JPH05115870A - 鑑賞魚飼育用水処理装置 - Google Patents

鑑賞魚飼育用水処理装置

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JPH05115870A
JPH05115870A JP3306805A JP30680591A JPH05115870A JP H05115870 A JPH05115870 A JP H05115870A JP 3306805 A JP3306805 A JP 3306805A JP 30680591 A JP30680591 A JP 30680591A JP H05115870 A JPH05115870 A JP H05115870A
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JP
Japan
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water
breeding
ion exchange
fish
electrolysis
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JP3306805A
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English (en)
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Teruo Hiramatsu
輝夫 平松
Masao Yoshioka
正夫 吉岡
Katsuyoshi Kojima
勝良 小島
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Yamato Giken KK
Original Assignee
Yamato Giken KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鑑賞魚飼育用水処理装置に関し、特に魚の排
泄物や残餌から生じる蛋白系腐敗物などを排除して飼育
用水槽の水質を清浄化するとともに、水質環境を安定的
に保全する。 【構成】 鑑賞魚飼育用水槽5にイオン交換処理部10
と流動電解処理部12とを飼育水流通路6で直列閉回路
状に連結し、当該水槽5を基準にイオン交換処理部10
を流通電解処理部12の流通上手側に配置し、イオン交
換処理部10には多孔状無機鉱物を母体にした多孔状イ
オン交換体14を収容し、流動電解処理部12には誘電
率の異なる複数の粒状無機物17の混合体を摩擦・衝突
可能に収容する。これにより、有機老廃物などをイオン
交換処理部10で予め除去して、流動電解部の失活を防
止し、イオン交換体14により水域に緩衝作用を持たせ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鑑賞魚飼育用水処理装置
に関し、特に魚の排泄物や残餌から生じる蛋白質系など
の巨大分子状腐敗物を排除して飼育用水槽の水質を清浄
化するとともに、水質環境を安定して保全できるものを
提供する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鑑賞魚の飼育用水槽では、魚類
の排泄物や水草の老廃物、或は給餌などによって水質は
経時的に悪化していく。即ち、上記排泄物や残餌などは
蛋白質やポリペプチドなどに起因する腐敗物を発生させ
るとともに、これらの巨大分子成分が分解してアンモニ
アや亜硝酸を生じ、魚類に呼吸困難などの弊害をもたら
すばかりでなく、コケの発生を促進して水質をさらに悪
化させていく。また、魚類の呼吸作用や餌の分解が進む
と、飼育水のペーハーが酸性に傾き、溶存酸素濃度が減
少して、魚類への悪影響が増大する。
【0003】一方、特開平1―189388号公報によ
れば、異種の誘電率を有するセラミックスの集合体を流
動摩擦衝突させて機械エネルギーを与えると、わずかな
発熱、赤外線放射、水流による冷却などで摩擦電気、圧
電気、焦電気が発生し、セラミックス表面の帯電現象で
水を電気分解することが開示され、このシステムを養魚
場に適用すると酸欠防止、魚の皮膚病防止、ポンプその
他の保全などに効果があると記述されている。
【0004】そこで、この開示技術を上記魚飼育用の水
