JPH05117020A - セラミツクス焼結体 - Google Patents
セラミツクス焼結体Info
- Publication number
- JPH05117020A JPH05117020A JP3282729A JP28272991A JPH05117020A JP H05117020 A JPH05117020 A JP H05117020A JP 3282729 A JP3282729 A JP 3282729A JP 28272991 A JP28272991 A JP 28272991A JP H05117020 A JPH05117020 A JP H05117020A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- high hardness
- binder
- al2o3
- tin
- sintered body
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Ceramic Products (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 高硬度材料の高速切削加工に用いて最適なセ
ラミックス焼結体とする。 【構成】 30〜70体積%のAl2 O3 粒子12と、
TiNを主成分としたバインダ13との混合粉末を焼結
してセラミックス焼結体11を形成する。
ラミックス焼結体とする。 【構成】 30〜70体積%のAl2 O3 粒子12と、
TiNを主成分としたバインダ13との混合粉末を焼結
してセラミックス焼結体11を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックス焼結体に
関し、特に例えば軸受鋼等の高硬度材料の高速切削加工
に用いて最適なものである。
関し、特に例えば軸受鋼等の高硬度材料の高速切削加工
に用いて最適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来において、被削材の硬度がロック・
ウェル硬さ(HRC)で、60以上の高硬度材料の加工
は、切削加工が困難であるため、主としてダイヤモンド
砥粒等による研削加工を行っている。しかしながら該研
削加工は、加工速度が遅いため、工程短縮が思うように
ならない。
ウェル硬さ(HRC)で、60以上の高硬度材料の加工
は、切削加工が困難であるため、主としてダイヤモンド
砥粒等による研削加工を行っている。しかしながら該研
削加工は、加工速度が遅いため、工程短縮が思うように
ならない。
【0003】この問題を解決するため、高硬度材料を切
削加工する工具として、WC−Coを主成分とする超
硬合金工具、TiC−TiN−Ni−Mo系のサーメ
ット工具、Al2 O3 を主成分とするセラミックス工
具、CBN粒子を高温高圧で焼結したCBN焼結工具
が種々開発されており、新しい機械加工の分野が展開さ
れつつある。 そしてこの高硬度材料の切削加工用工具としては、
(イ)工具摩耗量が小さいこと、(ロ)切削された被削
材料の加工面粗さが良好なこと、等の性能が必要とされ
ている。
削加工する工具として、WC−Coを主成分とする超
硬合金工具、TiC−TiN−Ni−Mo系のサーメ
ット工具、Al2 O3 を主成分とするセラミックス工
具、CBN粒子を高温高圧で焼結したCBN焼結工具
が種々開発されており、新しい機械加工の分野が展開さ
れつつある。 そしてこの高硬度材料の切削加工用工具としては、
(イ)工具摩耗量が小さいこと、(ロ)切削された被削
材料の加工面粗さが良好なこと、等の性能が必要とされ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した
高硬度材料用工具のうち、超硬合金工具やサーメット工
具は金属バインダが加工時の発熱により塑性変形を起こ
し、摩耗が短時間に進行するため適用できないという問
題がある。また、セラミックス工具は、超硬合金やサー
メットと比較して欠損しやすいこと、及びピッチング
(微小領域での剥離亀裂現象をいう)を起こしやすいこ
とから、加工面の粗さが悪く、適用できないという問題
がある。更に、CBN焼結工具は高硬度材料の切削加工
用の要求性能には合致しているものの、CBNを焼結す
るために1600℃以上の高温及び5万気圧以上の高圧
が必要であると共に製造設備が特殊なもので高価とな
り、該CBN焼結工具の製造は非常に高価になるという
問題がある。
高硬度材料用工具のうち、超硬合金工具やサーメット工
具は金属バインダが加工時の発熱により塑性変形を起こ
し、摩耗が短時間に進行するため適用できないという問
題がある。また、セラミックス工具は、超硬合金やサー
メットと比較して欠損しやすいこと、及びピッチング
(微小領域での剥離亀裂現象をいう)を起こしやすいこ
とから、加工面の粗さが悪く、適用できないという問題
がある。更に、CBN焼結工具は高硬度材料の切削加工
用の要求性能には合致しているものの、CBNを焼結す
るために1600℃以上の高温及び5万気圧以上の高圧
が必要であると共に製造設備が特殊なもので高価とな
り、該CBN焼結工具の製造は非常に高価になるという
問題がある。
【0005】本発明はこのような事情に鑑み、高硬度材
料の高速切削加工に用いて最適なセラミックス焼結体を
提供することを目的とする。
