JPH05123173A - 真菌由来のアセチルキシランエステラーゼのクローニング、発現および利用 - Google Patents

真菌由来のアセチルキシランエステラーゼのクローニング、発現および利用

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JPH05123173A
JPH05123173A JP4110616A JP11061692A JPH05123173A JP H05123173 A JPH05123173 A JP H05123173A JP 4110616 A JP4110616 A JP 4110616A JP 11061692 A JP11061692 A JP 11061692A JP H05123173 A JPH05123173 A JP H05123173A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 真菌アセチルキシランエステラーゼをコード
するDNA のクローニングおよび発現、該DNA の
発現により得られる組み換えアセチルキシランエステラ
ーゼ並びにその使用法を提供することを目的とする。 【構成】 アセチルキシランエステラーゼ活性を有する
タンパクをコードする組み換えDNA フラグメント、
該フラグメントを含む発現ベクター、該ベクターにより
形質転換された微生物宿主細胞、該微生物宿主細胞を培
養する工程を含むアセチルキシランエステラーゼ活性を
有するタンパクの製法、並びに該タンパクまたはこれと
他のキシラン分解性酵素との組み合わせを使用する、試
料消化能の増進法、クラフトパルプからのリグニンの除
去法、キシラン含有粗製物の粘度低下法および該タンパ
クを含む試料粗製物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は分子生物学の分野に係わ
る。特に、本発明は真菌のアセチルキシランエステラー
ゼをコードするDNA 配列のクローニングおよび発現
に関する。本発明はこのタンパクをコードするクローニ
ングしたDNA 配列の発現により得られる組み換えア
セチルキシランエステラーゼを提供する。かくして得ら
れたタンパクは飼料またはパルプのキシラン分解におい
て利用される。
【0002】
【従来の技術】植物組織の細胞壁の堅い構造はキシラ
ン、他のヘミセルロース、ペクチン、セルロースおよび
リグニンの存在によるものである。キシランは主なヘミ
セルロースを形成し、殆どのキシランは1,4−結合β
−D−キシロピラノース単位のホモポリマー主鎖をもつ
ヘテロ多糖類である。起原となる植物は特定のキシラン
の置換の程度およびその型を決定する。キシランは多く
の異なる側鎖を含むことが分かっており、特にL−アラ
ビノース、D−グルクロン酸またはその4−0−メチル
エーテル、および酢酸、p−クマル酸およびフェルラ酸
が最も顕著なものである。アセチルおよびアラビノシル
置換体両者は、分子間凝集の可能性を減ずることにより
そのヘミセルロースの溶解度を増大することが示唆され
ていたが、これらの置換体は同時に植物組織の酵素分解
を著しく妨害する。例えば、アセチル化は反芻動物にお
ける植物多糖類の消化性を阻害することが報告されてい
る。プタネン&パルス(Poutanen and P
uls)は、ACS Symp.Ser.,1989,
399,pp.630−640,ルイス(Lewis)
N.およびパイス(Paice)M.編の植物細胞壁ポ
リマーの生物発生および生物分解(Biogenesi
s and Biodegradatn ofPlan
t Cell Wall Polymers)と題する
論文において、トリコデルマリーゼイ(Trichod
erma reesei)の主なキシラナーゼがアセチ
ル化可溶性キシランを解重合し得ないことを示した。グ
ローマン(Grohmann)等は、Appl.Bio
chem. Biotechnol.,1989,20
/21,pp.45−61において、化学的脱アセチル
化後には、キシランは反芻動物により5〜7倍も消化性
となることを示した。
【0003】エステラーゼ(EC3.1.1.6)はそ
の基質特異性に従って分類される。これらの酵素に対す
る天然の基質を決定することは一般に困難であるので、
この分類は問題があり、かつこの問題はエステラーゼが
天然に広範に出現することから更に顕著となる。従っ
て、長い間知られていた種々の合成基質に作用すること
が知られている微生物起原のエステラーゼの存在の観点
から、キシランを脱アセチル化する酵素の存在が予想さ
れるかも知れないが、最近になって初めてアセチ、キシ
ランエステラーゼの存在が明らかとなった。ビーリー
(Biely)等は、FEBS Lett.,198
5,186,pp.80−84において、真菌のセルロ
ース分解およびヘミセルロース分解系:トリコデルマリ
ーゼイアスペルギルスニガー(Aspergillu
Niger)シゾフィルムコムネ(Schizo
phyllum commune)およびオーレオバシ
ディウムプルーランス(Aureobasidium
pullulans)におけるアセチルキシランエステ
ラーゼの存在を立証した。植物および動物のエステラー
ゼを比較すると、これらの真菌由来のエステラーゼはア
セチル化グルクロノキシランに対する高い特異的活性を
示し、かつその結果としてアセチルキシランエステラー
ゼと命名された。
【0004】真菌由来のアセチルエステラーゼに関する
研究が更に報告されている。プタネン等は、Appl.
Microbiol.Biotechnol.,198
8,28,pp.419−425およびibid,19
90,33,pp.506−510において、T.リー
ゼイ由来のアセチルキシランエステラーゼの精製および
特徴付けを記載している。精製したアセチルキシランエ
ステラーゼを使用したキシランの酵素的脱アセチル化は
残りのポリマー構造の沈澱を生じた。この作用のため
に、アセチルエステラーゼはアセチル化キシラン類の分
解における単独で第一の酵素として使用されることはな
い。アセチル化キシランからの最高のキシロース収率は
キシラナーゼ、β−キシロシダーゼおよびアセチルキシ
ランエステラーゼの相乗効果により得られた。キシラン
類の実際上有用な分解を達成するためには、これらの高
度に置換された分子の酵素加水分解に関与する酵素を大
量に使用する必要がある。本発明は、場合によっては精
製された形状で、大量の真菌由来のアセチルキシランエ
ステラーゼを得る方法を提供する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題および課題を解決するた
めの手段】そこで、本発明の目的の一つは精製かつ単離
された、真菌由来のアセチルキシランエステラーゼを提
供することにある。このタンパクは真菌アセチルキシラ
ンエステラーゼをコードする遺伝子の発現生成物であ
る。本発明の目的は、更にアセチルキシランエステラー
ゼをコードする配列の天然調節配列を使用するか、ある
いは別の態様では調節領域、例えば所定の発現宿主に依
存して選択されるプロモータ、分泌リーダーおよびター
ミネータシグナルに機能可能に結合した遺伝子を使用し
た、該アセチルキシランエステラーゼをコードする配列
の微生物発現用の構築物を提供することにある。本発明
の目的は、更に本発明の発現構築物により形質転換され
た発現宿主を提供することにあり、該宿主は過重発現
(overexpression)可能であり、しかも
場合により真菌起原のアセチルキシランエステラーゼの
分泌を可能とする。本発明の更に別の目的は、大量のア
セチルキシランエステラーゼを製造する方法を提供する
ことにある。本発明は、更に有効量のアセチルキシラン
エステラーゼを飼料に添加することを特徴とする飼料の
消化能を増大する方法を提供する。更に、本発明は有効
量のアセチルキシランエステラーゼを添加することを特
徴とするキシラン含有組成物の粘度を低下させる方法を
提供することを目的とする。本発明は、更に紙製品の調
製における、クラフトパルプからリグニンを除去する方
法を提供することにある。
【0006】菌糸状真菌は種々の加水分解酵素、例えば
α−アミラーゼ、プロテアーゼおよびグルコアミラー
ゼ、および種々の植物細胞壁分解酵素、例えばセルラー
ゼ、ヘミセルラーゼおよびペクチナーゼを大量に分泌す
る能力のために広く知られている。本発明は真菌由来の