処理に適用すると、次のことが期待できる。 (1)セラミックスの流動電解作用により、錆びやバクテ
リアで凝固しているポンプやパイプのスケールを解膠、
分散させる。水質を中性化して魚類に好適な環境をつく
る。 (2)流動電解部で生じた酸素ガス及び水素ガスは気泡ゾ
ルとなって、その酸化、還元力により有機物、アンモニ
アや亜硝酸などを分解し、強い殺菌作用を呈する。酸素
ガスの一部は水中に溶解して溶存酸素の欠乏を補充す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、上記開示
技術を魚飼育用の水処理に適用すると、魚類にとって有
害なペーハーの偏り、アンモニアや亜硝酸などの発生を
防止して、水質の安定的で良好な改善を期待できる。し
かしながら、上記開示技術には、電気分解時の金属の吸
着(電着)や有機物(老廃物や垢など)の吸着により、セラ
ミックス粒状物などが失活したり、劣化するという問題
があり、上記公報でもその点に言及している。即ち、流
動電解部では粒状物相互の摩擦などでセラミックスの表
面は新たな状態に保持されようとするが、実際的には、
陰極相当部の表面を中心に金属析出や有機物の吸着等が
起こる虞れが大きい。
【0006】特に、鑑賞魚飼育用水槽は水量がそれほど
多くない閉ざされた水域であり、魚類の排泄物や水草の
老廃物、或は給餌などにより蛋白質、ポリペプチド、有
機色素などの腐敗物が発生し易く、水質は急速に悪化す
る。上記腐敗物の多くは有機系の巨大分子であり、流動
電解で腐敗物が分解する速度よりセラミックス表面に吸
着して機能を低下させる速度の方がはるかに大きいと推
定できる。しかも、海水魚ではこのような水質悪化に特
に敏感であり、流動電解セラミックスの失活は海水魚の
生存を大きく左右すると考えられる。
【0007】一方、過誤や看過により、飼育魚への給餌
や薬液の量が多過ぎたり、濃度が高過ぎた場合、特に液
体の餌料では拡散が速いので、急激な水質悪化を招き、
当該流動電解処理では対処しきれない虞れが大きい。本
発明は、蛋白系の腐敗物をも円滑に除去して水質を清浄
化し、外部要因に対して水質を安定保全することを技術
的課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者の一部は、以前
に、塩基置換能力を有する無機鉱物にイオン交換基導入
成分並びに肥料成分を含浸したのち、加熱乾燥により製
造した、植物栽培能力に優れたイオン交換体の開発に携
わったが(特願昭63―1601号参照)、このイオン交換体を
基礎にして本発明を完成した。即ち、本発明1は、鑑賞
魚飼育用水槽5にイオン交換処理部10と流動電解処理
部12とを飼育水流通路6で直列閉回路状に連結し、飼
育水送給装置3で飼育水を飼育水流通路6に強制循環可
能に構成し、鑑賞魚飼育用水槽5を基準にしてイオン交
換処理部10を流動電解処理部12の流通上手側に配置
し、上記イオン交換処理部10は多孔性イオン交換体を
通水室に収容して構成され、当該多孔性イオン交換体を
多孔性の無機鉱物の母体にイオン性官能基を結合させて
形成し、上記流動電解処理部12は、誘電率の異なる複
数の粒状無機物の混合体を収容した通水室と、当該粒状
無機物同士を通水室内で摩擦・衝突させる電解誘発手段
とから構成され、鑑賞魚飼育用水槽5から導かれる飼育
水をイオン交換処理部10でイオン交換処理してから流
動電解処理部12で流動電解処理するように構成した鑑
賞魚飼育用水処理装置である。
【0009】本発明2は、上記本発明1において、多孔
性イオン交換体14の母体になる無機鉱物が、バーミキ
ュライト、ケイソウ土、パーライト、ゼオライト、麦飯
石などであることを特徴とするものである。本発明3
は、上記本発明1又は2において、流動電解処理部12
に収容される無機物が、シリカ、アルミナ、バーミキュ
ライト、ケイソウ土、ゼオライトなどの少なくとも一種
と、チタン酸バリウムとの混合物であることを特徴とす
るものである。本発明4は、上記本発明1〜3のいずれ
かにおいて、流動電解処理部12の電解誘発手段が通水
室を流通する飼育水自体であることを特徴とするもので
ある。
【0010】上記イオン交換体14の母体となる無機鉱
物は、特にバーミキュライト、麦飯石を筆頭にして、カ
ルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラル分を豊富に
