JPH0511734A - 文字パターン生成装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的はアウトラインフォント方式にお
いて、予めフォントメモリに用意される各文字の座標デ
ータのデータ量の減少化を図ると共に、座標変換処理に
よる座標値の計算誤差の累積を無くして、高品質の文字
パターンの生成を実現した文字パターン生成装置を提供
することにある。 【構成】各文字の輪郭を構成する所定の座標値を基準と
して、Ｘ座標およびＹ座標の各移動量からなる相対座標
データが、予めフォントメモリ１に格納されている。絶
対座標変換部２はフォントメモリ１から相対座標データ
を読出し、各文字の輪郭を構成する絶対座標値からなる
絶対座標データに変換する。座標変換処理部３は、絶対
座標データに対して予め設定される拡大／縮小率に応じ
た座標変換処理を実行する。文字パターン展開部４は、
座標変換処理手段により得られる座標データに基づいて
文字パターンを展開する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば文書作成装置に
使用されるアウトラインフォント方式の文字パターン生
成装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、文書作成装置またはパーソナルコ
ンピュータ等において、文字を印刷または表示する場合
に、文字データをベクトルデータとして保持するアウト
ライン（輪郭）フォント方式が使用されている。この方
式は、拡大、縮小、回転等の変形処理が容易であり、し
かも印字品質が低下しない利点がある。さらに、解像度
が高くても、文字のデータ量は一定である。

【０００３】この方式では、アウトラインフォントとし
て格納されている文字毎のベクトルデータ（座標デー
タ）が読出されて、生成対象の文字のサイズ（拡大／縮
小）、方向、位置に応じた座標変換処理が実行される。
この変換後の座標から文字の輪郭に応じたアウトライン
データが生成されて、このアウトラインに対する塗り潰
し処理により、文字パターン（ドットパターン）がビッ
トマップメモリに展開されることになる。

【０００４】ところで、予めフォントメモリには各文字
毎の座標データ（言換えれば、輪郭要素データ）を格納
する必要があるため、文字数が多数の場合には大容量の
フォントメモリが要求される。この座標データ量の減少
化を図るために、座標データとして相対座標データを使
用する方式がある。

【０００５】この方式は、文字の輪郭を構成する所定の
座標値を基準として、Ｘ座標およびＹ座標の各移動量か
らなる相対座標データをフォントメモリに格納する。こ
の相対座標データを使用することにより、座標データ量
の減少化を図ることができる。

【０００６】しかしながら、フォントメモリからの相対
座標データに対して、拡大／縮小率に応じた座標変換処
理を実行した場合に、得られる座標値の計算誤差が累積
し、その結果生成される文字パターンの品質が低下する
問題がある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】従来のアウトラインフ
ォント方式において、予めフォントメモリに用意される
各文字の座標データのデータ量の減少化を図るために、
相対座標データを使用する方式がある。しかしながら、
相対座標データに対して座標変換処理を実行した場合
に、得られる座標値の計算誤差が累積して、文字パター
ンの品質が低下する問題がある。

【０００８】本発明の目的は、アウトラインフォント方
式において、予めフォントメモリに用意される各文字の
座標データのデータ量の減少化を図ると共に、座標変換
処理による座標値の計算誤差の累積を無くして、高品質
の文字パターンの生成を実現した文字パターン生成装置
を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、アウトライン
フォント方式の文字パターン生成装置において、各文字
に対応する相対座標データを格納したフォントメモリ手
段、相対座標データを絶対座標データに変換する絶対座
標変換手段、絶対座標データに対して予め設定される拡
大／縮小率に応じた座標変換処理を実行する座標変換処
理手段および座標データに基づいて文字パターンを展開
する文字パターン展開手段を有する装置である。