アセチルキシランエステラーゼの配列を含む精製かつ単
離されたDNA 分子並びにその遺伝的変異体を記載す
る。遺伝的変異体は変異アセチルキシランエステラーゼ
をコードするこれらのDNA 配列である。本発明はま
た示された配列とハイブリダイズされ、かつ発現の際に
エステラーゼ活性を呈するタンパクを生ずる真菌DNA
配列をも包含する。特に、実施例の一つにおいて単離
されたA.ニガーアセチルキシランエステラーゼ遺伝子
T.リーゼイの染色体DNA とハイブリダイズする
ことが示された。本発明は、また上記のDNA配列を含
む組み換えDNA 分子により形質転換された相同また
は非相同宿主にも関連する。「相同宿主」なる用語は該
遺伝子を得た種を意味し、「非相同宿主」とは該遺伝子
を得た起原以外の宿主を意味する。非相同宿主は細菌、
酵母または真菌から選択できる。用語「相同」および
「非相同」は調節配列についても使用される。この場
合、「相同」とはクローン化遺伝子に対する元の調節配
列を意味し、「非相同」とは他の遺伝子から得た調節配
列または他の種から得た同一の遺伝子を意味する。特に
興味のあるアセチルキシランエステラーゼはアスペルギ
ルストリコデルマシゾフィルム族の真菌から得たも
のである。好ましい種はアスペルギルスニガートリコ
デルマリーゼイおよびシゾフィルムコムネである。
【0007】アセチルキシランエステラーゼ活性を有す
る真菌は当分野で周知の方法によりタンパクを単離する
のに利用できる。ここに提示する実施例では、アスペル
ギルスニガーを該アセチルキシランエステラーゼの起原
として使用した。このアセチルキシランエステラーゼは
アスペルギルス菌株を培養することにより生成され
る。このタンパクは公知の方法で精製され、該精製の収
率は適当な活性アッセイにより得られる。このタンパク
構造の特徴付けの第一工程として、該単離タンパクのア
ミノ酸配列の一部を決定する。N−末端アミノ酸配列決
定技術を使用した場合、このアミノ酸配列部分は該成熟
タンパクのN−末端部分であるが、これはまた特定のプ
ロテイナーゼ、例えばトリプシン、キモトリプシン等あ
るいは化学試薬、例えばCNBrにより該精製タンパク
を消化した後に得られる内部ペプチドのN−末端である
可能性もある。C−末端配列決定法を使用した場合、該
タンパクまたはペプチドのC−末端配列を決定できる。
このような配列の1種は公知であり、この配列を基にし
てヌクレオチドプローブを誘導できる。好ましくは、こ
のプローブは、殆ど縮退を示さないコドンによりコード
されるアミノ酸を含むタンパクの一部に対して工夫され
る。このような方法で得られるこのプローブは標識し
て、cDNAまたはゲノムライブラリーからのクローン
とハイブリダイズするのに使用できる。正のハイブリダ
イゼーションシグナルを示すクローンから、ベクターを
単離し、該インサートのヌクレオチド配列を決定する。
完全な長さのクローンが見出されない場合には、ハイブ
リダイゼーションおよび配列決定を繰り返すことができ
る。また、完全な長さのクローンは全て所定のタンパク
配列の一部をコードするオーバーラッピング制限フラグ
メントを組み合わせることにより得ることができる。こ
の得られたDNA 配列は適当な発現ベクター内でクロ
ーニングできる。発現宿主微生物の選択が適当である場
合、このクローニングは、またヌクレオチド配列を決定
することなしに実施できるが、この方法は多分最適でな
い構築物を与えるであろう。好ましい発現宿主は細菌、
酵母または真菌であり得る。具体的には、クルイベロマ
イセスバチルスアスペルギルスまたはE.コリを使
用する。
【0008】この発現を調節するために、調節領域を、
該遺伝子が機能可能にこれらと結合するようにクローニ
ングされる。これらの調節領域の中で、相同および非相
同プロモータ、オペレータ、エンハンサ、シグナル配列
およびリボソーム結合サイトが使用できる。更に、該遺
伝子は自己複製型ベクター上にクローン化でき、あるい
は該宿主微生物のゲノムに組み込むことができ、好まし
くはより多くの該遺伝子を使用する。最後に、この得ら
れた遺伝子は、関連種から得られたDNA ライブラリ
ーとハイブリダイズするためのプローブとして使用でき
る。具体的には、実施例の一つにおいて単離されたA.
ニガーのアセチルキシランエステラーゼはT.リーゼイ
の染色体DNA とハイブリダイズすることが示され
た。実施例において、アスペルギルスニガーから得た
3.4 kbSstlDNAフラグメントのクローニン
グおよび発現が立証された。この発現はA.ニガーにお
ける完全な遺伝子を使用して達成される。
【0009】上記の如く、アセチルキシランエステラー
ゼはキシランの脱アセチル化のために利用できる。単一
の酵素としてのアセチルキシランエステラーゼの活性は
生成するポリマーの沈澱を生ずる可能性があるので、こ
の酵素を他のキシラン分解酵素類、例えばキシラナーゼ
類、アラビノフラノシダーゼ類、キシロシダーゼ類およ
びグルクロニダーゼ類、好ましくはキシラナーゼ、α−
アラビノフラノシダーゼ、β−キシロシダーゼおよびα
−グルクロニダーゼと組み合わせて使用することが好ま
しい。実施例5においては、アセチルキシランエステラ
ーゼとβ−(1,4)−キシラナーゼおよびβ−(1,
4)−キシロシダーゼの組み合わせ作用を立証する。ア
セチルキシランエステラーゼは、好ましくはキシランを
分解する諸工程で使用できる。この脱アセチル化反応の
結果として、キシランはより一層キシラナーゼに受容さ
れ易くなる。アセチルキシランエステラーゼまたはこの
酵素と他のキシラン分解酵素との組み合わせの特定の用
途は、消化性を増進するための動物飼料の前処理、その
場での処理のために飼料へのこれら酵素の添加、レオロ
ジー特性および清澄度の改良のための果汁およびビール
の処理、漂白および脱水工程を改善するためのパルプお
よび(廃)紙の加工を包含する。
【0010】一般に、この酵素または該酵素と他の酵素
との組み合わせは生物学的細胞壁を分解して果汁または
ビールの調製に係わる工業的用途における消化性または
流動特性の増進のために利用できる。飼料におけるアセ
チルキシランエステラーゼの使用に関するもう一つの重
要な局面はその粘度に及ぼす作用である。キシランの脱
アセチル化は該飼料成分の溶解度を減じ、かつそれによ
って粘度は減少する。このことは取り扱いの容易性を増
し、ペントサン類の低い反栄養(anti−nutri
tional)作用をもたらす。これに従って、本発明
はアセチルキシランエステラーゼを含有する飼料組成物
を提供する。更に、キシラナーゼに対するキシランの受
容性が増大する。このことは、パルプからリグニンを除
去する上で重要である。一般に、クラフトパルプは紙製
品の調製中にリグニンを除去する目的でキシラナーゼで
処理される。キシランの高いアセチル化度のために、キ
シラナーゼは最適には利用されない。キシラナーゼの有
効性は、キシラナーゼ処理の前または該処理と同時にパ
ルプをアセチルキシランエステラーゼで処理することに
より著しく増大する。上記の事実に従って、本発明は有
効量のアセチルキシランエステラーゼを飼料に添加する
ことを特徴とする該飼料の消化能を増進する方法を提供
する。本発明は、また有効量のアセチルキシランエステ
ラーゼを添加することを特徴とするキシラン含有組成物
の粘度を減ずる方法をも提供する。本発明は、更に紙製
品の調製において、クラフトパルプからリグニンを除去
する方法をも提供する。以下の実施例は例示の目的で与
えられるものであり、何等本発明を限定するものではな
い。
【0011】
【実施例】バッファー溶液および原液 以下の実施例に記載する実験では適当な原液を使用す
る。以下の原液をマニアティス(Maniatis)等
の「分子クローニング(Molecular Clon
ing)」、コールドスプリングハーバー、1982お
よび1989年、第2版に記載の方法に従って調製し
た。TEバッファー、20xSSC、ハイブリダイゼー
ションバッファー、100xデンハーツ(Denhar
dt’s)溶液、SMバッファー、50XTAEバッフ
ァー、DNA含有バッファー(キシレンシアノールおよ
びブロモフェノールブルー)、NCZYM 培地、LB
培地。連結用バッファーは酵素供給者により指示された
ようにして調製した。その他の溶液は以下の成分を含ん
でいた。5xRNB(1000ml当たり) :121.10gの
トリス(Tris)、73.04gのNaCl、95.