含有しているので、飼育水中にこれらをバランス良く溶
出して魚の育成に寄与できる。このイオン交換体14の
官能基はアニオン系、カチオン系を問わないが、中性塩
分解反応や複分解反応などを強く行う強酸系や強塩基系
の交換体よりも、自然環境の温和な中和作用に近い弱酸
系や弱塩基系が好ましい。従って、カチオン官能基とし
てはカルボキシル基やリン酸基を選択し、アニオン官能
基としては第一又は第二アミンなどを選択するのが好ま
しい。上記流動電解用無機物17の混合体は、異種の誘
電率を示す無機物の混合物や、誘電率の異なる無機物を
混合焼結したものなどをいう。上記飼育水とは、淡水と
海水の両方を含む。上記送給装置3とは、ウォータポン
プやエアーポンプなどである。上記飼育水流通路6には
適宜、エアコンプレッサ、濾過器、ストレーナなどを付
設しても良い。
【0011】
【作用】
(1)本発明の多孔性イオン交換体14はイオン交換能や
吸脱着能を本来的に持つ無機鉱物を母体としており、こ
れにイオン性官能基を固着することでこれらの性能を強
化増大したものである。即ち、多孔性イオン交換体とし
て一般的な、MR型(マクロポーラス型)の孔隙サイズは
2〜3nmであり、魚の排泄物や餌料などに起因する老廃
蛋白質や有機色素などの巨大分子成分を吸着し難いが、
本発明の多孔性イオン交換体14は無機鉱物を母体とす
るので、0.1nm〜1000μmに亘る広範囲の孔隙サイズ
を有し、イオン化傾向の大きい有機系の巨大分子成分を
容易に吸着できる。このイオン交換処理部10は流動電
解処理部12の流通上手側に位置し、水槽5から導かれ
た飼育水中の老廃物は、先ず多孔性イオン交換体14で
主に吸着排除されるので、流動電解用無機物17が有機
老廃物の吸着で機能低下や失活を防止できる。また、水
槽5の排出液中の金属イオンも予めイオン交換体14で
吸着やイオン交換を受けて排除されるので、流動電解用
無機物17の電着現象を抑制できる。即ち、イオン交換
処理部10は飼育水の清浄化機能と、流動電解処理部1
2の作用を高く担保するための前処理的な保全機能を併
せ持つのである。
【0012】(2)食餌や、成長促進用或は病気予防用の
ミネラル液、健康保険剤などを水槽5に補給する場合、
過誤或は看過によりその量や濃度が過剰であっても、イ
オン交換処理部10のイオン交換体14の緩衝作用でこ
れらの成分を吸着或はイオン交換し、効能成分をイオン
交換体14に予め保蓄してから徐々に飼育水流通路6を
経て水槽5に還流させるので、魚類への悪影響を排除し
て水質を安定化できる。このため、従来とは異なり、流
動電解処理部10では対処仕切れないという問題がなく
なり、例えば、水質に敏感な海水魚でも安心して飼育で
きる。
【0013】(3)イオン交換体14の母体が無機鉱物で
あるので、カルシウムやマグネシウムイオンなどのミネ
ラル分を飼育水中に自動的に補給するうえ、自然土壌に
近いバランスで溶出するので、魚類の成長促進を良好に
助長できる。特に、バーミキュライトや麦飯石を母体に
選定すると、この効果を増進できる。
【0014】(4)上記(1)〜(3)の外に、本水処理装置の
機能を系統的に概説する。 飼育水は腐敗物の酸化や微生物の硝化作用で酸性に傾
こうとするが、イオン交換処理部10のペーハー中性化
作用で、水質は中性付近に安定化される。腐敗物などに
起因するアンモニアや亜硝酸イオンなどは、イオン交換
或は吸着作用で低減される。また、水槽5に水道水を補
給した場合、魚類に有害な塩素イオンを吸着或は分解除
去できる。 流動電解処理部12では、前記公報に示されているよ
うに、電解による中性化作用や水質の酸性化を防止する
とともに、酸素と水素ガスの活性な気泡ゾルにより有害
な有機物や無機物を酸化、還元分解し、さらに塩素イオ
ンなどを有機物と化合させて不溶化分離する。また、こ
の酸化、還元力で水中の微生物やカビなどを死滅させ、
流通路6や送給装置3内のスケールなどを解膠、分散除
去する。酸素ガスの一部は水中に溶解して溶存酸素濃度
を向上する。この場合、送給装置(例えば、ウォータポン
プ)3の流通上手側にイオン交換処理部10を配置する
と(図3参照)、有機系老廃物を予め吸着除去できるの
で、目詰りを防止してポンプ3をスムーズに稼働でき
る。
【0015】
【発明の効果】
(1)魚類の排泄物や餌料などに起因する巨大分子状の有
機系老廃物や色素をイオン交換処理部で予め吸着除去す
るので、流通下手側に配置された流動電解処理部の失活
