JPH05122625A - 固体撮像装置の駆動回路 - Google Patents

固体撮像装置の駆動回路

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JPH05122625A
JPH05122625A JP3306637A JP30663791A JPH05122625A JP H05122625 A JPH05122625 A JP H05122625A JP 3306637 A JP3306637 A JP 3306637A JP 30663791 A JP30663791 A JP 30663791A JP H05122625 A JPH05122625 A JP H05122625A
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中村  聡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 CCDなどの転送形固体撮像素子の電力消費
を低減し,低周波数においても転送クロックを変調可能
にする簡単な回路構成の固体撮像素子駆動回路を提供す
る。 【構成】 固体撮像装置の駆動回路は,CCD部10と
並列共振回路構成をとる。この並列共振回路は,CCD
部10内のCCDの容量値CD で示されるCCDと,並
列に接続されたインダクタンス値L1を有するインダク
タンス素子15,静電容量値C1を有するコンデンサ1
6からなる。この並列共振回路の共振周波数fT
〔(C1 +CD )/(2π)2 1 1 D ) 〕1/2
規定される。この並列共振条件を満足するL1 およびC
1 にインダクタンス素子15およびコンデンサ16を設
定すると,CCD部10における電力消費が大幅に減少
する。コンデンサ16の存在により,低周波数における
周波数特性が向上し,低周波数における安定な転送クロ
ックの変調が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はチャージカップルデバイ
ス(CCD)などの転送形固体撮像素子を有する固体撮
像デバイスを駆動する駆動回路に関するものであり,特
に,転送周波数における固体撮像デバイスにおける消費
電力を低減し,低周波特性を改善して低周波においても
転送クロックの変調を確実化した駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,容量負荷をもつチャージカップル
デバイスなどの固体撮像素子を駆動するため,単に出力
インピーダンスの小さいドライバを用いた固体撮像素子
駆動回路が用いられてきたが,実際のドライバの出力イ
ンピーダンスは0Ωではないので,実際には下記式で規
定される電力消費Pが生ずる。
【数1】 ただし,Cは固体撮像素子の静電容量を示し,Vは印加
される駆動クロックの振幅電圧を示し,fは駆動周波数
を示す。特に,最近における固体撮像素子の高画素化に
伴い,駆動周波数も高くなり,消費電力が多くなり,こ
の消費電力の増加が問題になっている。
【0003】上述した電力消費を低減する方法として,
スイッチング共振方式が提案されている(たとえば,
「ハイビジョン用固体撮像素子の高速駆動方法」,井出
他,昭和63年電子情報通信学会春季全国大会,D−1
36参照)。図5に水平転送CCD10の等価回路と,
このCCDを駆動するスイッチング共振駆動回路を示
す。CCD部10のCCDは,ゲート抵抗RG1,RG2
基板抵抗RS1,RS2,電極容量CC1 ,CC2 および,
結合容量CC が図示のごとく接続された等価回路と考え
ることができる。このCCD部10を駆動するスイッチ
ング共振駆動回路は,ドライバ回路22,コンデンサ2
3,第1の抵抗器24,第2の抵抗器25,トランジス
タ26および可変インダクタンス27が図示のごとく接
続されている。可変インダクタンス27の値は駆動周波
数において上記CCD部10の電極容量と共振回路を構
成する値に設定される。CCD部10のノードNbの右
側にも,図示のノードNaの左側の第1のスイッチング
共振駆動回路と同様の回路構成であるがその動作が反対
である第2のスイッチング共振駆動回路が接続される
が,図解を省略している。
【0004】このスイッチング共振駆動回路の可変イン
ダクタンス27のインダクタンス値を上記CCD部10
