JPH05117798A - 耐食性に優れたMg合金 - Google Patents
耐食性に優れたMg合金Info
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- JPH05117798A JPH05117798A JP30117991A JP30117991A JPH05117798A JP H05117798 A JPH05117798 A JP H05117798A JP 30117991 A JP30117991 A JP 30117991A JP 30117991 A JP30117991 A JP 30117991A JP H05117798 A JPH05117798 A JP H05117798A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐食性に優れた、特に耐食皮膜に傷が付いて
も耐食性に優れたMg合金部品及びその原料となるMg
合金を提供する。 【構成】 重量割合でAl:5〜12%並びにY:1.
0〜8.0%及びCeを主成分とするミッシュメタル:
1.0〜6.0%の内少なくとも1種並びに残部が実質
的にMgからなる耐食性Mg合金;並びにこの合金から
なる部品材料を300〜400℃で1〜3時間熱処理し
てなる耐食性Mg合金部品。
も耐食性に優れたMg合金部品及びその原料となるMg
合金を提供する。 【構成】 重量割合でAl:5〜12%並びにY:1.
0〜8.0%及びCeを主成分とするミッシュメタル:
1.0〜6.0%の内少なくとも1種並びに残部が実質
的にMgからなる耐食性Mg合金;並びにこの合金から
なる部品材料を300〜400℃で1〜3時間熱処理し
てなる耐食性Mg合金部品。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐食性Mg合金に関す
る。
る。
【0002】
【従来の技術】従来Mg合金部品の耐食性を向上する方
法として、Mg部品表面にAl合金耐食性皮膜をコー
ティングする方法(特開昭63−285255号)、
Mg−Al合金のAlを増量(10〜12重量%Al)
することにより、表層にAl塩、Al2 O3 等を形成せ
しめ、これにより耐食性を向上する方法(特開平1−2
34545号)等が知られている。
法として、Mg部品表面にAl合金耐食性皮膜をコー
ティングする方法(特開昭63−285255号)、
Mg−Al合金のAlを増量(10〜12重量%Al)
することにより、表層にAl塩、Al2 O3 等を形成せ
しめ、これにより耐食性を向上する方法(特開平1−2
34545号)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記方法に
は、それぞれ次のような問題点があり、十分な耐食性は
得られない。 :形状の複雑な所(特に細管の内面)のコーティング
が困難であり、又密着性にも問題がある。 :AlとMgとを比較した場合、Mgの方が酸化され
易く、表面にAl2O3 のみを形成させることは困難で
ある。又、Mg−Al2元合金の場合、酸化膜内のAl
/Mgの比率は母材と同等であり、Alが酸化膜中に濃
化しないため形成される酸化膜の耐食性はAl2 O3 膜
に較べ著しく劣る。更に、共に一旦表層の耐食膜に
傷が付いた場合は、母材面が露出しやすく、その後の腐
食の進行は著しい。
は、それぞれ次のような問題点があり、十分な耐食性は
得られない。 :形状の複雑な所(特に細管の内面)のコーティング
が困難であり、又密着性にも問題がある。 :AlとMgとを比較した場合、Mgの方が酸化され
易く、表面にAl2O3 のみを形成させることは困難で
ある。又、Mg−Al2元合金の場合、酸化膜内のAl
/Mgの比率は母材と同等であり、Alが酸化膜中に濃
化しないため形成される酸化膜の耐食性はAl2 O3 膜
に較べ著しく劣る。更に、共に一旦表層の耐食膜に
傷が付いた場合は、母材面が露出しやすく、その後の腐
食の進行は著しい。
【0004】本発明の目的は、前記従来技術の欠点のな
い、即ち、耐食性に優れ;耐食皮膜に傷が付いても母材
面が露出しにくくその後の腐食の進行が遅く;形状の複
