JPH05116177A - 繊維強化樹脂回転体 - Google Patents

繊維強化樹脂回転体

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JPH05116177A
JPH05116177A JP3284736A JP28473691A JPH05116177A JP H05116177 A JPH05116177 A JP H05116177A JP 3284736 A JP3284736 A JP 3284736A JP 28473691 A JP28473691 A JP 28473691A JP H05116177 A JPH05116177 A JP H05116177A
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JP
Japan
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shaft
fiber
resin
shaft portion
reinforced resin
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JP3284736A
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Yuji Mizuno
祐史 水野
Hiromi Suzuki
宏実 鈴木
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Aisin Chemical Co Ltd
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Aisin Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インサート金具に回転軸のシャフトを圧入す
る際に中心孔周囲の樹脂にヘアークラックの発生するこ
とのない繊維強化樹脂回転体とすること。 【構成】 軸方向に延びる中心孔をもつ軸部と、該中心
孔内に配置された筒状のインサート金具と、該軸部の一
端側から径方向に突出する回転部とよりなり繊維強化樹
脂からインサート成形により一体的に形成された回転体
であって、該軸部は該一端側より成形材料が射出され該
中心孔周囲では強化繊維の配向がランダムになっている
ことを特徴とする繊維強化樹脂回転体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ウォータポンプのロー
タなどの中央の軸部に中心孔をもつ繊維強化樹脂回転体
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ウォータポンプのロータなどの中
央の軸部に中心孔をもつ繊維強化樹脂回転体は、軸方向
に延びる中心孔をもつ軸部と、軸部の中心孔内に配置さ
れた筒状のインサート金具と、軸部の一端側から径方向
に突出する回転部とよりなり繊維強化樹脂からインサー
ト成形により構成されている。そしてこのインサート金
具を有する樹脂成形体のインサート金具に回転軸となる
シャフトが圧入されて用いられる。このインサート金具
に回転軸のシャフトが圧入される際に軸部に負荷される
膨張圧により、軸部にヘアークラックが発生して不良品
となる場合がある。これは膨張圧力により強化繊維と樹
脂との界面に沿ってヘアークラックが発生したものであ
ると推定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたもので、インサート金具に回転軸のシャ
フトを圧入する際に中心孔周囲の樹脂にヘアークラック
の発生することのない繊維強化樹脂回転体とすることを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の繊維強化樹脂回
転体は、軸方向に延びる中心孔をもつ軸部と、該中心孔
内に配置された筒状のインサート金具と、該軸部の一端
側から径方向に突出する回転部とよりなり繊維強化樹脂
からインサート成形により一体的に形成された回転体で
あって、該軸部は該一端側より成形材料が射出されて形
成され該中心孔周囲では強化繊維の配向がランダムにな
っていることを特徴とする。
【0005】本発明の繊維強化樹脂回転体は、繊維強化
樹脂からインサート成形により一体的に形成され、軸部
とインサート金具と回転部とで構成されており、インサ
ート金具には回転軸のシャフトが圧入される。軸部は回
転体の中央に位置しインサート用の中心孔をもち、イン
サート金具がインサート成形により配置されている。こ
のインサート金具には、通常成形体が固化した後で回転
軸のシャフトが圧入される。
【0006】インサート金具は回転体の成形時に軸部の
中心孔にインサート成形で形成され、回転軸のシャフト
が圧入される。回転部はこの回転体の羽根部分を構成す
るもので通常複数枚の羽根が軸部より放射状に突出して
いる。場合によっては軸部から突出した円板上に放射状
の複数枚の羽根を形成したものでもよい。
【0007】このシャフトの圧入時にインサート金具を
介して膨張圧力が樹脂層に伝わる。この時樹脂層に強度
の異方性があると膨張圧力に対抗できずクラックが発生
する。特に強化繊維で補強されている樹脂では強化繊維
の配向状態により強度に異方性が発生しやすい。強化繊
維の配向方向の大半が軸部と平行方向に配向した状態で
あると、膨張方向への力に対抗できず補強繊維と樹脂と
の界面にヘアークラックが発生すると推定される。
【0008】繊維強化樹脂の射出成形体においては、強
化繊維の配向状態は注入される樹脂の流れ方向に左右さ
れる。たとえば、ゲートから金型内に注入される樹脂は
ゲートから端面に向かって流れて型内に充填される。途
中に分岐や逆流して充填されるような形状では乱流とな
って充填される。したがって強化繊維の配向も樹脂と同
様にランダムとなりやすい。
【0009】そこでこの成形体の成形型を軸部の一端面
側を行き止まり面とし、先ず樹脂が軸部に充填された後
軸部から径方向に延びる回転部に充填されるような樹脂
流となるように金型のゲート位置を設定すると、強化繊
維の配向をランダムとすることができる。たとえば、回
転部が突出している部分に近い軸部一端側にゲートを設
けることにより上記の樹脂流を形成することができる。
【0010】ゲートの形状は特に限定されるものではな
く、通常のフイルムゲート、ピンゲートなどが可能で軸