10gのEGTA、pH8.5。ビスニャック(Visniac)溶液 :10gのEDT
A、4.4gのZnS0・7HO、1.0gのMn
Cl・4HO、0.32gのCoCl・6H
O、0.32gのCuSO・5HO、0.22g
の(NHMo24.4HO、1.47gの
CaCl・2HO、1.0gのFeSO・7H
O、pH4.0(ビスニャックおよびサンター(San
ter),Bact.Rev.,1957,21,p
p.195−213)。最小培地(1000ml当たり): 6.0gのNaNO
、1.5gのKHPO、0.5gのMgSO
7HO、0.5gのKCl、1mlのビスニャック溶
液、指定されたような炭素源、pH 6.0。
【0012】実施例で使用する菌株E.コリ,JM
101(ヤニッシューペロン(Yanisch−Per
ron)等,Gene,1985,33,p.10
3);E.コリ,LE 392(ムレイ(Murra
y),Mol.Gen.Genet.,1977,15
0,pp.53−58);アスペルギルスニガーN40
2(グーセン(Goosen)等,Curr.Gene
t.,1987,11,pp.499−503);アス
ペルギルスニガーN593(グーセン等、ibid,1
987)。実施例で使用するベクター :pUC9(ビエイラおよび
メッシング(Vieirra and Messin
g),Gene,1982,19, pp.259−2
68およびヤニッシュ−ペロン等,1985);M13
mp18/M13mp19(メッシング(Messin
g)J.,IOIC:1983,pp.10−78;モ
ランダー(Morrander)等,Gene,198
3,26,pp.101−106)。
【0013】アセチルエステラーゼアッセイ:このアッ
セイはビーリー(Biely)等(1985,上記文
献)により記載された如きものである。酵素溶液(10
−50μl)を1mlの新たに調製した4−ニトロフェ
ニル酢酸(シグマ社(SIGMA))を0.2Mの燐酸
バッファー(pH6.5)に溶解した飽和溶液と混合
し、22゜Cでインキュベートした。4−ニトロフェノ
ールの遊離は時間の関数として410nmにおける分光
測定により追跡した。アセチルエステラーゼ活性の1単
位は1分以内に1μモルの該基質を加水分解する。酵素 :エンド−(1,4)−β−キシラナーゼ(E.
C.3.2.1.8)およびβ−(1,4)−キシロシ
ダーゼ(E.C.3.2.1.37)を、アスペルギル
スアワモリ(awamori)CM1 142717か
ら、コルメリンク(Kormelink)等により第5
回バイオマスおよびバイオエネルギーに関するヨーロッ
パ会議会報(Proc.5th European C
ongress on Biomass and Bi
oenergy)リスボン9−13,1989年10
月,1990)に記載の如く精製した。アセチルエステラーゼとキシラン−分解酵素の組み合わ
せ作用 :酢酸およびキシロースオリゴマーの遊離を蒸気
処理したカンバ材キシランを、アセチルエステラーゼお
よびエンド−(1.4)−β−キシラナーゼI、エンド
−(1’4)−β−キシラナーゼII、エンド−(1,
4)−β−キシラナーゼIIIおよびβ−(1,4)−
キシロシダーゼの単独または組み合わせにより分解した
後、HPLCにより決定した。0.2%(w/v)の蒸
気処理したカンバ材キシラン溶液を1.0μg/mlの
アセチルエステラーゼおよび0.1μg/mlのエンド
−(1,4)−β−キシラナーゼI、エンド−(1,
4)−β−キシラナーゼII、エンド−(1,4)−β
−キシラナーゼIIIまたはβ−(1,4)−キシロシ
ダーゼと共に30゜Cにてインキュベートした。この分
解は0〜8時間に渡り行った。該試料を沸騰水浴中に5
分間入れることによりこの反応を停止した。蒸気処理し
たカンバ材はパルス(Puls)等のAppl.Mic
robiol.Biotechnol.,1985,
,pp.416−423に記載の方法で調製した。
【0014】HPLC−中性糖:蒸気処理したカンバ材
キシランに対するエンド−(1,4)−β−キシラナー
ゼI、II、IIIおよびβ−(1,4)−キシロシダ
ーゼ並びにアセチルエステラーゼの単独および組み合わ
せ作用により遊離される中性糖をHPLCにより測定し
た。試料はボラーゲン(Voragen)等(Food
Hydrocolloids,1986,,pp.6
5−70)の方法に従ってPb(NOで前処理
し、かつCH−Pbカラム(メルク社(Merck)、
ダルムシュタット,FRG)に注入し、ミリポアフィル
タ処理した水(0.4ml/分)で85゜Cにて溶出し
た。糖はショデックス(Shodex)SE−61RI
検出器で検出した。
【0015】実施例1:A.ニガーアセチルキシランエ
ステラーゼAXE Iの精製および特徴付け。 実施例1.1:A.ニガーアセチルキシランエステラー
ゼAXE Iの精製アスペルギルスニガー DS16813の育成後、該培養
物を遠心分離し、その上澄を限外濾過により濃縮した。
73mlの試料をDEAE−トリスアクリル(IBF)
カラム(DEAE−トリスアクリル400mlで満たさ
れ、pH7.8の0.05Mトリス−HClで緩衝した
XK50ファルマーシア(Pharmacia)カラ
ム)に適用し、pH7.8の0.05Mトリス−HCl
中の0.0−1.0 M NaCl線形勾配で溶出し
た。上記の如くアセチルエステラーゼ活性につき得られ
た画分をアッセイした。アセチルエステラーゼ活性をも
つ画分を集め、0.05M燐酸バッファー(pH7.