雑な所にも耐食性皮膜の形成が容易で皮膜のはがれの問
題を生じない表面層を形成しうるMg合金及びそれから
作った耐食性部品を提供することである。
い、即ち、耐食性に優れ;耐食皮膜に傷が付いても母材
面が露出しにくくその後の腐食の進行が遅く;形状の複
雑な所にも耐食性皮膜の形成が容易で皮膜のはがれの問
題を生じない表面層を形成しうるMg合金及びそれから
作った耐食性部品を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様は重
量割合でAl:5〜12%並びにY:1.0〜8.0%
及びCe:1.0〜6.0%の内の少なくとも1種並び
に残部が実質的にMgからなる耐食性合金である。第2
の態様は、第1の態様の合金からなる部品材料を酸素ガ
ス含有雰囲気下に熱処理してなり、表層部に本質的にM
g,Al並びにY及び/又はCeの酸化物の層を、その
層の直下にAl濃層を有する耐食性Mg合金部品であ
る。
量割合でAl:5〜12%並びにY:1.0〜8.0%
及びCe:1.0〜6.0%の内の少なくとも1種並び
に残部が実質的にMgからなる耐食性合金である。第2
の態様は、第1の態様の合金からなる部品材料を酸素ガ
ス含有雰囲気下に熱処理してなり、表層部に本質的にM
g,Al並びにY及び/又はCeの酸化物の層を、その
層の直下にAl濃層を有する耐食性Mg合金部品であ
る。
【0006】本発明における前記熱処理により、表層に
Y及び/又はCeが濃化した酸化物層とその下部のAl
濃層とを有する金属組織が形成される。これにより本発
明部品は従来のMg合金部品に比べ非常に優れた耐食性
を有することになる。
Y及び/又はCeが濃化した酸化物層とその下部のAl
濃層とを有する金属組織が形成される。これにより本発
明部品は従来のMg合金部品に比べ非常に優れた耐食性
を有することになる。
【0007】次に本発明の耐食性Mg合金の成分範囲及
び熱処理条件を限定した理由を述べる。Al:5〜12
重量%。Alを添加することにより、常温強度が向上す
ると共に鋳造性も向上する。この効果を得るには5重量
%以上の添加が必要である。又、前記Mg−Y(Ce)
−Al酸化物の下部にAl濃層を形成させるには、Al
の含有量はなるべく多い方がよいが、Mg中へのAl固
溶限界より上限は12%とするのがよい。
び熱処理条件を限定した理由を述べる。Al:5〜12
重量%。Alを添加することにより、常温強度が向上す
ると共に鋳造性も向上する。この効果を得るには5重量
%以上の添加が必要である。又、前記Mg−Y(Ce)
−Al酸化物の下部にAl濃層を形成させるには、Al
の含有量はなるべく多い方がよいが、Mg中へのAl固
溶限界より上限は12%とするのがよい。
【0008】Y:1.0〜8.0重量%;Ce:1.0
〜6.0重量%。前記Mg−Y/Ce−Al酸化物中に
Y及び/又はCeが濃化して腐食に対して有効な酸化膜
を形成させるには、Yの濃度が少なくとも1.0重量%
及び/又はCeの濃度が少なくとも1.0重量%である
ことが不可決である。一方Y,Ceは多量に添加すると
鋳造性が低下してコストも高くなるので各々上限はY:
8.0重量%、Ce6.0重量%とするのがよい。
〜6.0重量%。前記Mg−Y/Ce−Al酸化物中に
Y及び/又はCeが濃化して腐食に対して有効な酸化膜
を形成させるには、Yの濃度が少なくとも1.0重量%
及び/又はCeの濃度が少なくとも1.0重量%である
ことが不可決である。一方Y,Ceは多量に添加すると
鋳造性が低下してコストも高くなるので各々上限はY:
8.0重量%、Ce6.0重量%とするのがよい。
【0009】熱処理条件:酸素ガス含有雰囲気下に30
0〜400℃で1〜3時間が好ましい。この温度及び時
間はAlが拡散し最表面のMg−Y/Ce−Al酸化物
の下部にAl濃層を形成するのに最適な条件である。3
00℃未満の温度ではAlの拡散はあまり活発でなく、
腐食に対して有効に働くAl濃層が形成されにくい。一
方400℃を越えるとAlとY又はCeとの反応が生じ
易くなり、Al濃層に酸素が侵入したときAl2 O3 を
形成するAl量が減少する。
0〜400℃で1〜3時間が好ましい。この温度及び時
