JPH051227B2 - - Google Patents

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JPH051227B2
JPH051227B2 JP61260151A JP26015186A JPH051227B2 JP H051227 B2 JPH051227 B2 JP H051227B2 JP 61260151 A JP61260151 A JP 61260151A JP 26015186 A JP26015186 A JP 26015186A JP H051227 B2 JPH051227 B2 JP H051227B2
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JP
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pressure
temperature
pitch
carbon fiber
carbon
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JP61260151A
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JPS6311570A (ja
Inventor
Kyoshi Sutani
Yoshihiko Sunami
Mikiro Kato
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPS6311570A publication Critical patent/JPS6311570A/ja
Publication of JPH051227B2 publication Critical patent/JPH051227B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野> この発明は、ロケツトノズル、航空機用デイス
クブレーキ、或いは炭素発熱体等に使用して優れ
た性能を発揮する炭素繊維強化炭素材の製造方法
に関するものである。 <従来技術とその問題点> 軽量で高強度を示し、しかも耐熱性にも優れた
炭素繊維強化炭素材(以下「C/C複合材」と略
称する)は、今や宇宙航空機部材や発熱体、更に
は医療用材料等として欠かせない存在となつてい
るが、その製造には“炭素繊維と熱硬化性樹脂或
いはピツチとを混合し炭化する手段”が一般的に
採用されている。しかし、C/C複合材の製造に
この方法を採用すると炭化後の成形体中に多量の
気孔が生成し易く、従つて「ピツチ含浸−炭化処
理」を繰り返したり「炭素のCVD(化学蒸着)処
理」を施す等の高密度化処理が必要であるなど、
工程が極めて複雑となるので工業的に決して好ま
しい手段とは言えなかつた。 一方、「炭素繊維と炭素質骨材並びに高軟化点
のピツチからなる混合物とを交互に積層し、これ
を加圧・加熱成形してから炭化すると、ピツチ含
浸やCVD等の高密度化処理を施さなくとも高密
度で強度の高いC/C複合材が得られる」との報
告もなされている(「炭素材料学会第11回年会要
旨集」第98〜99頁)。 しかしながら、炭素繊維と炭素質骨材・ピツチ
の混合物とを均一な厚みで交互積層することは技
術的に極めて困難なことであり、従つて、この方
法にてC/C複合材の工業的規模での生産を試み
たとしても、得られる製品の炭素繊維含有率は
高々40%以下程度のものにしかならず、所望の良
好な物性(曲げ強度、引張り強度、伸縮強度、剪
断強度並び耐摩耗性等)を有するC/C複合材の
安定な量産は望むべくもなかつた。 <問題点を解決するための手段> 本発明者等は、上述のような観点から、曲げ、
引張り、圧縮及び剪断等の強度や、耐摩耗性を始
めとするその他の物性に優れた高炭素繊維含有
率・高密度C/C複合材を工業的規模で安定生産
し得る方法を提供すべく、試行錯誤を繰り返しな
がら研究を重ねたところ、以下に示される如き知
見が得られたものである。即ち、 (a) 何れも微粉状態の炭素質骨材とバインダーピ
ツチとを、これら微粉並びに炭素繊維との濡れ
性が良好な溶液に分散させると共にこの分散液