5)で平衡化した半分取DEAEHPLC カラム(ウ
ォーターズ(Waters)DEAE 5 PW;2
1.5mm×15cm)に適用した。溶出は同一のバッ
ファー中の0.0−1.0M NaCl線形勾配で実施
した。最終的な精製は分析用DEAE HPLCカラム
(上記のものと同様であるが、この場合のサイズは7.
5mm×7.5cm)により、あるいはSDS−PAG
E電気泳動により実施した。得られた画分をそのまま、
または該タンパクをまず適当なタンパク分解酵素により
消化した後アミノ酸配列決定に使用した。後者の場合に
おいて、得られたペプチドは該アミノ酸配列決定の前に
HPLCを通して分離した。
【0016】実施例1.2:アセチルキシランエステラ
ーゼのN−末端および内部ペプチドのアミノ酸配列決
定:アプライドバイオシステムズ(AppliedBi
osystems)の気相配列決定装置を使用したA.
ニガーのアセチルキシランエステラーゼAXE IのN
−末端のアミノ酸配列決定により、以下の配列が明らか
となった。 Ser−Gly−Ser−Leu−Gln−Gln−v
al−Thr−Asp−Phe−Gly−Asp−As
n−Pro−Thr−Asn−Val−(Gly)−M
et−Tyr−(Ile)
(式1) HPLCを使用した分離後の、アセチルキシランエステ
ラーゼAXE IのCNBrペプチドのアミノ酸配列決
定により、以下の配列が明らかとなった。 CNBrペプチド1:Tyr−IIe−Tyr−Val
−Pro−Asn−Asn−Leu−Ala−Ser−
Asn−Pro−Gly−Ile−Val−Val−A
la−Ile−His−Tyr−
(式2) CNBrペプチド2:?−Ser−Gly−Tyr−S
er−Gly−Ser−Phe−Pro−Thr−?−
Gln(Ile)−Tyr−(His/Thr)−(S
er)−Gly−(Ser)−(Ser)−Asp−
(式3)
【0017】実施例2:アセチルキシランエステラーゼ
遺伝子(axeA)に対するA.ニガーゲノムライブラ
リーのスクリーニングおよび該遺伝子の単離 実施例2.1:合成オリゴヌクレオチドの32P−標
識:実施例1.2(式1)に示したアミノ酸配列はN−
末端アミノ酸配列に対応するオリゴヌクレオチド混合物
を誘導するのに使用した。該オリゴヌクレオチドは、ク
レア(Crea)等により、Tetrahedron
Lett.,1979,,pp.395−398に記
載のホスホアミダイト法により、アプライドバイオシス
テムズ社のオリゴヌクレオチド合成装置を使用して合成
した。以下のオリゴヌクレオチド混合物を、1μl当た
り37pM(ピコモル)なるオリゴヌクレオチドの最終
濃度で使用した。 GGATTATCIC CAAAATCIGT IACCTGCTG 29 (式4) G G G G このオリゴヌクレオチド混合物を、37 pMのオリゴ
ヌクレオチド混合物、66mMのトリス(Tris)・
HCl(pH7.6)、1mMのATP、1mMのスペ
ルミジン、10mMのMgCl、15mMのジチオス
レイトール、200 μg/mlのBSA、34 pM
のγ−32P ATP(NEN,6000Ci/mM)
および30U Tポリヌクレオチドキナーゼ(BR
L)なる組成の反応混合物中で、最終体積50μlで標
識した。この反応はpH8.0の4μlの0.5M E
DTAを添加することにより停止させた。この標識オリ
ゴヌクレオチド混合物は更に精製することなくゲノムラ
イブラリー(実施例2.3)のスクリーニングにおいて
およびサザンブロッティング(実施例2.5および2.
6)で使用した。
【0018】実施例2.2:アスペルギルスニガー菌株
DS16813(CBS 323.90)のゲノムライ
ブラリーの構築:アスペルギルスニガーDS16813
(セントラールビューローブールシメルカルチャーズ
(Centraal Bureau Voor Sch
immelcultures),オランダ、バーン(B
aarn)に1990年6月20日付けで寄託した(C
BS323.90))をグラーフ(Graaff)等
(Curr.Genet.,1988,13,pp.3
15−321)により記載された手順を使用して単離し
た。簡単に言えば、一夜育成した菌糸体を収穫し、−8
0℃で保存した。核酸をマイクロ膜分離装置(micr
odiSmembrator;ブラウン(Brau
n))を使用して0.5gの凍結菌糸体を崩壊すること
により単離した。この菌糸体粉末を、1mlのトリイソ
プロピルナフタレンスルフォン酸(TNS)(20mg
/ml)、1mlのp−アミノサリチル酸(PAS)
(120mg/ml)および0.5mlの5xRNBバ
ッファーを含み、1.5mlのフェノールで平衡化した
抽出バッファーで抽出した。この抽出バッファーを該菌
糸体粉末に添加し、フェノール/クロロホルム、クロロ
ホルム抽出を実施した。該DNA を次いでエタノール
沈澱法により単離した。RNA はRNアーゼAにより
処理することにより該溶液から除去した。アスペルギル
スニガーDS16813から上記の如く単離したDNA
Sau3Aにより部分的に消化した。生成するフラ
グメントをTAE中で0.4%アガロースゲル上での電
気泳動によりサイズ分画を行った。サイズ14kb〜2
2kbのフラグメントを、該ゲルの適当な領域を切断
し、次いで電気溶出(electroelution)
することにより該ゲルから回収した。該フラグメント
を、標準的手順で、プロメガ(Promega)から入
手したバクテリオファージλEMBL 3 BamHI
アーム(arms)により接合した。この接合DNA
を、ギガパックIIゴールド(Gigapack I
I G0ld)パッケージング抽出物(ストラタジーヌ
(Stratagene)を使用して試験管内でパッケ
ージングし、製造業者の指示に従ってNZYCM培地を
使用してE.コリLE 392上にプレーティングし
た。かくして得た一次ライブラリーを滴定し、増殖させ
た。約1010pfu/mlを含むファージストックを
作製した。
【0019】実施例2.3:axeA遺伝子用のA.ニ
ガーゲノムライプラリーのスクリーニング:A.ニガー
ゲノムライブラリーを上記のようにして構築した。ax
eA遺伝子を得るために、プレート当たり3x10
fuを、マニアティス(Maniatis)等の上記文
献,1982,p.64に記載の如く、プレーティング
細菌としてE.コリLE 392を使用して、4つの8
5mm径のNZYCM(1.2%寒天)プレート上で、
0.7%のアガロースを含むNZYCM トパガロース
(topagarose)中にプレーティングした。該
プレートの37℃での一夜のインキュベーション後、各
プレートの2種のレプリカをハイボンド(Hybon
d)Nフィルタ(アマーシャム(Amsham)上
に、マニアティス(Maniatis)等の上記文献,
1982,pp.320−321 に記載の如く作製し
た。3xSSC中で該フィルタを湿潤した後、該フィル
タを室温にて3xSSC 中で60分間洗浄した。該フ
ィルタを、6xSSC、0.5%SDS、10xデンハ
ーツ(Denhardt′s)溶液および100μg/
mlの熱変性ヘーリング精液DNA(ベーリンガーマン
ハイム(Boehringer Mannheim)を
含む予備ハイブリダイゼーションバッファー中で2時間
65℃にて予備ハイブリダイゼーションした。2時間の
予備ハイブリダイゼーション後、該バッファーをハイブ
リダイゼーションバッファー(これは該予備ハイブリダ