間はAlが拡散し最表面のMg−Y/Ce−Al酸化物
の下部にAl濃層を形成するのに最適な条件である。3
00℃未満の温度ではAlの拡散はあまり活発でなく、
腐食に対して有効に働くAl濃層が形成されにくい。一
方400℃を越えるとAlとY又はCeとの反応が生じ
易くなり、Al濃層に酸素が侵入したときAl2 O3 を
形成するAl量が減少する。
【0010】図1に、本発明耐食Mg合金部品の表層組
織の構成を示す断面模式図を示す。図2にこの合金部品
の最表層酸化物が損傷したときの様子を示す断面模式図
を示す。これら図において、1はMg合金母材層、2は
Mg−Y/Ce−Al酸化物の最表層、3はAl濃層で
ある。最表層2は傷4ができてO2 が侵入してもAl濃
層3にAl2 O3 層5ができてMg合金母材層1を保護
する。
織の構成を示す断面模式図を示す。図2にこの合金部品
の最表層酸化物が損傷したときの様子を示す断面模式図
を示す。これら図において、1はMg合金母材層、2は
Mg−Y/Ce−Al酸化物の最表層、3はAl濃層で
ある。最表層2は傷4ができてO2 が侵入してもAl濃
層3にAl2 O3 層5ができてMg合金母材層1を保護
する。
【0011】
【作用】本発明合金は、その部品材料が使用時に加熱さ
れた際、あるいは上記熱処理することによって、その表
層にY及び/又はCeが濃化した酸化物層とその下部に
Al濃層とを有する金属組織が形成される。このため合
金部品の最表層たる酸化物層が損傷してO2 が浸入して
もAl濃層中にAl2 O3 層ができてMg合金母材層を
保護する。
れた際、あるいは上記熱処理することによって、その表
層にY及び/又はCeが濃化した酸化物層とその下部に
Al濃層とを有する金属組織が形成される。このため合
金部品の最表層たる酸化物層が損傷してO2 が浸入して
もAl濃層中にAl2 O3 層ができてMg合金母材層を
保護する。
【0012】
実施例1 Mg83重量部、ミッシュメタル8重量部(うちCe4
重量部)及びAl:9重量部を鋳造しサイズ20mm×
20mm×10mmの基板を切削により作成した。これ
を大気中350℃±10℃で90分間熱処理することに
より表面酸化膜を形成した(試料とする。)。
重量部)及びAl:9重量部を鋳造しサイズ20mm×
20mm×10mmの基板を切削により作成した。これ
を大気中350℃±10℃で90分間熱処理することに
より表面酸化膜を形成した(試料とする。)。
【0013】比較のため、Mg合金母材(ASTM規格
AZ91:Mg−9wt%Al)から上記実施例1の基
板と同じサイズの基板を切削により作成し、イオンプレ
ーティングの方法で酸素分圧4×10-2Paの真空度の
下で、前記基板に、印加電圧150Vをかけ、Alをア
ーク放電(120A)で溶解し、この基板上に厚さ3〜
5μmのAl2 O3 皮膜を形成した(試料とす
る。)。試料の表面付近部断面模式図を図3に示す。
図3において1aはMg母材合金層、5はAl2 O3 皮
膜層である。この場合には皮膜5の密着性(結合力)が
不足するものである。
AZ91:Mg−9wt%Al)から上記実施例1の基
板と同じサイズの基板を切削により作成し、イオンプレ
ーティングの方法で酸素分圧4×10-2Paの真空度の
下で、前記基板に、印加電圧150Vをかけ、Alをア
ーク放電(120A)で溶解し、この基板上に厚さ3〜
5μmのAl2 O3 皮膜を形成した(試料とす
る。)。試料の表面付近部断面模式図を図3に示す。
図3において1aはMg母材合金層、5はAl2 O3 皮
膜層である。この場合には皮膜5の密着性(結合力)が
不足するものである。
【0014】更に比較のため、Mg−Al合金(AZ9
1)から上記実施例1の基板と同じサイズの基板を切削
により作成し、これを大気中300℃で90分間熱処理
して表面酸化膜を形成した(試料とする。)。試料
の表面付近部断面模式図を図4に示す。図4において1
bは合金母材層、6はMg−Al酸化物表層である。こ
の場合1b層の合金中Al濃度は9重量%、6の表層で
はAl/Mg(重量比)=0.09である。
1)から上記実施例1の基板と同じサイズの基板を切削