や寿命低減を防止し、当該電解処理部の有するペーハー
中性化作用や電解作用などの能力を高く引き出せる。従
って、水槽内の水質をイオン交換作用と流動電解作用と
の相乗的効果で長期に亘り良好に維持できるので、飼育
水の代替回数の低減などにより、一度に多くの水槽の水
質管理が手軽にできるうえ、高価な濾過器を必要とせず
ランニングコストを安くできるので、業務用として好適
である。
【0016】(2)餌や薬剤などの投与量が多過ぎたり濃
過ぎた場合、イオン交換体の緩衝作用で、一旦交換体に
保蓄された効能成分を徐々に水槽に放出して行くので、
魚類への悪影響を回避でき、水槽の水質環境を安定して
保全できる。水道水に含まれる塩素に対してもこの緩衝
作用が働くので、水道水を飼育水として予備処理なしで
そのまま活用できる。 (3)イオン交換体の母体を無機鉱物とするので、飼育水
中にミネラル分を自動的にバランス良く補給でき、魚の
成長促進を助長できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて述べ
る。図1は実施例1を示す鑑賞魚飼育用水処理装置の概
略縦断面図である。
【0018】上記水処理装置は大径と小径の円筒体を上
下2段に重ねて形成した水処理部1と、濾過器2、ウォ
ータポンプ3及びエアコンプレッサ4と、これらの全体
を収容する水槽5とから構成され、ウォータポンプ3に
よって濾過器2を介して強制吸水された水槽5の飼育水
は水処理部1で清浄化処理されたうえで水槽5内に溢れ
て循環する構造になっており、濾過器2とウォータポン
プ3と水処理部1とは水槽5を介して直列閉回路状の飼
育水流通路6を形成する。上記水処理部1の下部の大径
円筒体7をイオン交換処理部10に、また上部の小径円
筒体8を流動電解処理部12に各々構成し、大径円筒体
7の下端入口7aと上端出口7bに各メッシュ体11を
装着し、その間の通水室に多孔性イオン交換体14の切
片状混合物を充填する。
【0019】また、小径円筒体8の上寄りに流動電解室
(即ち、通水室)15を、その下部に送気室16を形成
し、流動電解室15の上下を多数の通水孔13aを空け
た仕切り壁13で夫々区画して、室内に所定の流動電解
用の粒状無機物17を緩やかな密度で跳び撥ね可能であ
り、且つ排出不能に収容するとともに、送気室16に送
気管18を挿入し、送気管18を前記エアコンプレッサ
4に接続する。この場合、飼育水の水流エネルギーとエ
アコンプレッサ4からの気泡エネルギーが粒状無機物1
7の電解誘発手段となり、粒状無機物17は流動電解室
15内で摩擦衝突を繰り返して流動電解現象を起こす。
但し、微振動装置を水処理部1に連動して電解誘発手段
を構成しても差し支えない。前記小径円筒体8の上端出
口8aは水槽5内に臨み、仕切り壁13を経て当該出口
8aから水槽5内に循環する。また、流動電解用無機物
17は筒内を流通する水流だけでも摩擦衝突を繰り返す
ので、エアコンプレッサ4及び送気室16を省略しても
良い。上記濾過器2は、活性炭などの吸着濾過層と生物
濾過層を組み合わせたものである(図示省略)が、簡略な
スポンジフィルターなどでも差し支えない。この濾過器
2とウオータポンプ3は図1の一点鎖線で示すように、
一体のキット19を成して前記大径円筒体7の下端に固
定される。
【0020】一方、前記多孔性イオン交換体14の母体
となる無機鉱物はカチオン交換能を本来的に有するがア
ニオン交換能に乏しいので、当該母体にはアニオン交換
基が固定される。即ち、ペンタエチレンヘキサミンの水
溶液にエピクロルヒドリンを少しづつ混合撹拌し、その
後、加温条件や、水及びエピクロルヒドリンの追加
量の調整により、溶液粘度を制御しながら中間重合物を
得た。母体となる多孔性無機鉱物に粉砕したケイソウ土
(天然物としては「鹿沼土」)を選定し、このケイソウ土に
上記中間重合物を含浸させて90℃以下でケイソウ土を
脱水乾燥すると、水蒸気の蒸発に伴い中間体の重合が進
行して三次元網状構造の不溶性高分子物質が生成し、無
機鉱物表面にイオン性官能基が固定される。この場合、
高分子膜が無機鉱物表面に界面接合するとともに、無機
鉱物内のアルミニウムやカルシウムなどの成分が当該膜
中の官能基と化学結合するので、母体の脆弱さは良好に
強化される。また、次のようにしてアニオン交換体14
を製造しても良い。即ち、塩素化ポリオレフィン、塩素