イゼーションバッファーと同様であるがこのバッファー
はヘーリング精液DNA を含まず、かつ実施例2.1
に記載のように調製した式1の32p−標識オリゴヌク
レオチド混合物を含有する)で置換した。このフィルタ
を、初期温度65°Cから徐々に到達する最終温度47
°Cにて18時間ハイブリダイゼーションした。
【0020】ハイブリダイゼーションの後、該フィルタ
をまず2xSSC で洗浄し、その後該フィルタを予め
47°Cに加温したハイブリダイゼーションバッファー
で洗浄した。最後に、該フィルタを56°Cにて30分
間2度6xSSC、0.05% ピロリン酸ナトリウム
で洗浄した。風乾した該フィルタをファットマン(wh
atman)3MM紙のシート上にテープで張りつけ、
キーマークを放射性インクで形成し、該ファットマン紙
およびフィルタをサランラップで覆った。ハイブリダイ
ズプラークを、強化スクリーンを使用して−70°Cに
て72時間コダック(Kodak) XAR X−線フ
ィルムの露光により同定した。7個のハイブリダイズプ
ラークが同定され、それぞれをλaxe1〜λaxe7
と命名した。各正のプラークをパスツールピペットを使
用して該プレートから取り出し、マニアティス等(上記
文献,1982,pp.64)に記載のように20μl
のクロロホルムを含有するSMバッファー1ml中で寒
天プラグからファージを溶出した。得られたファージ
を、単離ファージの50−100プラークを含むプレー
トから、フィルタレプリカを使用して上記の手順を繰り
返すことにより精製した。精製した後、該ファージを、
その5x10個をNZYCM 培地にプレーティング
することにより増殖させた。37°Cにて一夜インキュ
ベートした後、密集プレートを得、そこから該ファージ
を5mlのSMバッファーを添加することにより溶出
し、間欠的に振盪しつつ4°Cにて2時間該プレートを
保存した。ピペットを使用して上澄を集めた後、細菌を
4°Cにて10分間4,000xgにて遠心処理するこ
とにより該溶液から分離した。該上澄に0.3%クロロ
ホルムを添加し、pfuの数を測定した。これらのファ
ージストックは約1010pfu/mlを含む。
【0021】実施例2.4:バクテリオファージλから
のDNA の単離:該単離したファージの各々を、2*
10pfuと、300μlのSMバッファー中の5*
10 E.コリLE 392細菌とを15分間結合す
ることにより増殖した。インキューション後、該感染細
菌を予め加温(37°C)したNZYCM 培地100
mlに接種し、次いで250rpmにてニューブランス
ウィック(New Brunswick)回転シェーカ
ー中で、37°Cにて9〜12時間インキキュベート
し、その後該細菌を溶解した。この細菌デブリスを、ソ
ルバル(Sorvall)高速遠心機内で4°Cにて1
0分間10krpmにて遠心処理して分離した。該ファ
ージを得られた上澄(100ml)から10gのポリエ
チレングリコール−6000および11.7gのNaC
lを添加することにより沈澱させ、該溶液を4°Cにて
一夜保存した。該沈澱ファージを4°Cにて20分間1
4,000xgにて遠心処理することにより集めた。上
澄を吸引により除去し、一方残りの液体を紙タオルを使
用して除いた。該ファージを4mlのSMバッファーに
注意深く再懸濁し、1回等体積のクロロホルムで抽出し
た。
【0022】該ファージ粒子からDNA を抽出する前
に、溶解した細菌由来のDNA およびRNAを、37
°Cにて30分間、DNアーゼIおよびRNアーゼA
(いずれも100μg/ml)と共に該ファージ懸濁液
をインキュベーションすることにより除去した。次い
で、該ファージDNA を最終濃度20mMまでEDT
Aを添加することにより該ファージから遊離させ、一方
で該タンパクを、2回等体積のフェノール/クロロホル
ム/イソアミルアルコール(25:24:1)で抽出し
て該溶液から除去した。ソルバル遠心機を使用(14,
000xg;10分間)して遠心処理することによって
該相を分離した後、水性相を2回等体積のクロロホルム
/イソアミルアルコール(24:1)で抽出した。これ
ら相を遠心処理により分離し、その後該DNA を該水
性相から0.1容の5M過塩素酸ナトリウムおよび0.
1容のイソプロパノールを添加し、30分間氷上でイン
キュベーションすることにより沈澱させた。このDNA
を4°Cにて10分間遠心処理(14,000xg)
して回収した。上澄を吸引により除去し、その後該DN
A を400μlのTEバッファー中に再懸濁した。こ
のDNA をもう一度0.1容の3M酢酸ナトリウムお
よび2容のエタノールを添加して該溶液から沈澱させ
た。このDNA を4°Cにて10分間遠心処理(1
4,000xg)して回収した。上澄を吸引により除去
し、残りのペレットを真空下で手短に乾燥し、その後該
DNA を0.1μg/mlのRNアーゼを含む125
μlのTEバッファー中に再懸濁した。この精製処理に
より各ファージから約50−100μgのDNA が単
離された。
【0023】実施例2.5: axeA含有ファージの
制限分析:ファージλaxe1〜λaxe7の単離DN
A を制限酵素EcoRI; HindIII; Sp
hI;およびHinCIIを使用して、サザン分析法に
より分析した。このDNA を、5μl(約1μg)の
DNA 溶液、2μlの適当な10X 反応バッファー
(BRL)、10 Uの制限酵素(BRL)を含み滅菌
蒸留水で最終体積20μlとした反応混合物中で37°
Cにて3時間消化した。消化後、該DNA を0.1容
の3MNaAcおよび2容のエタノールを添加して沈澱
させた。このDNA を、室温にて10分間遠心処理
(14,000xg)して回収した。上澄を吸引により
除去し、残りのペレットを真空下で手短に乾燥し、その
後該DNAを滅菌蒸留水中に再懸濁した4μlのDNA
含有バッファーを添加した後、該試料を65°Cにて
10分間インキュベーションし、即座に氷で冷やし、次
いで該試料をTAE バッファー中の0.6%アガロー
スゲル上に担持させた。DNA フラグメントを25V
にて15〜18時間電気泳動することにより分離した。
電気泳動後、該DNA を指示マニュアル(pp.25
−26)に記載のようにアルカリ真空ブロッティング
(バクジーヌ(Vacugene)XL;ファルマシア
(Pharmacia)LKB)により転移かつ変性
し、次いで実施例2.1に記載の如く式1の標識オリゴ
ヌクレオチド混合物を使用してまた実施例2.2に記載
の如きハイブリダイゼーション条件下で予備ハイブリダ
イズし、かつハイブリダイズした。ハイブリダイゼーシ
ョンパターンを、強化スクリーンを使用して、−70°
Cにて18時間コダックXAR−5X−線フィルムの露
光により得た。得られた結果から、単離された7種のク
ローンのうち5種のDNA はN−末端アミノ酸配列由
来のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズするものと結
論ずけられる。5種のクローンの全てにおいて、同一の
ゲノム領域由来のフラグメントが見出された。酵素Bg
llI、EcoRV、NcoIPstISstI
よびXbaIを使用したより広範なサザン分析では、こ
のゲノム領域の部分制限マップが作製された。この実験
から、3.4kbのSstIフラグメントがA.ニガー
axeA遺伝子を含むことを結論ずけている。
【0024】実施例2.6: A.ニガーaxeA遺伝
子のサブクローニング:ファージλaxeから、該3.