【００１０】

【作用】本発明では、各文字の輪郭を構成する所定の座
標値を基準として、Ｘ座標およびＹ座標の各移動量から
なる相対座標データがフォントメモリ手段に格納されて
いる。絶対座標変換手段は、フォントメモリ手段から相
対座標データを読出し、各文字の輪郭を構成する絶対座
標値からなる絶対座標データに変換する。座標変換処理
手段は、絶対座標データに対して予め設定される拡大／
縮小率に応じた座標変換処理を実行する。文字パターン
展開手段は、座標変換処理手段により得られる座標デー
タに基づいて文字パターンを展開する。

【００１１】

【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を説明す
る。

【００１２】図１は同実施例に係わるアウトラインフォ
ント生成部である文字パターン生成部の構成を説明する
ためのブロック図である。図２は同実施例の文字パター
ン生成部１３を備えた文書作成装置の要部を示すブロッ
ク図である。

【００１３】まず、図２に示すように、本装置は、装置
全体の制御，文書作成処理及び編集処理等を実行する制
御部（ＣＰＵ）１０、キーボード１１、入力制御部１
２、ビットマップメモリ１４および文書メモリ１５を備
えている。キーボード１１及び入力制御部１２は、文書
作成処理に必要な文字データ等の各種入力データを入力
するためのキー入力装置を構成する。

【００１４】ビットマップメモリ１４は、文字パターン
生成部１３により展開された文字パターン（ドットパタ
ーン）を格納するためのメモリである。文書メモリ１５
は、制御部１０により作成された文書データを文字コー
ドの状態で格納するバッファメモリである。

【００１５】さらに、本装置は、プリンタ１６、印刷制
御部１７、ディスプレイ１８および表示制御部１９を備
えている。印刷制御部１７は、ビットマップメモリ１４
に展開された文字パターンに基づいて、プリンタ１６に
文字フォントの印刷動作を実行させる。表示制御部１９
は、そのドットパターンに基づいてディスプレイ１８の
画面に文字フォントの表示動作を実行させる。文字パタ
ーン生成部１３は、図１に示すように、フォントメモリ
１、絶対座標変換部２、座標変換処理部３および文字パ
ターン展開部４を有する。

【００１６】フォントメモリ１は、各文字に対応する座
標データ（ベクトルデータ）を予め格納したメモリであ
り、座標データとして相対座標データを格納する。この
相対座標データは、文字パターンの輪郭（アウトライ
ン）を構成する所定の座標値を基準として、この基準座
標値からＸ座標およびＹ座標の各移動量からなる座標デ
ータである（図３（Ｂ）を参照）。

【００１７】絶対座標変換部２は、フォントメモリ１か
ら読出した文字毎の相対座標データを絶対座標値に応じ
た絶対座標データ（図３（Ｃ）を参照）に変換する処理
を実行する。座標変換処理部３は、制御部１０から設定
される拡大／縮小率に応じて、絶対座標変換部２により
得られる絶対座標データに対する座標変換処理（拡大／
縮小以外の回転等の変形処理も含む）を実行する。文字
パターン展開部４は、座標変換処理部３により得られる
座標データに基づいて、文字パターンをビットマップメ
モリ１４に展開し、アウトラインの塗り潰し処理を実行
する。次に、同実施例の動作を説明する。

【００１８】まず、文書作成モードでは、制御部１０は
キーボード１１からの入力データに基づいて文書作成・
編集処理を実行し、作成・編集した文書データを文書メ
モリ１５に格納する。文書メモリ１５には各文字に対応
する文字コードからなる文書データが格納されている。
この文書データを印刷するための指示がなされると、制
御部１０は文字パターン生成部１３を起動する。文字パ
ターン生成部１３は、文書メモリ１５の各文字コードに
対応する文字パターンを生成する処理を実行する。