の電極容量と駆動周波数に共振するように設定してい
る。第1のトランジスタ26とノードNb側の対称位置
にある第2のトランジスタ(図示せず)とは数10KH
Z 程度の高い駆動周波数でオン・オフされる。第1のト
ランジスタ26がオンで第2のトランジスタがオフのと
き,第1のインダクタンス27に電流が流れ第1のイン
ダクタンス27に電磁エネルギーとして蓄積される。次
に第1のトランジスタ26がオフ,第2のトランジスタ
がオンになると,第1のインダクタンス27の電流は静
電容量C1 およびCC に共振電流として流れ,ノードN
aは高い電圧,たとえば,10V程度に上昇する。再び
第1のトランジスタ26がオンとなり,第2のトランジ
スタがオフになると,静電容量C1 およびCC に蓄積さ
れていたエネルギーは大地側に放電されるとともに可変
インダクタンス27に再度電流が流れ,電磁エネルギー
が蓄積される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したスイッチング
共振形駆動回路は,電力消費を低減させるという利点が
あるが,このままでは実用化が困難であると考えられ
る。たとえば,水平転送に関して,最近は転送周波数を
低減するため,しばしば転送レジスタを複数系列,たと
えば,2系列設けることがあるが,2系列のレジスタ相
互間の転送のために転送クロックをTV信号のブランキ
ング期間の間,変調する必要がある。図6(A)にスイ
ッチング共振駆動回路に印加される入力信号の波形を示
し,図6(B)にその駆動波形を示す。すなわち,変調
動作としては,たとえば,時間t1において,垂直レジ
スタから水平レジスタに転送し,時間t2〜t3におい
て第1の水平レジスタから第2の水平レジスタに転送す
る動作を行う。しかしながら,図6(B)に示したよう
に,時間t2〜t3における低周波成分がカットオフさ
れてしまうので,低周波領域における希望する変調を行
うことができない。この問題を解決するには,複雑な回
路を必要とする。また上述したスイッチング共振駆動回
路は共振周波数から外れると動作しなくなる。本発明で
対象としている固体撮像素子は数10KHZ もの高い周
波数で動作させることを想定しているが,上述したスイ
ッチング共振駆動方式では正確に共振周波数を維持する
ことが難しく,上述したスイッチング共振回路の動作の
安定性に問題が残る。このように上述したスイッチング
共振方式の固体撮像装置の駆動回路は実用性に問題を有
している。
【0006】以上,容量負荷を持つ固体撮像素子として
CCDを用いた場合について述べたが,他の固体撮像素
子についても上記同様の問題に遭遇する。したがって,
本発明は,簡単な回路構成で,上述した固体撮像素子に
おける電力消費を低減し,かつ,低周波領域においても
安定な変調動作を可能とする固体撮像装置の駆動回路を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した問題を
解決する本発明の固体撮像装置の駆動回路は,転送形固
体撮像素子を有する固体撮像装置内の固体撮像素子と並
列共振回路を構成し静電容量成分を含む並列共振形駆動
回路を有する。この駆動回路は,固体撮像素子の駆動信
号の周波数が該共振回路の共振周波数に等しい周波数の
駆動信号で上記固体撮像素子を駆動する。好適には,上
記並列共振回路は,上記固体撮像素子と並列に接続され
た,その静電容量値がC1 のコンデンサとそのインダク
タンス値がL1 のインダクタンスの直列回路からなり,
上記並列共振回路の共振周波数fT が下記式
【数2】 ただし,CD は固体撮像素子の静電容量の値を示す。で
規定されるように,上記コンデンサの値C1 とインダク
タンスの値L1 とが設定される。
【0008】
【作用】上記並列共振回路によれば,共振周波数におい
て固体撮像素子における電力消費量が最小になる。固体
撮像素子の駆動周波数を共振周波数として,上記並列共
振条件を満足するようにコンデンサおよびインダクタン
スの値を設定すれば,電力消費は非常に小さくなる。ま
たこの共振周波数においては駆動電圧特性が平坦さを維
持しており,上述したスイッチング共振駆動方式におけ
るように,低周波数におけるカットオフが発生すること
がない。
【0009】
【実施例】図1に本発明の固体撮像装置の駆動回路の第
1実施例として,容量負荷を持つ固体撮像素子としてチ
ャージカップルデバイス(CCD)10を用いた場合の