化ゴム、エピクロルヒドリンゴムなどの低重合度のポリ
マーのうち、塩素成分含有率の多いものをエピクロルヒ
ドリンに溶かした後、少量の乳化懸濁剤並びにアミンな
どの反応性物質を溶かした水相中に撹拌注加しながら乳
化分散させて均質な分散液を得る。この液を水で適宜希
釈してから上記ケイソウ土粒子に含浸させ、加熱により
水分を乾燥させると、二次反応が進んで弾性強度に優れ
たアニオン交換体となる。上述のように、アニオン交換
基を保持するポリマーは、水で容易に希釈できる水溶液
或は水溶状の分散液を用いて無機鉱物表面に固着され
る。基本的には、上述のような脂肪族ポリアミンを始
め、ポリイミン、アンモニアなどのアニオン交換基導入
モノマー或は中間重合物に、エピクロルヒドリン、エチ
レンオキサイドなどのクロルメチル基やオキシド基など
を有する化合物を重合物質として添加して合成される。
尚、アクリル酸、メタクリル酸、MA、MMAなどのカ
ルボン酸の水溶液に過酸化ベンゾイル等の重合開始触媒
を作用させて、イオン交換体14にカチオン交換基を導
入しても良い。また、上述のように、水溶状分散液など
を無機鉱物の母体表面に含浸させてイオン性官能基を導
入すると、母体の表層が多孔性を保ったまま、水や溶質
に対する透過性を持たせることが容易になるので、蛋白
質などの吸着効果を高く維持できる。一方、ミネラル液
などの成長促進剤を予め中間重合液に補填してケイソウ
土に含浸させると、イオン交換体14自体に充分なミネ
ラル補給などの成長促進機能を付与できる。但し、母体
となる無機鉱物をバーミキュライトや麦飯石に代替する
と、それ自体ミネラル分が豊富なので、ミネラル液の補
填を省略するか、補填量を低減できる。
【0021】他方、前記流動電解用の無機物17は誘電
率の異なる無機物同士の混成粒状物を混合するか、誘電
率の異なる無機物を別々に焼結粒状物にしてから混合す
るかのいずれかを基本とするが、具体的には、下記の
との無機物を数ミリ径の球形粒状物に別々に焼結した
ものを適宜混合して構成される。但し、これらの粒状物
は流動摩擦衝突を繰り返すので、ある程度高い硬度が望
ましい。従って、天然鉱物などはアルミナやシリカと混
合焼結することが好ましい。 チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン
酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、ジルコン酸バリ
ウム、ニオブ酸カリウム、スズ酸バリウム、ジルコン酸
鉛、又はチタン酸鉛などの誘電率の大きなセラミックス
や、これらを主成分とする電気石などの天然鉱物 シリカ、アルミナ、ゼオライトなどのセラミックスや
バーミキュライト、ケイソウ土、麦飯石等の無機鉱物な
ど 上記のセラミックスのうち、チタン酸バリウム、チタ
ン酸鉛、チタン酸ストロンチウム、ニオブ酸カリウムな
どは強誘電性を有し、これらの単成分或は複合固溶体
は、の無機物との間に大きな誘電率の落差を生み、強
い流動電解能力を期待できる。また、上記強誘電性を示
す結晶は焦電性と圧電性を示す(例えば、強誘電性結晶粒
子の焼結物をポーリング処理すると圧電体になる)の
で、異種誘電率の無機物を組み合わせなくても(即ち、強
誘電体単独でも)、流水中で流動摩擦・衝突を受けると、
歪みや温度変化で分極をして流動電解現象を引き起こす
ことが考えられる。従って、本実施例1では、例えば、
圧電体として一般的な、強誘電性結晶のチタン酸鉛と反
強誘電結晶のジルコン酸鉛の固溶体であるPZTを始
め、代表的な強誘電体であるチタン酸バリウムなどを各
々単独で流動電解室15に収容することを排除するもの
ではない。但し、チタン酸鉛などの鉛成分含有物は鑑賞
魚の飼育水に適用するには問題が残る。
【0022】そこで、本水処理装置の機能を説明する
と、水槽5の飼育水はウォータポンプ3により濾過器2
を透過して水処理部1に流入する。水処理部1ではまず
下部のイオン交換処理部12で、魚類や藻類の排泄物や
餌料などに起因する有機系の老廃物や色素などの巨大分
子成分を、母体の無機鉱物の1000μm付近までの大きな
孔隙で主に吸着除去するとともに、ペーハー緩衝作用、
アンモニアや塩素分の吸着除去、薬剤液の濃度緩衝作用
などを行って水質を安定化・清浄化する。イオン交換体
14の母体がバーミキュライトなどであればミネラル分
の溶出補給能が大きい。
【0023】水処理部1の上部の流動電解処理部12で