料の高速切削加工に用いて最適なセラミックス焼結体を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明に係るセラミックス焼結体は、30〜70体積%のA
l2 O3 と、バインダの主成分としてのTiNとの混合
粉末を焼結してなることを特徴とし、また、上記セラミ
ックス焼結体において、バインダの一部をAlN,Si
C,Al2 O3 及びZrO2 より選ばれた一種以上で置
換したことを特徴とする。
明に係るセラミックス焼結体は、30〜70体積%のA
l2 O3 と、バインダの主成分としてのTiNとの混合
粉末を焼結してなることを特徴とし、また、上記セラミ
ックス焼結体において、バインダの一部をAlN,Si
C,Al2 O3 及びZrO2 より選ばれた一種以上で置
換したことを特徴とする。
【0007】以下、本発明の内容を説明する。本発明セ
ラミックス焼結体の模式断面図を図1に示す。セラミッ
クス焼結体11は主成分のAl2 O3 粒子12と、バイ
ンダ13とで構成されてなるものである。本発明に係る
セラミックス焼結体は、Al2 O3 粒子12を30〜7
0体積%用いる。本発明でAl2 O3 を主成分とするの
は、被削材の鉄と反応しにくいことと高硬度であるた
め、優れた耐摩耗性を示すためである。ここでAl2 O
3 粒子12を30〜70体積%とするのは、30体積%
未満では、硬さが低下し欠損しやすくなり、一方、70
体積%を超えても、Al2 O3 粒子の脱落をバインダが
防止できず、被削材の表面粗さを低下させるため、共に
好ましくないからである。また、図1に示したように本
発明では、骨格層としてAl2 O3 粒子12を用いてお
り、従って、バインダとして用いるサブミクロン単位の
ものより、造粒処理や電融法で得られたような、0.5μ
m以上、5μm以下程度の原料が望ましい。これは微細
な粒子を用いると、バインダ部に混入しバインダの接着
特性を大きく低下させ好ましくないからである。
ラミックス焼結体の模式断面図を図1に示す。セラミッ
クス焼結体11は主成分のAl2 O3 粒子12と、バイ
ンダ13とで構成されてなるものである。本発明に係る
セラミックス焼結体は、Al2 O3 粒子12を30〜7
0体積%用いる。本発明でAl2 O3 を主成分とするの
は、被削材の鉄と反応しにくいことと高硬度であるた
め、優れた耐摩耗性を示すためである。ここでAl2 O
3 粒子12を30〜70体積%とするのは、30体積%
未満では、硬さが低下し欠損しやすくなり、一方、70
体積%を超えても、Al2 O3 粒子の脱落をバインダが
防止できず、被削材の表面粗さを低下させるため、共に
好ましくないからである。また、図1に示したように本
発明では、骨格層としてAl2 O3 粒子12を用いてお
り、従って、バインダとして用いるサブミクロン単位の
ものより、造粒処理や電融法で得られたような、0.5μ
m以上、5μm以下程度の原料が望ましい。これは微細
な粒子を用いると、バインダ部に混入しバインダの接着
特性を大きく低下させ好ましくないからである。
【0008】バインダ13は、TiNを主成分とする。
TiNは、セラミックスのなかでは特殊な室温でも塑性
変形する金属的な性質を持っている。また、Al2 O3
粒子12との接合性も高いため、これ等により、焼結体
を強固で粘り強いものにする効果がある。但し、硬さ
が、他のセラミックス材と比較して小さいため、これを
改善するため、高硬度材加工等、高硬度が必要な場合に
はその一部をAlN,SiC,TiB2 ,Al2 O3 及
びZrN2 等で置換する。これらの置換材は、焼結体中
でSialon化合物を形成し高強度の焼結体にする。また、
この反応により、SiCのCが遊離するため、このCが
TiNの硬さを上げる効果が見られる。
TiNは、セラミックスのなかでは特殊な室温でも塑性
変形する金属的な性質を持っている。また、Al2 O3
粒子12との接合性も高いため、これ等により、焼結体
を強固で粘り強いものにする効果がある。但し、硬さ
が、他のセラミックス材と比較して小さいため、これを
改善するため、高硬度材加工等、高硬度が必要な場合に
はその一部をAlN,SiC,TiB2 ,Al2 O3 及
びZrN2 等で置換する。これらの置換材は、焼結体中
でSialon化合物を形成し高強度の焼結体にする。また、
この反応により、SiCのCが遊離するため、このCが
TiNの硬さを上げる効果が見られる。
【0009】以上のように構成された焼結体は、特に、
従来のセラミックス工具の課題であった高硬度被削材の
断続切削加工時の耐欠損性を著しく高める作用がある。
従来のセラミックス工具の課題であった高硬度被削材の
断続切削加工時の耐欠損性を著しく高める作用がある。
【0010】
【実施例】以下、本発明の好適な一実施例について詳細
に説明する。
に説明する。
【0011】(焼結体の製造方法例)Al2 O3 粒子
は、平均径が1μmの市販の研磨材用を用いた。Ti
N,AlN,SiC,Al2 O3 ,ZrN2 のバインダ
成分は、気相合成法や、共沈法等、製法は異なるが、い
ずれも一次粒子の平均径が、0.5μm以下のサブミクロ
ン粒子を用いた。これらを原料として用い、下記「表
1」に記載の組成に配合し、更にエタノールを加えて湿
式混合し、次いで乾燥して原料粉を得た。この原料粉を
所定の温度で真空中でホットプレス(圧力400kgf /
cm2 )し、焼結した。その後、スローアウェイチップ
(ISO記号SNMN432 (加工後寸法12.7mm×12.