【００１９】文字パターン生成部１３では、図４に示す
ように、フォントメモリ１から文書メモリ１５に格納さ
れた文字コードに対応する相対座標データが読出される
（ステップＳ１）。ここで、フォントメモリ１に格納さ
れている相対座標データとは、図３（Ａ）に示すよう
に、例えば漢字「上」の輪郭を構成する各座標点ａ〜ｌ
において、座標点ａを基準座標値（３，４）とし、各座
標点ｂ〜ｌを基準座標値（３，４）からＸ座標およびＹ
座標の各移動量からなる座標データである。具体例とし
て、座標点ｂは基準座標点ａに対して、Ｘ座標の方向に
移動量（５）およびＹ座標の方向に移動量（０）からな
る座標データとして表現される。以下同様に、図３
（Ｂ）に示すように、各座標点ｃ〜ｌの相対座標データ
がフォントメモリ１に格納されている。

【００２０】絶対座標変換部２は、フォントメモリ１か
らの相対座標データを絶対座標値からなる絶対座標デー
タに変換する（ステップＳ２）。即ち、図３（Ｃ）に示
すように、漢字「上」の輪郭を構成する各座標点ａ〜ｌ
を絶対座標値で表現した絶対座標データに変換する。具
体例として、座標点ｂの相対座標データ（５，０）は、
絶対座標データ（８，４）に変換される。

【００２１】座標変換処理部３は、制御部１０から設定
される拡大／縮小率に応じて、絶対座標変換部２により
得られた絶対座標データに対する座標変換処理を実行す
る（ステップＳ３）。これにより、文字サイズの拡大処
理または縮小処理を実行し、指定に応じて回転及び斜体
等の変形処理も実行する。

【００２２】文字パターン展開部４は、座標変換処理部
３により得られる座標データに基づいて文字のアウトラ
イン（輪郭）を構成し、ビットマップメモリ１４に展開
する（ステップＳ４）。さらに、文字パターンを構成す
るアウトラインの塗り潰し処理を実行する。

【００２３】印刷すべき各文字の文字パターンがビット
マップメモリ１４に展開されると、印刷制御部１７はそ
の文字パターンに基づいて、プリンタ１６に文字フォン
トの印刷動作を実行させる（ステップＳ６）。

【００２４】このようにして、フォントメモリ１には予
め各文字に対応する絶対座標データではなく、相対座標
データとして用意する。これにより、各文字に対応する
座標データのデータ量の減少化を図ることができる。さ
らに、座標変換処理のときに、フォントメモリ１からの
相対座標データを絶対座標データに変換し、この絶対座
標データに対する座標変換処理を行なう。

【００２５】したがって、相対座標データに対して座標
変換処理を実行した場合に座標値の計算誤差が累積する
ような事態を防止し、絶対座標データに基づいた高精度
の座標値を得ることができる。

【００２６】

【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、ア
ウトラインフォント方式において、予め各文字に対応す
る相対座標データとして用意し、この相対座標データを
絶対座標データに変換して座標変換処理を行なう。した
がって、予めフォントメモリに用意される各文字の座標
データのデータ量の減少化を図ると共に、座標変換処理
による座標値の計算誤差の累積を無くし、高精度の座標
値を得ることができる。これにより、文字数が多数の場
合でも、特に大容量のフォントメモリは不要であり、か
つ高品質の文字パターンの生成を実現することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係わる文字パターン生成装置
の構成を示すブロック図。

【図２】同実施例に係わる文書作成装置の構成を示すブ
ロック図。

【図３】同実施例の動作を説明するための概念図。

【図４】同実施例の動作を説明するためのフローチャー
ト。

【符号の説明】

１…フォントメモリ、２…絶対座標変換部、３…座標変
換処理部、４…文字パターン展開部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 各文字に対応する相対座標データを格納
   したフォントメモリ手段と、 このフォントメモリ手段から読出した前記相対座標デー
   タを絶対座標データに変換する絶対座標変換手段と、 この絶対座標変換手段により得られる前記絶対座標デー
   タに対して予め設定される拡大／縮小率に応じた座標変
   換処理を実行する座標変換処理手段と、 この座標変換処理手段により得られる座標データに基づ
   いて文字パターンを展開する文字パターン展開手段とを
   具備したことを特徴とする文字パターン生成装置。