駆動回路の回路図を示す。この駆動回路はドライバ回路
12,抵抗器13,インダクタンス素子15およびコン
デンサ16が図示のごとく接続されている。
【0010】ここで,インダクタンス素子15およびコ
ンデンサ16がCCD部10内のCCDと並列共振回路
を構成するようにそれらのインダクタンス値L1 および
静電容量値C1 が設定されている。入力信号端子11に
は入力駆動信号Vが印加され,ノードN1に接続されて
いる端子15には実際にCCD部10に印加される駆動
電圧V1が発生する。
【0011】以下,図1に示した回路の解析を行う。簡
単化のため,CCD部10内のCCDを負荷は単純な静
電容量値CD とし,図5に図解したパターン抵抗などは
無視して考える。抵抗器13の抵抗値をR,インダクタ
ンス素子15のインダクタンス値をL1 ,コンデンサ1
6の静電容量値をC1 としたとき,この駆動回路に流れ
る電流Iは下記式3で表される。
【数3】
【0012】CCD部10で消費される電力Pは下記式
4で表される。
【数4】
【0013】以上から,端子15における実際の駆動電
圧V1は下記式5で表される。
【数5】 電圧V1の絶対値は下記式6で表される。
【数6】 ここで,共振周波数fT は下記式で表される。
【数7】
【0014】図2(A)および(B)に上記式3および
式7の内容をグラフで示す。図6(A)は,周波数fを
変数として消費電力の特性を示したグラフであり,図6
(B)は周波数fを変数として,ノードN1おける実際
の駆動電圧V1の絶対値を示すグラフである。図2
(A)から明らかなように,駆動周波数fが共振周波数
T に等しいとき消費電力Pが最小の零(0)になるこ
とが判る。本実施例においても,CCD部10をハイビ
ジョン用TVモニタなどに使用するときは,駆動周波数
は封10KHZ 程度になる。以上から,式7に共振周波
数fT を代入し,式7の条件を満足するインダクタンス
素子15のインダクタンス値L1 およびコンデンサ16
の静電容量値C1 を選択すれば,相当高い駆動周波数に
おいても,CCD部10の消費電力を大幅に減少させる
ことができる。また上記式7を満足する条件において
は,式6から発生駆動電圧V1の絶対値と入力駆動電圧
Vとが等しくなることが判る。その結果,転送クロック
の振幅は減衰されることなくCCD部10に印加され
る。
【0015】図2において,共振周波数fT の近傍にク
リティカル周波数fC が存在する。このクリティカル周
波数fC は下記式で規定される。
【数8】 並列共振形駆動回路の安定性の観点からは,共振周波数
T はクリティカル周波数fC から離れているほうが好
ましいから,式7の条件を満足させるとしても,コンデ
ンサ16の静電容量値C1 を大きくとることが好まし
い。
【0016】図3(A)に入力信号端子11に印加され
る転送クロックの電圧波形図,図3(B)にノードN1
における実際の転送クロックの電圧波形図を示す。図6
(B)に示したように,低周波数においても周波数特性
が平坦であるから,図3(B)に示す時間t2〜t3の
間の信号が,図6(B)に示したようにカットオフされ
て消失することもない。その結果として,複数系列,た
とえば,2系列のフレーム・インターライン・転送(F
IT)を行う転送クロックの低周波数における変調が安
定に行われる。またこのように,周波数全域でき特性劣
化が生じないから,転送クロックの他に他の周波数帯域
を有する信号を印加することができ,種々の変調動作を
行うことができる。なお,低レベルの電位LLはほぼ0
Vであり,高いレベルHLの電位はほぼ5Vであり,入
力電圧とほぼ同じ電圧が維持されている。
【0017】上述した本発明の固体撮像装置の駆動回路
におけるパルス通過幅の拡大は,特に,コンデンサ16
の存在に起因することが大きく,コンデンサ16を用い
ているため低周波数領域における周波数特性が向上して
いる。以上のように,従来において問題となり,実用化
を妨げている低周波数における転送クロックの変調が可
能となっている。また図1に示した並列共振回路は基本
的に抵抗器13に電流を流さない回路構成,すなわち,
電圧駆動回路であるから,抵抗器13における電力消費
の問題が発生しない。
【0018】図1に示した並列共振回路は非常に簡単な
回路構成である。したがって,固体撮像装置に組み込む
ことも容易である。以上の実施例は,水平ブランキング