と炭素繊維とを接触させると、該炭素繊維に前
記混合微粉が均一・緻密に付着した繊維体が極
めて容易に、しかも確実に得られること。 (b) その上、この炭素質骨材とピツチとを均一付
着させた繊維体は炭素繊維の繊維面が前記混合
微粉で殆んど隙間なく被覆された状態となつて
いるので、この繊維体の複数をそのまま積層し
て所定条件で加圧・加熱成形し炭化乃至は黒鉛
化処理すると、ピツチ含浸又はCVD等の高密
度化処理や“へら”等を使用して行われてきた
面倒な炭素繊維と炭素質骨材・バインダーピツ
チ混合粉との交互積層処理を要することなく、
炭素繊維含有率も密度も高い優れた物性のC/
C複合材が極めて簡単にかつ安定して得られる
こと。 (c) 更に、積層した繊維体の前記加圧・加熱成形
に際し、これに所定温度域で減圧する前処理を
施すと、繊維束内に残存する気体が除去されて
繊維束内へのマトリツク成分(炭素質骨材)の
含浸が促進され、より緻密で一段と優れた物性
を有するC/C複合材が極めて安定に得られる
ようになること。 この発明は、上記知見に基づいてなされたもの
であつて、「微粉状炭素質骨材とバインダーピツ
チとを分散させた溶液中に浸漬してこれらを付着
させた炭素繊維の複数を積層し、次いで360〜480
℃の温度範囲まで無加圧乃至は20Kg/cm2以下の圧
力下で昇温する第1工程と、引き続いて第1工程
での到達温度よりも高い最高到達温度域が430〜
550℃の加熱下で30Kg/cm2以上の加圧を行う第2
工程から成る加圧・加熱成形処理によつて炭化乃
至黒鉛化する」か、或いは「微粉状炭素質骨材と
バインダーピツチとを分散させた溶液中に浸漬し
てこれらを付着させた炭素繊維織物の複数を積層
し、更に〔前記バインダーピツチの軟化点+50
℃〕〜450℃の温度域にて100mmHg以下の減圧処
理を施した後、加圧・加熱成形処理して炭化乃至
黒鉛化する」ことにより、面倒な処理・操作を要
することなく、各種強度や耐摩耗性等の物性に優
れた炭素繊維強化炭素材を安定して量産し得るよ
うにした点に特徴を有している。 ここで、炭素質骨材としてはC/C複合材の製
造に従来から使用されている炭素粉、カーボンブ
ラツク、黒鉛等の何れをも採用することができ、
またその粒径は格別に限定されるものでないが、
粒径が20μを越えると複合体の炭化処理後に骨材
とピツチのマトリツクス中にクラツクが発生し易
くなることから、好ましくは20μ以下の炭素質骨
材(例えば5〜15μの粒径のものが主体をなすも
の)を使用するのが良い。 また、この発明の方法ではバインダーとしてピ
ツチを採用している。なぜなら、熱硬化性樹脂よ
りもピツチの方が炭化収率が高くて有利だからで
ある。そして、バインダーピツチとしては高軟化
点のものほど炭化収率が高くて緻密なC/C複合
材が得られるので、このような観点からすれば軟
化点(ここで言う“軟化点”とは、高化式フロー
テスター内の試料が軟化変形し試料粒子自体の空
隙を充填し終わる温度を指す)が200℃以上のも
のが好ましく、出来れば250℃以上のものが推奨
される。しかも、バインダーピツチは炭素繊維フ
イラメント内に含浸させなければならないもので
あつて、成形時の加熱過程で容易に溶融・流動す
ることが必要である。従つて、適用するバインダ
ーピツチは流動点(“流動点”とは前記試料が流
動化し始める温度であり、通常は「軟化点+20〜
40℃である)を有するものが望ましい。これらの
点からは揮発分が15%以上のバインダーピツチが
良いが、炭化収率の観点からは揮発分が30%以下
のものが好ましい。 上述のような軟化点が200℃以上でしかも流動
点を有するバインダーピツチは、例えばコールタ
ールピツチや石油系ピツチを減圧下で350℃以上
の温度で熱処理する方法で得ることができるが、
使用に当つては200μ程度以下に粉砕するのが好
ましい。 この発明で使用される炭素繊維は高強度品或い
は低強度品の何れでもよく、炭化温度は一般的な
1000℃以上である必要はなく500〜1000℃程度の
ものでも十分であり(むしろ、これら比較的低温
で焼成したものの方が成形体の炭化時に収縮傾向
を示すので、マトリツクスとの収縮差が無くなつ