により作成し、これを大気中300℃で90分間熱処理
して表面酸化膜を形成した(試料とする。)。試料
の表面付近部断面模式図を図4に示す。図4において1
bは合金母材層、6はMg−Al酸化物表層である。こ
の場合1b層の合金中Al濃度は9重量%、6の表層で
はAl/Mg(重量比)=0.09である。
【0015】更に比較のためMg−Y−Ce合金(AS
TM規格WE54:Mg−5wt%Y−1.8wt%C
e)から上記実施例1の基板と同じサイズの基板を切削
により作成し、これを大気中350℃±10℃で90分
間熱処理することにより表面酸化膜を形成した(試料
とする。)。試料の表面付近部断面模式図を図5に示
す。図5において1cは合金母材層、7はMg−Y酸化
物表層である。この場合、1c層中Y濃度は5重量%、
7の表層では酸化物中Y/Mg(重量比)=0.23で
ある。
TM規格WE54:Mg−5wt%Y−1.8wt%C
e)から上記実施例1の基板と同じサイズの基板を切削
により作成し、これを大気中350℃±10℃で90分
間熱処理することにより表面酸化膜を形成した(試料
とする。)。試料の表面付近部断面模式図を図5に示
す。図5において1cは合金母材層、7はMg−Y酸化
物表層である。この場合、1c層中Y濃度は5重量%、
7の表層では酸化物中Y/Mg(重量比)=0.23で
ある。
【0016】試料〜を3重量%食塩水に浸漬し室温
(以下「RT」という。)下に置いて腐食速度を測定し
た。この結果を図6のグラフに示す。
(以下「RT」という。)下に置いて腐食速度を測定し
た。この結果を図6のグラフに示す。
【0017】次に図6に示したのと同じ試料をサンドブ
ラスト(10m/sの速度で粒径50〜80μmのガラ
ス又は砂の球を30秒間基材上に吹きつけた。)にて表
面皮膜にダメージを与えた後図6の場合と同様にして腐
食速度を測定した。その結果を図7のグラフに示す。
ラスト(10m/sの速度で粒径50〜80μmのガラ
ス又は砂の球を30秒間基材上に吹きつけた。)にて表
面皮膜にダメージを与えた後図6の場合と同様にして腐
食速度を測定した。その結果を図7のグラフに示す。
【0018】図6,7より本発明部品は、傷のない場合
にも良好な耐食性を示し、特に傷の付いた場合に優れた
耐食性を示すことが明らかである。
にも良好な耐食性を示し、特に傷の付いた場合に優れた
耐食性を示すことが明らかである。
【0019】実施例2 Mg−Y−Al合金の物性に及ぼすAl濃度の影響を調
べた。この合金において、Yの濃度は1wt%に固定
し、Alの濃度を変化させた。物性測定のための試料は
平行部(試験部)直径5mm×長さ25mm、チャック
部直径8mm×長さ15mm、全長70mmのサイズと
し、鋳造切削により作成した。これを350℃で90分
熱処理した。これら試料について引張強さ、0.1%耐
力及び伸びを測定した。JIS Z2241金属材料引
張試験方法により、引張り強さ、0.1%耐力、及び伸
びを測定した。その結果を図8のグラフに示す。このグ
ラフにおいてUは引張強さ、Pは0.1%耐力、Eは伸
びをそれぞれ示す。このグラフよりAlを増すことによ
り、強度は向上するが、8%を越えると伸びが急激に低
下し、12%を越えると引張強さもかなり低下すること
がわかる。従ってAl含有量は強度・延性バランス及び
鋳造性を考慮して5〜12%とするのがよいと考えられ
る。
べた。この合金において、Yの濃度は1wt%に固定
し、Alの濃度を変化させた。物性測定のための試料は
平行部(試験部)直径5mm×長さ25mm、チャック
部直径8mm×長さ15mm、全長70mmのサイズと
し、鋳造切削により作成した。これを350℃で90分
熱処理した。これら試料について引張強さ、0.1%耐
力及び伸びを測定した。JIS Z2241金属材料引
張試験方法により、引張り強さ、0.1%耐力、及び伸
びを測定した。その結果を図8のグラフに示す。このグ
ラフにおいてUは引張強さ、Pは0.1%耐力、Eは伸
びをそれぞれ示す。このグラフよりAlを増すことによ
り、強度は向上するが、8%を越えると伸びが急激に低
下し、12%を越えると引張強さもかなり低下すること
がわかる。従ってAl含有量は強度・延性バランス及び