部の中心部に配置するのが好ましい。このようなゲート
の配置とすることおよび成形時の圧力を調整すること
で、強化繊維の配向状態をランダム状とすることができ
る。特に強化繊維の配向を軸と平行方向とそれ以外の方
向との比率において、平行方向を40%以下にするとク
ラックの発生がなく、また強制破断に対しても強い成形
体が形成できる。
【0011】これによりインサート金具に回転軸のシャ
フトを圧入してもヘアークラックの発生しない繊維強化
樹脂回転体を得ることができる。この繊維強化樹脂回転
体は、通常の熱可塑性樹脂たとえば、ナイロン、PB
T、ポリカーボネートなどのポリエステル系樹脂、PP
O、PPSなどのエーテル系樹脂などのエンジニアリン
グプラスチックにガラス繊維などの強化繊維が添加され
た樹脂の成形体が挙げられる。特に強化繊維の添加量が
多い場合(20%以上)により有効である。
【0012】
【作用】本発明の繊維強化樹脂回転体は、回転軸のシャ
フトが圧入されるインサート金具を有する軸部では、強
化繊維が樹脂層にランダムに配向している。そのため樹
脂層は異方性をもたず各方向に均等な強度を有する。し
たがって、固化した回転体のインサート金具にシャフト
が圧入される際に軸部の樹脂層に膨張圧力が負荷されて
も樹脂本来の強度を有するのでヘアークラックなどの発
生が防止できる。もし強化繊維の配向がランダムでなく
軸と平行の方向に配向していると樹脂の強度に異方性が
でき膨張方向の強度が低下してヘアークラックが発生し
やすくなるが本発明ではランダム状であるのでクラック
の発生が抑制できる。
【0013】この強化繊維のランダムの分散状態は、成
形型でのゲートの位置を軸部から突出した回転部に近い
側の端部に設け樹脂の流れを乱流とすることで容易に達
成できる。
【0014】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。実施
例の繊維強化樹脂回転体であるロータの断面図を図1に
示す。このロータは、軸方向に延びる中心孔をもつ軸部
1と、軸部1内に配置された筒状のインサート金具2
と、軸部1の一端側から径方向に突出する複数の羽根状
の回転部3とよりなり繊維強化樹脂からインサート成形
により一体的に形成されている。
【0015】この回転体は回転部3の外径が約78φで
軸部1の高さ約20mmで径が15mmの6角形のイン
サート金具2がインサート成形で形成されている。その
成形は、突出した回転部3に近い方の軸部1の一端側1
0の中央(矢印部)にフイルムゲートを設けた成形型
で、ガラス繊維強化PPS樹脂(サスティール GT−
50 ガラス繊維40%入り 東ソ株式会社製)を用
い、円筒状のインサート金具2を用いてインサート射出
成形をおこなった。
【0016】成形条件は、100トンの射出成形機で金
型温度150℃、シリンダ温度 310、300、29
0、280℃、保圧(ゲージ圧)40kg/cm2 、射
出時間15秒である。実施例では図1に示すようにゲー
ト4(矢印の方向)を回転部3が形成されている軸部1
の一端側10の中央側に設けた。金型内にゲート4から
射出された樹脂は、先ず広い空間の軸部2を軸方向に直
進し端面にぶつかると逆転して軸部1の下部側面から突
出した狭い空間の回転部3を充填するように流れる。し
たがって、軸部2は樹脂流の流入方向に対して行き止ま
り面をもつため、樹脂流は一定方向に固定されずに乱流
を形成して型内全体を充填した状態で固化される。この
ため、樹脂中に練り込まれているガラス繊維も樹脂の流
れに相応した状態に配向するため軸部2のガラス繊維は
ランダム状となる。このためガラス繊維の強化方向に異
方性がなく強化樹脂本来の強度を保持できる。したがっ
て、この成形回転体のインサート金具2に回転軸のシャ
フトが圧入されて樹脂層に膨張圧力が加わってもヘアー
クラックが発生することはない。
【0017】この成形回転体の軸部1を切断し断面の樹
脂を溶剤で溶解してガラス繊維の配向状態を目視したと
ころ、軸と平行方向に配向しているものは全体の約10
%以下であり、ほぼランダム状態を示していた。また1
300kgfの加圧による強制破断力では破断できない
ような強度を示した。この成形回転体10個について8
00kgfの加圧によるシャフトの圧入をおこなったが
クラックの発生は認められなかった。
【0018】比較としてゲート4の位置(矢印)を図3
に示すように実施例とは反対側で、回転部3が突出して
いる一端側10と反対側に設けて成形した。この金型内
で成形した場合は、樹脂流れが図4の模式図に示すよう
に軸部1の端面にぶつかってもさらにそのまま連続して
回転部4に充填されるように流れるので、軸部1でのガ
ラス繊維の大半は樹脂の流れ方向すなわち、軸部1と平
行方向に配向した状態で固化される。このためガラス繊
維の強化方向が一方向となり樹脂の強化に異方性ができ
る。このためインサート金具2にシャフトが圧入される
際の膨張する力に対する方向での強度が充分でなくヘア
クラックが発生し易くなる。この成形回転体を実施例と
同様な方法で破断して破断面の強化繊維の配向状態を観
察すると、軸部1と平行方向に配向しているものが約5
0%でランダムとはなっていなかった。そしてシャフト
の圧入試験をしたところ10個中全数にクラックが発生
した。
【0019】
【発明の効果】本発明の繊維強化樹脂回転体において
は、軸部の樹脂層の強化繊維の配向状態が主としてラン
ダム状となっている。このためインサート金具への回転
軸のシャフトの圧入時の膨張圧力に対して強化された樹
脂相を形成している。このためインサート金具にシャフ
トを圧入しても樹脂相でのクラックの発生が抑制され
る。
【0020】このような繊維強化樹脂回転体を形成する
には、成形時の樹脂流れが行き止まり面にぶつかりその
後乱流となって径方向に突出する回転部に流れるように
ゲートの位置を設定することで強化繊維の配向状態を容
易にランダムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、実施例の成形体の断面図である。
【図2】は、実施例の軸部でのガラス繊維の配向状態を
示す模式図である。
【図3】は、比較例の成形体の断面図である。
【図4】は、比較例の軸部でのガラス繊維の配向状態を
示す模式図である。
【符号の説明】
1 軸部、 2 インサート金具、 3 回転部、 4
ゲート、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 31:08 4F