て高い強度を実現することが多い)、C/C複合
材の目標性能に応じて使い分けられる。炭素繊維
の形態としては、チヨツプ状のもの等何れを採用
してもよいが、高い性能が得られると言う観点か
ら織物状や長繊維状のものが好適であり、中でも
“織物状のもの”は繊維の配向方向に高い物性が
得られるので特に推奨されるものである。また、
繊維径は特に制限されるものではないが、5〜
20μ程度のものが適当である。そして、これらの
炭素繊維はエポキシ樹脂等でサイジングされてい
るのが普通であるが、サイジングされたまま用い
ると加熱時にサイジング剤が硬化してピツチが炭
素繊維束内へ含浸し難くなる上、ピツチと炭素繊
維との界面に異物が存在することになるため、使
用に当つては事前に溶剤でサイジング剤を除去し
ておくことが望ましい。 ところで、この発明の方法では、前記炭素質骨
材粉とバインダーピツチとを炭素繊維に付着させ
るため、骨材粉とバインダーピツチを分散させた
溶液中に炭素繊維を浸漬する手段が採用される。
このような手段を採用することにより、固体成分
が炭素繊維に良くなじんで均一な厚みで付着し、
高炭素繊維含有率の成形体を製造することが可能
となるが、骨材粉とバインダーピツチとを分散さ
せる液体としては、これら固体粉及び炭素繊維の
何れとも濡れ性の良い、例えばアセトン、エタノ
ール、メタノール、〔水+界面活性剤〕の溶液、
或いはこれらと樹脂の混合液等が使用出来る。 なお、分散液に分散させたり浸漬したりする炭
素質骨材、バインダーピツチ及び分散液の重量比
率は1:(0.2〜4):(1〜6)程度が適当であ
る。そして、このようにすればマトリツクス成分
(骨材+バインダーピツチ)と繊維との比率が
1:(2〜2.3)の成形物の製造も可能である。 さて、炭素質骨材とバインダーピツチとを付着
させた炭素繊維が複数準備されると、これらは積
層され、そのまま或いは予備成形の後加圧・加熱
成形されるが、成形温度は、ピツチが重合反応し
て固化することが必要であることから少くとも
430℃以上、好ましくは450℃以上とするのが良
い。また、該温度が高すぎるとピツチの収縮に起
因した成形体の収縮が起こり、加圧力でプレス面
に拘束された状態では成形体に割れが発生するの
で、成形温度の上限を550℃、好ましくは540℃程
度に抑えるのが良い。成形圧は30Kg/cm2未満では
成形体の緻密化が十分に行われないおそれらがあ
るので30Kg/cm2以上、好適には40Kg/cm2以上とす
るのが良い。 更に、この場合、室温から成形の最終温度(最
高到達温度)まで高圧で加圧し続けると、成形体
内に熱分解ガスが内包されて多孔質となり易く、
また例えばピツチが高粘度化する温度(550℃程
度)から加圧を開始し650℃程度まで加圧を続け
て上記不都合の回避を図る方法を採用すると、今
度は加圧開始時にピツチが過度に重合して粘度が
高くなり過ぎ、炭素質骨材と炭素繊維と接着する
能力が低下しがちとなり易く、何れにしても得ら
れるC/C複合材の強度に悪影響を及ぼす一抹の
懸念を拭い得ないものである。そこで、このよう
な懸念を完全に除いてしまうためには次のような
手段が強く推奨される。 即ち、加圧・加熱成形工程を、360〜480℃の温
度範囲まで20Kg/cm2以下の圧力下(加圧しない場
合、即ち無加圧下も含む)で昇温する第1工程
と、これに引き続く、第1工程での到達温度より
も高い最高到達温度域が430〜550℃(出来れば
430〜540℃)の加熱下で30Kg/cm2以上(好ましく
は40Kg/cm2以上)の加圧を行う第2工程とで構成
する手段である。なぜなら、360℃を下回る程度
の温度はピツチは軟化するがピツチの熱分解反応
は未だ起こらない領域であり、また360〜480℃の
温度域はある程度熱分解も進む領域であるが、こ
の時点で20Kg/cm2を越える高圧で加圧すると、被
成形体は炭素繊維と骨材とが密接すると共にその
間隙をピツチが埋め尽くすまで圧密され、余剰の
ピツチが被成形体から流出するようになる。とこ
ろが、加圧・加熱成形型の最終温度としては更な
る高温が必要であるので成形型を更に昇温する
と、ピツチは熱分解反応を起こすか或いは熱分解
反応の程度を増し、発生する熱分解生成ガス圧に