鋳造性を考慮して5〜12%とするのがよいと考えられ
る。
【0020】実施例3 Mg−Ce−Al合金の耐力に及ぼすCe濃度の影響を
調べた。この合金においてAlの濃度は5wt%に固定
し、Ceの濃度を変化させた。耐力測定のための試料は
実施例2と同じサイズのものを同様にして作り同様に熱
処理した。耐力はJIS Z2241金属材料引張試験
方法により測定した。その結果を図9のグラフに示す。
このグラフよりCe濃度が1%未満では耐力が相当低下
することがわかる。
調べた。この合金においてAlの濃度は5wt%に固定
し、Ceの濃度を変化させた。耐力測定のための試料は
実施例2と同じサイズのものを同様にして作り同様に熱
処理した。耐力はJIS Z2241金属材料引張試験
方法により測定した。その結果を図9のグラフに示す。
このグラフよりCe濃度が1%未満では耐力が相当低下
することがわかる。
【0021】実施例4 Mg−Y−Al合金及びMg−Ce−Al合金の鋳造割
れ発生率に対するY及びCeの濃度の影響を調べた。こ
の合金においてAlの濃度を5wt%に固定しY及びC
eの濃度をそれぞれ変化させた。鋳造割れは、板厚3m
mのコの字型形状(r=1.0)の試験片を鋳造温度6
90℃、金型温度80〜150℃の条件で鋳造し、冷却
後カラーチェックを実施し、割れの有無を判定した。そ
の結果を図10のグラフに示す。このグラフよりY,C
eの濃度上限はそれぞれ8.0重量%及び6.0重量%
とするのがよいことが分かる。
れ発生率に対するY及びCeの濃度の影響を調べた。こ
の合金においてAlの濃度を5wt%に固定しY及びC
eの濃度をそれぞれ変化させた。鋳造割れは、板厚3m
mのコの字型形状(r=1.0)の試験片を鋳造温度6
90℃、金型温度80〜150℃の条件で鋳造し、冷却
後カラーチェックを実施し、割れの有無を判定した。そ
の結果を図10のグラフに示す。このグラフよりY,C
eの濃度上限はそれぞれ8.0重量%及び6.0重量%
とするのがよいことが分かる。
【0022】図11〜14に実施例1で得たのと同じ本
発明試料()の表層のEPMA分析の結果を示す。図
11,12,13はそれぞれY,Al及びOについての
分析の結果得られた金属組織の写真であり、図14は2
次電子像(3000倍)を表わす金属組織の写真であ
る。これら図面より本発明部品はMg−Y/Ce−Al
酸化物表層の下にAl濃層が形成されていることがわか
る。
発明試料()の表層のEPMA分析の結果を示す。図
11,12,13はそれぞれY,Al及びOについての
分析の結果得られた金属組織の写真であり、図14は2
次電子像(3000倍)を表わす金属組織の写真であ
る。これら図面より本発明部品はMg−Y/Ce−Al
酸化物表層の下にAl濃層が形成されていることがわか
る。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、耐食性に優れ、耐食皮
膜に傷が付いても母材面が露出しにくくその後の腐食の
進行が遅く、形状の複雑な所にも耐食性皮膜の形成が容
易で皮膜のはがれの問題を生じない表面層を形成しうる
Mg合金及びそれから作った耐食性部品が提供される。
膜に傷が付いても母材面が露出しにくくその後の腐食の
進行が遅く、形状の複雑な所にも耐食性皮膜の形成が容
易で皮膜のはがれの問題を生じない表面層を形成しうる
Mg合金及びそれから作った耐食性部品が提供される。
【図1】本発明耐食Mg合金部品の表層組織の構成を示
す断面模式図。
す断面模式図。
【図2】図1に示した合金部品の最表層酸化物が損傷し
たときの様子を示す断面模式図。
たときの様子を示す断面模式図。
【図3】Mg合金母材の部品材料にAl2 O3 皮膜をコ
ートしたものの断面模式図。
ートしたものの断面模式図。
【図4】Mg−Al合金の部品の表面付近部断面模式
図。
図。
【図5】Mg−Y合金の部品の表面付近部断面模式図。
【図6】図3,4,5及び1に示した各合金の表層酸化
物形成試料の腐食速度を示すグラフ。
物形成試料の腐食速度を示すグラフ。
【図7】図6に示したのと同じ試料をサンドブラストに
て表面皮膜にダメージを与えた後第6図の場合と同様に