4kbのSstIフラグメントが該ファージDNA を
SstIで消化し、該フラグメントを上記実施例2.4
における如く分離することにより得られた。このフラグ
メントを該アガロースゲルから切り出し、その後ISC
Oカップを使用した電気溶出により該アガロース切片か
ら回収した。このカップの大きなおよび小さな容器両者
に透析膜を取りつけ、該カップを0.005xTAE
で満たし、該アガロース切片を該カップの大きな容器に
入れた。次いで、該カップを電気溶出装置に入れた。こ
こで大きな容器はTAE を含むカソード室に入れ、一
方小さな容器はTAE/3M NACl を含むアノー
ド室に入れた。このフラグメントを100Vで2時間電
気溶出した。この期間の経過後、該カップを該電気溶出
装置から取り出し、バッファーを大きな容器から取り出
し一方小さな容器からは上部のバッファーのみを除去し
た。該DNA フラグメントを含む残りのバッフャー
(200μl)は30分間に渡り蒸溜水に対して該カッ
プ中で透析した。最後に該DNAを0.1容の3MNa
Ac(pH5.6)および2容の冷エタノール(−20
゜C)の添加により沈澱させた。このDNAを、4゜C
にて、3分間14,000xgで遠心処理(エッペンド
ルフ(Eppendorf)遠心機)して回収した。上
澄の除去後、該DNAペレットをサバントスピードバッ
ク(Savant Speedvac)真空遠心機を使
用して乾燥した。このDNAを1μlのTEバッハァー
に溶解し、基準として既知濃度のλDNA を使用しま
たDNA を検出するためにエチジウムブロミド染色を
利用した、アガロース電気泳動によりその濃度を測定し
た。
【0025】得られたフラグメントをSstIで消化し
たベクターpEMBL18に連結し、以下のように調製
したアルカリホスファターゼにより脱ホスホリル化し
た。即ち、該アルカリホスファターゼは、1μl(1μ
g/μl)のpEMBL18を2μlの10xリアクト
(React)10(BRL)、1μl(1μ/μl)
のSstIおよび16μlの滅菌蒸留水と混合した。こ
のDNAを37゜Cにて1時間消化し、次いで0.5μ
lのアルカリホスファターゼ(1U/μl)(ファルマ
シアLKB)を添加し、更に30分間37゜Cにてイン
キュベーションした。線状化したこのベクターを上記の
ように0.6%アガロースゲルから単離した。該2.4
kbSstIフラグメントをプラスミドpIM150か
ら得たベクターに、以下のように連結した。即ち、10
0ngのpEMBL18フラグメントを100mgの
3.4kbSstIフラグメントおよび4μl5*連結
バッファー(組成:50mMのトリス−HCl、pH
7.6;100mMのMgCl;10mMのATP;
10mMのジチオスレイトール;25%PEG−600
0)と共に混合し、かつ1μ(1.2U/μl)のDN
Aリガーゼ(BRL)を最終体積が20μlとなるよう
に該混合物に添加した。14゜Cにて16時間インキュ
ベーションした後、該混合物を滅菌水で100μlまで
希釈した。該希釈混合物10μlを受容能のあるE.コ
JM101細胞を形質転換するのに使用した。該細胞
はM13クローニング/配列決定装置用のファルマシア
のマニュアルに記載のようにCM1、CM2法により調
製した。選択したコロニー6種を100μg/mlのア
ンピシリンを含有するLB培地中で一夜育成した。
【0026】この培養物から、プラスミドDNAを、マ
ニアティス等(1982,pp.368−369)によ
り記載されたアルカリ溶解法を使用して単離した。これ
を実施例2.4に記載のような制限分析で使用して、所
定のプラスミドを含むクローンを選別した。プラスミド
DNA は100μg/mlのアンピシリンを含有する
LB培地中で育成したプラスミドpIM150を含有す
る500mlのE.コリJM101培養物から大規模で
単離した(マニアティス等,1982,p.86)。こ
のプラスミドをCsCl遠心処理し、フェノール変性
し、エタノール沈澱し、かつ400μl TEに溶解す
ることにより精製した。収率は約500μgであった。
このプラスミドpIM150を、更に図1に示した制限
マップに見られる制限酵素により分析した。このプラス
ミド(E.コリDH5α中)をオランダ国、バーンのC
BSに、1991年3月11日付けでCBS157.9
1なる寄託番号の下で寄託した。
【0027】実施例3:A.ニガーaxeA遺伝子の配
列決定A.ニガーaxeA 遺伝子の配列(そのプロモーター調
節配列、該遺伝子の構造部分および終止領域)を、配列
決定反応におけるプライマーとして特定のオリゴヌクレ
オチドを使用して、M13mp18/mp19中のpI
M150からのフラグメントのサブクローニングにより
決定した。ヌクレオチド配列分析のために、制限フラグ
メントを実施例2.5に記載の如く単離し、バクテリオ
ファージM13mp18/19RFDNA ベクター
(メッシング(Messing),上記文献,198
3;およびノランダー(Norrander)等、上記
文献,1983)にクローニングし、実施例2.5に記
載の如く適当な制限酵素で消化した。ヌクレオチド配列
は、ファルマシアTDNA ポリメラーゼ配列決定キ
ットを使用して、ジデオキシヌクレオチド鎖終止法(サ
ンガー(Sanger)等,Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA,1977,74,pp.546
3−5467こより決定した。コンピュータ解析をPC
/GENE プログラムを使用して実施した。決定され
た配列を(配列リストに)SEQ IDNO:7として
与えた。イントロンの位置は5’および3’スプライス
サイトに対する共通配列に基づいて誘導した。
【0028】実施例4:A.ニガーN593におけるク
ローン化axeA遺伝子の発現 実施例4.1:A.ニガーN593へのaxeA遺伝子
の同時形質転換による導入 実施例2.5で得たプラスミドpIM150を、プラス
ミドpGW635(グーセン(Goosen)等,Mo
l.Gen.Genet,1989,219,pp.2
82−288)上の選択マーカーとしてA.ニガーpy
rAを、および同時形質転換プラスミドとしてプラスミ
ドpIM150を使用して、A.ニガーN593(A.
