JPH051193B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、少なくとも２つの多位置弁を有し、
該多位置弁は、車輪ブレーキへの制動圧力導管に
挿入接続されており、ロツク傾向が存在する際、
車輪のスリツプを制御するため電子回路によつて
制御され、さらに迅速な圧力形成に対する位置、
絞り状態での圧力形成に対する位置および圧力解
消に対する位置を少なくとも１つ有するものであ
り、前記電子回路には、車輪から導出されたセン
サ信号が供給されるものであり、前記少なくとも
２つの多位置弁に対して１つの共通の操作装置が
設けられているロツク防止装置に関する。

従来の技術 高性能のロツク防止装置では専ら、クロツク制
御される電磁弁が使用される。このような電磁弁
は通常、制動回路に直接組み込まれる。この電磁
弁は圧力上昇速度を制限するために絞りを有して
いる。圧力上昇速度は、圧力差が大きい際の電磁
弁の切換時間の特性に従い設定されている。パル
ス制御される圧力形成は、１パルスの圧力振幅が
所定の圧力を上回らないように選定される。その
ようにしないと、先行する圧力保持フエーズで車
輪がμスリツプ曲線の最大値付近に存在する場
合、余分の圧力が過度に大きくなるからである。
圧力振幅が過度に大きいと、制御偏差も過度に大
きくなる。すなわち、引続く制御サイクルでスリ
ツプが生じる。弁の調整は、液圧系の場合殊に、
ブレーキの圧力形成時間に悪影響を与える。これ
は制動距離に悪影響を及ぼし、たとえば低速（20
Km／ｈ）においても100msの時間遅延はほぼ20％
の制動距離延長につながる。これらの欠点を克服
するために、早期に電磁的制御または液圧制御さ
れる分流弁を設けることが提案されている。しか
しこの構成は非常に高価である。

発明が解決しようとする課題 本発明の課題は、２つの異なる作動時間の圧力
形成位置および圧力解消位置を有する、少なくと
も２つの多位置弁に対して、安価な構成で少なく
とも前記３つの作動位置を切り換えることのでき
るロツク防止装置を提供することである。

課題を解決するための手段 上記課題は本発明により、１つの共通の操作装
置が、少なくとも２つの多位置弁を迅速な圧力形
成に対する位置と絞り状態での圧力形成に対する
位置との間でのみ切り換え、各多位置弁は、その
他の作動位置へ切り換えるためにそれぞれさらに
１つの電磁石を有するように構成して解決され
る。

本発明によれば、中央の１つの制御部（電磁
石）が提案され、これが多位置弁を電子回路から
の相応の制御パルスに従い絞り位置にもたらす。
そのために、例えば液圧系に必要な別の制御弁の
電磁石を使用するとコストは非常に僅かである。
この手段により、液圧系で特に必要とされる非常
に高速な圧力上昇が可能である。車輪の１つに制
御信号が存在する際に、圧力勾配を切り換えるこ
とは、勾配切換機能のない系よりも非常に小さく
圧力勾配を選定し得ることを意味する。弁がクロ
ツク制御される際に圧力勾配が比較的小さいとい
うことは、圧力形成の終了後に引き続く圧力振幅
のオーバーシユートが非常に小さいという利点を
有し、このことにより特にノイズレベルが格段に
低減される。しかし勾配切換はロツク防止装置信
号（ABS信号）に依存しないで操作速度に対し
設定することもできる。また所定の圧力レベルに
依存して設定することもできる。力結合係数が小
さい場合は圧力上昇速度の高いことは不利であ
る。というのは弁切換時間が有限であるため、１
制御サイクル毎の余分の圧力、すなわち制御偏差
が大きいからである。このような状態を改善する
ためには、例えば10barの圧力レベルを上回つた
後で初めて圧力勾配を短時間切り換えるのであ
る。