は、水流とエアコンプレッサ4の気泡エネルギーで粒状
無機物17が摩擦衝突を繰り返すので、飼育水は当該処
理部12においてペーハー中性化作用、殺菌、低分子の
有機物や金属などの除去、溶存酸素の補給などを施され
る。即ち、飼育水はイオン交換処理部10と流動電解処
理部12で二段の浄化を受け、小径円筒体8の上端出口
8aから溢れて水槽5に還流する。この場合、飼育水中
の有機系の巨大分子成分は予めイオン交換処理部12で
円滑に除去されるので、これらが流動電解用無機物17
に吸着することはなく、流動電解処理部12の能力を高
く引き出せる。因みに、略60lの飼育水に対してイオ
ン交換体14を1000cc、流動電解用無機物17を
60cc弱作用させると(即ち、イオン交換体14と流動
電解用無機物17の収容比は容積比で略20対1が好
適)、これら両処理剤の交換を要さずに少なくとも1年
余の期間、濁り、着色、臭いなどは認められず、藻類の
発生もなく、水槽5内の水質を良好に保全できた。ま
た、上記イオン交換体14は20%食塩水に30分浸漬
するなどして再生処理する。
【0024】図2は実施例2を示す水処理装置の概略系
統図であり、本実施例2は水槽5の底面にフィルター2
を広く敷設し、フィルター2の吸水口20から導出した
飼育水流通路6の出口21を水槽5の上方に還流させた
底面吸入形式のもので、流通路6の流通下手側にウォー
タポンプ3、イオン交換処理部10及び流動電解処理部
12を順番に配置して、飼育水流通路6のシステム全体
を水槽5外にセットした点を特徴とする。また、仮想線
で示すように、流動電解処理部12の下流側流通路から
分流弁23を介して迂回路22を分岐し、迂回路22の
還流口をウォータポンプ3の上流側に接続して、各処理
部10・12から出た飼育水の一部をさらに水処理部1
に循環させて2段に清浄化処理するように構成しても差
し支えない。
【0025】図3は実施例3を示し、本水処理装置はフ
ィルター2を水槽5の上部に配置し、フィルター2の吸
水口20から導出した飼育水流通路6の出口21を水槽
の底部に広く還流させた底面吹上げ形式に構成し、流通
路6の流通下手側にイオン交換処理部10、ウォータポ
ンプ3及び流動電解処理部12を順番に配置したもので
ある。本実施例3では、水槽5内の腐敗物、残餌や水垢
などはまずイオン交換処理部10で清浄化されるので、
目詰まりをなくしてウォータポンプ3をスムーズに稼働
できる。
【0026】図4は実施例4を示し、水処理装置を実施
例3と同様の揚水形式に構成するとともに、水槽5の上
部にイオン交換処理部10と流動電解処理部12との水
処理部1を一体のキット24に形成して配置し、水槽5
の底部から吸い上げた飼育水をキット24の出口25か
ら水槽5内に循環させるように構成したものである。
尚、本実施例4では、流動電解処理部12の衝突摩擦誘
発手段は水流エネルギー単独である。
【0027】図5は実施例5を示し、水槽5の底部に多
孔性イオン交換体14を飼育水と接触状させて収容し、
当該底部をイオン交換処理部10に広く形成するととも
に、イオン交換処理部10の下方からフィルター2を介
して飼育水流通路6を導出し、水槽5の上方に循環させ
たものであり、流通路6にウォータポンプ3と流動電解
処理部12を下流に向けて順番に配置してある。本実施
例5では、水槽5の底面に広くイオン交換体14を敷設
して、清浄化能力とミネラル分の補給能力を増進でき
る。
【0028】図6は実施例6を示し、実施例2の底面吸
入型の飼育水供給路6を基本として、ウォータポンプ3
の下流側を三方弁26を介して二股の水処理路27に分
岐し、各水処理路25にイオン交換処理部10と流動電
解処理部12から成る水処理部1を夫々配置して、一方
の水処理能力が低下した場合には三方弁26で他方の水
処理路27に切れ変え可能に構成したもので、長期に亘
り水槽5の水質を良好に保全して管理手間を大幅に軽減
できる。尚、本発明は飼育水の閉回路循環方式に特徴が
あるが、水をイオン交換処理部10から流動電解処理部
12に順番に通過させて再循環しない構造に変形して
も、水処理効果は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1を示す鑑賞魚飼育用水処理装置の概略
縦断面図である。
【図2】実施例2を示す鑑賞魚飼育用水処理装置の概略
系統図である。