よりピツチは一層成形型から流出してピツチ不足
の状態を来たすため、得られる成形体は多孔質の
ものとなり強度が低下しがちとなる懸念がある。
また、いきなり480℃を越える温度域に加熱する
と、ピツチの熱分解反応が進み過ぎて高熱度化す
るために加圧成形を行つても熱分解ガスが内包さ
れてしまう上、ピツチと炭素繊維との濡れや接着
が十分に起こらずに成形体の強度に悪影響がでる
懸念がある。しかし、加圧・加熱成形の初期工程
を無加圧又は精々20Kg/cm2以下の加圧下で360〜
480℃の温度範囲にまで加熱するように調整する
と、成形に必要な高圧加圧を実施する前にある程
度熱分解が進んでそれ以降の熱分解生成ガス量が
減るので分解ガスによるピツチの流出現象は低減
され、更にこの範囲であればピツチの粘度も未だ
低いことから気泡の内包や骨材及び炭素繊維とピ
ツチの接着不良等の問題は完全に解消される。そ
して、これに続いて被成形体を30Kg/cm2以上、好
ましくは40Kg/cm2以上の加圧下で更に昇温して成
形を完了し、炭化乃至は黒鉛化すると、目的強度
を十分に満足するC/C複合材がより一層安定確
実に得られる。この圧力の上限については特に定
めるものではないが、400Kg/cm2を越えると緻密
化の程度は飽和し、かつ大きな設備能力を要する
だけで実質的な意味はない。このため、前記圧力
については400Kg/cm2に止めるのが望ましいと言
える。この場合、第1工程での到達温度よりも高
い第2工程での最高到達温度が430℃以上である
とピツチ分解・固化反応が遅くて成形に長時間を
要するような不都合は完全に拭われ、一方、550
℃以下であると、ピツチが固化を完了して収縮す
ることに起因した“熱膨張する金型面と収縮する
成形体間の膨張・収縮差”で成形体に割れが発生
するとの懸念は皆無となり、その上、この時の成
形圧を30Kg/cm2以上とすることで十分に緻密化し
た成形体が確実に得られる。 また、このような加圧・加熱成形の前に〔バイ
ンダーピツチの軟化点+50℃〕〜450℃の温度域
にて100mmHg以下の減圧処理を施すのが良いこと
は前述した通りであるが、この際の加熱温度が
〔バインダーピツチの軟化点+50℃〕の値よりも
低いとピツチの溶融が不十分で炭素繊維束内へ含
浸しにくくなり、一方、450℃を越える温度に加
熱すると、 ピツチの熱分解→ガス発生→発泡→浸み出し を生じることから、この時の加熱温度は〔バイン
ダーピツチの軟化点+50℃〕〜450℃の温度域と
した。更に、この時に雰囲気圧が100mmHgよりも
高いとマトリツクス成分の含浸効果が十分に発揮
されないことから、加圧・加熱成形の前に減圧処
理を施す場合にはその減圧度を100mmHg以下と定
めた。 つまり、炭素質骨材とバインダーピツチとを液
中分散して炭素繊維を浸漬し、その複数を積層し
て加圧・加熱すると、均一に付着してはいるが浸
漬時に繊維束内部にまで侵入していなかつたマト
リツクス成分(骨材とピツチ)も溶融によつて繊
維束内へ侵入することとなるが、時たまそれだけ
では十分に含浸しない場合もある。なぜらなら、
繊維束が加圧によつて密着するのでフイラメント
間の隙間が少なくなつて融液の浸入が困難となつ
たり、繊維束内残存していた空気等の気体が抜け
難くて融液の含浸を阻害したり、或いは溶融した
ピツチは成形金型の隙間等から流出するので圧力
で伝達が悪くなつて含浸力を低下させたりするか
らである。ところが、加圧・加熱成形の前に前記
条件の減圧処理を行うと上記不都合は完全に取り
除かれ、高密度の成形体を安定して製造出来るよ
うになるのである。 何れにしろ、減圧処理を行う場合はもとより、
このような前処理を行わなくても、この発明の方
法に従つて加圧・加熱成形された成形体は、従来
のものに比して極めて緻密で、繊維フイラメント
同士の間が強固に結合された構造を有している。
そこで、この成形態を常法の炭化処理或いは黒鉛
化処理に付すと、非常に良好な強度や耐摩耗性等
を備えたC/C複合材が得られる。 以下、実施例によるこの発明を具体的に説明す
る。 <実施例> 比較例 1 実施例1で用いた炭素粉とバインダーピツチと
を5:5の重量比で乾式混合し、この混合粉と実
