水−グリコール系作動液をW/Gと略称し、A,B,お
よびC,3種の市販のW/Gおよび表1の基油組成のも
の(芳香族脂肪酸無添加)を用いた。
【0024】(ユニスチールころがり寿命試験)実施例
および比較例につきユニスチールころがり寿命試験機
(IP305/準拠)を用い、下記条件にてころがり寿
命を評価した。
【0025】試験条件 回転数 1500rpm 荷重 660lbs テスト軸受 スラスト玉軸受 #2910P5
(NACHI) 試験片 SUJ−2 標準品 試験ボール 5個 給油法 滴下法(10滴/分) 停止レベル 1.5G 試験回数 5〜7回
【0026】評価は、設定条件下、ワッシャ状の試験片
上で玉軸受を回転させた。運転を続けると試験片の軌道
上に疲労による摩耗の小孔すなわちピッチングが発生す
る。ピッチングが発生すると試験部に振動が発生するた
め、予め1.5G以上になると停止するように調整した
回転停止用振動計を作動させ試験機を停止させた。疲労
寿命時間(hr)はこのときまでの積算時間として求め
た。試験は5〜7回行ないデータを累積し、ワイブル確
率紙上にプロットして10%寿命、50%寿命を求め
た。
【0027】
【表2】
【0028】ところで、難燃性作動油は苛酷な条件下で
長時間使用される圧力伝達媒体としてだけでなく油圧ポ
ンプ、油圧モータのしゅう動部潤滑剤としての作用があ
る。また、油圧システムに使用されている各種材質(金
属材料、ゴムなど)との適合性も必要である。そこでベ
ーンポンプ耐久試験を行なった。
【0029】ベーンポンプ耐久試験 実施例7について作動油としての適合性をポンプ実機試
験を実施して総合評価した。条件を表3に、結果を表4
に示す。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】正常な初期摩耗を経過した後摩耗量は飽和
している。カートリッジの変色やスラッジの付着などは
全く認められず、また作動油の一般性状(粘度、pH、
予備アルカリ度など)変化もごく僅かであり十分な適合
性を示した。同時に実施した、金属材質浸漬試験(JI
S K 2234準拠)、及びゴム材質浸漬試験(JI
S K 6301準拠)においてもなんら問題なく作動
油として十分な適合性を有することが確認された。
【0033】
【発明の効果】本発明の水−グリコール系作動液はその
成分にヒドロキシル置換、またはニトロ置換した単核芳
香族脂肪酸を配合させてあるため、潤滑性、特にころが
り軸受のピッチング発生を抑制できる。また、特にアル
カノールアミン、モルホリン、KOHなどの塩として配
合することにより、上記芳香族脂肪酸を水−グリコール
系作動液の基油に高温でより均一に溶解させるという効
果のみならず特定構造に起因して、少量配合にもかかわ
らずころがり軸受寿命を大幅に延長することができる。
【0034】さらにこれらの配合は、水−グリコール系
作動液が本来備えている諸性能(難燃性、低温流動性、
金属適合性等)をなんら損なうものではないという効果
も有する。これにより、高圧使用が可能となるため装置
がコンパクト化される等二次的効果も大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 133:32) C10N 30:00 Z 8217−4H 40:02 40:08

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (Xは、1もしくは2個のニトロ基またはヒドロキシル
    基)で示される単核芳香族脂肪酸または、その塩を0.
    01〜0.1重量%配合してなることを特徴とする水−
    グルコール系作動液。
JP20547691A 1991-07-22 1991-07-22 水−グリコール系作動液 Pending JPH05125385A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20547691A JPH05125385A (ja) 1991-07-22 1991-07-22 水−グリコール系作動液

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20547691A JPH05125385A (ja) 1991-07-22 1991-07-22 水−グリコール系作動液

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05125385A true JPH05125385A (ja) 1993-05-21

Family

ID=16507492

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20547691A Pending JPH05125385A (ja) 1991-07-22 1991-07-22 水−グリコール系作動液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05125385A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5394691B2 (ja) 水溶性金属加工油剤および金属加工用クーラント
EP0061693B1 (en) Water-based hydraulic fluids having improved lubricity and corrosion inhibiting properties
EP1092788B1 (en) Corrosion inhibiting compositions
WO2006019548A1 (en) Food grade lubricant compositions
JP4388513B2 (ja) 水溶性潤滑油
US4434066A (en) Water-based energy transmitting fluid compositions
EP0062890B1 (en) Water-based low foam hydraulic fluid concentrates
US4686058A (en) Thickened-water based hydraulic fluids
US9695380B2 (en) Water-glycol hydraulic fluid compositions
EP0227477A2 (en) Lubricants for reciprocating air compressors
EP1485452A1 (en) Circulating oil compositions
JP4812360B2 (ja) 含水系作動液組成物及びそれに用いる動粘度安定化剤
JP2646308B2 (ja) 水−グリコール系難燃性作動液
JP4948861B2 (ja) 含水系潤滑油組成物
EP0055488B1 (en) Water-based energy transmitting fluid composition
US6736991B1 (en) Refrigeration lubricant for hydrofluorocarbon refrigerants
JPH05125385A (ja) 水−グリコール系作動液
JP3338112B2 (ja) 水−グリコール系作動液
JPH04106196A (ja) 水―グリコール系作動液
JP2646309B2 (ja) 水−グリコール系作動液
JP2005330328A (ja) オイル性能の改善方法
JPH04202598A (ja) 水―グルコール系作動液
JP5202850B2 (ja) 含水系潤滑油組成物及びそれに用いるpH安定化剤
JP5063991B2 (ja) W/oエマルション型難燃性油圧作動油
WO2022210808A1 (ja) 防錆油組成物及びその製造方法