ニガーN402のpyr変異体)の同時形質転換により
A.ニガー中に導入した。0.5%酵母抽出液、0.2
%カサミノ酸、50mMグルコースおよび10mMのウ
リジンを補充した最小培地上でA.ニガーN593を3
0゜Cにて20時間育成することにより、原形質体を菌
糸体から調製した。A.ニガーN593の原形質体の調
製および形質転換手順はグーセン(Goosen)等の
上記の文献(1987)に記載のように実施した。得ら
れたPYR形質転換体をウエスタンブロット分析によ
り該axeA遺伝子の発現について分析した。
【0029】実施例4.2:axeA遺伝子の発現に関
する形質転換体のスクリーニング 実施例4.1で得た形質転換体をaxeA遺伝子生成
物、AXEIタンパクの形成につき解析した。20種の
形質転換体を選択し、1l当たり30gのカンバ材キシ
ラン(ロス(Roth))、6gのNaNO、0.5
gのKCl、0.5gのMgSO・7HO、0.5
gのCaCl、1.5gのKHPOおよび0.1
gの酵母抽出液並びに1ml/1のビスニャック溶液
(pH6.0)を含む培地上で72時間培養した。育成
した後、該菌糸体を濾過により分離し、該培養物濾液
を、12%のアクリルアミドを含有するゲルを使用した
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析し
た。AXEIタンパクを、エレクトロブロッティング
し、実施例1.1に記載のように精製した該AXEIタ
ンパクに対して生成したポリクローナル抗体と共にイン
キュベートした後、ニトロセルロース上で検出した。該
結合した抗体は、バイオラド指示マニュアルに従ってア
ルカリホスファターゼと複合化した山羊−抗−兎抗体と
共にインキュベートした後検出した。この方法により検
出したところ、分析した20種の形質転換体のうちの4
種が該AXEIタンパクを過重生産した。このタンパク
は培地中に分泌された。分析された形質転換体の1種
(形質転換体TrA10)が該AXEIタンパクを最大
収率で与えるものとして選別された。
【0030】実施例5:アセチルキシランエステラーゼ
とそれぞれエンド−(1,4)−β−キシラナーゼおよ
びβ−(1,4)−キシロシダーゼとの併用作用 0.2%(w/v)の蒸気処理したカンバ材キシラン溶
液をアセチルエステラーゼおよびアセチルエステラーゼ
とエンド−(1,4)−β−キシラナーゼI、エンド−
(1,4)−β−キシラナーゼII、エンド−(1,
4)−β−キシラナーゼIII、またはβ−(1,4)
−キシロシダーゼの組み合わせを所定の時間インキュベ
ートした。時間曲線(図2にエンド−(1,4)−β−
キシラナーゼにつき図示したように)は、アセチル基の
殆どが遊離した後にのみ、エンド−(1,4)−β−キ
シラナーゼI、IIおよびIIIは有意な量のキシロー
スおよびキシロースオリゴマー(X2,X3およびX
4)を遊離し始めることを示している。該アセチルエス
テラーゼは、キシラン分解性酵素と組み合わせて使用し
た場合よりも多くの酢酸を遊離しない。蒸気処理された
カンバ材キシランからのβ−(1,4)キキシロシダー
ゼによるキシロースの遊離はゆっくりであるが定常的で
ある。アセチルキシランエステラーゼの不在下では、エ
ンド−(1,4)−β−キシラナーゼおよびβ−(1,
4)−キシロシダーゼは蒸気処理されたカンバ材キシラ
ンを分解しない。即ち、これらは有意な量のX1、X
2、X3およびX4を遊離しない。アセチル基は、従っ
てエンド−(1,4)−β−キシラナーゼまたはβ−
(1,4)−キシロシダーゼの酵素活性を遮蔽する可能
性がある。
【0031】蒸気処理したカンバ材キシランの分解を強
調するために、それぞれ単独のアセチルエステラーゼ、
エンド−(1,4)−β−キシラナーゼI、エンド−
(1,4)−β−キシラナーゼII、エンド−(1,
4)−β−キシラナーゼIIIまたはβ−(1,4)−
キシロシダーゼと共に、およびアセチルエステラーゼと
これらのキシラン分解酵素との組み合わせと共に蒸気処
理したカンバ材キシランを24時間インキュベートする
ことにより比較実験を行った。また、アセチルエステラ
ーゼとの1時間に及ぶ予備インキュベーション、次いで
該キシラン分解酵素との1および24時間に渡るインキ
ュベーションを行った。表1は24時間のインキュベー
ション後の酢酸、キシロースおよびキシロースオリゴマ
ーの遊離の結果を示す。該アセチルキシランエステラー
ゼはそれぞれ1および24時間後にアセチル基2.60
−2.80および4.30μmol/mlを遊離する
(4.30μmol/mlは全アセチル基の80−90
%の遊離に等しい)。アセチルエステラーゼとキシラン
分解酵素との組み合わせの使用により、酢酸の遊離に対
する初期速度の増加はない。
【0032】アセチルキシランエステラーゼが存在しな
い場合、A.アワモリからのエンド−(1,4)−β−
キシラナーゼ類とβ−(1,4)−キシロシダーゼとは
蒸気処理したカンバ材キシランからのキシロースオリゴ
マー(即ち、それぞれβ−(1,4)−キシロシダーゼ
およびエンド−(1,4)−β−キシラナーゼIにより
またはX、XおよびX)の遊離は殆どないか
または僅かに痕跡程度であった。アセチルキシランエス
テラーゼと組み合わせた場合、これらのキシラン分解酵
素は24時間のインキュベーション後に妥当な量のキシ
ロースオリゴマーを遊離した。しかし、アセチルエステ
ラーゼによる僅かに1時間の蒸気処理したカンバ材キシ
ランの予備処理によっては、キシロースオリゴマーの量
は幾分減少する。かくして、アセチルエステラーゼとキ
シラン分解酵素との組み合わせは最大量のX、X
およびXを遊離する。この食い違いは蒸気処理し
たカンバ材キシランの脱アセチル化により該キシロース
オリゴマーが線状化されることで説明できる。該キシラ
ン分解酵素によりより小さなオリゴマーに分解されない
場合、より高級なキシロースオリゴマーはこの線状化の
結果として凝集し、かつ沈澱を生ずる可能性がある。こ
の沈澱は分解を受け難い(プタネン(Poutane
n)等,1989および1990)。ここに示された結
果から、該アセチルエステラーゼによるアセチル基の初
期遊離により、新たなサイトがエンド−(1,4)−β
−キシラナーゼの結合に適した該多糖の主鎖上に生成さ
れることが明らかである。精製されたA.アワモリから
のキシラン分解酵素がそれ程蒸気処理されたカンバ材キ
シランを分解しなかったという事実は、A.アワモリ
粗調製物がそれ程蒸気処理されたカンバ材キシランを分
解しなかったというプタネン(Poutanen)等
(上記文献)による発見と一致する。
【0033】
【表1】単独および組み合わせた1.0μg/mlのア
セチルエステラーゼおよび0.1μg/mlのエンド−
(1,4)−β−キシラナーゼI、エンド−(1,4)
−β−キシラナーゼII、エンド−(1,4)−β−キ
シラナーゼIIIまたはβ−(1,4)−キシロシダー
ゼの作用による0.2%(w/v)蒸気処理したカンバ
材キシラン溶液からの酢酸、キシロースおよびキシロー
スオリゴマーの遊離
【0034】実施例6:家禽の消化管を模した条件下で
のアセチルキシランエステラーゼ活性の試験管内テスト 1.1gの試料または試料成分(アセチルキシランエス
テラーゼの存在下または不在下で)を39゜Cにて、p
H5.5の50mM酢酸ナトリウムバッファー中で1時
間インキュベートして、鶏のそのうを模倣した。HCl
によりpHを3.0に低下し、かつ5mlのペフシン溶
液(メルク(Merck);5.28g/l)を添加し
た後、該混合物を胃における如く39゜Cにて1.5時
間インキュベートした。鳥類の小腸はリン酸ナトリウム
(2.5ml1M)および2.5mlのパンクレアチン
/胆汁酸を添加してpHを6.5まで上昇させることに
より模倣した。39゜Cにて更に1.5時間インキュベ
ートした後該混合物を遠心処理した。得られたペレット
を乾燥し、その重量を測定した。処理および未処理物質
のペレットの重量における差異を標準的な条件下で、酵
素活性のために測定した。試料成分の例として小麦糠お