施例1に示した炭素繊維織物(50mmφにカツト)
とを、炭素繊維の含有率が重量比で68%となるよ
うな割合で内径:50mmφの金型中に交互に積層し
た。なお、炭素繊維の積層枚数は30枚であり、混
合粉を積層する時は“へら”で面をならして出来
る限り層厚が一定となるようにした。 次いで、この積層物を80Kg/cm2の加圧下で加熱
速度:2℃/minにて室温から520℃まで昇温し、
10分間保持した後冷却した。 得られた成形体は重量比で67%の炭素繊維を含
有していたが、曲げ強度は140Kg/cm2でしかなく、
ここ成形体を顕微鏡観察したところプレス面と平
行な方向に多数の亀裂が見られた。 続いて、この成形体を実施例1の場合と同様に
N2ガス中で加熱して炭化したが、得られたC/
C複合材の曲げ強度は240Kg/cm2を示すに止まつ
た。 実施例 1 石油コークスを1000℃で炭化した後ロータリー
ミルで粉砕して得られた粒径:15μ以下の炭素質
骨材粉を30部と、コールタールを真空度:5mm
Hgで440℃まで加熱して30分保持して得たところ
の粒径:125μ以下のバインダーピツチ(軟化
点:300℃、流動点:340℃)を70部用意し、これ
を200部のエタノール中に均一分散してから、こ
の分散液中にアセトンでサイジング剤を除去した
9.5cm角の炭素繊維織物(糸強度:390Kg/cm2、フ
イラメント数:1000本、平織)を浸漬し、引き上
げた後、目開き1cmの金網上で乾燥した。このよ
うに処理された炭素繊維織物は、炭素繊維100部
に対する骨材粉とバインダーピツチの総付着量が
95部となつていた。 次に、この炭素繊維織物を40枚積層してから内
寸が10cm角の金型に装入し、この金型を更に減圧
可能な容器中にセツトした。続いて、これを5mm
Hgの減圧下で400℃まで昇温して10分間保持した
後、N2ガスを導入して大気圧にまで戻した。 次いで、この金型をプレス成形機にセツトして
80Kg/cm2の加圧下で加熱速度:3℃/minにて
300℃より520℃にまで昇温し、10分間保持した後
冷却した。 得られた成形体は、重量比で59%の炭素繊維を
含有しており、曲げ強度は1300Kg/cm2で、顕微鏡
観察したところ緻密でかつ繊維フイラメント間が
強固に結合された断面を有しているのが確認され
た。 更に、この成形体を粉コークス中に入れ、N2
雰囲気下で加熱速度:12℃/hrにて1100℃まで昇
温して10分間保持後冷却したところ、密度が1.50
で、曲げ強度が2100Kg/cm2(厚さ:4mm)のC/
C複合材が得られた。 また、このC/C複合材を溶解したピツチ中に
浸漬し、230℃まで昇温後5mmHgに減圧して30分
間保持してから大気圧に戻し、更に10分間保持し
た後ピツチ中から引き上げると言うピツチ含浸処
理を施した。そして、このピツチを含浸させた
C/C複合材と同じ条件で再炭化処理したとこ
ろ、密度が1.60、曲げ強度が3200Kg/cm2のC/C
複合材が得られた。 実施例 2 石油コークスを1000℃で炭化した後ユーマイザ
ーで粉砕して得た平均粒径12μの炭素質骨材粉を
30部と、コールタールを真空度:5mmHgで430℃
まで加熱して90分保持して得たところの粒径:
125μ以下のバインダーピツチ(軟化点:300℃、
流動点:340℃)を70部用意し、これを160部のエ
タノール中に均一分散してから、この分散液中に
アセトンでサイジング剤を除去した9.5cm角の炭
素繊維織物(糸強度:390Kg/cm2、フイラメント
数:1000本、平織)を浸漬し、引き上げた後、目
開き1cmの金網上で乾燥した。このように処理さ
れた炭素繊維織物は、炭素繊維100部に対する骨
材粉とバインダーピツチの総付着量が95部となつ
ていた。 次に、この炭素繊維織物を40枚積層してから内
寸が10cm角の金型に装入し、プレス成形機を使用
し常温にて20Kg/cm2で加圧して予備成形した後、
第1表で示す条件通りに加圧・加熱成形した。な
お、加圧・加熱成形は、予備成形が終了してから
温度ts(加圧開始温度)まではダイスの自重(0.1
Kg/cm2)のみで加圧しつつ加熱速度:10℃/min
にて昇温し、tsで10分間保持した後、tsからtnax