実施例の説明 次に本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明
する。

第１図に、制動圧力増幅器１、圧力供給装置
２、及び電磁弁３−５より構成された装置を示
す。電磁弁３−５は、電子回路６によつて制御さ
れる。電磁弁３−５は、４位置弁として構成され
ている。その際、第１の位置では、非絞り状態で
圧力形成を行うことができ、第２の位置では、絞
り状態で圧力形成を行うことができる。双方の位
置において戻り（リターン）が阻止される。第３
の位置は、曲型的な圧力一定保持に相応する。第
４の位置で圧力解消が可能となる。

これらの多位置弁は３−５において、所属の電
磁石３ａ−５ａは、それぞれ第２、第３、第４の
作動位置に対して働くように設計されている。こ
れらの多位置弁は、１つの共通の操作装置７（磁
石）を介して、第１の作動位置へ切換えられる。
１つの中央の磁石の代りに、２位置弁８の磁石を
用いることができる。この２位置弁８は、圧力供
給のために用いられる。この電磁弁は、制動圧力
増幅器のスイツチ装置１０により、又はさらにロ
ツク防止装置信号を介しても制御される。電子回
路６は、別の入力信号を供給する温度センササ９
を有している。

第２図は、種々の系における圧力の時間的経過
を示す。曲線Ａは、冒頭で述べた様な、勾配切換
を行わない弁設計に相応する曲線を表わす。曲線
Ｂは、第１図に図示の弁装置の圧力に相応する曲
線である。中央磁石の制御後、勾配切換が行われ
る。曲線Ｃは、摩擦結合係数が低い場合における
所望の改善状態を表す曲線である。所定の圧力値
P₁を越えた後とか又は、第１図に示した電子装
置の変位量発信器より入力される相応のペダル位
置を越えた後、圧力勾配は所定の期間t₁の間又
は、第２のペダル限界又は圧力限界への到達まで
切換えられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による装置の実施例を示す
図、第２図は、種々の装置における圧力の時間的
経過を示す略線図である。 １……制動圧力増幅器、２……圧力供給装置、
３，４，５……電磁弁、３ａ，４ａ，５ａ……電
磁石、６……電子回路、７……共通の操作装置、
８……圧力供給弁、９……温度センサ、１０……
スイツチ装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも２つの多位置弁を有し、 該多位置弁は、車輪ブレーキへの制動圧力導管
   に挿入接続されており、ロツク傾向が存在する
   際、車輪のスリツプを制御するため電子回路によ
   つて制御され、さらに迅速な圧力形成に対する位
   置、絞り状態での圧力形成に対する位置および圧
   力解消に対する位置を少なくとも１つ有するもの
   であり、 前記電子回路には、車輪から導出されたセンサ
   信号が供給されるものであり、 前記少なくとも２つの多位置弁に対して１つの
   共通の操作装置が設けられているロツク防止装置
   において、 前記１つの共通の操作装置７は、前記少なくと
   も２つの多位置弁３〜５を迅速な圧力形成に対す
   る位置と絞り状態での圧力形成に対する位置との
   間でのみ切り換え、 各多位置弁３〜５は、その他の作動位置へ切り
   換えるためにそれぞれさらに１つの電磁石３ａ〜
   ５ａを有することを特徴とするロツク防止装置。 ２ 共通の切換のために、圧力供給弁８の磁石を
   用いる、特許請求の範囲第１項記載のロツク防止
   装置。 ３ 有利にはすべり弁を用いる、特許請求の範囲
   第１項又は第２項に記載のロツク防止装置。 ４ 前記共通の操作装置７を、ロツク防止装置信
   号を介して切換える、特許請求の範囲第１項乃至
   第３項のいずれかに記載のロツク防止装置。 ５ 前記共通の操作装置７を、２つの圧力閾値
   （曲線Ｃ）の間で時間的に切換え制御する、特許
   請求の範囲第１項乃至第４項のいずれかに記載の
   ロツク防止装置。 ６ あらかじめ定められたペダルの位置により、
   及び期間ｔ１（曲線Ｃ）に亘つて、時間的に切換
   えを行う、特許請求の範囲第１項乃至第４項のい
   ずれかに記載のロツク防止装置。 ７ ペダルの作動速度に依存して、切換えを行
   う、特許請求の範囲第１項乃至第６項のいずれか
   に記載のロツク防止装置。