よび玉濁黍粉末を、上記の記載に従ってアセチルキシラ
ンエステラーゼと共にインキュベートした。乾燥品の消
化能は数%改良された。このことは、アセチルキシラン
エステラーゼが木材由来のヘミセルロース材料以外の分
解においても利用できることを示している。 配列リスト SEQ.ID NO:1 配列の型:アミノ酸 配列の長さ:21アミノ酸 形体:線状 分子の型:アセチルキシランエステラーゼからのN−末
端アミノ酸 微生物:アスペルギルスニガーAspergillu
nigerSEQ.ID NO:2 配列の型:アミノ酸 配列の長さ:20アミノ酸 形体:線状 分子の型:アセチルキシランエステラーゼからのCNB
rペプチド(CNBrペプチド1)のN−末端アミノ酸 微生物:アスペルギルスニガーAspergillu
nigerSEQ.ID NO:3 配列の型:アミノ酸 配列の長さ:20アミノ酸 形体:線状 分子の型:アセチルキシランエステラーゼからのCNB
rペプチド(CNBrペプチド2)のN−末端アミノ酸 微生物:アスペルギルスニガーAspergillu
nigerSEQ.ID NO:4 配列の型:ヌクレオチド 配列の長さ:29ヌクレオチド 形体:線状 分子の型:アセチルキシランエステラーゼN−末端アミ
ノ酸由来のオリゴヌクレオチド混合物 微生物:アスペルギルスニガーAspergillu
niegerSEQ.ID NO:5 配列の型:ヌクレオチド 配列の長さ:20ヌクレオチド 形体:線状 分子の型:アセチルキシランエステラーゼN−末端アミ
ノ酸由来のオリゴヌクレオチド混合物 微生物:アスペルギルスニガーAspergillu
nigerSEQ.ID NO:6 配列の型:ヌクレオチド 配列の長さ:20ヌクレオチド 形体:線状 分子の型:アセチルキシランエステラーゼからのCNB
rペプチド1のN−末端アミノ酸由来のオリゴヌクレオ
チド混合物 微生物:アスペルギルスニガーAspergillu
nigerSEQ.ID NO:7 配列の型:対応するタンパクを有するヌクレオチド 配列の長さ:1943塩基対 形体:線状 分子の型:ゲノムDNA 起原となる微生物:アスペルギルスニガーAsper
gilluniger)直接的実験上の起原 セルラインの名称:E.コリJM101::pGW15
0 特徴: 606〜612TATAシグナル 534〜538 CCAAT ボックス 713〜1756コード配列 918〜970イントロン1 1228〜1305イントロン2 713〜800 プレプロペプチド 801〜1756成熟ペプチド 性質:アスペルギルスニガーAspergillu
niger)アセチルキシランエステラーゼ(axe
A)遺伝子
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はアスペルギルスニガー axeA遺伝子
を含む3.4kb Sst1DNAフラグメントの制限
マップを示す図である。
【図2】図2はアセチルエステラーゼ(1μg/ml)
およびエンド−(1,4)β−−キシラナーゼI(0.
1μg/ml)の併用作用による0.2%(w/v)蒸
気処理したカンバ材キシラン溶液からの酢酸(HAc)
およびキシロースオリゴマー(X、X、Xおよび
)の遊離を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 9/18 ZNA 7823−4B C12P 19/14 Z 7432−4B C12S 3/08 7732−4B D21C 9/10 Z 7199−3B //(C12N 15/55 C12R 1:685) (C12N 1/15 C12R 1:685) (C12N 1/21 C12R 1:07) (72)発明者 ジエイコブ ヴイツセル オランダ国 6703セーカー ワーヘニンヘ ン ヒンケロールドスウエツヒ 5 (72)発明者 ヘンリエツタ カタリーナ フアン デン ブルーク オランダ国 6713エヌカー エデ アンナ フアン ビユーレンラーン 48 (72)発明者 フランソワ ストロジイー フランス国 62790 レフオレス リユー エミール バスリー 47 (72)発明者 フエリツクス イエー エム コルメリン ク オランダ国 6721イエーカー ベネコム ドルプスストラート 12アー (72)発明者 ヨハネス コルネリス ペトリユース ボ ーンマン オランダ国 2024ヘーエム ハーレム ネ プチユーニユスストラート 17

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセチルキシランエステラーゼ活性を有
    するタンパクをコードする組み換えDNA フラグメン
    ト。
  2. 【請求項2】 該フラグメントが真菌由来のものである
    請求項1記載の組み換えDNA フラグメント。
  3. 【請求項3】 該真菌がアスペルギルストリコデルマ
    およびシゾフィルム族を含む群から選ばれる請求項2記
    載の組み換えDNA フラグメント。
  4. 【請求項4】 該真菌がトリコデルマリーゼイアスペ
    ルギルスニガーおよびシゾフィルムコムネからなる種か
    ら選ばれる請求項3記載の組み換えDNAフラグメン
    ト。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載のDNA
    フラグメントを含み、該DNA フラグメントが機能可
    能に発現調節配列に結合している発現ベクター。
  6. 【請求項6】 該調節配列が該クローン化DNA フラ
    グメントに対して非相同である請求項5記載の発現ベク
    ター。
  7. 【請求項7】 アセチルキシランエステラーゼ活性を有
    するタンパクをコードするDNA フラグメントを含む
    発現ベクターにより形質転換された微生物宿主細胞。
  8. 【請求項8】 該宿主細胞がアスペルギルスバチルス
    またはクルイベロマイセスである請求項7記載の形質転
    換された微生物宿主細胞。
  9. 【請求項9】 a) アセチルキシランエステラーゼ活
    性を有するタンパクをコードするDNA フラグメント
    を含む発現ベクターにより形質転換された微生物宿主細
    胞を、アセチルキシランエステラーゼの生産を生ずる条
    件下で培養し、 b) 場合により、該培養物からアセチルキシランエス
    テラーゼを回収する工程を含む、アセチルキシランエス
    テラーゼ活性を有するタンパクの製造法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の方法により得たアセチ
    ルキシランエステラーゼ活性を有するタンパク。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の方法により得たタンパ
    ク、または場合により該タンパクと他のキシラン分解酵
    素との混合物を使用することを含むキシランの分解方
    法。
  12. 【請求項12】 該他のキシラン分解酵素がキシラナー
    ゼ、アラビノフラノシダーゼ、キシロシダーゼ、グルク
    ロニダーゼからなる群から選ばれる請求項11記載の方
    法。
  13. 【請求項13】 有効量のアセチルキシランエステラー
    ゼを飼料に添加することを特徴とする該飼料の消化能を
    増進する方法。
  14. 【請求項14】 アセチルキシランエステラーゼ活性を
    有するポリペプチドを含有することを特徴とする動物飼
    料組成物。
  15. 【請求項15】 有効量のアセチルキシランエステラー
    ゼを添加したことを特徴とする、キシラン含有組成物の
    粘度低下法。
  16. 【請求項16】 紙製品の調製において、クラフトパル
    プからリグニンを除去するための、アセチルキシランエ
    ステラーゼ活性を有するポリペプチドの使用。
  17. 【請求項17】 プラスミドpIM150(CBS 1
    57.91)。
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