【図3】実施例3を示す図2の相当図である。
【図4】実施例4を示す図2の相当図である。
【図5】実施例5を示す図2の相当図である。
【図6】実施例6を示す図2の相当図である。
【符号の説明】
1 水処理部 2 濾過器 3 水送給装置 5 水槽 6 飼育水流通路 10 イオン交換処理部 12 流動電解処理部 14 多孔性イオン交換体 17 流動電解用無機物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 9/00 Z 6647−4D

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鑑賞魚飼育用水槽(5)にイオン交換処理
    部(10)と流動電解処理部(12)とを飼育水流通路(6)
    で直列閉回路状に連結し、飼育水送給装置(3)で飼育水
    を飼育水流通路(6)に強制循環可能に構成し、鑑賞魚飼
    育用水槽(5)を基準にしてイオン交換処理部(10)を流
    動電解処理部(12)の流通上手側に配置し、 上記イオン交換処理部(10)は多孔性イオン交換体を通
    水室に収容して構成され、当該多孔性イオン交換体を多
    孔性の無機鉱物の母体にイオン性官能基を結合させて形
    成し、 上記流動電解処理部(12)は、誘電率の異なる複数の粒
    状無機物の混合体を収容した通水室と、当該粒状無機物
    同士を通水室内で摩擦・衝突させる電解誘発手段とから
    構成され、 鑑賞魚飼育用水槽(5)から導かれた飼育水をイオン交換
    処理部(10)でイオン交換処理してから流動電解処理部
    (12)で流動電解処理するように構成した鑑賞魚飼育用
    水処理装置。
  2. 【請求項2】 多孔性イオン交換体(14)の母体になる
    無機鉱物が、バーミキュライト、ケイソウ土、パーライ
    ト、ゼオライト、麦飯石などであることを特徴とする請
    求項1に記載の鑑賞魚飼育用水処理装置。
  3. 【請求項3】 流動電解処理部(12)に収容される無機
    物が、シリカ、アルミナ、バーミキュライト、ケイソウ
    土、ゼオライトなどの少なくとも一種と、チタン酸バリ
    ウムとの混合物であることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の鑑賞魚飼育用水処理装置。
  4. 【請求項4】 流動電解処理部(12)の電解誘発手段が
    通水室を流通する飼育水自体であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の鑑賞魚飼育用水処理
    装置。
JP3306805A 1991-10-25 1991-10-25 鑑賞魚飼育用水処理装置 Pending JPH05115870A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6627073B2 (en) 1999-12-16 2003-09-30 Sanyo Electric Co, Ltd. Water treatment device
JP2008182908A (ja) * 2007-01-29 2008-08-14 Takaoka Electric Mfg Co Ltd 養魚活性器
US9560839B2 (en) 2010-11-17 2017-02-07 Technion Research And Development Foundation Ltd. Physico-chemical process for removal of nitrogen species from recirculated aquaculture systems
US10980220B2 (en) 2016-03-08 2021-04-20 Technion Research & Development Foundation Limited Disinfection and removal of nitrogen species from saline aquaculture systems
KR102391646B1 (ko) * 2021-03-25 2022-04-27 김원식 관리가 용이한 수질개선 시스템

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