して腐食速度を測定した結果を示すグラフ。
て表面皮膜にダメージを与えた後第6図の場合と同様に
して腐食速度を測定した結果を示すグラフ。
【図8】Mg−Y−Al合金の物性に及ぼすAl濃度の
影響を表わすグラフ。
影響を表わすグラフ。
【図9】Mg−Ce−Al合金の耐力に及ぼすCe濃度
の影響を表わすグラフ。
の影響を表わすグラフ。
【図10】Mg−Y,Ce−Al合金の鋳造割れ発生率
に対するY,Ceの濃度の影響を表わすグラフ。
に対するY,Ceの濃度の影響を表わすグラフ。
【図11】本発明部品に準ずるテストピースの表層のY
についてのEPMA分析の結果得られた金属組織の写
真。
についてのEPMA分析の結果得られた金属組織の写
真。
【図12】本発明部品に準ずるテストピースの表層のA
lについてのEPMA分析の結果得られた金属組織の写
真。
lについてのEPMA分析の結果得られた金属組織の写
真。
【図13】本発明部品に準ずるテストピースの表層のO
についてのEPMA分析の結果得られた金属組織の写
真。
についてのEPMA分析の結果得られた金属組織の写
真。
【図14】本発明部品に準ずるテストピースの表層のE
PMA分析の結果得られた2次電子像を表わす金属組織
の写真。
PMA分析の結果得られた2次電子像を表わす金属組織
の写真。
1,1a,1b,1c…Mg合金母材層 2…Mg−Y/Ce−Al酸化物の最表層 3…Al濃層 4…最表層2にできた傷 5…Al2 O3 層 6…Mg−Al酸化物表層 7…Mg−Y酸化物表層
Claims (2)
- 【請求項1】 重量割合でAl:5〜12%並びにY:
1.0〜8.0%及びCe:1.0〜6.0%の内の少
なくとも1種並びに残部が実質的にMgからなることを
特徴とする耐食性Mg合金。 - 【請求項2】 請求項1の合金からなる部品材料を酸素
ガス含有雰囲気下に熱処理してなり、表層部に本質的に
Mg,Al並びにY及び/又はCeの酸化物の層を、そ
の層の直下にAl濃層を有する耐食性Mg合金部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30117991A JPH05117798A (ja) | 1991-10-22 | 1991-10-22 | 耐食性に優れたMg合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30117991A JPH05117798A (ja) | 1991-10-22 | 1991-10-22 | 耐食性に優れたMg合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05117798A true JPH05117798A (ja) | 1993-05-14 |
Family
ID=17893739
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30117991A Pending JPH05117798A (ja) | 1991-10-22 | 1991-10-22 | 耐食性に優れたMg合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05117798A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011096294A1 (ja) * | 2010-02-08 | 2011-08-11 | 住友電気工業株式会社 | マグネシウム合金板 |
CN103695746A (zh) * | 2013-12-12 | 2014-04-02 | 重庆三峡学院 | 一种表面氧化膜具有良好再生能力的镁合金及其制备方法 |
CN110722168A (zh) * | 2019-08-30 | 2020-01-24 | 中南大学 | 一种制备针状第二相提高医用镁合金降解抗力的方法 |
-
1991
- 1991-10-22 JP JP30117991A patent/JPH05117798A/ja active Pending
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