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に延びる中心孔をもつ軸部と、該
    中心孔内に配置された筒状のインサート金具と、該軸部
    の一端側から径方向に突出する回転部とよりなり繊維強
    化樹脂からインサート成形により一体的に形成された回
    転体であって、 該軸部は該一端側より成形材料が射出
    されて形成され該中心孔周囲では強化繊維の配向がラン
    ダムになっていることを特徴とする繊維強化樹脂回転
    体。
JP3284736A 1991-10-30 1991-10-30 繊維強化樹脂回転体 Expired - Fee Related JPH0777741B2 (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3284736A JPH0777741B2 (ja) 1991-10-30 1991-10-30 繊維強化樹脂回転体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3284736A JPH0777741B2 (ja) 1991-10-30 1991-10-30 繊維強化樹脂回転体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05116177A true JPH05116177A (ja) 1993-05-14
JPH0777741B2 JPH0777741B2 (ja) 1995-08-23

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ID=17682324

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JP3284736A Expired - Fee Related JPH0777741B2 (ja) 1991-10-30 1991-10-30 繊維強化樹脂回転体

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JP (1) JPH0777741B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008142935A (ja) * 2006-12-06 2008-06-26 Canon Inc インクジェットヘッドカートリッジ、記録ヘッド、インク収納容器及びインクジェットヘッドカートリッジの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008142935A (ja) * 2006-12-06 2008-06-26 Canon Inc インクジェットヘッドカートリッジ、記録ヘッド、インク収納容器及びインクジェットヘッドカートリッジの製造方法

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JPH0777741B2 (ja) 1995-08-23

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