7mm×4.76mm、コーナ半径0.8mm))の形状に加工し
て工具とした。
は、平均径が1μmの市販の研磨材用を用いた。Ti
N,AlN,SiC,Al2 O3 ,ZrN2 のバインダ
成分は、気相合成法や、共沈法等、製法は異なるが、い
ずれも一次粒子の平均径が、0.5μm以下のサブミクロ
ン粒子を用いた。これらを原料として用い、下記「表
1」に記載の組成に配合し、更にエタノールを加えて湿
式混合し、次いで乾燥して原料粉を得た。この原料粉を
所定の温度で真空中でホットプレス(圧力400kgf /
cm2 )し、焼結した。その後、スローアウェイチップ
(ISO記号SNMN432 (加工後寸法12.7mm×12.
7mm×4.76mm、コーナ半径0.8mm))の形状に加工し
て工具とした。
【0012】得られた工具を用い、以下の条件で切削試
験を行ない、それぞれの評価を行った。 ・被削材 :SUJ2(HRC62程度) ・切削速度:100m/min ・切り込み:0.1mm/rev ・送り :0.1mm/rev ・断続性能:欠損までの断続回数 この切削試験結果を表1に示す。尚、ここで比較材とし
たCBN焼結工具は、他社市販品である。
験を行ない、それぞれの評価を行った。 ・被削材 :SUJ2(HRC62程度) ・切削速度:100m/min ・切り込み:0.1mm/rev ・送り :0.1mm/rev ・断続性能:欠損までの断続回数 この切削試験結果を表1に示す。尚、ここで比較材とし
たCBN焼結工具は、他社市販品である。
【0013】
【表1】
【0014】表1の結果より、本発明焼結体は、従来の
セラミックス工具と比較して、優れた耐欠損性を備えて
おり、高価なCBN焼結工具並の切削性能を持つことが
わかる。
セラミックス工具と比較して、優れた耐欠損性を備えて
おり、高価なCBN焼結工具並の切削性能を持つことが
わかる。
【0015】
【発明の効果】以上実施例と共に説明したように本発明
によれば、欠損や結晶粒の脱落によるチッピングが防止
されたセラミックス焼結体を提供でき、例えば特に軸受
鋼等の高硬度材の切削加工等に使用した場合、優れた性
能を発揮できるという効果を奏する。
によれば、欠損や結晶粒の脱落によるチッピングが防止
されたセラミックス焼結体を提供でき、例えば特に軸受
鋼等の高硬度材の切削加工等に使用した場合、優れた性
能を発揮できるという効果を奏する。
【図1】セラミックス焼結体の拡大断面模式図である。
11 セラミックス焼結体 12 Al2 O3 粒子 13 バインダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市来崎 哲雄 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 高階 純 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 30〜70体積%のAl2 O3 と、バイ
ンダの主成分としてのTiNとの混合粉末を焼結してな
ることを特徴とするセラミックス焼結体。 - 【請求項2】 請求項1のセラミックス焼結体におい
て、バインダの一部をAlN,SiC,Al2 O3 及び
ZrO2 より選ばれた一種以上で置換したことを特徴と
するセラミックス焼結体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3282729A JPH05117020A (ja) | 1991-10-29 | 1991-10-29 | セラミツクス焼結体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3282729A JPH05117020A (ja) | 1991-10-29 | 1991-10-29 | セラミツクス焼結体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05117020A true JPH05117020A (ja) | 1993-05-14 |
Family
ID=17656287
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3282729A Pending JPH05117020A (ja) | 1991-10-29 | 1991-10-29 | セラミツクス焼結体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05117020A (ja) |
-
1991
- 1991-10-29 JP JP3282729A patent/JPH05117020A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19991109 |