期間の転送について例示したが,垂直ブランキング期間
についても適用できる。
【0019】本発明の固体撮像装置の駆動回路の第2実
施例としての回路構成を図4に示す。この回路構成は,
ノードN1と大地との間にCCD部10と並列共振関係
あるインダクタンス素子15とコンデンサ16が接続さ
れていた回路構成に代えて,電源電圧VCCとノードN1
との間に上記同様,インダクタンス素子15とコンデン
サ16からなる並列共振回路を接続したものである。そ
の動作原理は上述した第1実施例と同様である。
【0020】以上の説明において,転送形固体撮像素子
としてチャージカップルデバイスを例示したが,本発明
は転送クロックを用い,その負荷が静電容量成分で示さ
れる他の固体撮像素子についても上記同様に適用でき
る。
【0021】
【発明の効果】以上述べたように,本発明の並列共振回
路は非常に簡単な回路構成であり,従来の固体撮像装置
に容易に組み込むことができる。また本発明の固体撮像
装置の駆動回路によれば,駆動周波数において固体撮像
素子における電力消費を大幅に減少させることができ
る。さらに本発明の固体撮像装置の駆動回路において
は,低周波数における周波数特性の低下がなく低周波数
においても転送クロックの変調が安定に行うことができ
る。また低周波領域において駆動周波数帯域以外の信号
を特性劣化を生じさせることなく印加できるので,種々
の変調が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体撮像装置の駆動回路の第1実施例
の回路構成図である。
【図2】図1に示した固体撮像装置の駆動回路において
得られる電力消費特性と電圧特性を示すグラフである。
【図3】図1に示した回路において印加される入力ドラ
イブ信号の波形とこのドイブ信号の印加にもとづいて発
生されるCCD駆動電圧の波形を示す図である。
【図4】本発明の固体撮像装置の駆動回路の第2実施例
の回路構成図である。
【図5】従来の固体撮像装置の駆動回路の回路構成図で
ある。
【図6】図5に示した固体撮像装置の駆動回路における
駆動信号波形図である。
【符号の説明】
11・・入力信号端子,12・・反転ドライバ回路,1
3・・抵抗器,14・・駆動電圧端子,15・・インダ
クタンス素子16・・コンデンサ,10・・CCD部。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転送形固体撮像素子を有する固体撮像装
    置内の固体撮像素子と並列共振回路を構成し静電容量成
    分を含む並列共振形駆動回路を有し,該固体撮像素子の
    駆動信号の周波数が該共振回路の共振周波数に等しい周
    波数の駆動信号で上記固体撮像素子を駆動する固体撮像
    装置の駆動回路。
  2. 【請求項2】 上記並列共振回路は,上記固体撮像素子
    と並列に接続された,その静電容量値がC1 のコンデン
    サとそのインダクタンス値がL1のインダクタンスの直
    列回路からなり,上記並列共振回路の共振周波数fT
    下記式, fT =〔(C1 +CD )/((2π)2 1 D )〕1/2 ただし,CD は固体撮像素子の静電容量の値を示す, で規定されるように,上記コンデンサの値とインダクタ
    ンスの値とが設定された請求項1記載の固体撮像装置の
    駆動回路。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4867803A (en) * 1985-03-25 1989-09-19 Kabushiki Kaisha Toshiba Lapping tools and method of manufacturing the same
US7598780B2 (en) 2005-02-04 2009-10-06 Fujitsu Limited Clock buffer
US7623003B2 (en) 2005-03-30 2009-11-24 Sony Corporation Drive method for driving element having capacity impedance, drive device, and imaging device

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