(最高到達温度)までは第1表に示
【表】 した成形圧を加えつつ加熱速度:10℃/minにて
昇温しtnaxで30分間保持する手段によつた。 続いて、このようにして得られた成形体を粉コ
ークス中に埋設し、N2雰囲気下で加熱速度:20
℃/hrにて1000℃まで昇温して2時間保持するこ
とにより炭化した。 得られたC/C複合材の曲げ強度を第1表に併
せて示したが、この第1表からも、本発明の方法
によつて優れた強度のC/C複合材が安定して得
られることが明らかである。 実施例 3 実施例2におけると同様の材料を使用した実施
例2と同様の処理で、炭素繊維100部に対する骨
材粉とバインダーピツチの総付着量が95部のマト
リツクス付着炭素繊維織物を得、次のこの炭素繊
維織物を40枚積層してから内寸が10cm角の金型に
装入し、プレス成形機を使用し常温にて80Kg/cm2
で加圧して予備成形した後、第2表で示す条件通
りに加圧・加熱成形した。 なお、加圧・加熱成形は、予備成形が終了して
【表】 から温度ts(加圧開始温度)までは第2表に示す
ような低圧加圧を加えつつ加熱速度:10℃/min
にて昇温し、tsで直ちに250Kg/cm2の加圧力を加
えてそのままtnax(最高到達温度)まで加熱速
度:10℃/minにて昇温しtnaxで1時間保持する
手段によつた。 続いて、このようにして得られた成形体を実施
例2の場合と同様条件で炭化し、その曲げ強度を
測定して第2表に併せて示したが、第2表からも
明らかなように、本発明の方法によつて安定製造
されるC/C複合材は何れも優れた強度を有して
いることが分かる。 <効果の総括> 以上に説明した如く、この発明によれば、炭素
繊維含有率が高くしかも高密度を有し、強度その
他の諸特性に一段と優れた炭素繊維強化炭素材を
工業的規模で安定して生産することが可能とな
り、炭素繊維強化炭素材の適用分野の更なる拡大
が期待できるな、産業上極めて有用な効果がもた
らされるのである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 微粉状炭素質骨材とバインダーピツチとを分
    散させた溶液中に浸漬してこれらを付着させた炭
    素繊維の複数を積層し、次いで360〜480℃の温度
    範囲まで無加圧乃至は20Kg/cm2以下の圧力下で昇
    温する第1工程と、引き続いて第1工程での到達
    温度よりも高い最高到達温度域が430〜550℃の加
    熱下で30Kg/cm2以上の加圧を行う第2工程から成
    る加圧・加熱成形処理によつて炭化乃至黒鉛化す
    ることを特徴とする、炭素繊維強化炭素材の製造
    方法。 2 炭素繊維が織物状をなしている、特許請求の
    範囲第1項に記載の炭素繊維強化炭素材の製造方
    法。 3 微粉状炭素質骨材とバインダーピツチとを分
    散させた溶液中に浸漬してこれらを付着させた炭
    素繊維の複数を積層し、次いで〔前記バインダー
    ピツチの軟化点+50℃〕〜450℃の温度域にて100
    mmHg以下の減圧処理を施した後、加圧・加熱成
    形して炭化乃至黒鉛化することを特徴とする、炭
    素繊維強化炭素材の製造方法。 4 炭素繊維が織物状をなしている、特許請求の
    範囲第3項に記載の炭素繊維強化炭素材の製造方
    法。 5 加圧・加熱成形工程が、360〜480℃の温度範
    囲まで無加圧乃至は20Kg/cm2以下の圧力下で昇温
    する第1工程と、引き続いて第1工程での到達温
    度よりも高い最高到達温度域が430〜550℃の加熱
    下で30Kg/cm2以上の加圧を行う第2工程とで構成
    される、特許請求の範囲第3項又は第4項に記載
    の炭素繊維強化炭素材の製造方法。
JP61260151A 1985-12-16 1986-10-31 炭素繊維強化炭素材の製造方法 Granted JPS6311570A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

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