JPH051181U - コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンタクト支持体の外周面に電磁シールド板
を被装したコネクタの構成を簡素化し、部品点数及び組
立工数の削減を図る。 【構成】 コネクタの前部コネクタシェル３とコンタク
ト支持体５を一体成形する。コンタクト支持体５の上下
両面に沿って背面部へ貫通するスリット１３，１４を設
ける。上下のスリット１３，１４へ夫々シールド板８，
９を挿入し、コンタクト支持体５の上下両面に露出させ
る。前部コネクタシェル３に後部コネクタシェル４を嵌
合させて、２つのモールド部材３，４からなる電磁シー
ルドコネクタソケット１が形成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、電気回路結合用のコネクタに関するものであり、特にコネクタシ ェル及びコンタクト支持体の構成に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、コンタクト及びコネクタシェル内のケーブルを電磁シールドしたコネク タは、コンタクトを配列した樹脂製のコンタクト支持体と、このコンタクト支持 体に外装した金属若しくは樹脂製のコネクタシェルとから形成されている。前記 コネクタシェルは二分割され、内面の所定位置にコンタクト支持体を係止し、二 つのコネクタシェルを嵌合してコンタクト支持体を固定する。

【０００３】 前記コンタクト支持体の外周面にはシールド板が冠装され、接続すべきコネク タの挿入口に配設したアース板に導通して接続部位を電磁シールドし、更に、接 続の際の静電放電による悪影響の防止を図っている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来の電磁シールドされたコネクタは、一対のコネクタシェルとコンタクト支 持体の３部材から構成されている。依って、組立工程が煩雑であり、部品点数も 多いことから製造コストの低減が困難である。又、コンタクト支持体とコネクタ シェルとにガタを生じやすく、機械的強度にも改善の余地がある。

【０００５】 そこで、部品点数を可及的に削減し、且つ精度並びに強度を向上して低コスト で高品質の電磁シールドコネクタを提供するために解決すべき技術的課題が生じ てくるのであり、本考案は該課題を解決することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記目的を達成するために提案されたものであり、二分割して形 成されたコネクタシェルと、該コネクタシェルに挟持され、対応するコネクタへ 嵌合されるコンタクト支持体とからなり、前記コンタクト支持体の外周面にシー ルド板を冠装したコネクタに於て、前記コンタクト支持体と一方のコネクタシェ ルとを絶縁材料にて一体成形し、前記コンタクト支持体とコネクタシェルとの合 接部位にスリットを開穿し、該スリットにシールド板を挿通して前記コンタクト 支持体の外周面を被装したことを特徴とするコネクタを提案するものである。

【０００７】

【作用】

一対のコネクタシェルの一方と、コンタクト支持体とは一体成形されている。 このコネクタシェルを前後に貫通するスリットへシールド板を挿通し、コンタク ト支持体を被装するとともに、コネクタシェル内へ延設しケーブル端子等をシー ルドする。他方のコネクタシェルを前記コネクタシェルに嵌合し、モールド部品 を２部品で構成した電磁シールドコネクタが形成される。

【０００８】

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図面に従って詳述する。図１は１３ピンの電磁シ ールドコネクタソケット１（以下、単にソケットという。）を示し、２はケーブ ルである。ソケット１は前部コネクタシェル３と後部コネクタシェル４とを嵌合 して組立てられ、前部コネクタシェル３は前面にコンタクト支持体５を一体成形 している。ソケット１の左右両側面にはロックレバー６，６を枢着し、ばね（図 示せず）を介装して夫々外側方向へ付勢している。図示は省略するが、当該ソケ ット１に組合わされるコネクタプラグへ前記コンタクト支持体５を挿入すれば、 ロックレバーの爪７，７がコネクタプラグに設けた係合孔へ嵌合してソケット１ とコネクタプラグとがロックされる。ロックレバー６，６を左右から押圧して押 込めば、爪７，７と前記係合孔との係合が解除され、ソケット１をコネクタプラ グから取外すことができる。又、コンタクト支持体５の上下両面にはシールド板 ８，９を被装し、コネクタシェル３，４の内部へ延設してコンタクトとケーブル ２との接続部位をシールドしている。

【０００９】 図２及び図３は前部コネクタシェル３を示し、図２は縦断側面図、図３は背面 図である。前述したように、前部コネクタシェル３にはコンタクト支持体５が合 成樹脂にて一体成形され、コンタクト支持体５の上下両面には図１に示したシー ルド板８，９を位置決めする左右及び前端の段部１０，１０，１１，１１，１２ ，１２が立設されている。又、コンタクト支持体５の上下両面から前部コネクタ シェル３の背面部へ貫通するスリット１３，１４を開穿し、該スリット１３，１ ４へシールド板８，９を挿入する。

【００１０】 図３に示すようにスリット１３，１４の幅は、左右の段部１０，１１の間隔よ り広くして前記段部１０，１１に溝部１５，１６を形成し、シールド板８，９の 左右両側縁部を挟持するように形成している。尚、前部コネクタシェル３は爪１ ７，１７と係合孔１８，１８とによって後部コネクタシェル４へ嵌合する。 図４乃至図６は、図３に示す下側のスリット１４へ挿入する金属製のシールド 板９を示し、図４の正面図に示すように前部コネクタシェル３の前面内側の形状 に合わせて成形し、図５の側面図及び図６の平面図に示すように上部を前方へ折 曲げてこの折曲部２１を前記スリット１４へ挿入する。該折曲部２１の左右両側 後部にはストッパ２２，２３を折曲形成し、後述する組立後に前後のコネクタシ ェル３，４内での前後移動を規制する。

【００１１】 図７及び図８は、図３に示す上側のスリット１３へ挿入するシールド板８であ り、後部コネクタシェル４の内面形状に合わせて形成し、下部３１の両側端は折 曲して側壁３２，３２…を形成している。上部３３は、図６に示したシールド板 ９の折曲部２１と略同一形状としてあり、上下の中間部位に設けた打抜き孔３４ の位置で容易に折曲げることができる。図７及び図８に示す３５，３６はストッ パであり、３７，３７，３７は補強用のリブ、３８はケーブルクリンプである。

【００１２】 図９は組立後のソケット１をコネクタプラグ４１へ接続した状態を示している 。ソケット１のコンタクト支持体５の孔４２，４２…へ後方からソケットコンタ クト４３，４３…が圧入され、このソケットコンタクト４３，４３…に夫々ケー ブル２の芯線４４，４４…が圧着されている。前部コネクタシェル３のスリット １３，１４には、夫々前述したシールド板８，９を背面側から挿入し、上側のシ ールド板８のケーブルクリンプ３８にてケーブル２を挟圧固定した後に、図７に 示した打抜き孔３４の位置で下方へ折曲げる。そして、後部コネクタシェル４を 前部コネクタシェル３へ圧接し、両者を嵌合させて完成する。このソケット１の コンタクト支持体５をコネクタプラグ４１の挿入口４５へ挿入すれば、先ず前記 挿入口４５内に配設したアース端子４６が、下側のシールド板９の折曲部２１に 圧接してソケット１の静電気は放電される。更にソケット１を挿入するとソケッ トコンタクト４３，４３…がコンタクトピン４７，４７…に嵌合し、図１に示し たロックレバー６，６の爪７，７がコネクタプラグ４１に係合して接続を完了す る。

【００１３】 尚、この考案は、この考案の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことがで き、この考案がそれらの改変されたものに及ぶことは当然である。

【００１４】

【考案の効果】

この考案は、上記一実施例に於て詳述したように、コンタクト支持体とコネク タシェルとを一体的に形成しているので、部品点数が減少し、組立工数も削減さ れてコストを低減できる。又、コンタクト支持体の機械的強度が向上するととも に、コネクタシェルに対してコンタクト支持体が固定されているため、ガタを生 じることがなく、仕上がり精度も向上する等諸種の実用的価値ある考案である。

【図面の簡単な説明】

【図１】電磁シールドコネクタソケットの斜視図。

【図２】前部コネクタシェルの縦断右側面図。

【図３】前部コネクタシェルの背面図。

【図４】下側シールド板の正面図。

【図５】下側シールド板の右側面図。

【図６】下側シールド板の底面図。

【図７】上側シールド板の正面図。

【図８】上側シールド板の右側面図。

【図９】電磁シールドコネクタソケットとコネクタプラ
グの縦断右側面図。

【符号の説明】

１ 電磁シールドコネクタソケット ３ 前部コネクタシェル ４ 後部コネクタシェル ５ コンタクト支持体 ８，９ シールド板 １３，１４ スリット

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 二分割して形成されたコネクタシェル
   と、該コネクタシェルに挟持され、対応するコネクタへ
   嵌合されるコンタクト支持体とからなり、前記コンタク
   ト支持体の外周面にシールド板を冠装したコネクタに於
   て、前記コンタクト支持体と一方のコネクタシェルとを
   絶縁材料にて一体成形し、前記コンタクト支持体とコネ
   クタシェルとの合接部位にスリットを開穿し、該スリッ
   トにシールド板を挿通して前記コンタクト支持体の外周
   面を被装したことを特徴とするコネクタ。